JP3679018B2 - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル通信システムに用いられる無線通信装置および無線通信方法に関し、特に、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式等のマルチキャリア変調方式とCDMA(Code Division Multiple Access)方式とを組み合わせて無線通信を行う無線通信装置および無線通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、周波数の利用効率を高める変調方式として、OFDM変調方式等のマルチキャリア変調方式が注目されている。マルチキャリア変調方式において、特にOFDM変調方式は、最も周波数の利用効率が高い変調方式である。このOFDM変調方式では、送信信号が配置される複数の搬送波(サブキャリア)が相互に直交しているので、周波数の利用効率を向上させることができる。このようなOFDM変調方式では、送信信号を複数の搬送波に配置させてマルチキャリア信号(OFDM信号)を生成する。
【0003】
以下、OFDM変調方式をマルチキャリア変調方式の一例として挙げ、OFDM方式とCDMA方式とを組み合わせたOFDM−CDMA方式の従来の無線通信装置について、図20を参照して説明する。図20は、従来の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
図20に示す無線通信装置の送信系において、送信信号1〜送信信号nのn個の送信信号は、それぞれ拡散部11a1〜拡散部11anにより、拡散符号1〜拡散符号nを用いて拡散処理される。なお、各拡散符号の拡散比をkとする。
【0005】
拡散処理されたn個の送信信号は、加算部12により符号分割多重される。符号分割多重された信号は、シリアル/パラレル変換部(以下「S/P部」という。)13により、複数系列の信号に変換される。つまりここでは、符号分割多重された信号は、拡散符号の第1チップ〜第kチップにチップ毎に分割される。第1チップ〜第kチップの複数系列の信号は、IFFT部14に送られる。
【0006】
IFFT部14では、複数系列の信号に対する逆フーリエ変換(IFFT)処理がなされる。すなわち、第1チップ〜第kチップの信号は、拡散比k分だけ用意されたk個の搬送波にそれぞれ配置される。これにより、第1チップ〜第kチップの信号は周波数分割多重されて、マルチキャリア信号が生成される。
【0007】
具体的には、図21に示すように、搬送波#1には、符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第1チップ目が配置され、搬送波#kには、符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第kチップ目が配置される。
【0008】
図20において、IFFT処理後の信号、すなわち周波数分割多重されたマルチキャリア信号は、無線送信部15によりアップコンバートや電力増幅等の所定の無線処理を施される。そして、無線処理後のマルチキャリア信号は、アンテナ16を介して通信相手に対して送信される。
【0009】
一方、通信相手が送信したマルチキャリア信号は、図20に示す無線通信装置により、アンテナ16を介して受信される。受信系において、アンテナ16を介して受信されたマルチキャリア信号は、無線受信部17によりダウンコンバートやAGC(Auto Gain Control)等の所定の無線処理を施される。
【0010】
無線処理後のマルチキャリア信号に対してFFT部18によりフーリエ変換(FFT)処理がなされることにより、各搬送波#1〜#kにより伝送された信号が取り出される。各搬送波により伝送された信号は、それぞれ伝送路補償部19a1〜伝送路補償部19akにより、伝送路で生じた位相変動等が補償された後、パラレル/シリアル変換部(以下「P/S部」という。)20に入力される。
【0011】
P/S部20では、伝送路補償部19a1〜伝送路補償部19akからの複数系列の信号が、一系列の信号に変換される。ここでは、時刻t1においては、伝送路補償部19a1からの信号、すなわち、通信相手側で符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第1チップ目が出力され、時刻tkにおいては、伝送路補償部19akからの信号、すなわち、通信相手側で符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第kチップ目が出力される。
【0012】
P/S部20から出力された信号は、逆拡散部21a1〜逆拡散部21anにより、それぞれ拡散符号1〜拡散符号nを用いて逆拡散処理がなされる。この結果、逆拡散部21a1〜逆拡散部21anからはそれぞれ、復調信号1〜復調信号nが出力される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、CDMA方式を用いない単なるOFDM変調方式では、送信信号1〜送信信号nが符号分割多重されないので、1つの搬送波に複数の送信信号が多重されることがない。これに対し、OFDM変調方式とCDMA方式とを組み合わた無線通信では、上述したように、符号分割多重された送信信号がさらにチップ毎に周波数分割多重されるため、1つの搬送波に複数の送信信号が多重されることになる。このため、各搬送波の送信レベルが高くなってしまう。
【0014】
また、マルチキャリア信号のピーク電力は全搬送波の電力の合計となる。よって、各搬送波の送信レベルが高くなるほどマルチキャリア信号のピーク電力が大きくなる。さらに、搬送波数が多くなるほどマルチキャリア信号のピーク電力が大きくなる。よって、OFDM変調方式とCDMA方式とを組み合わた無線通信では、マルチキャリア信号のピーク電力が非常に大きくなってしまうという問題がある。
【0015】
上記従来の無線通信装置における無線送信部15では、アナログ処理によりマルチキャリア信号に対して電力増幅を施すため、ピーク電力が大きくなるほど消費電力が増大してしまう。無線通信装置が移動体通信端末に搭載された場合には、消費電力の増大はバッテリーの消費につながるため、移動体通信端末の使用時間の点から見て大きな問題となる。
【0016】
そこで、マルチキャリア信号のピーク電力の増大を防止するために、すべての搬送波の送信レベルを一律に所定レベルに制限してしまう方法がある。しかし、レベル制限により各搬送波に歪みが生じてしまい、その結果、誤り率特性が劣化してしまうという新たな問題が生じる。
【0017】
このように、従来のOFDM−CDMA方式の無線通信装置では、ピーク電力の増大を防止すると誤り率特性、すなわち通信品質が劣化してしまうという問題がある。すなわち、従来のOFDM−CDMA方式の無線通信装置では、ピーク電力の増大防止と通信品質の劣化防止とを両立することができないという問題がある。
【0018】
なお、OFDM変調方式以外のマルチキャリア変調方式においても、複数の搬送波が用いられる。よって、いかなるマルチキャリア変調方式とCDMA方式とを組み合わせた無線通信においても、上記同様の問題が発生する。
【0019】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、マルチキャリア変調方式とCDMA方式とを組み合わた無線通信において、ピーク電力の増大および通信品質の劣化をともに防ぐことができる無線通信装置および無線通信方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線通信装置は、複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、各搬送波の送信レベルを上限値に制限する送信レベル制限を行うレベル制限手段と、送信レベル制限後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、レベル制限手段が、遅延波の遅延時間が長くなるほど上限値を高くする構成を採る。
【0021】
