JP3683692B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱記録材料に関し、さらに詳しくは耐光性に優れ、製造適性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録はその記録装置が簡便で信頼性が高くメンテナンスが不要であることから近来発展している。その感熱記録材料としては従来から電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との反応を利用したもの、ジアゾニウム塩化合物とカプラ一との反応を利用したものなどが広く知られている。感熱記録材料として、近年(1)発色濃度および発色感度(2)発色体の堅牢性などの特性改良に対する研究が鋭意行われている。
【0003】
しかしながら、感熱記録材料は太陽光に長時間曝されたり、事務所などで長期にわたり掲示されたりしたときに、光により地肌部が着色したり、画像部が変色あるいは褪色したりする欠点を有していた。この地肌部の着色や、画像部の変色や褪色を改良するために種々の方法が提案されてきたが、必ずしも十分な効果が得られていない。
【0004】
また、感熱記録層を乳化分散物を用いて作製する場合、感熱記録層が透明になり、画像がシャープになる利点があるが、乳化分散物の析出が生じたり、乳化物がベトツキ感熱記録材料の製造上の取扱いが不便であるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐光性が良好で乳化分散物の析出等がなく、製造適性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、支持体上に感熱記録層を設けた感熱記録材料において、前記感熱記録層がゼラチンとポリビニルアルコール又はその誘導体との併用によって乳化分散されたカプラーの粒子を含有することを特徴とする感熱記録材料によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録材料における支持体としては、透明であっても不透明であってもよい。透明な支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフイルム、三酢酸セルロースフイルム等のセルロース誘導体フイルム、ポリスチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンフイルム等のポリオレフィンフイルム、ポリイミドフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、ポリアクリル酸共重合体フイルム、ポリカーボネートフイルム等の合成高分子フイルムが挙げられる。
【0008】
上記の合成高分子フイルムの他に、紙、合成紙、プラスチック樹脂層を有する紙、等が使用できる。プラスチック樹脂を有する紙には、原紙の両面、または少なくとも記録層が形成される面に熱可塑性樹脂が形成されたものが望ましい。このような支持体の例としては、例えば、(1)原紙に熱可塑性樹脂が溶融押し出し塗工されたもの、(2)原紙上に溶融押し出し塗工された熱可塑性樹脂の上にガスバリアー層を塗布したもの、(3)原紙の酸素透過性の低いプラスチックフイルムを接着させたもの、(4)原紙にプラスチックフイルムを接着させた面上に溶融押し出しにより熱可塑性樹脂を設けたもの、(5)原紙に熱可塑性樹脂を溶融押し出し塗工された後、プラスチックフイルムを接着させたもの、等がある。
【0009】
原紙に溶融押し出し塗工される熱可塑性樹脂としては、オレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体およびこれらの各種の重合体の混合物、或いはエチレンとビニルアルコールのガンダム共重合体が望ましい。ポリエチレンには、例えば、LPDE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LLPDE(直鎖状低密度ポリエチレン)等が使用可能である。
【0010】
原紙とプラスチックフイルムを貼り合わせる方法としては、加工技術研究会編新ラミネート加工便覧」に記載されているような公知のラミネーション法から適宜選択して採用することができるが、所謂ドライラミネーション、無溶媒型ドライラミネーション、電子線もしくは紫外線硬化型樹脂を用いたドライラミネーション、或いはホットドライラミネーションが望ましい。
【0011】
これらの支持体上に形成される感熱記録層中には、乳化分散により得られた粒子を含有すると共に該粒子がゼラチンとポリビニルアルコール又はその誘導体とを含有する。ポリビニルアルコールの誘導体としては、下記に示す置換基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0012】
【化2】
Figure 0003683692
【0013】
Rはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フェニル基、置換フェニル基または水素原子を表し、Xはハロゲン原子を表し、Mは一価の金属原子を表し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フェニル基、アルキルチオ基、または置換フェニル基を表す。
【0014】
これらの置換基中で、アルキル基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、カルボキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、アンモニウム塩の置換基を有するポリビニルアルコールの誘導体が、ゼラチンおよび乳化物のオイル相との相溶性の点で特に望ましい。
【0015】
ゼラチン及びポリビニルアルコール又はその誘導体は、感熱記録層液を調整する際に、乳化分散液の保護コロイドとして用いられる。感熱記録層において、ゼラチン単独では感熱記録層にベトツキが生じやすくなり、また、ポリビニルアルコール又はその誘導体単独では、乳化分散液の析出が生じやすくなる。したがって、感熱記録層中には、ゼラチンとポリビニルアルコール又はその誘導体とを併用することが必要であり、感熱記録層中におけるゼラチンとポリビニルアルコール又はその誘導体の重量混合比は、1:99〜99:1であり、好ましくは、70:30〜99:1である。
【0016】
次に感熱記録層に用いられる発色成分としては、従来公知のものが使用できるが、本発明の感熱記録材料においては、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用したもの、さらには電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用したものも好ましく、ジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する感熱記録層に用いられる化合物は、ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と反応して色素を形成しうるカプラ一、およびジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を促進する塩基性物質等が挙げられる。
本発明において、前記カプラーは、ゼラチンとポリビニルアルコール又はその誘導体との併用によって乳化分散された粒子として感熱記録層に含有される。
ジアゾニウム塩化合物とは以下に表される化合物であり、これらはAr部分の置換基の位置や種類によってその最大吸収波長を制御することができるものである。
