JP3679014B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル通信システムに用いられる無線通信装置に関し、特に、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式等のマルチキャリア変調方式とCDMA(Code Division Multiple Access)方式とを組み合わせて無線通信を行う無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、周波数の利用効率を高める変調方式として、OFDM変調方式等のマルチキャリア変調方式が注目されている。マルチキャリア変調方式において、特にOFDM変調方式は、最も周波数の利用効率が高い変調方式である。このOFDM変調方式では、送信信号が配置される複数の搬送波(サブキャリア)が相互に直交しているので、周波数の利用効率を向上させることができる。このようなOFDM変調方式では、送信信号を複数の搬送波に配置させてマルチキャリア信号(OFDM信号)を生成する。
【0003】
以下、OFDM変調方式をマルチキャリア変調方式の一例として挙げ、OFDM方式とCDMA方式とを組み合わせたOFDM−CDMA方式の従来の無線通信装置について、図18を参照して説明する。図18は、従来の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
図18に示す無線通信装置の送信系において、送信信号1〜送信信号nのn個の送信信号は、それぞれ拡散部11a1〜拡散部11anにより、拡散符号1〜拡散符号nを用いて拡散処理される。なお、各拡散符号の拡散比をkとする。
【0005】
拡散処理されたn個の送信信号は、加算部12により符号分割多重される。符号分割多重された信号は、シリアル/パラレル変換部(以下「S/P部」という。)13により、複数系列の信号に変換される。つまりここでは、符号分割多重された信号は、拡散符号の第1チップ〜第kチップにチップ毎に分割される。第1チップ〜第kチップの複数系列の信号は、IFFT部14に送られる。
【0006】
IFFT部14では、複数系列の信号に対する逆フーリエ変換(IFFT)処理がなされる。すなわち、第1チップ〜第kチップの信号は、拡散比k分だけ用意されたk個の搬送波にそれぞれ配置される。これにより、第1チップ〜第kチップの信号は周波数分割多重されて、マルチキャリア信号が生成される。
【0007】
具体的には、図19に示すように、搬送波#1には、符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第1チップ目が配置され、搬送波#kには、符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第kチップ目が配置される。
【0008】
図18において、IFFT処理後の信号、すなわち周波数分割多重されたマルチキャリア信号は、無線送信部15によりアップコンバートや電力増幅等の所定の無線処理を施される。そして、無線処理後のマルチキャリア信号は、アンテナ16を介して通信相手に対して送信される。
【0009】
一方、上記通信相手が送信したマルチキャリア信号は、図18に示す無線通信装置により、アンテナ16を介して受信される。受信系において、アンテナ16を介して受信されたマルチキャリア信号は、無線受信部17によりダウンコンバートやAGC(Auto Gain Control)等の所定の無線処理を施される。
【0010】
無線処理後のマルチキャリア信号に対してFFT部18によりフーリエ変換(FFT)処理がなされることにより、各搬送波#1〜#kにより伝送された信号が取り出される。各搬送波により伝送された信号は、それぞれ伝送路補償部19a1〜伝送路補償部19akにより、伝送路で生じた位相変動等が補償された後、パラレル/シリアル変換部(以下「P/S部」という。)20に入力される。
【0011】
P/S部20では、伝送路補償部19a1〜伝送路補償部19akからの複数系列の信号が、一系列の信号に変換される。ここでは、時刻t1においては、伝送路補償部19a1からの信号、すなわち、通信相手側で符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第1チップ目が出力され、時刻tkにおいては、伝送路補償部19akからの信号、すなわち、通信相手側で符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第kチップ目が出力される。
【0012】
P/S部20から出力された信号は、逆拡散部21a1〜逆拡散部21anにより、それぞれ拡散符号1〜拡散符号nを用いて逆拡散処理がなされる。この結果、逆拡散部21a1〜逆拡散部21anからはそれぞれ、復調信号1〜復調信号nが出力される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の無線通信装置には、以下に示すような問題がある。すなわち、アンテナ16から送信されたマルチキャリア信号は、マルチパス環境にある伝送路において、フェージング等の影響によりレベル変動を受ける。つまり、通信相手側において、マルチキャリア信号の受信レベルが一定でなくなる。また、マルチキャリア信号は、各搬送波毎に各々独立したレベル変動を受ける。よって、図20に示すように、各搬送波間において受信レベルが均一でなくなり受信レベルの偏差が生じる。
【0014】
上記従来の無線通信装置では、搬送波#1には、符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第1チップ目が配置され、搬送波#kには、符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第kチップ目が配置される。すなわち、ある送信信号に着目すると、その送信信号の第1チップ目〜第kチップ目が搬送波#1〜搬送波#kにそれぞれ分割されて配置される。よって、各搬送波間において受信レベルが均一でなくなるということは、各チップ間において受信レベルが均一でなくなる、ということになる。つまり、各チップ間において受信レベルの偏差が生じる。
【0015】
このように各チップ間において受信レベルが均一でなくなると、後述するように、各送信信号を拡散している拡散符号間の直交性が崩れてしまう。拡散符号間の直交性が崩れた場合、拡散符号間において相互に干渉が生じてしまうため、符号分割多重により多重できる信号数が減少し、周波数利用効率および伝送効率が低下してしまうという問題がある。
【0016】
例えば、拡散比4で拡散(4倍拡散)されている送信信号1および送信信号2の拡散符号間の相互相関を求めてみると、以下のようになる。ここでは、送信信号1を拡散している拡散符号1を‘+1,−1,−1,+1’とし、送信信号2を拡散している拡散符号2を‘+1,−1,+1,−1’とする。
【0017】
マルチキャリア信号が伝送路においてレベル変動を受けない場合、すなわち、各チップ間において受信レベルが均一である場合には、相互相関値は以下に示すようになる。
このように相互相関が0になった場合には、2つの拡散符号が直交することになるので、拡散符号間において干渉は生じない。
【0018】
しかし、マルチキャリア信号が伝送路においてレベル変動を受けた場合、すなわち、各チップ間において受信レベルが均一でなくなる場合には、相互相関値は以下に示すようになる。なお、ここでは、送信信号2がレベル変動を受け、拡散符号2が‘+2,−3,+0.1,−0.2’となった送信信号2が受信系に受信された場合を考える。
このように相互相関の絶対値が0でなくなる場合には、拡散符号間の直交性が崩れてしまい、拡散符号間に相互に干渉が生じてしまう。このため、符号分割多重により多重できる信号数が減少する。相互相関の絶対値が大きくなるほど拡散符号間に生じる干渉は大きくなる。
【0019】
このように、上記従来の無線通信装置においては、フェージング等の影響により各搬送波間に受信レベルの偏差が生じた場合、周波数利用効率および伝送効率が低下してしまうという問題がある。
【0020】
なお、OFDM変調方式以外のマルチキャリア変調方式においても、複数の搬送波が用いられる。よって、いかなるマルチキャリア変調方式においても、上記同様の問題が発生し得る。
【0021】
また、上記問題は、マルチキャリア変調方式とCDMA方式とを組み合わた無線通信に特有の問題である。すなわち、CDMA方式を用いない単なるマルチキャリア変調方式では、1つの搬送波に複数の送信信号が含まれることはない。つまり、1つの送信信号がチップ毎に分割されて複数の搬送波に割り当てられることがない。よって、CDMA方式を用いない単なるマルチキャリア変調方式では、各搬送波間の受信レベルの偏差による伝送効率の低下という問題は生じ得ないからである。
