JP3684060B2 - 画像形成装置の転写電圧設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、さらに詳しく言えば、中間転写手段を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いる複写機、プリンタ等の画像形成装置において、複数色のトナー像を重ね転写することによってカラー画像を得るものは周知である。重ね転写を行う方法として、転写ドラムを用いる方法、中間転写体を用いる方法などがある。
【0003】
転写ドラムは、転写ドラムに巻装されるフィルムに記録材(転写紙等)を巻き付け、その記録材に感光体から順次複数色のトナー像を重ね転写するものである。この方式では、フィルムに記録材を巻き付けるために記録材を静電的に保持する必要があり、フィルムには絶縁体が使用される。転写ドラムではフィルムに絶縁体を用いるため、付与された転写電荷を強制的に除電する除電手段を設ける必要がある。
【0004】
中間転写体を用いる方法は、中間転写体に直接感光体から順次複数色のトナー像を重ね転写し、その重ね転写されたトナー像を、中間転写体から記録材に一括して転写するものである。この方法では、記録材を中間転写体に巻き付けるものではないため、中間転写体に絶縁体を用いる必要がなく、中抵抗(体積抵抗107〜1014Ωcm)の材料を用いることができる。中抵抗体は付与された電荷が所定の時定数により自然減衰するために、中間転写体を用いる方法では、転写ドラムのような除電手段を設ける必要がないという利点がある。また、記録材を保持しないことからペーパーフリー性や全面コピーが可能などのほか、中間転写体を用いる方法ではオゾン低減、省電力などの点でも有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、中間転写体を用いる方法で中間転写体に中抵抗体を用いた場合には、中抵抗体が絶縁体に比べて電気的に不安定であるため、転写後の文字・ライン画像に「転写チリ」、「転写にじみ」と通称される異常画像が発生することがある。
【0006】
このような異常画像の発生を解消するために、本願出願人は、像担持体と中間転写体の接触部(転写ニップ)において転写電荷を除電する発明を別途出願している。この別途出願した発明によって、中間転写体に中抵抗体を用いた場合であっても「転写チリ」、「転写にじみ」などの異常画像の発生を抑制することが可能となった。
【0007】
しかしながら、先の出願においては、転写異常画像の発生を抑制することが可能となったものの、転写効率が充分に満足し得るものではなかった。
本発明は、従来技術における上記諸問題を解決し、転写異常画像の発生をより効果的に抑制するとともに充分な転写効率を実現することのできる転写電圧設定方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は本発明により、可視像を担持する像担持体と、該像担持体と接触し像担持体上の可視像を記録材上へ転写するための移動可能な転写体と、前記像担持体と転写体の接触部において転写体に付与された転写電荷を減じる除電電極と、該除電電極の前記転写体移動方向下流側に配置され前記転写体に転写電荷を付与する転写電極とを有する画像形成装置の転写電圧設定方法において、前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109〜1011Ωcmの範囲)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、前記接触部終了点における前記転写体裏面の電位をVb1とするとき、Vb1=Vt(a・X1 2+b・X1)/800、a=500+300(logR−10)、b=300−300(logR−10)、250+VL≦Vb1 の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することにより解決される。
【0009】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109〜1011Ωcmの範囲)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、前記接触部終了点における前記転写体裏面の電位をVb1とするとき、Vb1=Vt(a・X1 2+b・X1)/800、a=500+300(logR−10)、b=300−300(logR−10)、1200+VL≧Vb1 の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを提案する。
【0010】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109〜1011Ωcmの範囲)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、前記接触部終了点における前記転写体裏面の電位をVb1とするとき、Vb1=Vt(a・X1 2+b・X1)/800、a=500+300(logR−10)、b=300−300(logR−10)、700+VL≧Vb1≧400+VL の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを提案する。