【0017】
【化3】
Figure 0003683692
【0018】
Arはアリール基を、X-は酸アニオンを表す。
【0019】
本発明におけるジアゾニウム塩化合物の具体的化合物としては、4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジオクチルアミノベンゼンジアゾニウム、4−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジヘキシルアミノ−2−へキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−N−エチル−N−ヘキサデシルアミノ−2−エトキシベンゾジアゾニウム、3−クロロ−4−ジオクチルアミノ−2−オクチルオキシオベンゼンジアゾニウム、2,5−ジブトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム、2,5−オクトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム、2,5−ジブトキシ−4−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、2,5−ジエトキシ−4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウム、3−(2−オクチルオキシエトキシ)−4−モロホリノベンゼンジアゾニウムなどの酸アニオン塩および下記のジアゾニウム塩化合物D−1〜5があげられる。特にヘキサフルオロフォスフェート塩、テトラフルオロボレート塩、1,5−ナフタレンスルホネート塩が好ましい。
【0020】
【化4】
Figure 0003683692
【0021】
これらのジアゾニウム塩化合物のうち本発明において特に好ましい化合物としては300〜400nmの波長の光により光分解する4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジオクチルアミノベンゼンジアゾニウム、4−(N−(2−エチルへキサノイル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジヘキシルアミノ−2−へキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−N−エチル−N−へキサデシルアミノ−2−エトキシベンゾジアゾニウム、2,5−ジブトキシ−4−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、2,5−ジエトキシ−4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウムや上記具体例D−3〜5に示す化合物が挙げられる。ここでいうジアゾニウム塩化合物の最大吸収波長それぞれの化合物を0.1g/m2から1.0g/m2の塗膜にしたものを分光光度計(ShimazuMPS−2000)により測定したものである。
【0022】
本発明に用いられる上記ジアゾニウム塩と熱時反応して呈色するカプラーとしてはレゾルシン、フルルグルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシ−6−スルファニルナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸エタノールアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−N−ドデシルオキシプルピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸テトラデシルアミド、アセトアニリド、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、2−クロロ−5−オクチルアセトアセトアニリド、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2’,4’,6’−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、1−(2’,4’,6’−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラロン、1−フェニル−3−フェニルアセトアミド−5−ピラゾロン更には以下に示すC−1〜6の化合物等があげられる。これらのカプラーは2種以上併用し目的の発色色相を得ることもできる。
【0023】
【化5】
Figure 0003683692
【0024】
感熱記録層における塩基性物質としては無機あるいは有機の塩基性化合物のほか、加熱時に分解等を生じアルカリ物質を放出するような化合物も含まれる。代表的なものには、有機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素およびチオ尿素さらにそれらの誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン類、ピリジン類等の含窒素化合物があげられる。これらの具体例としてはトリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン、オクタデシルベンジルアミン、ステアリルアミン、アリル尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素、2−ベンジルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イミダゾリン、1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、l,2,3−トリフェニルグアニジン、1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン、グアニジントリクロロ酢酸塩、N,N’−ジベンジルピペラジン、4,4’−ジチオモルホリン、モルホリニウムトリクロロ酢酸塩、2−アミノベンゾチアゾール、2−ベンゾイルヒドラジノベンゾチアゾ一ルなどがある。これらは、2種以上併用することができる。
【0025】
本発明で用いられる電子供与性染料として電子供与性染料前駆体を用いることができ、この前駆体としては、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピラン系化合物などがあげられ、とりわけトリアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物が発色濃度が高く有用である。これらの一部を例示すれば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(即ちクリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘキシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等が挙げられる。
【0026】
