JP3681213B2 - 性能が制限されたデジタルディスプレイ上への強調表示を行なうためのデジタル画像の補償的前処理方法 - Google Patents
性能が制限されたデジタルディスプレイ上への強調表示を行なうためのデジタル画像の補償的前処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強調的画像処理に係り、特に、性能が制限されたディスプレイ装置上に表示されるデジタル画像(放射線撮影画像)の強調処理を行なうための補償的画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
診断目的の医学的画像を表示する際には、通常、点灯されたライトボックス上のフィルムが用いられていた。フィルムの画質は優れているが、フィルム自体がかさばること、保管するのが困難であること、移動が面倒であること、記憶装置に記録するのが困難であること、複製が容易でないこと、および全体的な操作に対して費用が多くかかることから、望ましくない点をも有している。これにより、フィルムに代えて、デジタル画像およびデジタルディスプレイを使用する傾向が強まっている。フィルムに対する主要な改善点として、デジタル画像が、電子的に転送および記憶可能であることが上げられる。しかし、現在のデジタルディスプレイは、表示できるデジタル画像の画質に対して、性能的限界がある。(例えば、CRTディスプレイのようなソフトコピーディスプレイは、現在、電子的放射線医学システムにおいて、最も一般的に使用されている表示手段であり、本願明細書においても、このソフトコピーディスプレイに関することが、説明の中心となっている。また、反射型のハードコピー上へのデジタル方式によるプリントも、CRTに対して記載される制限と同様の制限を受けるとともに、本発明による手段により、同様にその画質が改善される。)
【0003】
典型的なデジタルディスプレイに関して、ライトボックス上で透照されるフィルムと比較すると、その空間分解能は低く、最大輝度は小さく、そして、輝度のダイナミックレンジが小さくなっている。これにより、デジタルディスプレイの画質は劣り、特に病院内で高レベルの周囲光が照射される環境においては、画質の劣化が顕著となる。そして、一般的には、ソフトコピーディスプレイに関する制限を解消する唯一の方法は、ディスプレイの空間的分解能および全体的輝度を上げることであると考えられてきた。この手段はソフトコピーディスプレイをより有用なものとするが、装置のコストを増大させるものとなる。それゆえ、高レベルの周囲光が存在する場合でも、通常の安価なディスプレイを用いて有用な診断が実施できるように、医学的デジタル画像に対して補償的画像処理を実施することが望まれている。
【0004】
さらに、ICU(集中管理ユニット)内のCRTディスプレイ上に、胸部の放射線撮影画像を表示することが強く望まれている。臨床医は、画像が放射線施設内でプリントされICUに移送されるのをわざわざ待つことなく、チューブの挿入位置、気胸(pneumothorax)の欠落、および他の診断事項に関するフィードバック情報を直ちに得ることができる。また、病院内に設置されるディスプレイのコストは経済的制限を受けることから、購買可能なディスプレイに関して、空間分解能、輝度、およびダイナミックレンジ等の表示機能は制限を受けることになる。さらに、通常、ICU内は、照明が明るく灯されており、ディスプレイ上に高レベルの周囲光が入射するので、ディスプレイの忠実な画像表示性能が損なわれることになる。
【0005】
本発明により解決される課題を明示するために、フィルムおよびデジタルディスプレイの特性の詳細な説明とともに、医学的画像の特性と診断者との関係についても説明がなされる。
【0006】
放射線撮影による胸部のフィルム画像は、通常、感度測定によりlog10単位で約2.5から3.5の輝度のダイナミックレンジを有する画像を与える。これにより、”DR(画像)”、すなわちフィルム画像の輝度のダイナミックレンジは、log10単位で2.5から3.5の値をとる。観察用にライトボックス上で透照されたフィルム画像は、暗い視覚室で測定されたところによると、通常、最大輝度は2400ニト(nits)(カンデラ/m2)となり、最小輝度は0.8ニトとなる。また、空間分解能に関しては、通常、レーザプリンタは、80ミクロンの画素を有し、1つのプリントラインには、4000以上の画素が配列されている。
【0007】
CRTディスプレイは、ライトボックス上のフィルムと比較すると、使用可能な輝度のダイナミックレンジが小さくなっている。通常のCRTディスプレイに関しては、暗い部屋で測定された場合に、その最大輝度は160ニトとなり、最小輝度は0.5ニトとなる。通常、”DR(ディスプレイ)”、すなわちCRTディスプレイの輝度のダイナミックレンジは、約320、あるいはlog10単位で2.5の値をとる。さらに、CRTディスプレイは、詳細部のコントラストを低減させるように作用する、高い空間周波数における減衰作用により、空間分解能が制限される。また、CRTディスプレイでは、増幅器のスイッチングタイムおよびガラス面内のライトパイピング(light piping)に起因する制限により、最も高い空間周波数において減衰が生じるようになる(Roehrig, H; Ji, TL; Browne, M; Dall-as, WJ; Blume, Hartwig氏による"Signal-to-Noise Ratio and Maximum Inform-ation Content of Images Displayed by a CRT", Proceedings SPIE Medical Imaging IV 1990. 1232: pp.115-133を参照のこと)。現在のCRTディスプレイは、1つの画像ラインに対して、1000から2000の画素が配列され、画素サイズは約250ミクロンとなっている。
【0008】
さらに、CRTディスプレイでは、振幅信号あるいは駆動レベルに対して、輝度が非線形的な応答を示す(E. Muka, H. Blume, S. Daly氏による"Display ofMedical Images on CRT Soft-Copy Displays", SPIE Medical Imaging 1995, Vol.2431, Image Display, 1995を参照のこと)。この輝度の非線形性は、画像表示を制御するために、補正される必要がある。そして、この非線形性の応答を補償するために、入力画像データが、表示される前に参照テーブル(LUT)を通され、この結果、ディスプレイの非線形性が最小化され、ディスプレイ上に画像が輝度の関数として正確に表示される。この場合、それぞれのディスプレイが固有の特性を有しているので、それぞれ所定の輝度応答が得られるように、固有のLUTが与えられている。この工程を経ることにより、透照されたフィルム画像に対して同じレベルの画像をCRTディスプレイ上に表示することが可能となる。
