JP2004206426A - 画像処理装置、画像処理方法、画像出力方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体及び画像出力システム - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる画像観察条件又は異なる画像出力特性を有する画像出力装置に応じて、適正な階調特性に基づいて画像を出力する。
【解決手段】第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させる。次に、ダイナミックレンジ変換によって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換する。ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性や知覚指数レンジ、第2の画像出力装置に係る出力階調特性や知覚指数レンジ、又は画像観察条件情報に基づいて決定する。続いて、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換する。以上の画像変換処理を用いて、各画像出力装置に適した画像を出力する。あるいは、ある画像出力装置によって出力される出力画像と一致した画像を出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させる。次に、ダイナミックレンジ変換によって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換する。ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性や知覚指数レンジ、第2の画像出力装置に係る出力階調特性や知覚指数レンジ、又は画像観察条件情報に基づいて決定する。続いて、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換する。以上の画像変換処理を用いて、各画像出力装置に適した画像を出力する。あるいは、ある画像出力装置によって出力される出力画像と一致した画像を出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像出力方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体及び画像出力システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩感光材料からなる放射線写真フィルムを使用しないで医用放射線画像情報を得る方法が工夫されるようになった。例えば、輝尽性蛍光体を主体とするイメージングプレートを用い、放射線画像を輝尽性蛍光体に蓄積後、励起光を用いて輝尽発光光として取り出し、この光を光電変換することによって画像信号を得る放射線画像読取装置(Computed Radiography;以下、CRという。)が普及してきている。
【0003】
また、最近では放射線蛍光体や放射線光導電体とTFT(Thin Film Transistor)スイッチング素子などの2次元半導体検出器を組み合せて放射線画像情報を読み取る装置(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)も提案されている。
さらに、X線コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography;以下、X線CT装置という。)や磁気共鳴画像形成装置(Magnetic Resonance Imaging;以下、MRI装置という。)など単純X線撮影以外の放射線画像入力装置も普及している。これらの医用画像入力装置は画像情報をデジタル信号の形で提供することが多い。
【0004】
これらの医用画像を診断する際には、透過記録媒体及び/又は反射記録媒体に画像情報を記録してハードコピーの形で観察する方法が多く用いられている。医用画像情報を記録媒体に記録する医用画像記録装置としては、銀塩記録材料を用いた透過記録媒体上にレーザ光等を用いて露光し、潜像を得た後に、現像剤処理又は加熱処理を経て画像を記録する方式が良く用いられている。この方式によれば、モノクロ多階調の画像を優れた階調性で描写できるとともに、透過媒体に記録して透過光で観察することによって高い診断能が得られる。
【0005】
ところが、近年、画像出力装置における画像出力性能の飛躍的向上によって、様々な手段を用いて医用画像を出力し、診断することが可能になってきた。例えば、高輝度・高精細表示が可能となりつつある液晶ディスプレイ、インクジェット方式やサーマル方式等に代表される画像記録装置が挙げられる。
【0006】
また、医用画像出力形態の多様化に伴い、画像診断形態も多様になることが予想される。放射線写真フィルムを用いる従来の形態は存続しつつ、画像表示装置(いわゆる、ディスプレイ装置)により表示した医用画像を用いて診断を行い、必要に応じて小型プリンタ等を用いて画像をプリントする診断形態も今後は増加することが予想される。
【0007】
画像診断形態の多様化により、一定の観察条件下で同一の出力形態で出力された画像を観察するよりも、様々な画像出力装置で出力された画像を、様々な観察条件下で観察する頻度が高くなると考えられる。さらに、透過画像/反射画像の選択、モノクロ/カラーの選択、使用目的、観察条件又は観察者の嗜好等によって、観察者が要求する階調特性は大きく異なる場合がある。
【0008】
そこで、CRT(Cathode Ray Tube)等の発光表示装置に外光レベルを検出する検出手段と、その検出結果に基づいて表示階調特性を補正する手段を備え、画像観察環境に応じて出力階調補正を行う画像出力装置及び画像出力方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−190170号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画像出力形態の違いにより、階調表現能(出力レンジ)が大きく異なる場合がある。例えば、最高出力光学濃度3.0を有する透過画像に係る画像データを階調補正することにより、最高出力光学濃度2.0を有する反射画像を前記透過画像と同じように見せる場合を考える。透過画像と反射画像との階調表現能の違いから、視覚感度に対して線形になるような単なる出力階調補正では、画像全体における輝度コントラストの低下を招くことになる。場合によっては、極めて低いコントラストを有する画像であるために、透過画像においてかろうじて検出することができた腫瘍が、反射画像において検出できなくなってしまう。このコントラストの低下を改善する方法として、一部の光学濃度域において階調度を高くする方法が考えられるが、画像全体の階調バランスを損ねる場合があり、好ましくない。
【0011】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、異なる画像観察条件又は異なる画像出力特性を有する画像出力装置に応じて、適正な階調特性に基づいて画像を出力する画像処理装置、画像処理方法、画像出力方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体及び画像出力システムを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す第1の非線形画像信号変換処理手段と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施すダイナミックレンジ変換処理手段と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す第2の非線形画像信号変換処理手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
請求項1記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0024】
請求項7記載の発明は、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す第1の非線形画像信号変換処理手段と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施すダイナミックレンジ変換処理手段と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す第2の非線形画像信号変換処理手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置である。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0026】
請求項8記載の発明は、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施すことを特徴とする画像処理方法である。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0028】
請求項9記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法である。
【0029】
請求項9記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0030】
請求項10記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理方法である。
【0031】
請求項10記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0032】
請求項11記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像処理方法である。
【0033】
請求項11記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0034】
請求項12記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像処理方法である。
【0035】
請求項12記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0036】
請求項13記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の画像処理方法である。
【0037】
請求項13記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0038】
請求項14記載の発明は、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施すことを特徴とする画像処理方法である。
【0039】
請求項14記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0040】
請求項15記載の発明は、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施して、第2の非線形画像信号変換により得られた画像信号を出力することを特徴とする画像出力方法である。
【0041】
請求項15記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0042】
請求項16記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項15に記載の画像出力方法である。
【0043】
請求項16記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0044】
請求項17記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項15又は16に記載の画像出力方法である。
【0045】
請求項17記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0046】
請求項18記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の画像出力方法である。
【0047】
請求項18記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0048】
請求項19記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の画像出力方法である。
【0049】
請求項19記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0050】
請求項20記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか一項に記載の画像出力方法である。
【0051】
請求項20記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0052】
請求項21記載の発明は、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施して、第2の非線形画像信号変換により得られた画像信号を出力することを特徴とする画像出力方法である。
【0053】
請求項21記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0054】
請求項22記載の発明は、画像信号を画像処理するコンピュータに、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0055】
請求項22記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0056】
請求項23記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項22に記載のプログラムである。
【0057】
請求項23記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0058】
請求項24記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項22又は23に記載のプログラムである。
【0059】
請求項24記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0060】
請求項25記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載のプログラムである。
【0061】
請求項25記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0062】
請求項26記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載のプログラムである。
【0063】
請求項26記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0064】
請求項27記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項22〜26のいずれか一項に記載のプログラムである。
【0065】
請求項27記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0066】
請求項28記載の発明は、画像信号を画像処理するコンピュータに、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0067】
請求項28記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0068】
請求項29記載の発明は、画像信号を画像処理するコンピュータに、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0069】
請求項29記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0070】
請求項30記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項29に記載の記録媒体である。
【0071】
請求項30記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0072】
請求項31記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項29又は30に記載の記録媒体である。
【0073】
請求項31記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0074】
請求項32記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項29〜31のいずれか一項に記載の記録媒体である。
【0075】
請求項32記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0076】
請求項33記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項29〜31のいずれか一項に記載の記録媒体である。
【0077】
請求項33記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0078】
請求項34記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項29〜33のいずれか一項に記載の記録媒体である。
【0079】
請求項34記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0080】
請求項35記載の発明は、画像信号を画像処理するコンピュータに、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0081】
請求項35記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0082】
請求項36記載の発明は、医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、各画像出力手段の階調表現能に対応して、画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、がネットワーク接続された画像出力システムであって、前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記画像入力手段により取得された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、可視化するようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システムである。
【0083】
請求項36記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、知覚指数と対応した画像信号に対しダイナミックレンジ変換を行うによって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、各画像出力手段に応じた自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0084】
請求項37記載の発明は、医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、各画像出力手段の階調表現能に対応して、第1の画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、がネットワーク接続された画像出力システムであって、前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記画像入力手段により取得された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、画像出力手段の特性によらず一定の可視画像を得るようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システムである。
【0085】
請求項37記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、知覚指数と対応した画像信号に対しダイナミックレンジ変換を行うによって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力手段間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を得ることができる。