【0011】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置方向に計った距離をd(mm)、規格化した値X=d/Lとし、前記接触部内での前記転写体裏面電位がV1=250+VLとなるときのXの値をX0とすると、X0=[−b・Vt+(b2・Vt2+3200・a・Vt・V1)0.5]/(2・a・Vt)、(X1−X0)・L>4(mm)の関係式を前記関係式に加えて用いることを提案する。
【0012】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置方向に計った距離をd(mm)、規格化した値X=d/Lとし、前記接触部内での前記転写体裏面電位がV1=250+VLとなるときのXの値をX0、前記転写体の線速をVaとするとき、X0=[−b・Vt+(b2・Vt2+3200・a・Vt・V1)0.5]/(2・a・Vt)、t0=(X1−X0)・L/Va>0.022(sec)の関係式を前記関係式に加えて用いることを提案する。
【0013】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109Ωcm以下)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、Vb1=Vt・X1とするとき、250+VL≦Vt・L1/Lの関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを提案する。
【0014】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109Ωcm以下)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、Vb1=Vt・X1とするとき、1200+VL≧Vt・L1/Lの関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを提案する。
【0015】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109Ωcm以下)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、Vb1=Vt・X1とするとき、700+VL≧Vt・L1/L≧400+VL の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを提案する。
【0016】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、V1=250+VLとするとき、(L1/L−V1/Vt)・L>4(mm)の関係式を前記関係式に加えて用いることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、V1=250+VL、前記転写体の線速をVaとするとき、(L1/L−V1/Vt)・L/Va>0.022(sec)の関係式を前記関係式に加えて用いることを提案する。
【0017】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記像担持体・除電電極・転写体の経時劣化や環境変動及び部品のばらつきに応じて前記除電電極の位置を調節することにより、最適な転写効率を維持することを提案する。
【0018】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記除電電極の移動範囲を前記像担持体と転写体の接触部内とすることをことを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、転写不良が発生した場合に、前記除電電極を前記転写体移動方向の上流側に移動させることを提案する。
【0019】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、転写過多が発生した場合に、前記除電電極を前記転写体移動方向の下流側に移動させることを提案する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である電子写真装置の作像部付近を示す構成図である。この図に示す作像部は、感光体ドラム1を中心として、その周囲に配置された帯電器2、電位センサ3、4色の現像器41〜44、Pセンサ5、中間転写ベルト6、クリーニング前除電器(PCC)7、クリーニング装置9、除電ランプ10等により構成される。本実施形態の電子写真装置は、一つの感光体ドラム1に対向して4色の現像器41〜44(感光体回転方向の順にブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を並べて配置してあり、感光体ドラム1上に異なる色成分ごとに形成されるトナー像を中間転写ベルト6上に順次重ね転写し、その重ね転写されたトナー像を転写紙等の記録材上に一括転写することによってカラー画像を得る1ドラム中間転写方式である。
【0021】
感光体ドラム1は、アルミの素管上に下引き層・電荷発生層・電荷輸送層の順に重ねて製造した機能分離型の感光層を有している。感光層の厚さは10〜40μm、比誘電率は約3である。帯電器2は、本実施形態ではスコロトロン帯電器を用いている。
【0022】
この画像形成装置における作像プロセスを簡単に説明する。
