JP3682944B2 - シリコーン組成物及びこれを用いた光伝送体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光透過性に優れ、光学材料、特に例えば光通信系における光ファイバのような光伝送体やこれらを接続するための接続用の光伝送体などとして有用なシリコーン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン(オルガノポリシロキサン)は、シロキサン結合の特性から変形容易でしかもクリープ性が小さい、耐熱性が大きくて熱的に安定である、化学的な安定性が高い、比較的高い光透過性を持つ、屈折率の調整やその分布の調整が容易であるなど、優れた特性を持つ。このようなシリコーンの特性は光伝送体、例えば光通信系における光ファイバやこれらを接続するための接続要素などにも有用であり、シリコーンを光学材料、特に光伝送体に利用することが考えられる。例えば特公平2−23844号に開示の技術はそのようなことを意図した一つである。
【0003】
しかしシリコーンに可能な光透過性は、石英系の光学材料に比べて低く、ポリマー系の光学材料に比べても低い。大まかに言って、石英系の光ファイバは0.2 〜0.5 dB/km程度であり、ポリマー系の光ファイバは100〜200dB/km程度であるのに対し、シリコーンは一般に1000〜2000dB/km程度と高い伝送損失を持つ。このようなシリコーンの低光透過性には、シリコーンのミクロな不均一構造による散乱損失やシリコーンが多量に有しているC−H結合の吸収特性が影響し、また吸水による散乱要因の発生も影響している。
【0004】
そのためシリコーンの光学材料への利用は、例えば特公平2−16483号、特公平4−39643号、特公平4−76390号、特公平5−15243号 などとして知られるような、石英系光ファイバのクラッド用や、あるいは例えば特開平8−143776号で知られるような光散乱体用に留まらざるを得ないのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、シリコーンを光伝送体に代表されるような光学材料としてより広く利用できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的のために本発明では、一定の要件を満たす充填剤をシリコーンに加えた組成物とすることで、シリコーンに固有な優れた特性とともに高い光透過性も可能とするシリコーン組成物を得ている。
【0007】
充填剤はシリコーンに不足する光透過性を補完することを主な機能目的とする。したがって充填剤は、シリコーン自体よりも光に対する吸収性が小さいことを要件とする。つまりシリコーン組成物で形成する光伝送体が伝送対象とする波長域の光に対する吸収性がシリコーンよりも小さいことが充填剤の一つの要件である。また充填剤は、これが散乱要素となることのないように、シリコーンと同じ屈折率を持つことを他の要件とする。この要件については、シリコーンにおける屈折率調整の容易性という特性を利用することができる。すなわちシリコーンは例えばフェニル基による置換で屈折率を大きくすることができ、逆に例えばフッ素による置換で屈折率を小さくすることができる。そしてこのような調整により屈折率を1.3 〜1.6 程度の範囲で連続的に変化させることができる。したがってこの範囲の屈折率を持つ物質を充填剤に用いることで、充填剤とシリコーンの屈折率を同じにすることができる。
【0008】
以上のことから理解できるように、本発明によるシリコーン組成物は、伝送対象とする特定波長域の光に対する吸収性がシリコーンよりも小さく、且つ屈折率がシリコーンと同じである充填剤をシリコーンに加えてなる。
【0009】
シリコーンには付加反応型または重合型を用いる。これらのシリコーンは、光透過性の阻害要素となる副生物を架橋反応時に発生しないという点で好ましい。付加反応型には、エポキシ基、カルビノール基、ヒドロシリル基、水素基などによる反応形式があり、特にヒドロシリル反応型が炭化水素部分が少なくて好ましい。
【0010】
充填剤に種々の物質が利用可能である。特に好ましい物質は二酸化珪素(シリカ;SiO2 )である。シリカは、光学的均一性が高いとともに光透過性に優れ、しかも吸水性が小さく、シリコーンの光透過性を補完するのに最適である。この他にC−H結合におけるHを他の原子、例えばフッ素や重水素などで置換した高分子なども好ましいものとして利用できる。
【0011】
上記のようなシリコーン組成物は、これを硬化させて種々の形態の光伝送体とすることができる。例えば光ファイバ、光導波路、あるいは光ファイバを用いた光通信系における接続用の光学部品などがその代表的なものである。
【0012】
【実施の形態】
本発明を好ましい形態で実施するのに用いるシリコーンは、上記のように付加反応型または重合型である。そのようなシリコーンは市販品から入手することができる。例えば信越化学工業社の製品「KEシリーズ」、東レ・ダウコーニング・シリコーン社の製品「SEシリーズ」、東芝シリコーン社の製品「TSEシリーズ」などである。シリコーンは、その特長である柔軟性を活かすために一定以下の硬度、具体的にはJISA硬度で90°以下の硬度になるように硬化させる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、充填剤にシリカを用いる。シリカにも一般的な市販品を使用することができる。例えばアドマテックス社の製品「アドマファイン」や宇部日東化成社の製品「ハイプシリカ」などである。
