JP3681033B2 - エンジン並びに熱源を有する機械の寿命予測装置 - Google Patents
エンジン並びに熱源を有する機械の寿命予測装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械などのエンジンの稼働時に値が変化するエンジン回転数などの稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置に関する。また、本発明は、エンジンなどの熱源を有する機械の稼働時に、値が変化するエンジン回転数などの稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づき、当該機械の寿命を予測するエンジンの寿命予測装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
建設機械の点検、整備のサービスを行う上で、そのエンジンのオーバーホールの時期を正確に予測することは、きわめて重要である。
【0003】
これは、オーバーホールの時期を正確に予測することができれば、適切な時期に施されるメンテナンスによりエンジンの大破などの重大な事故を未然に防止することができるからである。また、オーバーホールの時期を正確に予測することができれば、計画的な整備が可能となる。つまり、配車計画などの生産計画を正確に立てることができたり、オーバーホールに必要な部品を必要な時期に準備することができたり、整備員の管理が容易になったりするなどの利点が得られる。
【0004】
しかしながら、建設機械は、その使用環境、個々のユーザの操作いかんによって、そのエンジンの稼働状況は大きく異なり、同一の機種の同一の型式のエンジンであっても、オーバーホールが必要となる時期は、大きく異なる。一義的にエンジンのオーバーホール時期を定めることはできない。
【0005】
したがって、個々の建設機械、個々のエンジンそれぞれについて、そのオーバーホール時期、つまりエンジンの寿命を正確に予測することが要請される。
【0006】
エンジンの寿命は、エンジンにそれまでに加えられた被害量、つまりエンジンにかかる負荷の累積に応じて定まると考えられる。
【0007】
しかしながら、このエンジンに加えられた被害量を数値化することは、実際には困難であり、従来は、エンジンに加えられた被害量を、その時々のエンジンの稼働状況から間接的に数値化せんとする試みがなされていた。
【0008】
すなわち、従来にあっては、サービスツールによって定期的にエンジンの稼働状況を記録し、これと、予め設定された限界値とを比較することでオーバーホール時期であると判断していた。たとえば、バルブクリアランスを実際に計測し、この計測値と、ショップマニュアルで指示されている限界値とを比較し、計測値が限界値を超えた時点で、オーバーホール時期であると判断するようにしていた。また、エンジンの音を聞き分け、異音が出ていれば、オーバーホールの時期であると判断するようにしていた。
【0009】
しかし、こうしたその時々のエンジンの稼働状況は、それまでにエンジンに加えられた被害量を必ずしも正確に示すものではなく、また、オーバーホール時期に達したかどうかの判断も整備員の熟練、経験に依存する部分が大きい。このため、オーバーホールの時期の予測は必ずしも正確になされているとは言い難い。
【0010】
また、こうしたその時々のエンジンの稼働状況だけではなく、エンジンのデータ(例えばエンジンの馬力)を、長い期間収集し、その経時的な変化から、オーバーホール時期を判断するという試みもなされている。
【0011】
しかし、エンジンに実際に加えられた被害量を、こうした時系列的なデータから数値化して、エンジンの寿命を判断することは難しい。つまり、エンジンが一定の負荷で連続して運転されていれば(たとえば、常に定格点で運転されていれば)、被害量は時間に比例して増加するものとして被害量を比較的容易に予測することはできるものの、エンジンの負荷が時間の経過に伴って変動する場合に、その被害量を数値化することは困難である。このため、オーバーホール時期に達したかどうかの判断はいきおい整備員の熟練、経験に依存することになっていた。
【0012】
このように、従来のオーバーホール時期の予測方法は、エンジンに実際に加えられた被害量を数値化して判断するものではなく、また、その判断は、整備員の熟練度によって異なることがあるので、正確さに欠けるものであった。
【0013】
このため、オーバーホールが必要な時期に適切なオーバーホールができずに、エンジンが大破するなどの重大な事故が発生するなどの問題が招来する虞があった。
【0014】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、エンジンに加えられた被害量を正確に数値化することによって、エンジンの寿命を、熟練を要することなく、自動的かつ正確に予測できるようにすることを第1の解決課題とするものである。
【0015】
さて、また、エンジンの寿命は、上述した負荷の累積のみならず、熱にさらされる時間によっても、定まると考えられる。
【0016】
この場合、エンジンに加えられる被害の態様には、二種類あり、ひとつは、エンジンが高温度にさらされることによる強度低下である。これを「高温疲労」という。もう一つの被害は、温度の上昇、下降の繰り返しによる熱劣化である。これを「熱疲労」という。
【0017】
しかし、こうした熱によりエンジンに加えられる被害量を数値化することは、上述した負荷の累積によりエンジンに加えられる被害量を数値化することと同様に困難であった。
【0018】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、エンジン等の熱源を有する機械(エンジン自体そのもの、あるいはエンジンで発生する熱によって影響を受けるパワートレインなど)に加えられた被害量を、正確に数値化することによって、熱源を有する機械の寿命を、熟練を要することなく、自動的かつ正確に予測できるようにすることを第2の解決課題とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段および効果】
第1発明から第16発明は、第1の解決課題を解決するための発明である。
【0020】
この発明の第1発明では、エンジンの稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置において、
前記エンジンにかかる負荷を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この一の稼働パラメータの値または二以上の稼働パラメータの値の組み合わせを、複数の各レベルに分割することにより、前記エンジンにかかる負荷の大きさの分布を示す1次元または2次元以上の負荷マップを設定する負荷マップ設定手段(4)と、
前記稼働パラメータの値を検出する稼働パラメータ検出手段(2、3)と、
前記稼働パラメータ検出手段によって前記稼働パラメータを一定時間が経過するまで検出することにより、前記負荷マップの各レベル毎に、当該レベルに属する稼働パラメータの値が検出されている時間を積算する時間積算手段(7、8)と、
前記負荷マップの各レベル毎に、当該レベルの負荷の大きさに応じた重みを設定する重み設定手段(5)と、
前記時間積算手段で積算された積算時間に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた積算時間を、前記負荷マップの各レベル毎に求め、これら負荷マップの各レベル毎の重み付けされた積算時間に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記エンジンに加えられた実際の被害量を演算する被害量演算手段(9)と、
前記エンジンを予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(6)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記エンジンの予測寿命として出力する寿命予測手段(10)と
を具えるようにしている。
【0021】
第1発明の構成によれば、図3に示すように、エンジンにかかる負荷を示す稼働パラメータとしてエンジン回転数Neとガバナのラック位置(燃料噴射量)Vが選択され、この稼働パラメータの値Ne、Vの組み合わせが、複数の各レベルB1、B2、…B16に分割される。こうしてエンジンにかかる負荷の大きさの分布を示す2次元の負荷マップBが設定される。
【0022】
そして、これら稼働パラメータNe、Vの値が検出される。
【0023】
そして、図4に示すように、これら稼働パラメータNe、Vが一定時間τが経過するまで検出され、負荷マップBの各レベルB1、B2…B16毎に、当該レベルBi(i=1〜16)に属する稼働パラメータの値が検出されている時間αiが積算される。
【0024】
また、図5に示すように、負荷マップBの各レベルB1、B2、…B16毎に、当該レベルBiの負荷の大きさに応じた重みkiが設定される。
【0025】
そして、上記積算された積算時間αiに対して、上記設定された重みkiに応じた重み付けαi・kiを行うことにより、重み付けされた積算時間αi・kiが、負荷マップBの各レベルB1、B2…B16毎に求められ、これら負荷マップBの各レベルBi毎の重み付けされた積算時間αi・kiに基づき、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量δ=Σαi・kiが演算される。
【0026】
一方、図6に示すように、エンジンが予め稼働されることにより、被害量の大きさδと寿命の長さHとの対応関係L2が、予め設定しておかれる。
【0027】
そこで、上記演算された実際の被害量δ1に対応する寿命H1が、上記予め設定された対応関係L2から求められ、この求められた寿命H1が、エンジンの予測寿命として出力される。
【0028】
このように、エンジンに加えられた被害量δ1が正確に数値化されて、エンジンの寿命H1が、熟練を要することなく、自動的かつ正確に予測される。
【0029】
また、第2発明では、上記第1発明において、エンジンにかかる負荷を示す二つの稼働パラメータを、エンジンの回転数Neと、エンジンのトルクあるいは馬力としている。そして、エンジンの回転数Neと、エンジンのトルクあるいは馬力との2次元の負荷マップを設定するようにしている。
【0030】
また、第3発明では、上記第1発明において、図7に示すように、稼働パラメータNe、Vの値を、所定間隔Δt毎に検出するようにしている。そして、負荷マップBの各レベルB1、B2…B16毎に、当該レベルBiに属する稼働パラメータNe、Vの値が検出された回数niを一定時間τ(合計検出回数N回)経過するまでカウントすることにより、図3に示すように、負荷マップBの各レベルB1、B2…B16毎に、当該レベルBiに属する稼働パラメータの値Ne、Vが検出されている時間αi=(ni/N)・100を積算するようにしている。
【0031】
また、第4発明では、上記第1発明において、積算時間αiが、一定時間τ
が経過する毎に、リセットされ、一定時間τが経過する毎に、エンジンの寿命が予測し直される。
【0032】
さて、エンジンの摺動部分の摩耗は、エンジン負荷の変化、エンジン回転数の変化が大きい程促進される。このため、エンジンに実際に加えられた被害量は、エンジン負荷の変動量、エンジン回転数の変動量に応じて異なる。
【0033】
第5発明〜第10発明は、こうしたエンジン負荷の変動量、エンジン回転数の変動量の大きさの違いが、エンジン全体およびエンジンを構成する部品の寿命に大きく影響を与えることに着目してなされたものである。
【0034】
そこで、この発明の第5発明では、エンジンの稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置において、
前記エンジンにかかる負荷またはエンジンの回転数を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この選択した稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出する稼働パラメータ検出手段(2、3)と、
前記稼働パラメータ検出手段で所定間隔毎に検出される稼働パラメータの値に基づいて、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量を演算する変動量演算手段(28)と、
前記単位時間当たりの稼働パラメータの変動量の大きさの分布を示す変動量マップを設定する変動量マップ設定手段(25)と、
前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に、当該大きさの変動量が演算される頻度を、一定時間が経過するまで計測する頻度計測手段(29、30)と、
前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に、重みを設定する重み設定手段(26)と、
前記頻度計測手段で計測された頻度に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度を、前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に求め、これら変動量マップの各変動量の大きさ毎の重み付けされた頻度に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記エンジンに加えられた実際の被害量を演算する被害量演算手段(34)と、
前記エンジンを予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(2)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記エンジンの予測寿命として出力する寿命予測手段(31)と
を具えるようにしている。
【0035】
第5発明の構成によれば、エンジンにかかる負荷およびエンジンの回転数を示す稼働パラメータとしてエンジン回転数Neとガバナのラック位置(燃料噴射量)Vが選択され、図7に示すように、これら稼働パラメータの値Ne、Vの値が、所定間隔Δt毎に検出される。
【0036】
そして、図10に示すように、順次検出される稼働パラメータの値に基づき、単位時間当たりの稼働パラメータNeの変動量が演算される。
【0037】
そして、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量ΔNejの大きさの分布を示す変動量マップHSが設定される。
【0038】
そして、図13に示すように、変動量マップHSの各変動量ΔNejの大きさΔNe1、ΔNe2、ΔNe3、ΔNe4毎に、当該大きさの変動量ΔNej(j=1〜4)が演算される頻度αjが、一定時間τが経過するまで計測される。
【0039】
一方、図21に示すように、変動量マップHSの各変動量ΔNejの大きさΔNe1、ΔNe2、ΔNe3、ΔNe4毎に、重みk1、k2、k3、k4が設定される。
【0040】
そして、上記計測された頻度αjに対して、上記設定された重みkjに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度kj・αjが、変動量マップHSの各変動量の大きさΔNej毎に求められ、これら第2のマップHSの各変動量の大きさΔNej毎の重み付けされた頻度kj・αjに基づき、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量γf=Σkj・αjが演算される。
【0041】
一方、エンジンが予め稼働されることにより、被害量の大きさγt=Σkj・βjと寿命の長さLtとの対応関係が、予め設定しておかれる。