【0022】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、マルチキャリア変調方式とCDMA方式とを組み合わせた無線通信において、マルチパスによるフェージング等の影響により各搬送波毎に各々独立したレベル変動を受ける場合にも、周波数利用効率および伝送効率が低下してしまうことを防止することができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線通信装置は、複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、生成されたマルチキャリア信号の送信レベル制御を各搬送波毎に行うレベル制御手段と、送信レベル制御後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、通信相手から送信されたマルチキャリア信号を受信する受信手段と、受信されたマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルを検出する検出手段と、各搬送波の受信レベルを全搬送波の受信レベルの平均値で除算する除算手段と、を具備し、レベル制御手段が、除算後の受信レベルを用いて送信レベル制御を行う構成を採る。
【0030】
この構成によれば、全搬送波の受信レベルの平均値で各搬送波の受信レベルを除算して、AGCの誤差により生じる各搬送波の受信レベルの誤差を補正するため、誤り率特性の劣化およびピーク電力の増大を防止することができる。
【0035】
本発明の無線通信装置は、複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、生成されたマルチキャリア信号の各搬送波の送信レベルを上限値以下とする送信レベル制御を行うレベル制御手段と、送信レベル制御後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、レベル制御手段が、回線品質が良好なほど上限値を低く、受信回線と送信回線のタイムスロット間の間隔が長いほど上限値を高く、高品質が要求されるチャネルの信号ほど上限値を高く、または、送信信号の符号分割多重数が多くなるほど上限値を高くする構成を採る。
【0036】
この構成によれば、回線品質に応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、回線品質の変動に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、この構成によれば、回線品質が変動する場合でも、所望の誤り率特性を得つつピーク電力の低減を図ることができる。また、この構成によれば、タイムスロット間の間隔の長さに応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させ、タイムスロット間の間隔が長い場合には回線品質によらず送信レベルの上限値を高めに設定するため、タイムスロット間隔が長い場合に伝送効率が低下してしまうことを防止することができる。また、この構成によれば、送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネルである場合には送信レベルの上限値を高めに設定するため、高品質を要求されるチャネルについてその所望本質を確実に満たすような送信レベル制御を行うことができる。また、この構成によれば、送信信号の符号分割多重数に応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、送信信号の符号分割多重数に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、この構成によれば、送信信号の符号分割多重数が変化する場合でも、所望の誤り率特性を得つつピーク電力の低減を図ることができる。
【0045】
本発明の無線通信装置は、通信相手から送信されたマルチキャリア信号を受信する受信手段と、受信されたマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルを検出する検出手段と、複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、生成されたマルチキャリア信号の送信レベル制御を各搬送波毎に行うレベル制御手段と、送信レベル制御後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、レベル制御手段が、検出手段で検出された各搬送波の受信レベルが全搬送波の受信レベルの平均値より低い場合に、前記平均値を用いて送信レベル制御を行う構成を採る。
【0046】
この構成によれば、送信レベル制御後の各搬送波の送信レベルは全て、レベル制御を行わない場合(従来)の送信レベル以下となるため、レベル制御を行わない場合(従来)よりもピーク電力を確実に低減させることができる。
【0049】
本発明の無線通信装置は、通信相手から送信されたマルチキャリア信号を受信する受信手段と、受信されたマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルを検出する検出手段と、複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、検出手段で検出された受信レベルがしきい値より低い場合に、前記受信レベルに対応する搬送波の送信レベルを0にする送信レベル制御を行うレベル制御手段と、送信レベル制御後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、レベル制御手段が、回線品質が良好なほどしきい値を高く、または、受信回線と送信回線のタイムスロット間の間隔が長いほどしきい値を低くする構成を採る。
【0050】
この構成によれば、受信レベルが大きく落ち込んだ搬送波の送信レベルを0にするため、強いフェージング環境にある場合に、伝送効率を低下させることなくピーク電力の低減を図ることができる。また、回線品質に応じて適応的に受信レベルのしきい値を変化させて送信レベルが0になる搬送波の数を変化させるため、回線品質の変動に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、この構成によれば、回線品質が変動する場合でも、所望の誤り率特性を得つつピーク電力の低減を図ることができる。また、この構成によれば、タイムスロット間の間隔の長さに応じて送信レベルを0にする搬送波の数を変化させるため、タイムスロット間隔が長い場合に伝送効率を高めることができる。
【0053】
本発明の通信端末装置は、上記いずれかの無線通信装置を搭載する構成を採る。また、本発明の基地局装置は、上記いずれかの無線通信装置を搭載する構成を採る。
【0054】
これらの構成によれば、通信端末装置または基地局装置が上記いずれかの無線通信装置を搭載するため、通信端末装置または基地局装置において上記同様の効果を呈する。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0063】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、OFDM変調方式をマルチキャリア変調方式の一例として挙げ、OFDM方式とCDMA方式とを組み合わせたOFDM−CDMA方式の無線通信装置について説明する。
【0064】
図1に示す無線通信装置の送信系において、送信信号1〜送信信号nのn個の送信信号は、それぞれ拡散部101a1〜拡散部101anにより、拡散符号1〜拡散符号nを用いて拡散処理される。なお、各拡散符号の拡散比をkとする。
【0065】
拡散処理されたn個の送信信号は、加算部102により符号分割多重される。符号分割多重された信号は、S/P部103により、複数系列の信号に変換される。つまりここでは、符号分割多重された信号は、拡散符号の第1チップ〜第kチップにチップ毎に分割される。第1チップ〜第kチップの複数系列の信号は
それぞれ、除算部104a1〜除算部104akに送られる。
【0066】
除算部104a1〜除算部104akでは、第1チップ〜第kチップの信号の送信レベルがそれぞれ、後述する受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akから出力される係数で除算される。これにより、各チップ毎、すなわち各搬送波毎に、各々独立した送信レベル制御がなされる。送信レベル制御後の第1チップ〜第kチップの信号はぞれぞれIFFT部105に送られる。
【0067】
IFFT部105では、複数系列の信号に対する逆フーリエ変換(IFFT)処理がなされる。すなわち、第1チップ〜第kチップの信号は、拡散比k分だけ用意されたk個の搬送波にそれぞれ配置される。これにより、第1チップ〜第kチップの信号は周波数分割多重されて、マルチキャリア信号が生成される。周波数分割多重されたマルチキャリア信号は、無線送信部106によりアップコンバートや電力増幅等の所定の無線処理を施された後、アンテナ107を介して通信相手に対して送信される。
【0068】
一方、上記通信相手が送信したマルチキャリア信号は、図1に示す無線通信装置により、アンテナ107を介して受信される。受信系において、アンテナ107を介して受信されたマルチキャリア信号は、無線受信部108によりダウンコンバートやAGC(Auto Gain Control)等の所定の無線処理を施される。
【0069】
無線処理後のマルチキャリア信号に対してFFT部109によりフーリエ変換(FFT)処理がなされることにより、各搬送波により伝送された信号が取り出される。各搬送波により伝送された信号はそれぞれ、伝送路補償部110a1〜伝送路補償部110akにより伝送路で生じた位相変動等が補償された後、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akおよびP/S部112に入力される。
