JP3679931B2 - 有害物質処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プールや浴槽やシャワーなどで使用された水等に含有される有機系汚染物質や悪臭成分や細菌類などのような有害物質を処理する有害物質処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プールや浴槽やシャワーなどで使用された水等に含有される有機系汚染物質や悪臭成分や細菌類などのような有害物質を処理する従来の有害物質処理装置の一例を図3を用いて説明する。
【0003】
図3に示すように、原水1は、砂や活性炭などを充填された濾過器112に送給ポンプ111で送給されて不溶解物を除去されてから、オゾン発生装置114からオゾン2を供給されて上記有害物質を分解処理された後、精密濾過膜(Microfiltration:MF膜)や限外濾過膜(Ultrafiltration:UF膜)や逆浸透膜(Reverseosmoticfiltration: RO膜)などを用いた分離膜113を透過させられることにより、オゾン2で分解処理しきれなかった有害物質等を除去され、滅菌器115から塩素等の滅菌剤3を添加(塩素濃度:0.4ppm程度)されることにより浄化水4として飲料水等に利用することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような有害物質処理装置では、原水1を浄化するにしたがって、分離膜113が次第に目詰まりしてしまうため、所定時間運転したら、運転を一時中断して分離膜113の交換や分解洗浄や逆洗などを行わなければならず、手間が非常にかかってしまうだけでなく、処理効率の低下を招いてしまう。
【0005】
そこで、原水1に送給するオゾン2の量を多くすることにより、分離膜113に付着した有害物質を分解処理することが考えられているものの、浄化水4中にオゾン2が多量に残留してしまい、後処理に手間がかかってしまう。
【0006】
このようなことから、本発明は、原水中の有害物質を効率よく確実に処理することが容易にできる有害物質処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する本発明による有害物質処理装置は、有害物質を含有する原水にオゾンを送給した後に分離膜を透過させることにより当該有害物質を処理する有害物質処理装置において、脱アルミニウムフォージャサイト又はメソポーラスシリケートからなり、前記オゾンおよび前記有害物質を吸着する吸着剤を内部に有する吸着剤槽を前記分離膜の上流側または下流側の少なくとも一方に設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による有害物質処理装置の第一番目の実施の形態を図1を用いて説明する。なお、図1は、その概略構成図である。
【0009】
図1に示すように、プールや浴槽やシャワーなどで使用された原水1を送給する送給ポンプ11の送出口は、砂や活性炭などを充填された濾過器12の受入口に連結されている。濾過器12の送出口12は、原水1中の有害物質やオゾン2を吸着保持する吸着剤を充填された吸着剤槽16の受入口に連結されている。濾過器12と吸着剤槽16との間には、原水1にオゾン2を供給するオゾン発生装置14が連結されている。吸着剤槽16の送出口は、精密濾過膜(Microfiltration:MF膜)や限外濾過膜(Ultrafiltration:UF膜)や逆浸透膜(Reverseosmoticfiltration: RO膜)などを用いた分離膜13の受入側に連結されている。分離膜13の送出側には、塩素等の滅菌剤3を添加する滅菌器15が連結されている。
【0010】
上記吸着剤槽16に充填される吸着剤としては、シリカゲル、高シリカペンタシルゼオライト(シリカライトまたはSiO2 /Al2 O3 比が高いZSM−5)、脱アルミニウムフォージャサイト(超安定Y型ゼオライト:USY)、メソポーラスシリケート(MCM−41、FSM−16、テトラエトキシシランをシリカ源とする低温酸性合成メソポーラスシリケート▲1▼、低分子珪酸をシリカ源とする低温酸性合成メソポーラスシリケート▲2▼など)等の高シリカ吸着剤が挙げられる。
【0011】
これらの高シリカ吸着剤のうち、シリカゲルは、オゾンや有害物質の吸着能力が比較的低く、水に対する耐性も低いが、高シリカペンタシルゼオライトや脱アルミニウムフォージャサイトやメソポーラスシリケートなどは、オゾンや有害物質の吸着能力が比較的高く、水に対する耐性も高いため、非常に好ましい。
【0012】
