JP3684580B2 - 固体撮像装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば高速で移動する物体を撮像する、主に工業用として用いられるカメラ装置等に用いて好適な固体撮像装置に関し、特に、1/1万(sec)等の高速シャッタを可能とした固体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、本件出願人は、特願平2−238930号の明細書及び図面において、フィールド蓄積型の固体撮像素子(CCDイメージセンサ)の電荷蓄積時間を制御することにより、アイリス機構を用いることなく露光調節を行う電子シャッタ機能を有する固体撮像装置を提案している。
【0003】
この固体撮像装置では、図4(a)に示す垂直ブランキング信号がローレベルとなる垂直ブランキング期間(VBLK)に出力される同図(b)に示すハイレベルの画像読み出しパルスにより、CCDイメージセンサに蓄積された電荷を読み出す。上記CCDイメージセンサの電荷蓄積時間は、図4(c)に示すリセットパルスにより制御されており、該CCDイメージセンサはこのリセットパルスが供給されると蓄積した電荷をオーバーフロードレインに掃き捨てるようになっている。このため、上記リセットパルスが供給されている間(電荷掃き捨て期間)は、上記CCDイメージセンサには電荷が蓄積されない。従って、上記CCDイメージセンサに供給する上記リセットパルスを停止したときから、該CCDイメージセンサに電荷が蓄積されることとなり、上記リセットパルスを停止するタイミングを制御することにより、上記CCDイメージセンサの電荷蓄積時間、すなわち、シャッタ速度を制御することができる。
【0004】
上記固体撮像装置は、このような電子シャッタ機能を用いることにより、被写体の動きに応じた上記シャッタ速度を可変することができるため、特に高速移動体における画像の取り込みに有利である。
【0005】
ここで、例えば主として工業用に用いられ、移動する物体の撮像を行うような固体撮像装置が知られている。
この固体撮像装置は、例えば図5に示すような構成となっており、移動路100上を移動する物体101が撮像部102の前に移動してくると、これを位置検出部103が検出し、図6(a)の時刻t11に示すローレベルのトリガパルスをシャッタパルス発生回路104に供給する。
【0006】
上記シャッタパルス発生回路104は、ローレベルのトリガパルスが供給されるとローレベルのシャッタパルスをCCD制御回路105に供給するが、上記ローレベルのトリガパルスが供給されると、図6(b)の時刻t11に示すようにローレベルのシャッタパルスをCCD制御回路105に供給する。
【0007】
上記CCD制御回路105は、上記ローレベルのシャッタパルスが供給されている間はCCDイメージセンサ106に蓄積された電荷を掃き捨てるためのリセットパルスを供給する。これにより、上記リセットパルスが供給されている間は、上記CCDイメージセンサ106による撮像は行われない。しかし、それと同時に上記ローレベルのトリガパルスが供給されると、最後のトリガパルスを供給した後、上記CCDイメージセンサ106に供給するリセットパルスを停止する。これにより、上記CCDイメージセンサ106に電荷の蓄積が開始される。
【0008】
上記CCD制御回路105には、同期信号発生回路107から図6(c)の時刻t11〜時刻t12に示すローレベルの垂直同期信号及び同図(d)に示す水平同期信号が供給されている。上記CCD制御回路105は、上記シャッタパルスが供給されると、図6(c)に示す垂直同期信号の立ち下がりである時刻t11から、同図(d)に示す水平同期信号のパルス数を例えば9発カウントした後、クロックパルスを数百カウントしてから同図(e)の時刻t13に示すハイレベルの読み出しパルスを上記CCDイメージセンサ106に供給する。これにより、上記図6(b)の時刻t11にシャッタパルスが上記CCDイメージセンサ106に供給されてから、同図(e)の時刻t13に上記CCDイメージセンサ106に上記読み出しパルスが供給されるまでの間、撮像レンズ108を介して照射される撮像光に応じた電荷が該CCDイメージセンサ106に蓄積されることとなり、この時刻t11〜時刻t13間がシャッタ速度となる。
【0009】
なお、上記CCDイメージセンサ106からの電荷の読み出しは、図6(f)に示す時刻t11〜時刻t14間である垂直ブランキング期間に行われる。
【0010】