【0086】
請求項38記載の発明は、医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、一の画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記一の画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、前記画像処理手段により得られた画像信号を記憶する記憶手段と、がネットワーク接続された画像出力システムであって、前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記記憶手段により記憶された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、画像出力手段の特性によらず一定の可視画像を得るようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システムである。
【0087】
請求項38記載の発明によれば、ある画像処理手段に適した処理を施した画像信号を記憶し、記憶された画像信号に対して、指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施すことができるので、異なる画像出力手段間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を得ることができる。
【0088】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0089】
[用語の定義]
まず、本実施の形態において用いられる主要な用語を明確に定義する。
「光学濃度(以下、単に「濃度」ということもある。)」とは、画像の濃淡を表す光学物理量であり、写真業界において通常用いられている光学濃度をいう。具体的には、透過濃度Dt=−log10T(Tは光透過率)、又は反射濃度Dr=−log10R(Rは光反射率)で定義されるものである。本発明は、透過濃度及び反射濃度の両方において適用し得るため、別段の指定がない限り、濃度とは透過濃度又は反射濃度のいずれかを表すものとする。また、画像が有する濃度とは、記録媒体に付着する記録材に起因する濃度と、記録媒体に起因する濃度と、を含む画像全体の濃度を指すものとする。例えば、本実施の形態では、PDA−65(コニカ株式会社製)を用いて濃度測定を行った。
【0090】
「明度」とは、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage;国際照明委員会)が1976年に推奨したCIE−LAB表色系における明度であって、視覚的な濃淡の程度を表す心理物理量のひとつである。
「輝度」とは、与えられた方向に投影される単位面積当りの輝度強度であって、単位はcd/m2である。本実施の形態で測定に使用した輝度計はBM−9(株式会社トプコン製)であり、測定角1°とした。
「照度」とは、単位面積当りの入射光束であって、単位はlxである。例えば、照度計として、IM−5M(株式会社トプコン製)が用いられる。
【0091】
「JND(Just-Noticeable Difference)」とは、弁別域ともいい、与えられた観察条件のもとで、平均的観察者が丁度(最小)識別可能である与えられたターゲットの輝度差をいう。
「JNDインデックス(以下、JNDIという。)」とは、JNDIにおける1ステップがJNDである輝度差に帰着するように求められた知覚指数である。すなわち、平均的観察者が等間隔の「明るさ」として認識する指標である。DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)(PS3.14-1999;巻14)においてはBartenモデルを採用し、グレースケール標準表示関数(Grayscale Standard Display Function;以下、GSDFという。)として定義している。
【0092】
「画像信号」とは、画像を表す電磁気的信号であり、アナログ(連続値)であるかデジタル(離散値)であるかは問わない。画像信号が離散値である場合、画像信号Sは、Smaxを画像信号における最大画像信号値として、0≦S≦Smaxの範囲にある整数のうちいずれかの値を取る。画像信号がNビット階調を形成する画像信号であるとき、Smax=2N−1である。
【0093】
「透過画像」とは、一般的に「透過観察用画像」を意味するものであって、「透過画像観察形態」にて画像を観察する方法がより好ましい画像である。なお、「透過画像観察形態」とは、画像背面に高輝度で発光する性能を備える補助光源(いわゆるバックライト)を配置し、その補助光源から発せられて画像を透過する透過光を主に利用して画像を観察する形態をいう。また、「透過記録媒体」とは、透過画像として観察することを主目的とする記録媒体である。
「反射画像」とは、一般的に「反射観察用画像」を意味するものであって、「反射画像観察形態」にて画像を観察する方法がより好ましい画像である。なお、「反射画像観察形態」とは、画像前面に補助光源を配置し、その補助光源から発せられて画像を反射する反射光を主に利用して画像を観察する形態をいう。また、「反射記録媒体」とは、反射画像として観察することを主目的とする記録媒体である。
【0094】
「画像出力装置に係る出力階調特性」とは、画像出力装置に入力される画像信号値と、画像出力装置によって出力される出力画像に係る物理量(心理物理量も含む。)との関係を表す特性をいう。出力画像に係る物理量とは、具体的には、濃度、輝度等の光学物理量であり、明度、JNDI等の心理物理量(知覚指数)でも構わない。また、「出力階調特性曲線」とは、画像出力装置に入力する画像に係る画像信号値を横軸(X軸)とするとき、画像出力装置によって出力される出力画像に係る物理量(心理物理量も含む。)を縦軸(Y軸)とする画像出力特性曲線をいい、一般的には「γーLUT(ルックアップテーブル)」という。
【0095】
「略同可視化」とは、同一の観察者が、所定の画像出力装置により出力された画像を所定の画像観察条件において観察するときの可視感と、他の画像出力装置又は他の画像観察条件において観察するときの可視感と、が略一致するように画像を可視化することをいう。なお、「略同可視化」は、単に出力階調特性が略一致するように見せるだけではなく、画像の描写能を損ねることがないように画像を変形することを含むものとする。
【0096】
[画像処理装置の機能的構成]
図1に、本実施の形態における画像処理装置の機能的構成を示す。図1に示すように、画像処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、画像信号入力部5、画像信号出力部6、画像処理部7等を備えて構成され、各部はバス8により接続されている。
【0097】
CPU2は、画像信号入力部5から入力される画像信号に対して、ROM3に記録されている画像処理装置1に対応する各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM4のワークエリアに展開し、上記プログラムとの協働によって各種処理を実行し、その処理結果をRAM4の所定の領域に格納する。画像信号に対して最終的な処理が実行されると、CPU2は、処理済画像信号を画像信号出力部6から出力する。
【0098】
ROM3は、不揮発性の半導体メモリで構成される。ROM3は、CPU2により実行されるプログラムやデータ等を記憶している。
【0099】
RAM4は、書き換え可能な半導体素子で構成される。RAM4は、データが一時的に保存される記憶媒体であり、CPU2が実行するためのプログラムを展開するためのプログラムエリア、画像信号入力部5から入力されるデータやCPU2による各種処理結果等を保存するためのデータエリア、等が形成される。
【0100】
画像信号入力部5は、画像入力装置(撮影機器)と接続し、画像入力装置から入力された画像信号を受信する。
画像信号出力部6は、画像出力装置へ画像信号を出力する。
【0101】
画像処理部7は、画像信号入力部5から入力された画像信号に画像処理を行う。この画像処理は、ROM3に格納された各種プログラムとCPU2との協働によってソフトウェア処理で実現される。
【0102】
[共通の画像処理の概要]
次に、画像処理部7が実行する本実施の形態に共通の画像処理の概要について説明する。
図2は、本実施の形態に係る画像処理方法の概要図である。まず第1の非線形画像信号変換処理を実行し、次にダイナミックレンジ変換処理を実行し、続いて第2の非線形画像信号変換処理を実行する。
なお、動作説明の前提として、以下に記述されている各処理を実現するためのプログラムは、画像処理装置1のCPU2が読み取り可能なプログラムの形態でROM3に格納されており、CPU2は、当該プログラムに従った動作を逐次実行する。
【0103】
<第1の非線形画像信号変換処理>
まず、第1の非線形画像信号変換処理について説明する。画像信号に対して第1の非線形画像信号変換処理を施すことにより、変換後の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するようにする。ここで、「知覚指数と対応する」とは、画像信号における1ステップが、平均的観察者が出力画像を観察するときに等間隔の「明るさ」として認識されることを意味する。
【0104】
「画像信号変換処理」とは、入力された画像信号に対して新たな画像信号を出力する処理をいい、関数を用いた連続値的な画像信号変換でも、LUTを用いた離散値的な画像信号変換でもよい。また、「非線形画像信号変換処理」とは、非線形関数又は非線形LUTに基づいて実行される画像信号変換処理である。
【0105】
JNDIに基づいて画像信号変換処理を施す場合、画像表面近傍における光学物理量を求めて、画像信号変換に用いるLUT又は関数を予め作成する必要がある。光学物理量とは、輝度、照度、光学濃度等が該当するが、一般的には輝度又は光学濃度が用いられる。画像表面近傍における輝度若しくは光学濃度は、輝度計若しくは光学濃度計を用いて測定することができる。ただし、画像表示装置においては、光学濃度を測定するのは困難なため、光学物理量として輝度が用いられることが多い。
また、光学濃度と画像観察条件情報とに基づいて輝度を見積もることができる。なお、「画像観察条件情報」とは、画像を観察する際の観察条件に関する情報又は観察形態そのものに関する情報、その他必要な情報をいう。例えば、周囲照度に起因する輝度(外光の輝度)La、補助光源(バックライト)の輝度Lo、記録媒体に係る光学濃度、等が挙げられる。画像に係る濃度等から知覚指数を一意に特定できる情報が好ましい。画像観察条件情報は、例えば輝度の場合は、他の検出手段により測定した実測値でも、概算値でも構わない。
光学濃度Dに対応した輝度を見積もる式として、例えば、L=La+Lo・10-Dを用いることができる。ここで、Laは周囲照度に起因する輝度、Loはバックライトの輝度である。
【0106】
画像に係る濃度に対応する輝度を求め、さらに、輝度からJNDIへの変換式に基づいてJNDIを求めることができる。JNDあるいはJNDIに関するモデルとしては、Bartenモデル、Weberモデル(中輝度領域で適用可能)、De Vries-Roseモデル(低輝度領域で適用可能)、あるいはT.Jiモデル等、様々な数理モデルが提案されている。Bartenモデルは、数学的記述によって構築された視覚系の生理学モデルである。なお、輝度からBarten−JNDIへの変換式はBlumeらによる近似式が良く用いられている。また、JNDIは、数理モデルによるものでも、官能評価等によって実験的又は経験的に見出された数値でも構わない。さらに、特定のJNDIのみを用いるのではなく、場合によっては、より視覚特性に適合したモデルを用いることが好ましい。また、LUTを求めるために用いる光学物理量は輝度でも照度でもよい。いずれの態様にせよ、本処理により、視覚特性への相関が高くなる指標を選択することが望ましい。
【0107】
さらに、1種類の知覚指数に基づいて上記LUTないし関数を作成することもできるが、画像観察形態に応じてより適した知覚指数モデルを選択することも好ましい態様である。例えば、反射画像のように出力画像に係る輝度範囲が低輝度域に多く分布する場合においてはDe Vries-Roseモデル又は明度を基準にすることが好ましく、透過画像のように出力画像に係る輝度範囲が低輝度域から高輝度域に広く分布する場合においては、Bartenモデルを基準にすることが好ましい。また、各モデルにおける知覚指数そのものを扱ってもよいが、必要に応じて知覚指数を線形変換(1次変換)した数値を用いることもできる。
【0108】
図3は、第1の非線形画像信号変換処理の一例を説明する図である。
図3において、画像信号S(0)を画像出力装置9に入力すると、画像出力装置9の出力特性に基づいて、出力画像A0が得られる。画像出力装置9は、画像信号に対して直線的な出力濃度階調特性を有しているものとする。図3(a)に、画像信号S(0)に対する出力画像A0の出力濃度Dを示す。画像信号S(0)に対してJNDIをプロットすると、図3(b)に示すように、右下がりで下に凸となる非線形特性を有している。
【0109】
そこで、画像信号S(0)に対し、画像処理装置1は第1の非線形画像信号変換処理を実行する。第1の非線形画像信号変換処理により、図3(c)に示すような非線形LUTに従って画像信号S(0)は画像信号S(1)へ変換される。この変換後の画像信号S(1)を画像出力装置9にて出力した画像を出力画像A1とする。画像信号S(0)に対する出力画像A1の出力濃度D及びJNDIを、図3(d)、(e)に示す。第1の非線形画像信号変換処理によって、知覚的にリニアな出力階調特性を得ることができる。なお、非線形画像信号変換処理は、画像信号から指標値そのものへの変換でもよいし、画像信号から指標値の1次関数となるような数値への変換でもよい。また、図3では知覚指数としてJNDIを用いたため、値が小さくなるほど暗く、値が大きくなるほど明るくなるような知覚指数であるが、その逆(値が小さくなるほど明るく、値が大きくなるほど暗くなる)であってもよい。また、知覚指数として、JNDIに限らず明度を用いてもよい。
このように、画像信号を知覚指数と対応させることにより、以後の画像処理に対し、視覚感度に適合した自然な画像処理結果を得ることが可能になる。
【0110】
<ダイナミックレンジ変換処理>
次に、ダイナミックレンジ変換処理について説明する。なお、ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、変換される画像信号、画像観察条件情報、前述した第1の非線形画像信号変換処理における画像出力装置に係る出力階調特性や知覚指数レンジ、又は後述する第2の非線形画像信号変換処理における画像出力装置に係る出力階調特性や知覚指数レンジに基づいて決定する。ここで、「画像出力装置に係る知覚指数レンジ」とは、画像出力装置によって出力される出力画像における知覚指数の上下限の範囲をいう。
【0111】
図4は、ダイナミックレンジ変換処理の概要を説明する図である。ダイナミックレンジ変換処理とは、所定の画像信号域における画像コントラストを維持しつつダイナミックレンジを変調させる画像処理方法であり、様々な分野で広く用いられている。この画像処理は、ソフトウェア又はハードウェアのいずれかの手段を用いて実現することができる。ダイナミックレンジ変換処理を施すために用いる演算式は、特開平3−222577号公報等で開示されるように、
Sproc=Sorg+F(Susm) (1)
が最も一般的である。なお、Sprocは処理済画像信号、Sorgは原画像信号、Susmは非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)は非線形関数、をそれぞれ表す。
【0112】
図4(a)は、非線形関数F(S)における一般的な関数であって、低画像信号域及び高画像信号域におけるダイナミックレンジを圧縮又は拡大する形態である。非線形関数F(S)の勾配−βL及び−βHの大小によってダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件が決定される。画像信号S=0における非線形関数F(S)の値をΔSL、画像信号S=Smaxにおける非線形関数F(S)の値を−ΔSHとする。なお、βL>0の場合は低画像信号域におけるダイナミックレンジが圧縮され、βL=0の場合は低画像信号域におけるダイナミックレンジは変化せず、βL<0の場合は低画像信号域におけるダイナミックレンジが拡大される。
【0113】
図4(b)は、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域を示す図である。注目画素(i,j)を中心とした3画素×3画素における画像信号領域での画素平均値をもってSusmとすることができる。なお、Susmの算出方法は、画像信号領域における画素平均値に限らず、2次元加重フィルタ、メジアンフィルタ、ハイブリッドメジアンフィルタ等、様々な形態を適用することができる。また、注目画素を中心とした画像信号領域の範囲を種々変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を自由に制御することができる。
【0114】
図4(c)は、ダイナミックレンジ圧縮による画像信号ヒストグラムの変化を表す図である。ダイナミックレンジ変換処理前及び処理後における画像信号をそれぞれS(1)、S(2)とする。ダイナミックレンジ変換処理を施すことにより、低画像信号域におけるダイナミックレンジが圧縮されている。なお、画像処理後におけるダイナミックレンジの広さはダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件によって決定される。「ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件」とは、ダイナミックレンジ変換処理の演算式を決定するために必要な諸条件をいい、具体的には、前記式(1)において勾配−βH、−βL、マスクサイズ、及び非鮮鋭画像信号Susmの算出方法等の画像処理パラメータに相当するが、他の演算式においてはこの限りではない。
【0115】
図4(d)は圧縮度決定方法の一例を示す図である。JNDIレンジによって、非線形関数F(S)の勾配の絶対値βL、βHの値をそれぞれ決定している。JNDIレンジとは、最大JNDIをJNDImax、最小JNDIをJNDIminとして、JNDImax−JNDIminをいう。このJNDIレンジが大きいほど画像出力装置において階調表現能が高いことを示す。なお、画像出力装置に係る「階調表現能」とは、単に画像出力装置の出力性能のみをさす場合、本実施の形態のように画像観察条件をも含めた出力性能をさす場合、が考えられるが、どちらでもよい。具体的には、画像として出力可能な濃度範囲(最低濃度〜最高濃度)を「階調表現能」としてもよいし、画像として出力可能な知覚指数範囲(例えば、最低JNDI〜最高JNDI)を「階調表現能」としてもよい。また、階調数(例えば、4096階調)も「階調表現能」の一種であるし、これらに限られない。
画像出力装置特性又は画像観察条件情報に基づいてJNDIレンジを算出し、低JNDI域、高JNDI域のうちいずれか一方を圧縮してもよいし、低JNDI域及び高JNDI域を同時に圧縮してもよい。画像信号ヒストグラムに基づいて圧縮度を決定してもよい。
【0116】
このように、図4に示すような非線形関数F(S)を用いたダイナミックレンジ変換を行うことにより、画像信号が低空間周波数を有し、かつ、低画像信号域若しくは高画像信号域に属する場合にはダイナミックレンジが圧縮され、画像信号が比較的高空間周波数を有する場合、又は画像信号が中間画像信号域に属する場合にはダイナミックレンジが圧縮されない。したがって、鮮鋭画像信号の変化がないため、画像コントラストを維持することができる。
【0117】
ダイナミックレンジ変換処理の前に、画像信号に対し予め知覚的リニアになるような画像信号変換を行っているため、観察者にとってより自然な階調特性を有するようなダイナミックレンジ変換効果を得ることができる。
【0118】
<第2の非線形画像信号変換処理>
次に、第2の非線形画像信号変換処理を施すことにより、画像信号を画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換することができる。「画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように」とは、画像出力装置によって出力される出力画像において、知覚指数を実現するように、という意味である。第2の非線形画像信号変換処理は、第1の非線形画像信号変換処理の逆変換に相当する。
【0119】