【0070】
受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akでは、各搬送波毎の受信レベルが検出され、検出された受信レベルから送信レベル制御用の係数が各搬送波毎に求められる。送信レベル制御用の係数はそれぞれ、除算部104a1〜除算部104akに入力される。
【0071】
P/S部112では、伝送路補償部110a1〜伝送路補償部110akからの複数系列の信号が、一系列の信号に変換される。ここでは、時刻t1においては、伝送路補償部110a1からの信号、すなわち、通信相手側で符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第1チップ目が出力され、時刻tkにおいては、伝送路補償部110akからの信号、すなわち、通信相手側で符号分割多重された送信信号1〜送信信号nの第kチップ目が出力される。
【0072】
P/S部112から出力された信号は、逆拡散部113a1〜逆拡散部113anにより、それぞれ拡散符号1〜拡散符号nを用いて逆拡散処理がなされる。この結果、逆拡散部113a1〜逆拡散部113anからはそれぞれ、復調信号1〜復調信号nが出力される。
【0073】
次いで、上記構成を有する無線通信装置の動作について説明する。まず、初めに動作原理について式を用いて説明する。
【0074】
通信相手から送信されたマルチキャリア信号の各搬送波に配置された信号のプリアンブル部分には、伝送路特性推定用の既知参照信号が含まれている。この既知参照信号は送信レベルが一定の信号であり、ここでは、説明を簡単にするために、例えば送信レベルを1とする。よって、通信相手から送信されるマルチキャリア信号の各搬送波に配置された既知参照信号TXk(t)は、以下の式(1)によって示される。
【数1】
dk(t)は搬送波kにおけるIFFT処理前の既知参照信号、Nはサンプル数、k=0,1,2…、t=0,1,2…である。
【0075】
通信相手から送信されたマルチキャリア信号は、上述したように伝送路において、各搬送波毎に各々独立したレベル変動を受ける。また、マルチキャリア信号は、各搬送波毎に各々独立した位相変動を受ける。搬送波kに加わるレベル変動をAk(t)とし、位相変動をexp(jΘk(t))とすると、図1に示す無線通信装置により受信される既知参照信号RXk(t)は、以下の式(2)によって示される。ここでは、FFT処理後の信号を示す。
【数2】
【0076】
上述したように既知参照信号の送信レベルは1で一定であるため、各搬送波に配置された既知参照信号の受信レベルRk(t)は、以下の式(3)によって示される。
【数3】
つまり、既知参照信号の受信レベルを検出することにより、伝送路において加わったレベル変動を検出することができる。
【0077】
ここで、上述したように、アクセス方式がTDD方式であれば、受信回線の伝送路特性が送信回線の伝送路特性と同じになる。よって、受信回線を介して受信されたマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルから送信回線で加わるレベル変動を容易に予測できる。そこで、送信回線で加わるレベル変動と逆特性となるようなレベル制御を各搬送波の送信前に予め各搬送波毎に行う。
【0078】
具体的には、各搬送波に配置される信号の送信レベルを上式(3)で示される受信レベルRk(t)で除算する。伝送路においては、上式(2)に示すようなレベル変動Ak(t)が加わるため、受信レベルRk(t)で予め除算しておくことによりレベル変動Ak(t)が相殺され、各搬送波の受信レベルを均一にすることができる。すなわち、各チップ間において受信レベルを均一にすることができる。
【0079】
なお、ここでは、受信レベルをそのまま送信レベル制御用の係数として用いた場合について説明したが、これに限られず、受信レベルに対して所定の演算を行った結果を送信レベル制御用の係数としてもよい。以下、同様である。
【0080】
次いで、上記動作原理に基づいた無線通信装置の動作について図1および図2を用いて説明する。図1に示す無線通信装置において、各搬送波に配置された伝送路特性推定用の既知参照信号はそれぞれ、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akに入力される。
【0081】
マルチキャリア信号は伝送路において各搬送波毎にそれぞれ独立したレベル変動を受けているため、図2(a)に示すように、各搬送波間において受信レベルが均一でなくなっている。受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akではそれぞれ、各搬送波に配置された既知参照信号の受信レベルが検出される。これにより、伝送路において加わったレベル変動が検出される。換言すれば、受信回線の伝送路特性が検出される。
【0082】
受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akはそれぞれ、搬送波#1〜搬送波#kの受信レベルを送信レベル制御用の係数として除算部104a1〜除算部104akに出力する。除算部104a1〜除算部104akでは、搬送波#1〜搬送波#kにそれぞれ割り当てられる信号の送信レベルが、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akで検出された受信レベルで除算される。このように、受信レベルを用いて送信レベル制御を容易に行うことができる。
【0083】
これにより、受信レベルが低い搬送波ほど予め送信レベルが高くなり、逆に、受信レベルが高い搬送波ほど予め送信レベルが低くなる。よって、送信レベル制御後の各搬送波の送信レベルは、図2(b)に示すようになる。アクセス方式がTDD方式であれば受信回線の伝送路特性と送信回線の伝送路特性とは同じになるため、このようにして受信レベルを用いて、送信回線の伝送路特性と逆特性となるようなレベル制御を各搬送波の送信前に予め各搬送波毎に行うことができる。
【0084】
伝送路(送信回線)においては、図2(b)に示すようなレベル制御と逆特性のレベル変動(すなわち、図2(a)に示すようなレベル変動)が各搬送波に加わる。よって、通信相手で受信されるマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルは、図3に示すように均一になる。
【0085】
このようにして、各搬送波間において受信レベルを均一にすることにより、各チップ間において受信レベルを均一にすることができる。つまり、各送信信号を拡散している拡散符号間の直交性が崩れてしまうことを防止することができ、拡散符号間において相互に干渉が生じてしまうことを防止することができる。よって、符号分割多重により多重できる信号数が減少してしまうことを防止することができる。
【0086】
以上のように、本実施の形態によれば、アクセス方式がTDD方式である場合に、受信レベルを用いて送信回線の伝送路特性と逆特性となるようなレベル制御を各搬送波の送信前に予め各搬送波毎に行うため、通信相手側において各搬送波の受信レベルが均一になる。よって、拡散符号間の直交性が崩れてしまうことを防止でき、その結果、符号分割多重により多重できる信号数が減少してしまうことを防止することができる。よって、本実施の形態によれば、マルチキャリア信号が、マルチパスによるフェージング等の影響により各搬送波毎に各々独立したレベル変動を受ける場合にも、周波数利用効率および伝送効率が低下してしまうことを防止することができる。
【0087】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1において、誤り率特性の劣化およびピーク電力の増大を防止する場合について説明する。
【0088】
無線受信部108で行われるAGCでは誤差が生じる場合がある。AGCは全搬送波に対して一律に行われるため、AGCの誤差が生じた場合には、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akで検出される受信レベルが一律に同じだけ誤差を含むようになる。つまり、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akで検出される受信レベルが一律に高くまたは低くなってしまう。
【0089】
上述したように、送信レベルの制御は受信レベルを除数として行う。このため、受信レベルが正しい値よりも高くなるほど送信レベルは低くなり、その結果、通信相手側における受信レベルはAGCの誤差がない場合に比べ低くなってしまう。つまり、受信レベルが正しい値よりも高くなってしまった場合には、通信相手側において信号対雑音電力比が小さくなってしまい誤り率特性が劣化する。
【0090】
逆に、受信レベルが正しい値よりも低くなるほど送信レベルは高くなる。またマルチキャリア信号のピーク電力は全搬送波の電力の合計となるため、各搬送波の送信レベルが高くなるほどマルチキャリア信号のピーク電力が大きくなってしまう。無線送信部106は、アナログ処理によりマルチキャリア信号に対して電力増幅を施すため、ピーク電力が大きくなるほど消費電力が増大してしまう。無線通信装置が移動体通信端末に搭載された場合には、消費電力の増大はバッテリーの消費につながるため、移動体通信端末の使用時間の点から見て大きな問題となる。