【0042】
そして、上記演算された実際の被害量γfに対応する寿命Lfが、上記予め設定されたγtとLtの対応関係から求められ(Lf=(γt/γf)・Lt)、この求められた寿命Lfが、エンジンの予測寿命として出力される。
【0043】
また、この発明の第6発明では、エンジンの稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置において、
前記エンジンにかかる負荷またはエンジンの回転数を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この一の稼働パラメータの値または二以上の稼働パラメータの値の組み合わせを、複数の各レベルに分割することにより、前記エンジンにかかる負荷の大きさまたは回転数の大きさの分布を示す1次元または2次元以上の第1のマップを設定する第1のマップ設定手段(24)と、
前記稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出する稼働パラメータ検出手段(2、3)と、
前記稼働パラメータ検出手段で所定間隔毎に検出される稼働パラメータの値が、前記第1のマップのいずれのレベルに属しているかを、前記所定間隔毎に判定する判定手段(27)と、
前記判定手段で順次判定されるレベルに基づき、単位時間当たりに変動した両レベル間の変動幅を、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量として演算する変動量演算手段(28)と、
前記単位時間当たりの稼働パラメータの変動量の大きさの分布を示す第2のマップを設定する第2のマップ設定手段(25)と、
前記第2のマップの各変動量の大きさ毎に、当該大きさの変動量が演算される頻度を、一定時間が経過するまで計測する頻度計測手段(29、30)と、
前記第2のマップの各変動量の大きさ毎に、重みを設定する重み設定手段(26)と、
前記頻度計測手段で計測された頻度に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度を、前記第2のマップの各変動量の大きさ毎に求め、これら第2のマップの各変動量の大きさ毎の重み付けされた頻度に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記エンジンに加えられた実際の被害量を演算する被害量演算手段(34)と、
前記エンジンを予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(26)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記エンジンの予測寿命として出力する寿命予測手段(31)と
を具えるようにしている。
【0044】
第6発明の構成によれば、図10に示すように、エンジンにかかる負荷およびエンジンの回転数を示す稼働パラメータとしてエンジン回転数Neとガバナのラック位置(燃料噴射量)Vが選択され、この稼働パラメータの値Ne、Vの組み合わせが、複数の各レベルB1、B2、…B16に分割される。こうしてエンジンにかかる負荷の大きさおよびエンジン回転数の大きさの分布を示す2次元の第1のマップBが設定される。
【0045】
そして、図7に示すように、これら稼働パラメータの値Ne、Vの値が、所定間隔Δt毎に検出される。
【0046】
そして、所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Ne、Vが、第1のマップBのいずれのレベルBi(i=1〜16)に属しているかが、所定間隔Δt毎に判定される。
【0047】
そして、図10に示すように、順次判定されるレベルB7、B8に基づき、単位時間当たりに変動した両レベルB7、B8間の変動幅ΔNe1が、単位時間当たりの稼働パラメータNeの変動量ΔNeとして演算される。
【0048】
そして、図11に示すように、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量ΔNejの大きさの分布を示す第2のマップHSが設定される。
【0049】
そして、図13に示すように、第2のマップHSの各変動量ΔNejの大きさΔNe1、ΔNe2、ΔNe3、ΔNe4毎に、当該大きさの変動量ΔNej(j=1〜4)が演算される頻度αjが、一定時間τが経過するまで計測される。
【0050】
一方、図21に示すように、第2のマップHSの各変動量ΔNejの大きさΔNe1、ΔNe2、ΔNe3、ΔNe4毎に、重みk1、k2、k3、k4が設定される。
【0051】
そして、上記計測された頻度αjに対して、上記設定された重みkjに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度kj・αjが、第2のマップHSの各変動量の大きさΔNej毎に求められ、これら第2のマップHSの各変動量の大きさΔNej毎の重み付けされた頻度kj・αjに基づき、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量γf=Σkj・αjが演算される。
【0052】
一方、エンジンが予め稼働されることにより、被害量の大きさγt=Σkj・βjと寿命の長さLtとの対応関係が、予め設定しておかれる。
【0053】
そして、上記演算された実際の被害量γfに対応する寿命Lfが、上記予め設定されたγtとLtの対応関係から求められ(Lf=(γt/γf)・Lt)、この求められた寿命Lfが、エンジンの予測寿命として出力される。
【0054】
第7発明では、第5発明において、選択される稼働パラメータを、エンジンの回転数NeまたはエンジンのトルクTあるいは馬力PSであるとしている。
【0055】
また、第8発明では、上記第6発明において、第1のマップBは、エンジンの回転数Neと、エンジンのトルクTあるいは馬力PSとの2次元のマップであるとされ、第2のマップHSは、エンジンの回転数Neの変動量の1次元のマップまたはエンジントルクTあるいはエンジン馬力PSの変動量の1次元のマップであるとされる。
【0056】
また、第9発明では、上記第5発明または第6発明において、図14に示すように、エンジンを構成する部品の種類に応じた特定の検出範囲(B15、B16)が、所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Ne、Vの検出対象範囲から、除外され、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命が予測される。
【0057】
また、第9発明では、上記第6発明において、エンジンを構成する部品の種類に応じた特定のレベルB15、B16が、所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Ne、Vが、第1のマップBのいずれのレベルBi(i=1〜16)に属しているかどうかの判定対象から除外され、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命が予測される。
【0058】
また、第10発明では、上記第5発明または第6発明において、エンジンを構成する部品の種類に応じて、重みkjの大きさが変更され、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命が予測される。
【0059】
また、第11発明では、上記第5発明または第6発明において、頻度αjが、一定時間τが経過する毎に、リセットされ、一定時間τが経過する毎に、エンジンの寿命が予測し直される。
【0060】
また、本発明の第12発明では、エンジンの稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置において、
前記エンジンにかかる負荷およびエンジンの回転数を示す二以上の稼働パラメータを選択し、この二以上の稼働パラメータの値の組み合わせを、複数の各レベルに分割することにより、前記エンジンにかかる負荷の大きさおよび回転数の大きさの分布を示す2次元以上の第1のマップを設定する第1のマップ設定手段(24)と、
前記稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出する稼働パラメータ検出手段(2、3)と、
前記稼働パラメータ検出手段で所定間隔毎に検出される稼働パラメータの値が、前記第1のマップのいずれのレベルに属しているかを、前記所定間隔毎に判定する判定手段(27)と、
前記判定手段で順次判定されるレベルに基づき、単位時間当たりに変動した両レベル間の変動軌跡を、演算する変動軌跡演算手段(33)と、
前記単位時間当たりの両レベル間の変動軌跡の種類の分布を示す第2のマップを設定する第2のマップ設定手段(25)と、
前記第2のマップの各変動軌跡の種類毎に、当該種類の変動軌跡が演算される頻度を、一定時間が経過するまで計測する頻度計測手段(29、30)と、
前記第2のマップの各変動軌跡の種類毎に、重みを設定する重み設定手段(26)と、
前記頻度計測手段で計測された頻度に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度を、前記第2のマップの各変動軌跡の種類毎に求め、これら第2のマップの各変動軌跡の種類毎の重み付けされた頻度に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記エンジンに加えられた実際の被害量を演算する被害量演算手段(34)と、
前記エンジンを予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(26)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記エンジンの予測寿命として出力する寿命予測手段(31)と
を具えるようにしている。
【0061】
第12発明の構成によれば、図17に示すように、エンジンにかかる負荷およびエンジンの回転数を示す稼働パラメータとしてエンジン回転数Neとガバナのラック位置(燃料噴射量)Vが選択され、この稼働パラメータの値Ne、Vの組み合わせが、複数の各レベルB1、B2、B3、B4に分割される。こうしてエンジンにかかる負荷の大きさおよびエンジン回転数の大きさの分布を示す2次元の第1のマップBが設定される。
【0062】
そして、図7に示すように、これら稼働パラメータの値Ne、Vの値が、所定間隔Δt毎に検出される。
【0063】
そして、所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Ne、Vが、第1のマップBのいずれのレベルBi(i=1〜4)に属しているかが、所定間隔Δt毎に判定される。
【0064】
そして、図17に示すように、順次判定されるレベルB3、B1に基づき、単位時間当たりに変動した両レベル間の変動軌跡B3→B1(軌跡H)が、演算される。
【0065】
そして、図18に示すように、単位時間当たりの両レベル間の変動軌跡の種類Mj(M1(B1→B2)、M2(B1→B3)…)の分布を示す第2のマップHSが設定される。
【0066】
そして、変動軌跡の種類M1(B1→B2)、M2(B1→B3)…毎に、当該種類の変動軌跡Mj(j=1〜12)が演算される頻度αjが、一定時間τが経過するまで計測される。
【0067】
一方、図21に示すように、第2のマップHSの各変動軌跡の種類Mj毎に、重みkjが設定される。
【0068】
そして、上記計測された頻度αjに対して、上記設定された重みkjに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度kj・αjが、第2のマップHSの各変動軌跡の種類Mj毎に求められ、これら第2のマップHSの各変動軌跡の種類Mj毎の重み付けされた頻度kj・αjに基づき、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量γf=Σkj・αjが演算される。
【0069】
一方、エンジンが予め稼働されることにより、被害量の大きさγt=Σkj・βjと寿命の長さLtとの対応関係が、予め設定しておかれる。
【0070】
そして、上記演算された実際の被害量γfに対応する寿命Lfが、上記予め設定されたγtとLtの対応関係から求められ(Lf=(γt/γf)・Lt)、この求められた寿命Lfが、エンジンの予測寿命として出力される。
【0071】
第13発明、第14発明、第15発明、第16発明は、上記第8発明、第9発明、第10発明、第11発明にそれぞれ対応するものである。
【0072】
第17発明から第35発明は、第2の解決課題を解決するための発明である。
【0073】
第17発明から第23発明では、上記第1発明から第4発明と同様にして、高温疲労に起因した被害量を求めることで、機械の寿命が予測される。
【0074】
第24発明から第35発明では、上記第5発明から第11発明と同様にして、熱疲労に起因した被害量を求めることで、機械の寿命が予測される。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係るエンジン並びに熱源を有する機械の寿命予測装置の実施の形態について説明する。
【0076】
本実施形態では、建設機械に搭載されるディーゼルエンジンのオーバーホール時期、つまり寿命を予測する場合を想定している。なお、本実施形態では、建設機械のディーゼルエンジンを想定しているが、各種機械に搭載されるエンジンに適用可能であり、コントロールラックをもたないガソリンエンジンなど、任意のエンジンに適用可能である。
【0077】
まず、エンジンにかかる負荷の累積を、被害量として数値化することで、正確にエンジンの寿命を予測する実施形態について説明する。
【0078】
これを実現する寿命予測装置は、図1に示す機能ブロック図のごとく構成されている。
【0079】
すなわち、油圧ショベルなどの建設機械にあっては、この建設機械を駆動制御するために、エンジンの馬力PS(エンジン出力)、エンジン回転数Ne、トルクT、燃料噴射ポンプのガバナのコントロールラック位置V(以下、ラック位置Vという)、各作業機にかかる荷重、各作業機の油圧シリンダのストローク量、油圧駆動回路における油圧、エンジンのブローバイ圧など、建設機械の稼働時において、その値が逐次変化する各種稼働パラメータの値が、建設機械の各部に適宜に配設されたセンサによって検出される。
【0080】
これらセンサは、建設機械を駆動制御する際に、制御用のフィードバック信号を得るために通常設けられているセンサ(例えばエンジン回転数センサ)であれば、寿命予測装置を構築するためだけに新たにセンサを配設することなく、既存のセンサをそのまま使用することができる。
【0081】
本実施形態では、これら稼働パラメータの中から、エンジンの寿命の予測に必要なエンジンにかかる負荷を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータが選択される。本実施形態では、エンジンにかかる負荷を示す稼働パラメータとしてエンジン回転数Neとラック位置(燃料噴射量)Vが選択される。
【0082】
ラック位置は、エンジンのシリンダ内に噴射される燃料噴射量と同等であり、エンジンのトルクTの代用となる。
【0083】
燃料噴射量、エンジントルクを示す稼働パラメータであれば、ラック位置Vの代わりに、他の稼働パラメータを用いてもよい。また、ラック位置Vの代わりに、エンジンの馬力PSを用いてもよい。
【0084】
