JP3681179B2 - 高吸水性樹脂を利用したブロッティング方法及びブロッティング装置 - Google Patents

高吸水性樹脂を利用したブロッティング方法及びブロッティング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、生化学、分子生物学等の研究分野、特に組替えDNA技術を利用した各分野において汎用される核酸および蛋白質のブロッティング方法および装置に関し、ブロッティング作業時間の著しい短縮化をはかるとともに、大量に使い捨て使用されるペーパータオルの不要化をはかることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
ブロッティングとは、電気泳動によりアガロースゲル又はポリアクリルアミドゲル中に分画された核酸あるいは蛋白質試料を、毛管現象により、ゲル中からゲル表面に密着させたニトロセルロース膜又はナイロン膜へ移動させる技法である。 この技法は、生化学、分子生物学等の研究において、又、遺伝子組替え技術において、基本的且つ重要な技法の一つであり、特に、最近国家的プロジェクトとして進められている各種生物の全ゲノム解析研究においては必須の技法である。
【0003】
現在行われているブロッティングの方法は、Southernの報告した方法(J.Mol.Biol.,98;503,1975)に基づくもので、即ちゲルに密着させたニトロセルロース膜上に、紙タオルを数センチメートルの高さに積み上げ、この紙タオルに吸水させることによりゲル中の核酸を、上記ニトロセルロース膜(ブロッティング膜)に効率的に移動させるというものである。 最近では、吸水に真空ポンプを用い、あるいは核酸・蛋白質を電気的にゲルから溶出させ、これをニトロセルロース等のブロッティング膜へ移転させる方法等が開発され、そのための器機が市販されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
Southernの方法の問題点は、試料の移動におびただしい時間を要するということである。 例示すれば、数千塩基対程度のDNAの場合の所要時間は数時間、ゲノムDNAのように大きな分子になると十数時間から二十時間以上に及ぶ。 また吸水を効率的におこなうためには水分を含んだ多量の紙タオルを新しいものと交換しなければならない。 このために、一度に使用する紙タオルはかなりの量にのぼり、その費用は無視できないものとなる。
【0005】
一方、電気泳動的に試料をゲルから膜へ移動させる方法や、真空ポンプを利用する方法は、短時間でブロッティングを完了させることができるが、これらの方法を実施するための装置が高価であり、またその操作についても前記したSouthernの方法にと比較しても煩雑である。 さらに真空ポンプを用いる方法では、圧力の設定を誤った場合、ゲルが破損し、折角の試料が損失するおそれがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、下面より供給されるブロッティング溶液をアガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルの内部に浸透させ、これをその上面に密着重合させたプロッティング膜を介して毛管現象により上方に吸引除去する過程で、上記アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲル内に電気泳動により分画された核酸又は蛋白質分子を前記プロッティング膜へ移動・吸着させる場合において、前記ブロッティング膜の上面には、粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を撒くようにしたことを特徴とする高吸水性樹脂を利用したブロッティング方法に関する。
【0007】
また本発明は、下面より供給されるブロッティング溶液を内部に浸透させるアガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルと、該アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルの上面に密着重合させるところの、上記アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲル内に電気泳動により分画された核酸又は蛋白質分子を毛管現象により吸引除去する過程で上方に移動・吸着させるためのブロッティング膜と、該ブロッティング膜上に載置される箱状の枠体と、該枠体内に撒かれる粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂とからなるブロッティング装置にも関する。
【0008】
【作用】