この構成によれば、遅延波の遅延時間に応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、遅延波の遅延時間の変化に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、この構成によれば、遅延波の遅延時間が長い場合でも所望の誤り率特性を得ることができるとともに、遅延波の遅延時間が短い場合にはさらにピーク電力の低減を図ることができる。
【0022】
本発明の無線通信装置は、複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、各搬送波の送信レベルを上限値に制限する送信レベル制限を行うレベル制限手段と、送信レベル制限後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、レベル制限手段が、マルチキャリア信号の送信レベルが低くなるほど、上限値を高くする構成を採る。
【0023】
この構成によれば、マルチキャリア信号の送信レベルに応じて、各搬送波の送信レベルの上限値を変化させるため、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値より低くなるときに、各搬送波の送信レベルを高めて誤り率特性を向上させることができる。
【0048】
本発明の通信端末装置は、上記いずれかの無線通信装置を搭載する構成を採る。また、本発明の基地局装置は、上記いずれかの無線通信装置を搭載する構成を採る。
【0049】
これらの構成によれば、通信端末装置または基地局装置が上記いずれかの無線通信装置を搭載するため、通信端末装置または基地局装置において上記同様の効果を呈する。
【0050】
本発明の無線通信方法は、符号分割多重および周波数分割多重されたマルチキャリア信号の各搬送波の送信レベルを上限値に制限する送信レベル制限を行う際に、遅延波の遅延時間が長くなるほど上限値を高くするようにした。この方法によれば、遅延波の遅延時間に応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、遅延波の遅延時間の変化に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、この方法によれば、遅延波の遅延時間が長い場合でも所望の誤り率特性を得ることができるとともに、遅延波の遅延時間が短い場合にはさらにピーク電力の低減を図ることができる。
【0051】
本発明の無線通信方法は、符号分割多重および周波数分割多重されたマルチキャリア信号の各搬送波の送信レベルを上限値に制限する送信レベル制限を行う際に、マルチキャリア信号の送信レベルが低くなるほど上限値を高くするようにした。この方法によれば、マルチキャリア信号の送信レベルに応じて、各搬送波の送信レベルの上限値を変化させるため、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値より低くなるときに、各搬送波の送信レベルを高めて誤り率特性を向上させることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0055】
(実施の形態1)
上述したように、マルチキャリア信号において、誤り率特性の劣化の大きさは各搬送波毎に相違する。特に、マルチキャリア信号の両端の搬送波は、図1(a)に示すような隣接チャネルからの干渉波の影響や、図1(b)に示すようなフィルタの群遅延偏差および振幅偏差の影響を大きく受けるため、他の搬送波に比べて誤り率が非常に高くなる傾向がある。
【0056】
また、マルチキャリア信号の誤り率は、誤り率の高い搬送波の誤り率によってほぼ決定されてしまう。換言すれば、誤り率の高い搬送波の誤り率特性を改善すれば、マルチキャリア信号の誤り率特性を改善することができる。
【0057】
よって、図1(a)または図1(b)に示すような場合には、両端の搬送波の送信レベル制限を緩和して誤り率を低くすることにより、マルチキャリア信号の誤り率特性が劣化してしまうことを防止することができる。
【0058】
また、図1(a)または図1(b)に示すように、通常、誤り率特性が大きく劣化する搬送波は全搬送波のうちの一部の搬送波であるため、誤り率特性が大きく劣化する搬送波の送信レベル制限を緩和しても、マルチキャリア信号のピーク電力はほとんど増大しない。例えば、マルチキャリア信号の搬送波数が48本であり、図1(a)または図1(b)に示すような場合に、誤り率特性の劣化が大きくなる両端の搬送波(すなわち、2本の搬送波)の送信レベル制限を緩和しても、送信レベルが高くなる搬送波は全体の24分の1にすぎないため、マルチキャリア信号のピーク電力はほとんど増大しない。
【0059】
そこで、本実施の形態では、誤り率が他の搬送波に比べて非常に高くなる搬送波の送信レベル制限を、他の搬送波の送信レベル制限に比べて緩和することにより、マルチキャリア変調方式とCDMA方式とを組み合わせた無線通信において、ピーク電力の増大および通信品質の劣化をともに防ぐようにした。
【0060】
図2は、本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、OFDM変調方式をマルチキャリア変調方式の一例として挙げ、OFDM方式とCDMA方式とを組み合わせたOFDM−CDMA方式の無線通信装置について説明する。また、両端の搬送波の誤り率が、他の搬送波の誤り率に比べて非常に高くなる場合について説明する。
【0061】
図2に示す無線通信装置の送信系において、送信信号1〜送信信号nのn個の送信信号は、それぞれ拡散部101a1〜拡散部101anにより、拡散符号1〜拡散符号nを用いて拡散処理される。なお、各拡散符号の拡散比をkとする。
【0062】
拡散処理されたn個の送信信号は、加算部102により符号分割多重される。符号分割多重された信号は、S/P部103により、複数系列の信号に変換される。つまりここでは、符号分割多重された信号は、拡散符号の第1チップ〜第kチップにチップ毎に分割される。第1チップおよび第kチップの信号は、IFFT部105にそのまま送られ、第2チップ〜第k−1チップの信号はそれぞれ、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に送られる。つまり、マルチキャリア信号の両端の搬送波に配置される信号の送信レベルは制限されず、両端以外の搬送波に配置される信号の送信レベルが制限される。
【0063】
レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1の構成はそれぞれ、図3に示すようになる。図3は、本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図である。なお、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1はすべて同一の構成となるため、ここではレベル制限部104a2についてのみ説明する。
【0064】
図3に示すレベル制限部104a2において、比較部201では、S/P部103から出力された信号の送信レベルと、この送信レベルの上限値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部202に出力される。
【0065】
選択部202では、比較結果を示す信号に従って、上限値またはS/P部103から出力された信号の送信レベルのいずれか一方が選択される。すなわち、S/P部103から出力された信号の送信レベルが上限値より低い場合には、その信号の送信レベルがそのまま選択され、逆に、S/P部103から出力された信号の送信レベルが上限値以上の場合には、上限値が選択される。これにより、S/P部103から出力された信号の送信レベルが上限値以下に制限される。そして、選択部202では、送信レベルが上限値以下に制限された信号がIFFT部105へ出力される。
【0066】
図2に示す無線通信装置において、IFFT部105では、複数系列の信号に対する逆フーリエ変換(IFFT)処理がなされる。すなわち、第1チップ〜第kチップの信号は、拡散比k分だけ用意されたk個の搬送波にそれぞれ配置される。これにより、第1チップ〜第kチップの信号は周波数分割多重されて、マルチキャリア信号が生成される。周波数分割多重されたマルチキャリア信号は、無線送信部106によりアップコンバートや電力増幅等の所定の無線処理を施された後、アンテナ107を介して通信相手に対して送信される。
【0067】
