JP3679659B2 - 被包装物の含有気泡排出装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装用袋に収容した被包装物を真空環境下で前記袋内に密封するロータリ式の真空包装装置であって、特に前記被包装物が粘性で大量の気泡を含有する場合の、気泡排出手段及び方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
特開平57−133819号公報には、下記のごとくして真空包装製品の内部気泡を効率よく排出する手段を開示する。すなわち図7に示すごとく前記公知例は、柔軟な袋1の両側縁を1対のクランプ2によつて挟持し且つ同袋を吊り下げながら耐圧チャンバー4内に搬入したあと、この気密な耐圧チヤンバー4内の空気圧を減圧して被包装物3に含まれる大気を排除する。この場合被包装物3は液と繊維体とからなるので内部気泡は繊維体に引っ掛かり速やかに液面に浮上しにくく、そこで適当時期に一旦チヤンバー4を開放し袋1の周りに大気圧シヨツクを加えて前記気泡を上方に弾き出し、その後前記チャンバーを再閉鎖し再びチヤンバー内の大気を排除する。このように空気を2度引きすることによつて袋内の真空効率が改善され、その後、袋口を密封して製品化する。
【0003】
しかし袋内の液の濃度が高くなると必ずしも前記方法での気泡排除は有効ではない。例えば昨今、小切り素材と刻み昆布との混合食品が売り出されているが、かかる食品をグルタミン酸で味付けし袋内に収容すると、昆布独自のぬめりにグルタミン酸が作用するので、これを真空包装した場合調味液内に大量の微少気泡が発生して全体比重が軽くなり、前述のごとく大気圧シヨックを加わえた場合、気泡が排除されずに食品そのももが袋外にぬるっと押し出されるという問題があった。そこで本発明は、この種の発泡性食品の商品性を高めかつ能率よく気泡を発除することを目的とするものである。
【0004】
【その解決方法】
本発明は前記目的を解決するために、円軌道上に等間隔で配置した多数の耐圧チャンバーを前記円軌道に沿って回転させると共に、ロータリバルブを介して前記各耐圧チャンバーを真空ラインに順次連通し、真空環境下の耐圧チャンバー内で、被包装物を収容する容器の開口部を順次密封する装置であつて、前記ロータリバルブは、前位の一次真空ラインと後位の二次真空ラインとを備え、かつ前記一次及び二次真空ラインそれぞれに電磁切換え弁を介して大気吸入ラインを接続すると共に、これら各大気吸入ラインにそれぞれ流量調整弁を設置し、前記ロータリバルブを回転するモータと連結したパルス発信機からの入力パルス数に基づいて切換えタイミングを測り、前記各電磁切換え弁の電磁部に切換えタイミング信号を送信する制御機を備え、前記両流量調整弁で耐圧チャンバーへの吸入大気圧を緩衝しながら、制御機からの信号でもって真空圧を段階的に下降させるごとく構成する。
【0005】
耐圧チャンバー内の真空圧を、前位の一次真空ラインと後位の二次真空ラインとで段階的に下降させる構成であり、実質的には3度の真空作用を行なうため、耐圧チャンバーの回転速度は低下せず能率的で、しかも粘性の高い被包装物を包袋から飛び出すことなく真空包装する。この場合、2個の流量調整弁は個々の流量調整開度でもって被包装物に対し大気圧を作用させ、圧力緩衝により粘性液に適した気泡排除を行なう。
【0006】
【発明の実施形態】
図1に断面で示す包装機は、軸受10を介して機台11に主軸12を支持すると共に、該主軸は上端にロータリーバルブ13を、また同下端に歯車14をそれぞれ設置し、前記歯車14と、原動軸15とをピニオン16を介して連結している。前記ロータリバルブ13は、ジョイント17を介して機台18に結合した円形固定盤19と、該固定盤下側で前記主軸に固定した可動盤20とにより構成し、前記可動盤の周囲には筒状アーム21を介して耐圧チヤンバー22を支持する。
【0007】
前記耐圧チャンバー22は、筒状アーム21に固定した本体23と、該本体にピン24を介して開閉自在に支持した蓋材25とからなり、袋26の両側を挟持する一対のクランプ27を内部に設置する。そこで原動軸15の動力により主軸12を回転すると、図2に示すごとく8個の耐圧チヤンバー22は主軸中心の周りの円軌道を逆時計で移動し、可動盤に開口しかつ各耐圧チャンバー22に繋がる連通穴28は、固定盤19の一次真空ポート29及び二次真空ポート42に順次連通する。
【0008】
図1において円軌道に沿って存在するカム溝は、そのリードでリンク31を引き降ろして蓋材25を開放する。この開放時に被包装物を収容した袋26をクランプ27に供給すると、レール32の上面を転がるローラ33はレバー34を上下動し、一対のクランプ27間隔の変化でもつて袋26の口を緊張したり、また緩めたりする。そして電磁切換え弁35を介して真空ライン36に接続した真空ポンプ37は、袋口の緩んだ袋内の空気を排除し、そのあと緊張した袋口をアクチュエータ38に連結したシールバー39と、シール台40とで加熱シールする。
【0009】