図5は、第2の非線形画像信号変換処理を説明する図である。画像信号S(0)に対して、第1の非線形画像信号変換処理、ダイナミックレンジ変換処理を順に施した画像信号S(2)について考える。画像信号S(2)を画像出力装置10に入力すると、画像出力装置10の出力特性に基づいて出力画像A2が得られる。画像出力装置10は、画像信号に対して直線的な出力濃度階調特性を有しているものとする。画像信号S(2)は、画像信号S(0)に対して、1回、非線形画像信号変換処理を施してあるため、図5(a)に示すように、画像信号に対して非線形的な出力濃度階調特性が得られる。ただし、図5(b)に示すように、JNDIに対応した出力階調特性を有している。
画像信号S(2)に対し、画像処理装置1は第2の非線形画像信号変換処理を実行する。第2の非線形画像信号変換処理により、図5(c)に示すような非線形LUTに従って画像信号S(2)は画像信号S(3)へ変換される。この変換後の画像信号S(3)を画像出力装置10にて出力した画像を出力画像A3とする。画像信号S(0)に対する出力画像A3の出力濃度D及びJNDIを、図5(d)、(e)に示す。第2の非線形画像信号変換処理により、知覚指数に対応している画像信号を、画像出力装置10にて出力される画像上において知覚指数を実現するように、換言すれば、画像出力装置10にて出力される画像上において前記知覚指数に対応する光学物理量(輝度等)を実現するように変換することができる。
【0120】
[第1の実施の形態]
図6は、第1の実施の形態における画像処理の概略図である。第1の実施の形態として、画像入力装置(撮影機器)11を用いて被写体を撮像して取得された画像信号に対し、各画像出力装置A,B,Cに適した出力画像を得るための画像処理方法について説明する。
画像入力装置11はCR、画像出力装置Aは銀塩方式のプリンタ、画像出力装置Bはインクジェットプリンタ、画像出力装置Cは液晶モニタである。
【0121】
画像情報に基づいて、画像入力装置11が電気的な画像信号を生成し、画像信号が画像処理装置1に入力される。画像処理装置1は、画像処理部Aにて、入力された画像信号に対して、画像出力装置Aに適した第1の非線形画像信号変換処理を行う。次に、第1の非線形画像信号変換処理後の画像信号に対して、ダイナミックレンジ変換処理を行う。続いて、画像出力装置Aに適した第2の非線形画像信号変換処理を行う。そして、画像出力装置Aから出力画像Aが出力される。
【0122】
同様に、各画像出力装置B,Cに対しても、それぞれ、画像処理部B,Cにて、各画像出力装置B,Cに適した第1の非線形画像信号変換処理、ダイナミックレンジ変換処理、第2の非線形画像信号変換処理が行われる。そして、画像出力装置Bから出力画像Bが出力され、画像出力装置Cから出力画像Cが出力される。
【0123】
以上の画像変換処理により、画像出力装置Aを用いて画像を出力する際には、画像出力装置Aに適した出力画像を得ることができる。また、画像出力装置Bを用いて画像を出力する際には、画像出力装置Bに適した出力画像を得ることができる。また、画像出力装置Cを用いて画像を出力する際には、画像出力装置Cに適した出力画像を得ることができる。
【0124】
[第2の実施の形態]
次に、ある画像出力装置を用いて出力するのに適した出力階調特性を、他の画像出力装置で実現するように出力するための画像処理を施す方法について説明する。例えば、通常は画像表示装置によって医用画像を診断しているが、必要に応じてプリンタで出力する場合に相当する。この際、両者の出力画像が一致して見えることが最も好ましい。
しかし、階調表現能の異なる画像出力装置間において、画像を同一に可視化することは不可能であるため、それに似せた出力階調特性を有するように可視化することが好ましい。特に、主要な出力濃度域における描写能を損なうことなく、画像を出力できることが好ましい。
【0125】
図7は、第2の実施の形態における画像処理の概略図である。画像情報に基づいて、画像入力装置12が電気的な画像信号を生成する。生成された画像信号は、画像処理装置1において画像処理された後、各画像出力装置A,B,Cによって画像が出力される。画像出力装置Aにより出力される画像を想定し、画像処理を施す場合を考える。
画像入力装置12はCR、画像出力装置Aは銀塩方式のプリンタ、画像出力装置Bはインクジェットプリンタ、画像出力装置Cは液晶モニタである。
【0126】
図8は、画像出力装置に係る出力階調特性とJNDIレンジとの関係を表す図である。図8(a)は、最大出力光学濃度3.0を実現する画像出力装置Aに係る出力濃度階調特性である。画像観察条件情報を考慮して画像出力装置Aに係る出力濃度階調特性をJNDIに換算すると、図8(b)に示すように、JNDImax=900、JNDImin=250である。図8(c)は、最大出力光学濃度2.0を実現する画像出力装置Bに係る出力濃度階調特性である。観察条件情報を考慮してBに係る出力濃度階調特性をJNDIに換算すると、図8(d)に示すように、JNDImax=500、JNDImin=50である。画像出力装置Aに係るJNDIレンジはJNDIrange=650、画像出力装置Bに係るJNDIレンジはJNDIrange=450で、画像出力装置Aの方が画像出力装置Bより階調表現能が優れていることがわかる。したがって、この画像信号に対しダイナミックレンジ変換処理等を施す場合、画像信号と知覚指数との非線形特性のため、所望の画像処理結果が得られないことがある。
本実施の形態においては、画像出力装置Aに適した画像処理を行った画像信号を用いて、画像出力装置Bに適する画像を出力することを目的とする。まず、第1の非線形画像信号変換処理により、変換後出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換し、次に、ダイナミックレンジ変換処理により、画像出力装置Bに相当するJNDIレンジに調整し、第1の非線形画像信号変換処理により、画像出力装置Bに係る出力階調特性に適合するように画像信号を変換する。
【0127】
図7に示すように、画像処理装置1は、画像処理部Aにて、入力された画像信号に対して、画像出力装置Aに適した第1の非線形画像信号変換処理を行い、次に、ダイナミックレンジ変換処理を行い、画像出力装置Aに適した第2の非線形画像信号変換処理を行い、画像出力装置Aから出力画像Aを出力する。
【0128】
画像処理装置1は、画像処理部Bにて、入力された画像信号に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理を行う。次に、第1の非線形画像信号変換処理後の画像信号に対して、画像観察条件情報、画像出力装置A,Bに関する情報、又は原画像信号に係る情報、に基づいてダイナミックレンジ変換処理を行い、画像出力装置Bに相当するダイナミックレンジに調整する。続いて、画像出力装置Bに適した第2の非線形画像信号変換処理を行う。
【0129】
図9に、ダイナミックレンジ変換のパラメータの決定方法の一例を示す。ダイナミックレンジ変換のパラメータは、画像観察条件情報、画像出力装置に関する情報又は画像処理情報によって決定される。
画像出力装置に関する情報とは、記録方式、記録媒体の種類、記録材の種類、出力階調特性に係るγ−LUT、最高出力濃度、最低出力濃度、知覚指数レンジ等をいう。
画像処理情報とは、処理する画像信号が画像処理されていないか、あるいは、どのような画像処理が施されているか、の情報をいう。
画像出力能の違いを考慮し、出力能が低い画像出力装置に対しても画像診断能を維持するためには、JNDIレンジの減少につれてダイナミックレンジ圧縮度が増加することが好ましい。
【0130】
図10は、本画像処理による効果を説明する。図10は、画像処理の効果を示す画像信号ヒストグラムである。画像出力装置Aにおける出力画像と、画像出力装置Bにおける出力画像とを似せて見せるように画像処理を施したときにおける画像信号ヒストグラムである。横軸は画像信号値、縦軸はピクセル数を示す。
【0131】
図10(a)は、第1の非線形画像信号変換処理を示す図である。画像出力装置Aにおいて光学濃度Dがリニアである画像信号S(0)から、知覚的リニアな画像信号S(1)になるように画像信号を変換する。図10(b)は、ダイナミックレンジ変換処理による画像信号S(1)と画像信号S(2)の変化を示す図である。画像信号S(1)における高信号値域を圧縮することにより、自然な階調を有した状態でダイナミックレンジが圧縮される。図10(c)は、第2の非線形画像信号変換処理による画像信号S(2)から、画像出力装置Bにおいて知覚指数を実現する画像信号S(3)への変換を示す図である。
【0132】
次に、図11を参照して、画像信号プロファイルを用いて、本画像処理による効果を説明する。図11は、画像出力装置Aにおける出力画像((a1)、(b1)、(c1))と、画像出力装置Bにおける出力画像((a2)、(b2)、(c2))とを似せて見せるように画像処理を施して、画像を出力したときの模式図である。
図11(a2)は、従来技術として、画像信号に階調変換処理のみを施した場合を表す。画像が有する周波数特性によらず、一様にコントラストを低下させるため、高空間周波数域を有する構造のコントラストも一律に低下し、検出されない可能性がある。
図11(b2)は、従来技術として、ダイナミックレンジ変換処理のみを施した場合を表す。微細構造のコントラストを維持することができるが、反射画像では不自然な強調に見えてしまう。
図11(c2)は、本発明に係る画像処理を施した場合を表す。画像の階調バランスを維持しつつ、微細構造のコントラストを維持し、反射画像では自然な階調に見える。
【0133】
同様に、画像出力装置Cに対しても、画像処理部Cにて、入力された画像信号に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理を行う。次に、第1の非線形画像信号変換処理後の画像信号に対して、画像観察条件情報、画像出力装置A,Cに関する情報、又は原画像信号に係る情報、に基づいてダイナミックレンジ変換処理を行う。続いて、画像出力装置Cに適した第2の非線形画像信号変換処理を行う。
【0134】
以上の画像変換処理により、画像出力装置B、Cで画像を出力する際に、画像出力装置Aにおける出力画像と良く似た出力画像を得ることができる。
【0135】
[第3の実施の形態]
次に、ある画像出力装置を用いて出力するのに適したように画像処理を施した画像信号を、他の画像出力装置で出力するための画像処理を施す方法について説明する。例えば、診断画像を記録するための画像出力装置に適した画像信号を記憶媒体によって保存しておき、必要に応じてプリンタで出力する場合に相当する。この際、両者の出力画像が一致して見えることが最も好ましい。
しかし、階調表現能の異なる画像出力装置間において、画像を同一に可視化することは不可能であるため、それに似せた出力階調特性を有するように可視化することが好ましい。特に、主要な出力濃度域における描写能を損なうことなく、画像を出力できることが好ましい。
【0136】
図12は、第3の実施の形態における画像処理の概略図である。画像情報に基づいて、画像入力装置13が電気的な画像信号を生成する。生成された画像信号は、画像処理装置1において画像処理された後、各画像出力装置A,B,Cによって画像が出力される。
画像入力装置13はCR、画像出力装置Aは銀塩方式のプリンタ、画像出力装置Bはインクジェットプリンタ、画像出力装置Cは液晶モニタである。
【0137】
第1の実施の形態と同様の画像出力装置Aに適した画像処理を施し、その処理された画像信号を画像信号保持装置14により一旦保持する場合を考える。保持された画像信号を用いて画像出力装置Aで画像を出力すると、診断に適した出力画像Aを得ることができる。
【0138】
画像処理装置1は、画像処理部Bにて、画像信号保持装置14により保持されている画像出力装置Aに適した画像処理を施された画像信号に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理を行う。次に、第1の非線形画像信号変換処理後の画像信号に対して、画像観察条件情報、画像出力装置A,Bに関する情報、又は原画像信号に係る情報、に基づいてダイナミックレンジ変換処理を行い、画像出力装置Bに相当するダイナミックレンジに調整する。続いて、画像出力装置Bに適した第2の非線形画像信号変換処理を行う。そして、処理された画像信号に基づいて画像出力装置Bにて画像を出力すると、画像出力装置Aにおける出力画像と良く似た出力画像Bを得ることができる。
【0139】
同様に、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて画像出力装置Cに適した画像処理を施し、処理された画像信号に基づいて画像出力装置Cで画像を出力すると、画像出力装置Aにおける出力画像と良く似た出力画像Cを得ることができる。
【0140】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態として、複数の画像入力装置に対応して複数の画像出力装置により画像を出力する画像出力システムについて説明する。
図13は、第4の実施の形態に係る画像出力システムの概略図である。図13に示すように、画像出力システム15は、画像処理装置1と、画像入力装置A,B,Cと、画像出力装置A,B,Cと、画像記憶装置16と、指示装置17と、から構成され、病院内ネットワーク(HIS;Hospital Information System)18を介して互いに接続している。画像出力システム15は、出力階調特性又は画像観察条件の異なる複数の画像出力装置を用いて医用画像を出力するシステムである。
【0141】
画像入力装置AはCR、画像入力装置BはFPD、画像入力装置CはX線CT装置であり、画像出力装置Aは銀塩方式のプリンタ、画像出力装置Bはインクジェットプリンタ、画像出力装置Cは液晶モニタである。
【0142】
この画像出力システム15により、例えば、X線照射量に対して線形的な画像信号を生成する画像入力装置と、対数的な画像信号を生成する画像入力装置が混在している場合にも、それに応じて、既存の画像処理を組み合わせて、画像観察条件に応じた画像処理を施すことができる。また、画像出力装置の出力階調特性又は画像観察条件に応じて、異なる非線形画像信号処理およびダイナミックレンジ変換処理を施すことにより、所望の階調を有する医用画像を出力することが可能となる。
【0143】
指示装置17は、病院内ネットワーク18に接続された複数の画像入力装置A,B,C、画像記憶装置16、画像出力装置A,B,Cを指定して、希望する画像データを希望する画像出力装置A,B,Cにて出力することができる。
なお、画像処理装置1は、画像出力システム15において、出力画像に係る階調特性が略一致するような見え方になるように、第1の実施の形態から第3の実施の形態のいずれかに示した画像処理を施す。この結果、各画像出力装置A,B,Cに対して、画像出力装置の出力階調特性に依らず、病変部の診察に適した画像を提供することができる。
【0144】
画像処理装置1は、画像を出力する画像出力装置が決定してから入力画像信号を画像処理してもよいし、予め各画像出力装置A,B,Cに適した画像処理を施されて画像記憶装置16に記憶されている画像信号を各画像出力装置A,B,Cから出力してもよい。
【0145】
様々な形態が考えられるが、以下に5例を示す。
(例1)画像出力装置Aと画像出力装置Bとの略同可視化出力
画像記録方式の異なる画像出力装置間において略同可視化を実現する。例えば、銀塩方式のプリンタにより記録した透過画像と、インクジェットプリンタにより記録した反射画像とを同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
(例2)画像出力装置Aと画像出力装置Cとの略同可視化出力
画像出力形態の異なる画像出力装置間において略同可視化を実現する。例えば、銀塩方式のプリンタにより記録した透過画像と、液晶モニタにより表示した画像とを同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
(例3)画像出力装置Bと画像出力装置Cとの略同可視化出力
画像出力形態の異なる画像出力装置間において略同可視化を実現する。例えば、インクジェットプリンタにより記録した反射画像と、液晶モニタにより表示した画像とを同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
(例4)画像出力装置Aにおいて観察環境条件が異なる場合の略同可視化出力
同一の画像出力装置で出力した出力画像における異なる画像観察条件下での略同可視化を実現する。例えば、異なる輝度を発するバックライトを用いて観察するときに同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
(例5)画像出力装置Bにおいて透過画像/反射画像の略同可視化出力
同一の画像出力装置で出力した出力画像における異なる画像観察形態下での略同可視化を実現する。例えば、インクジェット記録装置において、透過画像/反射画像の双方を記録し、観察するときに同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
【0146】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態として、ダイナミックレンジ変換処理を多重解像度法に基づいて行う場合を説明する。多重解像度法を適用することにより、さらに鮮明な処理効果を得ることができる。多重解像度法とは、原画像信号を複数の周波数帯域の画像信号に分解し、所定の画像処理を加えた後に画像全体を復元することで画像信号を得るものである(例えば、Digital Image Processing : Springer-Verlag,1991参照。)。例えば、Sprocを処理済画像信号、Sorg を原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk )+…+fN(SusN-1−SusN)} (2)
の式に従って画像処理を行うことができる(例えば、特開2002−183726号公報、特開平10−75364号公報、特開平10−171983号公報参照。)。
【0147】
まず、原画像信号から鮮鋭度の異なる、すなわち周波数応答特性の異なる複数の非鮮鋭画像信号を作成する。その複数の非鮮鋭画像信号及び原画像信号の中の2つの信号値の差分をとることにより、原画像信号の、特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号(以下、バンドパス信号という。)Sorg−Sus1,Sus1−Sus2,・・・,SusN-1−SusNを作成する。そして、そのバンドパス信号Sorg−Sus1,Sus1−Sus2,・・・,SusN-1−SusNをそれぞれの所定の関数f1(Sorg−Sus1),f2(Sus1−Sus2),・・・,fN(SusN-1−SusN)によって所望の大きさとなるように抑制してから、原画像信号Sorgと、その複数の抑制されたバンドパス信号とを積算することにより処理済画像信号Sprocを作成する。
【0148】
多重解像度法に基づいたダイナミックレンジ変換処理を適用することにより、周波数帯域ごとに適した処理を実行することができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0149】
また、離散ウェーブレット変換を用いた多重解像度法を適用してもよく、離散ウェーブレット変換に係る母関数の形状も問わない。
【0150】
[官能評価実験及びその結果]
本発明に係る画像処理の効果を確認するために、目視による医用画像の官能評価を行った。第3の実施の形態と同様に、ある画像出力装置による出力結果が他の画像出力装置による出力結果と一致するような画像処理を実行した。図12及び図14を参照して、実験の詳細を以下に示す。
【0151】
1.実験条件
(1)画像入力装置
CR(Computed Radiography)画像入力装置Regius150(コニカ株式会社製)を用いて手ファントムをX線撮影した。Regius150により取得された画像信号に係る階調数は12bit(=4096階調)である。
【0152】
(2)画像出力装置A
銀塩フォトサーマル方式イメージャDRYPRO752(コニカ株式会社製)
▲1▼画像処理方法
入力装置により得られた画像信号データを、画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した画像信号データを用いた(図12画像処理部A参照。)。
▲2▼出力形態
フィルムはSD-P(コニカ株式会社製)を用いて画像を透過画像として出力した。なお、DRYPRO752は画像信号値の増加に対して画像に係る透過濃度が直線的に増加する出力階調特性を有している。フィルムに固有の光学濃度はD=0.22であり、最高出力濃度はD=3.0であった。
▲3▼観察条件
透過画像として出力画像を観察した。観察環境に関しては、室内輝度を限りなく低くした状態(約15cd/m2)で平均輝度2700cd/m2のライトボックスに画像を掛けて観察した。