一方、通信相手が送信したマルチキャリア信号は、図2に示す無線通信装置により、アンテナ107を介して受信される。受信系において、アンテナ107を介して受信されたマルチキャリア信号は、無線受信部108によりダウンコンバートやAGC(Auto Gain Control)等の所定の無線処理を施される。
【0068】
無線処理後のマルチキャリア信号に対してFFT部109によりフーリエ変換(FFT)処理がなされることにより、各搬送波により伝送された信号が取り出される。各搬送波により伝送された信号はそれぞれ、伝送路補償部110a1〜伝送路補償部110akにより伝送路で生じた位相変動等が補償された後、P/S部111に入力される。
【0069】
P/S部111では、伝送路補償部110a1〜伝送路補償部110akからの複数系列の信号が、一系列の信号に変換される。ここでは、時刻t1においては、伝送路補償部110a1からの信号、すなわち、通信相手側で符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第1チップ目が出力され、時刻tkにおいては、伝送路補償部110akからの信号、すなわち、通信相手側で符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第kチップ目が出力される。
【0070】
P/S部111から出力された信号は、逆拡散部112a1〜逆拡散部112anにより、それぞれ拡散符号1〜拡散符号nを用いて逆拡散処理がなされる。この結果、逆拡散部112a1〜逆拡散部112anからはそれぞれ、復調信号1〜復調信号nが出力される。
【0071】
次いで、上記構成を有する無線通信装置の動作について説明する。図2に示す無線通信装置において、S/P部103から出力される信号のうち、第1チップおよび第kチップの信号は、IFFT部105にそのまま送られ、第2チップ〜第k−1チップの信号はそれぞれ、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に送られる。
【0072】
よって、誤り率が他の搬送波に比べて非常に高くなる両端の搬送波に配置される信号の送信レベルは制限されず、両端以外の搬送波に配置される信号の送信レベルがレベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に設定された上限値に制限される。よって、送信レベル制限後の各搬送波の送信レベルは、図4に示すようになる。これにより、両端の搬送波の誤り率特性が改善される。
【0073】
上述したように、マルチキャリア信号全体の誤り率は、誤り率の高い搬送波の誤り率によってほぼ決定されてしまうため、両端の搬送波の送信レベルを高くして誤り率を低くすることにより、マルチキャリア信号の誤り率特性が劣化してしまうことを防止することができる。また、このとき、送信レベルが高くなる搬送波は全搬送波のうち両端の2本にすぎず、両端以外の搬送波の送信レベルは上限値で制限されるため、両端の搬送波の送信レベルを高くしてもマルチキャリア信号のピーク電力はほとんど増大しない。よって、本実施の形態では、マルチキャリア信号のピーク電力を増大させることなく、マルチキャリア信号の誤り率特性が劣化してしまうことを防止することができる。
【0074】
なお、上記説明において、「送信レベル制限を緩和する」とは、一部の搬送波の送信レベルを全く制限しない場合以外に、一部の搬送波に対する上限値を他の搬送波に対する上限値よりも高くして一部の搬送波に対して送信レベル制限を行う場合を含むものとする。ただし、後者の場合には、一部の搬送波の誤り率が十分低くなる程度に送信レベルを制限する必要がある。具体的には、両端以外の搬送波に設定された送信レベルの上限値より十分高い上限値を、両端の搬送波の送信レベルに対して設定する必要がある。一部の搬送波に対しての送信レベル制限を行うことにより、マルチキャリア信号のピーク電力をさらに低減することができる。以下の実施形態においても同様である。
【0075】
また、上記説明においては、両端の搬送波に対する送信レベル制限を、他の搬送波の送信レベル制限に比べて緩和する構成としたが、本実施形態はこれに限定されず、各搬送波毎に送信レベルの上限値を適宜設定可能である。例えば、直流点にも搬送波が割り当てられるマルチキャリア信号では、直流オフセットの影響により直流点の搬送波の誤り率が非常に高くなるため、直流点の搬送波に対する送信レベル制限を緩和するようにする。
【0076】
以上のように、本実施の形態によれば、誤り率が他の搬送波に比べて非常に高くなる搬送波の送信レベル制限を、他の搬送波の送信レベル制限に比べて緩和するため、マルチキャリア変調方式とCDMA方式とを組み合わせた無線通信において、ピーク電力の増大および通信品質の劣化をともに防ぐことができる。すなわち、本実施の形態によれば、ピーク電力の増大防止と通信品質の劣化防止とを両立することができる。
【0077】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1において、回線品質の変動に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節する場合について説明する。
【0078】
送信レベルの上限値の最適値は、回線品質によって異なる。すなわち、回線品質が良好になるほど送信レベルの上限値を低くしても通信相手側において所望の誤り率特性を得ることができる。よって、この場合には、送信レベルの上限値を低めに設定して、ピーク電力のさらなる低減を図ることができる。逆に、回線品質が悪化するほど送信レベルの上限値を高くしなければ通信相手側において所望の誤り率特性を得ることが困難になる。よって、この場合には、送信レベルの上限値を高めに設定する必要がある。このように、送信レベルの上限値の最適値は、回線品質によって異なってくる。
【0079】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、回線品質に応じて送信レベルの上限値を変化させる。図5は、本発明の実施の形態2にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図である。なお、レベル制限部の内部構成以外は、実施の形態1(図2)と同一になるため、ここではレベル制限部についてのみ説明する。また、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1はすべて同一の構成となるため、ここではレベル制限部104a2についてのみ説明する。
【0080】
図5に示すレベル制限部104a2において、比較部301では、回線品質情報として入力される回線品質を示す値(例えば、希望波対干渉波電力比)と、回線品質を示す値の所定のしきい値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部302に出力される。
【0081】
選択部302では、比較結果を示す信号に従って、上限値1または上限値2(上限値1>上限値2)のいずれか一方が選択されて、比較部303および選択部304に出力される。すなわち、回線品質を示す値が所定のしきい値以上となる場合(回線品質が良好な場合)には上限値2が選択され、逆に、回線品質を示す値が所定のしきい値未満になる場合(回線品質が悪い場合)には上限値1が選択される。つまり、回線品質が良好なほど送信レベルの上限値が低く設定される。
【0082】
比較部303では、選択部302から出力された上限値(上限値1または上限値2)と、S/P部103から出力された信号の送信レベルとが比較され、比較結果を示す信号が選択部304に出力される。
【0083】
選択部304では、比較結果を示す信号に従って、上限値またはS/P部103から出力された信号の送信レベルのいずれか一方が選択され、送信レベルが上限値以下に制限された信号がIFFT部105へ出力される。
【0084】
すなわち、S/P部103から出力された信号の送信レベルが上限値より低い場合には、その信号の送信レベルがそのまま選択され、逆に、S/P部103から出力された信号の送信レベルが上限値以上の場合には、上限値が選択される。よって、回線品質が良好な場合にはピーク電力の低減が優先され、回線品質が悪い場合には誤り率特性が優先されることになる。
【0085】