図3の実施例は固定盤19に3個の真空ポート29、42、43備え、図1で既に説明したごとく一次真空ポート29と第1真空ポンプ37とを繋ぐ一次真空ライン36に第1電磁切換え弁35を介設一方、二次真空ポート42と第2真空ポンプ44とを繋ぐ二次真空ライン45に第2電磁切換え弁46を介設すると共に、前記第2電磁切換え弁46の二次側で、三次真空ポート43と第2真空ポンプ44の吸入側に三次真空ライン47を介設している。
【0010】
耐圧チヤンバーの走行円軌道を直線的に展開した図4に示すごとく、一次及び二次真空ライン36、45にそれぞれ切換え弁35、46を介して大気吸入ライン51、52を接続し、これら各ラインにそれぞれ流量調整弁53、54を設ける。これらの流量調整弁は図5に示すごとく、弁ブロック55内部の弁座56に針形の可動弁57を臨ませ、ネジ部58でのスクリユーウ作用による回転ストロークタイプで、他端のねじ歯車59に、サーボモータ60のねじ歯車61を係合する、いわゆる流量可変調整式である。
【0011】
図4に示すごとく、矢印方向に移動する可動盤20の連通穴28が一次真空ポト29に繋がっている間、耐圧チャンバー22内には第1真空ポンプ37の吸引力が作用する。水晶時計によって形成するタイミング手段65から発するパルス信号によって制御機66は、電磁切換え弁35の切換えタイミングを決定し、連通穴28がほぼ図の位置に到達したとき、弁35の切換えにより大気吸入ライン51が一次真空ポート29に繋がる。この結果、図6に示すごとく760トールから降下する真空値は60ないし50トールに達した時点で、一次空気の吸入で再び100トールないし200トールに上昇を開始する。この場合図4に示すごとく流量調整弁53の存在により袋に加わる大気シヨツクは制限を受け、かかる制限圧でもって被包装物内部の気泡を弾き出し、その後連通穴28が二次真空ポート42に繋がったときの第2真空ポンプ44による真空圧を比較的低トール、例えば10ないし8トールまで低下させ得ることを可能にする。
【0012】
図4のエンコーダ67を、図1の主軸15を駆動するモータ68の軸によって回転し、パルス信号を制御機66に送り込む。結局前記モータタ68は同時に可動盤20をも動かしているので、かかるタイミング手段でもって第2切換え弁46を切換え、再び連通穴28aを通して耐圧チヤンバーに2度目の制限大気圧を戻し、被包装物内の気泡を袋外に再び弾き出(70ないし60トール)したあと、三次真空ポート43を通して三次真空を作用させることができる。
【0013】
図5のサーボモータ60を、図4における制御機66からの信号で操作が可能で、インプット装置70からの入力によって2個の流量調整弁53、54の流量設定を可変的に行なう事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 正面断面図
【図2】 ロータリバルブの平面図
【図3】 ロータリバルブの拡大平面図
【図4】 展開図で示す装置の説明図
【図5】 流量調整弁の断面図
【図6】 作用の説明図
【図7】 従来例の説明図
【符号の説明】
13…ロータリバルブ
19…固定盤
20…可動盤
21…アーム
22…耐圧チヤンバー
23…本体
25…蓋材
26…袋
27…クランプ
28…連通穴
29…一次真空ポート
35…電磁切換え弁
36…一次真空ライン
37…真空ポンプ
42…二次真空ポート
43…三次真空ポート
44…第2真空ポンプ
45…二次真空ライン
46…第2電磁切換え弁
47…三次真空ライン
51、52…大気吸入ライン
53、54…流量調整弁
65、67…タイミング手段
66…制御機
70…インプット装置

Claims (3)

  1. 円軌道上に等間隔で配置した多数の耐圧チャンバーを前記円軌道に沿って回転させると共に、前記各耐圧チャンバーと一体に回転する可動盤と、一次、二次、三次の各真空ポートを備える固定盤とからなるロータリバルブを介して、前記各耐圧チャンバーに、前記各真空ラインを介して順次3段階に真空を作用させ、真空環境下の耐圧チャンバー内で、被包装物を収容する容器の開口部を順次密封する装置であつて、
    前記の一次真空ポートと第1真空ポンプとを一次真空ラインを介して連結する一方、前記二次真空ポート及び三次真空ポートと第2真空ポンプとを二次及び三次の各真空ラインを介して連結すると共に、前記一次及び二次各真空ラインに第1電磁切換弁、第2電磁切換弁を配置し、さらに前記各電磁切換弁の大気吸入ラインそれぞれに流量調整弁を設置すると共に、前記ロータリバルブを回転させるモータに連結したパルス発信機からの入力パルス数に基づいて、前記各電磁切換弁それぞれの電磁部に切換えタイミング信号を送信し、前記の一次、二次大気吸入ラインから前記の一次、二次各真空ラインに大気を吸入し、このとき前記両流量調整弁で前記の吸入大気圧を緩衝しながら、真空圧を段階的に下降させる装置。
  2. 前記流量調整弁の開度を可変調整式に構成した請求項1に記載した装置。
  3. 流量調整弁の開度調整を行うサーボモータを、制御機からの信号で操作し、かつインプット装置から前記制御機への入力によって前記の信号装置操作を可変的に行うようにした請求項2に記載の装置。
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