上記の手段によれば、既述したSouthernの方法のように、試料の移動に長時間を要することなく、また紙タオルを大量に消費することなく、粒状若しくは粉末状の高吸水性樹脂とこれに載置する簡単なブロッティング補助装置とによって、操作が簡単になり、きわめて短時間でブロッティングを完了させることができる。
【0009】
【実施例】
まず図1により本発明で用いるブロッティング装置について説明する。 溶液槽1にブロッティング溶液2となる適量のSSC溶液(0.03M〜0.3Mクエン酸ナトリウム、0.3M〜3M塩化ナトリウム)、又はアルカリブロッティング溶液を入れ、溶液槽1の中央に支持台3を載置する。 この支持台3に濾紙4を、両端が溶液2に浸るように被せる。 濾紙4がブロッティング溶液2を十分に吸収したところで、その上にアガロースゲル5を密着するように置く。 このアガロースゲル5は、すでに公知の方法により電気泳動後、変性、中和処理がおこなわれている。
【0010】
このアガロースゲル5の上面にはブロッティング膜6が密着重合して置かれる。 すなわちブロッティング膜6としては、上記アガロースゲル5よりも1〜2mm大きく切った後、適切な前処理をおこなったニトロセルロース膜、またはナイロン膜が用いられる。 さらにこのブロッティング膜6の上には、後記する粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を直接に撒いてもよいが、好ましくはブロッティング終了後における吸水膨潤した上記高吸水性樹脂の後処理を容易にするために、適当な溶液で湿らせておいたゲル大の濾紙(一般にブロッティングに使用されるものならば何でもよい)7を1〜複数枚重ねて置く。
【0011】
つぎに図2に示すようなブロッティング補助装置8を予め用意しておく。 これは底面積が汎用される電気泳動ゲルよりもひと周り大きく、高さが1〜2センチメートルの枠9からなる。 この枠9だけのブロッティング補助装置8を、上記により1〜複数枚重ねた濾紙7の上に直接載せ、濾紙7をブロッティング膜6に密着させる。 さらに枠9で囲まれた濾紙7の上には粒状若しくは粉末状の高吸水性樹脂10が撒かれる。
【0012】
高吸水性樹脂は低価格で供給され、一般的には農・園芸用、土木建築用、又は衛生材料として、多くはシート状に加工・形成たものが知られる。 しかし高吸水性樹脂をシート状に加工するには、紙や樹脂フィルム等他の材料との結合が必要で、必然的にある程度のコスト上昇は避けられない。 そこで本発明においてはこれを敢えてシート状に加工せずに、かえって使い勝手のよい粒状若しくは粉状体のまま使用するようにした。 ここで使用される高吸水性樹脂としては、デンプン系ポリマー、セルロース系ポリマー、又は合成ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、酢酸ビニルマレイン酸エステル共重合体等の粒状体若しくは粉末体が望ましく、平均粒径150〜300μmの粒状のものが最も好ましい。
【0013】
また図3に示すブロッティング補助装置8は、向かい合う2組の枠9の下縁部が夫々内側に水平対向方向に張り出して縁11を形成し、その1組の縁11に濾紙12の両端部を図4のように挟んで固定するためのスリット13が形成されている。 このスリット13に濾紙12を挟んで固定し、しかもこの濾紙12が前記したアガロースゲル5の上に重ねた濾紙7に密着するようにブロッティング補助装置8を置く。
【0014】
枠9内の濾紙12が濡れてきたら、濡れた部分の全体に、デンプン系ポリマー、セルロース系ポリマー、又は合成ポリマー等の高吸水性樹脂粒子若しくは粉末10を均一に撒く。 濾紙12はブロッティング補助装置8の重さにより周囲の縁11の下面に押しつけられるばかりでなく、枠9により吸水して膨潤した高吸水性樹脂粒子若しくは粉末10がこぼれ落ちるのを阻止する。
【0015】
さらに、図5、図6に示すブロッティング補助装置8は、略相似形をなす内枠14と外枠15からなる。 外枠15の向かい合う2組の枠16の下部は、夫々内側水平方向に張り出して周囲を取り囲む縁17を形成してある。 この縁17上には、必要に応じて外枠15の内側にすっぽり収まる寸法に裁断した濾紙12が載せられ、さらにその上から内枠14を嵌め込むことにより、濾紙12をブロッティング補助装置8に固定することができる。 なお上記した何れのブロッティング補助装置8においても、耐塩性、対アルカリ性に優れた素材により構成するのが望ましい。
【0016】
したがってこのブロッティング補助装置8を、前記した濾紙7上に載せ、枠9内の濾紙12が濡れてきたら、濡れた部分の全体にデンプン系ポリマー、セルロース系ポリマー、又は合成ポリマー等の高吸水性樹脂の粒子若しくは粉末10を均一に撒く。 この状態で室温下において、30分〜1時間30分間静置してブロッティングをおこなう。 ブロッティング終了後のブロッティング膜6は、表面に付着したアガロースゲル5の破片を洗い流し、適切な処理を経た後、ハイブリダイゼーション等の実験に供することができる。