【0009】
しかし、上記の輝度のダイナミックレンジの数値は、例えば、放射線撮影画像の読取り用の暗室のような周囲光がよく制御された観察用エリアに対して適用されるものである。これに対して通常の病院内の作業環境では、CRTディスプレイ上から照射される”グレア輝度(glare luminance)”を生成する高レベルの周囲光が存在している。例えば、ICU内においては、周囲光により生成される”グレア輝度”により、通常、最小輝度が約3.2ニトまで増加される。これにより、CRTディスプレイの輝度のダイナミックレンジが、約50あるいはlog10単位で1.7まで減少される。また、周囲光は、場所によって相当に変化する。
【0010】
上記の要因から、経験のある放射線技師の見解によれば、CRTディスプレイ上に表示される画像は、フィルムと比較すると感覚的にその表示能力が劣り、デジタル画像はフィルム画像と異なるように見えるとのことである。このような画像表示に関する劣化要因は、人間の視覚システム(HVS(human visual system))に関する知見に基づいて判断される。HVSの動作特性は、絶対輝度、空間周波数、画像の詳細部構造、ノイズ等のパラメータに基づいたコントラスト感度関数により特徴づけられる(A. B. Watson氏編集、S. Daly氏著の"The Visible differences Predictor; Algolism for the Assessment of Image Fidelity",Digital Image and Human Vision, pp 179-206, Massachusetts: MIT Press, 1993を参照のこと)。CRTディスプレイ上で使用可能な最大輝度は、ライトボックスで使用可能な最大輝度と比較すると小さいので、観察者が、画像の詳細およびコントラストを検知することが困難となる。同様に、デジタル画像において、フィルムと比較した場合に、輝度のダイナミックレンジが減少することおよび空間分解能が低減されることで、観察者の有用な情報を抽出する能力が低減されることになる。
【0011】
表示装置に課せられた機能は、診断用のすべての画像情報を提供すること、すなわち観察者用に表示された、現在使用されているフィルムから読取れるすべての情報を提供することである。しかし、診断用に与えられるこのような情報が、デジタルディスプレイ装置の処理性能を越えるという問題が生じている(例えば、フィルムの輝度のダイナミックレンジがlog10単位で3.2であるのに対して、CRTディスプレイの輝度のダイナミックレンジはlog10単位で1.7しかない)。この際、画像処理技術を用いて、デジタル画像の振幅を減衰させ、CRTディスプレイで利用可能である輝度の小さなダイナミックレンジに画像情報を適合される手法が用いられている。しかし、単純な減衰処理を用いると、画像コントラスト、およびエッジやテクスチャのような詳細画像部の視認性に対して損失が生じることとなる。詳細な画像特徴部は、原画像においても既に読取り困難であり、これに輝度に関する要因で詳細な画像特徴部にさらなる損失が加わると、CRTディスプレイ上の画像が診断に適さなくなる場合がある。高レベルの周囲光が存在する環境下のCRTディスプレイ上に、医学的画像を診断に適応できるレベルで表示するとともに、フィルムと同じレベルの詳細画像部識別性能をCRTディスプレイで実現するためには、より強力な画像処理方法を開発する必要があることが明らかであろう。
【0012】
1994年6月7日にNakazawa氏等に付与されたアメリカ合衆国特許5,319,719号には、オリジナル画像の低い周波数成分の振幅をアンシャープマスキング(unsharp masking)を通して減少させることで、表示される画像の輝度のダイナミックレンジを圧縮させる、放射線撮影画像に対する画像処理装置が開示されている。しかし、この特許には、デジタル放射線撮影画像の高い周波数成分の増幅(boosti-ng)、あるいは、周囲光またはHVSに関連する画像補償処理に関しての記載がなされていない。
【0013】
1990年2月20日にHishinuma氏に付与されたアメリカ合衆国特許4,903,205号には、オリジナルのデジタル放射線撮影画像をディスプレイ表示用に処理する、放射線撮影画像表示システムが開示されている。この装置では、超低周波数フィルタに対応するアンシャープマスク(unsharp mask)信号が得られ、オリジナル信号とアンシャープマスク信号との差異信号に強調係数を乗じて得られた信号を、オリジナル信号に加えることで、処理信号が生成される。しかし、この特許には、ディスプレイ装置における高い周波数の画像データの減衰を補償するための高い周波数領域の強調処理に関しては、開示されていない。
【0014】
1988年5月24日にHishinuma氏等に付与されたアメリカ合衆国特許4,747,052号には、処理画像信号Sが以下のオペレーションを用いて得られる、放射線撮影画像に対する画像処理技術が開示されている。
S = SORG + b(SORG-SUS)
ここで、Sは処理画像信号を示し、SORGはオリジナルのデジタル信号を示し、bは周波数強調係数を示し、SUSはアンシャープマスク信号を示す。この際、所定のサイズのアンシャープマスク信号内のデジタル信号のメジアン(中央値)がとられる(1982年2月9日に発明者であるKato氏等に付与されたアメリカ合衆国特許4,315,318号、1982年2月23日に発明者であるKato氏等に付与されたアメリカ合衆国特許4,317,179号、および1982年8月24日に発明者であるIshida氏等に付与されたアメリカ合衆国特許4,346,409号を参照のこと)。
【0015】
