JP3684389B2 - 風洞試験用加振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機等の飛翔体が備えている翼まわりの非定常流れ現象を調べるために好適な風洞試験用の2次元翼加振装置に関するものであり、特に、3台のモ−タ−をパソコンで制御することにより疑似正弦波加振が出来るとともに、翼模型の平均迎角、振動振幅、振動数を自動的に変更可能にできるようにした風洞試験用加振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非定常空気力に関する風洞試験では2次元翼模型を周期加振し、その翼まわりの非定常空気力の測定、あるいは気流の可視化などを行う場合がある。これらの実験では、風速と翼模型の平均迎角、振動振幅、振動数等のパラメ−タ変更をするので実験時間が長くなり、パラメ−タの変更を自動化し作業効率を上げることは重要である。
【0003】
これまで周期加振する方法として良く使用されてきたのがクランク・レバ−機構であるがこの機構は自動化するためには構成が複雑になるため自動化は難しい。
また最近1台のダイレクト・ドライブ・モ−タ−を使用して三角波加振する方法でパラメ−タ変更を自動化したものがあるが、高い振動数で精度よく加振することは難しいし、制御が複雑となるなど難点も多い。
【0004】
そこで、本発明は、3台のモ−タ−を使用することにより、高級な制御則を使用することなくパソコンからの簡単な指令だけで疑似正弦波加振が出来るとともに、翼模型の平均迎角、振動振幅、振動数を自動的に変更出来る新規な2次元翼模型加振装置を提供し、上記のような問題点を解決することを目的とする。
【0005】
この装置を使用することにより、制御が簡単で動作が確実な3台のモ−タ−をパソコンで制御することにより疑似正弦波加振が出来るとともに,翼模型の平均迎角,振動振幅,振動数を自動的に変更することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
風洞に対して固定された固定軸受と、前記固定軸受を貫通して前記軸受によって回転自在に支持される模型翼と連結可能な軸と、前記固定軸受の外周に回転自在に取り付けた回転ベースと、前記回転ベースの回転により模型翼と連結可能な軸を回転し、模型翼の平均迎角を設定する迎角設定手段と、前記模型翼の回転角を検出する迎角検出手段と、前記回転ベース上に取り付けた加振手段と、前記加振手段により前記模型翼と連結可能な軸を揺動振動させる振動伝達手段とを備えてなる風洞試験用加振装置であり、
前記迎角設定手段は、回転ベースと、回転ベースに取り付け回転ベースの回転中心と同じ回転中心を持つベース回転プーリと、この回転プーリを回転させる回転手段と、回転プーリの回転により、前記模型翼と連結可能な軸を回転させることができるようにしたことを特徴とする風洞試験用加振装置であり、
前記回転プーリを回転させる回転手段は、回転プーリと当接し回転プーリに回転力を付与することができるスライドプレートと、スライドプレートをスライドさせるスクリュウシャフトと、このスクリュウシャフトを回転するモータとからなり、スライドプレートの移動により回転プーリを回転することができることを特徴とした風洞試験用加振装置であり、
前記迎角検出手段は、前記模型翼と連結可能な軸に取り付けた第1検出プーリと第2検出プーリと、第2検出プーリに設けたポテンショメータとからなることを特徴とする風洞試験用加振装置であり、
前記加振手段は、回転ベースに回転自在に取り付けた加振振幅設定プーリと、このプーリ上に取り付けた加振モータと、この加振モータの回転軸に取り付けた回転斜板と、この回転斜板の端面に対して揺動運動が可能に連結されたスライドロッドとからなることを特徴とする風洞試験用加振装置であり、
前記加振振幅設定プーリは、振幅設定モータにより回転可能に構成されていることを特徴とする風洞試験用加振装置であり、