【0017】
つぎにDNAのブロッティング(サザンブロッティング)の具体例について、以下において実施例をもとに説明する。
【0018】
〔実施例1〕
制限酵素HindIII(ニッポンジーン製)により分解したラムダファージDNA2μgをエタノール沈殿により回収し、得られたDNA沈殿物を0.1mMEDTA5μlに溶解した。 暗所において、このDNA溶液に1mg/mlの酢酸フォトビオチン(Bresa製)5μlを加え、混合した。 この混合液を水銀ランプ(東芝ケミカルランプ:FL20S−BL)の下、光源から8cm離れた場所に置き、350〜370nmの光を3時間照射した。 この後、滅菌蒸留水40μlと10mMトリス塩酸(pH7.5)50μlを加え、さらに2−ブタノール100μlを加え、混和した。
【0019】
5000rpmで1分間の遠心をおこない、次いでブタノール層を除去し、同様のブタノール抽出を再度繰り返した。 最後にブタノール層を除去後、水層についてエタノール沈澱を行い、DNAを回収した。 得られたDNA沈澱を0.1mM EDTA 20μlに溶解した。
【0020】
ここで得られたビオチン標識ラムダファージDNAを適宜希釈し、その一部(0.25ng,0.5ng,1ng,2ng)について、0.7%アガロースゲルを用いて、電気泳動を行った。 泳動終了後、このゲル(大きさ5cm×6cm)を0.4M NaOH,0.6M NaCl中に移し、室温で30分間振とうした。 このゲルを1.5M NaCl,0.15Mクエン酸ナトリウムを吸収させたワットマン3MM濾紙(図1の4)の上に密着させて置き、さらにゲルの周囲を薄膜樹脂シートで覆った。
【0021】
このゲルよりも1〜2mm大きめに切り、0.3M NaCl,0.03Mクエン酸ナトリウムで湿らせておいたブロッティング膜、Geno ScreenPlus(Du Pont製)を、ゲルの上に密着するように置き、更にこの上に0.3M NaCl,0.03Mクエン酸ナトリウムで湿らせておいた、ゲルと同大のワットマン3MM濾紙(図1の7)を2枚重ねた。 次いで図4のようにブロッティング補助装置8の底面に濾紙12を固定し、この濾紙12の部分が図1の濾紙7に密着するように置き、この上にアクアリックCa K−4(日本触媒化学製)0.5〜0.6gを濾紙全体の上に均一に撒いた。 この状態にて室温下で1時間30分放置した。
【0022】
この後、ブロッティング膜を取り出し、0.3M NaCl,0.03Mクエン酸ナトリウム中で5分間振とうすることにより、膜表面に付着したゲルの破片等を除去した。 この膜をペーパータオル、又は濾紙等に挟み、室温下で十分に乾燥させた後、紫外線を照射することによりDNAをブロッティング膜に固定させることができた。 さらにこの膜をウシ血清アルブミン3%を含むバッファー1(100mM トリス塩酸pH7.5,1M NaCl,2mM MgC12,0.05% トリトンX−100)2mlとともに、ポリエチレン袋中に封入し、1時間、65℃に保温した。
【0023】
この後、ブロッティング膜をストレプトアビジンーアルカリフォスファターゼ(Boehrinnger−Mannheim)0.4ユニットを含むバッファー1 2ml中で、室温、10分間反応させた。 この膜は、75mlのバッファー1中で、室温にて20分間振とうすることにより洗浄した。 この洗浄操作は3回繰り返した。 更に75mlのバッファー2(100mMトリス塩酸pH9.5 1M NaCl,5mM MgCl2)中で、室温にて20分間振とうすることにより洗浄し、これを2回繰り返した。
【0024】
この後、ブロッティング膜を、0.3mg/mlニトロブルーテトラゾリウム塩、0.2mg/ml 5−ブロモー4−クロロー3−インドリルリン酸を含むバッファー3(100mMトリス塩酸pH9.5,100mM NaCl,5mM MgCl 2)2mlとともにポリエチレン袋に封入し、暗所に40〜50分間静置することにより発色させた。 ブロッティング膜を袋から取り出し、15mlのバッファー4(10mMトリス塩酸pH7.5,10mM EDTA)中で、室温にて5分間振とうし、これを3回繰り返すことにより発色反応を停止させた。 この膜には図6に示すようにラムダファージDNAのHindIII分解物に相当する、23kb,9.4kb,6.6kb,4.4kb,2.3kb,2.0kbのバンドが観察され、高吸水性樹脂の粒子が溶液を急速に吸収した結果、DNAがゲルからブロッティング膜へきわめて短時間で移動したことが確認された。
【0025】
〔実施例2〕