【0153】
(3)画像出力装置B
インクジェットプリンタPM-950C(セイコーエプソン株式会社製)
▲1▼画像処理方法
画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した画像信号データB1を用意した。また、画像信号データB1に対して、画像出力装置Bに適した出力階調変換処理を施し、画像信号データB2を得た。さらに、画像信号データB1に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理、ダイナミックレンジ変換処理、画像出力装置Bに適した第2の非線形画像信号変換処理を行った(図12画像処理部B参照。)。図14に示すように、ダイナミックレンジ変調率は0.50〜0.90の5通りを実行した(画像信号データB3〜B7)。なお、当該ダイナミックレンジ変換は、マスクサイズは65×65の矩形マスクとし、出力画像における高濃度域のみを変調している。すなわち、画像信号データB2については高画像信号域においてのみ変調しており、図4(a)におけるΔSLが0である。また、画像信号データB3〜B7については低画像信号域においてのみ変調しており、図4(a)におけるΔSHが0である。また、図14における「変調率」は、「ダイナミックレンジ変調率」であり、1−(ΔSH+ΔSL)/Smaxの値を表す。本画像信号においてはSmax=4095である。
▲2▼出力形態
反射画像をプリントした。なお、画像データのサイズが2048×2048である画像データを、解像度280dpi(dot per inch:1inch=25.4mm)としてプリントした。用紙はインクジェット専用光沢紙Photolike QP(コニカ株式会社製)を用い、インクはセイコーエプソン製専用インクを用いて、カラー(YMCK)でモノクロ画像をプリントした。
▲3▼観察条件
反射画像として出力画像を観察した。観察環境に関しては、平均輝度280 cd/m2の室内で補助光は用いずに画像を観察した。
【0154】
(4)画像出力装置C
グレースケール液晶表示装置MLD-2100M(池上通信機社製)
▲1▼画像処理方法
画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した画像信号データC1を用意した。また、画像信号データC1に対して、画像出力装置Cに適した出力階調変換処理を施し、画像信号データC2を得た。さらに、画像信号データC1に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理、ダイナミックレンジ変換処理、画像出力装置Cに適した第2の非線形画像信号変換処理を行った(図12画像処理部C参照。)。図14に示すように、ダイナミックレンジ変調率は0.70〜0.90の5通りを実行した(画像信号データC3〜C7)。なお、当該ダイナミックレンジ変換は、マスクサイズは65×65の矩形マスクとし、出力画像における高濃度域のみを変調している。すなわち、画像信号データC2については高画像信号域においてのみ変調しており、図4(a)におけるΔSLが0である。また、画像信号データC3〜C7については低画像信号域においてのみ変調しており、図4(a)におけるΔSHが0である。また、図14における「変調率」は、「ダイナミックレンジ変調率」であり、1−(ΔSH+ΔSL)/Smaxの値を表す。
▲2▼出力形態
画像をモニタに出力表示させた。最大輝度は700cd/m2(コントラスト比600:1)であった。なお、解像度は、1536ドット×2048ラインである。
▲3▼観察条件
室内輝度を限りなく低くした状態(約15cd/m2)で観察した。
【0155】
(5)LUT作成時の測定手段
非線形画像信号変換処理のためのLUTを作成する際に、画像表面近傍における最高輝度、最低輝度を20ステップに分割する輝度を奏するグレースケールを作成した。なお、輝度計は、BM−9(株式会社トプコン製)を用い、測定角は1°とした。また、光学濃度計は、PDA−65(コニカ株式会社製)を用いて画像に係る濃度を測定し、フィルタはアンバーフィルタを使用した。このように、各画像出力装置に係る出力階調特性を求め、GSDFにおける輝度対JNDI特性に基づいて前記LUTを作成した。
【0156】
2.評価方法
透過観察環境および反射観察環境にて画像を観察したときにおける画像診断性及び略同可視感について目視評価を行った。
「画像診断性」とは、粒状性・鮮鋭性・階調性を含む画質の総合的な評価であって、診断に堪え得る画像であるか否かの評価である。評価判定は、「◎」、「○」、「△」、「×」、「××」の5段階評価で判定し、評価基準は、◎:十分診断に堪え得る、○:診断可能、△:やや画質に問題があるが場合によっては診断可能、×:診断は困難、××:診断不可能とした。評価結果は図14における「画像診断性」の項目に該当する。
また、「略同可視感」とは、「出力A」を参考画像として、「出力B」又は「出力C」と比較したときに略同可視感があるか否かに関する評価である。評価判定は、「◎」、「○」、「△」、「×」、「××」の5段階評価で判定し、評価基準は、◎:極めて一致、○:一致、△:やや一致、×:一致しない、××:全く一致しないとした。評価結果は図14における「略同可視感」の項目に該当する。
【0157】
3.被験者
コニカ株式会社の主任研究員3名(いずれも医療機器の開発に従事)がそれぞれ官能評価を行った。図14(a)、(b)に示す結果は、3名の評価結果の平均である。
【0158】
4.評価結果
図14(a)は、インクジェットプリンタにおける官能評価結果を示す表である。図14(b)は、液晶表示装置における官能評価結果を示す表である。
図14(a)に示すように、画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した以外に画像処理を何も施さない場合(画像信号データB1)や、階調補正処理のみを施した場合(画像信号データB2)と、本発明を適用した場合である画像信号データB3〜B7とを比較すると、本発明を適用した場合(画像信号データB3〜B7)の方が「画像診断性」及び「略同可視感」の評価結果において、総じて優れていることがわかる。さらに、ダイナミックレンジ変調率が0.60〜0.80である場合において、特に優れた評価結果が得られた。この理由は以下のように解釈することができる。
測定の結果、画像出力装置A(銀塩イメージャ)におけるJNDIレンジは、JNDIrange=620、画像出力装置B(インクジェットプリンタ)におけるJNDIレンジは、JNDIrange=435であった。画像出力装置Aに対する画像出力装置BのJNDIレンジ比が0.70(=435/620)であるため、画像出力装置Aに係るJNDIレンジを0.30だけ圧縮する画像処理を行うことによって、画像出力装置Bにおいて好適な画像を出力することができると考えられる。
【0159】
図14(b)に示すように、画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した以外に画像処理を何も施さない場合(画像信号データC1)や、階調補正処理のみを施した場合(画像信号データC2)と、本発明を適用した場合である画像信号データC3〜C7とを比較すると、本発明を適用した場合(画像信号データC3〜C7)の方が「画像診断性」及び「略同可視感」の評価結果において、総じて優れていることがわかる。さらに、ダイナミックレンジ変調率が0.75〜0.85である場合において、特に優れた評価結果が得られた。この理由は以下のように解釈することができる。
測定の結果、画像出力装置A(銀塩イメージャ)におけるJNDIレンジは、JNDIrange=620、画像出力装置C(液晶表示装置)におけるJNDIレンジは、JNDIrange=498であった。画像出力装置Aに対する画像出力装置CのJNDIレンジ比が0.80(=498/620)であるため、画像出力装置Aに係るJNDIレンジを0.20だけ圧縮する画像処理を行うことによって、画像出力装置Cにおいて好適な画像を出力することができると考えられる。
なお、詳細な結果は示さないが、知覚指数を明度として画像処理をした場合においてもJNDIの場合とほぼ同様の結果が得られた。
【0160】
なお、上述した各実施の形態において、各種のデバイスと接続された装置又はシステム内のコンピュータに対し、各実施の形態の機能を実現するためのプログラムを供給し、その装置又はコンピュータのCPUやMPU(Micro ProcessingUnit)に格納されたプログラムに従って、各種デバイスを動作させることとしてもよい。
【0161】
また、上述した各実施の形態は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって実現することも可能である。プログラムを記録する記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0162】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)又は他のアプリケーションソフト等と協働して、上述した実施の形態の機能が実現されることとしてもよい。
【0163】
さらに、供給されたプログラムがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現されてもよい。
【0164】
また、各実施の形態において、画像出力装置として、銀塩方式のプリンタ、インクジェットプリンタ、液晶モニタを用いた例を説明したが、画像出力装置はそれらに限定されない。湿式又は乾式銀塩レーザ記録方式や熱転写記録方式のプリンタ、ワイヤードット記録方式等のインパクト記録方式のプリンタ、あるいはそれ以外の記録方式であってもよい。また、シリアル記録方式のプリンタでも、ライン記録方式のプリンタでもよい。また、CRT、透過型又は反射型液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display)、プラズマディスプレイ等のディスプレイでもよく、表示方式に限定されるものではない。
【0165】
また、画像入力装置(撮影機器)として、X線撮影装置、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)や磁気共鳴画像形成装置(MRI装置)、超音波画像影診断装置や電子内視鏡、眼底カメラ等を用いることができるが、これらに限らない。
特に、医用画像のように、モノクロ多階調用の画像信号を有し、極めて高画質が要求される分野における画像出力形態では、その画像処理効果が顕著に現われるため有効である。
【0166】
【発明の効果】
上述したように、請求項1,8,15,22又は29に記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0167】
上述したように、請求項2,9,16,23又は30に記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0168】
上述したように、請求項3,10,17,24又は31に記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0169】
上述したように、請求項4,11,18,25又は32に記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0170】
上述したように、請求項5,12,19,26又は33に記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0171】
上述したように、請求項6,13,20,27又は34に記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0172】
上述したように、請求項7,14,21,28又は35に記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0173】
上述したように、請求項36記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、知覚指数と対応した画像信号に対しダイナミックレンジ変換を行うによって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、各画像出力手段に応じた自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0174】
上述したように、請求項37記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、知覚指数と対応した画像信号に対しダイナミックレンジ変換を行うによって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力手段間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を得ることができる。
【0175】
上述したように、請求項38記載の発明によれば、ある画像処理手段に適した処理を施した画像信号を記憶し、記憶された画像信号に対して、指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施すことができるので、異なる画像出力手段間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理方法の概要図である。
【図3】第1の非線形画像信号変換処理を説明する図である。
【図4】ダイナミックレンジ変換処理を説明する図である。
【図5】第2の非線形画像信号変換処理を説明する図である。
【図6】第1の実施の形態における画像処理の概略図である。
【図7】第2の実施の形態における画像処理の概略図である。
【図8】画像出力装置に係る出力階調特性とJNDIレンジとの関係を表す図である。
【図9】ダイナミックレンジ変換のパラメータの決定方法の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の効果を示す画像信号ヒストグラムである。
【図11】第2の実施の形態の効果を画像信号プロファイルを用いて説明する図である。
【図12】第3の実施の形態における画像処理の概略図である。
【図13】第4の実施の形態に係る画像出力システムの概略図である。
【図14】官能評価実験結果を示す図表である。
【符号の説明】
1 画像処理装置
2 CPU
3 ROM
4 RAM
5 画像信号入力部
6 画像信号出力部
7 画像処理部
8 バス
9,10 画像出力装置
11,12,13 画像入力装置
14 画像信号保持装置
15 画像出力システム
16 画像記憶装置
17 指示装置
18 病院内ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像出力方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体及び画像出力システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩感光材料からなる放射線写真フィルムを使用しないで医用放射線画像情報を得る方法が工夫されるようになった。例えば、輝尽性蛍光体を主体とするイメージングプレートを用い、放射線画像を輝尽性蛍光体に蓄積後、励起光を用いて輝尽発光光として取り出し、この光を光電変換することによって画像信号を得る放射線画像読取装置(Computed Radiography;以下、CRという。)が普及してきている。
【0003】
また、最近では放射線蛍光体や放射線光導電体とTFT(Thin Film Transistor)スイッチング素子などの2次元半導体検出器を組み合せて放射線画像情報を読み取る装置(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)も提案されている。
さらに、X線コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography;以下、X線CT装置という。)や磁気共鳴画像形成装置(Magnetic Resonance Imaging;以下、MRI装置という。)など単純X線撮影以外の放射線画像入力装置も普及している。これらの医用画像入力装置は画像情報をデジタル信号の形で提供することが多い。
【0004】
これらの医用画像を診断する際には、透過記録媒体及び/又は反射記録媒体に画像情報を記録してハードコピーの形で観察する方法が多く用いられている。医用画像情報を記録媒体に記録する医用画像記録装置としては、銀塩記録材料を用いた透過記録媒体上にレーザ光等を用いて露光し、潜像を得た後に、現像剤処理又は加熱処理を経て画像を記録する方式が良く用いられている。この方式によれば、モノクロ多階調の画像を優れた階調性で描写できるとともに、透過媒体に記録して透過光で観察することによって高い診断能が得られる。
【0005】
ところが、近年、画像出力装置における画像出力性能の飛躍的向上によって、様々な手段を用いて医用画像を出力し、診断することが可能になってきた。例えば、高輝度・高精細表示が可能となりつつある液晶ディスプレイ、インクジェット方式やサーマル方式等に代表される画像記録装置が挙げられる。
【0006】
また、医用画像出力形態の多様化に伴い、画像診断形態も多様になることが予想される。放射線写真フィルムを用いる従来の形態は存続しつつ、画像表示装置(いわゆる、ディスプレイ装置)により表示した医用画像を用いて診断を行い、必要に応じて小型プリンタ等を用いて画像をプリントする診断形態も今後は増加することが予想される。
【0007】
画像診断形態の多様化により、一定の観察条件下で同一の出力形態で出力された画像を観察するよりも、様々な画像出力装置で出力された画像を、様々な観察条件下で観察する頻度が高くなると考えられる。さらに、透過画像/反射画像の選択、モノクロ/カラーの選択、使用目的、観察条件又は観察者の嗜好等によって、観察者が要求する階調特性は大きく異なる場合がある。
【0008】
そこで、CRT(Cathode Ray Tube)等の発光表示装置に外光レベルを検出する検出手段と、その検出結果に基づいて表示階調特性を補正する手段を備え、画像観察環境に応じて出力階調補正を行う画像出力装置及び画像出力方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−190170号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画像出力形態の違いにより、階調表現能(出力レンジ)が大きく異なる場合がある。例えば、最高出力光学濃度3.0を有する透過画像に係る画像データを階調補正することにより、最高出力光学濃度2.0を有する反射画像を前記透過画像と同じように見せる場合を考える。透過画像と反射画像との階調表現能の違いから、視覚感度に対して線形になるような単なる出力階調補正では、画像全体における輝度コントラストの低下を招くことになる。場合によっては、極めて低いコントラストを有する画像であるために、透過画像においてかろうじて検出することができた腫瘍が、反射画像において検出できなくなってしまう。このコントラストの低下を改善する方法として、一部の光学濃度域において階調度を高くする方法が考えられるが、画像全体の階調バランスを損ねる場合があり、好ましくない。
【0011】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、異なる画像観察条件又は異なる画像出力特性を有する画像出力装置に応じて、適正な階調特性に基づいて画像を出力する画像処理装置、画像処理方法、画像出力方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体及び画像出力システムを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す第1の非線形画像信号変換処理手段と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施すダイナミックレンジ変換処理手段と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す第2の非線形画像信号変換処理手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
請求項1記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0024】