上記のほとんどの従来技術は、結果を表示するためのフィルム出力に関するものである。J. H. Kim氏等による論文"Improved Visualization of Simulated Nodules by Adaptive Enhancement of Digital Chest Radiography; Acad Radio, Vol.1, No.2, October 1994, pp.93−99"には、CRTディスプレイ上に放射線撮影による胸部画像を表示するための適応的強調アルゴリズムが開示されている。この手法によれば、輝度のダイナミックレンジが圧縮されるとともに、解剖学的に重要である特定の部位の画像コントラストが選択的に強調される。しかし、この論文には、CRTディスプレイの輝度の較正、あるいは、ディスプレイ装置が設置される視覚的環境に対するHVSの関連あるいは動作に関して何ら述べられていない。
【0016】
上記のように、医学的画像用のソフトコピーディスプレイに対する画像処理に関しては、種々の問題点がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明により、従来のソフトコピーディスプレイに関する問題が解決される。すなわち、本発明は、最大輝度が小さいこと、輝度のダイナミックレンジが小さいこと、高い周波数領域における応答性が低いこと等のデジタルディスプレイの特性、および、高レベルの周囲光が存在する環境がディスプレイに与える悪影響によって、デジタルディスプレイに生じる画質の損失を前もって補償するための、医学的画像に対する画像処理方法を提供する。この場合、人間の視覚システムに関する知見に基づいて、観察者により画像処理に対する適正なパラメータ値が選択されるとの認識が前提となっている。
【0018】
一般的に、本発明は、(例えば、集中管理ユニット(ICU)内のような)高レベルの周囲光が存在する環境下において、(例えば、臨床医のような)観察者による画像理解が容易となるように、(例えば、CRTディスプレイのような)市販されているディスプレイ装置上で、(例えば、放射線撮影画像のような)デジタル画像を表示するための補償的な画像処理方法を提供する。本発明による方法は、単純であるとともに、コンピュータを用いた数値演算により実現可能であり、さらに、視覚的な損失がないという利点を有している。視覚的損失がないとは、すなわち、詳細部位の視覚的認識に関して、透照された放射線撮影フィルムと同等の画像が、CRTディスプレイ上に表示されることを意味する。高レベルの周囲光が存在する環境下のICUで実施された本発明による画像処理方法に関する実験的観測によれば、気胸、挿入されたライン、および他の詳細部位の視覚化に関して、上記の補償的画像処理方法を用いたソフトコピーディスプレイ(CRTディスプレイ)上に、画質的にフィルムと同等の画像が表示される。例えば、露光過多のフィルムと比較された場合には、本発明の画像処理方法を用いたソフトコピーディスプレイの表示能力は、フィルムより優れていることもある。
【0019】
本発明の1つの特徴によれば、医学用画像処理コンピュータシステム内で、CRTディスプレイ上の画像表示を強調するために実行される方法は、
オリジナルの医学用画像が有する輝度のダイナミックレンジおよび空間周波数成分を有するデジタル画像データを与える工程と、
デジタル画像の低い周波数成分の信号を識別する工程と、デジタル画像の高い周波数成分の信号を識別する工程と、
デジタル画像において、低い周波数成分の信号から、減衰された低い周波数成分の信号を生成する工程と、
デジタル画像において、高い周波数成分の信号から、増幅された高い周波数成分の信号を生成する工程と、
減衰された低い周波数成分の信号と増幅された高い周波数成分の信号とを合成する工程とを有している。
また、前記信号を合成する工程において合成された信号が前記CRTディスプレイのダイナミックレンジに適合するように、前記低い周波数成分の信号を生成する工程において該低い周波数成分が減衰されると共に前記高い周波数成分の信号を生成する工程において該高い周波数成分が増幅される。
これにより、ディスプレイ装置上に表示される画像に関して、輝度のダイナミックレンジおよび空間周波数特性を向上させるための前もって補償処理が実行された画像信号が生成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1ないし図6は、本発明を説明するために用いられる図である。
図7は、本発明による画像処理方法の1つの実施の形態を示す図である。
図8および図9は、定型化された放射線撮影画像を示す図である。
図10は、標準的なアルゴリズムによる伝達関数と修正アンシャープマスクアルゴリズムによる伝達関数との差異を示す図である。
図11および図12は、本発明を説明するために用いられる図である。
図13は、本発明による方法を組み込んだ装置を示すブロック図である。
【0021】
本発明による画像処理方法に関する以下の記載では、デジタル放射線撮影画像に対する画像処理が説明されているが、本発明が、他の種類の医学的画像、およびディスプレイ上に表示可能である任意のデジタル画像に対して適応可能であることが解されるであろう。
【0022】
図13には、本発明が組込まれた装置が開示されている。しかし、当業者には、本発明の範囲内において、図13に示された装置以外の装置に対しても本発明が組込み可能であることが解されるであろう。図に示されるように、画像ソース(画像源)20によりデジタル画像が生成され、この画像データが画像データファイル22に記憶される。画像ソース20としては、例えば、(X線源、診断用画像源(CT,MRI,US,PET)のような)医学的画像あるいは放射線撮影画像源、蛍光物質リーダ、X線フィルムデジタイザ、(磁気ディスクあるいは光ディスク等の)画像記録ソース等が上げられる。(陰極線管(CRT),液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,反射型ハードコピーを出力するプリンタ等の)コンピュータディスプレイ24に表示される前に処理される画像データを表現する画像データファイルは、コンピュータデータメモリ26内に記憶される。また、本発明による画像処理方法(アルゴリズム)は、(ROM,ハードディスク等の)メモリ28内に記憶可能であり、この画像処理プログラムのコピーがコンピュータ命令メモリ30内に記憶される。そして、(ユーザ入力装置、他のコンピュータ等の)画像処理パラメータ入力装置33を用いて、画像処理パラメータがメモリ30内に入力される。
【0023】
次に、(例えば、マイクロプロセッサのような)コンピュータの中央処理装置(CPU)32により、メモリ30に記憶された画像処理アルゴリズムに基づいて、メモリ26に記憶された画像データが処理される。そして、処理された画像データは、コンピュータディスプレイメモリ34内に記憶され、その後、観察者36が見れるようにディスプレイ24上に表示される。