なお、高シリカペンタシルゼオライトは、シリカ源として珪酸ナトリウムやヒュームドシリカを用い、有機テンプレートとしてテトラプロピルアンモニウムブロミドを用い、150〜180℃程度で水熱合成を行うことにより得られる(SiO2 /Al2 O3 比:10〜1000程度)。
【0013】
また、脱アルミニウムフォージャサイトは、Na−Y型ゼオライト(SiO2 /Al2 O3 比:5程度)をアンモニア水で処理し、ゼオライトの骨格をなすAlの大半を除去することにより得られる(SiO2 /Al2 O3 比:10〜400)。
【0014】
また、メソポーラスシリケートは、10〜1000Åのメソ孔を有するシリカ系多孔質体であって、その製造条件等により、SiO2 /Al2 O3 比が10程度から、実質的にSiO2 のみのタイプまで得ることができる。
【0015】
例えば、MCM−41は、モービル社により開発されたものであり、シリカ源として水ガラスや珪酸ナトリウムなどを用い、有機テンプレートとしてカチオン系界面活性剤(炭素数8以上)を用い、温度140℃、pH13.5で製造することにより得られる(比表面積:1600m2 /g程度,SiO2 /Al2 O3 比:1000程度)。
【0016】
FMS−16は、黒田、稲垣等により開発され、カネマイトにカチオン系界面活性剤をインターカレーションすることによりMCM−41と類似した構造をなすものが得られる(SiO2 /Al2 O3 比:1000程度)。
【0017】
低温酸性合成メソポーラスシリケート▲1▼は、stucky等により提唱された方法、すなわち、シリカ源としてテトラエトキシシラン(TEOS)を用い、有機テンプレートとしてカチオン系界面活性剤を用い、室温下、pH1以下で合成することにより得られ、その合成条件等により、SiO2 /Al2 O3 比を10程度から実質的にSiO2 のみにまで調整可能である。
【0018】
低温酸性合成メソポーラスシリケート▲2▼は、本発明者等により開発された方法、すなわち、縮重合したシリカを含まない珪酸をシリカ源として用い、カチオン系界面活性剤を有機テンプレートとして用い、室温下、pH1以下で合成することにより得られ、その合成条件等により、SiO2 /Al2 O3 比を10程度から実質的にSiO2 のみにまで調整可能である。
【0019】
このようにして構成された有害物質処理装置の作用を次に説明する。
送給ポンプ11およびオゾン発生装置14を作動すると、原水1は、濾過器12に送給されて不溶解物を除去され、オゾン発生装置14からオゾン2を送給されて吸着剤槽16に流入する。原水1中の有害物質は、吸着剤槽16の吸着剤にオゾン2と共に吸着保持されてオゾン2と効率よく接触することにより、そのほとんどが分解処理される。吸着剤槽16で有害物質のほとんどを分解処理された原水1は、分離膜13を透過することにより、わずかに残留した有害物質が除去された後、滅菌器15から滅菌剤3を添加(塩素濃度:0.4ppm程度)されることにより、飲料水等の浄化水4として送出される。
【0020】
つまり、原水1中の有害物質およびオゾン発生装置14からのオゾン2のほとんどすべてを吸着剤槽16で吸着して分解処理させるようにしたのである。
【0021】
このため、分離膜13が目詰まりを起こしにくくなるので、分離膜13の交換や分解洗浄や逆洗などの頻度を従来よりも大幅に削減することができるだけでなく、浄化水4中に残留するオゾン2をほとんどなくすことができるので、後処理の容易化を図ることができる。
【0022】
したがって、このような有害物質処理装置によれば、原水1中の有害物質の処理を効率よく確実に行うことが容易にできる。
【0023】
本発明による有害物質処理装置の第二番目の実施の形態を図2を用いて説明する。なお、図2は、その概略構成図である。ただし、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様な部分については、前述した第一番目の実施の形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、その説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、送給ポンプ11の送出口は、濾過器12の受入口に連結されている。濾過器12の送出口は、分離膜13の受入側に連結されている。濾過器12と分離膜13との間には、オゾン発生装置14が連結されている。分離膜13の送出側は、吸着剤槽26の受入口に連結されている。吸着剤槽26の送出口には、滅菌器15が連結されている。
【0025】
つまり、前述した実施の形態では、分離膜13の上流側に吸着剤槽16を設けたが、本実施の形態では、分離膜13の下流側に吸着剤槽26を設けたのである。