前記振動伝達手段は、前記加振手段のスライドロッドに設けた連結金具と、前記連結金具に連結され、かつ、前記模型翼と連結可能な軸に取り付けた加振プーリとからなることを特徴とする風洞試験用加振装置であり、
前記模型翼と連結可能な軸は中空軸として構成し、中空軸の中空部を煙道として構成したことを特徴とする風洞試験用加振装置である。
【0007】
【実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明に係る2次元翼加振装置の構成を説明すると、図1は本装置の正面図、図2は同一部断面側面図である。
本加振装置は、低速風洞で振動翼まわりの非定常流れを煙を使って可視化するために製作されたものであり、翼模型取り付け用側板、駆動系、パソコンによる制御システムより構成されている。
【0008】
図2において、20は風洞であり、この風洞内に翼模型21が軸22、23によって揺動自在に保持されている。風洞の側面は観測用の透明アクリル板27が取り付けられている。
翼模型21の一端側に取り付けた軸22は煙道24を有する中空軸1に固定されており、中空軸1は風洞20の側板25に固定されている固定軸受26を貫通して回転自在に軸支持され、さらに中空軸1には図1に示すように中空軸1と同軸に加振プーリ2および第1検出プーリ15が固定されている。中空軸1は回転継手を介して煙導供給口に接続されている。
【0009】
前記固定軸受26の外周には軸受28によって回転ベース9が回転自在に取り付けられており、この回転ベース9には固定軸受26と同軸に回転プーリ10がボルト等の固定手段10aにより固定されていて、中空軸1と同じ回転中心でスム−ズに回転出来る構成となっている。
図1において、回転ベース9には振幅設定プーリ7が回転自在に取り付けられており、振幅設定プーリ7の回転中心は後述するスライドロッド3の軸方向の延長線上に配置されており、この振幅設定プーリ7には加振手段を構成する加振モータ6が取り付けられている。加振モータ6は翼模型を疑似正弦波加振するためのモータであり、加振モータ6の回転軸は回転斜板5の回転面の回転中心に垂直に結合しており、前記回転斜板5には、コネクティングロッド4の上端が回転斜板5の端面に対して揺動運動が可能なベアリングにより結合されている。コネクティングロッド4の下端はスライドロッド3の上端の溝に差し込んでピン結合されている。
【0010】
スライドロッド3は回転プーリ10上に取り付けられている軸受29、30によって上下移動、かつ回転自在に軸支されており、軸受29、30の間のスライドロッド3には連結金具12が取り付けられている。前記連結金具12は振動伝達手段を構成しており、前記加振プーリ2の周囲に取り付けたスチールベルトに連結され、スライドロッド3が上下することによって発生する連結金具12の上下運動は、スチールベルトを介して加振プーリ2の揺動運動に変換される。
前記振幅設定プーリ7は、振幅設定モータ8によって振幅設定プーリ7の回転軸廻りに回転可能に構成されている。
【0011】
また、前記中空軸1に取り付けられている第1検出プ−リ15は前記回転ベース9とは別の支持部材に取り付け固定した第2検出プ−リ16とスチ−ルベルトで連結しており、第2検出プーリ16はポテンショメータと結合されている。この第1検出プーリ15と第2検出プ−リ16は翼模型の迎角αを検出する迎角検出手段としての機能を果たす。
前記回転プーリ10は周囲に取り付けたスチールベルトを介してスライドプレート13と当接しており、スライドプレート13はスライドプレートと一体の支持部においてボ−ルスクリュウ14に螺合しており、ボールスクリュウ14は平均迎角を決める迎角設定モータ11に直結され、迎角設定モータ11の回転によりボールスクリュウ14も回転自在に構成されている。迎角設定モータ11の回転によりボールスクリュウ14が回転し、スライドプレート13が図1中左右に移動し、これによって回転プーリ10が回転して、回転ベース9を同じ角だけ回転する。なお、回転プーリを回転させる機構を迎角設定手段とする。
【0012】
上記構成からなる2次元翼加振装置の作動を説明する。