電子受容性化合物としては、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。特に、ビスフェノ一ル類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。これらの一部を例示すれば、2,2−ビス(p−ヒドロキジフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸およびその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸およびその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸およびその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノールなどがあげられる。
【0027】
本発明において使用する感熱記録材料においては、発色助剤を用いることができる。発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高くする、もしくは最低発色温度を低くする物質であり、カプラー、塩基性物質、もしくはジアゾ化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾ、塩基性物質,カプラーが反応し易い状況を作るためのものである。
【0028】
発色助剤としては、フェノール化合物、アルコール性化合物、アミド化合物、スルホンアミド化合物等があり、具体例としては、p−tert−オクチルフェノール、p−ベンジルオキシフェノール、p−オキシ安息香酸フェニル、カルバニル酸ベンジル、カルバニル酸フェネチル、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、キシリレンジオール、N−ヒドロキシエチル−メタンスルホン酸アミド、N−フェニル−メタンスルホン酸アミド、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フェニルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール−(p−クロロベンジル)エ一テル、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、l,4−ブタンジオール−p−エチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−m−メチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリルオキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル等があげられる。
これらは芯物質中に含有させてもよいし、乳化分散物としてマイクロカプセル外に添加してもよい。
【0029】
本発明において、上記のジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラー、塩基性物質、および電子供与性無色染料、電子受容性化合物、増感剤の使用形態については特に限定されない。(l)固体分散して使用する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポリマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散して使用する方法、(5)マイクロカプセル化して使用する方法などがあるが、このなかでも特に保存性の観点から、マイクロカプセル化して使用する方法が好ましく、特にジアゾニウム塩化合物とカプラ一との反応を利用した発色系ではジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセル化した場合が、電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用した発色系では電子供与性無色染料をマイクロカプセル化した場合が好ましい。
【0030】
本発明に使用する感熱記録材料で使用することのできるマイクロカプセルの製造には、界面重合法、内部重合法、外部重合法の何れの方法をも採用することができるが、特に、発色剤等を非水溶媒に溶解又は分散せしめた芯物質を水溶性高分子を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成させる界面重合法を採用することが好ましい。
【0031】
高分子物質を形成するリアクタントは油滴及び/又は油滴の外部に添加される。高分子物質の具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。好ましい高分子物質はポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートであり、特に好ましくはポリウレタン及びポリウレアである。高分子物質は2種以上併用することもできる。
【0032】
例えば、ポリウレアをカプセル壁材として用いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナート、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポリマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上含むプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体又はポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によって反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成させることができる。
【0033】
また、例えばポリウレアとポリアミドからなる複合壁若しくはポリウレタンとポリアミドからなる複合壁は、例えばポリイソシアナートと酸クロライド若しくはポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳化媒体のpHを調整した後加温することにより調製することができる。これらのポリウレアとポリアミドとからなる複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−66948号公報に記載されている。
【0034】
更に、加熱時にマイクロカプセル壁を膨潤させるために固体増感剤を添加することもできる。固体増感剤はマイクロカプセル壁として用いるポリマーの可塑剤と言われるものの中から、融点が50℃以上、好ましくは120℃以下で常温では固体であるものを選択して用いることができる。例えば、壁材がポリウレア、ポリウレタンから成る場合には、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。
【0035】
前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、エチレン/マレイン酸共重合体が挙げられる。
【0036】
本発明に使用する多色感熱記録材料においては、実質的に透明な感熱発色層を設けて多色画像の画像品質を向上させる観点から、マイクロカプセルに内包されなかった発色剤を固体分散させるのではなく、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相と混合し、乳化分散物とすることが好ましい。乳化分散を容易にする観点から、界面活性剤を用いることが好ましい。
【0037】
この場合に使用される有機溶剤は、例えば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点オイルの中から適宜選択することができる。