上記CCDイメージセンサ106から読み出された電荷は、撮像信号として撮像信号処理回路109に供給される。上記撮像信号処理回路109は、上記撮像信号に同期信号を付加する等の信号処理を施し、これを出力端子110を介して出力する。この出力端子110を介して出力される撮像信号は、例えば分析器の表示画面等に供給される。これにより、上記物体101を移動させた場合における該物体101の状態等を分析することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような移動する物体の撮像を行う固体撮像装置は、主として工業用として用いられているため、上記図5に示した物体101を高速で移動させ、例えば1/1万(sec)等の高速シャッタにより撮像を行いたい場合がある。
【0012】
しかし、上記固体撮像装置では、例えば垂直同期信号の立ち下がりから水平同期信号のパルス数を9発カウントした後、クロックパルスを数百カウントしてから読み出しパルスをCCDイメージセンサに供給する等のように、上記読み出しパルスの出力タイミングが、該固体撮像装置に用いられるCCDイメージセンサの画素配列に基づいて予め固定され設定されている。
【0013】
これは、上記読み出しパルスが所定のタイミングよりも早く出力され、有効画素が早く読み出されることにより、基準の黒レベルを得るためにCCDイメージセンサに設けられている光学的黒の画素部分(OPB)が上記分析器の表示画面の下端部にはみ出て表示されることを防止するためである。また、上記読み出しパルスが所定のタイミングよりも遅く出力され、有効画素が遅く読み出されることにより、上記表示画面の上端部に上記OPBがはみ出て表示されることを防止するためである。
【0014】
従って、上記固体撮像装置のシャッタ速度(電荷蓄積時間)は、上記垂直同期信号の立ち下がりの時刻から上記読み出しパルスが出力される時刻までの時間以下には短縮することはできなかった。このため、従来の固体撮像装置は、1/1万(sec)等の高速シャッタによる撮像を行うことはできなかった。
【0015】
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、1/1万(sec)等の高速シャッタを可能とした固体撮像装置の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シャッタパルスに応じて蓄積した電荷が掃出される電荷掃捨部を備えると共に読み出しパルスに応じて蓄積した電荷が読み出される固体撮像装置であって、外部から供給されたシャッタコントロールパルスに基いて、上記シャッタパルスを生成するシャッタパルス生成手段と、上記シャッタコントロールパルスに基いて、切換制御信号を生成する切換制御信号生成手段と、水平同期信号よりも高い周波数の信号を出力する発振手段と、上記切換制御信号に基いて、上記垂直同期信号と上記発振手段より発振された信号とを切換えする切換手段と、少なくとも上記切換手段によって選択された信号をカウントするカウント手段とを備え、上記シャッタコントロールパルスに基いて上記カウント手段のカウントを開始し、カウント値が所定のカウント値になったタイミングに基いて上記読み出しパルスを生成することを特徴とする構成として上述の課題を解決する。
【0017】
また、本発明は、上記固体撮像装置において、上記水平同期信号は、外部から供給された外部垂直同期信号と外部水平同期信号に基いて生成される内部水平同期信号であることを特徴とする。
【0018】
【作用】
本発明では、シャッタパルスに応じて蓄積した電荷が掃出される電荷掃捨部を備えると共に読み出しパルスに応じて蓄積した電荷が読み出される固体撮像装置において、外部から供給されたシャッタコントロールパルスに基いて、シャッタパルス生成手段によりシャッタパルスを生成するとともに、切換制御信号生成手段により切換制御信号を生成する。
【0019】
また、上記シャッタコントロールパルスに基いて、切換制御信号生成手段により切換制御信号を生成する。
【0020】
さらに、水平同期信号よりも高い周波数の信号を発振手段により発振する。
【0021】
そして、上記水平同期信号と上記発振手段より発振された信号とを上記切換制御信号に基いて切換手段により切り換え、上記切換手段により切換選択された信号をカウント手段によりカウントする。
【0022】
上記シャッタコントロールパルスに基いて上記カウント手段のカウントを開始し、カウント値が所定のカウント値になったタイミングに基いて上記読み出しパルスを生成する。
【0023】
【実施例】
以下、本発明に係る固体撮像装置の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【0024】
本発明に係る固体撮像装置は、例えば図1に示すような構成となっている。この図1に示す固体撮像装置は、移動路1を移動する物体2を位置検出部3で検出し、この位置検出部3による位置検出信号として得られるトリガパルスに同期して上記物体2の撮像を行う工業用の固体撮像装置に本発明を適用したものであって、上記移動路1上の物体2を撮像レンズ4を介して撮像するCCDイメージセンサ5を備える。