【0091】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、AGCで生じた誤差を補正して、誤り率特性の劣化およびピーク電力の増大を防止する。図4は、本発明の実施の形態2にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図4において、実施の形態1(図1)と同一の構成については図1におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0092】
図4に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらに平均化部201および除算部202a1〜除算部202akを付加した構成を採る。
【0093】
平均化部201では、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akからそれぞれ出力された受信レベルの平均値が算出される。つまり、全搬送波の受信レベルの平均値が算出される。全搬送波の受信レベルの平均値は除算部202a1〜除算部202akに入力される。
【0094】
除算部202a1〜除算部202akではそれぞれ、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akで検出された受信レベルが、平均化部201で算出された受信レベルの平均値で除算される。この平均値にはAGCの誤差により全搬送波の受信レベルに共通に生じる誤差が含まれているため、各搬送波の受信レベルをこの平均値で除算することにより、各搬送波の受信レベルに含まれる誤差を補正することができる。よって、無線受信部108で行われるAGCに誤差が生じた場合にも、各搬送波の送信レベル制御に誤差が生じることを防止することがでる。すなわち、誤り率特性の劣化およびピーク電力の増大を防止することができる。
【0095】
以上のように、本実施の形態によれば、全搬送波の受信レベルの平均値で各搬送波の受信レベルを除算して、AGCの誤差により生じる各搬送波の受信レベルの誤差を補正するため、誤り率特性の劣化およびピーク電力の増大を防止することができる。
【0096】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1において、送信レベル制御用の係数の精度を高める場合について説明する。
【0097】
一時的な雑音等の影響によりマルチキャリア信号の信号対雑音電力比が一時的に低くなってしまい、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akで検出される受信レベルに一時的に誤差が生じてしまうことがある。つまり、送信レベル制御用の係数の精度が低くなってしまい、送信レベル制御の精度が低くなってしまうことがある。
【0098】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、送信レベル制御用の係数の精度を高める。図5は、本発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図5において、実施の形態1(図1)と同一の構成については図1におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0099】
図5に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらに平均化部301a1〜平均化部301akを付加した構成を採る。
【0100】
平均化部301a1〜平均化部301akでは、受信レベル検出部111a1〜受信レベル検出部111akから出力された受信レベルの平均値が、各搬送波毎に算出される。つまり、平均化部301a1では、搬送波#1の受信レベルの所定区間での平均値が算出され、平均化部301akでは、搬送波#kの受信レベルの所定区間での平均値が算出される。これらの所定区間の平均値はそれぞれ、除算部104a1〜除算部104akに出力される。
【0101】
以上のように、本実施の形態によれば、送信レベル制御用の係数を所定区間平均した結果を用いて送信レベル制御を行うため、マルチキャリア信号の信号対雑音電力比が一時的に低くなってしまった場合にも、精度の良い送信レベル制御を行うことができる。
【0102】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1において、ピーク電力の低減を図る場合について説明する。
【0103】
マルチキャリア信号が伝送路において強いフェージングを受けた場合には、各搬送波の受信レベルが大きく落ち込むことがある。この結果、送信レベル制御された各搬送波の送信レベルが非常に高くなってしまい、マルチキャリア信号のピーク電力が非常に大きくなってしまうことがある。上述したように、ピーク電力の増大は消費電力の増大につながってしまうため、ピーク電力を低減することが重要となる。
【0104】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、ピーク電力の低減を図る。図6は、本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図6において、実施の形態1(図1)と同一の構成については図1におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0105】
図6に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらに係数調節部401a1〜係数調節部401akを付加した構成を採る。また、係数調節部401a1〜係数調節部401akの構成は、図7に示すようになる。図7は、本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図である。なお、係数調節部401a1〜係数調節部401akはすべて同一の構成となるため、ここでは係数調節部401a1についてのみ説明する。
【0106】
図7に示す係数調節部401a1において、比較部501では、受信レベル検出部111a1から出力された搬送波#1の受信レベルと、この受信レベルの下限値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部502に出力される。
【0107】
選択部502では、比較結果を示す信号に従って、下限値または受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルのいずれか一方が選択されて、除算部104a1に出力される。すなわち、受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが下限値より低い場合には下限値が選択され、逆に、受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが下限値以上の場合には受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが選択される。
【0108】
このような比較選択が行われることにより、除算部104a1で除数として用いられる受信レベルは必ず下限値以上の値となる。よって、送信レベル制御により高められる搬送波#1の送信レベルが必ず所定の値(レベル制御を行わない場合の下限値分の1倍)以下となる。つまり、各搬送波の受信レベルが大きく落ち込む場合でも、送信レベル制御により高められる各搬送波の送信レベルは所定の値以下となる。
【0109】
以上のように、本実施の形態によれば、送信レベル制御により高められる各搬送波の送信レベルを所定の上限値以下とするため、実施の形態1に比べピーク電力を低減させることができる。
【0110】
なお、本実施の形態では、送信レベル制御により高められる各搬送波の送信レベルを強制的に所定の値以下とするため、通信相手側では各搬送波間において受信レベルに多少の偏差が生じる。よって、本実施の形態では、下限値を設定しない実施の形態1に比べて伝送効率が多少低下する。
【0111】
しかしながら、下限値を設定しても、上記従来の無線通信装置と比較した場合、各搬送波間に生じる受信レベルの偏差を著しく小さくすることができるため、従来よりも伝送効率を著しく高めることができる。よって、本実施の形態は、ピーク電力の低減の図りつつ伝送効率を高めたい場合に有効な形態である。
【0112】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1において、受信回線の伝送路特性と送信回線の伝送路特性との差異により生じる伝送効率の低下を抑える場合について説明する。
【0113】
TDD方式においては、受信回線と送信回線のタイムスロット間の間隔(以下、単に「タイムスロット間隔」という。)が長くなるほど受信回線と送信回線の伝送路特性の差異が大きくなる。この場合、送信回線の伝送路特性と完全に逆特性となるようなレベル制御を各搬送に対して行うことができなくなってしまう。つまり、本来の送信レベル(受信回線の伝送路特性が送信回線の伝送路特性と同じになる場合の送信レベル)よりも高い送信レベルや低い送信レベルになってしまう搬送波が生じる。本来の送信レベルからの差異が大きくなるほど、通信相手側では各搬送波間の受信レベルの偏差が大きくなるため、伝送効率が低下する。