これらの中でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安定性の観点から好ましく、中でも、燐酸トリクレジルを単独又は混合して使用した場合には顕色剤の乳化分散安定性が特に良好であり好ましい。
上記のオイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
【0038】
上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解除剤として補助溶剤を加えることもできる。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいものとして挙げることができる。場合により、高沸点オイルを含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0039】
これ等の成分を含有する油相と混合する水相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0040】
また、水相に含有せしめる界面活性剤は、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。好ましい界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができる。
【0041】
本発明に使用する多色感熱記録材料に使用する乳化分散物は、上記成分を含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する水相を、高速攪拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化に用いられる手段等を使用して混合分散せしめることにより、容易に得ることができる。
【0042】
また、油相の水相に対する比(油相重量/水相重量)は、0.02〜0.6が好ましく、特に0.1〜0.4であることが好ましい。0.02以下では水相が多すぎて希薄となり十分な発色性が得られず、0.6以上では逆に夜の粘度が高くなり、取り扱いの不便さや塗液安定性の低下をもたらす。
【0043】
本発明において上記の感熱記録層を積層してもよく、各感熱記録層の色相を変えることにより、多色の感熱記録材料を得ることもできる。その層構成は特に限定されるものではないが、特に感光波長の異なる2種のジアゾニウム塩化合物とそれぞれのジアゾニウム塩化合物と熱時反応して異なった色相に発色するカプラ一を組み合わせた感熱記録層2層と、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを組み合わせた感熱記録層とを積層した多色感熱記録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化合物を含む感熱記録層A、最大吸収波長が360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する感熱記録層B−1、最大吸収波長が400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを合有する感熱記録層B−2とする多色感熱記録材料が望ましい。この例において、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの画像記録が可能となる。
【0044】
この多色感熱記録材料の記録方法は、まず感熱記録層B−2を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーを発色させる。次に400士20nmの光を照射して感熱記録層B−2中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させたのち、感熱記録層B−1が発色するに十分な熱を加え、該層に含まれているジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき感熱記録層B−2も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。さらに360±20nmの光を照射して感熱記録層B−1に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解し、最後に感熱記録層Aが発色する十分な熱を加えて発色させる。このとき感熱記録層B−2、B−1も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。
【0045】
なお、色相の異なる感熱発色層を積層する場合には、感熱記録層の間に、混色等を防止する中間層を設けることができる。この中間層には、水溶性高分子化合物として例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレン−マレイン酸共重合体、ゼラチンおよび/又はゼチラン誘導体、ポリエチレングリコールおよび/又はポリエチレングリコール誘導体からなるものが望ましい。また、中間層に無機質の層状化合物を含有させることによって層間の物質移動を抑制・防止することによって混色が防止でき、かつ、酸素の供給を抑制することによって生保存性および色像保存性を向上させることができる。
【0046】
本発明において、感熱記録層のスティッキングや溶剤等から保護するために、感熱記録層上に顔料、離型剤等を含有する保護層を設けることが望ましい。保護層に顔料として雲母等を含む無機質の層状化合物を使用することもできるが、他の顔料を併用してもよい。このような顔料としては、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末等が挙げられる。
【0047】
また、本発明の感熱記録材料には、カールバランスを補正するために感熱記録層の反対側の支持体表面に保護層と類似したバック層を設けることが望ましい。この場合、雲母等の無機質の層状化合物をバック層に含有させることが望ましい。透明感熱記録材料とする場合には、上記バック層を光反射防止層とすることができる。
【0048】
光反射防止層に含有される微粒子としては、デンプン微粒子、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ボリメチル(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等の合成高分子化合物、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛等の無機微粒子を挙げることができる。
【0049】
次に本発明の感熱記録材料において、光透過率調整層を設けることができる。。光透過率調整層は、紫外線吸収剤の前駆体として機能する成分を含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能しないので、光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、また、可視光線の透過率も高く、感熱記録層の定着に支障は生じない。
【0050】
この紫外線吸収剤の前駆体は、光定着型感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了した後、光または熱などで反応することにより紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらない。
【0051】
光透過率調整層は光定着型感熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは光定着型感熱記録眉と保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよい。