【0024】
本発明に関する以下の説明においては、胸部の放射線撮影画像に対する画像処理が対象となる。すなわち、フィルム画像と比較した場合の画像の全体的な変化を最小限に抑えるとともに疑似画像を最小化して、手ごろな価格の市販のディスプレイ(1K(1024)×1K(1024)の画素マトリクス、160ニトの最大輝度値)上に医学上有用な画像が表示されるように、胸部の放射線撮影画像の画像処理を実行することを意図する。
【0025】
初期研究で使用される画像は、中間速度により、広いラティテュード(適正露光範囲)のスクリーンフィルムに撮影された複数の気胸のフィルムから構成されている(研究が進むにつれて、他の部位が撮影された画像も含まれることになる)。複数の画像は、35cm×47cmのフィルム上に撮影されたPA(後側−前側)放射線撮影画像および側面放射線撮影画像から構成されている。そして、20枚のPAフィルムのなかから放射線撮影画像として特徴的な画像が選択された。これらの画像のなかには、セントラルカテーテル、ペースメーカ、および胸に挿入されるチューブと同様に、微妙な気胸、張りのある明らかな気胸、間隙性の肺の病気等が撮影された画像が含まれていた。
【0026】
[画像処理方法]
放射線撮影画像のダイナミックレンジの大部分の領域は、低い周波数成分で占められている。しかし、HVSは、これらの低い周波数成分に対して、比較的感度が小さくなっている。画像における低い周波数成分は、画像種類、画像内における大まかな位置、および(例えば、PA撮影による胸部 VS. 側面撮影による胸部 VS. 腕部、(縦)隔膜 VS. 肺領域、ソフト組織 VS. 骨、横隔膜下の肺 VS. 横隔膜上の肺のような)組織種類に関する情報を伝達する。これにより、有用な画像情報に損失を与えることなしに、低い周波数成分のダイナミックレンジを減少させることが可能である。
【0027】
また、高い周波数の画像データにより、診断において最も重要である詳細部のエッジ情報およびテクスチャ情報が伝達される。HVSは、これらの高い周波数成分に対して大きな感度を有している。低い周波数成分を減衰させる一方で、高い周波数の画像データを現状維持あるいは強調することで、より有用な画像をデジタルディスプレイ上に表示することが可能となる。この効果は、図1ないし図6に示される画像特性を解析することで明らかにされる。
【0028】
図1には、放射線撮影による未処理の胸部画像の中央部の640,000画素(800画素×800画素の領域)に対するヒストグラムが示されている。この画像は、オリジナル画像のすべての周波数成分を有している。曲線の幅は、最も明るい(最も濃度の低い)画素と、最も暗い(最も濃度の高い)画素との間の差異を表している。そして、この曲線の幅は、輝度のダイナミックレンジの大きさに比例している。
(濃度)=log10(輝度)
【0029】
図2には、一辺が59ピクセルの正方形の大きさを有するアンシャープマスクを用いて、画像の画素値(濃度値)が処理あるいはぼかされた後の、図1に示された放射線撮影による胸部画像の中央部の640,000画素に対するヒストグラムが示されている。アンシャープマスク画像は、低い周波数成分(0.13本/mm以下)のみを含んでいる。ここで、図2に示される低い周波数成分のみから構成された画素データの輝度のダイナミックレンジを表す曲線の幅が、輝度のダイナミックレンジを表す図1の曲線の幅とほぼ同じであることに留意する必要がある。これは、画像の低い周波数成分が、全画像のダイナミックレンジの大部分を占めることを示している。
【0030】
図3には、図1に示された放射線撮影画像データから、図2に示された放射線撮影画像データを引いた際の中央部の640,000画素のヒストグラムが示されている。この画像は、高い周波数成分(0.13本/mm以上)のみを有して構成されている。ここで、曲線の幅が、図1あるいは図2の曲線の幅よりも、かなり小さくなっていることに留意する必要がある。これは、画像の高い周波数成分は、非常に小さなダイナミックレンジを占めるにすぎないことを示している。すなわち、高い周波数成分を表示するには、オリジナルのダイナミックレンジの比較的小さな領域が要求されるにすぎない。
【0031】
図4は、同じ画像に対する高速フーリエ変換(FFT(Fast Fourier Transfo-rm))を表している。図1に示される放射線撮影による胸部画像の中央部の512画素×512画素の領域が、垂直方向に平均化され、512画素の平均スキャンラインが生成される。そして、この平均スキャンラインにフーリエ変換が適用され、その振幅の大きさが表示されている。ここで、低い周波数成分の振幅が高い周波数成分の振幅よりも明らかに大きなことに留意する必要がある。
【0032】
図5は、図2に示された放射線撮影による胸部画像の512画素×512画素の中央領域に対するFFTが示されている。ここで、低域フィルタ画像において、高い周波数成分が低減されていることに留意する必要がある。
【0033】
図6は、図3に示された放射線撮影による胸部画像の512画素×512画素の中央領域に対するFFTが示されている。ここで、高域フィルタ画像において、低い周波数成分が低減されていることに留意する必要がある。
【0034】
この種の画像処理の1つの問題点は、高い周波数成分を増幅することで、グラニュラ雑音も強められることである。通常、このグラニュラ雑音は、診断に用いられる詳細情報の周波数よりも高い周波数で現れる。本発明では、ディスプレイにおいて、複雑な処理を用いることなく、高い周波数成分の減衰作用により、このグラニュラ雑音が減衰される効果を利用している。しかし、高い周波数成分における減衰作用を有しないディスプレイ装置が用いられる場合には、フィルタリングおよび最終的な低域フィルタに対して、異なるパラメータを設定する必要がある。
【0035】
[好適な画像処理方法]
一般的に、図7に示される本発明の画像処理方法の好適な実施の形態によれば、画像データが、低い空間周波数成分と高い空間周波数成分とに分離される。低い周波数成分は減衰され、高い周波数成分は増幅される。低い周波数成分を減衰させることで、画像の詳細部分を実質的に損失させることなしに、全画像のダイナミックレンジを低減させることができる。観察者は、低い周波数成分のコントラストの変化を認識するが、それでも画像種類および画像内の特定領域位置を識別することが可能となっている。また、前もって高い周波数成分を増幅することで、CRTディスプレイの特性および周囲光により引き起こされる高い周波数成分の減衰作用を補償するための画像の前処理的強調が実行される。さらに、高い周波数成分が増幅されることで、画像内に存在するエッジの強調が支援される。このような作用が図8および図9に例示されている。
