JP3681507B2 - Abs樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ABS樹脂の製造法に関するものである。
【0002】
より詳しくは、本発明は、ポリマーマトリックス中に含まれるゴム粒子の大きさが多モード分布を示すABSポリマーを製造する為の、連続式塊状溶液法に関するものである。
【0003】
更に詳しくは、本発明は、衝撃強さ、弾性率、降伏点、及び極限引張強さのような物理機械的性質に優れている上に、高光沢度を合わせもつABS樹脂に関するものでもある。
【0004】
【従来の技術】
ゴム、特にジエンゴム、で強化された芳香族ビニルコポリマーは、市場で知られていて、また文献に広く記載されている周知のテクノポリマー群の代表格である。このようなコポリマーの具体的な例は、例えば、ABS樹脂として一般的に知られている、高分子マトリックス中に分散させたゴム粒子、例えばポリブタジエン、を含むスチレン/アクリロニトリルコポリマーである。
【0005】
これらのコポリマーは、連続式もしくは回分式で、乳化法、塊状法、溶液法、もしくは塊状法と懸濁法とを組み合わせた方法のような様々な重合法により製造することができる。
【0006】
連続式塊状溶液重合法は公知であって、例えば米国特許第2,694,692号、第3,243,481号、第3,658,946号、及びヨーロッパ特許出願公開第400,479号の各明細書中に記載されている。この方法は、ゴム物質を芳香族ビニルモノマーもしくはモノマー混合物に溶解させる工程、ラジカル重合開始剤と場合によっては不活性な希釈剤とを添加する工程、及び得られた溶液を重合させる工程からなる。重合反応開始直後に、ゴム物質がモノマー混合物中に溶解している溶液が二相に分かれ、ゴム物質がモノマー混合物と溶剤とに溶解している溶液からなる第一の相が初めに連続相を形成し、一方、得られたコポリマーがモノマー混合物と溶剤とに溶解している溶液からなる第二の相が、第一の相中に液滴の形で分散された状態となる。
【0007】
重合が、つまり転化が進むにつれて、第一の相が消費されて第二の相の量が増える。第二の相の体積が第一の相の体積と等しくなるや否や、一般的に転相と呼ばれている相変化が生じる。この転相が生じると、ゴム溶液の液滴がポリマー溶液中に形成される。一方、ゴム溶液のこれらの液滴は、今やポリマーの連続相となったばかりの相中の微小液滴を包蔵する。この方法を実施する間に、ポリマー鎖の一部にゴムがグラフトされることもある。
【0008】
重合は、通常、幾つかの工程により行われる。予備重合と呼ばれている重合の第一工程では、モノマーもしくはモノマー混合物にゴムを溶解させた溶液を、転相が生じる転化率に達する迄、重合させる。所望の転化率となる迄、引き続きこの重合を続ける。
【0009】
この塊状溶液重合により、物理機械的特性と高光沢度とのバランスのとれた、ゴムが粒子の形でポリマーマトリックス中に分布している芳香族ビニルコポリマーを製造することができる。しかしながら、この重合法では、少なくともABSコポリマーの場合、乳化合成法で得られる生成物が一般的に有する特性値を得ることはできない。
【0010】
ABSの物理機械的特性と光沢度とのバランスを試して改良すべく、様々な試みがなされてきており、また文献にも記載されている。例えば、米国特許第4,421,895号、第4,587,294号、第4,639,494号、及びヨーロッパ特許出願公開第277,687号の各明細書中に記載されているように、低粘度のゴム、もしくはブロックゴム(放射状、もしくは枝分かれしたもの)から選択して用いる試みがなされている。その他の試みは、ゴム粒子が二モード分布しているABS樹脂を得るというものである。
【0011】
ヨーロッパ特許出願公開第412,801号には、ゴム粒子が二モード分布している、ゴムにより強化されたコポリマー(HIPS、及びABS)を、連続式塊状溶液法により製造する方法が記載されている。この方法では、転化率が初めのモノマーの10〜50%である二種類のプレポリマーを、並置した二つのプラグフロー型反応器中で別々に形成させる。