【0052】
光透過率調整層の特性は、光定着型感熱記録層の特性に応じて任意に選定することができる。特に光透過率調整層が適用されるのに有効な感熱記録材料では、支持体上に、最大吸収波長360士20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層と、最大吸収波長400±20nnであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層とを順次設け、この層上に光透過率調整層を設けることが望ましい。このような感熱記録材料の場合、光透過率調整層の光定着する波長領域における光透過率が360nmで65%以上であり、前記定着後の光透過率が360nmで20%以下であることが望ましい。この場合、光照射とは、キセノンランプ強制試験器で420nmの波長において、13kJ/m2の光照射を行うことをいう。具体的には、Weather Ometer Ci65(Atlas Electric Co.製)0.9W/m2で4.0時間の光照射をいう。
【0053】
また、支持体上に、最大吸収波長400土20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラ一とを含有する光定着型感熱記録層と、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層と、を順次段けた感熱記録材料であってもよい。
【0054】
さらに本発明は、最大吸収波長が340nm未満のジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層と、最大吸収波長が420nmを超えるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層と、の場合にも適用される。
【0055】
また、感熱記録層において、各感熱記録層の色相を変えることにより、多色の感熱記録材料が得られる。すなわち、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選べばフルカラーの画像記録が可能となる。この場合、支持体面に直接、積層(感熱記録層の最下層)される感熱記録層の発色機構は、電子供与性染料と、電子受容性染料との組み合わせに限らず、例えば、ジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と反応呈色するカプラーとからジアゾ発色系、塩基性化合物と接触して発色する塩基発色系、キレート発色系、求核剤と反応して脱離反応を起こし発色する発色系等のいずれでもよく、この感熱記録層上に最大吸収波長が異なるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを各々含有する光定着型感熱記録層を2層設け、この層上に光透過率調整層、保護層を順次設けるのが望ましい。
【0056】
この光透過率調整層に含有される物質としては、例えば、特開平9−1928号公報に記載されているものを挙げることができる。
【0057】
本発明においては耐光性を更に向上させるために以下に示す公知の酸化防止剤を用いることができ、例えばヨーロッパ公開特許第310551号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、ヨーロッパ公開特許第310552号公報、特開平3−121449号公報、ヨーロッパ公開特許第459416号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開昭63−163351号公報、アメリカ特許第4814262号、特開昭54−48535号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4980275号、特開昭63−113536号公報、特開昭62−262047号公報、ヨーロッパ公開特許第223739号会報、ヨーロッパ公開特許第309402号公報、ヨ一ロッパ公開特許第309401号公報等に記載のものが挙げられる。具体的には次のようなものがあげられる。
【0058】
【化6】
Figure 0003683692
【0059】
【化7】
Figure 0003683692
【0060】
【化8】
Figure 0003683692
【0061】
更にすでに感熱記録材料、感圧記録材料として公知の各種添加剤を用いることも有効である。これらの酸化防止剤の一部を示すならば、特開昭60−125470号公報、特開昭60−125471号公報、特開昭60−125472号公報、特開昭60−287485号公報、特開昭60−287486号公報、特開昭60−287487号公報、特開昭62−146680号公報、特開昭60−287488号公報、特開昭62−282885号公報、特開昭63−89877号公報、特開昭63−88380号公報、特開昭63−088381号公報、特開平01−239282号公報、特開平04−291685号公報、特開平04−291684号公報、特開平05−188687号公報、特開平05一188686号公報、特開平05−110490号公報、特開平05−1108437号公報、特開平05−170361号公報、特開昭63−203372号公報、特開昭63−224989号公報、特開昭63−267594号公報、特開昭63−182484号公報、特開昭60−107384号公報、特開昭60−107383号公報、特開昭61−160287号公報、特開昭61−185483号公報、特開昭61−211079号公報、特開昭63−251282号公報、特開昭63−051174号公報、特公昭48−043294号公報、特公昭48−033212号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0062】
具体例には6−エトキシ−l−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス−4−ヒドロキシフェニルプロパン、1,l−ビス−4−ヒドロキシフェニル−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドールや以下に示す化合物が挙げられる。
【0063】
【化9】
Figure 0003683692
【0064】
【化10】
Figure 0003683692
【0065】
【化11】
Figure 0003683692
【0066】
【化12】
Figure 0003683692
【0067】
これら酸化防止剤は、感熱記録層または中間層、光透過率調整層、保護層に添加することができる。これらの酸化防止剤などを組み合せて使用する場合、例えば具体例(Q−7)、(Q−45)、(Q−46)または化合物(Q−10)と化合物(Q−13)の組合せが挙げられる。
【0068】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、「部」は特に断りのない限り『重量部』を意味する。
【0069】
〔実施例1〕
〔光透過率調整層の塗液の調整〕