【0025】
そして、この固体撮像装置は、上記CCDイメージセンサ5すなわち固体撮像素子に蓄積された電荷を掃き捨てるためのリセットパルスの供給を停止したときから、蓄積された電荷を読み出すための読み出しパルスを該CCDイメージセンサ5に供給するまでの間を電荷蓄積時間とし、上記リセットパルスの供給を停止するタイミングを制御することにより上記CCDイメージセンサ5の電荷蓄積時間を制御する電子シャッタ機能が設けられており、上記読み出しパルスは、垂直同期信号が供給されたときから水平同期信号のパルス数を所定数カウントして上記CCDイメージセンサ5に供給するようになっている。
【0026】
具体的な構成としては、上記図1に示すように、上記位置検出部3による位置検出信号として得られるトリガパルスを外部の同期信号発生器20に供給する出力端子6と、該外部同期信号発生器20により上記トリガパルスに同期して発生される外部垂直同期信号EXT.VD、外部水平同期信号EXT.HD及びシャッタコントロールパルスSCPが供給される入力端子7〜9を備える。
【0027】
上記外部同期信号発生器20により上記トリガパルスに同期して発生された外部垂直同期信号EXT.VD及び外部水平同期信号EXT.HDは、上記入力端子7,8を介してシグナルジェネレータ10に供給されるようになっている。また、上記外部同期信号発生器20により上記トリガパルスに同期して発生されたシャッタコントロールパルスSCPは、上記入力端子9を介してシャッタパルス作成回路11及び変調HD作成回路12に供給されるようになっている。
【0028】
上記シグナルジェネレータ10は、本発明に係る固体撮像装置における同期信号発生手段として機能するものであって、タイミングジェネレータ13から供給されるクロックCK1 (fCK)に基づいて動作して、上記外部同期信号発生器20からの外部垂直同期信号EXT.VD及び外部水平同期信号EXT.HDの位相を調整して内部垂直同期信号INT.VD’及び内部水平同期信号INT.HDを生成する。そして、このシグナルジェネレータ10は、上記内部垂直同期信号INT.VD’を上記タイミングジェネレータ13に供給し、また、上記内部水平同期信号INT.HDを上記変調HD作成回路12に供給し、さらに、上記外部水平同期信号EXT.HDと内部水平同期信号INT.HDを位相比較器14に供給するようになっている。
【0029】
また、上記シャッタパルス作成回路11は、本発明に係る固体撮像装置におけるシャッタパルス形成手段として機能するものであって、上記外部同期信号発生器20から上記トリガパルスに同期したシャッタコントロールパルスSCPが供給されると、上記CCDイメージセンサ5の蓄積電荷を掃き捨てるためのリセットパルスの供給を停止させるシャッタパルスを形成し、これをCCD駆動回路17に供給するようになっている。
【0030】
また、上記変調HD作成回路12は、上記外部同期信号発生器20から上記トリガパルスに同期したシャッタコントロールパルスSCPが供給されると、上記シグナルジェネレータ10からの内部水平同期信号INT.HDから、該内部水平同期信号INT.HDよりも高い周波数の変調水平同期信号MOD.HDを形成して、これを上記タイミングジェネレータ13に供給するようになっている。
【0031】
また、上記位相比較器14は、上記シグナルジェネレータ10から供給される外部水平同期信号EXT.HDと内部水平同期信号EXT.HDとを位相比較して、その位相差に応じた位相比較出力をローパスフィルタ(LPF)15を介して制御用直流電圧として電圧制御型発振器(VCO)16に供給する。そして、上記VCO16は、上記LPF15からの制御用直流電圧に応じて、上記タイミングジェネレータ13から上記シグナルジェネレータ10に供給されているクロックパルスCK1 (fCK)の、例えば2倍の周波数を有するクロックパルスCK2 (2fCK)を形成し、これを上記タイミングジェネレータ13に供給するようになっている。
【0032】
また、上記タイミングジェネレータ13は,上記VCO16から供給されるクロックパルスCK2 (2fCK)に基づいて動作して、上記シグナルジェネレータ10にクロックパルスCK1 (fCK)を供給するとともに、上記シグナルジェネレータ10から供給される内部垂直同期信号INT.VD’及び変調水平同期信号MOD.HDに応じて上記CCDイメージセンサ5に蓄積された電荷を読み出すための読み出しパルスXV1〜XV4,XSG1,XSG2,H1,H2,PG等を出力する。ここで、このタイミングジェネレータ13は、本発明に係る固体撮像装置における読み出しパルス形成手段として機能するものであって、上記内部垂直同期信号INT.VD’の前縁から上記変調水平同期信号MOD.HDを9カウントした後、クロックパルスCK2 (2fCK)を数百カウントして読み出しパルス(センサゲートパルスXSG1 ,XSG2 )を形成する。