【0012】
第一のプレポリマーには、大きさが0.05〜1.5マイクロメーターのゴム粒子が含まれており、第二のプレポリマーには、大きさが0.7〜10マイクロメーターのゴム粒子が含まれている。この二つのプレポリマーをそれぞれの反応器から連続的に排出させ、適当な割合で混合し、直列に配置した二基もしくはそれ以上の反応器中で、所望の転化率に達する迄(65〜80%)重合させる。その後、溶剤と未転化モノマーを、脱揮発(devolatilization)により除去する。
【0013】
この二つのプレポリマーの流れの割合は、第一のプレポリマーからのゴム粒子が、最終生成物のゴム含有量の50〜95重量%となるようなものでなければならない。このようにして得られたポリマーは、単一構成の抽出機で機械的に攪拌して得られるものよりも、機械的特性と光沢度とのバランスに優れている。
【0014】
この方法は、レジリエンス値が高く光沢度の高い耐衝撃性ポリスチレンを製造するのには特に有利であるが、一方、ABS樹脂に対しては、有意なレジリエンス値が得られないので余り有利ではないことが分かっている。それに加え、この特許出願明細書には、ABS樹脂に関しては、ABS樹脂の評価に於ける基本的なパラメーターである光沢度の値が示されていない。
【0015】
上記の方法、特にABS樹脂の製造法、の更に不利な点は、従来からのプラントのレイアウトの場合、少なくとももう一つ重合反応器を足さなければならないということにある。また形成されるモルフォロジーに対するプロセス制御を実行すること、とりわけ、二つのプレポリマーを混合する段階で必要とされる。プラントのこの部分で起こり得るいかなる生産上の狂いも、生成物の性能に取り返しのつかないダメージを与えることとなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
今回、我々は、光沢度と機械的特性とのバランスに優れ、二モード構造もしくは多モード構造をもつABSコポリマーを製造する為の方法であって、公知技術の欠点を克服した新しい方法を見出した。
【0017】
従って、本発明は、以下のa),b),c),d)及びe)の工程からなる、ポリマーマトリックス中に含まれるゴム粒子の大きさが多モード分布を示すABSの製造方法に関するものである。
【0018】
a)スチレンとアクリロニトリルを含んでなるモノマー混合物に溶解させた、S−B型の二ブロック線状ゴムからなる溶液を調製する工程、
b)ポリマーマトリックス中に含まれるゴム粒子が1.5マイクロメーターより大きい平均体積径をもつ少なくとも一種の予め形成されたABS樹脂を、工程(a)の溶液に供給する工程、
c)予め形成されたABS樹脂を工程(a)の溶液に溶解させる工程、
d)このようにして得た溶液を、ABS樹脂用の重合反応器に連続的に供給する工程、及び
e)最終溶液を重合させて、多モードのモルフォロジーをもつABSを製造する工程。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明による方法は、直列に配置した二基もしくはそれより多いプラグフロー反応器、及び一基もしくはそれより多い脱揮発器からなる、連続式塊状溶液法によるABS重合用の通常のプラントを用いて実施することができる。この種のプラント、及びそれに係わる製造法は、米国特許第2,694,692号、第3,243,481号、第3,658,946号、及びヨーロッパ特許出願公開第400,479号各明細書に記載されている。
【0020】
本発明による方法では、S−B型の二ブロック線状ゴムを用いて工程(a)の溶液を調製する。ここでSは、芳香族ビニルモノマー、例えばスチレン、から得られる、平均分子量(Mw)が5,000〜50,000の非エラストマー状ポリマーブロックを表し、一方Bは、共役ジエン、例えばブタジエン、から得られる平均分子量(Mw)が2,000〜250,000のエラストマー状ポリマーブロックを表す。このようなゴム中のSブロックの量は、S−Bゴム全体の5〜15重量%である。
【0021】