P−1に示す化合物5.3部を酢酸エチル6.0部及びA−1に示すフタル酸エステル系溶剤2.9部と混合した。カプセル壁剤としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン(75%酢酸エチル溶液:タケネートD110N:武田薬品社製の商品名)2.0部をこの溶液に添加し、均一になるように攪拌した。別途10%のドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液3.2部を添加した10重量%のポリビニルアルコール(PVA217E:クラレ株式会社製の商品名)水溶液60部を用意し、先の溶液に添加し、ホモジナイサーにて乳化分散を行った。得られた乳化液を攪拌しながら50℃に昇温し、3時間カプセル反応を行わせ目的のカプセル液を得た。カプセルの平均粒径は0.2μmであった。このカプセル液13部にイオン交換水50部を加え均一に攪拌して目的の塗布液を得た。
【0070】
【化13】
Figure 0003683692
【0071】
〔感熱記録層液の調液〕
(ジアゾニウム塩化合物カプセル液の調製)
ジアゾニウム塩化合物として365nmに分解の最大吸収波長をもつa−1に示す化合物2.8部、硫酸ジブチル2.8部、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651:チバ・ガイギー社の商品名)0.56部を 酢酸エチル19.0部に溶解した。さらに高沸点溶媒であるイソプロピルビフェニルを5.9部およびリン酸トリクレジル2.5部を先の液に添加し、加熱して均一に混合した。カプセル壁剤として、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加物(75%酢酸エチル溶液 タケネートD110N:武田薬品社の商品名)7.6部をこの溶液に更に添加し、均一に攪拌した。別途、10%重量ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液2.0部を加えた6重量%ゼラチン(MGP−9066:ニッピゼラチン工業社の商品名)水溶液64部を用意し、先のジアゾニウム塩化合物溶液を添加し、ホモジナイサーにて乳化分散した。得られた乳化液に水20部を加え均一化した後、攪拌しながら40℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせた。この後35℃に液温を下げ、イオン交換樹脂アンバーライトlRA68(オルガノ社製)6.5部、アンバーライトIRC50(オルガノ社製)13部を加え更に一時間攪拌する。この後イオン交換樹脂をろ過して目的のカプセル液を得た。カプセルの平均粒径は0.64μmであった。
【0072】
【化14】
Figure 0003683692
【0073】
(カプラー乳化分散液の調製)
カプラーとして以下に示す化合物b−1を3.0部とトリフェニルグアニジン4.0部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンを4.0部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールを8.0部、2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエートを8.0部、酸化防止剤としてb−2を2.0部、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンを2.0部を酢酸エチル10.5部に溶解し、更に高沸点溶媒であるリン酸トリクレジル0.48部、マレイン酸ジエチル0.24部、パイオニンA41C(竹本油脂社製)をl.27部を添加した後加熱し均一に混合した。別途8重量%ゼラチン水溶液93部中に10重量%変性PVA水溶液(クラストマー AP−20:クラレ社製)7.4部を加えた水相中に加えてホモジナイザーにて乳化分散した。この乳化液より残存する酢酸エチルを蒸発させ目的とする乳化分散液を得た。
【0074】
【化15】
Figure 0003683692
【0075】
【化16】
Figure 0003683692
Figure 0003683692
(塗液の調製)
上記のジアゾニウム塩化合物カプセル液、カプラー乳化分散液さらにスチレン−ブタジエンゴム(商品名SBR:SN307住友ノーガタック社製)をそれぞれ、ジアゾニウム塩化合物/カプラーの比率が1/2となるように、またジアゾニウム塩化合物/スチレン−ブタジエンゴムの比率が1/6.4となるように混合し、目的の塗布液を調製した。
【0076】
〔保護層の調液〕
5.0重量%カルボキシ変性ポリビニルアルコール(KL一318:クラレ株式会社製の商品名)水溶液61部に、20.5重量%ステアリン酸亜鉛分散液(ハイドリンF115:中京油脂社製の商品名)を2.0重量部添加し、c−1で示す化合物の2重量%水溶液8.4部、フッ素系離型剤であるME−313(ダイキン社製)を8.0部、小麦粉澱粉であるKF−4(籠島澱粉社製)0.5部を添加し均一に攪拌した。これを母液と呼ぶことにずる。別途、イオン交換した20重量%カオグロス(白石工業社製)水溶液12.5部、ポイズ532A(花王社製)0.06部、ハイドリンZ−7(中京油脂社製)1.87部、10重量%ポリビニルアルコール(PVA105:クラレ社の商品名)1.25部、2重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液0.39部を混合しダイノミルにて微分散を行なった。この液を顔料液と呼ぶことにする。上記母液80部に、顔料液4.4部加え30分以上攪拌する。その後、Wetmaster500(東邦化学社製)2.8部添加し更に30分以上攪拌して目的とする塗布液を得た。
【0077】
【化17】
Figure 0003683692
変性度:3〜5mo1%
重合度:1750±50
ケン化度:80〜85mo1%
【0078】
【化18】
Figure 0003683692
【0079】
〔感熱記録材料の作成〕
上質紙上にポリエチレンをラミネートした印画紙用支持体上に、メイヤーバーで感熱記録層、光透過率調整層、保護層の順に順次塗布、乾燥を行い目的の感熱記録材料を得た。固形分としての塗布量は1m2あたり各々8.33g、2.50g、1.23gであった。
【0080】
[実施例2〕
実施例1の(カプラー乳化分散液の調整)における10重量%変性PVA水溶液(クラストマー AP−20:クラレ社製)の代わりに10重量%変性PVA水溶液(PVA KL−318:クラレ社製)を用いた他は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0081】
〔実施例3〕
実施例lの(カプラー乳化分散液の調整)における10重量%変性PVA水溶液(クラストマーAP20:クラレ社製)の代わりに10重量%カルボン酸変性PVA水溶液(PVAKL118:クラレ社製)を用いた他は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0082】
〔実施例4〕
実施例1の(カプラー乳化分散液の調整)における8重量%ゼラチン溶液93部を101.23部に、10重量%変性PVA水溶液(クラストマーAP20:クラレ社製)7.4部を0.82部とした他は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0083】
〔実施例5〕
実施例1の(カプラー乳化分散液の調整)における8重量%ゼラチン水溶液93部を1.02部に、10重量%変性PVA水溶液(クラストマーAP20:クラレ社製)7.4部を80.98部とした他は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0084】
〔実施例6〕
実施例lの(カプラー乳化分散液の調整)における8重量%ゼラチン水溶液93部を71.58部とし、10重量%変性PVA水溶液(クラストマーAP20:クラレ社製)7.4部を24.54部とした他は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0085】