【0033】
そして、上記CCD駆動回路17は、上記シャッタパルス作成回路11からのシャッタパルスにより上記CCDイメージセンサ5の蓄積電荷を掃き捨てるためのリセットパルスの供給を停止し、このリセットパルスの供給を停止している有効電荷蓄積期間中に発生する撮像光の光量に応じた各画素の撮像電荷を上記センサゲートパルスXSG1 ,XSG2 のタイミングを垂直転送部に読み出して水平転送部を介して線順次に出力するように、上記タイミングジェネレータ13からの読み出しパルスに応じて上記CCDイメージセンサ5を駆動する。
【0034】
上記CCDイメージセンサ5から読み出された電荷である撮像信号は、撮像信号処理回路18により同期信号を付加する等の信号処理が施されて、出力端子19を介して例えば画像分析用の分析器等に供給されるようになっている。
【0035】
ここで、上記変調HD作成回路12は、例えば図2に示すように構成される。この図2に示す変調HD作成回路12は、上記外部同期信号発生器20からのシャッタコントロールパルスSCPが入力端子21を介して供給されるリセットパルス発生器22と、このリセットパルス発生器22が発生するリセットパルスPRESET によりリセットされる発振器23、第1及び第2のN進カウンタ24,25、第1及び第2のD型フリップフロップ26,27、上記発振器23による発振出力と上記第1のD型フリップフロップ26によるラッチ出力が供給されるNANDゲート回路28と、上記第2のD型フリップフロップ27のラッチ出力により切換制御される切換スイッチ29とを備え、上記シグナルジェネレータ10から入力端子30を介して供給される内部水平同期信号INT.HDと上記NANDゲート回路28のゲート出力信号とを上記切換スイッチ29で選択することにより変調水平同期信号MOD.HDを生成し、この変調水平同期信号MOD.HDを出力端子31から出力するようになっている。
【0036】
この変調HD作成回路12において、上記リセットパルス発生器22は、上記入力端子21を介して供給されるシャッタコントロールパルスSCPに同期したリセットパルスPRESET を発生し、このリセットパルスPRESET により上記発振器23、第1及び第2のN進カウンタ24,25、第1及び第2のD型フリップフロップ26,27をリセットする。
【0037】
また、上記発振器23は、上記リセットパルスPRESET によりリセットされて、上記内部水平同期信号INT.HDよりも高い周波数fxで発振するパルスジェネレータであって、上記周波数fxのパルスP(fx)を上記第1のN進カウンタ24のクロック端子に供給するとともに、上記NANDゲート回路28に供給するようになっている。また、この発振器23は、発振周波数fxが可変制御できるようになっている。
【0038】
上記第1のN進カウンタ24は、上記リセットパルスPRESET によりリセットされて、上記発振器23からのパルスP(fx)をカウントする例えば9進カウンタであって、上記パルスP(fx)を9カウントする毎にキャリー出力を上記第1のD型フリップフロップ26のクロック端子に供給する。また、上記第1のD型フリップフロップ26は、上記リセットパルスPRESET によりリセットされて、上記第1のN進カウンタ24のキャリー出力をクロックとして、データ端子の論理「L」をラッチすることにより、上記上記リセットパルスPRESET によりリセットされてから上記第1のN進カウンタ24が上記パルスP(fx)を9カウントするまでの期間TA に論理「H」となるラッチ出力を上記NANDゲート回路28に供給する。そして、上記NANDゲート回路28は、上記第1のD型フリップフロップ26のラッチ出力をゲート制御信号として上記発振器23からのパルスP(fx)をゲートすることにより、そのゲート出力信号として上記期間TA 中のみ上記パルスP(fx)を出力する。
【0039】
また、上記第2のN進カウンタ25は、上記シグナルジェネレータ10から内部水平同期信号INT.HDが上記入力端子30を介してクロック端子に供給されるようになっている。この第2のN進カウンタ25は、上記リセットパルスPRESET によりリセットされて、上記内部水平同期信号INT.HDをカウントする9進カウンタであって、上記内部水平同期信号INT.HDを9カウントする毎にキャリー出力を上記第2のD型フリップフロップ27のクロック端子に供給する。そして、上記第2のD型フリップフロップ27は、上記リセットパルスPRESET によりリセットされて、上記第2のN進カウンタ25のキャリー出力をクロックとして、データ端子の論理「L」をラッチすることにより、上記リセットパルスPRESET によりリセットされてから上記第2のN進カウンタ25が上記内部水平同期信号INT.HDを9カウントするまでの期間TB に論理「H」となるラッチ出力を切換制御信号として上記切換スイッチ29に供給する。