以上のように、本実施の形態によれば、回線品質に応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、回線品質の変動に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、本実施の形態によれば、回線品質が悪い場合でも所望の誤り率特性を得ることができるとともに、回線品質が良い場合にはさらにピーク電力の低減を図ることができる。
【0086】
なお、上記説明では、上限値を2種類としたが、これに限定されず、上限値を3種類以上にしてもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0087】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1において、遅延波の遅延時間の長さに応じて誤り率特性とピーク電力とを調節する場合について説明する。
【0088】
マルチパス環境下においては、送信レベルの上限値の最適値は、遅延波の遅延時間によって異なる。すなわち、マルチパス環境下では、遅延波の遅延時間が長くなるほど、直接波と遅延波の位相関係は逆位相になりやすいので、通信品質が劣化し、通信相手側において所望の誤り率特性を得ることが困難になる。よって、この場合には、送信レベルの上限値を高めに設定する必要がある。逆に、遅延波の遅延時間が短くなるほど、送信レベルの上限値を低くしても通信相手側において所望の誤り率特性を得ることができる。よって、この場合には、送信レベルの上限値を低めに設定して、ピーク電力のさらなる低減を図ることができる。このように、送信レベルの上限値の最適値は、遅延波の遅延時間によって異なってくる。
【0089】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、遅延波の遅延時間の長さに応じて送信レベルの上限値を変化させる。図6は、本発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図6において、実施の形態1(図2)と同一の構成については図2におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0090】
図6に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらに遅延分散情報生成部401を付加した構成を採る。遅延分散情報生成部401では、遅延波の遅延時間に関する情報が生成され、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に出力される。
【0091】
遅延波の遅延時間が短い場合には、図7(a)に示すように、無線通信装置に受信されたマルチキャリア信号の隣接搬送波間における受信レベルの差が小さくなる。一方、遅延波の遅延時間が長い場合には、図7(b)に示すように、無線通信装置に受信されたマルチキャリア信号の隣接搬送波間における受信レベルの差が大きくなる。つまり、隣接搬送波間の受信レベルの差が大きくなるほど、遅延時間が長くなる。よって、隣接搬送波間の受信レベルの差から遅延波の遅延時間を推定することが可能である。そこで、遅延分散情報生成部401は、以下のようにして、隣接搬送波間における受信レベルの差を測定する。
【0092】
図8は、本発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の遅延分散情報生成部の構成を示すブロック図である。図8に示す遅延分散情報生成部401において、FFT後の各搬送波の信号が受信レベル検出部501に入力される。受信レベル検出部501では、各搬送波の受信レベルが検出され、受信レベルを示す信号が遅延部502および減算部503に出力される。ここでは、時刻t1においては、搬送波#1の受信レベルを示す信号が出力され、時刻t1から所定時間経過後の時刻t2おいては、搬送波#2の受信レベルを示す信号が出力される。以下の説明では、隣接する搬送波として搬送波#1と搬送波#2を一例に挙げて説明する。
【0093】
遅延部502では、各搬送波の受信レベルを示す信号が所定時間遅延されて減算部503に出力される。よって、時刻t2おいては、減算部503には、遅延部502から搬送波#1の受信レベルを示す信号が出力され、受信レベル検出部501から搬送波#2の受信レベルを示す信号が出力される。減算部503では、搬送波#1の受信レベルと搬送波#2の受信レベルの差が算出される。すなわち、隣接搬送波間における受信レベルの差が算出される。受信レベルの差は、絶対値算出部504に出力される。絶対値算出部504では、受信レベルの差の絶対値が出力され、平均化部505に出力される。
【0094】
このような隣接搬送波間における受信レベルの差の算出が、搬送波#2〜搬送波#kにおいても同様に行われる。平均化部505では、マルチキャリア信号のすべての搬送波間における受信レベルの差の平均値が算出される。すなわち、遅延分散情報が生成される。遅延分散情報は、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に出力される。
【0095】
次いで、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1について説明する。図9は、本発明の実施の形態3にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図である。なお、図9において、実施の形態2(図5)と同一の構成については図5におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。また、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1はすべて同一の構成となるため、ここではレベル制限部104a2についてのみ説明する。
【0096】
図9に示すレベル制限部104a2において、比較部506では、遅延分散情報として入力される隣接搬送波間における受信レベルの差の平均値と、この差の所定のしきい値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部507に出力される。
【0097】
選択部507では、比較結果を示す信号に従って、上限値1または上限値2(上限値1>上限値2)のいずれか一方が選択されて、比較部303および選択部304に出力される。すなわち、受信レベルの差の平均値が所定のしきい値以上となる場合(遅延波の遅延時間が長い場合)には上限値1が選択され、逆に、受信レベルの差の平均値が所定のしきい値未満になる場合(遅延波の遅延時間が短い場合)には上限値2が選択される。つまり、遅延波の遅延時間が長くなるほど、送信レベルの上限値が高く設定される。よって、遅延波の遅延時間が長い場合には誤り率特性が優先され、遅延波の遅延時間が短い場合にはピーク電力の低減が優先されることになる。
【0098】
以上のように、本実施の形態によれば、遅延波の遅延時間に応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、遅延波の遅延時間の変化に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、本実施の形態によれば、遅延波の遅延時間が長い場合でも所望の誤り率特性を得ることができるとともに、遅延波の遅延時間が短い場合にはさらにピーク電力の低減を図ることができる。
【0099】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1において、通信相手側において受信レベルが大きく低下する搬送波が生じることがある環境下でも、マルチキャリア信号の誤り率特性が劣化してしまうことを防止する場合について説明する。
【0100】
無線通信装置から送信されたマルチキャリア信号は、マルチパス環境にある伝送路において、フェージング等の影響によりレベル変動を受ける。また、マルチキャリア信号は、各搬送波毎に各々独立したレベル変動を受ける。よって、通信相手が受信したマルチキャリア信号において、受信レベルが大きく低下する搬送波が生じることがある。受信レベルが大きく低下した搬送波では誤り率特性が大きく劣化し、通信相手側において所望の誤り率特性を得ることが困難になる。よって、この場合には、送信レベルの上限値を高めに設定する必要がある。