本実施形態では、図1に示すように、エンジン回転数Ne(r.p.m)を検出するエンジン回転数センサ2およびラック位置Vを電圧値として検出するラック位置センサ3の検出信号が、CPUを中心として構成されているエンジン寿命予測用のコントローラ1に入力され、このコントローラで後述する処理が実行されて、その処理結果である予測寿命がオペレータに視認できる位置に配設された表示部11に表示される。また、建設機械内部のコントローラと建設機械外部のパーソナルコンピュータとを所定の通信手段にて接続して、コントローラの処理結果を外部の所定箇所で視認できるようにしてもよい。
【0085】
図2は、上記コントローラ1で実行される処理の手順を示すフローチャートである。以下、図1のコントローラ1の各部で実行される内容について、このフローチャートおよび図3〜図7のグラフを併せ参照して説明する。
【0086】
まず、図3に示すように、エンジン回転数Neを横軸とし、ラック位置Vを縦軸として、これら稼働パラメータの値Ne、Vの組み合わせが、複数の各領域(各ブロック)B1、B2、…B16に分割される。つまり、エンジン回転数Neは、4段階のレベルNe1、Ne2、Ne3、Ne4に分割されるとともに、ラック位置Vは、4段階のレベルV1、V2、V3、V4に分割され、これらNe1、Ne2、Ne3、Ne4とV1、V2、V3、V4との組合せによって、16の領域B1〜B16が定まる。
【0087】
こうしてエンジンにかかる負荷の大きさの分布を示す2次元の負荷マップBが設定される。なお、負荷マップBの分割数は、説明の便宜のために、16分割した場合を想定しているが、16分割よりも細かく分割する実施も可能であり、また、16分割よりも粗く分割する実施も可能である。
【0088】
L1は、エンジンのトルク特性を示しており、PHは定格点を示している。稼働パラメータの値Ne、Vの組み合わせが、この定格点PHが属する領域B7に属しているときに、エンジンには最も大きい負荷がかかっている状態となっている。
【0089】
そこで、図5に示すように、負荷マップBの各領域B1、B2、…B16毎に、当該領域Bi(i=1〜16)の負荷の大きさに応じた重みkiが設定される。
【0090】
つまり、定格点PHが属する高負荷の領域B7には、最大の重みk7が設定され、低負荷の領域、たとえば領域B13には、最小の重みk13が設定される。
【0091】
以上のような負荷マップBの設定は、コントローラ1の負荷マップ設定部4で実行され、重みkiの設定は、重み設定部5で実行される(ステップ101)。
【0092】
つぎに、エンジン稼働中の稼働パラメータの値Ne、Vを収集するにあたって、実際にエンジンが稼働しているか否かが判断される。
すなわち、エンジン回転数センサ2の出力に基づきエンジンが回転中であるか否かが判断される(ステップ102)。
【0093】
エンジンが回転中であると判断された場合には、以下のステップ103〜108の処理が実行される。
【0094】
つぎに、エンジンの稼働中に、稼働パラメータNe、Vの値が、所定間隔Δt毎、たとえば10mmsec毎に検出される(ステップ103)。
【0095】
つぎに、この稼働パラメータNe、Vの検出値に基づき、負荷マップBの各領域B1、B2…B16毎に、当該領域Biに属する稼働パラメータNe、Vの値が検出された回数niが、一定時間τ、たとえば2時間が経過するまでカウントされる。ここで、一定時間τ(2時間)の間の合計の検出回数はN回(72万回)
であるとする。
【0096】
すなわち、図7のグラフは、時間tの経過に伴ってエンジン回転数Neが変化するエンジン回転数変化曲線L3を示しており、その所定間隔Δt毎の値Neはエンジン回転数センサ2によって検出される。
【0097】
そして、所定間隔Δt毎に、センサ2の検出値Neが、4段階のレベルNe1、Ne2、Ne3、Ne4のうちのいずれのレベルに属しているかが判断される。
【0098】
同様にして、所定間隔Δt毎に、ラック位置センサ3の検出値Vが、4段階のレベルV1、V2、V3、V4のうちのいずれのレベルに属しているかが判断される。
【0099】
こうして、所定間隔Δt毎に、エンジン回転数のレベルNe1、Ne2、Ne3、Ne4のいずれであるか、ラック位置のレベルV1、V2、V3、V4のいずれであるかが特定されるので、所定間隔Δt毎に、領域B1〜B16のいずれであるかが特定される。こうして、所定間隔Δt毎に、稼働パラメータNe、Vが属している領域Biが特定されると、その領域Biの検出頻度niが順次+1インクリメントされていく。たとえば、時刻t3で、エンジン回転数のレベルがNe1であり、ラック位置のレベルがV1であったとすれば、領域B13の検出頻度n13に+1が加算される。
【0100】
このようにして、図3に示すように、各領域Bi毎に検出頻度niがカウントされていき、一定時間τに達するまで検出頻度niが積算されていく(ステップ104)。
【0101】
すなわち、カウント開始から一定時間τ(例えば2時間)が経過したか否かが判断され(ステップ105)、上記一定時間τが経過していなければ、エンジンが回転中である限り、検出頻度niをカウントして積算していく上記処理を繰り返し行う(ステップ102〜104)。一方、上記一定時間τが経過すると、一たび検出頻度niをカウントする処理を終了させる。
【0102】
上記頻度niのカウントは、頻度カウント部7で実行される。
【0103】
つぎに、頻度換算部8では、図4に示すように、一定時間τが経過するまでの検出頻度niを、全検出回数Nで割ることにより、検出頻度niを%換算する処理が実行される。
【0104】
こうして求められる%換算された頻度αi=(ni/N)・100(%)は、一定時間τのうちで、領域Biに属していた時間の占める割合を表している。
【0105】
たとえば、領域B7の%換算された頻度α7が30%であったとすれば、一定時間τ(2時間)のうちの30%の時間(0.6時間)は、この領域B7に属する稼働パラメータNe、Vが検出されていた、ということを表している。
【0106】
このように、検出頻度niを%換算しているのは、メモリの容量を小さくするためである。メモリの記憶容量に余裕があれば、%換算された頻度αiの代わりに、検出頻度niをそのまま以降の演算で使用してもよい。また、要は、各領域Bi毎に、検出された時間を求めることができればよいので、各領域Bi毎の検出時間(ni/N)・τを、以降の演算でαiの代わりに使用してもよい(ステップ106)。
【0107】
つぎに、平均負荷率演算部9では、上記%換算された検出頻度αiに対して、重み設定部5で設定された重みkiに応じた重み付けαi・kiを行うことにより、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量(主としてエンジンに加わる機械的疲労)を表す指標となる平均負荷率、
を演算する処理が実行される。
【0108】
上記(1)式に示されるように、平均負荷率δは、負荷マップBのうちで、負荷の大きい領域Biで稼働された時間が長い程、大きい値を示す(ステップ107)。
【0109】
一方、エンジンの開発時において、予め耐久テストおよびテスト後の部品検査が行われ、図6に示すように、被害量の大きさδとエンジンの平均寿命の長さHとの対応関係L2が、予め設定しておかれる。
【0110】
すなわち、所定の耐久テストが行われた時間H0に、100%の負荷率δ0を対応づける。そして、この負荷率δ0に所定の余裕度Δδを上乗せして、D点をプロットする。そして、耐久テスト後の部品摩耗や損傷具合の検査から、経験的に、一般的な稼働条件の下での負荷率δL、一般的な稼働条件の下での寿命HLが求められ、これに対応する点Eがプロットされる。
【0111】
そして、D点、E点を結ぶ曲線として、被害量の大きさδとエンジンの平均寿命の長さHとの対応関係L2が求められる。この平均寿命曲線L2は、全てのエンジンについての平均的なものであり、実際には、個々のエンジンの製造時のばらつきなどによって幅をもっている。また、この平均寿命曲線L2は、エンジンの型式、エンジンを構成する部品の種類毎に、異なる曲線を描く。
【0112】
上記平均寿命曲線L2は、寿命曲線設定部6に予め設定されている。
【0113】
そこで、上記(1)式によって実際の被害量δが値δ1として演算されたものとすると、寿命演算部10では、この被害量δ1に対応する寿命H1が、上記予め設定された対応関係L2から求められ、この求められた寿命H1が、エンジンの予測寿命として、表示部11に出力される。また、被害量がδ2であれば、これに対応する予測寿命H2が表示部11に出力される。
【0114】
このように、エンジンに加えられた被害量δ1、δ2が正確に数値化されて、エンジンの寿命H1、H2が、熟練を要することなく、自動的かつ正確に予測される(ステップ108)。
【0115】
以後、頻度カウント部7のカウント結果niが零にリセットされた上で(ステップ109)、以後同様のステップ102〜108の処理が繰り返し実行される。つまり、一定時間τが経過する毎に、エンジンの寿命Hが予測し直され、エンジンの稼働条件が変化した場合でもエンジンの寿命Hの予測結果が正確に補正されることになる。
【0116】
いま、一定時間τ毎に求められる被害量δk(k=1、2…)とし、これに対応して予測寿命Hkが求められるものとすると、残存寿命HLfは、現在の稼働累計時間(稼働サービスメータの計時値)をSMRとして、下記(2)式により求められる。
【0117】
HLf=Hk−SMR …(2)
なお、本実施形態では、エンジン全体の寿命を予測する場合を想定しているが、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命を予測してもよい。
【0118】
この場合は、エンジンを構成する部品の種類毎に、図6に示す寿命曲線を予め求めておけばよい。また、エンジンを構成する部品の種類毎に、図5に示す負荷の大きさに応じた重みkiの値を異ならせるようにしてもよい。
【0119】
また、本実施形態では、負荷マップBとして2次元のマップを想定しているが、
1次元のマップ、あるいは3次元以上のマップを用いてもよい。たとえば、エンジンのトルクTの大きさの分布を示す1次元のマップを負荷マップとして使用することも可能である。
【0120】
上述した実施形態では、負荷の値そのものからエンジンに加えられた被害量を求めるようにしているが、つぎに、負荷の変動量を考慮してエンジンに加えられた被害量を求める実施形態について説明する。
【0121】
本実施形態では、エンジンの稼働中に値が変化する稼働パラメータの中から、エンジンの寿命の予測に必要なエンジンにかかる負荷またはエンジンの回転数を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータが選択される。本実施形態では、稼働パラメータとしてエンジン回転数Neとラック位置(燃料噴射量)Vの2つの稼働パラメータが選択される。
【0122】
ラック位置は、エンジンのシリンダ内に噴射される燃料噴射量と同等であり、エンジンのトルクTの代用となる。
【0123】
燃料噴射量あるいはエンジントルクを示す稼働パラメータであれば、ラック位置Vの代わりに、他の稼働パラメータを用いてもよい。また、エンジンのトルクTを示す稼働パラメータの代わりに、エンジンの馬力PSを示す稼働パラメータを用いてもよい。
【0124】
また、2つの稼働パラメータを用いるのではなくて、エンジン回転数Ne、ラック位置Vのいずれかを用いるようにしてもよい。
【0125】
本実施形態では、図8(a)に示すように、エンジン回転数Ne(r.p.m)を検出するエンジン回転数センサ2およびラック位置Vを電圧値として検出するラック位置センサ3の検出信号が、CPUを中心として構成されているエンジン寿命予測用のコントローラ21に入力され、このコントローラで後述する処理が実行されて、その処理結果である予測寿命がオペレータに視認できる位置に配設された表示部32に表示される。また、建設機械内部のコントローラと建設機械外部のパーソナルコンピュータとを所定の通信手段にて接続して、コントローラの処理結果を外部の所定箇所で視認できるようにしてもよい。
【0126】
図9は、上記コントローラ21で実行される処理の手順を示すフローチャートである。以下、図8(a)のコントローラ21の各部で実行される内容について、このフローチャートおよび図10〜図16、図21、図22のグラフを併せ参照して説明する。
【0127】
まず、図10に示すように、エンジン回転数Neを横軸とし、ラック位置Vを縦軸として、これら稼働パラメータの値Ne、Vの組み合わせが、複数の各領域(各ブロック)B1、B2、…B16に分割される。つまり、エンジン回転数Neは、4段階のレベルNe1、Ne2、Ne3、Ne4に分割されるとともに、ラック位置Vは、4段階のレベルV1、V2、V3、V4に分割され、これらNe1、Ne2、Ne3、Ne4とV1、V2、V3、V4との組合せによって、16の領域B1〜B16が定まる。
【0128】
ここで、エンジン回転数Neの単位変動幅としてΔNeが設定され、ラック位置Vの変動幅としてΔVが設定される。この単位変動幅は、領域Biの縦、横の大きさに対応している。
【0129】
たとえば、エンジンの稼働状態が、軌跡Cに示すように領域B7から領域B8に、横方向に領域1個分だけ変動したものとすると、エンジン回転数Neは、単位変動幅ΔNeだけ変動したものとされる(ラック位置の変動はなし)。また、エンジンの稼働状態が、軌跡Dに示すように、領域B14から領域B8に、横方向に領域3個分、縦方向に領域3個分だけ変動したものとすると、エンジン回転数Neは、単位変動幅ΔNeの3倍の3ΔNeだけ変動し、ラック位置Vは、単位変動幅ΔVの3倍の3ΔVだけ変動したものとされる。
【0130】
こうして2次元の第1のマップBが設定される。なお、第1のマップBの分割数は、説明の便宜のために、16分割した場合を想定しているが、16分割よりも細かく分割する実施も可能であり、また、16分割よりも粗く分割する実施も可能である。
【0131】
L1は、エンジンのトルク特性を示しており、PHは定格点を示している。稼働パラメータの値Ne、Vの組み合わせが、この定格点PHが属する領域B7に属しているときに、エンジンには最も大きい負荷がかかっている状態となっている。
【0132】
また、図11に示すように、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量ΔNejの大きさの分布を示す第2のマップHSが設定される。
【0133】
すなわち、この第2のマップHSの横軸には、エンジン回転数の変動量ΔNej(j=1、2、3、4)の大きさΔNe1(単位変動幅ΔNe)、ΔNe2(単位変動幅ΔNeの2倍の2ΔNe)、ΔNe3(単位変動幅ΔNeの3倍の3ΔNe)、ΔNe4(単位変動幅ΔNeの4倍の4ΔNe)が、プロットされている。
【0134】
なお、本実施形態では、第2のマップHSとして、エンジン回転数の変動量ΔNejの大きさの分布を設定しているが、この代わりに、図12に示すように、ラック位置の変動量ΔVjの大きさの分布を設定してよい。また、エンジン回転数の変動量ΔNejの大きさの分布のマップおよびラック位置の変動量ΔVjの分布の大きさの分布の両方を設定してもよい。
【0135】
以上のような第1のマップBは、コントローラ1の第1マップ設定部24で実行され、第2のマップHSの設定は、コントローラ1の第2マップ設定部25で実行される(ステップ201)。
【0136】
つぎに、エンジン稼働中の稼働パラメータの値Ne、Vを収集するにあたって、実際にエンジンが稼働しているか否かが判断される。
すなわち、エンジン回転数センサ2の出力に基づきエンジンが回転中であるか否かが判断される(ステップ202)。
【0137】
エンジンが回転中であると判断された場合には、以下のステップ203〜210の処理が実行される。
【0138】