本発明の方法に用いるS−Bゴムは、ABS樹脂の塊状溶液法による製造法に於いて、平均体積径が0.1〜1.5マイクロメーターのゴム粒子とのコポリマーをもたらす性質を有する。
【0022】
工程(a)の溶液は、二ブロックゴムを室温、もしくは100℃未満の温度、でモノマー混合物中に溶解させることによる、通常の手法で調製する。ABS樹脂の重合工程で適当なゴムの量は、溶液全体の5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%、である。
【0023】
二ブロックゴムの溶剤として作用するモノマー混合物は、スチレンとアクリロニトリルを含んでなるものである。この混合物中、アクリロニトリルの量は5〜40重量%、好ましくは15〜35重量%であり、これに対し、スチレンの量は95〜55重量%、好ましくは85〜65重量%である。場合によっては、スチレンの一部を、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等のような他の芳香族ビニルモノマー、もしくは例えば無水マレイン酸のようなエチレン性不飽和モノマーで、50重量%迄置き代えてもよい。アクリロニトリルの一部も、例えば、アクリル酸やメタクリル酸のアルキルエステル(アルキル基は、炭素原子を1〜8個有するもの)から選ばれるモノマーのような他のアクリルモノマーで、50重量%迄置き代えることができる。
【0024】
溶剤ベースには、モノマーの他に、重合温度で液状の芳香族炭化水素から選ばれる希釈剤も含まれていてよい。希釈剤の例としては、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、もしくはそれらの混合物が挙げられる。或いは、非極性化合物、例えば一種、又はそれより多い上記の芳香族炭化水素、と極性物質との混合物を溶剤として用いることもできる。極性成分とは、炭素と水素とからなっていて、且つ分子中に酸素や窒素のようなヘテロ原子を一つ、もしくはそれ以上含む有機化合物をいう。このような誘導体は、脂肪族で飽和のものであって重合温度で液状であるものが好ましく、またその分子が対称的でない場合には、双極子モーメントの値が3x10-30 Cmを越えることを特徴とするものである。ジオキサンのような対称的な分子もこのグループに含まれる。極性成分の例は、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等である。これらのうち、アセトニトリルとプロピオニトリルが好ましい。溶剤混合物中の極性成分の量は1〜99重量%、好ましくは5〜50重量%、の範囲内で変えることができる。
【0025】
ポリマーマトリックス中に含まれるゴム粒子の平均体積径が1.5マイクロメーターより大きい、例えば3〜15マイクロメーターであることを特徴とする、少なくとも一種の予め形成されたABS樹脂を、本発明に従って、二ブロックゴムをモノマー混合物に溶解させて得た溶液中に添加する。予め形成されたABSの添加量は、予め形成されたABSが最終生成物の0.5〜15重量%となるような量である。
【0026】
予め形成されたABS樹脂は、連続式塊状重合、もしくは塊状懸濁重合により得られたものが好ましく、ゴム相の含有率が20重量%以上であり、220℃/10kgで測定したときのMFI(ASTM D1238)が5g/10分以上であり、また12.7mmのテストサンプルでの衝撃強さ(ASTM D256)が80J/m以上であることを特徴とするものである。このようなものは市場でも入手可能であり、例えば、「SINKRAL・シリーズX2000」という商品名で販売されている本出願人の製品がある。
【0027】
ゴム粒子の大きさが多モード分布を示す本発明のABSが、耐衝撃性架橋ポリマーを製造するのに用いる従来の手法、例えば塊状法、溶液法、もしくは塊状懸濁法による重合で製造することが仮令できるとしても、重合を連続式塊状溶液法で実施した場合の方が、利点はより明らかとなる。
【0028】
