JP3682515B2 - 帯状体の支持リール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は帯状体の支持リールに係り、特にラベルプリンタ等の供給リールとして使用される帯状体の支持リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ラベルプリンタで印字されるラベルが仮着された帯状台紙は、供給リールから供給された後、印字ヘッド部で印字され、巻取リールに巻き取られる。
従来の供給リールは、帯状台紙が巻回されたロールを支持軸に取り付ける際に、ロールの一方端面を固定された基準面に当接させ、ロールの他方端面に着脱自在なストッパーを取り付け、ロールを両側から挟持するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の帯状体の供給リールの構造では、ロールを支持軸に取り付ける際に、固定された基準面を基準にするため、帯状台紙のロール幅の大小によりロールの中心と印字ヘッドの中心がズレてしまう。例えば、帯状台紙のロール幅が狭いと、印字ヘッドの中心を通過しないので、印字のために印字ヘッドの端部ばかりが高頻度で使用されることになる。これにより、安定した印字ができないという欠点がある。
【0004】
また、従来の供給リールはストッパーを供給リール本体から取り外した際に紛失し易いという欠点もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、帯状体のロール幅が変わっても、ロールの中心が支持軸の所定位置、例えば中心に常に一致させることができる帯状体の支持リールを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、帯状体を巻回したロールを巻戻し可能に支持する帯状体の支持リールに於いて、前記ロール中心の支持穴に挿入して前記ロールを支持する片持支持された支持軸と、前記支持軸にその軸方向に沿ってスライド自在に支持され、前記ロールの両側面を挟み込むと共に一方が前記ロールの支持穴が通る大きさに形成された一対のスライド部材と、前記一対のスライド部材を互いに接近・離間する向きに連動してスライドさせるスライド連動機構と、少なくとも一方のスライド部材に設けられ、前記一対のスライド部材のスライドをロックする揺動自在なレバー部材を有したロック機構と、を設け、前記一方のスライド部材は、前記支持軸の前記ロールを挿入する挿入側に設けられるとともに、前記レバー部材を立てた時にスライドがロックされ、前記レバー部材を下げた時にロックが解除されるとともに、前記ロールを前記支持軸に挿通可能としたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、ロール状に巻回された帯状体を帯状体の支持リールに取り付ける際には、ロールの中心の支持穴を支持軸に嵌入した後、一対のスライド部材を前記帯状体の支持軸に沿ってスライド移動させてロールを両端面から挟持する。そのため、ロールの幅が変わっても、常にロールの中心が支持軸の所定位置、例えば中心に位置するよう取り付けることができる。従って、この支持リールをラベルプリンタの供給リールとして用いれば、ロールの中心を印字ヘッドの中心に常に一致させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る帯状体の支持リールの好ましい実施の形態について詳説する。
好ましい実施の形態として、本発明の帯状体の支持リールをラベルプリンタの帯状台紙用供給リールとして適用した場合で説明する。このラベルプリンタは、ロール状に巻回された帯状台紙に仮着されたラベルに印字するものである。
【0008】
図1は、ラベルプリンタの全体構成を示す正面図である。同図に示すように、ラベルプリンタ10内には、側板12が垂直に立設されており、前記側板12には、ラベルプリンタ10の他の部材が取り付けられている。
帯状台紙用供給リール14に巻回されロール15を形成すると共に、多数のラベルが所定の間隔で仮着された帯状台紙16は、前記帯状台紙用供給リール14から巻き戻されて、ガイドローラ18に係合しながら印字ヘッド20へ搬送される。一方、インクリボン用供給リール22に巻回されたインクリボン24も、前記印字ヘッド20へ搬送される。印字ヘッド20へ搬送されたインクリボン24と帯状台紙16は、印字ヘッド20とプラテンローラ26とに挟持され、帯状台紙16に仮着されたラベルに必要な印字が施される。その後、帯状台紙16は、帯状台紙用巻取リール28に巻き取られ、インクリボン24は、インクリボン用巻取リール30に巻き取られる。帯状台紙用巻取リール28の回転軸は、図示しない回転駆動源に連結されており、回転駆動源の駆動力によって帯状台紙16を搬送する。