まず、振幅設定モ−タ8、迎角設定モータ11を初期設定し、そのその位置を保持する。これにより翼模型の平均迎角および翼模型に与える振動の振幅を設定できる。この状態で加振モータ6を決められた速度で回転すると、所定の平均迎角を持った翼模型を加振することができる。
具体的には、迎角設定モータ11を回転するとボールスクリュウ14が回転し、ボールスクリュウ14と螺合しているスライドプレート13がスライドする。スライドプレート13のスライドによりスライドプレート13と当接している回転プーリ10が回転し、回転プーリ10と一体の回転ベース9も回転する。この時、回転ベース9上に取り付けられている加振プーリ7、振動振幅モータ8も回転プーリ10と同じ回転中心で回転する。ここで加振モータ6と振動振幅モ−タ8の回転をロックするとスライドロッド3の動きもロックし、この結果、スライドロッド3に連結している加振プーリ2が回転ベースの回転により回転し加振プーリ2に固定されている中空軸1が回転し、中空軸1に結合している翼模型21の平均迎角(α)を決めることができる。この迎角αは前記第1検出プ−リ15と、第1検出プ−リ15とスチールベルトで連結している第2検出プーリ16と、第2検出プーリ16に取り付けたポテンショメータによって検出する。第2検出プーリ16は前記回転ベース9とは別の支持部材に取り付け固定されている。
【0013】
また、加振振幅は振幅設定モータ8により決定する。振幅設定モータ8を回転すると、振幅設定プーリ7が回転し、振幅設定プーリ7上に取り付けた加振モータ6も移動する。このため、加振モータ6の軸に固定した回転斜板5とコネクティングロッド4結合角度θが変化し、これによってスライドロッド3の上下の振幅を変更することができる。即ち振幅設定モータ8を駆動することで振幅設定プーリ7を回転しスライドロッドの上下移動量を決めることができる。
【0014】
こうして振幅設定モータ8、迎角設定モータ11により翼模型の平均迎角および翼模型の振幅量を決定した状態で、即ち、図1のように回転斜板5の回転軸がスライドロッド3の軸方向に対して傾いている時に加振モータ6を回転するとコネクティングロッド4は上下運動、公転運動および揺動運動を行い、スライドロッド3は回転運動と直線運動を行う。スライドロッド3から連結金具12によって取り出した直線運動はスチ−ルベルトを介して加振プーリ2の回転軸回りの揺動運動に変換される。加振プーリ2は翼模型21と中空軸1により直結しているので翼模型21は加振プ−リ2と同じ揺動運動を行う。この揺動運動は回転斜板5の一回転を一周期とする疑似正弦波軌跡を描く。
【0015】
スライドロッド3の上下動による振幅(A)は回転斜板5の回転軸とスライドロッド3の軸方向に対する傾き角(θ)によって決まるので、加振モータ6と回転斜板5を振幅設定プ−リ7上に乗せて、加振モータ6の回転軸と振幅設定プ−リ7の回転軸が直行する位置に回転斜板5が来るようにすると振幅設定プ−リ7の回転角は回転斜板5の傾き角(θ)と等しくなる。振幅設定モ−タ8は振幅設定プ−リ7を任意の角度に回転して振幅(A)を決める。
【0016】
前記加振モータ6、振幅設定モータ8、迎角設定モータ11には回転速度と回転角度を制御できるパルスモ−タ・コントロ−ル、A/D、D/Aおよびカウンタ−の各々のボ−ドを差し込み、ソフト(例えば、Microsoft Windous 95Borland Delphio Desktop Ver。2。0)を使用してボ−ドを制御するプログラムを作成する。この時、操作し易くするためにマウスとキ−ボ−ドを使用してパラメ−タの変更、モ−タのスタ−ト、ストップ等が出来る用に画面を作成すれば良い。
【0017】
この2次元翼加振装置で加振される振動翼模型の迎角は次の近似式により表すことが出来る。
α=αm+Asinwt
A=R1/R2sinθ
ここで t:時間
α:迎角
αm:平均迎角
A:振幅
w:回転振動数(radians/sec)
θ:回転斜板の傾き角
R1:回転斜板の回転半径
R2:加振プーリ2の回転半径
である。
【0018】