感光体ドラム1を帯電器2で均一にマイナス帯電(約−650〜−700V)させた後、画像情報に応じたレーザ光Lを露光位置に照射し、感光体ドラム1上に−100〜−500Vの静電潜像を形成する。感光体の帯電電位や露光部電位を電位センサ3で検出し、帯電条件や露光条件などを制御することもできる。現像部には4色の現像器41〜44を並べて配置してあり、各色ごとに静電潜像を現像する。各現像器41〜44は乾式2成分現像剤を用い、感光体ドラム1上の低電位部(露光により電位が減衰した部分)にマイナス帯電トナーを付着させる反転現像方式である。現像バイアスは約−500〜−550Vとなっている。現像バイアスには交流成分を重畳させてもよい。現像部の下流側にはPセンサ5が配置され、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。感光体ドラム1上に順次形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト6上に転写される。本実施形態で用いているトナーは、粉砕法により製造した不定形で、平均粒径は6〜8μとした。
【0023】
転写体としての中間転写ベルト6は、フッ素系の樹脂の中にカーボンブラックを分散させた単層の中抵抗体であり、厚さが50〜300μm、比誘電率は約11、体積抵抗値Rvが1×107〜1×1011Ωcmのものを用いる。なお、ベルト材料としてはポリカーボネイトなどの他の樹脂を用いることもできる。本実施形態では、中間転写ベルト6への転写電圧の印加は、間接印加方式を採用しており、入口ローラ12と出口ローラ13の間に架張されたベルト部分が感光体ドラム1に接触している。入口ローラ12は接地され、出口ローラ13にプラス極性の転写電圧Vtが印加される。転写電圧Vtは図示しない電源から供給され、その出力値は制御部によってコントロールされている。以後、感光体ドラム1から中間転写ベルト6へのトナー像転写を「ベルト転写」と呼ぶ。
【0024】
ベルト転写後、感光体ドラム1はPCC7によって帯電量が制御され、クリーニング装置9のブラシ及びブレードによって感光体上の残留トナーが除去される。感光体上の残留電荷は除電ランプ10によって除去される。
【0025】
中間転写ベルト6上に1色目のトナー像が転写された後、2色目の作像動作を開始し、中間転写ベルト6上に2色目のトナー像を重ねて転写する。この時、転写される順番ごとに転写電圧を増加させていってもよい。フルカラー画像の場合、転写ベルト6上に黒、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー画像を順次転写した後、その重ね転写されたトナー像(フルカラー画像)を一括して記録紙14上に転写する。中間転写ベルト6から記録紙14へのトナー像の転写は、紙転写ローラ11で記録紙の裏側からプラス極性の電圧を印加することによって行っている。以後、中間転写ベルト6から記録紙へのトナー像転写を「ペーパ転写」と呼ぶ。ペーパ転写後にベルト上に残留したトナーはベルトクリーニング手段8によって除去される。
【0026】
なお、中間転写体としては剛体の中間転写ドラムを使用することもできるが、中間転写ベルト方式の場合は、ベルト回りのレイアウトの自由度が大きく、装置小型化に有利である。
【0027】
図2は、ベルト転写部を詳しく示す拡大図である。本発明が適用される装置は、ベルト転写部において、ニップ幅N内の転写体(転写ベルト)裏面の少なくとも一部に接触する電極(転写電荷を除電するための電極)を有している。この電極を接地あるいは転写バイアスと逆極性の電圧を印加することによって、転写ニップ部入口側での転写電界を弱め、プレ転写によるトナーの飛び散りを防止することができる。本実施形態では、電極として幅(ベルト6回動方向の長さ)Bの導電性ブラシ14を用いており、これをニップ幅N内において中間転写ベルト6の裏面に接触させている。図2において、ブラシ14の下流側(ベルト6回動方向の下流側)端部からニップ端部までの距離をL1とし、ブラシ14の下流側端部から出口ローラ13(の中心)までの距離をLとする。
【0028】
さて、本発明は、中間転写ベルトに付与された転写電荷を除電する除電電極(導電性ブラシ14)の位置と転写バイアス・感光体1と中間転写ベルト6のニップ幅・中間転写ベルト6の体積抵抗値等を後述する条件を満たすように設定することによって、充分な転写効率を得ようとするものである。
【0029】
まず、ニップ中心からの距離とベルト裏面電位の関係が、体積抵抗値の異なるベルトによってどのように違うかについて説明する。
図3は、電界シュミレーションによってベルト裏面の電位分布を計算した結果を示すグラフである。感光体ドラム1と中間転写ベルト6のニップ中心をX軸の原点とし、縦軸にベルト裏面の電位をプロットした。すなわち、ニップ中心からの距離に応じたベルト裏面の電位を示している。なお、ここでは、ニップ中心から±18mmのところに出口ローラ13と入口ローラ12を配置し、ニップ幅は20mmとした。また、印加バイアスは800Vとしている。計算に用いたベルトは次の3種類である。
ベルト▲1▼:体積抵抗Rv=109Ωcm
ベルト▲2▼:体積抵抗Rv=1010Ωcm
ベルト▲3▼:体積抵抗Rv=1011Ωcm
そして、接地された導電性ブラシ14は、X座標で−5〜−1.4mmのところでベルト裏面に接触している。