【0036】
図8には、放射線撮影画像の1つの領域を表す定型化されたグラフが示されている。この波形は、大きな振幅および低い周波数を有する方形波に、小さな振幅および高い周波数を有する正弦波が重畳されて形成されている。
【0037】
図9には、図8の画像データに対して、本発明による画像処理を実行した後のフィルタリングされた画像データが示されている。ここで、高い周波数の正弦波の振幅が増加され、低い周波数の方形波の振幅が低減されていることに留意する必要がある。この際、全体的な振幅が低減されるとともに、ダイナミックレンジが小さくなり、これにより、制限されたダイナミックレンジを有するディスプレイ装置に対して、画像データが適合されるようになる。また、同時に、ディスプレイ装置におけるコントラストの減衰を補償するための、高い周波数成分の強調が実施される。
【0038】
画像を周波数成分に分離するための数値演算により有効となる1つの方法として、アンシャープマスク(unsharp mask)(USM)フィルタアルゴリズムが上げられる("Pratt, William K. Digital Image Processing 2nd Ed. John Wiley & Sons,Inc. New York. 1991. pp.303-305"を参照のこと)。このUSM手法では、画素の正方形のマスク(カーネル)の均一に重み付けされた空間的平均を用いることで、オリジナルの画像に対してぼかされた画像、あるいは低域(通過)画像が生成される。そして、オリジナルの画像データからぼかされた(低域)画像データが引かれ、これにより、画像の高い周波数成分あるいは高域通過成分のみが残される。2つの周波数成分は、適切にサイズが変更された後に加算されて、ダイナミックレンジが減少され、鮮鋭さが強調された画像が生成される。数値演算は、以下のように簡略化することが可能である。
【0039】
この場合、画像を最適化するためのパラメータとしては、低域係数、高域係数、および周波数成分に分解するためのマスクサイズが上げられる。
【0040】
本発明による強調手法では、通常のアンシャープマスクと異なり、画像の低域成分および高域成分に対して、それぞれ独立にサイズ変更が実施される。通常のアンシャープマスク手法では、画像の高域成分のみが増幅され、画像の低域成分は修正されないでそのまま保持される。これにより、通常のアンシャープマスク手法では、ダイナミックレンジを減少させることなく、エッジの強調が実行される。
【0041】
図10には、高い周波数成分に対する高域係数2.0を有し、1辺が13画素の正方形として与えられる通常のアンシャープマスクフィルタと、低域係数0.7および高域係数1.2を有し、1辺が59画素の正方形として与えられる修正アンシャープマスクフィルタとに対する伝達関数(0.345mm画素)が示されている。ここで、通常のアンシャープマスク手法と比較すると、修正アンシャープマスク手法により、低域成分が減衰され、より低い周波数から強調が開始され、高い周波数におけるゲインが低減されていることに留意する必要がある。
【0042】
図11には、修正アンシャープマスクアルゴリズムが適用された結果が示されている。この図には、図1に示された放射線撮影画像を図10に示された修正アルゴリズムで処理した後の画像の中央部の640,000画素のヒストグラムが示されている。ここで、画像のダイナミックレンジが減少されていることに留意する必要がある。
【0043】
図12には、図1に示された放射線撮影画像に修正アンシャープマスクアルゴリズムを適用した結果が示されており、中央部の512画素×512画素の領域の画像データがFFTを用いて表現されている。図において、実線で示されるオリジナル画像と、連続した点からなる点線により示される修正アンシャープマスクアルゴリズムにより処理された画像との対比が示されている。また、破線により、オリジナル画像を低域係数(0.7)でサイズ変更した際の画像が示されている。
【0044】
[パラメータ選択]
−低域係数−
本発明による画像処理方法は、画像の輝度のダイナミックレンジ、すなわちDR(画像)に基づいて実施される。この画像処理方法は、画像が表示されるCRTディスプレイが、DR(画像)より小さな輝度のダイナミックレンジを有しているという事実に基づいて作成されている。これにより、ディスプレイ上の処理された画像のダイナミックレンジ、すなわちDR(ディスプレイ)は、オリジナル画像のダイナミックレンジ、すなわちDR(画像)よりも小さくなる。そして、画像処理において、当初、{DR(ディスプレイ)/DR(画像)}が低域係数として設定される。
【0045】
好適な実施の形態においては、低域係数値は、それぞれの適用対象においてダイナミックレンジに要求されるサイズに応じて設定される。既に述べたように、通常のICU内においては、CRTディスプレイの利用可能な輝度のダイナミックレンジは、log10単位で1.7である。また、ICU内においては、通常、高レベルの周囲光が入射するから、透照されたオリジナル画像の目視可能な輝度のダイナミックレンジは、通常log10単位の感度測定値で、3.5から約2.5に減少する( R.Bollen氏およびJ.Vranckx氏による論文"Influence of ambient light on the visual sensitometric properties of, and detail perception on, a radiogr-aph", Proc. SPIE Vol.273 Application of Optical Instrumentation in Medi-cine IX, pp.57-61, 1981を参照のこと)。これら2つのダイナミックレンジの比(1.7/2.5)は、0.7となる。この比は、低域係数値に対して上限値を与えるものである。したがって、初期の実験においては、低域係数値が0.7に設定された。
【0046】
−高域係数−
しかし、既に述べたように、低域係数を用いて画像コントラストを減衰させるのは、望ましいことではない。それゆえ、低域係数により生じた減衰が、画像の高い空間周波数成分において回復される。図3に示されるように、高い周波数成分に対しては、画像の輝度のダイナミックレンジのわずかの領域が用いられているにすぎない。それゆえ、画像処理においては、当初、