つぎに、エンジンの稼働中に、稼働パラメータNe、Vの値が、所定間隔Δt毎、たとえば10mmsec毎に検出される(ステップ203)。
【0139】
つぎに、こうして所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Ne、Vが、第1のマップBのいずれの領域Biに属しているかが、所定間隔Δt毎に判定される。
【0140】
すなわち、図7のグラフは、前述したように、時間tの経過に伴ってエンジン回転数Neが変化するエンジン回転数変化曲線L3を示しており、その所定間隔Δt毎の値Neはエンジン回転数センサ2によって検出される。
【0141】
そして、所定間隔Δt毎に、センサ2の検出値Neが、4段階のレベルNe1、Ne2、Ne3、Ne4のうちのいずれのレベルに属しているかが判断される。
【0142】
同様にして、所定間隔Δt毎に、ラック位置センサ3の検出値Vが、4段階のレベルV1、V2、V3、V4のうちのいずれのレベルに属しているかが判断される。
【0143】
こうして、所定間隔Δt毎に、エンジン回転数のレベルNe1、Ne2、Ne3、Ne4のいずれであるか、ラック位置のレベルV1、V2、V3、V4のいずれであるかが特定されるので、所定間隔Δt毎に、領域B1〜B16のいずれであるかが特定され、第1のマップBのいずれの領域Biのいずれに属しているかが判定される。こうした判定処理は、コントローラ21の判定部27で実行される(ステップ204)。
【0144】
つぎに、コントローラ21の変動量演算部28では、判定部27で順次判定される領域に基づき、単位時間当たりに変動した両領域間の変動幅ΔNe、2ΔNe、3ΔNe、4ΔNeが、単位時間当たりの稼働パラメータNeの変動量として演算される。単位時間としては、たとえば、上記所定間隔(サンプリング間隔)Δtに設定される。
【0145】
たとえば、図10の軌跡Cに示すように、単位時間Δtの間に、領域B7から領域B8に、エンジン回転数Neが単位変動幅ΔNe分だけ変動したものとすると(ラック位置の変動はなし)、エンジン回転数の変動量はΔNeと演算される。
【0146】
また、図10の軌跡Dに示すように、単位時間Δtの間に、領域B14から領域B8に、エンジン回転数Neが単位変動幅ΔNeの3倍の3ΔNeだけ変動したものとすると、エンジン回転数の変動量は、3ΔNeと演算される(ステップ205)。
【0147】
つぎに、頻度カウント部29では、図11に示すように、こうして変動量が演算される頻度njが、第2のマップHSの各変動量の大きさΔNe1、ΔNe2、ΔNe3、ΔNe4毎にカウントされていき、一定時間τに達するまで積算されていく。たとえば、図7の時刻t2で、エンジン回転数のレベルがNe2であり、時刻t3でエンジン回転数のレベルがNe1であったとすれば、単位時間Δtあたりのエンジン回転数の変動量は、単位変動幅ΔNeであるので、第2のマップHSのΔNe1の検出頻度n1に+1が加算される。
【0148】
一定時間τは、たとえば2時間であり、この2時間の間の合計の頻度(変動量0を演算する頻度を含む)はN回(72万回)であるものとする(ステップ206)。
【0149】
そして、カウント開始から一定時間τ(例えば2時間)が経過したか否かが判断され(ステップ207)、上記一定時間τが経過していなければ、エンジンが回転中である限り、頻度njをカウントして積算していく上記処理を繰り返し行う(ステップ202〜206)。一方、上記一定時間τが経過すると、一たび頻度njをカウントする処理を終了させる。
【0150】
上記頻度njのカウントは、頻度カウント部29で実行される。
【0151】
図11に示す第2のマップHSは、稼働パラメータNe、Vを所定間隔Δt毎にサンプリングして得られた全データを、公知のレインフロー法を用いて正規化する処理を施すことによって作成することができる。
【0152】
上述した本実施形態では、第1のマップBを設定し、所定間隔Δt毎に順次検出される稼働パラメータNeが、第1のマップBの領域Biの中心値(あるいは代表値)Ne1、Ne2、Ne3、Ne4のいずれかの値をとるものとして、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量ΔNejを求めるようにしているが、所定間隔Δt毎に順次検出される稼働パラメータの値Neを、マップBの領域Biの中心値(あるいは代表値)に変換することなく、サンプリングデータNeを、そのままレインフロー法により正規化して、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量ΔNejを求め、第2のマップHSを作成してもよい。
【0153】
なお、本実施形態では、第2のマップHSの変動量の大きさを、第1のマップBの領域Biの幅に応じた単位変動幅ΔNeの整数倍に設定しているが、これに限定されることなく、第2のマップHSの変動量の大きさは、任意の大きさに設定することができる。
【0154】
また、稼働パラメータNe、Vを所定間隔Δt毎にサンプリングして得られた全データを、エンジンの馬力PS、またはトルクTに換算し、レインフロー法により、横軸をエンジン馬力PSの変動量の大きさとした第2のマップHS、または横軸をエンジントルクTの変動量の大きさとした第2のマップHSを作成するようにしてもよい。
【0155】
こうして作成される稼働パラメータの変動量の大きさ毎の頻度を示す第2のマップHSは、エンジンの運転の仕方の傾向を表す。
【0156】
たとえば、エンジン回転数の変動量の大きさ毎の頻度を示す第2のマップと、エンジン馬力の変動量の大きさ毎の頻度を示す第2のマップを作成することにより、これら第2のマップから「馬力の変動は小さいが回転変動の大きい運転である」とか、「回転変動は小さいが馬力の変動は大きい運転である」といったエンジンの運転の仕方の特徴を容易に把握することができる。
【0157】
つぎに、頻度換算部30では、図13に示すように、一定時間τが経過するまでの頻度njを、全頻度Nで割ることにより、頻度njを%換算する処理が実行される。
【0158】
こうして求められる%換算された頻度αj=(nj/N)・100(%)は、一定時間τのうちで、変動量がΔNejであった割合を表している。
【0159】
たとえば、変動量ΔNe1の%換算された頻度α1が25%であったとすれば、一定時間τ(2時間)のうちの25%の時間(0.5時間)は、ΔNe1の大きさでエンジン回転数が変動していた、ということを表している。
【0160】
このように、頻度njを%換算しているのは、メモリの容量を小さくするためである。メモリの記憶容量に余裕があれば、%換算された頻度αjの代わりに、検出頻度njをそのまま以降の演算で使用してもよい(ステップ208)。
【0161】
つぎに、劣化係数演算部34では、上記%換算された頻度αjに対して、寿命データ設定部26で設定された重みkjに応じた重み付けαj・kjを行うことにより、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量(主としてエンジンの摩耗)を表す指標となる劣化係数、
を演算する処理が実行される。
【0162】
すなわち、図21の斜線部分は、エンジンの開発時において、予め耐久テストを行うことによって得られた図13の第2のマップHSに対応するマップである。エンジンを耐久テストの条件の下で稼働させることにより、エンジン回転数の変動量の大きさΔNejの%換算された頻度βjが求められる。そして、エンジン回転数の変動量の大きさΔNej毎に、エンジンの摩耗度合いに応じた重みkjが設定される。この重みkjは、耐久テスト時に、経験的に設定される。
あるいは、上記頻度βi、重みkiの理論的な値を計算することによって寿命データ設定部26に設定しておいてもよい。
【0163】
したがって、耐久テストの条件の下での劣化係数γtは、上記(3)式と同様にして、下記(4)式によって求められ、設定されておかれる。
上記(3)式に示されるように、劣化係数γfは、重みkiの大きい(摩耗の大きい)変動量ΔNeiで、エンジン回転数が変化されている時間が長い程、大きい値を示す。
【0164】
また、耐久テストの条件の下でのエンジンの平均寿命Ltについても予め設定されておかれる。この耐久テストの条件の下でのエンジンの平均寿命Ltは経験的に推定される(ステップ209)。
【0165】
そこで、寿命演算部31では、これら予め設定された耐久テストの条件化での劣化係数γtと、この劣化係数γtに対応する平均寿命Ltとの対応関係に基づき、下記(5)式にしたがい、実際のエンジン稼働時の平均寿命Lfが推定演算される。
【0166】
Lf=(γt/γf)・Lt …(5)
そして、この求められた寿命Lfが、エンジンの予測寿命として、表示部32に出力される。
【0167】
このように、エンジンに加えられた被害量を示す指標である劣化係数γfが正確に数値化されて、エンジンの寿命Lfが、熟練を要することなく、自動的かつ正確に予測される(ステップ210)。
【0168】
以後、頻度カウント部29のカウント結果njが零にリセットされた上で(ステップ211)、以後同様のステップ202〜210の処理が繰り返し実行される。つまり、一定時間τが経過する毎に、エンジンの寿命Lfが予測し直される。
【0169】
なお、つぎの演算式により、逐次、残存寿命ΔLを求めるようにしてもよい。
【0170】
ΔL=(Lf1−SMR)・(γf1/γf2) …(6)
ここで、
γf1:当初の劣化係数
Lf1:当初の予測寿命
SMR:上記γf1、Lf1を求めた時点から経過したサービスメータ時間
γf2:上記SMR時間だけ経過した時点で求められた劣化係数
である。これらの関係を図22に示す。
【0171】
上記(6)式によれば、当初予測寿命を求めた後でエンジンの稼働状態(稼働条件)が変化した場合に、その時点からの残存寿命ΔLを容易に求めることができる。
【0172】
なお、本実施形態では、エンジン全体の寿命を予測しているが、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命を予測してもよい。
【0173】
この場合は、エンジンを構成する部品の種類毎に、図21に示す摩耗の大きさに応じた重みkiの値を異ならせるようにしてもよい。大きな回転変動に弱い部品(摩耗が進行し易い部品)もあれば、大きな回転変動に強い部品(摩耗が進行しにくい部品)もあるからである。
【0174】
また、エンジンを構成する部品の種類毎に、耐久テストの条件化での劣化係数γt、これに対応する寿命Ltを設定しておいてもよい。
【0175】
また、本実施形態では、第1のマップBとして2次元のマップを想定しているが、1次元のマップ、あるいは3次元以上のマップを用いてもよい。たとえば、エンジンの回転数Neの大きさの分布を示す1次元のマップを第1のマップBとして使用することも可能である。
【0176】
さらに以上説明した実施形態に、種々の変形を加えて実施してもよい。
【0177】
すなわち、エンジンを構成する部品のうち、熱負荷の影響を受ける部品、たとえばバルブ、ターボ、ピストン、マニホールドなどにあっては、第1のマップBのうち、熱負荷の小さい領域で稼働されていたとしても、部品の寿命に影響を及ぼさない。
【0178】
そこで、図14に示すように、エンジンを構成する部品の種類に応じた特定の範囲E(B15、B16)が設定され(斜線の範囲)、所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Ne、Vが、この特定の検出範囲Eに入ったときは、その検出データは、以降の演算(ステップ203〜)では使用しないものとされる。このように、特定の範囲Eが、検出対象範囲から除外された上で、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命が予測される。
【0179】
また、エンジンを構成する部品の種類に応じた特定の領域E(B15、B16)が設定され、この特定の領域Eは、ステップ204における判定処理では使用しないものとされる。つまり、特定の領域Eについては、所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Ne、Vがこの第1のマップBのいずれのレベルBi(i=1〜16)に属しているかどうかの判定対象から除外された上で、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命が予測される。
【0180】
たとえば、図15の軌跡Gに示すように、実際には、稼働パラメータがB13→B14→B15→B16→B12と変化したとしても、斜線にて示す領域B15、B16は通過していないものとみなされ、稼働パラメータは、B13→B14→B12と変化したものとみなして、変動量ΔNejあるいはΔVjが計算され、第2のマップHSが作成される。
【0181】
また、本実施形態では、サンプリング時間Δt毎に稼働パラメータの値の属する第1のマップBの領域Biが変化したならば、一義的に、稼働パラメータが変動したものと判断しているが、同じ領域に滞在している時間が短い場合には、この領域を通過していないものとみなしてもよい。
【0182】
たとえば、図15の軌跡Fに示すように、実際には、稼働パラメータがB13→B10→B6→B7→B8と変化したとしても、サンプリング時間Δt毎にみれば、図16に示すように変化していれば、2Δt以上滞在している領域(B13、B7、B8)については通過し、Δt以下しか滞在していない斜線にて示す領域(B10、B6)については通過していないものとみなすことができる。つまり、稼働パラメータは、B13→B7→B8と変化したものとみなして、変動量ΔNejあるいはΔVjが計算され、第2のマップHSが作成される。
【0183】
上述した実施形態では、第2のマップとして、変動量のマップを設定して、各変動量毎に頻度を求めるようにしているが、第2のマップとして、変動軌跡のマップを設定して、各変動軌跡毎に頻度を求めるような実施も可能である。
【0184】
図8(b)は、この実施形態の装置構成のブロック図を示している。
【0185】
図8(a)と異なるのは、変動量演算部28の代わりに、変動軌跡演算部33を設けた点である。
【0186】
以下、図9のフローチャートを参照して、この実施形態における処理を説明する。なお、図8(a)の実施形態と共通する説明は適宜省略する。
【0187】
すなわち、まず、図17に示すように、エンジン回転数Neを横軸とし、ラック位置Vを縦軸として、これら稼働パラメータの値Ne、Vの組み合わせが、複数の各領域(各ブロック)B1、B2、B3、B4に分割され、第1のマップBが設定される。なお、分割数は、任意である。
【0188】
ここで、エンジンの稼働状態の軌跡をH(B3→B1)、I(B3→B2)、J(B3→B4)として例示するように、ある領域から他の領域に変動する変動軌跡の種類は、12とおりとなる。
【0189】
また、図18に示すように、変動軌跡の種類Mj(j=1〜12)の分布を示す第2のマップHSが設定される。
【0190】
すなわち、この第2のマップHSの横軸には、変動軌跡の種類Mj、つまりM1(B1→B2)、M2(B1→B3)、M3(B1→B4)、M4(B2→B1)…がプロットされる。
【0191】
以上のような第1のマップBは、コントローラ21の第1マップ設定部24で実行され、第2のマップHSの設定は、コントローラ21の第2マップ設定部25で実行される(ステップ201)。
【0192】
つぎに、エンジン稼働中の稼働パラメータの値Ne、Vを収集するにあたって、実際にエンジンが稼働しているか否かが判断される。
すなわち、エンジン回転数センサ2の出力に基づきエンジンが回転中であるか否かが判断される(ステップ202)。
【0193】
エンジンが回転中であると判断された場合には、以下のステップ103〜108の処理が実行される。