【0114】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、受信回線の伝送路特性と送信回線の伝送路特性との差異により生じる伝送効率の低下を抑える。図8は、本発明の実施の形態5にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図である。なお、係数調節部の内部構成以外は、図6に示す構成と同一になるため、ここでは係数調節部についてのみ説明する。また、図8において、比較部501および選択部502は実施の形態4(図7)と同一の構成となるため、説明を省略する。また、係数調節部401a1〜係数調節部401akはすべて同一の構成となるため、ここでは係数調節部401a1についてのみ説明する。
【0115】
図8に示す係数調節部401a1において、比較部601では、選択部502からの出力(すなわち、搬送波#1の受信レベルもしくはその下限値)と、受信レベルの上限値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部602に出力される。
【0116】
選択部602では、比較結果を示す信号に従って、上限値または選択部502からの出力のいずれか一方が選択されて、除算部104a1に出力される。すなわち、選択部502からの出力が上限値より高い場合には上限値が選択され、逆に、選択部502からの出力が上限値以下の場合には選択部502からの出力が選択される。
【0117】
比較部501、選択部502、比較部602および選択部602によって行われる比較選択により、除算部104a1で除数として用いられる受信レベルが必ず下限値以上、上限値以下の値となる。よって、送信レベル制御後の搬送波#1の送信レベルが、必ず所定の範囲に収まる(レベル制御を行わない場合の上限値分の1倍以上、下限値分の1倍以下となる)。つまり、送信レベル制御後の各搬送波の送信レベルと本来の送信レベルとの差異を所定範囲内に収めることができる。
【0118】
以上のように、本実施の形態によれば、送信レベル制御後の各搬送波の送信レベルを所定の範囲に収めるため、受信回線の伝送路特性と送信回線の伝送路特性との差異により生じる伝送効率の低下を抑えることができる。
【0119】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態1において、従来よりも確実にピーク電力を低減させる場合について説明する。
【0120】
実施の形態4では、実施の形態1よりもピーク電力を低減させる場合について説明した。しかしながら、実施の形態4では、実施の形態1よりもピーク電力を低減させることはできるが、下限値の設定如何によっては、従来よりもピーク電力が増大してしまうことがある。
【0121】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、従来よりも確実にピーク電力を低減させる。図9は、本発明の実施の形態6にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図9において、実施の形態1(図1)と同一の構成については図1におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0122】
図9に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらに平均化部201および係数調節部402a1〜係数調節部402akを付加した構成を採る。なお、平均化部201は、実施の形態2(図4)と同一の構成となるため、説明を省略する。
【0123】
また、係数調節部402a1〜係数調節部402akの構成は、図10に示すようになる。図10は、本発明の実施の形態6にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図である。なお、係数調節部402a1〜係数調節部402akはすべて同一の構成となるため、ここでは係数調節部402a1についてのみ説明する。
【0124】
図10に示す係数調節部402a1において、比較部701では、平均化部201から出力された全搬送波の受信レベルの平均値と、受信レベル検出部111a1から出力された搬送波#1の受信レベルとが比較され、比較結果を示す信号が選択部702に出力される。
【0125】
選択部702では、比較結果を示す信号に従って、平均化部201から出力された平均値または受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルのいずれか一方が選択されて、除算部104a1に出力される。すなわち、受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが平均化部201から出力された平均値より低い場合には受信レベルの平均値が選択され、逆に、受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが平均化部201から出力された平均値以上の場合には受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが選択される。
【0126】
このような比較選択が行われることにより、除算部104a1で除数として用いられる受信レベルが必ず、平均化部201から出力される平均値以上の値となる。よって、送信レベル制御により高められる搬送波#1の送信レベルが必ず、レベル制御を行わない場合(従来)の送信レベル以下となる。つまり、送信レベル制御後の各搬送波の送信レベルは全て、レベル制御を行わない場合(従来)の送信レベル以下となる。よって、ピーク電力は、レベル制御を行わない場合(従来)よりも確実に低減する。
【0127】
以上のように、本実施の形態によれば、各搬送波の送信レベルを従来の送信レベル以下とするため、従来よりも確実にピーク電力を低減させることができる。
【0128】
なお、本実施の形態では、従来よりも確実にピーク電力を低減させることができる反面、通信相手側での各搬送波間の受信レベル偏差は、実施の形態4に比べて大きくなることがある。よって、本実施の形態では、実施の形態4に比べて伝送効率が低下してしまうことがある。しかしながら、上記従来の無線通信装置よりは各搬送波間に生じる受信レベルの偏差を小さくすることができるため、従来よりも伝送効率を高めることができる。よって、本実施の形態は、ピーク電力の低減をより重視する場合に有効な形態である。
【0129】
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態4において、回線品質の変動に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節する場合について説明する。
【0130】
受信レベルの下限値(すなわち、送信レベルの上限値)の最適値は、回線品質によって異なる。すなわち、回線品質が良好になるほど送信レベルを低くしても通信相手側において所望の誤り率特性を得ることができる。よって、この場合には、受信レベルの下限値を高めに設定(送信レベルの上限値を低めに設定)して、ピーク電力のさらなる低減を図ることができる。逆に、回線品質が悪化するほど送信レベルを高くしなければ通信相手側において所望の誤り率特性を得ることが困難になる。よって、この場合には、受信レベルの下限値を低めに設定(送信レベルの上限値を高めに設定)する必要がある。このように、受信レベルの下限値(すなわち、送信レベルの上限値)の最適値は、回線品質によって異なってくる。
【0131】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、回線品質に応じて受信レベルの下限値を変化させる。図11は、本発明の実施の形態7にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図である。なお、係数調節部の内部構成以外は、実施の形態4(図6)と同一になるため、ここでは係数調節部についてのみ説明する。また、係数調節部401a1〜係数調節部401akはすべて同一の構成となるため、ここでは係数調節部401a1についてのみ説明する。
【0132】
図11に示す係数調節部401a1において、比較部801では、回線品質情報として入力される回線品質を示す値(例えば、希望波対干渉波電力比)と、回線品質を示す値の所定のしきい値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部802に出力される。
【0133】
選択部802では、比較結果を示す信号に従って、下限値1または下限値2(下限値1>下限値2)のいずれか一方が選択されて、比較部803および選択部804に出力される。すなわち、回線品質を示す値が所定のしきい値以上となる場合(回線品質が良好な場合)には下限値1が選択され、逆に、回線品質を示す値が所定のしきい値未満になる場合(回線品質が悪い場合)には下限値2が選択される。つまり、回線品質が良好な場合には、受信レベルの下限値が高めに設定(送信レベルの上限値が低めに設定)され、回線品質が悪い場合には、受信レベルの下限値が低めに設定(送信レベルの上限値が高めに設定)される。
【0134】