【0030】
図3のグラフからわかるように、各ベルトにおいて、導電性ブラシから入口ローラ側ではベルト裏面の電位に大きな変化はなく、出口ローラに近づくにしたがって電位が高くなっている。そして、ブラシ下流から転写バイアスローラ(出口ローラ)にかけてのベルト裏面電位は、体積抵抗の低いベルト▲1▼では直線的であり、体積抵抗が大きくなるにつれ、2次曲線的になっている。
【0031】
図4は、導電性ブラシの位置を、X座標で+2〜+5.7mmのところでベルト裏面に接触するように配置し、それ以外の条件は図3の場合と同様にした場合を示している。
【0032】
図4のグラフでも、各ベルトにおいて、導電性ブラシから入口ローラ側ではベルト裏面の電位に大きな変化はなく、出口ローラに近づくにしたがって電位が高くなっている。そして、ブラシ下流から転写バイアスローラ(出口ローラ)にかけてのベルト裏面電位は、体積抵抗の低いベルト▲1▼では直線的であり、体積抵抗が大きくなるにつれ、2次曲線的になっている。
【0033】
図5は、印加バイアスVtを1600Vとし、それ以外の条件は図4の場合と同様にした場合を示している。
図5のグラフでも、各ベルトにおいて、導電性ブラシから入口ローラ側ではベルト裏面の電位に大きな変化はなく、出口ローラに近づくにしたがって電位が高くなっている。そして、ブラシ下流から転写バイアスローラ(出口ローラ)にかけてのベルト裏面電位は、体積抵抗の低いベルト▲1▼では直線的であり、体積抵抗が大きくなるにつれ、2次曲線的になっている。
【0034】
このように、図3,4,5のグラフから、中間転写ベルトの体積抵抗が低い場合には、導電性ブラシ下流部から出口ローラ(転写バイアスローラ)にかけてのベルト裏面電位は直線的に変化し、抵抗が大きくなると2次曲線的に変化することがわかる。
【0035】
さらに、計算条件を変えてシュミレーションを行ったところ、計算したベルト抵抗値の範囲では、トナー帯電量や感光体表面電位の影響が少なく、ベルト抵抗と各ローラや導電性ブラシの配置による影響が支配的であった。
【0036】
図6は、導電性ブラシ14の下流側端部から出口ローラ13までの距離をL、導電性ブラシ下流側端部からの距離をdとしたとき、X=d/Lと規格化して、ブラシ下流側のベルト裏面電位をプロットし直したグラフである。なお、ここには印加バイアス800Vの場合を示す。このグラフから、導電性ブラシ14の位置が異なっても、X=d/Lに対するベルト裏面電位はほぼ同じ(図6のグラフにおいて、図3のベルト▲1▼と図4のベルト▲1▼のベルト裏面電位はほぼ同じ、ベルト▲2▼及びベルト▲3▼についても同様)であることが解る。
【0037】
また、図5の場合は印加バイアスが1600Vであり、図4の場合の印加バイアス(800V)の2倍であるが、図5における縦軸の値すなわちベルト裏面電位も図4の場合の2倍となっており、印加バイアスに比例してベルト裏面電位も上昇することが、図4と図5を比較することにより解る。
【0038】
以上の考察より、中間転写ベルトの体積抵抗が109〜1011Ωcmの範囲では、ベルト裏面電位Vbは、
Vb=Vt(a・X2+b・X)/800
と近似される。ただし、Vtは印加バイアス、a=500+300(logR−10)、b=300−300(logR−10)、X=d/Lである。また、logの底は10、すなわちlog10Rである。
【0039】
上記一連の式により、ニップ内の任意の位置に導電性ブラシ14を配置した場合でも、中間転写ベルト6の裏面の電位分布が算出でき、最適な転写バイアスの設定を容易に行うことができる。
【0040】
ところで、中間転写ベルト6の体積抵抗が109Ωcm以下の場合には、導電性ブラシ下流部から転写バイアス印加ローラ(出口ローラ13)間のベルト裏面電位は完全に直線で近似することができ、Vb=Vt・d/Lとなる。
【0041】
ベルト裏面の電位と転写性は非常に高い相関があり、特に像担持体(感光体)と転写体(中間転写ベルト)が形成する転写ニップ部内の電位が高いと転写電界も強くなる。逆に、ニップ部内の電位が低いと転写電界が弱くなり、転写率の低下が発生する。トナーをニップ内で転写体(中間転写ベルト)に移動させるためには、ニップ内でベルトが次式で求められるV1以上である領域が充分に存在しなければならないことが、以前の研究から判明している。
【0042】
V1の値は、V1=250+VLで与えられる。ここでVLは可視像部における像担持体(感光体)の表面電位である。ニップ内で中間転写ベルトの裏面電位(ベルト裏側の表面電位:ひょうめんの電位)がV1以上になると、転写に必要な電界が形成されてトナーが転写体である中間転写ベルトに移動する。
【0043】
また、中間転写ベルト6の体積抵抗が109〜1011Ωcmの場合、導電性ブラシ14からニップ部出口までの距離をL1、ブラシ14から出口ローラ13までの距離をL(図2参照)とすると、X1=L1/Lの場所での中間転写ベルト6の裏面電位Vb1は、
Vb1=Vt(a・X1 2+b・X1)/800
で与えられる。ただし、Vtは印加バイアス、a=500+300(logR−10)、b=300−300(logR−10)である。
【0044】
すくなくとも、ニップ出口での電位Vb1がV1以上でなければトナーは転写しないことから、
250+VL≦Vb1
の関係式が得られる。実際には、V1を越える領域が充分にニップ内に存在する必要があるため、
