JP3681357B2 - 被覆型廃棄物処分場 - Google Patents

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    • Y02W30/30Landfill technologies aiming to mitigate methane emissions

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被覆型廃棄物処分場の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物や、一般家庭から排出される生活廃棄物の最終処分方法として埋立てが行われている。この埋立ては、山間の谷間などの内陸部や海岸部などに廃棄物処分場を造成して行われる。この処分場に廃棄物を埋立てる際には、廃棄物の投入から、最終覆土によりその上部を覆うまでの間、雨水の浸透を防ぐため、クローズドシステムと称し、処分場全体あるいは一部分を屋根構造物で覆うことが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
屋根構造物としては、比較的組立解体が簡単な鉄骨トラス骨組構造などが採用されるが、処分場そのものが広大である場合には長大なスパンとなることから、構造物規模や強度に制限を受けるとともに、建設コストが高くなるという欠点があった。
【0004】
また、処分場を屋根構造物で部分的に覆った場合には、覆っていない他の箇所での雨水対策が大がかりとなり、また当該位置での埋立てが完了した後は別の場所に移設されることになるが、屋根構造物の規模が大きいと盛替え作業に時間がかかり、しかもその間は埋立作業を中断したり、移設完了までの待機時間を必要としていたため、埋立能率低下の要因となっていた。
【0005】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、クローズドシステムを安価に実現でき、かつ移設に伴う覆蓋の盛替えを迅速に行えるようにした被覆型廃棄物処分場を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、底部とこれに連なる側壁とに遮水工が施され、上面が開口した廃棄物処分場において、上面開口部における前記側壁の幅方向両側に跨って架設され該幅方向と直交する方向に沿って移動可能にして底部が開口した屋根構造物と、該屋根構造物の両側部に移動可能に配置され前記廃棄物処分場の上面開口部を開閉式に覆う覆蓋とを備え、前記屋根構造物の少なくとも一面に開閉可能な廃棄物投入口を設けたことを特徴とする。従って、本発明では、埋立てに要する廃棄物投入位置のみ移動可能な屋根構造物で覆われ、その他は簡易な開閉式の覆蓋で覆われていることにより、処分場面積の割には屋根構造物の規模が小さく、安価に構築でき、しかも移設やこれに伴う覆蓋の盛替え作業も迅速に実施できる。
【0007】
また、本発明では、前記屋根構造物の内部に、処分場内に投入された廃棄物の敷き均しおよび転圧を行う重機を移動可能に配置したことにより、投入された廃棄物をその投入位置から直ちに平準化することが可能である。
【0008】
さらに、前記覆蓋は処分場の幅方向両側に跨って移動可能に設置される複数のパネルユニットであることにより、移設に伴う盛替え作業が簡単に行える。
【0009】
さらにまた、前記覆蓋はカバーシートであって、該カバーシートは、前記屋根構造物の両側部と処分場の長手方向両側部に配置されたリール間に繰出し、巻取り可能に配置されたものであることにより、屋根構造物の移動に応じて、その前後開口部を自動的に被覆することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1,2は本発明の第一実施形態による被覆型廃棄物処分場を示す。図において、廃棄物処分場1は平坦な地盤Eを掘削し、その内側に底版3およびその四周に連なる側壁4とからなる遮水工を施した上面開口する長方形容器状をなし、これの内部に廃棄物5を順次投入するようになっている。
【0012】
この廃棄物処分場1の上部適宜位置には、前記側壁4の幅方向両側に跨って屋根構造物6が架設されている。屋根構造物6は、軽量鉄骨トラス組構造からなる屋根および柱骨組構造体を外皮で覆ったものであり、その両側下部には車輪7が配置され、前記両側壁4の長手方向外側に沿って敷設された一対のガイドレール8に沿って処分場1の長手方向に沿って移動可能に設置されたものである。なお、屋根構造物6の移動方式としては、ウインチなどによって牽引する方式、あるいは車輪7そのものを自走式とするなどの各種方式を採用することができる。
【0013】
さらに、この屋根構造物6の正面にはシャッタ開閉式の廃棄物投入口9が設けられ、シャッタをあけることで、この投入口9のみを通じてダンプトラック10などによって搬入された廃棄物5の投入を可能としている。
【0014】
屋根構造物6の内部は底面が開口されており、ダンプトラック10によって投入された廃棄物5は、直接処分場1内に投入される。さらに屋根構造物6の底面側(処分場の天井部)には一対の直線軌道が配置され、この軌道上を往復走行するバックホウ11により、投入された廃棄物5の敷き均しと転圧とを行うようになっている。バックホウ11の操縦は、例えば前記投入口9とは反対側の壁面内側に配置された操作室12内からの遠隔操作によって行われる。
【0015】
屋根構造物6の両側部において、処分場1の上面開口は覆蓋14によって覆われている。この覆蓋14は軽量鉄骨トラス組構造体の表面を蓋膜で覆った複数のパネルユニット15の集合体であって、各ユニット15の両端には車輪が設けられ、幅方向両側壁4の頂部を軌道ガイドとして移動可能に設置されている。