制限酵素Hinf1(ニッポンジーン製)により分解したプラスミドpUC19 2μgをエタノール沈殿により回収し、得られたDNA沈殿物を0.1mMEDTA5μlに溶解した。 暗所において、このDNA溶液に1mg/mlの酢酸フォトビオチン(Bresa製)5μlを加え、混合した。 この混合液を水銀ランプ(東芝ケミカルランプ:FL20S−BL)の下、光源から8cm離れた場所に置き、350〜370nmの光を3時間照射した。
【0026】
この後、滅菌蒸留水40μlと10mMトリス塩酸(pH7.5)50μlを加え、さらに2−ブタノール100μlを加え、混和した。 5000rpmで1分間の遠心をおこない、次いでブタノール層を除去し、再度2−ブタノール100μlを加え、混和した後、水層についてエタノール沈澱をおこない、DNAを回収した。 得られたDNA沈澱を0.1mM EDTA 20μlに溶解した。
【0027】
こうして得られたビオチン標識pUC19を適宜希釈し、その一部(0.5ng,1ng,2ng,4ng)について、1.5%アガロースゲルを用いて、電気泳動を行った。 泳動終了後、このゲル(大きさ5cm×6cm)を0.4NNaOH,0.6M NaCl中にて、30分間室温で振とうし、ゲル中のDNAを変性せしめた。 この後、ゲルを0.5Mトリス塩酸(pH7.5)1.5M NaCl中に移し、室温で30分間振とうした。 このゲルを図1の4に示すように、1.5M NaCl,0.15Mクエン酸ナトリウムを吸収させたワットマン3MM濾紙の上に、密着するように置き、ゲルの周囲をサランラップで覆った。
【0028】
このゲルよりも1〜2mm大きめに切り、0.3M NaCl,0.03Mクエン酸ナトリウムで湿らせておいたブロッティング膜、Geno ScreenPlus(Du Pont製)を、ゲルの上に密着するように置き、更にこの上に図1の7に示すように、0.3M NaCl,0.03Mクエン酸ナトリウムで湿らせておいた、ゲルと同大のワットマン3MM濾紙7を2枚重ねた。 次いで図4に示すように、ブロッティング補助装置8の底面に濾紙12を固定し、この濾紙12の部分が図1の濾紙7に密着するように置き、この上にアクアリックCA K−4(日本触媒化学製)0.5〜0.6gを濾紙7全体の上に均一に撒いた。 この状態にて室温下で1時間放置した。
【0029】
この後、ブロッティング膜を取り出し、0.3M NaCl,0.03Mクエン酸ナトリウム中で5分間振とうすることにより、膜表面に付着したゲルの破片等を除去した。 このブロッティング膜をペーパータオル、又は濾紙等に挟み、室温下で十分に乾燥させた後、紫外線を照射することによりDNAを膜に固定させることができた。 さらにこのブロッティング膜をウシ血清アルブミン3%を含む、バッファー1(100mM トリス塩酸pH7.5,1M NaCl,2mM MgCl2,0.05% トリトンX−100)2mlとともに、ポリエチレン袋中に封入し、1時間、65℃に保温した。
【0030】
この後、ブロッティング膜をストレプトアビジンーアルカリフォスファターゼ(Boehrinnger−Mannheim)0.4ユニットを含むバッファー1 2ml中で、室温、10分間反応させた。 この膜は、75mlのバッファー1中で、室温にて20分間振とうすることにより洗浄した。 この洗浄操作は3回繰り返した。 更に75mlのバッファー2(100mMトリス塩酸pH9.5 5.1M NaCl,5mM MgCl2)中で、室温にて20分間振とうすることにより洗浄し、これを2回繰り返した。
【0031】
この後、ブロッティング膜を、0.3mg/mlニトロブルーテトラゾリウム塩、0.2mg/ml 5−ブロモー4−クロロー3−インドリルリン酸を含むバッファー3(100mMトリス塩酸pH9.5,100mM NaCl,5mM MgCl2)2mlとともにポリエチレン袋に封入し、暗所に40〜50分間静置することにより発色させた。 ブロッティング膜を袋から取り出し、15mlのバッファー4(10mMトリス塩酸pH7.5,10mM EDTA)中で、室温にて5分間振とうし、これを3回繰り返すことにより発色反応を停止させた。 このブロッティング膜には図7に示すようにpUC19のHinfl分解物のうち、1.4kb,0.5kb,0.4kb,0.2kbのバンドが観察され、高吸水性樹脂の粒子が溶液を急速に吸収した結果、DNAがゲルからブロッティング膜へきわめて短時間で移動したことが確認された。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明は、核酸あるいは蛋白質のブロッティング作業を実施する際、アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルの上面に密着重合されるブロッティング膜の上面に、吸水効率の高い粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を撒くようにしたために、ブロッティングに要する時間が、これまでの大量のペーパータオルを使用していた場合の作業時間(12時間から15時間)に比して、30分から1時間程度と、少なくとも12分の1以下の画期的な短縮化をはかることができるばかりでなく、これまで大量に使い捨て使用されてきたペーパータオルを不要とすることができる。