250+VL<Vb1
である。
【0045】
また、実際には、上述のように、ニップ内でベルト裏面電位がV1以上である領域(以後、実効転写領域と呼ぶ)が、ある程度確保されていないと充分な転写率が得られない。この領域は、発明者らの研究によると約4mm以上、その領域をベルトが通過する時間に換算すると22msec以上が必要という結果が得られている。
【0046】
そして、ベルト裏面電位がV1となるときのX(=d/L)の値をX0とすると、次式からXを求めることでX0を得ることができる。
V1=Vt(a・X2+b・X)/800
上式は、
a・Vt・X2+b・Vt・X−800・V1=0
となり、
X0=[−b・Vt+(b2・Vt2+3200・a・Vt・V1)0.5]/(2・a・Vt)であるから、ベルト裏面電位がV1以上となる実行転写領域は、
(X1−X0)×L(mm)となる。
すなわち、(X1−X0)×L>4(mm)のときに充分な転写が可能となる。
【0047】
また、この実効転写領域をベルトが通過するのに要する時間をt0とすると、
t0=(X1−X0)・L/Va
となる。ただしVaはベルトの線速(mm/s)である。従って、この時間t0が22msec以上である必要があることから、
(X1−X0)・L/Va>0.022(sec)
のときに充分な転写が可能となる。
【0048】
ところで、ベルト裏面の電位Vbが大きすぎると中間転写ベルトと感光体間で放電が発生し、転写性が低下するといった不具合(転写過多)が発生する。本願発明者らの以前の研究から、ニップ出口の電位Vb1が次式で与えられるV2より大きい場合には、転写過多が発生することが分かっている。
V2=1200+VL
よって、
1200+VL≧Vb1
の関係式が得られる。
【0049】
ただし、この関係式は、ベルト抵抗があらゆる範囲に対応したものであるため、本願発明において考察しているベルト抵抗の範囲(109〜1011Ωcm)では、非常に緩い条件となっている。そのため、後述する実験によれば、
700+VL≧Vb1≧400+VL
の範囲が妥当である。
【0050】
先に、中間転写ベルトの体積抵抗が109Ωcm以下の場合には、導電性ブラシ下流部から転写バイアス印加ローラ間のベルト裏面電位は完全に直線で近似することができ、Vb=Vt・d/Lとなる、と述べた。したがって、除電電極(導電性ブラシ14)からニップ部出口までの距離を距離をL1、ブラシ14から出口ローラ13までの距離をL(図2参照)とすると、X1=L1/Lの場所での中間転写ベルト6の裏面電位Vb1は、
Vb1=Vt・X1
で与えられる。少なくともニップ出口での電位Vb1がV1以上でなければトナーは転写しないことから、
250+VL≦Vb1
の関係式が得られる。実際には、V1を越える領域が充分にニップ内に存在する必要があるため、
250+VL<Vb1
である。
【0051】
実際には、上述のように、ニップ内でベルト電位がV1以上である領域(実効転写領域)がある程度確保されていないと充分な転写率を得ることができない。この領域は、前述の如く、約4mm以上、その領域をベルトが通過する時間に換算すると22msec以上が必要という結果が得られている。
【0052】
そして、ベルト裏面電位がV1となるときのX(=d/L)の値X0は、次式から得ることができる。
X0=V1/Vt
よって、ベルト裏面電位がV1以上となる実行転写領域は、
(X1−X0)×L(mm)となる。
すなわち、(L1/L−V1/Vt)・L>4(mm)のときに充分な転写が可能となる。
【0053】
また、この実効転写領域をベルトが通過するのに要する時間をt0とすると、t0=(X1−X0)・L/Va
となる。ただしVaはベルトの線速(mm/s)である。従って、この時間t0が22msec以上である必要があることから、
(L1/L−V1/Vt)・L/Va>0.022(sec)
のときに充分な転写が可能となる。
【0054】
さらに、ベルト裏面の電位Vbが大きすぎると中間転写ベルトと感光体間で放電が発生し、転写性が低下するといった不具合(転写過多)が発生する。本願発明者らの以前の研究から、ニップ出口の電位Vb1が次式で与えられるV2より大きい場合には、転写過多が発生することが分かっている。
V2=1200+VL
よって、
1200+VL≧Vb1
の関係式が得られる。
【0055】
ただし、この関係式は、ベルト抵抗があらゆる範囲に対応したものであるため、本願発明において考察しているベルト抵抗の範囲(107〜109Ωcm)では、非常に緩い条件となっている。そのため、後述する実験によれば、
700+VL≧Vb1≧400+VL
の範囲が妥当である。
【0056】
ところで、転写ベルトを長期にわたって使用していると、ベルト抵抗の劣化や除電ブラシの劣化等によって、最適な転写バイアスが変動することがある。また、部品のばらつき等によって必ずしも当初の予定通りの転写効率が得られないこともある。一方、図3〜6により説明したように、転写ベルトシステムにおいては、除電ブラシの位置が変わることによって同じ転写バイアスであっても転写効率が大きく変わることが分かる。
【0057】
経時変化等によって転写効率に変動が生じた場合に、除電ブラシ(導電性ブラシ14)の位置をわずかに変えることによって、大幅な転写効率の改善が可能となる。除電ブラシの位置を上流・下流側に微調整可能な構成とすることによって、容易に転写効率の修正(補正)が可能な画像形成装置となる。ブラシを移動させる範囲は、ニップ領域のベルト裏面であれば充分である。