請求項7記載の発明は、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す第1の非線形画像信号変換処理手段と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施すダイナミックレンジ変換処理手段と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す第2の非線形画像信号変換処理手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置である。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0026】
請求項8記載の発明は、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施すことを特徴とする画像処理方法である。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0028】
請求項9記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法である。
【0029】
請求項9記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0030】
請求項10記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理方法である。
【0031】
請求項10記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0032】
請求項11記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像処理方法である。
【0033】
請求項11記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0034】
請求項12記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像処理方法である。
【0035】
請求項12記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0036】
請求項13記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の画像処理方法である。
【0037】
請求項13記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0038】
請求項14記載の発明は、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施すことを特徴とする画像処理方法である。
【0039】
請求項14記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0040】
請求項15記載の発明は、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施して、第2の非線形画像信号変換により得られた画像信号を出力することを特徴とする画像出力方法である。
【0041】
請求項15記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0042】
請求項16記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項15に記載の画像出力方法である。
【0043】
請求項16記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0044】
請求項17記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項15又は16に記載の画像出力方法である。
【0045】
請求項17記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0046】
請求項18記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の画像出力方法である。
【0047】
請求項18記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0048】
請求項19記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の画像出力方法である。
【0049】
請求項19記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0050】
請求項20記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか一項に記載の画像出力方法である。
【0051】
請求項20記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0052】
請求項21記載の発明は、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施して、第2の非線形画像信号変換により得られた画像信号を出力することを特徴とする画像出力方法である。
【0053】
請求項21記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0054】
請求項22記載の発明は、画像信号を画像処理するコンピュータに、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0055】
請求項22記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0056】
請求項23記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項22に記載のプログラムである。
【0057】
請求項23記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0058】
請求項24記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項22又は23に記載のプログラムである。
【0059】
請求項24記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0060】
請求項25記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載のプログラムである。
【0061】
請求項25記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0062】
請求項26記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載のプログラムである。
【0063】
請求項26記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0064】
請求項27記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項22〜26のいずれか一項に記載のプログラムである。
【0065】
請求項27記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0066】
請求項28記載の発明は、画像信号を画像処理するコンピュータに、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0067】
請求項28記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0068】
請求項29記載の発明は、画像信号を画像処理するコンピュータに、第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0069】
請求項29記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0070】
請求項30記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項29に記載の記録媒体である。
【0071】
請求項30記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0072】
請求項31記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項29又は30に記載の記録媒体である。
【0073】
請求項31記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0074】
請求項32記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項29〜31のいずれか一項に記載の記録媒体である。
【0075】
請求項32記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0076】
請求項33記載の発明は、前記ダイナミックレンジ変換は、Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項29〜31のいずれか一項に記載の記録媒体である。
【0077】
請求項33記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0078】
請求項34記載の発明は、前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項29〜33のいずれか一項に記載の記録媒体である。
【0079】
請求項34記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0080】
請求項35記載の発明は、画像信号を画像処理するコンピュータに、画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0081】
請求項35記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0082】
請求項36記載の発明は、医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、各画像出力手段の階調表現能に対応して、画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、がネットワーク接続された画像出力システムであって、前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記画像入力手段により取得された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、可視化するようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システムである。
【0083】
請求項36記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、知覚指数と対応した画像信号に対しダイナミックレンジ変換を行うによって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、各画像出力手段に応じた自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0084】
請求項37記載の発明は、医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、各画像出力手段の階調表現能に対応して、第1の画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、がネットワーク接続された画像出力システムであって、前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記画像入力手段により取得された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、画像出力手段の特性によらず一定の可視画像を得るようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システムである。
【0085】
請求項37記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、知覚指数と対応した画像信号に対しダイナミックレンジ変換を行うによって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力手段間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を得ることができる。
【0086】
請求項38記載の発明は、医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、一の画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記一の画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、前記画像処理手段により得られた画像信号を記憶する記憶手段と、がネットワーク接続された画像出力システムであって、前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記記憶手段により記憶された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、画像出力手段の特性によらず一定の可視画像を得るようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システムである。
【0087】
請求項38記載の発明によれば、ある画像処理手段に適した処理を施した画像信号を記憶し、記憶された画像信号に対して、指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施すことができるので、異なる画像出力手段間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を得ることができる。
【0088】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0089】
[用語の定義]
まず、本実施の形態において用いられる主要な用語を明確に定義する。
「光学濃度(以下、単に「濃度」ということもある。)」とは、画像の濃淡を表す光学物理量であり、写真業界において通常用いられている光学濃度をいう。具体的には、透過濃度Dt=−log10T(Tは光透過率)、又は反射濃度Dr=−log10R(Rは光反射率)で定義されるものである。本発明は、透過濃度及び反射濃度の両方において適用し得るため、別段の指定がない限り、濃度とは透過濃度又は反射濃度のいずれかを表すものとする。また、画像が有する濃度とは、記録媒体に付着する記録材に起因する濃度と、記録媒体に起因する濃度と、を含む画像全体の濃度を指すものとする。例えば、本実施の形態では、PDA−65(コニカ株式会社製)を用いて濃度測定を行った。
【0090】
「明度」とは、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage;国際照明委員会)が1976年に推奨したCIE−LAB表色系における明度であって、視覚的な濃淡の程度を表す心理物理量のひとつである。
「輝度」とは、与えられた方向に投影される単位面積当りの輝度強度であって、単位はcd/m2である。本実施の形態で測定に使用した輝度計はBM−9(株式会社トプコン製)であり、測定角1°とした。
「照度」とは、単位面積当りの入射光束であって、単位はlxである。例えば、照度計として、IM−5M(株式会社トプコン製)が用いられる。
【0091】
「JND(Just-Noticeable Difference)」とは、弁別域ともいい、与えられた観察条件のもとで、平均的観察者が丁度(最小)識別可能である与えられたターゲットの輝度差をいう。
「JNDインデックス(以下、JNDIという。)」とは、JNDIにおける1ステップがJNDである輝度差に帰着するように求められた知覚指数である。すなわち、平均的観察者が等間隔の「明るさ」として認識する指標である。DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)(PS3.14-1999;巻14)においてはBartenモデルを採用し、グレースケール標準表示関数(Grayscale Standard Display Function;以下、GSDFという。)として定義している。
【0092】
「画像信号」とは、画像を表す電磁気的信号であり、アナログ(連続値)であるかデジタル(離散値)であるかは問わない。画像信号が離散値である場合、画像信号Sは、Smaxを画像信号における最大画像信号値として、0≦S≦Smaxの範囲にある整数のうちいずれかの値を取る。画像信号がNビット階調を形成する画像信号であるとき、Smax=2N−1である。
【0093】
「透過画像」とは、一般的に「透過観察用画像」を意味するものであって、「透過画像観察形態」にて画像を観察する方法がより好ましい画像である。なお、「透過画像観察形態」とは、画像背面に高輝度で発光する性能を備える補助光源(いわゆるバックライト)を配置し、その補助光源から発せられて画像を透過する透過光を主に利用して画像を観察する形態をいう。また、「透過記録媒体」とは、透過画像として観察することを主目的とする記録媒体である。
「反射画像」とは、一般的に「反射観察用画像」を意味するものであって、「反射画像観察形態」にて画像を観察する方法がより好ましい画像である。なお、「反射画像観察形態」とは、画像前面に補助光源を配置し、その補助光源から発せられて画像を反射する反射光を主に利用して画像を観察する形態をいう。また、「反射記録媒体」とは、反射画像として観察することを主目的とする記録媒体である。
【0094】
「画像出力装置に係る出力階調特性」とは、画像出力装置に入力される画像信号値と、画像出力装置によって出力される出力画像に係る物理量(心理物理量も含む。)との関係を表す特性をいう。出力画像に係る物理量とは、具体的には、濃度、輝度等の光学物理量であり、明度、JNDI等の心理物理量(知覚指数)でも構わない。また、「出力階調特性曲線」とは、画像出力装置に入力する画像に係る画像信号値を横軸(X軸)とするとき、画像出力装置によって出力される出力画像に係る物理量(心理物理量も含む。)を縦軸(Y軸)とする画像出力特性曲線をいい、一般的には「γーLUT(ルックアップテーブル)」という。
【0095】
「略同可視化」とは、同一の観察者が、所定の画像出力装置により出力された画像を所定の画像観察条件において観察するときの可視感と、他の画像出力装置又は他の画像観察条件において観察するときの可視感と、が略一致するように画像を可視化することをいう。なお、「略同可視化」は、単に出力階調特性が略一致するように見せるだけではなく、画像の描写能を損ねることがないように画像を変形することを含むものとする。
【0096】
[画像処理装置の機能的構成]
図1に、本実施の形態における画像処理装置の機能的構成を示す。図1に示すように、画像処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、画像信号入力部5、画像信号出力部6、画像処理部7等を備えて構成され、各部はバス8により接続されている。
【0097】
CPU2は、画像信号入力部5から入力される画像信号に対して、ROM3に記録されている画像処理装置1に対応する各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM4のワークエリアに展開し、上記プログラムとの協働によって各種処理を実行し、その処理結果をRAM4の所定の領域に格納する。画像信号に対して最終的な処理が実行されると、CPU2は、処理済画像信号を画像信号出力部6から出力する。
【0098】
ROM3は、不揮発性の半導体メモリで構成される。ROM3は、CPU2により実行されるプログラムやデータ等を記憶している。
【0099】
RAM4は、書き換え可能な半導体素子で構成される。RAM4は、データが一時的に保存される記憶媒体であり、CPU2が実行するためのプログラムを展開するためのプログラムエリア、画像信号入力部5から入力されるデータやCPU2による各種処理結果等を保存するためのデータエリア、等が形成される。
【0100】
画像信号入力部5は、画像入力装置(撮影機器)と接続し、画像入力装置から入力された画像信号を受信する。
画像信号出力部6は、画像出力装置へ画像信号を出力する。
【0101】
画像処理部7は、画像信号入力部5から入力された画像信号に画像処理を行う。この画像処理は、ROM3に格納された各種プログラムとCPU2との協働によってソフトウェア処理で実現される。