この重合手法では、ゴムと予め形成されたABS樹脂とを、適当な溶剤の存在下でモノマー中に溶解させる。溶剤は、モノマーとゴムと予め形成されたABSの合計に対して0〜100重量%の量で存在させ、また得られた溶液を開始剤の存在下で重合に付す。
【0029】
重合は通常、プラグフロー方式の縦形で管状の攪拌機付き反応器を二つ、又はそれより多く直列に配置したものの中で行う。長さ/直径の比が2を越える、好ましくは3〜10である、縦形管状反応器が好ましい。
【0030】
各反応器は、供給した成分が蒸発する圧力より高い圧力に維持する。このような圧力は、通常0.5〜5バールであり、温度は70〜170℃である。
【0031】
第一の反応器の出口での重合転化率は、モノマーの20〜60重量%、好ましくは25〜50重量%、であるのが好ましく、またその後の反応器中で重合を完了させるのが好ましい。
【0032】
所望の転化率(65〜95%)に達した後、存在している溶剤と未転化モノマーを真空下、高温(200〜260℃)で除去し、得られるポリマーをダイを通して押出して冷却し、所望の大きさの小粒に切断する。真空下で除去したガス状の生成物は濃縮し、場合によっては第一の反応器、もしくはゴムとABSを溶解するのに用いる装置に再循環させる。
【0033】
ゴムと予め形成されたABS樹脂のモノマー/溶剤混合物への溶解は、単一の混合器、もしくは二つの別々の混合器で行うことができる。後者の場合、100℃以下の温度に保った第一の混合器に、スチレン、溶剤、ゴム、及び予め形成されたABS樹脂を導入し、加熱していない第二の混合器に、重合開始剤、アクリロニトリル、及び場合によっては溶剤の付加的なアリコートを添加する。
【0034】
用いる開始剤は、スチレンの重合に通常用いられる一般的なものであって、例えば有機過酸化物ラジカル重合開始剤である。このような開始剤の例には、過酸化ジベンゾイル、過オクタン酸t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過酸化ジ−ターブチル、1,1’−ジ−ターブチルペルオキシシクロヘキサン等がある。このような開始剤の添加量は、モノマーの0.005〜0.5重量%である。
【0035】
本発明の方法により製造されるABSは、直径が二モード分布を示すゴム粒子からなるものである。透過型電子顕微鏡を用いた一般的な手法により、この分布に於ける第一の母集団の平均体積径は0.1〜1.5マイクロメーターであり、また第二の母集団の平均体積径は1.5〜12マイクロメーターであることが分かる。これらの粒子は、グラフトされているか、グラフトされていないコポリマーが包蔵された、典型的な細胞状のモルフォロジーを有している。
【0036】
本発明の二モード構造をもつABSは、室温、もしくは0℃未満の温度での衝撃強さ、破断点伸び、降伏点や破壊加重、及び引張弾性率のような物理機械的特性と、高光沢度とのバランスに優れている。このような性質故に、本発明の方法により製造されるABSは、乳化法で得られるABSの用途として特徴的な、あらゆる高品質が要求される用途に適している。
【0037】
【実施例】
本発明のより良い理解を得る為に、また本発明の実施態様を示す為に、以下、非限定的な諸例により説明を行う。下記諸例に於いては、得られたコポリマーの性質を評価する為に、以下の方法を用いた。
【0038】
機械的特性
ASTM D256に従って、厚さ3.2mmと12.7mmのサンプルを用い、23℃の温度で、ノッチ入りアイゾッドレジリエンスを測定した。また破断点伸びと引張弾性率は、ASTM D638に従って測定した。
【0039】
熱的特性
ISO306に従って、オイル中、5kgでビカー軟化温度を測定した。
【0040】
レオロジー特性
ASTM D1238に従って、メルト・フロー・インデックス(M.F.I.)を220℃、10kgで測定した。
【0041】
光学的特性
ASTM D523−80に従って、大きさが10cmx10cmx3mmのサンプルを用い、このサンプルに対する入射角を60°として光沢度を測定した。このサンプルは、35℃に保ったモールドを使用して215℃で射出成形したもので、表面粗さ率が0.02の滑らかな表面をもつものであった。測定は、入射点とは反対側のサンプル面から3.5cmの地点で行った。