【0058】
例えば、転写不良の場合には、除電ブラシの位置をわずかに上流側に移動させてやればよい。また、転写過多の場合には、除電ブラシをわずかに下流側に移動させてやれば良い。これによって、転写バイアスを変えることなく簡単に転写効率を元に(元の良好な状態に)戻すことが可能となる。
【0059】
以下、上述の条件を満たすように各部を構成した具体的な実施例について説明する。
本実施形態の第1実施例として、感光体ドラム1の膜厚(感光層の厚さ)28μm、中間転写ベルト6の厚さ150μm、中間転写ベルト6の体積抵抗Rvが約1×1010Ωcm、中間転写ベルト6の移動速度は180mm/s、ニップ内の除電電極14の下流側端部から転写ニップ部の下流端(ニップ出口)までの距離L1は10mm、ニップ内の除電電極14の下流側端部から転写バイアス印加電極の接触部(出口ローラ13の中心)までの距離Lは18mmとした。
【0060】
除電電極14には、アクリル繊維にカーボンブラックを分散させた導電性ブラシを用いた。ブラシ形状のために中間転写ベルト6の裏面へ均一に接触し、接触圧力を小さくすることができる。また、感光体ドラム1の帯電電位が−650V、現像バイアスが−500V、露光部電位VLが−150V、現像剤の帯電量が約−15μC/gの作像条件で、単色時の画像濃度が充分に得られるトナー現像量の約1.5mg/cm2が得られた。トナー粒子の密度は1.2g/cm3で、トナー層の充填率は0.42であった。また、トナー粒子の帯電量分布をホソカワミクロン社製Eスパートアナライザで測定したところ、平均値で約−3×10-15Cであった。
【0061】
このとき、転写率90%以上を確保できる転写バイアスVtは700〜1200Vであった。そこで、第1実施例では、転写バイアスを800Vとなるように、転写バイアス電源(図示せず)を制御することによって、転写チリの発生が少なく、転写性も良好な画像を得ることができた。この転写バイアスは、本願請求項1〜3の関係式を満たしている。
【0062】
また、本実施形態の第2実施例として、中間転写ベルト6に、体積抵抗Rvが一桁高い1×1011Ωcmのものを用い、他の条件は第1実施例と同様の構成とした。
【0063】
この実施例で、画像出しを行った場合、転写率90%以上を確保できる転写バイアスVtは900〜1650Vであった。そこで、第2実施例では、転写バイアスを1050Vとなるように、転写バイアス電源を制御することによって、第1実施例と同様の転写チリの発生が少なく、転写性も良好な画像を得ることができた。この転写バイアスは、本願請求項1〜3の関係式を満たしている。
【0064】
さらに、本実施形態の第3実施例として、中間転写ベルト6に、体積抵抗Rvが二桁低い(第1実施例より低い)1×108Ωcmのものを用い、他の条件は第1実施例と同様の構成とした。この実施例で、転写率90%以上を確保できる転写バイアスVtは530〜860Vであった。この転写バイアスは、本願請求項1〜3の関係式を満たしている。
【0065】
次に、本実施形態の第4実施例として、除電ブラシ14の位置が異なること以外は第1実施例と同様の条件にした。この実施例では、除電ブラシ14の位置を上流側(入口ローラ12側)に移動させ、除電ブラシ14の下流側端部からニップ出口までの距離L1を17mm、除電ブラシ14の下流側端部から出口ローラ13の中心までの距離Lを25mmに変更した。
【0066】
この実施例で、画像出しを行った場合、転写率90%以上を確保できる転写バイアスVtは420〜880Vであった。この転写バイアスで転写チリの発生が少なく、第1実施例と同等の画像を得ることができた。この転写バイアスは、本願請求項1〜3の関係式を満たしている。
【0067】
さらに、本実施形態の第5実施例として、感光体ドラム1と中間転写ベルト6のニップ幅が異なること以外は第1実施例と同様の条件にした。なお、転写バイアスは800Vである。ニップ幅を変えることによって、除電ブラシ14の下流側端部からニップ出口までの距離L1が変化する。そのL1の値に応じた転写率を次の表1に示す。
【0068】
また、中間転写ベルト6の裏面電位が250+VL=100V以上になる領域の幅(実効転写領域)を算出し、Xとして表1に示す。ニップ裏面電位が100Vとなるのは、X=0.25であり、除電ブラシ14の下流側端部から約4.5mm離れた点であった。
【0069】
【表1】
【0070】
この表より、中間転写ベルト6の裏面電位が250+VL=100V以上となる領域が4mm以上あれば、充分な転写率が得られることが分かる。これをニップ通過時間に換算すると、4/180=0.0222sec=22msecとなる。
【0071】
なお、本発明は本実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、除電電極として導電性ブラシ14以外のものを用いることもできる。また、転写バイアス印加手段としてローラ(出口ローラ13)形状以外のものを用いることもできる。その他、転写バイアス帰還手段としての入口ローラ12も他の形状のものを使用することができる。さらには、現像器4の数も同様であり、フルカラー以外の例えば2色カラーの装置にも適用できる。もちろん、複写機あるいはプリンタ等に適用可能なことは言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置の転写電圧設定方法によれば、除電電極の位置、転写バイアス、像担持体と転写体(中間転写ベルト)のニップ幅及び転写体の抵抗値を規定することにより、転写不良が発生せず、充分な転写率を得ることができる。