【0026】
このような有害物質処理装置では、送給ポンプ11およびオゾン発生装置14を作動し、原水1を濾過器12に送給して不溶解物を除去し、オゾン発生装置14からオゾン2を送給すると、原水1中の有害物質は、原水1中または分離膜13上でオゾン2により分解処理される。オゾン2により有害物質を分解処理されて分離膜13を透過した原水1は、オゾン2が残留しているものの、吸着剤槽26によりオゾン2が吸着除去された後、滅菌器15から滅菌剤3が添加され、飲料水等の浄化水4として送出される。
【0027】
つまり、原水1中の有害物質を多量のオゾン2で確実に分解処理した後、原水1中に残留したオゾン2を吸着剤槽2で吸着除去するようにしたのである。
【0028】
このため、前述した実施の形態の場合と同様に、分離膜13が目詰まりを起こしにくくなるので、分離膜13の交換や分解洗浄や逆洗などの頻度を従来よりも大幅に削減することができるだけでなく、浄化水4中に残留するオゾン2をほとんどなくすことができるので、後処理の容易化を図ることができる。
【0029】
したがって、このような有害物質処理装置によれば、前述した実施の形態の場合と同様に、原水1中の有害物質の処理を効率よく確実に行うことが容易にできる。
【0030】
なお、第一番目の実施の形態は、分離膜13にRO膜を用いて海水を飲料水化する場合に適用すると極めて有効であり、第二番目の実施の形態は、分離膜13にUF膜やMF膜を用いて淡水を飲料水化する場合に適用すると極めて有効である。ただし、第二番目の実施の形態の場合には、分離膜13に高濃度のオゾン2が透過して当該分離膜13が損傷してしまう虞があるため、耐オゾン性の高い材料を用いた分離膜13を適用するとよい。
【0031】
また、前述した各実施の形態では、分離膜13の上流側または下流側に吸着剤槽16,26を設けたが、分離膜13の上流側および下流側の両方に吸着剤槽16,26を設ければ、原水1中の有害物質の処理をさらに効率よく確実に行うことができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明による有害物質処理装置は、有害物質を含有する原水にオゾンを送給した後に分離膜を透過させることにより当該有害物質を処理する有害物質処理装置において、脱アルミニウムフォージャサイト又はメソポーラスシリケートからなり、前記オゾンおよび前記有害物質を吸着する吸着剤を内部に有する吸着剤槽を前記分離膜の上流側または下流側の少なくとも一方に設けたので、分離膜が目詰まりを起こしにくくなり、分離膜の交換や分解洗浄や逆洗などの頻度を従来よりも大幅に削減することができるだけでなく、残留オゾンをほとんどなくすことができ、後処理の容易化を図ることができる。この結果、原水中の有害物質の処理を効率よく確実に行うことが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有害物質処理装置の第一番目の実施の形態の概略構成図である。
【図2】本発明による有害物質処理装置の第二番目の実施の形態の概略構成図である。
【図3】従来の有害物質処理装置の一例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 原水
2 オゾン
3 滅菌剤
4 浄化水
11 送給ポンプ
12 濾過器
13 分離膜
14 オゾン発生装置
15 滅菌器
16,26 吸着剤槽
Claims (1)
- 有害物質を含有する原水にオゾンを送給した後に分離膜を透過させることにより当該有害物質を処理する有害物質処理装置において、脱アルミニウムフォージャサイト又はメソポーラスシリケートからなり、前記オゾンおよび前記有害物質を吸着する吸着剤を内部に有する吸着剤槽を前記分離膜の上流側または下流側の少なくとも一方に設けたことを特徴とする有害物質処理装置。
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JP23859198A JP3679931B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 有害物質処理装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23859198A JP3679931B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 有害物質処理装置 |
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