〔実施例7〕
実施例lの(カプラー乳化分散液の調整)における8重量%ゼラチン水溶液93部を61.35部とし、10重量%変性PVA水溶液(クラストマーAP20:クラレ社製)7.4部を32.72部とした他は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0086】
〔比較例l〕
実施例lの(カプラー乳化分散液の調整)における8重量%ゼラチン水溶液93部を102.25部とし、10重量%変性PVA水溶液(クラストマ一AP20:クラレ社製)を使用しなかった他は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0087】
[比較例2〕
実施例1の(カプラー乳化分散液の調整)における10重量%変性PVA水溶液(クラストマーAP20:クラレ社製)7.4部を81.8部とし、8重量%ゼラチン水溶液を使用しなかった他は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成した。
〔実施例8〕
実施例1において、支持体とジアゾ系感熱記録層(以下感熱記録層Aとよぶ)の間に下記のロイコ型感熱記録層B及びこの二つの感熱記録層の間に中間層1を設け、実施例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価した。
【0088】
〔感熱記録層B液の調液〕
(電子供与性染料前駆体カプセル液の調製)
電子供与性染料前駆体として3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドを0.39部、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン0.19部、2、5−tert−オクチルハイドロキノン0.29部、b−2の化合物0.27部を酢酸エチル0.93部に溶解し、さらに高沸点溶媒であるフェネチルクメンを0.54部添加し、加熱した均一に混合した。カプセル壁剤として、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加物(75重量%酢酸エチル溶液:タケネートD110N:武田薬品社の商品名)1.0部をこの溶液に更に添加し、均一に攪拌した。
【0089】
別途、10%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液0.07部を添加した6重量%ゼラチン(MGP−9066:ニッピゼラチン工業社の商品名)水溶液36.4部を用意し、先の電子供与性染料前駆体溶液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。このようにして得られた乳化分散液を一次乳化分散液と呼ぶことにする。別途3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドを6.0部、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン3.0部、2,5−tert−オクチルハイドロキノン4.4部を、酢酸エチル14.4部に溶解し、さらに高沸点溶媒であるフェネチルクメンを8.4部添加し均一に攪拌した溶液に、先に用いたタケネートD110Nを7.8部、メチレンジイソシアネート(ミリオネートMR200:日本ポリウレタン社の商品名)5.9部を添加し均一に攪拌した。このようにして得られた溶液と、10%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液1.2部を先に示した一次乳化分散液に添加しホモジナイザーにて乳化分散した。このようにして得られる液を二次乳化分散液と呼ぶことにする。この二次乳化分散液に水60.0部、ジエチレントリアミン0.4部を加え均一化した後、攪拌しながら65℃に昇温し、3.5時間カプセル化反応を行わせ目的のカプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は1.9μmであった。
【0090】
(電子受容性化合物分散液の調製)
電子受容性化合物としてビスフェノールP30部をゼラチン(MGP−9066:ニッピゼラチン工業社の商品名)2.0重量%水溶液82.5部中に添加し、2重量%2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム水溶液7.5部を加えてボールミルにて24時間分散して、分散液を作成した。この分散液に15重量%ゼラチン(#750ゼラチン:新田ゼラチン社の商品名)水溶液36.0部を加え均一に攪拌して目的とする分散液を得た。分散液中の電子受容性化合物の平均粒径は0.5μmであった。
(塗液の調製)
次に上記の電子供与性染料前駆体カプセル液、電子受容性化合物分散液、15重量%ゼラチン(#750ゼラチン:新田ゼラチン社の商品名)水溶液、スチルベン系蛍光増白剤(Whitex−BB:住友化学社の商品名)をそれぞれ、電子供与性染料前駆体/電子受容性化合物の比率が1/14、電子供与性染料前駆体/#750ゼラチン=1.1/1、電子供与性染料前駆体/蛍光増白剤=5.3/1となるように混合し、目的の塗布液を調製した。
〔中間層1液の調液〕
14重量%ゼラチン(#750ゼラチン:新田ゼラチン社の商品名)水溶液に4重量%ほう酸水溶液8.2部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウムの2重量%水溶液1.2部、d−1に示す化合物の2重量%水溶液7.5部を添加し、均一に攪拌し目的の塗布液を調製した。
【0091】
【化19】
Figure 0003683692
【0092】
〔塗布〕
上質紙上にポリエチレンをラミネートした印画紙用支持体上に、メイヤーバーで上記感熱記録層B、中間層1、感熱記録層A、光透過率調整層、保護層の順に順次塗布、乾燥を行い目的の感熱記録材料を得た。固形分としての塗布量は1m2 あたり各々7.12g、3.28g、8.33g、2.50g、1.23gであった。
〔実施例9〕
下記のジアゾ発色系感熱記録層Cを、実施例1のジアゾ系感熱記録層Aと保護層の間に設け、更に上記感熱記録層Cとジアゾ感熱層Aの間に中間層2を設け更に上記感熱層Cと保護層の間に、光透過率調整層を設けた以外は実施例8と同様に感熱記録材料を作成し評価した。
【0093】
〔感熱記録層Cの調液〕
(ジアゾニウム塩化合物カプセル液の調製)
ジアゾニウム塩化合物として420nmに分解の最大吸収波長をもつe−1の化合物3.5部、e−2の化合物0.9部を酢酸エチル16.4部に溶解し、さらに高沸点溶媒であるイソプロピルビフェニル9.8部を添加し、加熱して均一に混合した。カプセル壁剤として、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加物(75重量%酢酸エチル溶液:タケネートD110N:武田薬品社の商品名)4.5部、キシリレンジイソシアナート/ビスフェノールA付加物の30重量%酢酸エチル溶液4.2部をこの溶液にさらに添加し、均一に攪拌した。別途、ScraphAG−8(日本精化社の商品名)0.36部を添加した6重量%ゼラチン水溶液77部を用意し、先のジアゾニウム塩化合物溶液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水20部を加え均一化した後、40℃にて攪拌しながら、3時間カプセル化反応を行わせた。この後35℃に液温を下げ、イオン交換樹樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ社製)6.5部、アンバーライトIRC50(オルガノ社製)13部を加え更に一時間攪拌する。この後イオン交換樹脂をろ過したのち、カプセル液10部に対して0.4部の1重量%のハイドロキノン水溶液を添加して攪拌する。このようにして目的のカプセル液を得た。カプセルの平均粒径は0.91μmであった。