【0102】
[共通の画像処理の概要]
次に、画像処理部7が実行する本実施の形態に共通の画像処理の概要について説明する。
図2は、本実施の形態に係る画像処理方法の概要図である。まず第1の非線形画像信号変換処理を実行し、次にダイナミックレンジ変換処理を実行し、続いて第2の非線形画像信号変換処理を実行する。
なお、動作説明の前提として、以下に記述されている各処理を実現するためのプログラムは、画像処理装置1のCPU2が読み取り可能なプログラムの形態でROM3に格納されており、CPU2は、当該プログラムに従った動作を逐次実行する。
【0103】
<第1の非線形画像信号変換処理>
まず、第1の非線形画像信号変換処理について説明する。画像信号に対して第1の非線形画像信号変換処理を施すことにより、変換後の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するようにする。ここで、「知覚指数と対応する」とは、画像信号における1ステップが、平均的観察者が出力画像を観察するときに等間隔の「明るさ」として認識されることを意味する。
【0104】
「画像信号変換処理」とは、入力された画像信号に対して新たな画像信号を出力する処理をいい、関数を用いた連続値的な画像信号変換でも、LUTを用いた離散値的な画像信号変換でもよい。また、「非線形画像信号変換処理」とは、非線形関数又は非線形LUTに基づいて実行される画像信号変換処理である。
【0105】
JNDIに基づいて画像信号変換処理を施す場合、画像表面近傍における光学物理量を求めて、画像信号変換に用いるLUT又は関数を予め作成する必要がある。光学物理量とは、輝度、照度、光学濃度等が該当するが、一般的には輝度又は光学濃度が用いられる。画像表面近傍における輝度若しくは光学濃度は、輝度計若しくは光学濃度計を用いて測定することができる。ただし、画像表示装置においては、光学濃度を測定するのは困難なため、光学物理量として輝度が用いられることが多い。
また、光学濃度と画像観察条件情報とに基づいて輝度を見積もることができる。なお、「画像観察条件情報」とは、画像を観察する際の観察条件に関する情報又は観察形態そのものに関する情報、その他必要な情報をいう。例えば、周囲照度に起因する輝度(外光の輝度)La、補助光源(バックライト)の輝度Lo、記録媒体に係る光学濃度、等が挙げられる。画像に係る濃度等から知覚指数を一意に特定できる情報が好ましい。画像観察条件情報は、例えば輝度の場合は、他の検出手段により測定した実測値でも、概算値でも構わない。
光学濃度Dに対応した輝度を見積もる式として、例えば、L=La+Lo・10-Dを用いることができる。ここで、Laは周囲照度に起因する輝度、Loはバックライトの輝度である。
【0106】
画像に係る濃度に対応する輝度を求め、さらに、輝度からJNDIへの変換式に基づいてJNDIを求めることができる。JNDあるいはJNDIに関するモデルとしては、Bartenモデル、Weberモデル(中輝度領域で適用可能)、De Vries-Roseモデル(低輝度領域で適用可能)、あるいはT.Jiモデル等、様々な数理モデルが提案されている。Bartenモデルは、数学的記述によって構築された視覚系の生理学モデルである。なお、輝度からBarten−JNDIへの変換式はBlumeらによる近似式が良く用いられている。また、JNDIは、数理モデルによるものでも、官能評価等によって実験的又は経験的に見出された数値でも構わない。さらに、特定のJNDIのみを用いるのではなく、場合によっては、より視覚特性に適合したモデルを用いることが好ましい。また、LUTを求めるために用いる光学物理量は輝度でも照度でもよい。いずれの態様にせよ、本処理により、視覚特性への相関が高くなる指標を選択することが望ましい。
【0107】
さらに、1種類の知覚指数に基づいて上記LUTないし関数を作成することもできるが、画像観察形態に応じてより適した知覚指数モデルを選択することも好ましい態様である。例えば、反射画像のように出力画像に係る輝度範囲が低輝度域に多く分布する場合においてはDe Vries-Roseモデル又は明度を基準にすることが好ましく、透過画像のように出力画像に係る輝度範囲が低輝度域から高輝度域に広く分布する場合においては、Bartenモデルを基準にすることが好ましい。また、各モデルにおける知覚指数そのものを扱ってもよいが、必要に応じて知覚指数を線形変換(1次変換)した数値を用いることもできる。
【0108】
図3は、第1の非線形画像信号変換処理の一例を説明する図である。
図3において、画像信号S(0)を画像出力装置9に入力すると、画像出力装置9の出力特性に基づいて、出力画像A0が得られる。画像出力装置9は、画像信号に対して直線的な出力濃度階調特性を有しているものとする。図3(a)に、画像信号S(0)に対する出力画像A0の出力濃度Dを示す。画像信号S(0)に対してJNDIをプロットすると、図3(b)に示すように、右下がりで下に凸となる非線形特性を有している。
【0109】
そこで、画像信号S(0)に対し、画像処理装置1は第1の非線形画像信号変換処理を実行する。第1の非線形画像信号変換処理により、図3(c)に示すような非線形LUTに従って画像信号S(0)は画像信号S(1)へ変換される。この変換後の画像信号S(1)を画像出力装置9にて出力した画像を出力画像A1とする。画像信号S(0)に対する出力画像A1の出力濃度D及びJNDIを、図3(d)、(e)に示す。第1の非線形画像信号変換処理によって、知覚的にリニアな出力階調特性を得ることができる。なお、非線形画像信号変換処理は、画像信号から指標値そのものへの変換でもよいし、画像信号から指標値の1次関数となるような数値への変換でもよい。また、図3では知覚指数としてJNDIを用いたため、値が小さくなるほど暗く、値が大きくなるほど明るくなるような知覚指数であるが、その逆(値が小さくなるほど明るく、値が大きくなるほど暗くなる)であってもよい。また、知覚指数として、JNDIに限らず明度を用いてもよい。
このように、画像信号を知覚指数と対応させることにより、以後の画像処理に対し、視覚感度に適合した自然な画像処理結果を得ることが可能になる。
【0110】
<ダイナミックレンジ変換処理>
次に、ダイナミックレンジ変換処理について説明する。なお、ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、変換される画像信号、画像観察条件情報、前述した第1の非線形画像信号変換処理における画像出力装置に係る出力階調特性や知覚指数レンジ、又は後述する第2の非線形画像信号変換処理における画像出力装置に係る出力階調特性や知覚指数レンジに基づいて決定する。ここで、「画像出力装置に係る知覚指数レンジ」とは、画像出力装置によって出力される出力画像における知覚指数の上下限の範囲をいう。
【0111】
図4は、ダイナミックレンジ変換処理の概要を説明する図である。ダイナミックレンジ変換処理とは、所定の画像信号域における画像コントラストを維持しつつダイナミックレンジを変調させる画像処理方法であり、様々な分野で広く用いられている。この画像処理は、ソフトウェア又はハードウェアのいずれかの手段を用いて実現することができる。ダイナミックレンジ変換処理を施すために用いる演算式は、特開平3−222577号公報等で開示されるように、
Sproc=Sorg+F(Susm) (1)
が最も一般的である。なお、Sprocは処理済画像信号、Sorgは原画像信号、Susmは非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)は非線形関数、をそれぞれ表す。
【0112】
図4(a)は、非線形関数F(S)における一般的な関数であって、低画像信号域及び高画像信号域におけるダイナミックレンジを圧縮又は拡大する形態である。非線形関数F(S)の勾配−βL及び−βHの大小によってダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件が決定される。画像信号S=0における非線形関数F(S)の値をΔSL、画像信号S=Smaxにおける非線形関数F(S)の値を−ΔSHとする。なお、βL>0の場合は低画像信号域におけるダイナミックレンジが圧縮され、βL=0の場合は低画像信号域におけるダイナミックレンジは変化せず、βL<0の場合は低画像信号域におけるダイナミックレンジが拡大される。
【0113】
図4(b)は、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域を示す図である。注目画素(i,j)を中心とした3画素×3画素における画像信号領域での画素平均値をもってSusmとすることができる。なお、Susmの算出方法は、画像信号領域における画素平均値に限らず、2次元加重フィルタ、メジアンフィルタ、ハイブリッドメジアンフィルタ等、様々な形態を適用することができる。また、注目画素を中心とした画像信号領域の範囲を種々変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を自由に制御することができる。
【0114】
図4(c)は、ダイナミックレンジ圧縮による画像信号ヒストグラムの変化を表す図である。ダイナミックレンジ変換処理前及び処理後における画像信号をそれぞれS(1)、S(2)とする。ダイナミックレンジ変換処理を施すことにより、低画像信号域におけるダイナミックレンジが圧縮されている。なお、画像処理後におけるダイナミックレンジの広さはダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件によって決定される。「ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件」とは、ダイナミックレンジ変換処理の演算式を決定するために必要な諸条件をいい、具体的には、前記式(1)において勾配−βH、−βL、マスクサイズ、及び非鮮鋭画像信号Susmの算出方法等の画像処理パラメータに相当するが、他の演算式においてはこの限りではない。
【0115】
図4(d)は圧縮度決定方法の一例を示す図である。JNDIレンジによって、非線形関数F(S)の勾配の絶対値βL、βHの値をそれぞれ決定している。JNDIレンジとは、最大JNDIをJNDImax、最小JNDIをJNDIminとして、JNDImax−JNDIminをいう。このJNDIレンジが大きいほど画像出力装置において階調表現能が高いことを示す。なお、画像出力装置に係る「階調表現能」とは、単に画像出力装置の出力性能のみをさす場合、本実施の形態のように画像観察条件をも含めた出力性能をさす場合、が考えられるが、どちらでもよい。具体的には、画像として出力可能な濃度範囲(最低濃度〜最高濃度)を「階調表現能」としてもよいし、画像として出力可能な知覚指数範囲(例えば、最低JNDI〜最高JNDI)を「階調表現能」としてもよい。また、階調数(例えば、4096階調)も「階調表現能」の一種であるし、これらに限られない。
画像出力装置特性又は画像観察条件情報に基づいてJNDIレンジを算出し、低JNDI域、高JNDI域のうちいずれか一方を圧縮してもよいし、低JNDI域及び高JNDI域を同時に圧縮してもよい。画像信号ヒストグラムに基づいて圧縮度を決定してもよい。
【0116】
このように、図4に示すような非線形関数F(S)を用いたダイナミックレンジ変換を行うことにより、画像信号が低空間周波数を有し、かつ、低画像信号域若しくは高画像信号域に属する場合にはダイナミックレンジが圧縮され、画像信号が比較的高空間周波数を有する場合、又は画像信号が中間画像信号域に属する場合にはダイナミックレンジが圧縮されない。したがって、鮮鋭画像信号の変化がないため、画像コントラストを維持することができる。
【0117】
ダイナミックレンジ変換処理の前に、画像信号に対し予め知覚的リニアになるような画像信号変換を行っているため、観察者にとってより自然な階調特性を有するようなダイナミックレンジ変換効果を得ることができる。
【0118】
<第2の非線形画像信号変換処理>
次に、第2の非線形画像信号変換処理を施すことにより、画像信号を画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換することができる。「画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように」とは、画像出力装置によって出力される出力画像において、知覚指数を実現するように、という意味である。第2の非線形画像信号変換処理は、第1の非線形画像信号変換処理の逆変換に相当する。
【0119】
図5は、第2の非線形画像信号変換処理を説明する図である。画像信号S(0)に対して、第1の非線形画像信号変換処理、ダイナミックレンジ変換処理を順に施した画像信号S(2)について考える。画像信号S(2)を画像出力装置10に入力すると、画像出力装置10の出力特性に基づいて出力画像A2が得られる。画像出力装置10は、画像信号に対して直線的な出力濃度階調特性を有しているものとする。画像信号S(2)は、画像信号S(0)に対して、1回、非線形画像信号変換処理を施してあるため、図5(a)に示すように、画像信号に対して非線形的な出力濃度階調特性が得られる。ただし、図5(b)に示すように、JNDIに対応した出力階調特性を有している。
画像信号S(2)に対し、画像処理装置1は第2の非線形画像信号変換処理を実行する。第2の非線形画像信号変換処理により、図5(c)に示すような非線形LUTに従って画像信号S(2)は画像信号S(3)へ変換される。この変換後の画像信号S(3)を画像出力装置10にて出力した画像を出力画像A3とする。画像信号S(0)に対する出力画像A3の出力濃度D及びJNDIを、図5(d)、(e)に示す。第2の非線形画像信号変換処理により、知覚指数に対応している画像信号を、画像出力装置10にて出力される画像上において知覚指数を実現するように、換言すれば、画像出力装置10にて出力される画像上において前記知覚指数に対応する光学物理量(輝度等)を実現するように変換することができる。
【0120】
[第1の実施の形態]
図6は、第1の実施の形態における画像処理の概略図である。第1の実施の形態として、画像入力装置(撮影機器)11を用いて被写体を撮像して取得された画像信号に対し、各画像出力装置A,B,Cに適した出力画像を得るための画像処理方法について説明する。
画像入力装置11はCR、画像出力装置Aは銀塩方式のプリンタ、画像出力装置Bはインクジェットプリンタ、画像出力装置Cは液晶モニタである。
【0121】
画像情報に基づいて、画像入力装置11が電気的な画像信号を生成し、画像信号が画像処理装置1に入力される。画像処理装置1は、画像処理部Aにて、入力された画像信号に対して、画像出力装置Aに適した第1の非線形画像信号変換処理を行う。次に、第1の非線形画像信号変換処理後の画像信号に対して、ダイナミックレンジ変換処理を行う。続いて、画像出力装置Aに適した第2の非線形画像信号変換処理を行う。そして、画像出力装置Aから出力画像Aが出力される。
【0122】
同様に、各画像出力装置B,Cに対しても、それぞれ、画像処理部B,Cにて、各画像出力装置B,Cに適した第1の非線形画像信号変換処理、ダイナミックレンジ変換処理、第2の非線形画像信号変換処理が行われる。そして、画像出力装置Bから出力画像Bが出力され、画像出力装置Cから出力画像Cが出力される。
【0123】
以上の画像変換処理により、画像出力装置Aを用いて画像を出力する際には、画像出力装置Aに適した出力画像を得ることができる。また、画像出力装置Bを用いて画像を出力する際には、画像出力装置Bに適した出力画像を得ることができる。また、画像出力装置Cを用いて画像を出力する際には、画像出力装置Cに適した出力画像を得ることができる。
【0124】
[第2の実施の形態]
次に、ある画像出力装置を用いて出力するのに適した出力階調特性を、他の画像出力装置で実現するように出力するための画像処理を施す方法について説明する。例えば、通常は画像表示装置によって医用画像を診断しているが、必要に応じてプリンタで出力する場合に相当する。この際、両者の出力画像が一致して見えることが最も好ましい。
しかし、階調表現能の異なる画像出力装置間において、画像を同一に可視化することは不可能であるため、それに似せた出力階調特性を有するように可視化することが好ましい。特に、主要な出力濃度域における描写能を損なうことなく、画像を出力できることが好ましい。
【0125】
図7は、第2の実施の形態における画像処理の概略図である。画像情報に基づいて、画像入力装置12が電気的な画像信号を生成する。生成された画像信号は、画像処理装置1において画像処理された後、各画像出力装置A,B,Cによって画像が出力される。画像出力装置Aにより出力される画像を想定し、画像処理を施す場合を考える。
画像入力装置12はCR、画像出力装置Aは銀塩方式のプリンタ、画像出力装置Bはインクジェットプリンタ、画像出力装置Cは液晶モニタである。
【0126】
図8は、画像出力装置に係る出力階調特性とJNDIレンジとの関係を表す図である。図8(a)は、最大出力光学濃度3.0を実現する画像出力装置Aに係る出力濃度階調特性である。画像観察条件情報を考慮して画像出力装置Aに係る出力濃度階調特性をJNDIに換算すると、図8(b)に示すように、JNDImax=900、JNDImin=250である。図8(c)は、最大出力光学濃度2.0を実現する画像出力装置Bに係る出力濃度階調特性である。観察条件情報を考慮してBに係る出力濃度階調特性をJNDIに換算すると、図8(d)に示すように、JNDImax=500、JNDImin=50である。画像出力装置Aに係るJNDIレンジはJNDIrange=650、画像出力装置Bに係るJNDIレンジはJNDIrange=450で、画像出力装置Aの方が画像出力装置Bより階調表現能が優れていることがわかる。したがって、この画像信号に対しダイナミックレンジ変換処理等を施す場合、画像信号と知覚指数との非線形特性のため、所望の画像処理結果が得られないことがある。
本実施の形態においては、画像出力装置Aに適した画像処理を行った画像信号を用いて、画像出力装置Bに適する画像を出力することを目的とする。まず、第1の非線形画像信号変換処理により、変換後出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換し、次に、ダイナミックレンジ変換処理により、画像出力装置Bに相当するJNDIレンジに調整し、第1の非線形画像信号変換処理により、画像出力装置Bに係る出力階調特性に適合するように画像信号を変換する。
【0127】
図7に示すように、画像処理装置1は、画像処理部Aにて、入力された画像信号に対して、画像出力装置Aに適した第1の非線形画像信号変換処理を行い、次に、ダイナミックレンジ変換処理を行い、画像出力装置Aに適した第2の非線形画像信号変換処理を行い、画像出力装置Aから出力画像Aを出力する。
【0128】
画像処理装置1は、画像処理部Bにて、入力された画像信号に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理を行う。次に、第1の非線形画像信号変換処理後の画像信号に対して、画像観察条件情報、画像出力装置A,Bに関する情報、又は原画像信号に係る情報、に基づいてダイナミックレンジ変換処理を行い、画像出力装置Bに相当するダイナミックレンジに調整する。続いて、画像出力装置Bに適した第2の非線形画像信号変換処理を行う。
【0129】
図9に、ダイナミックレンジ変換のパラメータの決定方法の一例を示す。ダイナミックレンジ変換のパラメータは、画像観察条件情報、画像出力装置に関する情報又は画像処理情報によって決定される。
画像出力装置に関する情報とは、記録方式、記録媒体の種類、記録材の種類、出力階調特性に係るγ−LUT、最高出力濃度、最低出力濃度、知覚指数レンジ等をいう。
画像処理情報とは、処理する画像信号が画像処理されていないか、あるいは、どのような画像処理が施されているか、の情報をいう。
画像出力能の違いを考慮し、出力能が低い画像出力装置に対しても画像診断能を維持するためには、JNDIレンジの減少につれてダイナミックレンジ圧縮度が増加することが好ましい。
【0130】
図10は、本画像処理による効果を説明する。図10は、画像処理の効果を示す画像信号ヒストグラムである。画像出力装置Aにおける出力画像と、画像出力装置Bにおける出力画像とを似せて見せるように画像処理を施したときにおける画像信号ヒストグラムである。横軸は画像信号値、縦軸はピクセル数を示す。
【0131】
図10(a)は、第1の非線形画像信号変換処理を示す図である。画像出力装置Aにおいて光学濃度Dがリニアである画像信号S(0)から、知覚的リニアな画像信号S(1)になるように画像信号を変換する。図10(b)は、ダイナミックレンジ変換処理による画像信号S(1)と画像信号S(2)の変化を示す図である。画像信号S(1)における高信号値域を圧縮することにより、自然な階調を有した状態でダイナミックレンジが圧縮される。図10(c)は、第2の非線形画像信号変換処理による画像信号S(2)から、画像出力装置Bにおいて知覚指数を実現する画像信号S(3)への変換を示す図である。