【0194】
つぎに、エンジンの稼働中に、稼働パラメータNe、Vの値が、所定間隔Δt毎、たとえば10mmsec毎に検出される(ステップ203)。
【0195】
つぎに、こうして所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Ne、Vが、第1のマップBのいずれの領域Biに属しているかが、所定間隔Δt毎に判定される。
【0196】
こうした判定処理は、コントローラ21の判定部27で実行される(ステップ204)。
【0197】
つぎに、コントローラ21の変動軌跡演算部33では、判定部27で順次判定される領域に基づき、単位時間当たりに変動した軌跡の種類が演算される。
【0198】
単位時間としては、たとえば、稼働パラメータNe、Vのサンプリング間隔Δtに設定される。
【0199】
たとえば、単位時間Δtの間に、領域B1から領域B2に、変動したものとすると、変動軌跡の種類はM1(図18参照)と演算される(ステップ205)。
【0200】
つぎに、頻度カウント部29では、図18に示すように、こうして単位時間Δt毎に演算される頻度njが、第2のマップHSの各変動軌跡の種類Mj毎にカウントされていき、一定時間τに達するまで積算されていく。たとえば、単位時間Δtの間に、領域B1から領域B2に、変動したものとすると、図18の第2のマップの変動軌跡種類M1の頻度n1に+1が加算される。
【0201】
一定時間τは、たとえば2時間であり、この2時間の間の合計の頻度(変動なしを含む)はN回(72万回)であるものとする(ステップ206)。
【0202】
そして、カウント開始から一定時間τ(例えば2時間)が経過したか否かが判断され(ステップ207)、上記一定時間τが経過していなければ、エンジンが回転中である限り、頻度njをカウントして積算していく上記処理を繰り返し行う(ステップ202〜206)。一方、上記一定時間τが経過すると、一たび頻度njをカウントする処理を終了させる。
【0203】
つぎに、頻度換算部30では、一定時間τが経過するまでの頻度njを、全頻度Nで割ることにより、頻度njを%換算する処理が実行される。
【0204】
こうして求められる%換算された頻度αj=(nj/N)・100(%)は、一定時間τのうちで、変動軌跡がMjであった割合を表している。
【0205】
たとえば、変動軌跡M1の%換算された頻度α1が25%であったとすれば、一定時間τ(2時間)のうちの25%の時間(0.5時間)は、領域B1から領域B2へと変動していた、ということを表している。
【0206】
このように、頻度njを%換算しているのは、メモリの容量を小さくするためである。メモリの記憶容量に余裕があれば、%換算された頻度αjの代わりに、頻度njをそのまま以降の演算で使用してもよい(ステップ208)。
【0207】
つぎに、劣化係数演算部34では、上記%換算された頻度αjに対して、寿命データ設定部26で設定された重みkj(図21参照)に応じた重み付けαj・kjを行うことにより、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量(主としてエンジンの摩耗)を表す指標となる劣化係数、
を演算する処理が実行される。
【0208】
また、耐久テストの条件の下での劣化係数γtは、上記(3)式と同様にして、下記(4)式によって求められ、設定されておかれる。
上記(3)式に示されるように、劣化係数γfは、重みkiの大きい(摩耗の大きい)軌跡Mjを通過した頻度が大きい程、大きい値を示す。
【0209】
また、耐久テストの条件の下でのエンジンの平均寿命Ltについても予め設定されておかれる。この耐久テストの条件の下でのエンジンの平均寿命Ltは経験的に推定される(ステップ209)。
【0210】
そこで、寿命演算部31では、これら予め設定された耐久テストの条件化での劣化係数γtと、この劣化係数γtに対応する平均寿命Ltとの対応関係に基づき、下記(5)式にしたがい、実際のエンジン稼働時の平均寿命Lfが推定演算される。
【0211】
Lf=(γt/γf)・Lt …(5)
そして、この求められた寿命Lfが、エンジンの予測寿命として、表示部32に出力される。
【0212】
このように、エンジンに加えられた被害量を示す指標である劣化係数γfが正確に数値化されて、エンジンの寿命Lfが、熟練を要することなく、自動的かつ正確に予測される(ステップ210)。
【0213】
以後、頻度カウント部29のカウント結果njが零にリセットされた上で(ステップ211)、以後同様のステップ202〜210の処理が繰り返し実行される。つまり、一定時間τが経過する毎に、エンジンの寿命Lfが予測し直される。
【0214】
なお、以上説明した実施形態に、種々の変形を加えて実施してもよい。
【0215】
すなわち、エンジンを構成する部品のうち、熱負荷の影響を受ける部品、たとえばバルブ、ターボ、ピストン、マニホールドなどにあっては、第1のマップBのうち、熱負荷の小さい領域で稼働されていたとしても、部品の寿命に影響を及ぼさない。
【0216】
そこで、図14と同様にして、部品の種類(熱負荷の影響を受ける部品)に応じて、特定の領域(熱負荷の小さい領域)を設定し、この特定の領域については検出対象除外領域、判定対象除外領域とすることができる。
【0217】
また、本実施形態では、サンプリング時間Δt毎に稼働パラメータの値の属する第1のマップBの領域Biが変化したならば、一義的に、稼働パラメータが変動したものと判断して、その変動の軌跡の種類Mjを求めるようにしているが、同じ領域に滞在している時間が短い場合には、この領域を通過していないものとみなして、変動軌跡の種類Mjを求めてもよい。
【0218】
たとえば、図19の軌跡Qに示すように、実際には、稼働パラメータがB3→B1→B2→B4→B2→B1と変化したとしても、サンプリング時間Δt毎にみれば、図20に示すように変化していれば、2Δt以上滞在している領域(最初からB3、B2、B4、B1)については通過し、Δt以下しか滞在していない斜線にて示す領域(B1、B2)については通過していないものとみなすことができる。つまり、稼働パラメータは、B3→B2→B4→B1変化したものとして、変動軌跡Mjが計算され、第2のマップHSが作成される。
【0219】
つぎに、エンジンで発生した熱の累積を、被害量として数値化することで、正確にエンジンの寿命を予測する実施形態について説明する。
【0220】
まず、「高温疲労」を考慮した実施形態について説明する。これは、図1〜図7で説明した実施形態の考え方を、ほぼそのまま適用することができる。
【0221】
これを実現する寿命予測装置は、図23(a)、(b)に示す機能ブロック図のごとく構成されている。
【0222】
本実施形態では、エンジンの稼働中に値が変化する稼働パラメータの中から、エンジンの寿命の予測に必要なエンジンで発生した熱を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータが選択される。本実施形態では、熱を示す稼働パラメータとして、エンジンの排気の温度が選択される。
【0223】
排気温度は、図23(a)に示すように、温度センサ42により直接検出することもでき、また図23(b)に示すように、温度センサ42を新たに配設することなく、エンジン制御用としてすでに装着されている既存のエンジン回転数センサ2およびラック位置センサ3を利用して、これらセンサの検出値から温度を推定演算してもよい。ラック位置は、エンジンのシリンダ内に噴射される燃料噴射量と同等であり、エンジンのトルクTの代用となる。燃料噴射量、エンジントルクを示す稼働パラメータであれば、ラック位置Vの代わりに、他の稼働パラメータを用いてもよい。また、ラック位置Vの代わりに、エンジンの馬力PSを用いてもよい。
【0224】
また、エンジンで発生した熱を示す稼働パラメータであれば、上記排気温度(エンジン回転数、ラック位置)以外の他の稼働パラメータを使用する実施も可能である。
【0225】
本実施形態では、図23(b)に示すように、エンジン回転数Ne(r.p.m)を検出するエンジン回転数センサ2およびラック位置Vを電圧値として検出するラック位置センサ3の検出信号が、CPUを中心として構成されているエンジン寿命予測用のコントローラ41に入力され、このコントローラで後述する処理が実行されて、その処理結果である予測寿命がオペレータに視認できる位置に配設された表示部49に表示される。また、建設機械内部のコントローラと建設機械外部のパーソナルコンピュータとを所定の通信手段にて接続して、コントローラの処理結果を外部の所定箇所で視認できるようにしてもよい。図23(a)に示すコントローラ41では、エンジンの排気温度Teを検出する温度センサ42の検出信号が入力される。
【0226】
図25は、上記コントローラ41で実行される処理の手順を示すフローチャートである。以下、図23のコントローラ41の各部で実行される内容について、このフローチャートおよび図27〜図31、図35のグラフを併せ参照して説明する。
【0227】
まず、図28に示すように、エンジン排気温度Teを横軸とし、頻度niを縦軸とする熱マップTが設定される。排気温度Teは、それぞれ温度幅を所定幅(100°C)として、たとえば7段階のレベルTe1(0〜100°C)、Te2(101°C〜200°C)、…Tei…Te7(601°C〜700°C)に分割されている。
【0228】
こうしてエンジンで発生する熱の大きさ(排気温度の大きさ)の分布を示す1次元の熱マップTが設定される。なお、熱マップTの分割数は、説明の便宜のために、7分割した場合を想定しているが、7分割よりも細かく分割する実施も可能であり、また、7分割よりも粗く分割する実施も可能である。
【0229】
また、図30に示すように、熱マップTの各領域Te1、Te2、…Te7毎に、当該領域Tei(i=1〜7)の熱の大きさに応じた重みkiが設定される。
【0230】
たとえば、最大温度の領域Te7には、最大の重みk7が設定され、最低温度の領域Te1には、最小の重みk1が設定される。
【0231】
以上のような熱マップTの設定は、コントローラ41の熱マップ設定部45aで実行され、重みkiの設定は、被害量重み設定部43で実行される(ステップ301)。
【0232】
つぎに、エンジン稼働中の稼働パラメータの値Ne、V(またはTe)を収集するにあたって、実際にエンジンが稼働しているか否かが判断される。
すなわち、エンジン回転数センサ2の出力に基づきエンジンが回転中であるか否かが判断される(ステップ302)。
【0233】
エンジンが回転中であると判断された場合には、以下のステップ303〜308の処理が実行される。
【0234】
つぎに、エンジンの稼働中に、稼働パラメータNe、V(またはTe)の値が、所定サンプリング間隔Δt毎、たとえば10mmsec毎に検出される(ステップ303)。
【0235】
つぎに、稼働パラメータNe、Vの検出値から求めた演算温度Teまたは温度検出値Teに基づき、熱マップTの各領域Te1、Te2…Te7毎に、当該領域Teiに属する温度の演算回数または検出回数niが、一定時間τ、たとえば2時間が経過するまでカウントされる。ここで、一定時間τ(2時間)の間の合計の検出回数はN回(72万回)であるとする。
【0236】
ここに、エンジン排気温度は、エンジン回転数および燃料噴射量(燃料噴射ポンプのラック位置)によって定まる。
【0237】
図27のグラフは、エンジン回転数Ne、燃料噴射量を示すラック位置Vと、排気温度Teの関係を示している。L4はエンジンの出力(馬力)を示しており、L5は等温度線を示している。エンジンの最大馬力では、等温度線L5は、最大の温度(たとえば650°C以上の温度)を示しているのがわかる。
【0238】
図23(b)の温度換算演算部50では、現在の検出エンジン回転数Ne、検出ラック位置Vに対応する温度が、図27に示すグラフにしたがい求められ、推定演算温度Teとして、上記サンプリング間隔Δt毎に出力される。
【0239】
また、温度センサ42の検出温度Teを直接入力する図23(a)のコントローラ41では、上記温度換算演算部50は不要となる。
【0240】
こうして、所定間隔Δt毎に、温度Teが特定されるので、所定間隔Δt毎に、図28の温度領域Te1〜Te7のいずれであるかが特定される。こうして、所定間隔Δt毎に、現在の温度Teが属している領域Teiが特定されると、その領域Teiの検出頻度niが順次+1インクリメントされていく。たとえば、ある時刻tで、排気温度Teが150°Cであったとすれば、これに対応する領域Te2の検出頻度n2に+1が加算される。
【0241】
ただし、すべての検出データTeを有効なものとして、頻度nの中に含ませるのではなく、同じ温度領域のものが連続して検出された場合のみ(所定時間以上同じ温度であった場合のみ)、そのときの検出データTeを有効なものとして、頻度nの中に含ませる実施も可能である。
【0242】
たとえば、図31に示すような検出データTeがΔt毎に検出されたとすれば、所定のしきい値Nth回(例えば100回:10sec)よりも少ない回数しか連続して検出されていないデータTe1、Te2は除外し、Nth回以上連続して検出されたデータTe3については有効なものとして、これを頻度n3の中に含ませるということが考えられる。
【0243】
このようにして、図28に示すように、各領域Tei毎に検出頻度niがカウントされていき、一定時間τに達するまで検出頻度niが積算されていく(ステップ304)。
【0244】
すなわち、カウント開始から一定時間τ(例えば2時間)が経過したか否かが判断され(ステップ305)、上記一定時間τが経過していなければ、エンジンが回転中である限り、検出頻度niをカウントして積算していく上記処理を繰り返し行う(ステップ302〜304)。一方、上記一定時間τが経過すると、一たび検出頻度niをカウントする処理を終了させる。
【0245】
上記頻度niのカウントは、頻度カウント部45で実行される。
【0246】
つぎに、頻度換算部46では、図29に示すように、一定時間τが経過するまでの検出頻度niを、全検出回数Nで割ることにより、検出頻度niを%換算する処理が実行される。
【0247】
こうして求められる%換算された頻度αi=(ni/N)・100(%)は、一定時間τのうちで、温度領域Teiに属していた時間の占める割合を表している。
【0248】
たとえば、領域Te7の%換算された頻度α7が30%であったとすれば、一定時間τ(2時間)のうちの30%の時間(0.6時間)は、この領域α7に属する温度Te(稼働パラメータNe、V)が検出されていた(温度601°C〜700°Cの範囲だった)、ということを表している。
【0249】
このように、検出頻度niを%換算しているのは、メモリの容量を小さくするためである。メモリの記憶容量に余裕があれば、%換算された頻度αiの代わりに、検出頻度niをそのまま以降の演算で使用してもよい。また、要は、各領域Tei毎に、検出された時間を求めることができればよいので、各領域Tei毎の検出時間(ni/N)・τを、以降の演算でαiの代わりに使用してもよい(ステップ306)。
【0250】
つぎに、被害量演算部47では、図30に示すように、上記%換算された検出頻度αiに対して、被害量重み設定部43で設定された重みkiに応じた重み付けαi・kiを行うことにより、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量(「高温疲労」による被害量)を表す指標となる高温疲労被害量、
を演算する処理が実行される。
【0251】
上記(7)式に示されるように、高温疲労被害量εは、熱マップTのうちで、熱の大きい領域Tei(たとえばTe7)で稼働された時間が長い程、大きい値を示す(ステップ307)。