つづいて駆動系の主要部の詳細を説明する。
1)ベルト伝導機構と各モ−タとの連結
駆動系にはスチ−ルベルトを用いたベルト伝導機構を使用している。スチ−ルベルトは張力調整を容易にする為に右巻き、左巻き用に各々一本ずつ使用し、右巻き、左巻き用の2本の溝が点いたベルトプ−リの原車、従車の各々に、たすきがけに180°回転分だけ巻き付けた後に端を2本のビスで固定する方式を基本にしている。このような方式で使用すベルト伝導機構の特徴には「機構を小型に納められる」、「ベルトの伸縮が小さい」、「ベルトの滑りが無い」、「ベルトの張力の調整が容易」が挙げられる。また、駆動系のモ−タには3個の同じ使用の原点センサ−付き5相パルスモ−タ(オリエンタルモ−タ(株)製UPK596AS)を使用している。パルスモ−タはDCモ−タと比較して小型で保持力が強く、制御が簡単という特徴がある。
【0019】
2)平均迎角αm用駆動系
平均迎角αmを設定する為に振幅A、回転振動数wの駆動系を乗せた回転ベ−ス9を翼模型の回転軸1まわりに回転させる駆動系である。迎角設定モ−タ11には原点センサ−付き5相パルスモ−タを使用し、出力はボ−ルスクリュウで駆動するリニア−ガイドとベルトプ−リをスチ−ルベルトで連結した特殊なベルト伝導機構で減速され、最大負荷トルクは240kg/cmである。スチ−ルベルトは厚さ0.15mm、幅10mmのステンレス製を採用し、両端は各々リニア−ガイドと従車のベルトプ−リにビス二本で固定している。設定位置精度は大きい負荷トルク、伸縮が小さく滑りの無いスチ−ルベルトを使用したベルト伝導機構とガタの小さいボ−ルネジにより高い精度で維持される。回転ベ−ス9と固定軸受26の結合にはラジアル荷重、モ−メント、スラスト荷重の複合荷重に対する剛性の高い(株)THK製のクロスロ−ラベアリング28を使用している。過回転防止の為に、リニアガイドの両端部にリミットスイッチとしてフォトセンサ−2個使用し、回転ベ−スの両側には±55°回転した位置にミニチュアダンパ−付きのストッパ−を設けている。このストッパ−は伝導機構の調整時に電源を切った際に、フリ−になった回転ベ−スを支持する役目もある。
【0020】
3)加振振幅Aを設定する為に加振モータ6の載った振幅設定プ−リ7を回転して回転斜板5の角度θを変化させる駆動系。
振幅設定モ−タ8は原点センサ−付き5相パルスモ−タを使用し、出力はスチ−ルベルトを使用したベルト伝導機構によって減速して最大負荷トルクは240kg/cmである。スチ−ルベルトは平均迎角αm用駆動系と同じものを使用し、両端は各々原車、従車に180°巻き付けてからビス二本で固定している。設定位置精度は大きい負荷トルクと伸縮が小さく滑りの無いスチ−ルベルトを使用したベルト伝導機構により高い精度で維持される。過回転防止の為に従車側のベルトプ−リにリミットスイッチとしてフォトセンサ−2個を使用している。
【0021】
4)翼模型振動駆動系
翼模型21を疑似正弦波加振するために加振モ−タ6の回転運動を回転斜板5とコネクティンッロッド4でスライドロッド3の上下運動に変換する。次いで、再びベルト伝導機構で加振プーリ2の回転運動に変換して翼模型を回転軸廻りに揺動運動させる駆動系である。加振モ−タ6は原点センサ−付き5相パルスモ−タを使用し、出力は回転車板とスチ−ル・ベルト伝導機構によって減速され最大負荷トルクは120kg/cmである。加振モ−タ6の回転軸にはラジアル荷重以外に大きいモ−メントが作用するのでφ8mmの回転軸をφ12mm〜φ30mm程度に太くし、ボールベアリングで支持してから回転斜板5と(株)椿本チェイン性のパワ−ロックを使用して強固に結合している。回転斜板5の形は負荷変動による速度変動を小さくする為にフライホイルの役目もしており、約80%の変動エネルギ−を吸収をするように成形している。
【0022】