【0132】
次に、図11を参照して、画像信号プロファイルを用いて、本画像処理による効果を説明する。図11は、画像出力装置Aにおける出力画像((a1)、(b1)、(c1))と、画像出力装置Bにおける出力画像((a2)、(b2)、(c2))とを似せて見せるように画像処理を施して、画像を出力したときの模式図である。
図11(a2)は、従来技術として、画像信号に階調変換処理のみを施した場合を表す。画像が有する周波数特性によらず、一様にコントラストを低下させるため、高空間周波数域を有する構造のコントラストも一律に低下し、検出されない可能性がある。
図11(b2)は、従来技術として、ダイナミックレンジ変換処理のみを施した場合を表す。微細構造のコントラストを維持することができるが、反射画像では不自然な強調に見えてしまう。
図11(c2)は、本発明に係る画像処理を施した場合を表す。画像の階調バランスを維持しつつ、微細構造のコントラストを維持し、反射画像では自然な階調に見える。
【0133】
同様に、画像出力装置Cに対しても、画像処理部Cにて、入力された画像信号に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理を行う。次に、第1の非線形画像信号変換処理後の画像信号に対して、画像観察条件情報、画像出力装置A,Cに関する情報、又は原画像信号に係る情報、に基づいてダイナミックレンジ変換処理を行う。続いて、画像出力装置Cに適した第2の非線形画像信号変換処理を行う。
【0134】
以上の画像変換処理により、画像出力装置B、Cで画像を出力する際に、画像出力装置Aにおける出力画像と良く似た出力画像を得ることができる。
【0135】
[第3の実施の形態]
次に、ある画像出力装置を用いて出力するのに適したように画像処理を施した画像信号を、他の画像出力装置で出力するための画像処理を施す方法について説明する。例えば、診断画像を記録するための画像出力装置に適した画像信号を記憶媒体によって保存しておき、必要に応じてプリンタで出力する場合に相当する。この際、両者の出力画像が一致して見えることが最も好ましい。
しかし、階調表現能の異なる画像出力装置間において、画像を同一に可視化することは不可能であるため、それに似せた出力階調特性を有するように可視化することが好ましい。特に、主要な出力濃度域における描写能を損なうことなく、画像を出力できることが好ましい。
【0136】
図12は、第3の実施の形態における画像処理の概略図である。画像情報に基づいて、画像入力装置13が電気的な画像信号を生成する。生成された画像信号は、画像処理装置1において画像処理された後、各画像出力装置A,B,Cによって画像が出力される。
画像入力装置13はCR、画像出力装置Aは銀塩方式のプリンタ、画像出力装置Bはインクジェットプリンタ、画像出力装置Cは液晶モニタである。
【0137】
第1の実施の形態と同様の画像出力装置Aに適した画像処理を施し、その処理された画像信号を画像信号保持装置14により一旦保持する場合を考える。保持された画像信号を用いて画像出力装置Aで画像を出力すると、診断に適した出力画像Aを得ることができる。
【0138】
画像処理装置1は、画像処理部Bにて、画像信号保持装置14により保持されている画像出力装置Aに適した画像処理を施された画像信号に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理を行う。次に、第1の非線形画像信号変換処理後の画像信号に対して、画像観察条件情報、画像出力装置A,Bに関する情報、又は原画像信号に係る情報、に基づいてダイナミックレンジ変換処理を行い、画像出力装置Bに相当するダイナミックレンジに調整する。続いて、画像出力装置Bに適した第2の非線形画像信号変換処理を行う。そして、処理された画像信号に基づいて画像出力装置Bにて画像を出力すると、画像出力装置Aにおける出力画像と良く似た出力画像Bを得ることができる。
【0139】
同様に、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて画像出力装置Cに適した画像処理を施し、処理された画像信号に基づいて画像出力装置Cで画像を出力すると、画像出力装置Aにおける出力画像と良く似た出力画像Cを得ることができる。
【0140】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態として、複数の画像入力装置に対応して複数の画像出力装置により画像を出力する画像出力システムについて説明する。
図13は、第4の実施の形態に係る画像出力システムの概略図である。図13に示すように、画像出力システム15は、画像処理装置1と、画像入力装置A,B,Cと、画像出力装置A,B,Cと、画像記憶装置16と、指示装置17と、から構成され、病院内ネットワーク(HIS;Hospital Information System)18を介して互いに接続している。画像出力システム15は、出力階調特性又は画像観察条件の異なる複数の画像出力装置を用いて医用画像を出力するシステムである。
【0141】
画像入力装置AはCR、画像入力装置BはFPD、画像入力装置CはX線CT装置であり、画像出力装置Aは銀塩方式のプリンタ、画像出力装置Bはインクジェットプリンタ、画像出力装置Cは液晶モニタである。
【0142】
この画像出力システム15により、例えば、X線照射量に対して線形的な画像信号を生成する画像入力装置と、対数的な画像信号を生成する画像入力装置が混在している場合にも、それに応じて、既存の画像処理を組み合わせて、画像観察条件に応じた画像処理を施すことができる。また、画像出力装置の出力階調特性又は画像観察条件に応じて、異なる非線形画像信号処理およびダイナミックレンジ変換処理を施すことにより、所望の階調を有する医用画像を出力することが可能となる。
【0143】
指示装置17は、病院内ネットワーク18に接続された複数の画像入力装置A,B,C、画像記憶装置16、画像出力装置A,B,Cを指定して、希望する画像データを希望する画像出力装置A,B,Cにて出力することができる。
なお、画像処理装置1は、画像出力システム15において、出力画像に係る階調特性が略一致するような見え方になるように、第1の実施の形態から第3の実施の形態のいずれかに示した画像処理を施す。この結果、各画像出力装置A,B,Cに対して、画像出力装置の出力階調特性に依らず、病変部の診察に適した画像を提供することができる。
【0144】
画像処理装置1は、画像を出力する画像出力装置が決定してから入力画像信号を画像処理してもよいし、予め各画像出力装置A,B,Cに適した画像処理を施されて画像記憶装置16に記憶されている画像信号を各画像出力装置A,B,Cから出力してもよい。
【0145】
様々な形態が考えられるが、以下に5例を示す。
(例1)画像出力装置Aと画像出力装置Bとの略同可視化出力
画像記録方式の異なる画像出力装置間において略同可視化を実現する。例えば、銀塩方式のプリンタにより記録した透過画像と、インクジェットプリンタにより記録した反射画像とを同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
(例2)画像出力装置Aと画像出力装置Cとの略同可視化出力
画像出力形態の異なる画像出力装置間において略同可視化を実現する。例えば、銀塩方式のプリンタにより記録した透過画像と、液晶モニタにより表示した画像とを同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
(例3)画像出力装置Bと画像出力装置Cとの略同可視化出力
画像出力形態の異なる画像出力装置間において略同可視化を実現する。例えば、インクジェットプリンタにより記録した反射画像と、液晶モニタにより表示した画像とを同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
(例4)画像出力装置Aにおいて観察環境条件が異なる場合の略同可視化出力
同一の画像出力装置で出力した出力画像における異なる画像観察条件下での略同可視化を実現する。例えば、異なる輝度を発するバックライトを用いて観察するときに同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
(例5)画像出力装置Bにおいて透過画像/反射画像の略同可視化出力
同一の画像出力装置で出力した出力画像における異なる画像観察形態下での略同可視化を実現する。例えば、インクジェット記録装置において、透過画像/反射画像の双方を記録し、観察するときに同じように見せる形態が考えられるが、この限りではない。
【0146】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態として、ダイナミックレンジ変換処理を多重解像度法に基づいて行う場合を説明する。多重解像度法を適用することにより、さらに鮮明な処理効果を得ることができる。多重解像度法とは、原画像信号を複数の周波数帯域の画像信号に分解し、所定の画像処理を加えた後に画像全体を復元することで画像信号を得るものである(例えば、Digital Image Processing : Springer-Verlag,1991参照。)。例えば、Sprocを処理済画像信号、Sorg を原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk )+…+fN(SusN-1−SusN)} (2)
の式に従って画像処理を行うことができる(例えば、特開2002−183726号公報、特開平10−75364号公報、特開平10−171983号公報参照。)。
【0147】
まず、原画像信号から鮮鋭度の異なる、すなわち周波数応答特性の異なる複数の非鮮鋭画像信号を作成する。その複数の非鮮鋭画像信号及び原画像信号の中の2つの信号値の差分をとることにより、原画像信号の、特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号(以下、バンドパス信号という。)Sorg−Sus1,Sus1−Sus2,・・・,SusN-1−SusNを作成する。そして、そのバンドパス信号Sorg−Sus1,Sus1−Sus2,・・・,SusN-1−SusNをそれぞれの所定の関数f1(Sorg−Sus1),f2(Sus1−Sus2),・・・,fN(SusN-1−SusN)によって所望の大きさとなるように抑制してから、原画像信号Sorgと、その複数の抑制されたバンドパス信号とを積算することにより処理済画像信号Sprocを作成する。
【0148】
多重解像度法に基づいたダイナミックレンジ変換処理を適用することにより、周波数帯域ごとに適した処理を実行することができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0149】
また、離散ウェーブレット変換を用いた多重解像度法を適用してもよく、離散ウェーブレット変換に係る母関数の形状も問わない。
【0150】
[官能評価実験及びその結果]
本発明に係る画像処理の効果を確認するために、目視による医用画像の官能評価を行った。第3の実施の形態と同様に、ある画像出力装置による出力結果が他の画像出力装置による出力結果と一致するような画像処理を実行した。図12及び図14を参照して、実験の詳細を以下に示す。
【0151】
1.実験条件
(1)画像入力装置
CR(Computed Radiography)画像入力装置Regius150(コニカ株式会社製)を用いて手ファントムをX線撮影した。Regius150により取得された画像信号に係る階調数は12bit(=4096階調)である。
【0152】
(2)画像出力装置A
銀塩フォトサーマル方式イメージャDRYPRO752(コニカ株式会社製)
▲1▼画像処理方法
入力装置により得られた画像信号データを、画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した画像信号データを用いた(図12画像処理部A参照。)。
▲2▼出力形態
フィルムはSD-P(コニカ株式会社製)を用いて画像を透過画像として出力した。なお、DRYPRO752は画像信号値の増加に対して画像に係る透過濃度が直線的に増加する出力階調特性を有している。フィルムに固有の光学濃度はD=0.22であり、最高出力濃度はD=3.0であった。
▲3▼観察条件
透過画像として出力画像を観察した。観察環境に関しては、室内輝度を限りなく低くした状態(約15cd/m2)で平均輝度2700cd/m2のライトボックスに画像を掛けて観察した。
【0153】
(3)画像出力装置B
インクジェットプリンタPM-950C(セイコーエプソン株式会社製)
▲1▼画像処理方法
画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した画像信号データB1を用意した。また、画像信号データB1に対して、画像出力装置Bに適した出力階調変換処理を施し、画像信号データB2を得た。さらに、画像信号データB1に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理、ダイナミックレンジ変換処理、画像出力装置Bに適した第2の非線形画像信号変換処理を行った(図12画像処理部B参照。)。図14に示すように、ダイナミックレンジ変調率は0.50〜0.90の5通りを実行した(画像信号データB3〜B7)。なお、当該ダイナミックレンジ変換は、マスクサイズは65×65の矩形マスクとし、出力画像における高濃度域のみを変調している。すなわち、画像信号データB2については高画像信号域においてのみ変調しており、図4(a)におけるΔSLが0である。また、画像信号データB3〜B7については低画像信号域においてのみ変調しており、図4(a)におけるΔSHが0である。また、図14における「変調率」は、「ダイナミックレンジ変調率」であり、1−(ΔSH+ΔSL)/Smaxの値を表す。本画像信号においてはSmax=4095である。
▲2▼出力形態
反射画像をプリントした。なお、画像データのサイズが2048×2048である画像データを、解像度280dpi(dot per inch:1inch=25.4mm)としてプリントした。用紙はインクジェット専用光沢紙Photolike QP(コニカ株式会社製)を用い、インクはセイコーエプソン製専用インクを用いて、カラー(YMCK)でモノクロ画像をプリントした。
▲3▼観察条件
反射画像として出力画像を観察した。観察環境に関しては、平均輝度280 cd/m2の室内で補助光は用いずに画像を観察した。
【0154】
(4)画像出力装置C
グレースケール液晶表示装置MLD-2100M(池上通信機社製)
▲1▼画像処理方法
画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した画像信号データC1を用意した。また、画像信号データC1に対して、画像出力装置Cに適した出力階調変換処理を施し、画像信号データC2を得た。さらに、画像信号データC1に対して、画像出力装置Aの出力階調特性、画像観察条件情報等に基づいて第1の非線形画像信号変換処理、ダイナミックレンジ変換処理、画像出力装置Cに適した第2の非線形画像信号変換処理を行った(図12画像処理部C参照。)。図14に示すように、ダイナミックレンジ変調率は0.70〜0.90の5通りを実行した(画像信号データC3〜C7)。なお、当該ダイナミックレンジ変換は、マスクサイズは65×65の矩形マスクとし、出力画像における高濃度域のみを変調している。すなわち、画像信号データC2については高画像信号域においてのみ変調しており、図4(a)におけるΔSLが0である。また、画像信号データC3〜C7については低画像信号域においてのみ変調しており、図4(a)におけるΔSHが0である。また、図14における「変調率」は、「ダイナミックレンジ変調率」であり、1−(ΔSH+ΔSL)/Smaxの値を表す。
▲2▼出力形態
画像をモニタに出力表示させた。最大輝度は700cd/m2(コントラスト比600:1)であった。なお、解像度は、1536ドット×2048ラインである。
▲3▼観察条件
室内輝度を限りなく低くした状態(約15cd/m2)で観察した。
【0155】
(5)LUT作成時の測定手段
非線形画像信号変換処理のためのLUTを作成する際に、画像表面近傍における最高輝度、最低輝度を20ステップに分割する輝度を奏するグレースケールを作成した。なお、輝度計は、BM−9(株式会社トプコン製)を用い、測定角は1°とした。また、光学濃度計は、PDA−65(コニカ株式会社製)を用いて画像に係る濃度を測定し、フィルタはアンバーフィルタを使用した。このように、各画像出力装置に係る出力階調特性を求め、GSDFにおける輝度対JNDI特性に基づいて前記LUTを作成した。
【0156】
2.評価方法
透過観察環境および反射観察環境にて画像を観察したときにおける画像診断性及び略同可視感について目視評価を行った。
「画像診断性」とは、粒状性・鮮鋭性・階調性を含む画質の総合的な評価であって、診断に堪え得る画像であるか否かの評価である。評価判定は、「◎」、「○」、「△」、「×」、「××」の5段階評価で判定し、評価基準は、◎:十分診断に堪え得る、○:診断可能、△:やや画質に問題があるが場合によっては診断可能、×:診断は困難、××:診断不可能とした。評価結果は図14における「画像診断性」の項目に該当する。
また、「略同可視感」とは、「出力A」を参考画像として、「出力B」又は「出力C」と比較したときに略同可視感があるか否かに関する評価である。評価判定は、「◎」、「○」、「△」、「×」、「××」の5段階評価で判定し、評価基準は、◎:極めて一致、○:一致、△:やや一致、×:一致しない、××:全く一致しないとした。評価結果は図14における「略同可視感」の項目に該当する。
【0157】
3.被験者
コニカ株式会社の主任研究員3名(いずれも医療機器の開発に従事)がそれぞれ官能評価を行った。図14(a)、(b)に示す結果は、3名の評価結果の平均である。
【0158】
4.評価結果
図14(a)は、インクジェットプリンタにおける官能評価結果を示す表である。図14(b)は、液晶表示装置における官能評価結果を示す表である。
図14(a)に示すように、画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した以外に画像処理を何も施さない場合(画像信号データB1)や、階調補正処理のみを施した場合(画像信号データB2)と、本発明を適用した場合である画像信号データB3〜B7とを比較すると、本発明を適用した場合(画像信号データB3〜B7)の方が「画像診断性」及び「略同可視感」の評価結果において、総じて優れていることがわかる。さらに、ダイナミックレンジ変調率が0.60〜0.80である場合において、特に優れた評価結果が得られた。この理由は以下のように解釈することができる。
測定の結果、画像出力装置A(銀塩イメージャ)におけるJNDIレンジは、JNDIrange=620、画像出力装置B(インクジェットプリンタ)におけるJNDIレンジは、JNDIrange=435であった。画像出力装置Aに対する画像出力装置BのJNDIレンジ比が0.70(=435/620)であるため、画像出力装置Aに係るJNDIレンジを0.30だけ圧縮する画像処理を行うことによって、画像出力装置Bにおいて好適な画像を出力することができると考えられる。
【0159】
図14(b)に示すように、画像出力装置Aに対して最適な画像処理を施した以外に画像処理を何も施さない場合(画像信号データC1)や、階調補正処理のみを施した場合(画像信号データC2)と、本発明を適用した場合である画像信号データC3〜C7とを比較すると、本発明を適用した場合(画像信号データC3〜C7)の方が「画像診断性」及び「略同可視感」の評価結果において、総じて優れていることがわかる。さらに、ダイナミックレンジ変調率が0.75〜0.85である場合において、特に優れた評価結果が得られた。この理由は以下のように解釈することができる。
測定の結果、画像出力装置A(銀塩イメージャ)におけるJNDIレンジは、JNDIrange=620、画像出力装置C(液晶表示装置)におけるJNDIレンジは、JNDIrange=498であった。画像出力装置Aに対する画像出力装置CのJNDIレンジ比が0.80(=498/620)であるため、画像出力装置Aに係るJNDIレンジを0.20だけ圧縮する画像処理を行うことによって、画像出力装置Cにおいて好適な画像を出力することができると考えられる。
なお、詳細な結果は示さないが、知覚指数を明度として画像処理をした場合においてもJNDIの場合とほぼ同様の結果が得られた。
【0160】