【0009】
次に、帯状台紙用供給リール14の構造を説明する。
図2は、帯状台紙用供給リール14の斜視図であり、図3は側面図である。
これらの図に示すように、帯状台紙用供給リール14は、主として支持軸32と、第1のスライド部材34と、第2のスライド部材36とから構成される。
前記支持軸32は、水平板38と一対の垂直板40とで断面コ字状に形成され、支持軸32の片端が側板12に片持支持されている。更に、水平板38の中央部を境とした左右にはそれぞれ、支持軸32の軸方向に沿って3本ずつの長穴41A、41Bが平行に形成されている。また垂直板40の中央部を境とした左右にはそれぞれ、支持軸32の軸方向に沿って1本ずつの長穴43A、43Bが平行に形成されている。
【0010】
前記第1のスライド部材34は、断面がコ字状の長板で形成され、その中央部には前記支持軸32に嵌入する開口部42が形成される。また、開口部42の上縁から前記3個の長穴41Aの2個にそれぞれ貫通して係合する係合ピン35、35が設けられる。開口部42の側縁から前記長穴43Aに貫通して係合する係合ピン37が設けられる。これにより、第1のスライド部材34は、長穴41A、43Aに沿ってスライドすることができる。また、第1のスライド部材34の垂直方向の長さは、帯状台紙16のほぐれを防止するため、ロール15の直径よりも長く形成される。
【0011】
前記第2のスライド部材36は、支持軸32を上から跨ぐように配設されたコ字状のスライド台36Aの上に断面L字状のL字板36Bを固着して形成される。また、スライド台36Aの下面には前記3個の長穴41Bの2個にそれぞれ貫通して係合する図示しない係合ピンが第1のスライド部材34と同様に設けられる。スライド台36Aの側面には前記長穴43Bに貫通して係合する2つの係合ピン39、39が長穴43Bに沿って並設される。これにより、第2のスライド部材36は、長孔41B、43Bに沿ってスライドすることができる。また、L字板36Bの長さは、ロール15の支持穴15Aが嵌入される大きさに形成されると共に、L字板36Bには後記するロック機構のレバー44が設けられる。
【0012】
次に、第1のスライド部材34と第2のスライド部材36をスライドさせるスライド機構について説明する。
図4は、帯状台紙用供給リール14を下方から見た斜視図である。同図に示すように、支持軸32の水平板38の下面には、ピニオン46と、第1のラック48と、第2のラック50とが設けられている。ピニオン46は、水平板38の下面中央に回転自在に取り付けられている。第1のラック48は、その片端が第1のスライド部材34に設けられた係合ピン35に支持された状態で長穴41Aに平行に設けられ、ピニオン46に歯合する。同様に、第2のラック50は、その片端が第2のスライド部材36に設けられた係合ピンに支持された状態で長穴41Bに平行に設けられる。更に、第1及び第2のラック48、50にはラックの長手方向に長穴状のガイド穴48A、50Aが形成され、支持軸32の水平板38の下面に突起したガイドピン38A、38Aに係合する。その結果、手動で第2のスライド部材36を支持軸32に沿って図中左右どちらかにスライド移動させると、第2のラック50も手動方向と同方向に移動し、ピニオン46が回転する。このピニオン46の回転によって、第1のラック48が、第2のラック50と反対方向に移動し、第1のスライド部材34が連動してスライド移動する。よって、第1のスライド部材34、第2のスライド部材36はピニオン46を真中にして、互いに接近・離間する方向に連動スライドする。そのため、第1と第2のスライド部材34、36は、常にピニオン46の中心に対して対称に移動する。従って、供給リール14にロール15を取り付けた際、ロール15の中心線47は必ずピニオン46の位置にセットされる(図3参照)。
【0013】
次に、第1と第2のスライド部材のスライド移動のロック機構について説明する。
図5に第2のスライド部材の詳細を説明する図を示す。同図では、下がった状態のレバー44を実線で、上がった状態のレバー44を二点鎖線で示す。
レバー44のコ字状に形成された基端部には、ピン52が貫通され、このピン52に、スライド台36A、L字板36B、支持軸32の長穴41B及び第2のラック50を貫通する貫通する貫通穴から突出するロッド54の上端部が支持されると共に、ロッド54の下端部にストッパリング55が設けられる。更に、第2のラック50の下面とストッパリング55の間のロッド54にはバネ58が嵌入される。