【0016】
それぞれのユニット15は互いに脱着可能に連結されているとともに、前記屋根構造物6にも脱着可能に連結されている。
【0017】
したがって、埋立作業の進捗により屋根構造物6の移動に伴い、各ユニット15は構造物6とともに移動し、盛替作業の手数を省略できるようにしている。
【0018】
なお、移動の結果、他端からはみ出たユニット15はその連結ををはずし、一端側に開口した開口部に移設してこれの被覆用に転用できる。
【0019】
また場合によっては、屋根構造物6に対する連結をはずし、図1に示すように、処分場1の未埋立箇所の内部を開口させることもできる。
【0020】
さらに、前記屋根構造物6の一側部下部には図1に示すように、粉塵防止用スカート16が垂下され、前記覆蓋14をあけた際に投入された廃棄物5による粉塵の外部飛散を防止している。
【0021】
以上の構成における埋立方法としては、まず屋根構造物6を処分場1の長手方向一端部に位置させ、その他の開口部を覆蓋14で閉塞しておく。この状態で廃棄物投入口9をあけ、この位置を廃棄物受入れ場所として、持込まれた廃棄物をダンプトラック10から投入する。この位置が満杯となったら、図1の矢印方向に移動させると、この移動に応じて覆蓋14も移動し、はみ出たユニット15を明いた開口部位置に移設する作業を繰返すことにより、処分場1の上部開口を常時閉鎖状態に保つことができる。
【0022】
なお、図1では、廃棄物5による既埋立箇所を側壁4の天端までとしているが、ある深さまでとして均一に埋め戻しつつ移動し、側壁4の他端まで行ったら折返し移動しつつ次の深さまで埋立作業を行うことを繰返すことも可能である。
【0023】
また、本実施形態では、集排水管、集配水ピット、粉塵防止用の散水装置、その他周縁設備などを省略しているが、これらの設備も処分場1の内外に配置されていることは勿論である。
【0024】
図3〜図5は、本発明の第二実施形態を示すものである。なお、前記第一実施形態と同一箇所には同一符号を付してその説明を省略し、異なる箇所にのみ異なる符号を用いて説明する。
【0025】
図において、屋根構造物6の両側部および処分場1の長手方向両側部には、繰出し、巻取り用のリール20,21が配置され、このリール20,21間には遮水性のあるシート材料からなるカバーシート22が繰出し及び巻取り可能に配置され、処分場1の上面開口を覆っている。なお、未埋立箇所においては、処分場1の内部に仮設サポート23を配置し、カバーシート22の中央部を支持することでたるみを防止するとともに、勾配を確保し、降雨などによる水はけを得られるようにしている。
【0026】
また、屋根構造物6の内部には、天井クレーン24が走行可能に配置され、これに吊下げられたクラムシェルバケット25により、投入された廃棄物5の敷き均しと転圧を行う。このバケット25の操縦も操作室12内からの遠隔操作によって行われる。
【0027】
本実施形態も前記第一実施形態と同様に屋根構造物6を移動させつつ順次埋立が行われる。また、移動に伴い、カバーシート22を各リール21,22より順次繰出し及び巻取りがなされ、移設を伴うことなく、上面開口を常時閉鎖状態に保つことができる。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による被覆型廃棄物処分場にあっては、クローズドシステムを安価に実現でき、かつ移設に伴う覆蓋の盛替えを迅速に行える利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態による廃棄物処分場の側断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第二実施形態による廃棄物処分場の側断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】同平面図である。
【符号の説明】
1 被覆型廃棄物処分場
3 底版
4 側壁
5 廃棄物
6 屋根構造物
7 車輪
8 ガイドレール
9 廃棄物投入口
11,24 敷き均しおよび転圧用重機
(11 バックホウ、24 天井走行クレーン)
14 覆蓋
15 パネルユニット
20,21 繰出し、巻取り用リール
22 カバーシート

Claims (4)

  1. 底部とこれに連なる側壁とに遮水工が施され、上面が開口した廃棄物処分場において、
    上面開口部における前記側壁の幅方向両側に跨って架設され該幅方向と直交する方向に沿って移動可能にして底部が開口した屋根構造物と、
    該屋根構造物の両側部に移動可能に配置され前記廃棄物処分場の上面開口部を開閉式に覆う覆蓋とを備え、
    前記屋根構造物の少なくとも一面に開閉可能な廃棄物投入口を設けたことを特徴とする被覆型廃棄物処分場。
  2. 前記屋根構造物の内部に、処分場内に投入された廃棄物の敷き均しおよび転圧を行う重機を移動可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の被覆型廃棄物処分場。
  3. 前記覆蓋は処分場の幅方向両側に跨って移動可能に設置される複数のパネルユニットであることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆型廃棄物処分場。
  4. 前記覆蓋はカバーシートであって、該カバーシートは、前記屋根構造物の両側部と処分場の長手方向両側部に配置されたリール間に繰出し、巻取り可能に配置されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆型廃棄物処分場。
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