なお、上述した各実施の形態において、各種のデバイスと接続された装置又はシステム内のコンピュータに対し、各実施の形態の機能を実現するためのプログラムを供給し、その装置又はコンピュータのCPUやMPU(Micro ProcessingUnit)に格納されたプログラムに従って、各種デバイスを動作させることとしてもよい。
【0161】
また、上述した各実施の形態は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって実現することも可能である。プログラムを記録する記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0162】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)又は他のアプリケーションソフト等と協働して、上述した実施の形態の機能が実現されることとしてもよい。
【0163】
さらに、供給されたプログラムがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現されてもよい。
【0164】
また、各実施の形態において、画像出力装置として、銀塩方式のプリンタ、インクジェットプリンタ、液晶モニタを用いた例を説明したが、画像出力装置はそれらに限定されない。湿式又は乾式銀塩レーザ記録方式や熱転写記録方式のプリンタ、ワイヤードット記録方式等のインパクト記録方式のプリンタ、あるいはそれ以外の記録方式であってもよい。また、シリアル記録方式のプリンタでも、ライン記録方式のプリンタでもよい。また、CRT、透過型又は反射型液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display)、プラズマディスプレイ等のディスプレイでもよく、表示方式に限定されるものではない。
【0165】
また、画像入力装置(撮影機器)として、X線撮影装置、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)や磁気共鳴画像形成装置(MRI装置)、超音波画像影診断装置や電子内視鏡、眼底カメラ等を用いることができるが、これらに限らない。
特に、医用画像のように、モノクロ多階調用の画像信号を有し、極めて高画質が要求される分野における画像出力形態では、その画像処理効果が顕著に現われるため有効である。
【0166】
【発明の効果】
上述したように、請求項1,8,15,22又は29に記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、ダイナミックレンジ変換によって、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置の階調表現能が大きく異なる場合でも、画像コントラストを維持することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0167】
上述したように、請求項2,9,16,23又は30に記載の発明によれば、ダイナミックレンジ変換される画像信号、第1の画像出力装置に係る出力階調特性、第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、異なる画像出力装置間又は画像観察条件下であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を出力することができる。
【0168】
上述したように、請求項3,10,17,24又は31に記載の発明によれば、第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて、第2の画像出力装置により適した画像信号に変換することができる。したがって、画像出力装置に係る階調表現能に見合った画像を出力することができる。
【0169】
上述したように、請求項4,11,18,25又は32に記載の発明によれば、非鮮鋭画像信号Susmによって処理済画像信号Sprocが決定されるので、微細構造のコントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変えることができる。また、非鮮鋭画像信号Susmを算出する際の画像信号領域の範囲を変化させることにより、ダイナミックレンジを変調させる空間周波数帯域を制御することができる。
【0170】
上述したように、請求項5,12,19,26又は33に記載の発明によれば、原画像信号Sorgの特定の周波数帯域の周波数成分を表す帯域制限画像信号毎に適した変換を行うことができる。したがって、ダイナミックレンジの制御をより厳密に行うことが可能となり、微細構造における描写能低下やアーチファクト(擬似輪郭)のない高画質な画像を出力することができる。
【0171】
上述したように、請求項6,13,20,27又は34に記載の発明によれば、JNDインデックス又は明度に対応するように画像信号を変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0172】
上述したように、請求項7,14,21,28又は35に記載の発明によれば、画像信号を知覚指数と対応するように変換してからダイナミックレンジ変換を施し、画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように変換するので、視覚感度に適した自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0173】
上述したように、請求項36記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、知覚指数と対応した画像信号に対しダイナミックレンジ変換を行うによって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、各画像出力手段に応じた自然な階調を有する画像を得ることができる。
【0174】
上述したように、請求項37記載の発明によれば、第1の非線形画像信号変換によって、画像信号を知覚指数と対応させることにより、視覚感度に適した画像信号に変換することができる。また、知覚指数と対応した画像信号に対しダイナミックレンジ変換を行うによって、画像コントラストを維持しつつ、ダイナミックレンジを変換することができる。また、第2の非線形画像信号変換によって、画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように画像信号を変換することができる。したがって、異なる画像出力手段間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を得ることができる。
【0175】
上述したように、請求項38記載の発明によれば、ある画像処理手段に適した処理を施した画像信号を記憶し、記憶された画像信号に対して、指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施すことができるので、異なる画像出力手段間であっても、一の画像信号に対し略同可視感を有する画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理方法の概要図である。
【図3】第1の非線形画像信号変換処理を説明する図である。
【図4】ダイナミックレンジ変換処理を説明する図である。
【図5】第2の非線形画像信号変換処理を説明する図である。
【図6】第1の実施の形態における画像処理の概略図である。
【図7】第2の実施の形態における画像処理の概略図である。
【図8】画像出力装置に係る出力階調特性とJNDIレンジとの関係を表す図である。
【図9】ダイナミックレンジ変換のパラメータの決定方法の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の効果を示す画像信号ヒストグラムである。
【図11】第2の実施の形態の効果を画像信号プロファイルを用いて説明する図である。
【図12】第3の実施の形態における画像処理の概略図である。
【図13】第4の実施の形態に係る画像出力システムの概略図である。
【図14】官能評価実験結果を示す図表である。
【符号の説明】
1 画像処理装置
2 CPU
3 ROM
4 RAM
5 画像信号入力部
6 画像信号出力部
7 画像処理部
8 バス
9,10 画像出力装置
11,12,13 画像入力装置
14 画像信号保持装置
15 画像出力システム
16 画像記憶装置
17 指示装置
18 病院内ネットワーク
Claims (38)
- 第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す第1の非線形画像信号変換処理手段と、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施すダイナミックレンジ変換処理手段と、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す第2の非線形画像信号変換処理手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す第1の非線形画像信号変換処理手段と、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施すダイナミックレンジ変換処理手段と、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す第2の非線形画像信号変換処理手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施すことを特徴とする画像処理方法。 - 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
- 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理方法。
- 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像処理方法。 - 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像処理方法。 - 前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の画像処理方法。
- 画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施すことを特徴とする画像処理方法。 - 第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施して、
第2の非線形画像信号変換により得られた画像信号を出力することを特徴とする画像出力方法。 - 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項15に記載の画像出力方法。
- 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項15又は16に記載の画像出力方法。
- 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の画像出力方法。 - 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の画像出力方法。 - 前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか一項に記載の画像出力方法。
- 画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施して、
第2の非線形画像信号変換により得られた画像信号を出力することを特徴とする画像出力方法。 - 画像信号を画像処理するコンピュータに、
第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、
を実現させるためのプログラム。 - 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
- 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項22又は23に記載のプログラム。
- 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載のプログラム。 - 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載のプログラム。 - 前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項22〜26のいずれか一項に記載のプログラム。
- 画像信号を画像処理するコンピュータに、
画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、
を実現させるためのプログラム。 - 画像信号を画像処理するコンピュータに、
第1の画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記ダイナミックレンジ変換される画像信号、前記第1の画像出力装置に係る出力階調特性、前記第2の画像出力装置に係る出力階調特性又は画像観察条件情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項29に記載の記録媒体。
- 前記ダイナミックレンジ変換に係る画像処理条件は、前記第1の画像出力装置に係る知覚指数レンジ又は前記第2の画像出力装置に係る知覚指数レンジに基づいて決定されることを特徴とする請求項29又は30に記載の記録媒体。
- 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susmを非鮮鋭画像信号、F(S)(Sは画像信号)を非線形関数として、
Sproc=Sorg+F(Susm)
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項29〜31のいずれか一項に記載の記録媒体。 - 前記ダイナミックレンジ変換は、
Sprocを処理済画像信号、Sorgを原画像信号、Susk(k=1〜N)を非鮮鋭画像信号、fk(S)(k=1〜N,Sは画像信号)を各帯域制限画像信号を変換する非線形関数として、
Sproc=Sorg+{f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+…+fk(Susk-1−Susk)+…+fN(SusN-1−SusN)}
の式に基づいて実行されることを特徴とする請求項29〜31のいずれか一項に記載の記録媒体。 - 前記知覚指数とは、画像観察条件情報に基づいて算出されたJNDインデックス又は明度であることを特徴とする請求項29〜33のいずれか一項に記載の記録媒体。
- 画像信号を画像処理するコンピュータに、
画像出力装置に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように前記画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施す機能と、
前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施す機能と、
前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力装置に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す機能と、
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、
前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、
前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、各画像出力手段の階調表現能に対応して、画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、
がネットワーク接続された画像出力システムであって、
前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記画像入力手段により取得された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、可視化するようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システム。 - 医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、
前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、
前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、各画像出力手段の階調表現能に対応して、第1の画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し第2の画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、
がネットワーク接続された画像出力システムであって、
前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記画像入力手段により取得された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、画像出力手段の特性によらず一定の可視画像を得るようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システム。 - 医用診断のための画像信号を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により取得された画像信号を可視化するとともに、個々に異なる階調表現能を有する複数の画像出力手段と、
前記複数の画像出力手段のうち特定の画像出力手段を指示する指示手段と、
前記画像入力手段により取得された画像信号に対し、一の画像出力手段に係る出力階調特性が知覚指数と対応するように画像信号を変換する第1の非線形画像信号変換を施し、前記第1の非線形画像信号変換により得られた画像信号に対しダイナミックレンジ変換を施し、前記ダイナミックレンジ変換により得られた画像信号に対し前記一の画像出力手段に係る出力階調特性に対応するように第2の非線形画像信号変換を施す画像処理手段と、
前記画像処理手段により得られた画像信号を記憶する記憶手段と、
がネットワーク接続された画像出力システムであって、
前記指示手段により指示された画像出力手段により画像出力する際に、前記記憶手段により記憶された画像信号を取り出し、前記指示手段により指示された画像出力手段に対応する画像処理を施し、画像出力手段の特性によらず一定の可視画像を得るようネットワーク配信すべく制御することを特徴とする画像出力システム。
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JP2002374888A JP2004206426A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 画像処理装置、画像処理方法、画像出力方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体及び画像出力システム |
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---|---|---|---|---|
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US9218553B2 (en) | 2013-09-26 | 2015-12-22 | Kyocera Document Solutions Inc. | Image forming apparatus reproducing gradation based on hue instead of luminance, and image forming method |
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JP7475190B2 (ja) | 2020-04-27 | 2024-04-26 | シャープセミコンダクターイノベーション株式会社 | 画像処理装置、画像処理方法、および制御プログラム |
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- 2002-12-25 JP JP2002374888A patent/JP2004206426A/ja active Pending
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