【0101】
また、ディジタル通信システムにおけるアクセス方式が、同一の周波数帯域が受信回線と送信回線とに時分割で割り当てられるTDD(Time Division Duplex;時分割多重)方式である場合には、受信回線の伝送路特性が送信回線の伝送路特性と同じになる。よって、受信回線においてレベルが大きく低下する搬送波と、送信回線においてレベルが大きく低下する搬送波とが一致する。よって、無線通信装置は、マルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルから、送信回線においてレベルが大きく低下する搬送波を予測することが可能である。
【0102】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、各搬送波の受信レベルに応じて送信レベルの上限値を変化させる。図10は、本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図10において、実施の形態1(図2)と同一の構成については図2におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0103】
図10に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらに受信レベル検出部601a2〜受信レベル検出部601ak-1を付加した構成を採る。受信レベル検出部601a2〜受信レベル検出部601ak-1ではそれぞれ、搬送波#2〜搬送波#k−1の受信レベルが検出され、検出された受信レベルを示す信号が、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に出力される。
【0104】
レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1では、以下のようにして、受信レベルの低い搬送波ほど送信レベルの上限値が高めに設定される。図11は、本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図である。なお、図11において、実施の形態2(図5)と同一の構成については図5におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。また、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1はすべて同一の構成となるため、ここではレベル制限部104a2についてのみ説明する。
【0105】
図11に示すレベル制限部104a2において、比較部701では、受信レベル検出部601a2から出力された受信レベルと、受信レベルの所定のしきい値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部702に出力される。
【0106】
選択部702では、比較結果を示す信号に従って、上限値1または上限値2(上限値1>上限値2)のいずれか一方が選択されて、比較部303および選択部304に出力される。すなわち、受信レベル検出部601a2から出力された受信レベルが所定のしきい値以上となる場合には上限値2が選択され、逆に、受信レベル検出部601a2から出力された受信レベルが所定のしきい値未満になる場合には上限値1が選択される。つまり、受信レベルが低くなるほど、送信レベルの上限値が高く設定される。つまり、通信相手側で受信レベルが低下する搬送波の送信レベルが予め高められる。
【0107】
以上のように、本実施の形態によれば、TDD方式の通信システムにおいて、各搬送波の受信レベルに応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、通信相手で受信レベルが大きく低下すると予測される搬送波の送信レベルを予め高めておくことができる。よって、通信相手側において受信レベルが大きく低下する搬送波が生じることがある環境下でも、マルチキャリア信号の誤り率特性が劣化してしまうことを防止することができる。つまり、通信相手側において受信レベルが大きく低下する搬送波が生じることがある環境下でも、ピーク電力の増大および通信品質の劣化をともに防ぐことができる。
【0108】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1において、要求される品質に応じた送信レベル制限を行う場合について説明する。すなわち、本実施の形態では、高品質を要求されるチャネルについてその所望本質を確実に満たすように送信レベル制限を行う場合について説明する。
【0109】
送信レベルの上限値の高低は、各チャネルにおいて要求される品質により異なる。すなわち、高品質が要求されるチャネル(例えば、制御チャネルや再送チャネル等)については、他のチャネルより送信レベルの上限値を高めに設定して、所望本質を確実に満たすようにする必要がある。
【0110】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、高品質を要求されるチャネルについてその所望本質を確実に満たすように送信レベル制限を行う。図12は、本発明の実施の形態5にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図である。なお、レベル制限部の内部構成以外は、実施の形態1(図2)と同一になるため、ここではレベル制限部についてのみ説明する。また、図12において、実施の形態2(図5)と同一の構成については図5におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。また、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1はすべて同一の構成となるため、ここではレベル制限部104a2についてのみ説明する。
【0111】
物理レイヤより上位のレイヤ(以下、単に「上位レイヤ」という。)では送信信号がどのチャネルの信号であるか逐次監視しているため、そのチャネルが高品質が要求されるチャネルである場合には、上位レイヤよりその旨を示すチャネル種別信号‘0'が選択部801に入力される。逆に、そのチャネルが高品質が要求されるチャネル以外のチャネルである場合には、上位レイヤよりその旨を示す選択信号‘1'が選択部801に入力される。すなわち、チャネル種別信号は、送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネルかどうかを示すための信号である。
【0112】
選択部801では、上位レイヤから入力されるチャネル種別信号に基づいて、上限値1または上限値2(上限値1>上限値2)のいずれか一方が選択されて、比較部303および選択部304に出力される。すなわち、チャネル種別信号が‘0'である場合には上限値1が選択され、逆に、チャネル種別信号が‘1'である場合には上限値2が選択される。つまり、送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネルである場合には、上限値1が選択されて、送信レベルの上限値が高めに設定される。このようにして要求される品質に応じた送信レベル制限を行うことにより、通信相手側では、高品質が要求されるチャネルの品質を確実に所望品質以上に保つことができる。
【0113】
以上のように、本実施の形態によれば、送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネルである場合には送信レベルの上限値を高めに設定するため、高品質を要求されるチャネルについてその所望本質を確実に満たすように送信レベル制限を行うことができる。
【0114】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態1において、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値より低くなるときに、誤り率特性を向上させる場合について説明する。
【0115】