コネクティングロッド4の下端部はスライドロッド3の上端部の溝に差し込みピン結合しているので、コネクティングロッド4は上下運動、公転運動と揺動運動が可能である。回転運動と上下運動をするスライドロッド3は両端をメタル軸受支持され凹形金具(連結金具)12のメタル軸受を貫通している。連結金具12をスライドロッド3の中間位置に固定しているので連結金具12はスライドロッド3から上下運動のみ取り出すことが出来て、取り出した上下運動をスチ−ルベルト(幅8mm、厚さ0。15mm)を使用したベルト伝導機構で翼模型加振用の加振プ−リ2に伝達する。加振プーリ2と翼模型回転軸(中空軸)1との結合には(株)椿本チェイン製のパワ−ロックを使用して強固に結合している。
【0023】
5)迎角αセンサ−
翼模型の迎角αの測定は、翼模型側を第1検出プーリ15、ポテンショメ−タ側を第2検出プーリ16とし、スチ−ルベルト(幅8mm、厚さ0.15mm)を使用したベルト伝導機構によって翼模型の迎角αをポテンショメ−タに伝達し、安定化電源を使用して正確なアナログ値を出力する。
【0024】
6)パソコンによる制御システム
パソコンと各モ−タ及びセンサーはインタ−フェ−ス回路を介して接続し、ソフトウェアによって制御する。
a)各モ−タの制御
基本的にパルスモ−タは1個ずつ回転子、同時に複数個回転することはない。これは、機構的にも安全であり、運転者からも各動作を確認しやすい。
各パラメ−タの設定は操作画面から行い値が不適当であれば入力できない。また、設定されたパラメ−タは必要に応じて確認することができる。
【0025】
b)動作
各動作とも原点位置に移動することから開始する。原点位置に移動出来ない時は何らかのトラブルであるから以後の動作を行うことは出来ない。
また、何らかの原因により正規の動作範囲外に移動した場合はその方向への移動は停止する。この場合、不用意にモ−タの電流を切ると返って危険なので動作司令パルスを停止することする。正規の状態であれば0.1〜8Hzの範囲で翼模型を加振する。
c)トリガ−信号
パラメ−タセット画面の中でカメラのシャッタを切るためのトリガー信号を出力するタイミングを設定する。
d)デ−タファイル
ポテンショメ−タの出力電圧をサンプリングした上でA/D変換を行い、デ−タファイルに保管する。サンプリングの周期は画面上で設定することができるが、その値はパルスモ−タの駆動パルスを分周したものとする。
【0026】
本加振装置を使用した実験例
使用する風洞は風速範囲が1〜65m/sで測定部の大きさが〔550mm幅×650mm高さ×1、500mm長さ〕の回流形(ゲッチンゲン形)である。測定部は固定壁で、4本の角柱梁に上下壁および側壁をビスで固定する構造になっている。本加振装置は測定部の側壁の一部を外し、代わりの側壁と一体に成形して装着する。
加振する翼模型は、翼型「NASA−GA(W)−1」、翼弦150mm、翼幅550mm、重量1.26kgの2次元翼である。
【0027】
回転軸の構造は、着脱を容易にする為に観測窓側にベアリングの孔に差し込むφ7mmの回転軸を取り付け、駆動装置側にはφ12mmの嵌合穴を設け、駆動系から中空軸を差し込む用にしている。また、トルク伝達するのに駆動装置側に回転中心から20mmのところにφ5mm嵌合孔を設け、駆動装置の回転軸からピンを差し込み結合できる様にしている。負荷条件として、風速15m/sおいて、振動数8Hz、振幅±10°で加振可能としている。
翼模型取り付け用側壁の寸法は約縦566mm×横595mmで観測窓側は厚さ10mmの透明アクリル板を使用。翼模型の回転軸が貫通する部分には翼厚を越えない外径 16mmのボ−ル・ベアリングを入れている。駆動装置側の側壁は厚さ15mmのジュラルミン製とし、駆動装置と一体に製作している。
【0028】
なお、上記実施形態としては、駆動系としてスチールベルトを使用しているが、たとえば、他の材料からなるベルトや歯車伝導機構等を使用することも可能である。
また、本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができ、また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
【0029】
【発明の効果】
以上詳細に述べた如く本発明によれば、