【0040】
そして、上記切換スイッチ29は、上記第2のD型フリップフロップ27のラッチ出力で切換制御されることにより、通常は上記シグナルジェネレータ10から上記入力端子30を介して供給される内部水平同期信号INT.HDを選択しており、上記期間TB に上記NANDゲート回路28のゲート出力信号を選択する。これにより、上記期間TB 中の9発の内部水平同期信号INT.HDを上記期間TA の9発のパルスP(fx)に置き換えた変調水平同期信号MOD.HDを生成して、この変調水平同期信号MOD.HDを出力端子31から出力する。
【0041】
このような構成の変調HD作成回路12を備える固体撮像装置では、上記移動路1を移動する物体2が上記CCDイメージセンサ5の前方に位置したことを上記位置検出部3で検出することにより得られるトリガパルスに同期した外部垂直同期信号EXT.VD、外部水平同期信号EXT.HD及びシャッタコントロールパルスSCPが上記同期信号発生器20から供給されることにより、図3のタイミングチャートに示すような撮像動作を行い、上記CCDイメージセンサ5で上記移動路1上の高速移動する物体2を撮像する。
【0042】
すなわち、上記CCDイメージセンサ5は、上記シグナルジェネレータ10により生成される内部垂直同期信号INT.VD’及び内部水平同期信号INT.HDに同期して上記タイミングジェネレータ13で生成される読み出しパルスに応じて動作する上記CCD駆動回路17により駆動され、上記シャッタコントロールパルスSCPに同期したシャッタパルスの後縁タイミングtaから読み出しパルス(センサゲートパルスXSG1 ,XSG2 )の前縁タイミングtbまでを有効電荷蓄積期間TCとした高速シャッタによる撮像動作を行うことになる。
【0043】
これにより、上記移動路1を移動する物体2の画像が上記モニタ装置に表示され、該物体の分析等を行うことができる。
【0044】
従って、上記トリガパルスに対して上記内部垂直同期信号INT.VD’をどの位相で発生させても上記内部垂直同期信号INT.VD’の立ち下がりから、上記変調水平同期信号MOD.HDのカウントを開始するまでの期間が一定となり、ランダムなタイミングで上記トリガパルスが発生しても、露光時間すなわち有効電荷蓄積期間TA を一定とすることができ、ムラの無い画像を上記モニタ装置に表示することができる。
【0045】
図示しないが、上記変調水平同期信号MOD.HDが出力されるタイミングの前1H以上の間隔を設ければ、上記読み出しパルスが所定のタイミングよりも早く出力され、有効画素が早く読み出されることにより生ずる、上記分析器の表示画面の下端部に基準の黒レベルを得るために設けられた光学的黒の画素部分(OPB)がはみ出て表示されることを防止することができ、また、上記読み出しパルスが所定のタイミングよりも遅く出力され、有効画素が遅く読み出されることにより生ずる、上記表示画面の上端部に上記OPBがはみ出て表示されることを防止することができる。
【0046】
また、上記変調水平同期信号MOD.HDは、上述のように通常の周波数の内部水平同期信号INT.HDよりも高い周波数fxのため、該内部水平同期信号INT.HDを上記タイミングジェネレータ13でカウントするときよりも、該カウントを早く終了することができ、その分読み出しパルスを早く出力することができ、高速シャッタを可能とすることができる。
【0047】
すなわち、上記タイミングジェネレータ13において、上記内部垂直同期信号INT.VD’の前縁から上記内部水平同期信号INT.HDを9カウント後、クロックパルスCK2 (2fCK)を数百カウントして読み出しパルス(センサゲートパルスXSG1 ,XSG2 )を形成した場合には、上記CCDイメージセンサ5の有効電荷蓄積期間が図3に示すTc’(約9H)となってしまう。
【0048】
また、上記変調HD作成回路12において、発振器23の発振周波数fxを可変して、上記変調水平同期信号MOD.HDの上記期間TA 中の周波数を可変することにより、所望のシャッタ速度を達成することができる。
【0049】
このため、高速で移動する物体の撮像も鮮明且つ容易に行うことができ、工業上における使用等に貢献することができる。
【0050】
そして、当該固体撮像装置は、水平同期信号を9カウントした後、クロックパルスを数百カウントして読み出しパルスを出力する既存の上記タイミングジェネレータ11を有する従来の固体撮像装置に、上記変調HD作成回路12を設けるだけという構成のため、該従来の回路構成の変更を最小限にとどめることができる。
【0051】