【0252】
一方、エンジンの開発時において、予め耐久テストおよびテスト後の部品検査が行われ、図35に示すように、被害量の大きさεとエンジンの平均寿命の長さHとの対応関係L2が、予め設定しておかれる。
【0253】
すなわち、所定の耐久テストが行われた時間H0に、100%の高温疲労被害量ε0を対応づける。そして、この高温疲労被害量ε0に所定の余裕度Δεを上乗せして、D点をプロットする。そして、耐久テスト後の部品摩耗や損傷具合の検査から、経験的に、一般的な稼働条件の下での被害量εs、一般的な稼働条件の下での寿命Hsが求められ、これに対応する点Sがプロットされる。
【0254】
そして、D点、S点を結ぶ曲線として、高温疲労被害量の大きさεとエンジンの平均寿命の長さHとの対応関係L2が求められる。この平均寿命曲線L2は、全てのエンジンについての平均的なものであり、実際には、個々のエンジンの製造時のばらつきなどによって幅をもっている。また、この平均寿命曲線L2は、エンジンの型式、エンジンを構成する部品の種類毎に、異なる曲線を描く。
【0255】
上記平均寿命曲線L2は、寿命曲線設定部44に予め設定されている。
【0256】
そこで、上記(7)式によって実際の高温疲労被害量εが値ε1として演算されたものとすると、寿命演算部48では、この高温疲労被害量ε1に対応する寿命H1が、上記予め設定された対応関係L2から求められ、この求められた寿命H1が、エンジンの予測寿命として、表示部49に出力される。また、高温疲労被害量がε2であれば、これに対応する予測寿命H2が表示部49に出力される。
【0257】
このように、エンジンに加えられた高温疲労被害量ε1、ε2が正確に数値化されて、エンジンの寿命H1、H2が、熟練を要することなく、自動的かつ正確に予測される(ステップ308)。
【0258】
以後、頻度カウント部45のカウント結果niが零にリセットされた上で(ステップ309)、以後同様のステップ302〜308の処理が繰り返し実行される。つまり、一定時間τが経過する毎に、エンジンの寿命Hが予測し直され、エンジンの稼働条件が変化した場合でもエンジンの寿命Hの予測結果が正確に補正されることになる。
【0259】
また、現在から寿命Hに至るまでの残存寿命HLfを、以下のようにして求め、これを表示部49に表示出力してもよい。
【0260】
いま、一定時間τ毎に求められる高温疲労被害量をεk(k=1、2…)とし、これに対応して予測寿命Hkが求められるものとすると(図35参照)、残存寿命HLfは、現在の稼働累計時間(稼働サービスメータの計時値)をSMRとして、下記(8)式により求められる。
【0261】
HLf=Hk−SMR …(8)
また、つぎのような式で残存寿命Hを求めてもよい。
【0262】
HLf(t+τ)=HLf(t)−τ(Hs/Hk) …(9)
ただし、残存寿命HLfの初期値はHs(一般的な稼働条件での寿命)として、上記(9)式にしたがい、残存寿命HLfがτ時間経過毎に順次更新されていく。
【0263】
上記(9)式によれば、エンジンが一般的な稼働条件で使用されれば、現在の寿命HLf(t)から実際の稼働時間τを引いた分が残存寿命HLfとなるが、熱による被害量が大きくなれば(Hkが小さくなれば)、それに応じて実際の稼働時間τよりも実質的に多い時間τ(Hs/Hk)(>τ)が、現在の寿命HLf(t)から引かれることになり、残存寿命HLfは、一般的な稼働条件の場合よりも少なくなる。
【0264】
なお、本実施形態では、エンジン全体の寿命を予測する場合を想定しているが、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命を予測してもよい。
【0265】
たとえば、高温疲労による被害を受ける部品としては、シリンダライナ、シリンダヘッド、バルブなどが挙げられる。これら特定の部品に限って、その寿命を予測する実施も可能である。
【0266】
この場合は、エンジンを構成する部品の種類毎に、図35に示す寿命曲線を予め求めておけばよい。また、エンジンを構成する部品の種類毎に、図30に示す熱の大きさに応じた重みkiの値を異ならせるようにしてもよい。また、図31で説明したように、連続していない検出データは有効でないとする処理を、特定の部品に限って行うようにしてもよい。
【0267】
また、本実施形態では、熱マップTとして、温度の1次元のマップを想定しているが、2次元以上のマップを用いてもよい。たとえば、図27に示すように、エンジン回転数Ne、ラック位置Vの大きさの分布を示す2次元のマップBを、熱マップとし、各ブロックB1〜B16毎に、熱の大きさ(温度の大きさ)を対応づけておき、各ブロック毎に頻度nをカウントすることも可能である。
【0268】
なお、寿命予測の対象は、エンジン全体またはエンジンを構成する部品に限定されるわけではない。およそエンジンによって発生した熱が加わる構成要素であれば、上述した寿命予測の対象となり得る。たとえば、エンジンによる動力が伝達されるパワートレインまたはこれを構成する部品の寿命予測を行う実施も可能である。
【0269】
さらに、エンジンを有した機械だけに限定されるわけではない。本発明としては、熱源を有した機械であって、熱による被害を受け、その被害によって機械の寿命が左右されるものであれば、任意の機械に適用可能である。
【0270】
上述した実施形態では、熱(温度)の値そのものからエンジンに加えられた被害量を求めるようにしているが、つぎに、熱(温度)の変動量を考慮してエンジンに加えられた被害量を求める実施形態、つまり「熱疲労」を考慮した実施形態について説明する。これは、図8〜図22で説明した実施形態の考え方を、ほぼそのまま適用することができる。
【0271】
これを実現する寿命予測装置は、図24(a)、(b)に示す機能ブロック図のごとく構成されている。
【0272】
本実施形態では、エンジンの稼働中に値が変化する稼働パラメータの中から、エンジンの寿命の予測に必要なエンジンで発生した熱を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータが選択される。本実施形態では、熱を示す稼働パラメータとして、エンジンの排気の温度が選択される。
【0273】
排気温度は、温度センサ42により直接検出する場合を想定しているが、図23(b)で説明したように、温度センサ42を新たに配設することなく、エンジン制御用としてすでに装着されている既存のエンジン回転数センサ2およびラック位置センサ3を利用して、これらセンサの検出値から温度を推定演算してもよい。
【0274】
また、エンジンで発生した熱を示す稼働パラメータであれば、上記排気温度(エンジン回転数、ラック位置)以外の他の稼働パラメータを使用する実施も可能である。
【0275】
本実施形態では、図24(b)に示すように、排気温度Teを検出する温度センサ42の検出信号が、CPUを中心として構成されているエンジン寿命予測用のコントローラ51に入力され、このコントローラで後述する処理が実行されて、その処理結果である予測寿命がオペレータに視認できる位置に配設された表示部59に表示される。また、建設機械内部のコントローラと建設機械外部のパーソナルコンピュータとを所定の通信手段にて接続して、コントローラの処理結果を外部の所定箇所で視認できるようにしてもよい。
【0276】
図26は、上記コントローラ51で実行される処理の手順を示すフローチャートである。以下、図24のコントローラ51の各部で実行される内容について、このフローチャートおよび図28、図31〜図35のグラフを併せ参照して説明する。
【0277】
まず、図28に示すように、エンジン排気温度Teを横軸とし、頻度niを縦軸とする熱マップTが設定される。排気温度Teは、それぞれ温度幅を所定幅(100°C)として、たとえば7段階のレベルTe1(0〜100°C)、Te2(101°C〜200°C)、…Tei…Te7(601°C〜700°C)に分割されている。
【0278】
こうしてエンジンで発生する熱の大きさ(排気温度の大きさ)の分布を示す1次元の熱マップTが設定される。なお、熱マップTの分割数は、説明の便宜のために、7分割した場合を想定しているが、7分割よりも細かく分割する実施も可能であり、また、7分割よりも粗く分割する実施も可能である。
【0279】
以上のような熱マップTの設定は、コントローラ51の熱マップ設定部60aで実行される。
【0280】
ここで、温度Teの単位変動幅としてΔTeが設定される。この単位変動幅は、熱マップTの温度領域Teiの幅(100°C)に対応している。
【0281】
たとえば、排気温度Teが、100°Cだけ変動したものとすると、温度Teは、単位変動幅ΔTeだけ変動したものとされる。
【0282】
そこで、図32に示すように、単位時間当たりの熱(温度)の変動量ΔTejの大きさの分布を示す熱変動マップΔTが設定される。
【0283】
すなわち、この熱変動マップΔTの横軸には、温度の変動量ΔTej(j=1、2、3、4、5、6、7)の大きさΔTe1(単位変動幅ΔTe)、ΔTe2(単位変動幅ΔTeの2倍の2ΔTe)、…、ΔTe7(単位変動幅ΔTeの7倍の7ΔTe)が、プロットされている。
【0284】
以上のような熱変動マップΔTの設定は、コントローラ51の熱変動マップ設定部55aで実行される(ステップ401)。
【0285】
つぎに、エンジン稼働中の稼働パラメータの値Teを収集するにあたって、実際にエンジンが稼働しているか否かが判断される。
すなわち、エンジン回転数センサ2の出力に基づきエンジンが回転中であるか否かが判断される(ステップ402)。
【0286】
エンジンが回転中であると判断された場合には、以下のステップ403〜410の処理が実行される。
【0287】
つぎに、エンジンの稼働中に、稼働パラメータTeの値が、所定のサンプリング間隔Δt毎、たとえば10mmsec毎に検出される(ステップ403)。
【0288】
つぎに、こうして所定間隔Δt毎に検出される稼働パラメータの値Teが、熱マップTのいずれの領域Teiに属しているかが、所定間隔Δt毎に判定される。
【0289】
こうして、所定間隔Δt毎に、温度領域Te1〜Te7のいずれであるかが特定され、温度マップTのいずれの領域Teiのいずれに属しているかが判定される。こうした判定処理は、コントローラ51の判定部60で実行される(ステップ404)。
【0290】
つぎに、コントローラ51の変動量演算部54では、判定部60で順次判定される領域に基づき、単位時間当たりに変動した両領域間の変動幅ΔTe、2ΔTe…7ΔTeが、単位時間当たりの稼働パラメータTeの変動量として演算される。単位時間としては、たとえば、上記所定間隔(サンプリング間隔)Δtに設定される。
【0291】
たとえば、単位時間Δtの間に、領域Te1から領域Te3に、温度Teが単位変動幅ΔTeの3倍の3ΔTeだけ変動したものとすると、温度の変動量は、3ΔTeと演算される(ステップ405)。
【0292】
つぎに、頻度カウント部55では、図32に示すように、こうして変動量が演算される頻度njが、熱変動マップΔTの各変動量の大きさΔTe1、ΔTe2、…、ΔTe7毎にカウントされていき、一定時間τに達するまで積算されていく。たとえば、ある時刻tで、温度のレベルがTe2であり、それからサンプリング間隔Δt経過した時刻t+Δtで温度のレベルがTe1であったとすれば、単位時間Δtあたりの温度の変動量は、単位変動幅ΔTeであるので、熱変動マップΔTのΔTe1の検出頻度n1に+1が加算される。
【0293】
一定時間τは、たとえば2時間であり、この2時間の間の合計の頻度(変動量0を演算する頻度を含む)はN回(72万回)であるものとする(ステップ406)。
【0294】
そして、カウント開始から一定時間τ(例えば2時間)が経過したか否かが判断され(ステップ407)、上記一定時間τが経過していなければ、エンジンが回転中である限り、頻度njをカウントして積算していく上記処理を繰り返し行う(ステップ402〜406)。一方、上記一定時間τが経過すると、一たび頻度njをカウントする処理を終了させる。
【0295】
上記頻度njのカウントは、頻度カウント部55で実行される。
【0296】
さて、図32に示す熱変動マップΔTは、稼働パラメータTeを所定間隔Δt毎にサンプリングして得られた全データを、公知のレインフロー法を用いて正規化する処理を施すことによって作成することができる。
【0297】
上述した本実施形態では、熱マップTを設定し、所定間隔Δt毎に順次検出される稼働パラメータNeが、熱マップTの領域Teiの中心値(あるいは代表値)の値をとるものとして、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量ΔTejを求めるようにしているが、所定間隔Δt毎に順次検出される稼働パラメータの値Teを、マップTの領域Teiの中心値(あるいは代表値)に変換することなく、サンプリングデータTeを、そのままレインフロー法により正規化して、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量ΔTejを求め、熱変動マップΔTを作成してもよい。
【0298】
この場合は、図24(a)に示すように、コントローラ51において、熱マップ設定部60a、判定部60は省略でき、ステップ401における熱マップ設定処理およびステップ404における判定処理は不要となる。
【0299】
ただし、すべての検出データTeを有効なものとしてレインフロー法により処理するのではなく、同じ温度領域のものが連続して検出された場合のみ(所定時間以上同じ温度であった場合のみ)、そのときの検出データTeを有効なものとして、レインフロー法による処理の対象とする実施も可能である。
【0300】
たとえば、図31に示すような検出データTeがΔt毎に検出されたとすれば、所定のしきい値Nth回(例えば100回:10sec)よりも少ない回数しか連続して検出されていないデータTe1、Te2は除外し、Nth回以上連続して検出されたデータTe3については有効なものとして、これをレインフロー法による処理の対象とするデータとすることが考えられる。
【0301】
なお、本実施形態では、熱変動マップΔTの単位変動量の大きさを、熱マップTの領域Teiの幅と同じ幅ΔTe(100°C)に設定しているが、これに限定されることなく、熱変動マップΔTの単位変動量の大きさは、任意の大きさに設定することができる。
【0302】
つぎに、頻度換算部56では、図33に示すように、一定時間τが経過するまでの頻度njを、全頻度Nで割ることにより、頻度njを%換算する処理が実行される。
【0303】
こうして求められる%換算された頻度αj=(nj/N)・100(%)は、一定時間τのうちで、変動量がΔTejであった割合を表している。
【0304】
たとえば、熱変動量ΔTe1の%換算された頻度α1が25%であったとすれば、一定時間τ(2時間)のうちの25%の時間(0.5時間)は、ΔTe1の大きさで温度が変動していた、ということを表している。
【0305】
このように、頻度njを%換算しているのは、メモリの容量を小さくするためである。メモリの記憶容量に余裕があれば、%換算された頻度αjの代わりに、検出頻度njをそのまま以降の演算で使用してもよい(ステップ408)。
【0306】
つぎに、被害量演算部57では、図34に示すように、上記%換算された頻度αjに対して、被害量重み設定部52で設定された重みk´jに応じた重み付けαj・k´jを行うことにより、一定時間τが経過するまでの間にエンジンに加えられた実際の被害量(「熱疲労」による被害量)を表す指標となる熱疲労被害量、
を演算する処理が実行される。
【0307】
上記(10)式に示されるように、熱疲労被害量ε´は、熱変動マップΔTのうちで、熱変動の大きい領域ΔTej(たとえばΔTe7)で稼働された時間が長い程、大きい値を示す(ステップ409)。