【0042】
例1(基準)
以下の成分からなる混合物を、容積が1リッターのCFSTR型混合反応器に供給した。
(1) スチレン 53.5重量部、
(2) アクリロニトリル 17.8重量部、
(3) エチルベンゼン 20.0重量部、
(4) フェノール系酸化防止剤(IRGANOX 1076) 0.10重量部、
(5) 過酸化物系開始剤(1,1’−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン) 0.02重量部、
(6) 連鎖移動剤(t−ドデシルメルカプタン) 0.05重量部、
(7) ポリスチレンの含有率が10重量%であり、ポリブタジエンの含有率が90重量%であり、ポリブタジエン検量ゲル透過クロマトグラフィー (GPC) により測定した重量平均分子量が120,000であり(マーク−ホウビンク定数:k=3.9x10-4、及びa=0.713)、ポリスチレン検量GPCにより測定したポリスチレンブロックの重量平均分子量が約20,000である(マーク−ホウビンク定数:k=1.5x10-4、及びa=0.7)ポリスチレン−ポリブタジエン線状二ブロックコポリマー 8.70重量部。
【0043】
得られた混合物を、容積が2リッターで、長さ/直径の比が7.4である、縦形で管状の第一のプラグフロー反応器の頭部に、温度99℃、流量0.65kg/hで供給した。
【0044】
この反応器を二つの反応ゾーンに分け、以下の温度プロファイルに従って反応混合物の温度を保持する為に、それぞれのゾーンをサーモスタット制御した。
第一ゾーン: 99℃
第二ゾーン:104℃
反応器には、100rpmの速度で回転する、20個の水平アームからなる攪拌機を取り付けた。反応器の圧力は、4バールであった。
【0045】
第一の反応器の第一ゾーンに於ける反応混合物の滞留時間は約85分であり、一方、全滞留時間は約2.8時間であった。
【0046】
反応器から連続的に排出させた、固体含有率が約33重量%の反応混合物に、n−ドデシルメルカプタンを0.06重量部添加した。これを、第一の反応器と同じ縦形で管状の第二の反応器に供給し、以下の温度プロファイルに従って反応混合物の温度を保持する為に、サーモスタット制御した。
第一ゾーン:125℃
第二ゾーン:160℃
第二の反応器に於ける反応混合物の滞留時間は約2.8時間であった。
【0047】
第二の反応器の出口での反応生成物塊の固体含有率は約70重量%であった。これは、転化率約85重量%に相当する。
【0048】
この後、この反応生成物塊をプレヒーター中で250℃に加熱し、溶剤と未転化モノマーを、エバポレーター中、40mmHgの減圧下で脱揮発させた。
【0049】
エバポレーターから排出させたABSの全揮発性成分の含有率は、約0.3重量%であった。このABSの特性を表1に示す。
【0050】
例2
二ブロックコポリマー8.7重量部を同一のコポリマー7.75重量部に代え、スチレン53.5重量部をスチレン51.6重量部に代え、またアクリロニトリル17.8重量部をアクリロニトリル17.2重量部に代える以外は、例1と同じ手順を繰り返した。更に、予め形成されたABSコポリマーとして、市販の「SINKRAL X2002M」を3.45重量部導入した。
【0051】
連鎖移動剤(t−ドデシルメルカプタン)の量を0.05重量部から0.04重量部に減らした。最終生成物の(小さい粒子のゴム)/(大きい粒子のゴム)の重量比は、95.1/4.9であった。
【0052】
このようにして得られた生成物の特性を、表1に示す。
【0053】
例3
二ブロックコポリマー8.7重量部を同一のコポリマー7.25重量部に代え、スチレン53.5重量部をスチレン50.6重量部に代え、またアクリロニトリル17.8重量部をアクリロニトリル16.9重量部に代える以外は、例1と同じ手順を繰り返した。更に、予め形成されたABSコポリマーとして、「SINKRAL X2002M」を5.25重量部導入した。