各搬送波の送信レベルが比較的高くても、各搬送波に配置される信号間の位相関係等によっては、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値より低くなることがある。例えば、各搬送波に配置される信号間で極性が逆になると、送信レベルが互いに相殺されて、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値よりも低くなることがある。このような場合には、各搬送波の送信レベルの上限値を高めることが可能であり、上限値を高めることにより誤り率特性を向上させることができる。
【0116】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、マルチキャリア信号の送信レベルに応じて、各搬送波の送信レベルの上限値を変化させる。図13は、本発明の実施の形態6にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図13において、実施の形態1(図2)と同一の構成については図2におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0117】
図13に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらにレベル検出部901を付加した構成を採る。レベル検出部901では、周波数分割多重後のマルチキャリア信号の送信レベルが検出される。そして、マルチキャリア信号の送信レベルを示す信号が、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に出力される。
【0118】
レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1では、以下のようにして、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値より低い場合に、各搬送波の送信レベルの上限値が高められる。図14は、本発明の実施の形態6にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図である。なお、図14において、実施の形態2(図5)と同一の構成については図5におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。また、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1はすべて同一の構成となるため、ここではレベル制限部104a2についてのみ説明する。
【0119】
図14に示すレベル制限部104a2において、比較部1001では、レベル検出部901から出力されたマルチキャリア信号の送信レベルと、その送信レベルの所定のしきい値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部1002に出力される。
【0120】
選択部1002では、比較結果を示す信号に従って、上限値1または上限値2(上限値1>上限値2)のいずれか一方が選択されて、比較部303および選択部304に出力される。すなわち、マルチキャリア信号の送信レベルが所定のしきい値以上となる場合(マルチキャリア信号のピーク電力が許容値以上となる場合)には上限値2が選択され、逆に、マルチキャリア信号の送信レベルが所定のしきい値未満となる場合(マルチキャリア信号のピーク電力が許容値より低くなる場合)には上限値1が選択される。つまり、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値よりも低くなる場合に、各搬送波の送信レベルの上限値が高められる。これにより、誤り率特性を向上させることができる。
【0121】
以上のように、本実施の形態によれば、マルチキャリア信号の送信レベルに応じて、各搬送波の送信レベルの上限値を変化させるため、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値より低くなるときに、各搬送波の送信レベルを高めて誤り率特性を向上させることができる。
【0122】
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態1において、マルチキャリア信号のピーク電力を確実に許容値以下に抑える場合について説明する。
【0123】
各搬送波に対して送信レベル制限を行っても、各搬送波に配置される信号間の位相関係等によっては、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値を超えてしまうことがある。例えば、各搬送波に配置される信号間で極性が同じになると、マルチキャリア信号の送信レベルが高くなり、マルチキャリア信号のピーク電力が許容値を超えてしまうことがある。
【0124】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、マルチキャリア信号のピーク電力を確実に許容値以下に抑える。図15は、本発明の実施の形態7にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図15において、実施の形態1(図2)と同一の構成については図2におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0125】
図15に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらにレベル制限部1101を付加した構成を採る。また、レベル制限部1101は、実施の形態1のレベル制限部(図3)と同様の構成を採る。すなわち、周波数分割多重後のマルチキャリア信号の送信レベルが上限値より低い場合には、マルチキャリア信号はそのままの送信レベルで無線送信部106に出力される。逆に、周波数分割多重後のマルチキャリア信号の送信レベルが上限値以上の場合には、送信レベルが上限値とされたマルチキャリア信号が無線送信部106に出力される。これにより、マルチキャリア信号の送信レベルが確実に上限値以下に制限することができる。換言すれば、マルチキャリア信号のピーク電力を確実に許容値以下に抑えることができる。
【0126】
ここで、マルチキャリア信号に対して送信レベル制限を行うと、マルチキャリア信号のすべての搬送波において誤り率特性が劣化してしまう。これを防止するために、レベル制限部1101に設定する上限値を、レベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に設定する上限値よりも高い値に設定しておくようにする。これにより、実施の形態1同様、誤り率が他の搬送波に比べて非常に高くなる両端の搬送波に対しては送信レベルの制限が緩和されるので、マルチキャリア信号の誤り率特性の劣化を抑えることができる。
【0127】
以上のように、本実施の形態によれば、マルチキャリア信号に対しても送信レベル制限を行うため、マルチキャリア信号のピーク電力を確実に許容値以下に抑えることができる。
【0128】
(実施の形態8)
本実施の形態では、実施の形態1において、誤り率特性の劣化を抑えつつピーク電力をさらに低減させる場合について説明する。
【0129】
実施の形態7では、実施の形態1において、マルチキャリア信号のピーク電力を確実に許容値以下に抑える場合について説明した。しかしながら、実施の形態7では、マルチキャリア信号の送信レベルを上限値に制限するため、マルチキャリア信号の送信レベルがクリッピングしてしまい、マルチキャリア信号の波形が送信レベル制限前後で変わってしまうことがある。このように、マルチキャリア信号の波形が元の波形と変わってしまうと、高調波の発生により搬送波間相互に干渉が生じてしまい、誤り率特性が劣化する。
【0130】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、マルチキャリア信号の波形を変えずにピーク電力をさらに低減させる。図16は、本発明の実施の形態8にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図16において、実施の形態1(図2)と同一の構成については図2におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0131】