比較部803では、選択部802から出力された下限値(下限値1または下限値2)と、受信レベル検出部111a1から出力された搬送波#1の受信レベルとが比較され、比較結果を示す信号が選択部804に出力される。
【0135】
選択部804では、比較結果を示す信号に従って、下限値または受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルのいずれか一方が選択されて、除算部104a1に出力される。すなわち、受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが下限値より低い場合には下限値が選択され、逆に、受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが下限値以上の場合には受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが選択される。よって、回線品質が良好な場合にはピーク電力の低減が優先され、回線品質が悪い場合には誤り率特性が優先されることになる。
【0136】
以上のように、本実施の形態によれば、回線品質に応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、回線品質の変動に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、本実施の形態によれば、回線品質が変動する場合でも、所望の誤り率特性を得つつピーク電力の低減を図ることができる。
【0137】
なお、上記説明では、下限値を2種類としたが、これに限定されず、下限値を3種類以上にしてもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0138】
(実施の形態8)
本実施の形態では、実施の形態7において、タイムスロット間隔が長い場合に伝送効率が低下してしまうことを防止する場合について説明する。
【0139】
上述したように、TDD方式においては、タイムスロット間隔が長くなるほど各搬送波間の受信レベルの偏差が大きくなって、伝送効率が低下する。さらにこの場合にビーク電力の低減を図るために受信レベルの下限値(送信レベルの上限値)が設定されていると、送信レベル制御により高められる各搬送波の送信レベルが強制的に所定の値以下とされるため、各搬送波間の受信レベルの偏差がさらに大きくなって、伝送効率がさらに低下してしまう。受信レベルの下限値が高めに設定(送信レベルの上限値が低めに設定)されるほど、伝送効率は大きく低下してしまう。
【0140】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、タイムスロット間隔が長い場合に伝送効率が低下してしまうことを防止する。図12は、本発明の実施の形態8にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図である。なお、係数調節部の内部構成以外は、図6に示す構成と同一になるため、ここでは係数調節部についてのみ説明する。また、図12において、実施の形態7(図11)と同一の構成については図11におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。また、係数調節部401a1〜係数調節部401akはすべて同一の構成となるため、ここでは係数調節部401a1についてのみ説明する。
【0141】
図12に示す係数調節部401a1において、論理積演算部805では、物理レイヤより上位のレイヤ(以下、単に「上位レイヤ」という。)から入力される選択信号と、比較部801から入力される比較結果を示す信号との論理積が演算される。
【0142】
上位レイヤではタイムスロット間隔を逐次監視しているため、この間隔が所定のしきい値以上の場合(間隔が長い場合)には、上位レイヤよりその旨を示す選択信号‘0'が論理積演算部805に入力される。逆に、この間隔が所定のしきい値未満の場合(間隔が短い場合)には、上位レイヤよりその旨を示す選択信号‘1'が論理積演算部805に入力される。一方、比較部801からは、回線品質を示す値が所定のしきい値以上となる場合(回線品質が良好な場合)にはその旨を示す信号‘1'が入力され、逆に、回線品質を示す値が所定のしきい値未満になる場合(回線品質が悪い場合)にはその旨を示す信号‘0'が入力される。
【0143】
よって、論理積演算部805では、回線品質が良好で、かつタイムスロット間隔が短い場合にのみ演算結果が‘1'になる。つまり、タイムスロット間隔が長い場合には、回線品質によらず、演算結果は必ず‘0'になる。演算結果は、選択部802に出力される。
【0144】
選択部802では、論理積演算部805での演算結果に従って、下限値1または下限値2(下限値1>下限値2)のいずれか一方が選択される。すなわち、論理積演算部805での演算結果が‘0'である場合には下限値2が選択され、逆に、演算結果が‘1'である場合には下限値1が選択される。つまり、タイムスロット間隔が長い場合には、回線品質によらず、必ず下限値2が選択されて、送信レベルの上限値が高めに設定される。これにより、通信相手側での各搬送波間の受信レベルの偏差を低減することができる。
【0145】
以上のように、本実施の形態によれば、タイムスロット間隔の長さに応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させ、タイムスロット間隔が長い場合には回線品質によらず送信レベルの上限値を高めに設定すため、タイムスロット間隔が長い場合に伝送効率が低下してしまうことを防止することができる。
【0146】
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態7において、要求される品質に応じた送信レベル制御を行う場合について説明する。すなわち、本実施の形態では、高品質を要求されるチャネルについてその所望本質を確実に満たすような送信レベル制御を行う場合について説明する。
【0147】
受信レベルの下限値(すなわち、送信レベルの上限値)の高低は、各チャネルにおいて要求される品質により異なる。すなわち、高品質が要求されるチャネル(例えば、制御チャネルや再送チャネル等)については、他のチャネルより受信レベルの下限値を低めに設定(送信レベルの上限値を高めに設定)して、所望本質を確実に満たすようにする必要がある。
【0148】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、高品質を要求されるチャネルについてその所望本質を確実に満たすような送信レベル制御を行う。図13は、本発明の実施の形態9にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図である。なお、係数調節部の内部構成以外は、図6に示す構成と同一になるため、ここでは係数調節部についてのみ説明する。また、図13において、実施の形態7(図11)と同一の構成については図11におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。また、係数調節部401a1〜係数調節部401akはすべて同一の構成となるため、ここでは係数調節部401a1についてのみ説明する。
【0149】
図13に示す係数調節部401a1において、論理積演算部806では、上位レイヤから信号送信時に入力されるチャネル種別信号と、比較部801から入力される比較結果を示す信号との論理積が演算される。なお、チャネル種別信号は、送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネルかどうかを示すための信号である。
【0150】
上位レイヤでは送信信号がどのチャネルの信号であるか逐次監視しているため、そのチャネルが高品質が要求されるチャネルである場合には、上位レイヤよりその旨を示すチャネル種別信号‘0'が論理積演算部806に入力される。逆に、そのチャネルが高品質が要求されるチャネル以外のチャネルである場合には、上位レイヤよりその旨を示す選択信号‘1'が論理積演算部806に入力される。一方、比較部801からは、回線品質を示す値が所定のしきい値以上となる場合(回線品質が良好な場合)にはその旨を示す信号‘1'が入力され、逆に、回線品質を示す値が所定のしきい値未満になる場合(回線品質が悪い場合)にはその旨を示す信号‘0'が入力される。
【0151】
よって、論理積演算部806では、回線品質が良好で、かつ送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネル以外のチャネルである場合にのみ演算結果が‘1'になる。つまり、送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネルである場合には、回線品質によらず、演算結果は必ず‘0'になる。演算結果は、選択部802に出力される。
【0152】
選択部802では、論理積演算部806での演算結果に従って、下限値1または下限値2(下限値1>下限値2)のいずれか一方が選択される。すなわち、論理積演算部806での演算結果が‘0'である場合には下限値2が選択され、逆に、演算結果が‘1'である場合には下限値1が選択される。つまり、送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネルである場合には、回線品質によらず、必ず下限値2が選択されて、送信レベルの上限値が高めに設定される。このようにして要求される品質に応じた送信レベル制御を行うことにより、通信相手側では、高品質が要求されるチャネルの品質を所望品質以上に保つことができる。