(高域係数)=1/(低域係数)
として、高域係数値が設定される。
【0047】
さらに、CRTディスプレイでは、空間周波数が増加すると、コントラスト伝達における損失によって、画像コントラストに損失が生じることがある。この特性により、ディスプレイ上に表示される画像のさらなる補償(強調)が要求される。そして、この見地より、高域係数が増加される。
【0048】
最終的な高域係数値は、観察者により望まれるエッジおよび鮮鋭さの強調の度合により決定される。この場合、ユーザが、現在の仕事に対して必要とされる鮮鋭さの度合を選択することもある。詳細な画像を必要とする仕事に対しては、より詳細な画像、すなわち、より大きな高域係数で処理された画像がディスプレイ上に表示されることが望まれる。
【0049】
−マスクサイズ−
強調される空間周波数は、以下に示されるようなHVSモデルおよび通常のソフトコピーディスプレイ特性に基づいて決定される。HVSは、4(本/度)の空間周波数において、コントラスト感度関数(CSF(contrast sensitivity fun-ction))の最大値を与える。なお、この空間周波数も、輝度の絶対値の関数となっている。そして、医学的画像の表示に対する通常の観察状況においては、観察者は、ディスプレイ装置から約50cm離間して位置している。これは、ディスプレイ上では、0.5(本/mm)の空間周波数においてCSFの最大値が与えられることを示している。少なくとも、画像は、この空間周波数において強調されるので、HVSが効率的に機能することが可能となる。画像は、この空間周波数の近傍の有用な範囲において、強調されるのが望ましい。
【0050】
医学的画像における有用な画像特徴部は、その長さが2cmあるいはそれ以下であることが多く、これは画像特徴部の空間周波数が約0.05(本/mm)以上であることを示している。これにより、画像強調は、0.05(本/mm)の空間周波数で開始され、 0.5(本/mm)の空間周波数を越えて実施されるのが好適である。USMは、このような高域フィルタとして機能する。2cmのUSMマスクを選択することで、(低域係数を用いた処理工程における)輝度のダイナミックレンジの圧縮により画像に生じた減衰を回復させることが可能となり、これにより、HVSが、CRT上の画像を効率的に見ることが可能となる。図10を構成するのに用いられた計算手法に基づけば、USMにより、{1.4/(マスクサイズ)}の値を越えるすべての空間周波数に対して、実質的な強調工程が実施される。これにより、2cmのマスクサイズが与えられた場合には、上記の条件を満たす0.07(本/mm)以上の空間周波数に対して、実質的な強調工程が実施される。
【0051】
通常のCRTディスプレイは、約25cmの画像高さを有し、この方向の1ラインに約1000個の画素が配列されるから、画素密度は4(画素/mm)となる。通常のX線による胸部撮影画像は、CRTディスプレイの可視領域より大きく、この画像が高さ43cmの大きさを有していることから、画像は縮小され、CRTディスプレイに表示される際には小さく見えることになる。それゆえ、X線撮影画像で2cmの画像特徴部は、CRTディスプレイ上では、1.2cmに縮小される。これにより、本発明による修正USM手法のためのマスクを構成するためには、約49個(マスクサイズは常に奇数である)のCRT上の画素を必要とする。これに前節に記載された条件を適用すると、修正USM手法は、0.11(本/mm)の空間周波数において、最大のゲインを有する。ディスプレイのサイズが、実際の画像より幾分小さいので、医学的画像用のCRTディスプレイには、一般的に、拡大可能である画像特徴部が含まれている。そして、拡大機能を設けることで、オペレータがCRTディスプレイ上の画像特徴部のサイズを増加させることが可能となり、これにより、フィルム上で表示されるのと同じ大きさで、画像特徴部がCRTディスプレイ上に表示される。この選択的な拡大工程により、修正USM手法により強調が生じる空間周波数値が減少される。
【0052】
通常、USMのような強調画像処理は、高い空間周波数において認識可能なノイズを増加させる。空間周波数のオクターブに基づいたマルチ分解能表示手法( multiresolution representation)のような複雑な画像処理を用いて、高い周波数における強調を制限するとともに、認識可能な高い周波数成分におけるノイズを低減することが行われている(S. Ranganath氏による論文"Image Filtering Using Multiresolution Representation", IEEE Transactions of Pattern An-alysis and Machine Intelligence, Vol.13, No.5, pp. 426-440, May, 1991を参照のこと)。CRTディスプレイでは、空間周波数が増加するのに応じて、画像コントラストに損失が生じるので、CRTディスプレイが、表示される画像の低域フィルタとして効率的に機能する。この効果の結果として、本発明により、非常に単純な方法で、修正USM手法を有効に用いることが可能となる。
【0053】
しかし、USM手法は一般的な方法であるので、マルチ分解能表示アプローチを用いて、修正USMアルゴリズムの強調効果を実行することが可能である。また、LUT(参照テーブル)を用いた高域成分の変更および低域成分の変更に関して、修正USM手法と同一の機能を実現するために、従来型のUSMフィルタを用いることが可能である。
【0054】
−ディスプレイ表示に対応した較正−
本発明によれば、輝度が較正されたソフトコピーディスプレイが与えられ、これにより、画像データが、輝度に関して正確に表示される。多くの画像処理手法は、このような較正工程を有するものではない。HVSが非線形的な特性を有しているので、認識可能な詳細画像部を生成するうえで、較正処理は重要な意味を有する。さらに、フィルムおよびライトボックスを用いた従来の手法により表示された画像を認識するように訓練された放射線技師が慣れた画像(例えば、透照されたフィルム画像)に近い画像が望まれるので、この見地においても、較正処理は重要な意味を有する。強調処理が完了された画像空間を表すフィルム濃度値を入力値として受け入れるために、LUTを用いてCRTディスプレイに対する画像データが較正される。
【0055】
−サンプル画像に対するテスト結果−