なお、本発明に係る技術的思想は、電子シャッタ機能が設けられており、ランダムに供給されるトリガパルスに同期して撮像を行う固体撮像装置において、水平同期信号を所定数カウントして読み出しパルスを出力するタイミングジェネレータに、通常の周波数の水平同期信号の代わりに、該通常の周波数の水平同期信号よりも高い周波数の変調水平同期信号を供給することにより、上記タイミングジェネレータのカウント動作を早く終了させ、高速シャッタを達成するところにある。
【0052】
また、当該技術的思想は、上記変調水平同期信号の周波数を制御することによりシャッタ速度を制御するところにある。このため、上述の実施例に示した回路構成に限定されることはなく、上述の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係る固体撮像装置は、指定されたシャッタ速度に応じて、通常の水平同期信号よりも高い周波数となるように変調した変調水平同期信号を読み出しパルス形成手段に供給することにより、該読み出しパルス形成手段で行われるパルス数のカウント時間を、該通常の周波数の水平同期信号のパルス数のカウント時間よりも短縮し、上記固体撮像素子に読み出しパルスを供給するタイミングを早めることができる。
【0054】
このため、上記固体撮像素子の電荷蓄積時間、すなわちシャッタ速度を短縮することができ、例えば1/1万(sec)等の高速シャッタを可能とすることができる。
【0055】
また、上記高速シャッタを可能とすることができるため、高速で移動する物体の撮像も鮮明且つ容易に行うことができ、工業上における使用等に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体撮像装置を、ランダムなタイミングで供給されるトリガパルスに同期して撮像を行う工業用の固体撮像装置に適用した場合における実施例のブロック図である。
【図2】上記実施例の固体撮像装置に設けられている変調HD作成回路の具体的に構成を示す回路図である。
【図3】上記実施例の固体撮像装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】電子シャッタ機能が設けられている従来の固体撮像装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】ランダムなタイミングで供給されるトリガパルスに同期して撮像を行う従来の工業用の固体撮像装置のブロック図である。
【図6】上記従来の工業用の固体撮像装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・・・移動路
2・・・・・・・・・・・・・・・・物体
3・・・・・・・・・・・・・・・・位置検出部
5・・・・・・・・・・・・・・・・CCDイメージセンサ
10・・・・・・・・・・・・・・・・シグナルジェネレータ
11・・・・・・・・・・・・・・・・シャッタパルス作成回路
12・・・・・・・・・・・・・・・・変調HD作成回路
13・・・・・・・・・・・・・・・・タイミングジェネレータ
17・・・・・・・・・・・・・・・・CCD駆動回路
18・・・・・・・・・・・・・・・・撮像信号処理回路
20・・・・・・・・・・・・・・・・外部同期信号発生器
Claims (2)
- シャッタパルスに応じて蓄積した電荷が掃出される電荷掃捨部を備えると共に読み出しパルスに応じて蓄積した電荷が読み出される固体撮像装置であって、
外部から供給されたシャッタコントロールパルスに基いて、上記シャッタパルスを生成するシャッタパルス生成手段と、
上記シャッタコントロールパルスに基いて、切換制御信号を生成する切換制御信号生成手段と、
水平同期信号よりも高い周波数の信号を出力する発振手段と、
上記切換制御信号に基いて、上記水平同期信号と上記発振手段より発振された信号とを切換えする切換手段と、
少なくとも上記切換手段によって選択された信号をカウントするカウント手段とを備え、
上記シャッタコントロールパルスに基いて上記カウント手段のカウントを開始し、カウント値が所定のカウント値になったタイミングに基いて上記読み出しパルスを生成することを特徴とする固体撮像装置。 - 上記水平同期信号は、外部から供給された外部垂直同期信号と外部水平同期信号に基いて生成される内部水平同期信号であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
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Related Child Applications (1)
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Publications (2)
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