図16に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらにピークレベル抑圧部1201を付加した構成を採る。また、ピークレベル抑圧部1201は、図17に示す構成を採る。図17は、本発明の実施の形態8にかかる無線通信装置のピークレベル抑圧部の構成を示すブロック図である。
【0132】
図17に示すピークレベル抑圧部1201において、最大値検出部1202および除算部1203には、IFFT部105よりマルチキャリア信号が(OFDM信号)が入力される。最大値検出部1202では、OFDMシンボル毎に、マルチキャリア信号の送信レベルの最大値が検出され、その最大値を示す信号が除算部1203に出力される。除算部1203では、マルチキャリア信号の送信レベルが最大値検出部1202で検出された最大値で除算される。これにより、OFDMシンボル内のすべての送信レベルが等しい割合で抑圧される。すなわち、マルチキャリア信号の波形を元の波形と変えずに送信レベルを低下させることができる。
【0133】
以上のように、本実施の形態によれば、マルチキャリア信号の波形を変えずに送信レベルを低下させるため、誤り率特性の劣化を抑えつつピーク電力をさらに低減させることができる。
【0134】
なお、上記説明では、OFDMシンボル内のすべての送信レベルが等しい割合で抑圧されるため、最大値検出部1202で検出された最大値が小さいOFDMシンボルほど雑音に対して弱くなる。そこで、本実施の形態では、最大値が所定のしきい値を超えたOFDMシンボルに対してのみ上記処理を施すようにしてもよい。これにより、最大値が比較的小さいOFDMシンボルの誤り率特性が劣化してしまうことを防止することができる。
【0135】
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態1において、強いフェージング環境にある場合に、誤り率特性の劣化の程度をほとんど変えることなくピーク電力をさらに低減させる場合について説明する。
【0136】
マルチキャリア信号が伝送路において強いフェージングを受ける場合には、伝送路において各搬送波のレベルが大きく(例えば、全搬送波の平均レベルの−40dB以上)低下することがある。レベルが大きく低下する搬送波が生じて搬送波間のレベル偏差が大きくなると、OFDM−CDMA方式では、各信号を拡散している拡散符号間の直交性が崩れてしまい、誤り率特性が劣化する。
【0137】
このようにレベルが大きく低下する搬送波が生じる場合には、その搬送波をどのような送信レベルで送信しても、結局伝送路においてレベルが大きく低下するため、その搬送波の送信レベルを0にしたとしても、誤り率特性の劣化の程度はほとんど変わらない。よって、このような場合には、その搬送波の送信レベルを0にして、マルチキャリア信号のピーク電力を低減する方が有効である。
【0138】
また、上述したように、TDD方式では、無線通信装置は、マルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルから、送信回線においてレベルが大きく低下する搬送波を予測することが可能である。
【0139】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、強いフェージング環境にある場合に、誤り率特性の劣化の程度をほとんど変えることなくピーク電力の低減を図る。図18は、本発明の実施の形態9にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図18において、実施の形態1(図2)と同一の構成については図2におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0140】
図18に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらに受信レベル検出部1301a2〜受信レベル検出部1301ak-1、比較部1302a2〜比較部1302ak-1、選択部1303a2〜選択部1303ak-1を付加した構成を採る。なお、各受信レベル検出部、各比較部および各選択部はそれぞれ同一の構成となるため、ここでは受信レベル検出部1301a2、比較較部1302a2および選択部1303a2についてのみ説明する。
【0141】
図18に示す無線通信装置において、受信レベル検出部1301a2では、搬送波#2の受信レベルが検出され、検出された受信レベルを示す信号が、比較較部1302a2に出力される。比較部1302a2では、受信レベル検出部1301a2で検出された受信レベルと、所定のしきい値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部1303a2に出力される。
【0142】
選択部1303a2では、比較結果を示す信号に従って、ヌル信号またはレベル制限部104a2から出力された送信レベル制限後の送信信号のいずれか一方が選択され、IFFT部105に出力される。すなわち、受信レベル検出部1301a2で検出された受信レベルが所定のしきい値より低い場合にはヌル信号が選択され、逆に、受信レベル検出部1301a2で検出された受信レベルが所定のしきい値以上の場合には送信レベル制限後の送信信号が選択される。なお、ここで言うヌル信号とは、送信レベルが0の信号である。
【0143】
以上のように、本実施の形態によれば、伝送路においてレベルが大きく低下する搬送波の送信レベルを0にするため、強いフェージング環境にある場合に、誤り率特性の劣化の程度をほとんど変えることなくピーク電力をさらに低減することができる。
【0144】
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態1において、強いフェージング環境にある場合に、実施の形態9よりもピーク電力をさらに低減させる場合について説明する。
【0145】
実施の形態9で述べたように、伝送路においてレベルが大きく低下する搬送波が生じる場合には、その搬送波をどのような送信レベルで送信しても、結局伝送路においてレベルが大きく低下する。このため、その搬送波にどのような信号を割り当てても、誤り率特性の劣化の程度はほとんど変わらない。よって、このような場合には、その搬送波にピーク抑圧用信号を割り当てて、マルチキャリア信号のピーク電力をさらに低減することが可能である。
【0146】
図19は、本発明の実施の形態10にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図19において、実施の形態9(図18)と同一の構成については図18におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0147】
図19に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態9にかかる無線通信装置に、さらに最大値検出部1401、極性判定部1402およびピーク抑圧用信号生成部1403を付加した構成を採る。
【0148】
図19に示す無線通信装置において、最大値検出部1401にはマルチキャリア信号が(OFDM信号)が入力される。最大値検出部1401では、OFDMシンボル毎に、マルチキャリア信号の送信レベルの最大値が検出され、その最大値を示す信号が極性判定部1402に出力される。
【0149】
極性判定部1402では、最大値検出部1401で検出された最大値の極性(‘+’か‘−’)が判定され、その極性を示す信号がピーク抑圧用信号生成部1403に出力される。ピーク抑圧用信号生成部1403では、極性判定部1402で判定された極性と逆の極性で、かつ所定レベルの信号(ピーク抑圧用信号)が生成されて、選択部1303a2〜選択部1303ak-1に出力される。なお、各選択部は同一の構成となるため、以下、選択部1303a2についてのみ説明する。
【0150】
選択部1303a2では、比較結果を示す信号に従って、ピーク抑圧用信号またはレベル制限部104a2から出力された送信レベル制限後の送信信号のいずれか一方が選択され、IFFT部105に出力される。すなわち、受信レベル検出部1301a2で検出された受信レベルが所定のしきい値より低い場合にはピーク抑圧用信号が選択され、逆に、受信レベル検出部1301a2で検出された受信レベルが所定のしきい値以上の場合には送信レベル制限後の送信信号が選択される。