初期研究では、通常のICUの照明条件の下で、通常のCRTディスプレイ上において、様々なレベルの高域係数およびマスクサイズに対して、テストが実行された。このテストにおいては、画像処理に関する既に記載されたすべての要因に対して、試験サンプルが与えられている。
【0056】
研究において使用された胸部画像は、すべてlog10単位で2.5のDR(画像)を有していた。また、周囲光が存在する環境下で動作するディスプレイ装置の輝度のダイナミックレンジ、DR(ディスプレイ)は、log10単位で1.7に制限されていた。これにより、低域係数は、0.7に設定された。そして、高域係数は、当初、1/0.7で1.4に設定された。この実験条件に対して、肺実質(lung parenchyma)の表示の変化および高い周波数におけるノイズの生成を最小限にすることと、気胸のラインを強調することとのバランスをとるために、高域係数値として1.2が選択された。
【0057】
サンプル画像に対して、高域係数およびマスクサイズの最適値は、画像のオリジナルサイズ、およびフィルムからデジタル画像データを生成するフィルムデジタイザの分解能にも影響を受ける。標準サイズの胸部撮影フィルム(35cm×43cm)は、4k(4096)×5k(5120)の画素(117画素/cm)にデジタル化される。そして、4k×4kの正方形領域が抽出され、1k×1kの領域(29画素/cm、0.345mm/画素)に対する画素の平均化により、ダウンサイジングが実施される。
【0058】
また、3から99までの範囲のマスクサイズに対して、テストが実施された。マスクより小さな画像対象部は、全体が強調され、マスクより大きな画像対象部は、エッジが強調されるとともに減衰された。小さなマスクが使用された場合には、大きな周波数レンジにわたって画像が減衰され、これにより、輝度のダイナミックレンジがより圧縮される。しかし、2重ラインの疑似画像を防止するために、マスクは、例えば血管のような画像内に表示される最も標準的な構造体のサイズよりも大きい必要がある。
【0059】
最適な画像を生成するマスクサイズは、幅が約59画素あるいは2.0cmのものであった。このマスクサイズは、Prokop氏等の研究に関連を有するものとなっている(Prokop氏、Mathias氏、Shaefer氏、Cornelia M氏、Oestmann氏、Jorg W氏、 Galanski氏、Michael氏による"Improved Parameters for Unsharp Mask Filt-ering of Digital Chest Radiographs", Radiology 1993. 97:521-526を参照のこと)。これには、2.5cmのマスクサイズが、1.4mm、5mm、および7cmのマスクサイズよりも優れているのが判明したと開示されている。
【0060】
小さなマスクでは、大きなマスクと比較して、自然な画像を得ることができなかった。小さなマスクにより、”2重ライン”の疑似画像を有するエッジ強調画像が生成された。この画像は、観察者に対して深さを感じさせない平坦な画像として見られた。これは、かなり高い周波数に到達するまで、強調が行われないことに起因する。小さなマスクを使用するすべての画像において肺部が際だって表示されるので、通常の肺と間隙性の肺の病気とを識別することが困難となっていた。
【0061】
大きなマスクで生成された画像は、階調スケールが良好に維持されている。エッジは少し強調され、2重ラインの疑似画像は最小化された。1つの画像では、横隔膜下の小結節が存在していた。大きなマスクを用いて処理された画像において、小結節は良好に維持されていた。
【0062】
図10に示されるように、修正USMフィルタ(59画素)では、約0.01(本/ mm)まで低域係数(0.7)を用いて減衰が実施され、その後コントラストを回復(5%のUSMゲイン)させるための高域増幅が実施される。実質的な回復および強調(最大ゲイン)は、0.07(本/mm)の空間周波数で開始される。また、図10には、2.0のゲインを有する13画素の標準的なUSMフィルタが示されている。通常、市販の放射線撮影画像の数値処理システムでは、このような小さなマスクが用いられている。
【0063】
当業者に周知の他の画像処理方法を、アンシャープマスクによる画像処理方法に代えて使用可能であることが解されるであろう。
【0064】
−画像解析−
処理画像の低い周波数成分におけるコントラストは、オリジナル画像よりも弱くなっている。階調スケールは変更されるが、画像は容易に認識可能であり、CRTディスプレイ上の表示は観察者にとって抵抗のあるものとはならない。すなわち、CRTディスプレイ上の画像が、フィルム画像と類似するものとなる。肺領域のようなオリジナル画像で非常に暗い部分は、明るく再生されるとともに高い周波数のコントラストが強調され、これにより、肺実質において詳細画像部がより明確に区別可能となる。また、(縦)隔膜のようなオリジナル画像で非常に明るい部分では、高い周波数のコントラストが強調され、脊椎骨を容易に識別することが可能となる。また、気胸ラインのような肺領域内の細かなラインを強調する弱いエッジ強調が実行されている。肺部は強調されるが、この場合、間隙性の肺の病気を有する画像と、通常の肺の画像とを区別することが可能となっている。
【0065】
−本発明による放射線撮影画像の観察者によるテスト−
ミズーリ州セントルイスのMIR(Mallinckrodt Institute of Radiology)から出席した3人の胸部放射線技師が、本発明により処理された画像を観察した。これらの観察者は、ソフトコピーディスプレイとともに、放射線画像数値処理システム(CR(computed radiography))からプリントされたアンシャープマスク画像を観察した経験を有していた。
【0066】
初期研究において使用されたCRTディスプレイは、イムロギックス・モデル1000(Imlogix model 1000 electronic viewbox)であった。画面サイズは、25cm×25cmであり、分解能は、1024画素×1024画素×12ビットであった。また、ディスプレイは、暗室においてlog10単位で2.5のダイナミックレンジを与えるように、160ニトの最大輝度および0.5ニトの最小輝度を有するように較正された。ディスプレイは、LUT(参照テーブル)を用いて、log10単位の輝度に対して、個別に線形化された。
【0067】