【0014】
更に、レバー44を上げた時のピン52と水平板38との距離は、レバー44を下げた時のピン52と水平板38との距離よりも若干長いため、レバー44を上げるとロッド54が真上に引っ張られバネ58が縮む。その結果、第2のスライド部材36と水平板38と第2のラック50とは、レバー44とバネ58により押圧され、第2のスライド部材36のスライド移動がロックされる。反対にレバー44を下げると、ロッド54が下がりバネ58が緩む。その結果、ロックが解除され、スライド移動が自在に行われる。また、レバー44の長さは、第2のスライド部材36よりも長く略ロール15の半径と同じ長さに形成されると共に、その先端部44Aが第1のスライド部材34側にクランク状に屈折している。これにより、第2のスライド部材36がロール15の支持穴15Aに挿入できるように小さめに形成されても、ロール15を支持軸32に支持した時にレバー先端部44Aでロール15の一方端側を抑えることができる。従って、帯状台紙16のほぐれを防止することができる。
【0015】
次に、上記の如く構成された本発明の帯状体の支持リールの作用をラベルプリンタの供給リールの例で説明する。
供給リール14に帯状台紙16のロール15を取り付ける際には、先ず、レバー44が上がっている場合には下げて、スライド移動のロックを解除する。これにより、レバー44に邪魔されることなくロール15の支持穴15Aに支持軸32が挿通することができる。次に、第2のスライド部材36を手動操作し、第1と第2のスライド部材34、36が離間する方向に移動させる。この時、第1のスライド部材34は、第2のスライド部材36とは逆の左方向に移動する。第2のスライド部材36が支持軸32の右端へ達したら、ロール15を支持軸32の、第1、第2のスライド部材34、36間に嵌装する。次いで、第2のスライド部材34を手動操作し、支持軸32に沿って第1と第2のスライド部材34、36が接近する方向に移動させる。これにより、ロール15は第1と第2のスライド部材34、36によって両側面から挟みこまれる。
【0016】
ロール15が第1、第2のスライド部材34、36によって完全に挟持され、支持軸32方向に移動できなくなったら、レバー44を上げて、スライド移動をロックする。この時、ピニオン46の中心は、ロール15の中心線47上に位置し(図3参照)、ロール15の供給リール14への取り付けが終了する。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の帯状体の支持リールによれば、帯状体の支持軸に対してスライド自在な一対のスライド部材を設けたことにより、帯状体の幅が変わっても、常に軸方向の中心が同じ位置に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラベルプリンタの全体構成を示す正面図
【図2】供給リールの構成を説明する斜視図
【図3】図2の側面図
【図4】供給リールの下方から見た斜視図
【図5】第2のスライド部材の詳細を説明する図
【符号の説明】
14…帯状台紙用供給リール
15…ロール
16…帯状台紙
20…印字ヘッド
32…支持軸
34…第1のスライド部材
36…第2のスライド部材
44…レバー
46…ピニオン
48…第1のラック
50…第2のラック
52…ピン
Claims (2)
- 帯状体を巻回したロールを巻戻し可能に支持する帯状体の支持リールに於いて、
前記ロール中心の支持穴に挿入して前記ロールを支持する片持支持された支持軸と、
前記支持軸にその軸方向に沿ってスライド自在に支持され、前記ロールの両側面を挟み込むと共に一方が前記ロールの支持穴が通る大きさに形成された一対のスライド部材と、
前記一対のスライド部材を互いに接近・離間する向きに連動してスライドさせるスライド連動機構と、
少なくとも一方のスライド部材に設けられ、前記一対のスライド部材のスライドをロックする揺動自在なレバー部材を有したロック機構と、を設け、
前記一方のスライド部材は、前記支持軸の前記ロールを挿入する挿入側に設けられるとともに、前記レバー部材を立てた時にスライドがロックされ、前記レバー部材を下げた時にロックが解除されるとともに、前記ロールを前記支持軸に挿通可能としたことを特徴とする帯状体の支持リール。 - 前記レバー部材は、前記一方のスライド部材よりも長く、その先端部が他方のスライド部材側にクランク状に曲折していることを特徴とする請求項1の帯状体の支持リール。
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