【0073】
請求項2〜10の方法により、除電電極の位置、転写バイアス、像担持体と転写体(中間転写ベルト)のニップ幅及び転写体の抵抗値を規定することにより、転写不良が発生せず、また、転写過多の発生を防止することができる。
【0074】
請求項11の方法により、経時変化や環境変動あるいは部品のばらつきによる転写効率の変動を容易に補正して、最適な転写効率を得ることができる。
請求項12の方法により、除電性等に影響を与えずに転写効率の変動を補正することができる。
【0075】
請求項13の方法により、転写不良への対応を容易に行うことができる。
請求項14の方法により、転写過多への対応を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電子写真装置の作像部付近を示す構成図である。
【図2】そのベルト転写部を詳しく示す拡大図である。
【図3】電界シュミレーションによって転写ベルト裏面の電位分布を計算した結果を示すグラフである。
【図4】除電ブラシの位置が異なる場合の転写ベルト裏面の電位分布を示すグラフである。
【図5】転写バイアスが異なる場合の転写ベルト裏面の電位分布を示すグラフである。
【図6】図3と図4における除電ブラシ下流側の電位分布をプロットし直したグラフである。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
41〜44 現像器
6 中間転写ベルト(転写体)
12 入口ローラ
13 出口ローラ(転写バイアス印加ローラ)
14 導電性ブラシ(除電電極)
Claims (14)
- 可視像を担持する像担持体と、該像担持体と接触し像担持体上の可視像を記録材上へ転写するための移動可能な転写体と、前記像担持体と転写体の接触部において転写体に付与された転写電荷を減じる除電電極と、該除電電極の前記転写体移動方向下流側に配置され前記転写体に転写電荷を付与する転写電極とを有する画像形成装置の転写電圧設定方法において、
前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109〜1011Ωcmの範囲)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、前記接触部終了点における前記転写体裏面の電位をVb1とするとき、
Vb1=Vt(a・X1 2+b・X1)/800
a=500+300(logR−10)
b=300−300(logR−10)
250+VL≦Vb1
の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを特徴とする転写電圧設定方法。 - 可視像を担持する像担持体と、該像担持体と接触し像担持体上の可視像を記録材上へ転写するための移動可能な転写体と、前記像担持体と転写体の接触部において転写体に付与された転写電荷を減じる除電電極と、該除電電極の前記転写体移動方向下流側に配置され前記転写体に転写電荷を付与する転写電極とを有する画像形成装置の転写電圧設定方法において、
前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109〜1011Ωcmの範囲)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、前記接触部終了点における前記転写体裏面の電位をVb1とするとき、
Vb1=Vt(a・X1 2+b・X1)/800
a=500+300(logR−10)
b=300−300(logR−10)
1200+VL≧Vb1
の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを特徴とする転写電圧設定方法。 - 可視像を担持する像担持体と、該像担持体と接触し像担持体上の可視像を記録材上へ転写するための移動可能な転写体と、前記像担持体と転写体の接触部において転写体に付与された転写電荷を減じる除電電極と、該除電電極の前記転写体移動方向下流側に配置され前記転写体に転写電荷を付与する転写電極とを有する画像形成装置の転写電圧設定方法において、
前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109〜1011Ωcmの範囲)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、前記接触部終了点における前記転写体裏面の電位をVb1とするとき、
Vb1=Vt(a・X1 2+b・X1)/800
a=500+300(logR−10)
b=300−300(logR−10)
700+VL≧Vb1≧400+VL
の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを特徴とする転写電圧設定方法。 - 前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置方向に計った距離をd(mm)、規格化した値X=d/Lとし、前記接触部内での前記転写体裏面電位がV1=250+VLとなるときのXの値をX0とすると、