【0094】
(カプラー分散液の調製)
カプラーとして以下に示す化合物f−1を2.4部とトリフェニルグアニジン2.5部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンを2.5部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールを3.6部、2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエートを3.2部、f−2を0.8部を酢酸エチル8.0部に溶解しパイオニンA41C(竹本油脂社製)を1.0部を添加した後加熱し均一に混合した。別途ゼラチン(#750ゼラチン:新田ゼラチン社製)10重量水溶液75.0部中に加えてホモジナイザーにて乳化分散した。この乳化液より残存する酢酸エチルを蒸発させ目的とする乳化分散液を得た。
【0095】
【化20】
Figure 0003683692
【0096】
(塗液の調製)
上記のジアゾニウム塩化合物カプセル液、カプラー乳化分散液、スチレン−ブタジエンゴム(商品名SBR:SN307住友ノーガタック社の商品名)をジアゾニウム塩化合物、カプラーの比率が1/3.2となるように、またスチレン−ブタジエンゴムの重量が塗布液のゼラチン重量と等しくなるように混合し、目的の塗布液を調製した。
【0097】
〔中間層2塗布液の調整)
13%ゼラチン水溶液57部に(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウムの2重量%水溶液0.4部、g−1に示す化合物の2重量%水溶液8.3部、PVP−k15(GAF五協産業社の商品名)2.4部を添加し、均一に攪拌して目的とする塗布液を調整した。
【0098】
【化21】
Figure 0003683692
【0099】
〔塗布〕
上質紙にポリエチレンをラミネートした印画紙用支持体上に、メイヤーバーで感熱記録層B、中間層1、感熱記録層A、中間層2、感熱記録層C、光透過率調整層、保護層の順に順次塗布、乾燥を行い目的の多色感熱記録材料を得た。固形分としての塗布量は1m2 あたり各々7.12g、3.28g、8.33g、3.13g、8.06g、2.50g、1.23gであった。
【0100】
〔比較例3〕
実施例8において、感熱記録層Aの代わりに比較例1の感熱記録層を用いた他は、実施例8と同様にして感熱記録材料を作成した。
【0101】
〔比較例4〕
実施例9において、感熱記録層Aの代わりに比較例1の感熱記録層を用いた他は、実施例9と同様にして感熱記録材料を作成した。
得られた実施例1〜9と比較例l〜4の各々の感熱記録材料について耐光性、乳化分散物の析出、ベトッキについて評価した。
【0102】
[評価方法〕
耐光性:WEATHEROMETER CI65(ATLAS ELECTRICDEVICES Co製)により0.9W/m2 で48時間照射したサンプルにより行った。画像部の残存率(%)=〔(蛍光灯照射後の反射濃度)/蛍光灯照射前の反射濃度)〕×100により画像濃度の残存率を求め、評価した。
なお、実施例8,9および比較例3,4の耐光性は感熱記録層Aのみの耐光性を示す。
析出:乳化物作成から塗布紙作成までの経時での塗布液中の残渣の量、および濾過しやすさから評価した。
○:ほとんどなし、 △:若干あり、 ×:非常に多い。
ベトッキ:実際にサーマルヘッドによって印字を行いサーマルヘッドに対する汚れの付着およびメイヤーバーのベトツキの程度、洗浄しやすさから評価した。
○:問題なし、 △:若干問題あり、 ×:非常に悪い。
結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
Figure 0003683692
【0104】
表1において、本発明の各実施例では、耐光性が良好で、析出及びベトッキもないことを示している。しかし、カプラー乳化分散液中に保護コロイドとしてポリビニルアルコール誘導体を使用しない場合、耐光性が劣り、しかも析出がやや生じており、かつベトッキも多く製造上の取扱いが不便であることを示しており、また、カプラー乳化分散液中に保護コロイドとしてゼラチンを使用しない場合、析出が多く認められ、製造上の取扱いが不便であることを示している。
【0105】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、耐光性が良好で、かつ析出及びベトッキもなく、製造上の取扱いが良好で製造適性が擾れている。

Claims (5)

  1. 支持体上に感熱記録層を設けた感熱記録材料において、前記感熱記録層がゼラチンとポリビニルアルコール又はその誘導体との併用によって乳化分散されたカプラーの粒子を含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記ポリビニルアルコール誘導体が、下記に示す置換基を有する変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
    Figure 0003683692
    Rはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フェニル基、置換フェニル基または水素原子を表し、Xはハロゲン原子を表し、Mは一価の金属原子を表し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フェニル基、アルキルチオ基、または置換フェニル基を表す。
  3. ポリビニルアルコールまたはその誘導体とゼラチンとの重量混合比が1:99〜99:1であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記感熱記録層が、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を含有する感熱記録層Aと、ジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応して呈色するカプラーとを含有する感熱記録層Bの少なくと一層と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 前記感熱記録層が、最大吸収波長が340nm未満であるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応して呈色するカプラーとを含有する感熱記録層B−3と、最大吸収波長が360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応して呈色するカプラーとを含有する感熱記録層B−1と、最大吸収波長が400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応して呈色するカプラーとを含有する感熱記録層B−2と、有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
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