【0014】
充填剤には、シリコーンとの結合性を与える表面活性処理を施すのが好ましい。そのような処理は、例えば水酸基やビニル基あるいはシラノール基などのシリコーンと反応性を有する官能基を付加する処理である。このような処理が予めしてある充填剤があれば、勿論これをそのまま用いることができる。充填剤は、その充填量が少ないと補完効果が小さくなり、他方多いと柔軟性や加工性を低下させる。充填剤の適当な充填量は、例えばシリカの場合であれば、5〜95重量%の範囲が好ましい。
【0015】
【実施例】
以下に説明する実施例及び比較例では、図1と図2に示す図表に挙げたシリカとシリコーンを用いている。各シリコーンは、フェニル基などにより変性させることでその屈折率を各シリカの屈折率と同じにしてある。
【0016】
実施例1;シリカA10重量部とシリコーンA130(A液/B液=50/80)重量部を真空脱泡混合してシリコーン組成物を得た。このシリコーン組成物を150℃で30分加熱して厚み2mmのシート状の光伝送体を作成した。この光伝送体シートの光ファイバ接続要素としての接続損失を測定した。具体的には光伝送体シートを一つの光ファイバと他の光ファイバとの間に密着的に挟んで接続損失を測定した。その値は0.05dBであった。
【0017】
実施例2;シリカB30重量部とシリコーンB100重量部を真空脱泡混合してシリコーン組成物を得た。このシリコーン組成物を1mmφのポリカーボネート製円柱型に注入して紫外線照射で完全硬化させて棒状の光伝送体を得た。この光伝送体の伝送損失は250〜350dB/kmであった。また40℃湿度80%の雰囲気に100時間放置した後に伝送損失を測定したが変化がなかった。
【0018】
比較例1;シリカとしてシリカEを用いた他は実施例2と同様にしてシリコーン組成物を得た。このシリコーン組成物を光源(LED)と光ファイバの接続部に充填して接続損失を測定した。その値は0.1 dBであった。またこのシリコーン組成物で実施例2と同様な棒状の光伝送体を得た。この光伝送体の伝送損失は350〜400dB/kmであった。このことからシリカが官能基によりシリコーンと結合を生じる条件(実施例2の場合)の方がそうでない条件(比較例1の場合)よりも光透過性の改善効果の高いことが分かる。
【0019】
比較例2;シリコーンとしてシリコーンEを用いた他は実施例1と同様にしてシリコーン組成物を得た。このシリコーン組成物を実施例1と同様に接続損失を測定した。その値は0.9dBであった。このことから縮合型シリコーンは光透過性に劣ることが分かる。
【0020】
実施例;シリカとしてシリカCを用いた他は実施例1と同様にしてシリコーン組成物及び光伝送体を得た。この光伝送体の実施例1と同様な条件における接続損失は0.1dBであった。
【0022】
比較例;シリコーンA単体で実施例1と同様な光伝送体シートを作成した。この光伝送体シートの接続損失は1.8dBであった。このことからシリカを添加することによる光透過性の優れた改善効果を認めることができる。
【0023】
比較例;シリカとしてシリカFを用いた他は実施例1と同様に光伝送体シートを作成した。その接続損失は5.3 dBであった。また光伝送体シートを40℃湿度80%の雰囲気に1000時間放置したところ白濁して劣化した。これはシラノール基が過剰であることが原因すると考えられる。
【0024】
比較例;シリコーンB単体で実施例2と同様な光伝送体を作成した。この光伝送体の伝送損失は1300dB/kmであった。また40℃湿度80%の雰囲気に1000時間放置した後にはやや白濁が見られ、伝送損失は1600dB/kmに増加した。このことからシリカを添加することによる吸水性の優れた改善効果を認めることができる。
【0025】
比較例;シリコーンE単体で実施例2と同様にして光伝送体を作成した。この光伝送体の伝送損失は1900dB/kmであった。このように伝送損失が大きいのは縮合反応の際にアルコールが副生することが影響していると考えられる。
【0026】
比較例;シリカDとシリコーンCで実施例2と同様にして光伝送体を作成した。この光伝送体の伝送損失は800dB/kmであった。また40℃湿度80%の雰囲気に100時間放置した後の伝送損失は1600dB/kmであった。これにはシリカのカルボン酸とシリコーンのエポキシ基との反応で生成したエステル基が加湿により加水分解することが影響していると考えられる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、シリコーンに固有な優れた特性を持ち、しかも光透過性にも優れた光学材料を得ることができ、シリコーンの光学材料へのより広い利用を可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例に用いたシリカの一覧図表。
【図2】実施例及び比較例に用いたシリコーンの一覧図表。

Claims (2)

  1. 光伝送体に用いるシリコーン組成物であって、付加反応型又は重合型のシリコーンと、伝送対象の波長域の光に対する吸収性がシリコーンよりも小さく、且つ屈折率がシリコーンと同じであるシリコーンと反応可能なビニール基又はシラノール基を有するシリカとを含んでなるシリコーン組成物。
  2. 請求項1に記載のシリコーン組成物を用いて形成した光伝送体。
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