【0153】
以上のように、本実施の形態によれば、送信信号のチャネルが高品質が要求されるチャネルである場合には回線品質によらず送信レベルの上限値を高めに設定するため、高品質を要求されるチャネルについてその所望本質を確実に満たすような送信レベル制御を行うことができる。
【0154】
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態4において、送信信号の符号分割多重数に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節する場合について説明する。
【0155】
受信レベルの下限値(すなわち、送信レベルの上限値)の最適値は、送信信号の符号分割多重数によって異なる。すなわち、送信信号の符号分割多重数が少なくなるほど拡散符号間に生じる干渉が小さくなるため、通信相手側で各搬送波間の受信レベルの偏差が多少大きくなっても、所望の誤り率特性を得ることができる。よって、この場合には、受信レベルの下限値を高めに設定(送信レベルの上限値を低めに設定)して、ピーク電力のさらなる低減を図ることができる。逆に、送信信号の符号分割多重数が多くなるほど拡散符号間に生じる干渉が大きくなるため、符号分割多重数が多くなるほど受信レベルの下限値を低く設定(送信レベルの上限値を高く設定)して、通信相手側での各搬送波間の受信レベルの偏差を小さくする必要がある。このように、受信レベルの下限値(すなわち、送信レベルの上限値)の最適値は、送信信号の符号分割多重数によって異なってくる。
【0156】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、送信信号の符号分割多重数に応じて受信レベルの下限値を変化させる。図14は、本発明の実施の形態10にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図である。なお、係数調節部の内部構成以外は、実施の形態4(図6)と同一になるため、ここでは係数調節部についてのみ説明する。また、図14において、実施の形態7(図11)と同一の構成については図11におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。また、係数調節部401a1〜係数調節部401akはすべて同一の構成となるため、ここでは係数調節部401a1についてのみ説明する。
【0157】
図14に示す係数調節部401a1において、比較部901では、送信信号の符号分割多重数と、その多重数の基準値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部902に出力される。
【0158】
選択部902では、比較結果を示す信号に従って、下限値1または下限値2(下限値1>下限値2)のいずれか一方が選択されて、比較部803および選択部804に出力される。すなわち、送信信号の符号分割多重数が基準値以上となる場合には下限値2が選択され、逆に、送信信号の符号分割多重数が基準値未満になる場合には下限値1が選択される。つまり、送信信号の符号分割多重数が多くなるほど、受信レベルの下限値が低く設定(送信レベルの上限値が高く設定)される。
【0159】
以上のように、本実施の形態によれば、送信信号の符号分割多重数に応じて適応的に送信レベルの上限値を変化させるため、送信信号の符号分割多重数に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、本実施の形態によれば、送信信号の符号分割多重数が変化する場合でも、所望の誤り率特性を得つつピーク電力の低減を図ることができる。
【0160】
(実施の形態11)
本実施の形態では、実施の形態1において、強いフェージング環境にある場合に、伝送効率を低下させることなくピーク電力の低減を図る場合について説明する。
【0161】
マルチキャリア信号が伝送路において強いフェージングを受けた場合には、各搬送波の受信レベルが大きく(例えば、全搬送波の平均受信レベルの−40dB以上)落ち込むことがある。このように受信レベルが大きく落ち込むと、上述したように、マルチキャリア信号のピーク電力が非常に大きくなってしまう。これを防止するために、実施の形態4では、受信レベルの下限値(送信レベルの上限値)を設定した。
【0162】
しかしながら、強いフェージング環境にある場合には、受信レベルが大きく落ち込んだ搬送波の送信レベルを上限値まで高くしても、結局通信相手側での受信レベルが大きく落ち込んでしまうため、通信相手側における各搬送波間の受信レベルの偏差は大きいままでほとんど変わらない。よって、このような場合には、受信レベルが大きく落ち込んだ搬送波の送信レベルを多少高くしても伝送効率を高めることはできない。換言すれば、受信レベルが大きく落ち込んだ搬送波の送信レベルを0にしたとしても、伝送効率はほとんど低下しない。また、送信レベルを0にすることにより、ピーク電力を低減することができる。よって、このような場合には、送信レベルを0にしてピーク電力を低減する方が有効である。
【0163】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、強いフェージング環境にある場合に、伝送効率を低下させることなくピーク電力の低減を図る。図15は、本発明の実施の形態11にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図15において、実施の形態1(図1)と同一の構成については図1におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0164】
図15に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態1にかかる無線通信装置に、さらに比較部1001a1〜比較部1001ak、選択部1002a1〜選択部1002akを付加した構成を採る。なお、比較部1001a1〜比較部1001akはすべて同一の構成となり、また、選択部1002a1〜選択部1002akもすべて同一の構成となるため、ここでは比較部1001a1および選択部1002a1についてのみ説明する。
【0165】
図15に示す無線通信装置において、比較部1001a1では、受信レベル検出部111a1から出力された搬送波#1の受信レベルと、所定のしきい値とが比較され、比較結果を示す信号が選択部1002a1に出力される。
【0166】
選択部1002a1では、比較結果を示す信号に従って、ヌル信号または除算部104a1から出力された送信レベル制御後の送信信号のいずれか一方が選択され、IFFT部105に出力される。すなわち、受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが所定のしきい値より低い場合にはヌル信号が選択され、逆に、受信レベル検出部111a1から出力された受信レベルが所定のしきい値以上の場合には送信レベル制御後の送信信号が選択される。なお、ここで言うヌル信号とは、送信レベルが0の信号である。
【0167】
以上のように、本実施の形態によれば、受信レベルが大きく落ち込んだ搬送波の送信レベルを0にするため、強いフェージング環境にある場合に、伝送効率を低下させることなくピーク電力の低減を図ることができる。
【0168】
(実施の形態12)
本実施の形態では、実施の形態11において、回線品質の変動に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節する場合について説明する。
【0169】
実施の形態11におけるしきい値の最適値は、回線品質によって異なる。すなわち、回線品質が良好になるほど送信レベルを低くしても通信相手側において所望の誤り率特性を得ることができる。よって、この場合には、しきい値を高めに設定することにより、送信レベルが0になる搬送波を多くして、ピーク電力のさらなる低減を図ることができる。逆に、回線品質が悪化するほど送信レベルを高くしなければ通信相手側において所望の誤り率特性を得ることが困難になる。よって、この場合には、しきい値を低めに設定して、送信レベルが0になる搬送波を少なくする必要がある。このように、しきい値の最適値は、回線品質によって異なってくる。
【0170】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、回線品質に応じて受信レベルのしきい値を変化させる。図16は、本発明の実施の形態12にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図16において、実施の形態11(図15)と同一の構成については図15におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0171】