3台のモ−タ−を制御することにより疑似正弦波加振が出来るとともに,翼模型の平均迎角,振動振幅,振動数を自動的に変更することができる。
パソコン画面等の操作手段からの指令で翼模型の平均迎角、振幅、振動数を自動的に短時間で変更できる。
等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる加振装置の正面図である。
【図2】同装置の一部断面側面図である。
【符号の説明】
1 中空軸
2 加振プーリ
3 スライドロッド
4 コネクティングロッド
5 回転斜板
6 加振モータ
7 振幅設定プーリ
8 振幅設定モータ
9 回転ベース
10 回転プーリ
11 迎角設定モータ
12 連結金具
13 スライドプレート
14 ボールスクリュウ
15 第1検出プーリ、
16 第2検出プーリ
20 風洞
21 翼模型
22、23 軸
24 煙道
25 側板
26 固定軸受
27 アクリル板
28、29、30、31 軸受
Claims (8)
- 風洞に対して固定された固定軸受と、
前記固定軸受を貫通して前記軸受によって回転自在に支持される模型翼と連結可能な軸と、
前記固定軸受の外周に回転自在に取り付けた回転ベースと、
前記回転ベースの回転により模型翼と連結可能な軸を回転し、模型翼の平均迎角を設定する迎角設定手段と、
前記模型翼の回転角を検出する迎角検出手段と、
前記回転ベース上に取り付けた加振手段と、
前記加振手段により前記模型翼と連結可能な軸を揺動振動させる振動伝達手段とを備えてなる風洞試験用加振装置。 - 前記迎角設定手段は、回転ベースと、回転ベースに取り付け回転ベースの回転中心と同じ回転中心を持つベース回転プーリと、この回転プーリを回転させる回転手段と、回転プーリの回転により、前記模型翼と連結可能な軸を回転させることができるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の風洞試験用加振装置。
- 前記回転プーリを回転させる回転手段は、回転プーリと当接し回転プーリに回転力を付与することができるスライドプレートと、スライドプレートをスライドさせるスクリュウシャフトと、このスクリュウシャフトを回転するモータとからなり、スライドプレートの移動により回転プーリを回転することができることを特徴とした請求項2に記載の風洞試験用加振装置。
- 前記迎角検出手段は、前記模型翼と連結可能な軸に取り付けた第1検出プーリと第2検出プーリと、第2検出プーリに設けたポテンショメータとからなることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の風洞試験用加振装置。
- 前記加振手段は、回転ベースに回転自在に取り付けた加振振幅設定プーリと、このプーリ上に取り付けた加振モータと、この加振モータの回転軸に取り付けた回転斜板と、この回転斜板の端面に対して揺動運動が可能に連結されたスライドロッドとからなることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の風洞試験用加振装置。
- 前記加振振幅設定プーリは、振幅設定モータにより回転可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の風洞試験用加振装置。
- 前記振動伝達手段は、前記加振手段のスライドロッドに設けた連結金具と、前記連結金具に連結され、かつ、前記模型翼と連結可能な軸に取り付けた加振プーリとからなることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の風洞試験用加振装置。
- 前記模型翼と連結可能な軸は中空軸として構成し、中空軸の中空部を煙道として構成したことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の風洞試験用加振装置。
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