【0151】
ピーク抑圧用信号はマルチキャリア信号の送信レベルの最大値の極性と逆の特性の信号であるため、このようにして、ピーク抑圧用信号を各搬送波に割り当てることにより、最大値部分が抑圧される。よって、本実施の形態によれば、強いフェージング環境にある場合に、単にヌル信号を割り当てる実施の形態9よりも、マルチキャリア信号のピーク電力をさらに低減させることができる。
【0152】
なお、ピーク抑圧用信号生成部1403において、生成したピーク抑圧用信号の所定レベルに所定の係数を乗算器により乗算して、ピーク抑圧用信号のレベルをレベル制限部104a2〜レベル制限部104ak-1に設定される上限値より高くなるようにしてもよい。これにより、ピーク抑圧用信号のレベルは、搬送波#2〜搬送波#k−1のレベルより確実に高くなるため、マルチキャリア信号の送信レベルの最大値に対する抑圧効果をさらに高めることができる。すなわち、マルチキャリア信号のピーク電力をさらに低減することができる。
【0153】
また、上記所定の係数をビットシフトで実現可能な値(例えば、2)とした場合には、乗算器を使用することなくビットシフト演算で乗算を行うことができる。このように、乗算処理をビットシフトで行うことにより、乗算器を用いた場合より回路規模を削減することができる。
【0154】
なお、上記実施の形態1〜10は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0155】
また、実施の形態1〜10では、OFDM変調方式をマルチキャリア変調方式の一例として挙げて説明したが、本発明は、いかなるマルチキャリア変調方式においても実施可能である。
【0156】
本発明にかかる無線通信装置は、ディジタル通信システムにおける通信端末装置や基地局装置に搭載可能なものである。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マルチキャリア変調方式とCDMA方式とを組み合わた無線通信において、ピーク電力の増大および通信品質の劣化をともに防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)マルチキャリア信号が隣接チャネルからの干渉波の影響を受ける様子を示す図
(b)マルチキャリア信号がフィルタの群遅延偏差および振幅偏差の影響を受ける様子を示す図
【図2】本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置でレベルを制限されたマルチキャリア信号の送信レベルの様子を示す図
【図5】本発明の実施の形態2にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図7】(a)遅延波の遅延時間が短い場合のマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルの様子を示す図
(b)遅延波の遅延時間が長い場合のマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルの様子を示す図
【図8】本発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の遅延分散情報生成部の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態3にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態5にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態6にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態6にかかる無線通信装置のレベル制限部の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態7にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態8にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態8にかかる無線通信装置のピークレベル抑圧部の構成を示すブロック図
【図18】本発明の実施の形態9にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図19】本発明の実施の形態10にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図20】従来の無線通信装置の構成を示すブロック図
【図21】符号分割多重された送信信号の各チップが各搬送波に配置される様子を示す図
【符号の説明】
101a1〜101an 拡散部
102 加算部
103 S/P部
104a2〜104ak-1,1101 レベル制限部
105 IFFT部
106 無線送信部
107 アンテナ
108 無線受信部
109 FFT部
110a1〜110ak 伝送路補償部
111 P/S部
112a1〜112an 逆拡散部
201,301,303,506,701,1001,1302a2〜1302ak-1 比較部
202,302,304,507,702,801,1002,1303a2〜1303ak-1 選択部
401 遅延分散情報生成部
501,601a2〜601ak-1,1301a2〜1301ak-1 受信レベル検出部
502 遅延部
503 減算部
504 絶対値算出部
505 平均化部
901 レベル検出部
1201 ピークレベル抑圧部
1202,1401 最大値検出部
1203 除算部
1402 極性判定部
1403 ピーク抑圧用信号生成部
Claims (6)
- 複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、
拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、
符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、
各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、
各搬送波の送信レベルを上限値に制限する送信レベル制限を行うレベル制限手段と、
送信レベル制限後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、
レベル制限手段は、遅延波の遅延時間が長くなるほど上限値を高くする、
ことを特徴とする無線通信装置。 - 複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、
拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、
符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、
各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、
各搬送波の送信レベルを上限値に制限する送信レベル制限を行うレベル制限手段と、
送信レベル制限後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、
レベル制限手段は、マルチキャリア信号の送信レベルが低くなるほど上限値を高くする、
ことを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1または請求項2記載の無線通信装置を搭載することを特徴とする通信端末装置。
- 請求項1または請求項2記載の無線通信装置を搭載することを特徴とする基地局装置。
- 符号分割多重および周波数分割多重されたマルチキャリア信号の各搬送波の送信レベルを上限値に制限する送信レベル制限を行う際に、遅延波の遅延時間が長くなるほど上限値を高くすることを特徴とする無線通信方法。
- 符号分割多重および周波数分割多重されたマルチキャリア信号の各搬送波の送信レベルを上限値に制限する送信レベル制限を行う際に、マルチキャリア信号の送信レベルが低くなるほど上限値を高くすることを特徴とする無線通信方法。
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