【0308】
一方、エンジンの開発時において、予め耐久テストおよびテスト後の部品検査が行われ、図35に示すように、被害量の大きさε´とエンジンの平均寿命の長さHとの対応関係L2が、予め設定しておかれる。
【0309】
すなわち、所定の耐久テストが行われた時間H0に、100%の熱疲労被害量ε´0を対応づける。そして、この熱疲労被害量ε´0に所定の余裕度Δε´を上乗せして、D点をプロットする。そして、耐久テスト後の部品摩耗や損傷具合の検査から、経験的に、一般的な稼働条件の下での被害量ε´s、一般的な稼働条件の下での寿命Hsが求められ、これに対応する点Sがプロットされる。
【0310】
そして、D点、S点を結ぶ曲線として、熱疲労被害量の大きさε´とエンジンの平均寿命の長さHとの対応関係L2が求められる。この平均寿命曲線L2は、全てのエンジンについての平均的なものであり、実際には、個々のエンジンの製造時のばらつきなどによって幅をもっている。また、この平均寿命曲線L2は、エンジンの型式、エンジンを構成する部品の種類毎に、異なる曲線を描く。
【0311】
上記平均寿命曲線L2は、寿命曲線設定部53に予め設定されている。
【0312】
そこで、上記(10)式によって実際の熱疲労被害量ε´が値ε´1として演算されたものとすると、寿命演算部58では、この熱疲労被害量ε´1に対応する寿命H1が、上記予め設定された対応関係L2から求められ、この求められた寿命H1が、エンジンの予測寿命として、表示部59に出力される。また、熱疲労被害量がε´2であれば、これに対応する予測寿命H2が表示部59に出力される。
【0313】
このように、エンジンに加えられた熱疲労被害量ε´1、ε´2が正確に数値化されて、エンジンの寿命H1、H2が、熟練を要することなく、自動的かつ正確に予測される(ステップ410)。
【0314】
以後、頻度カウント部55のカウント結果njが零にリセットされた上で(ステップ411)、以後同様のステップ402〜410の処理が繰り返し実行される。つまり、一定時間τが経過する毎に、エンジンの寿命Hが予測し直され、エンジンの稼働条件が変化した場合でもエンジンの寿命Hの予測結果が正確に補正されることになる。
【0315】
なお、上述した式(8)ないしは式(10)により、現在から寿命Hに至るまでの残存寿命HLfを求め、これを表示部59に表示出力してもよい。
【0316】
なお、本実施形態では、エンジン全体の寿命を予測する場合を想定しているが、エンジンを構成する部品の種類毎に、寿命を予測してもよい。
【0317】
たとえば、熱疲労による被害を受ける部品としては、ピストン、ピストン回りの部品(ピストンリング等)などが挙げられる。これら特定の部品に限って、その寿命を予測する実施も可能である。
【0318】
この場合は、エンジンを構成する部品の種類毎に、図35に示す寿命曲線を予め求めておけばよい。また、エンジンを構成する部品の種類毎に、図30に示す熱変動の大きさに応じた重みk´jの値を異ならせるようにしてもよい。また、図31で説明したように、連続していない検出データは有効でないとする処理を、特定の部品に限って行うようにしてもよい。
【0319】
また、本実施形態では、熱マップTとして、温度の1次元のマップを想定しているが、2次元以上のマップを用いてもよい。たとえば、図27に示すように、エンジン回転数Ne、ラック位置Vの大きさの分布を示す2次元のマップBを、熱マップとし、各ブロックB1〜B16毎に、熱の大きさ(温度の大きさ)を対応づけておいてもよい。
【0320】
なお、寿命予測の対象は、エンジン全体またはエンジンを構成する部品に限定されるわけではない。およそエンジンによって発生した熱が加わる構成要素であれば、上述した寿命予測の対象となり得る。たとえば、エンジンによる動力が伝達されるパワートレインまたはこれを構成する部品の寿命予測を行う実施も可能である。
【0321】
さらに、エンジンを有した機械だけに限定されるわけではない。本発明としては、熱源を有した機械であって、熱による被害を受け、その被害によって機械の寿命が左右されるものであれば、任意の機械に適用可能である。
【0322】
以上説明した各実施形態によれば、エンジンなどの機械のオーバーホールの時期を正確に予測することができるようになったので、適切な時期に施されるメンテナンスによりエンジンの大破などの事故を未然に防止することができる。また、オーバーホールの時期を正確に予測することができるようになったので、計画的な整備が可能となり、配車計画などの生産計画を正確に立てることができたり、オーバーホールに必要な部品を必要な時期に準備することができたり、整備員の管理が容易になったりするなどの利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るエンジンの寿命予測装置の実施形態の装置構成を示すブロック図である。
【図2】図2は図1の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は負荷マップの各領域に、検出頻度が対応づけられている様子を説明する図である。
【図4】図4は負荷マップの各領域に、%換算された検出頻度が対応づけられている様子を説明する図である。
【図5】図5は負荷マップの各領域に、重みが対応づけられている様子を説明する図である。
【図6】図6は平均負荷率と、エンジンの寿命との対応関係を示す図である。
【図7】図7はエンジンの回転数が時系列的に変化する様子を示す図である。
【図8】図8(a)、(b)は本発明に係るエンジンの寿命予測装置の各実施形態の装置構成を示すブロック図である。
【図9】図9は図8の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は図8(a)に示す装置で使用される第1のマップを示す図である。
【図11】図11は図8(a)に示す装置で使用される第2のマップを示す図である。
【図12】図12は図8(a)に示す装置で使用される第2のマップを示す図である。
【図13】図13は図8(a)に示す装置で使用される第2のマップにおける頻度を%換算した図である。
【図14】図14は図8(a)に示す装置で使用される第1のマップにおける除外領域を示す図である。
【図15】図15は稼働パラメータが変動する軌跡を示す図である。
【図16】図16はサンプリング間隔毎に稼働パラメータの属する第1のマップの領域が変動する様子を示す図である。
【図17】図17は図8(b)に示す装置で使用される別の第1のマップを示す図である。
【図18】図18は図8(b)に示す装置で使用される第2のマップを示す図である。
【図19】図19は稼働パラメータが変動する軌跡を示す図である。
【図20】図20はサンプリング間隔毎に稼働パラメータの属する第1のマップの領域が変動する様子を示す図である。
【図21】図21は予め設定されるデータを説明する図である。
【図22】図22は残存寿命の演算を説明するために用いた図である。
【図23】図23(a)、(b)は本発明に係る熱源を有した機械の寿命予測装置の各実施形態の装置構成を示すブロック図である。
【図24】図24は(a)、(b)は本発明に係る熱源を有した機械の寿命予測装置の各実施形態の装置構成を示すブロック図である。
【図25】図25は図23の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】図26は図24の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】図27はエンジン回転数、燃料噴射量(ラック位置)と排気温度の関係を示す図である。
【図28】図28は熱マップの各領域に、検出頻度が対応づけられている様子を説明する図である。
【図29】図29は熱マップの各領域に、%換算された検出頻度が対応づけられている様子を説明する図である。
【図30】図30は熱マップの各領域に、重みが対応づけられている様子を説明する図である。
【図31】図31は検出データから有効データを取得する様子を説明する図である。
【図32】図32は熱変動マップの各領域に、検出頻度が対応づけられている様子を説明する図である。
【図33】図33は熱変動マップの各領域に、%換算された検出頻度が対応づけられている様子を説明する図である。
【図34】図34は熱変動マップの各領域に、重みが対応づけられている様子を説明する図である。
【図35】図35は熱による被害量と、機械の寿命との対応関係を示す図である。
【符号の説明】
1、21、41、51 コントローラ
2 エンジン回転数センサ
3 ラック位置センサ
42 温度センサ
Claims (35)
- エンジンの稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置において、
前記エンジンにかかる負荷を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この一の稼働パラメータの値または二以上の稼働パラメータの値の組み合わせを、複数の各レベルに分割することにより、前記エンジンにかかる負荷の大きさの分布を示す1次元または2次元以上の負荷マップを設定する負荷マップ設定手段(4)と、
前記稼働パラメータの値を検出する稼働パラメータ検出手段(2、3)と、
前記稼働パラメータ検出手段によって前記稼働パラメータを一定時間が経過するまで検出することにより、前記負荷マップの各レベル毎に、当該レベルに属する稼働パラメータの値が検出されている時間を積算する時間積算手段(7、8)と、
前記負荷マップの各レベル毎に、当該レベルの負荷の大きさに応じた重みを設定する重み設定手段(5)と、
前記時間積算手段で積算された積算時間に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた積算時間を、前記負荷マップの各レベル毎に求め、これら負荷マップの各レベル毎の重み付けされた積算時間に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記エンジンに加えられた実際の被害量を演算する被害量演算手段(9)と、
前記エンジンを予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(6)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記エンジンの予測寿命として出力する寿命予測手段(10)と
を具えたエンジンの寿命予測装置。 - 前記エンジンにかかる負荷を示す二つの稼働パラメータは、エンジンの回転数と、前記エンジンのトルクあるいは馬力であり、
前記負荷マップ設定手段は、エンジンの回転数と、エンジンのトルクあるいは馬力との2次元のマップを設定するものである
請求項1記載のエンジンの寿命予測装置。 - 前記稼働パラメータ検出手段は、前記稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出するものであり、
前記時間積算手段は、前記負荷マップの各レベル毎に、当該レベルに属する稼働パラメータの値が検出された回数を前記一定時間が経過するまでカウントすることにより、前記負荷マップの各レベル毎に、当該レベルに属する稼働パラメータの値が検出されている時間を積算するものである
請求項1記載のエンジンの寿命予測装置。 - 前記時間積算手段で積算される積算時間を、前記一定時間が経過する毎に、リセットすることにより、前記一定時間が経過する毎に、前記エンジンの寿命を予測し直すようにした
請求項1記載のエンジンの寿命予測装置。 - エンジンの稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置において、
前記エンジンにかかる負荷またはエンジンの回転数を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この選択した稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出する稼働パラメータ検出手段(2、3)と、
前記稼働パラメータ検出手段で所定間隔毎に検出される稼働パラメータの値に基づいて、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量を演算する変動量演算手段(28)と、
前記単位時間当たりの稼働パラメータの変動量の大きさの分布を示す変動量マップを設定する変動量マップ設定手段(25)と、
前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に、当該大きさの変動量が演算される頻度を、一定時間が経過するまで計測する頻度計測手段(29、30)と、
前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に、重みを設定する重み設定手段(26)と、
前記頻度計測手段で計測された頻度に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度を、前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に求め、これら変動量マップの各変動量の大きさ毎の重み付けされた頻度に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記エンジンに加えられた実際の被害量を演算する被害量演算手段(34)と、
前記エンジンを予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(26)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記エンジンの予測寿命として出力する寿命予測手段(31)と
を具えたエンジンの寿命予測装置。 - エンジンの稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置において、
前記エンジンにかかる負荷またはエンジンの回転数を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この一の稼働パラメータの値または二以上の稼働パラメータの値の組み合わせを、複数の各レベルに分割することにより、前記エンジンにかかる負荷の大きさまたは回転数の大きさの分布を示す1次元または2次元以上の第1のマップを設定する第1のマップ設定手段(24)と、
前記稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出する稼働パラメータ検出手段(2、3)と、
前記稼働パラメータ検出手段で所定間隔毎に検出される稼働パラメータの値が、前記第1のマップのいずれのレベルに属しているかを、前記所定間隔毎に判定する判定手段(27)と、
前記判定手段で順次判定されるレベルに基づき、単位時間当たりに変動した両レベル間の変動幅を、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量として演算する変動量演算手段(28)と、
前記単位時間当たりの稼働パラメータの変動量の大きさの分布を示す第2のマップを設定する第2のマップ設定手段(25)と、
前記第2のマップの各変動量の大きさ毎に、当該大きさの変動量が演算される頻度を、一定時間が経過するまで計測する頻度計測手段(29、30)と、
前記第2のマップの各変動量の大きさ毎に、重みを設定する重み設定手段(26)と、
前記頻度計測手段で計測された頻度に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度を、前記第2のマップの各変動量の大きさ毎に求め、これら第2のマップの各変動量の大きさ毎の重み付けされた頻度に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記エンジンに加えられた実際の被害量を演算する被害量演算手段(34)と、