【0033】
さらに上記ブロッティング作業に際し、ブロッティング膜上には補助装置である箱状の枠体を載置するとともに該枠体内に粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を撒くようにした場合には、粒状若しくは粉末状の高吸水性樹脂が撒きやすくなり、またブロッティング作業中に次第に吸水膨潤して数十倍から数百倍の体積となった高吸水性樹脂がブロッティング膜上からこぼれ落ちるのを阻止することができ、ブロッティング作業を容易にするとともに作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で利用するブロッティング装置の断面図。
【図2】本発明のブロッティング補助装置の斜視図。
【図3】ブロッティング補助装置の別の実施例をあらわした斜視図。
【図4】図3のブロッティング補助装置に濾紙を固定し、その上に粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を撒いた状態をあらわす斜視図。
【図5】更に別のブロッティング補助装置の実施例をあらわす斜視図。
【図6】ビオチン標識ランダファージDNA−HindIII分解物のブロッティングLaneを示すクロマトグラフの写真。
【図7】ビオチン標識puc19DNA−Hinf I分解物のブロッティングを示すクロマトグラフの写真。
【符号の説明】
5 アガロースゲル
6 ブロッティング膜
7 濾紙
8 ブロッティング補助装置
9 枠
10 高吸水性樹脂の粒子若しくは粉末
11 縁
12 濾紙
13 スリット
14 内枠
15 外枠

Claims (5)

  1. 下面より供給されるブロッティング溶液をアガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルの内部に浸透させ、これをその上面に密着重合させたブロッティング膜を介して毛管現象により上方に吸引除去する過程で、上記アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲル内に電気泳動により分画された核酸又は蛋白質分子を前記ブロッティング膜へ移動・吸着させる場合において、前記ブロッティング膜の上面には、粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を撒くようにしたことを特徴とする高吸水性樹脂を利用したブロッティング方法。
  2. ブロッティング膜の上面には、1又は複数枚の濾紙を介して粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を撒くようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂を利用したブロッティング方法。
  3. 下面より供給されるブロッティング溶液を内部に浸透させるアガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルと、該アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲルの上面に密着重合させるところの、上記アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲル内に電気泳動により分画された核酸又は蛋白質分子を毛管現象により吸引除去する過程で上方に移動・吸着させるためのブロッティング膜と、該ブロッティング膜上に載置される箱状の枠体と、該枠体内に撒かれる粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂とからなるブロッティング装置。
  4. ブロッティング膜の上面には、1又は複数枚の濾紙を介して箱状の枠体を載置するとともに、該枠体内に粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を撒くようにしたところの請求項3に記載のブロッティング装置。
  5. ブロッティング膜の上面には、1又は複数枚の濾紙を介して箱状の枠体を載置するとともに、該枠体内に粒状もしくは粉末状の高吸水性樹脂を撒くようにし、しかも前記枠体下部には濾紙を挟持・固定するためのスリットが形成されていることを特徴とした請求項3に記載のブロッティング装置。
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