【0054】
連鎖移動剤(t−ドデシルメルカプタン)の量を0.05重量部から0.035重量部に減らした。最終生成物の(小さい粒子のゴム)/(大きい粒子のゴム)の重量比は、92.3/7.7であった。
【0055】
このようにして得られた生成物の特性を、表1に示す。
【0056】
例4
二ブロックコポリマー8.7重量部を同一のコポリマー5.35重量部に代え、スチレン53.5重量部をスチレン46.8重量部に代え、またアクリロニトリル17.8重量部をアクリロニトリル15.6重量部に代える以外は、例1と同じ手順を繰り返した。更に、予め形成されたABSコポリマーとして、「SINKRAL X2002M」を12.25重量部導入した。
【0057】
連鎖移動剤(t−ドデシルメルカプタン)の量を0.05重量部から0.025重量部に減らした。最終生成物の(小さい粒子のゴム)/(大きい粒子のゴム)の重量比は、79.2/20.8であった。
【0058】
このようにして得られた生成物の特性を、表1に示す。
Figure 0003681507
【0059】
例5、例6(比較)
例2と例3の物質を、溶融混合により、すなわち例1の物質と樹脂「SINKRAL X2002M」とをベーカー−パーキンス型の二軸スクリュー押出機中で230℃で混合することにより得た。本願出願人の製品であるSAN樹脂(スチレン−アクリロニトリル)「KOSTIL B25/5」も混合物に一定量添加して、粒子分布の量的な比率を調節した。
【0060】
最終生成物の(小さい粒子のゴム)/(大きい粒子のゴム)の重量比は、それぞれ95/5と92/8であった。
【0061】
このようにして得られた生成物の特性を、表2に示す。
Figure 0003681507
【0062】
表3には、抽出機に供給した混合物の組成を示す。
Figure 0003681507

Claims (5)

  1. 以下のa),b),c),d)及びe)の工程からなる、ポリマーマトリックス中に含まれるゴム粒子の大きさが多モード分布を示すABSの製造方法。
    a)スチレンとアクリロニトリルを含んでなるモノマー混合物に溶解させた、S−B型の二ブロック線状ゴムからなる溶液を調製する工程、
    b)ポリマーマトリックス中に含まれるゴム粒子が、1.5マイクロメーターより大きい平均体積径をもつ少なくとも一種の予め形成されたABS樹脂を、工程(a)の溶液に供給する工程、
    c)予め形成されたABS樹脂を工程(a)の溶液に溶解させる工程、
    d)このようにして得た溶液を、ABS樹脂用の重合反応器に連続的に供給する工程、及び
    e)最終溶液を重合させて、多モードのモルフォロジーをもつABSを製造する工程。
  2. 二ブロック線状ゴムが、Sが芳香族ビニルモノマーから得られる平均分子量(Mw)が5,000〜50,000の非エラストマー状のポリマーブロックを表し、一方、Bが共役ジエンから得られる平均分子量(Mw)が2,000〜250,000のエラストマー状のポリマーブロックを表すS−B型のものである、請求項1に記載の方法。
  3. Sブロックの量がS−Bゴム全体の5〜15重量%である、請求項2に記載の方法。
  4. 予め形成されたABS樹脂の量が、最終生成物の0.5〜15重量%となるように予め形成されたABS樹脂を添加する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 予め形成されたABS樹脂が、連続式塊状法、もしくは塊状懸濁法による重合で得られたものであり、且つゴム相の含有率が20重量%以上であり、220℃/10kgで測定したときのMFI(ASTM D1238)が5g/10分以上であり、また12.7mmのテストサンプルでの衝撃強さ(ASTM D256)が80J/m以上であることを特徴とするものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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