ICU室内を模擬した照明環境下において、2つのCRTディスプレイが並べて配置された。上方から光線が照射され、3.2ニトの強度のフレアライト(flare light)が生成されるので、CRTディスプレイ上で利用可能なダイナミックレンジが、log10単位で1.7まで減少される。本発明により処理された画像と、処理されない同じ画像とが、並んで配置された2つのCRTディスプレイ上に表示される。ディスプレイに対する観察者の好みを削除するために、処理された画像の表示ディスプレイが交換された。そして、画像のオリジナルフィルムが、CRTディスプレイ上のライトボックスに設置された。観察者は、CRTディスプレイから約1m、ライトボックスから約1.5m離れて位置していた。ライトボックスは、表示サイズの差異を補償するために、観察者からより離れて設置された。また、観察者は、最も見やすい位置に移動することが許されていた。
【0068】
本発明による画像処理技術により、胸部の放射線撮影画像を、高レベルの周囲光が存在する環境下で動作する1k×1kのCRTディスプレイ上に、医学的に有効にデジタル表示することが可能となる。気胸および挿入されたチューブのような詳細画像部の可視化に関して、ソフトコピーディスプレイが、フィルムに対して画質的に同等であることが判明された。また、露光過多のフィルムに対しては、ソフトコピーディスプレイは、オリジナルフィルムよりも画質的に優れていた。さらに、CRTディスプレイ上においては、すべてのサンプル画像に対して、本発明による方法で処理された画像は、処理されない画像よりも、画質的に同等かあるいは優れていた。
【0069】
1人の放射線技師の意見によれば、本発明を用いることで、1k×1kのディスプレイ上において、気胸の可視化に関して満足のいく表示が得られたとのことであった。従来では、このような満足のいく表示を得るためには、高い分解能のディスプレイが必要であると考えられていた。
【0070】
ここで用いられる一般的な方法は、画像種類あるいはディスプレイ性能に依存するものではない。必要であるのは、可視化のために画像データがCRTディスプレイあるいは類似の装置に表示されることである。画像サイズ、画像種類、ディスプレイ装置の特性、および観察領域内での周囲光の状態に応じて、パラメータ値のみが選択される必要がある。
【0071】
高レベルの周囲光が存在する環境下で動作するソフトコピーディスプレイの制限されたダイナミックレンジを、高画質の反射型プリントのダイナミックレンジに近づけることで、担当医に対して、診断リポートに付加される医学的画像のペーパコピー(paper copy)をプリント出力することが可能となる。このようなペーパコピーは、写真コピーと比較して、コストおよびスペースの面で効率的である。
【0072】
図を参照して、本発明が詳細に説明されたが、本発明の範囲内において、開示された方法と同等の機能を有する変更あるいは修正された方法の実行が可能であることが解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】未処理の放射線撮影画像における濃度値のヒストグラムを示す図である。
【図2】図1の画像をアンシャープマスクを用いて処理した後の画像における濃度値のヒストグラムを示す図である。
【図3】図1の画像から図2の画像を引いた画像における濃度値のヒストグラムを示す図である。
【図4】図1に示された画像の高速フーリエ変換を示す図である。
【図5】図2に示された画像の高速フーリエ変換を示す図である。
【図6】図3に示された画像の高速フーリエ変換を示す図である。
【図7】本発明による画像処理方法の1つの実施の形態を示す図である。
【図8】放射線撮影画像の1つの領域を表す定型化された画像データを示す図である。
【図9】図8の画像データに対して、本発明による画像処理を実行した後のフィルタリングされた画像データを示す図である。
【図10】標準的なアルゴリズムによる伝達関数と修正アンシャープマスクアルゴリズムによる伝達関数との差異を示す図である。
【図11】図1に示された画像に修正アンシャープマスクアルゴリズムを適用した後の画像における濃度値のヒストグラムを示す図である。
【図12】修正アンシャープマスクアルゴリズムの効果を示すために、画像データに高速フーリエ変換を適用した結果を示す図である。
【図13】本発明による方法を組み込んだ装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
20 画像ソース(画像データ)
24 CRTディスプレイ
28 画像処理アルゴリズム格納メモリ
Claims (2)
- 周知の特性を有するとともに制御可能に動作するディスプレイ装置上に画像を表示する方法であって、
前記ディスプレイ装置上に表示された際に、劣化される輝度のダイナミックレンジおよび空間周波数特性を有するデジタル画像信号を与える工程と、
前記デジタル画像信号において、低い周波数成分の信号を識別する工程と、
前記デジタル画像信号において、高い周波数成分の信号を識別する工程と、
前記低い周波数成分の信号から、前記デジタル画像信号に関して減衰された低い周波数成分の信号を生成する工程と、
前記高い周波数成分の信号から、前記デジタル画像信号に関して増幅された高い周波数成分の信号を生成する工程と、
前記減衰された低い周波数成分の信号と前記増幅された高い周波数成分の信号とを合成する工程とを有し、
前記信号を合成する工程において合成された信号が前記ディスプレイ装置のダイナミックレンジに適合するように、前記低い周波数成分の信号を生成する工程において該低い周波数成分が減衰されると共に前記高い周波数成分の信号を生成する工程において該高い周波数成分が増幅され、
前記ディスプレイ装置上に画像が表示された際に、輝度のダイナミックレンジおよび空間周波数特性が改善されている前処理された画像信号を生成することを特徴とするディスプレイ装置上に画像を表示する方法。 - 請求項1記載のディスプレイ装置上に画像を表示する方法において、
前記減衰された低い周波数成分の信号と前記増幅された高い周波数成分の信号とを合成する前記工程が、
輝度のダイナミックレンジのような表示される画像データに関するパラメータ、輝度のダイナミックレンジのような前記ディスプレイ装置の特性、前記ディスプレイ装置の動作する環境における輝度のダイナミックレンジ、前記ディスプレイ装置の空間周波数応答特性、および観察者の視覚システムに関する見識のなかの1つあるいは複数の要素に対して関数的な処理を行なうことで実施されることを特徴とするディスプレイ装置上に画像を表示する方法。
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