前記エンジンを予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(26)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記エンジンの予測寿命として出力する寿命予測手段(31)と
を具えたエンジンの寿命予測装置。 - 前記選択される稼働パラメータは、エンジンの回転数または、前記エンジンのトルクあるいは馬力である
請求項5記載のエンジンの寿命予測装置。 - 前記第1のマップ設定手段で設定される第1のマップは、エンジンの回転数と、前記エンジンのトルクあるいは馬力との2次元のマップであり、
前記第2のマップ設定手段で設定される第2のマップは、エンジンの回転数の変動量の1次元のマップまたはエンジントルクあるいはエンジン馬力の変動量の1次元のマップである
請求項6記載のエンジンの寿命予測装置。 - 請求項5または6記載のエンジンの寿命を予測する装置は、エンジンを構成する部品の寿命を予測する装置であり、
前記エンジンを構成する部品の種類に応じて、前記検出手段で検出対象から除外すべき特定の検出範囲または前記判定手段で判定対象から除外すべき特定のレベルを予め設定しておくようにした
エンジンの寿命予測装置。 - 請求項5または6記載のエンジンの寿命を予測する装置は、エンジンを構成する部品の寿命を予測する装置であり、
前記エンジンを構成する部品の種類に応じて、前記重み設定手段で設定される重みを変更するようにした
エンジンの寿命予測装置。 - 前記頻度計測手段で計測される頻度を、前記一定時間が経過する毎に、リセットすることにより、前記一定時間が経過する毎に、前記エンジンの寿命を予測し直すようにした
請求項5または6記載のエンジンの寿命予測装置。 - エンジンの稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づきエンジンの寿命を予測するエンジンの寿命予測装置において、
前記エンジンにかかる負荷およびエンジンの回転数を示す二以上の稼働パラメータを選択し、この二以上の稼働パラメータの値の組み合わせを、複数の各レベルに分割することにより、前記エンジンにかかる負荷の大きさおよび回転数の大きさの分布を示す2次元以上の第1のマップを設定する第1のマップ設定手段(24)と、
前記稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出する稼働パラメータ検出手段(2、3)と、
前記稼働パラメータ検出手段で所定間隔毎に検出される稼働パラメータの値が、前記第1のマップのいずれのレベルに属しているかを、前記所定間隔毎に判定する判定手段(27)と、
前記判定手段で順次判定されるレベルに基づき、単位時間当たりに変動した両レベル間の変動軌跡を、演算する変動軌跡演算手段(33)と、
前記単位時間当たりの両レベル間の変動軌跡の種類の分布を示す第2のマップを設定する第2のマップ設定手段(25)と、
前記第2のマップの各変動軌跡の種類毎に、当該種類の変動軌跡が演算される頻度を、一定時間が経過するまで計測する頻度計測手段(29、30)と、
前記第2のマップの各変動軌跡の種類毎に、重みを設定する重み設定手段(26)と、
前記頻度計測手段で計測された頻度に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度を、前記第2のマップの各変動軌跡の種類毎に求め、これら第2のマップの各変動軌跡の種類毎の重み付けされた頻度に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記エンジンに加えられた実際の被害量を演算する被害量演算手段(34)と、
前記エンジンを予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(26)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記エンジンの予測寿命として出力する寿命予測手段(31)と
を具えたエンジンの寿命予測装置。 - 前記第1のマップ設定手段で設定される第1のマップは、エンジンの回転数と、前記エンジンのトルクあるいは馬力との2次元のマップである、
請求項12記載のエンジンの寿命予測装置。 - 請求項12記載のエンジンの寿命を予測する装置は、エンジンを構成する部品の寿命を予測する装置であり、
前記エンジンを構成する部品の種類に応じて、前記検出手段で検出対象から除外すべき特定の検出範囲または前記判定手段で判定対象から除外すべき特定のレベルを予め設定しておくようにした
エンジンの寿命予測装置。 - 請求項12記載のエンジンの寿命を予測する装置は、エンジンを構成する部品の寿命を予測する装置であり、
前記エンジンを構成する部品の種類に応じて、前記重み設定手段で設定される重みを変更するようにした
エンジンの寿命予測装置。 - 前記頻度計測手段で計測される頻度を、前記一定時間が経過する毎に、リセットすることにより、前記一定時間が経過する毎に、前記エンジンの寿命を予測し直すようにした
請求項12記載のエンジンの寿命予測装置。 - 熱源を有する機械の稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づき前記機械の寿命を予測する機械の寿命予測装置において、
前記熱源で発生した熱を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この一の稼働パラメータの値または二以上の稼働パラメータの値の組み合わせを、複数の各レベルに分割することにより、前記エンジンで発生した熱の大きさの分布を示す1次元または2次元以上の熱マップを設定する熱マップ設定手段(45a)と、
前記稼働パラメータの値を検出する稼働パラメータ検出手段(2、3、42)と、
前記稼働パラメータ検出手段によって前記稼働パラメータを一定時間が経過するまで検出することにより、前記熱マップの各レベル毎に、当該レベルに属する稼働パラメータの値が検出されている時間を積算する時間積算手段(45、46)と、
前記熱マップの各レベル毎に、当該レベルの熱の大きさに応じた重みを設定する重み設定手段(43)と、
前記時間積算手段で積算された積算時間に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた積算時間を、前記熱マップの各レベル毎に求め、これら熱マップの各レベル毎の重み付けされた積算時間に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記機械のうち、前記熱源によって発生した熱が加わる構成要素の実際の被害量を演算する被害量演算手段(47)と、
前記機械を予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(44)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記機械の予測寿命として出力する寿命予測手段(48)と
を具えた機械の寿命予測装置。 - 前記熱源で発生する熱を示す稼働パラメータは、温度であり、
前記熱マップは、温度の大きさを示す1次元のマップである
請求項17記載の機械の寿命予測装置。 - 前記熱源は、エンジンであり、
前記熱源で発生する熱を示す稼働パラメータは、前記エンジンの温度である
請求項17記載の機械の寿命予測装置。 - 前記エンジンの温度は、稼働パラメータとして、前記エンジンの回転数および前記エンジンのトルクを検出し、これらエンジン回転数およびエンジントルクの値から求めるようにした
請求項19記載の機械の寿命予測装置。 - 前記熱源は、エンジンであり、
前記熱源によって発生した熱が加わる構成要素は、当該エンジンを構成する部品または前記エンジンによる動力が伝達されるパワートレインを構成する部品である
請求項17記載の機械の寿命予測装置。 - 前記稼働パラメータ検出手段は、前記稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出するものであり、
前記時間積算手段は、前記熱マップの各レベル毎に、当該レベルに属する稼働パラメータの値が検出された回数を前記一定時間が経過するまでカウントすることにより、前記熱マップの各レベル毎に、当該レベルに属する稼働パラメータの値が検出されている時間を積算するものである
請求項17記載の機械の寿命予測装置。 - 前記時間積算手段で積算される積算時間を、前記一定時間が経過する毎に、リセットすることにより、前記一定時間が経過する毎に、前記機械の寿命を予測し直すようにした
請求項17記載の機械の寿命予測装置。 - 熱源を有する機械の稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づき機械の寿命を予測する機械の寿命予測装置において、
前記熱源で発生する熱を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この選択した稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出する稼働パラメータ検出手段(42)と、
前記稼働パラメータ検出手段で所定間隔毎に検出される稼働パラメータの値に基づいて、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量を演算する変動量演算手段(54)と、
前記単位時間当たりの稼働パラメータの変動量の大きさの分布を示す変動量マップを設定する変動量マップ設定手段(55a)と、
前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に、当該大きさの変動量が演算される頻度を、一定時間が経過するまで計測する頻度計測手段(55、56)と、
前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に、重みを設定する重み設定手段(52)と、
前記頻度計測手段で計測された頻度に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度を、前記変動量マップの各変動量の大きさ毎に求め、これら変動量マップの各変動量の大きさ毎の重み付けされた頻度に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記機械のうち、前記熱源によって発生した熱が加わる構成要素の実際の被害量を演算する被害量演算手段(57)と、
前記機械を予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(53)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記機械の予測寿命として出力する寿命予測手段(58)と
を具えた機械の寿命予測装置。 - 熱源を有する機械の稼働時に値が変化する稼働パラメータのデータを収集し、この稼働パラメータのデータに基づき機械の寿命を予測する機械の寿命予測装置において、
前記熱源で発生する熱を示す一の稼働パラメータまたは二以上の稼働パラメータを選択し、この一の稼働パラメータの値または二以上の稼働パラメータの値の組み合わせを、複数の各レベルに分割することにより、前記熱源で発生する熱のの大きさの分布を示す1次元または2次元以上の熱マップを設定する熱マップ設定手段(60a)と、
前記稼働パラメータの値を、所定間隔毎に検出する稼働パラメータ検出手段(42)と、
前記稼働パラメータ検出手段で所定間隔毎に検出される稼働パラメータの値が、前記熱マップのいずれのレベルに属しているかを、前記所定間隔毎に判定する判定手段(60)と、
前記判定手段で順次判定されるレベルに基づき、単位時間当たりに変動した両レベル間の変動幅を、単位時間当たりの稼働パラメータの変動量として演算する変動量演算手段(54)と、
前記単位時間当たりの稼働パラメータの変動量の大きさの分布を示す熱変動マップを設定する熱変動マップ設定手段(55a)と、
前記熱変動マップの各変動量の大きさ毎に、当該大きさの変動量が演算される頻度を、一定時間が経過するまで計測する頻度計測手段(55、56)と、
前記熱変動マップの各変動量の大きさ毎に、重みを設定する重み設定手段(52)と、
前記頻度計測手段で計測された頻度に対して、前記重み付け設定手段で設定された重みに応じた重み付けを行うことにより、重み付けされた頻度を、前記熱変動マップの各変動量の大きさ毎に求め、これら熱変動マップの各変動量の大きさ毎の重み付けされた頻度に基づき、前記一定時間が経過するまでの間に前記機械のうち、前記熱源によって発生した熱が加わる構成要素の実際の被害量を演算する被害量演算手段(57)と、
前記機械を予め稼働させることにより、前記被害量の大きさと寿命の長さとの対応関係を、予め設定しておく対応関係設定手段(53)と、
前記被害量演算手段で演算された実際の被害量に対応する寿命を、前記対応関係設定手段で予め設定された対応関係から求め、この求められた寿命を、前記機械の予測寿命として出力する寿命予測手段(58)と
を具えた機械の寿命予測装置。 - 前記熱源で発生する熱を示す稼働パラメータは、温度であり、
前記変動量マップは、前記温度の変動量の大きさの分布を示すマップである
請求項24記載の機械の寿命予測装置。 - 前記熱源は、エンジンであり、
前記熱源で発生する熱を示す稼働パラメータは、前記エンジンの温度である
請求項24記載の機械の寿命予測装置。 - 前記エンジンの温度は、稼働パラメータとして、前記エンジンの回転数および前記エンジンのトルクを検出し、これらエンジン回転数およびエンジントルクの値から求めるようにした
請求項27記載の機械の寿命予測装置。 - 前記熱源は、エンジンであり、
前記熱源によって発生した熱が加わる構成要素は、当該エンジンを構成する部品または前記エンジンによる動力が伝達されるパワートレインを構成する部品である
請求項24記載の機械の寿命予測装置。 - 前記熱源で発生する熱を示す稼働パラメータは、温度であり、
前記熱マップ設定手段で設定される熱マップは、温度の1次元のマップであり、
前記熱変動マップ設定手段で設定される熱変動マップは、温度の変動量の1次元のマップである
請求項25記載のエンジンの寿命予測装置。 - 前記熱源は、エンジンであり、
前記熱源で発生する熱を示す稼働パラメータは、前記エンジンの温度である
請求項25記載の機械の寿命予測装置。 - 前記エンジンの温度は、稼働パラメータとして、前記エンジンの回転数および前記エンジンのトルクを検出し、これらエンジン回転数およびエンジントルクの値から求めるようにした
請求項31記載の機械の寿命予測装置。 - 前記熱源は、エンジンであり、
前記熱源によって発生した熱が加わる構成要素は、当該エンジンを構成する部品または前記エンジンによる動力が伝達されるパワートレインを構成する部品である
請求項25記載の機械の寿命予測装置。 - 請求項24または25記載の機械の寿命を予測する装置は、機械を構成する部品の寿命を予測する装置であり、
前記機械を構成する部品の種類に応じて、前記重み設定手段で設定される重みを変更するようにした
機械の寿命予測装置。 - 前記頻度計測手段で計測される頻度を、前記一定時間が経過する毎に、リセットすることにより、前記一定時間が経過する毎に、前記機械の寿命を予測し直すようにした
請求項24または25記載のエンジンの寿命予測装置。
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