X0=[−b・Vt+(b2・Vt2+3200・a・Vt・V1)0.5]/(2・a・Vt)
(X1−X0)・L>4(mm)
の関係式を前記関係式に加えて用いることを特徴とする、請求項1,2,3のいずれか1項に記載の転写電圧設定方法。 - 前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置方向に計った距離をd(mm)、規格化した値X=d/Lとし、前記接触部内での前記転写体裏面電位がV1=250+VLとなるときのXの値をX0、前記転写体の線速をVaとするとき、
X0=[−b・Vt+(b2・Vt2+3200・a・Vt・V1)0.5]/(2・a・Vt)
t0=(X1−X0)・L/Va>0.022(sec)
の関係式を前記関係式に加えて用いることを特徴とする、請求項1,2,3のいずれか1項に記載の転写電圧設定方法。 - 可視像を担持する像担持体と、該像担持体と接触し像担持体上の可視像を記録材上へ転写するための移動可能な転写体と、前記像担持体と転写体の接触部において転写体に付与された転写電荷を減じる除電電極と、該除電電極の前記転写体移動方向下流側に配置され前記転写体に転写電荷を付与する転写電極とを有する画像形成装置の転写電圧設定方法において、
前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109Ωcm以下)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、Vb1=Vt・X1とするとき、
250+VL≦Vt・L1/L
の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを特徴とする転写電圧設定方法。 - 可視像を担持する像担持体と、該像担持体と接触し像担持体上の可視像を記録材上へ転写するための移動可能な転写体と、前記像担持体と転写体の接触部において転写体に付与された転写電荷を減じる除電電極と、該除電電極の前記転写体移動方向下流側に配置され前記転写体に転写電荷を付与する転写電極とを有する画像形成装置の転写電圧設定方法において、
前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109Ωcm以下)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、Vb1=Vt・X1とするとき、
1200+VL≧Vt・L1/L
の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを特徴とする転写電圧設定方法。 - 可視像を担持する像担持体と、該像担持体と接触し像担持体上の可視像を記録材上へ転写するための移動可能な転写体と、前記像担持体と転写体の接触部において転写体に付与された転写電荷を減じる除電電極と、該除電電極の前記転写体移動方向下流側に配置され前記転写体に転写電荷を付与する転写電極とを有する画像形成装置の転写電圧設定方法において、
前記除電電極が前記転写体へ対向して配設された位置から前記接触部終了点までの転写体移動方向の距離をL1(mm)、前記除電電極から前記転写電極が前記転写体へ対向して配設された位置までの距離をL(mm)、前記転写体の体積抵抗率をR(Ωcm、ただし、R=109Ωcm以下)、前記像担持体の可視像部における表面電位をVL、前記転写電極に印加する電圧をVt、X1=L1/L、Vb1=Vt・X1とするとき、
700+VL≧Vt・L1/L≧400+VL
の関係式を用いて、前記転写電極に印加する電圧を設定することを特徴とする転写電圧設定方法。 - V1=250+VLとするとき、
(L1/L−V1/Vt)・L>4(mm)
の関係式を前記関係式に加えて用いることを特徴とする、請求項6,7,8のいずれか1項に記載の転写電圧設定方法。 - V1=250+VL、前記転写体の線速をVaとするとき、
(L1/L−V1/Vt)・L/Va>0.022(sec)
の関係式を前記関係式に加えて用いることを特徴とする、請求項6,7,8のいずれか1項に記載の転写電圧設定方法。 - 可視像を担持する像担持体と、該像担持体と接触し像担持体上の可視像を記録材上へ転写するための移動可能な転写体と、前記像担持体と転写体の接触部において転写体に付与された転写電荷を減じる除電電極と、該除電電極の前記転写体移動方向下流側に配置され前記転写体に転写電荷を付与する転写電極とを有し、前記除電電極の位置が移動可能に構成された画像形成装置の転写電圧設定方法において、
前記像担持体・除電電極・転写体の経時劣化や環境変動及び部品のばらつきに応じて前記除電電極の位置を調節することにより、最適な転写効率を維持することを特徴とする転写電圧設定方法。 - 前記除電電極の移動範囲を前記像担持体と転写体の接触部内とすることを特徴とする、請求項11に記載の転写電圧設定方法。
- 転写不良が発生した場合に、前記除電電極を前記転写体移動方向の上流側に移動させることを特徴とする、請求項11に記載の転写電圧設定方法。
- 転写過多が発生した場合に、前記除電電極を前記転写体移動方向の下流側に移動させることを特徴とする、請求項11に記載の転写電圧設定方法。
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