図16に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態11にかかる無線通信装置に、さらに選択部1003を付加した構成を採る。図16において、選択部1003では、回線品質情報として入力される回線品質を示す値(例えば、希望波対干渉波電力比)と、回線品質を示す値の所定のしきい値とが比較される。そして、比較結果に従って、しきい値1またはしきい値2(しきい値1>しきい値2)のいずれか一方が選択されて、比較部1001a1〜比較部1001akに出力される。
【0172】
すなわち、回線品質を示す値が所定のしきい値以上となる場合(回線品質が良好な場合)にはしきい値1が選択され、逆に、回線品質を示す値が所定のしきい値未満になる場合(回線品質が悪い場合)にはしきい値2が選択される。つまり、回線品質が良好な場合にはしきい値が高めに設定され、回線品質が悪い場合にはしきい値が低めに設定される。
【0173】
この結果、選択部1002a1〜選択部1002akで選択されるヌル信号の数は、回線品質が良好な場合には多くなり、逆に、回線品質が悪い場合には少なくなる。よって、回線品質が良好な場合にはピーク電力の低減が優先され、回線品質が悪い場合には誤り率特性が優先されることになる。
【0174】
以上のように、本実施の形態によれば、回線品質に応じて適応的に受信レベルのしきい値を変化させて送信レベルが0になる搬送波の数を変化させるため、回線品質の変動に応じて誤り率特性とピーク電力とを調節することができる。つまり、本実施の形態によれば、実施の形態11において回線品質が変動する場合でも、所望の誤り率特性を得つつピーク電力の低減を図ることができる。
【0175】
なお、上記説明では、しきい値を2種類としたが、これに限定されず、しきい値を3種類以上としてもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0176】
(実施の形態13)
本実施の形態では、実施の形態11において、タイムスロット間隔が長い場合に伝送効率を高める場合について説明する。
【0177】
上述したように、TDD方式においては、タイムスロット間隔が長くなるほど受信回線と送信回線の伝送路特性の差異が大きくなる。よって、タイムスロット間隔が長い場合には、受信レベルが大きく落ち込んでいても、送信時には回線状態が変化して良好になり、通信相手側で受信レベルが落ち込まないこともある。よって、この場合には、送信レベルを0にする搬送波の数を減少させることにより、伝送効率が高まる可能性がある。
【0178】
そこで、本実施の形態では、以下のようにして、タイムスロット間隔の長さに応じて送信レベルを0にする搬送波の数を変化させる。図17は、本発明の実施の形態13にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図17において、実施の形態11(図15)と同一の構成については図15におけるものと同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0179】
図17に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置は、実施の形態11にかかる無線通信装置に、さらに選択部1004を付加した構成を採る。図17において、選択部1004では、間隔情報として上位レイヤから入力される、タイムスロット間隔と、その間隔の所定のしきい値とが比較される。そして、比較結果に従って、しきい値1またはしきい値2(しきい値1>しきい値2)のいずれか一方が選択されて、比較部1001a1〜比較部1001akに出力される。
【0180】
すなわち、タイムスロット間隔が所定のしきい値以上となる場合にはしきい値2が選択され、逆に、タイムスロット間隔が所定のしきい値未満になる場合にはしきい値1が選択される。つまり、タイムスロット間隔が長い場合にはしきい値が低めに設定され、タイムスロット間隔が短い場合に
はしきい値が高めに設定される。
【0181】
この結果、選択部1002a1〜選択部1002akで選択されるヌル信号の数は、タイムスロット間隔が長い場合には少なくなり、逆に、タイムスロット間隔が短い場合には多くなる。
【0182】
以上のように、本実施の形態によれば、タイムスロット間隔の長さに応じて送信レベルを0にする搬送波の数を変化させるため、実施の形態11においてタイムスロット間隔が長い場合に伝送効率を高めることができる。
【0183】
なお、上記実施の形態1〜17は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0184】
また、実施の形態1〜17では、OFDM変調方式をマルチキャリア変調方式の一例として挙げて説明したが、本発明は、いかなるマルチキャリア変調方式においても実施可能である。
【0185】
本発明にかかる無線通信装置は、ディジタル通信システムにおける通信端末装置や基地局装置に搭載可能なものである。
【0186】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マルチキャリア変調方式とCDMA方式とを組み合わた無線通信において、マルチパスによるフェージング等の影響により各搬送波毎に各々独立したレベル変動を受ける場合にも、周波数利用効率および伝送効率が低下してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図2】(a)本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置が受信するマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルの様子を示す図(b)本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置にて行われる送信レベル制御の様子を示す図
【図3】本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の通信相手が受信するマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルの様子を示す図
【図4】本発明の実施の形態2にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態3にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態5にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態6にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態6にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態7にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態8にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態9にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態10にかかる無線通信装置の係数調節部の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態11にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態12にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態13にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図
【図18】従来の無線通信装置の構成を示すブロック図
【図19】符号分割多重された送信信号の各チップが各搬送波に配置される様子を示す図
【図20】従来の無線通信装置が受信するマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルの様子を示す図
【符号の説明】
101a1〜101an 拡散部
102 加算部
103 S/P部
104a1〜104ak,202a1〜202ak 除算部
105 IFFT部
106 無線送信部
107 アンテナ
108 無線受信部
109 FFT部
110a1〜110ak 伝送路補償部
111a1〜111ak 受信レベル検出部
112 P/S部
113a1〜113an 逆拡散部
201,301a1〜301ak 平均化部
401a1〜401ak,402a1〜402ak 係数調節部
501,601,701,801,803,901,1001a1〜1001ak 比較部
502,602,702,802,804,902,1002a1〜1002ak,1003,1004 選択部
805,806 論理積演算部
Claims (6)
- 複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、
拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、
符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、
各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、
生成されたマルチキャリア信号の送信レベル制御を各搬送波毎に行うレベル制御手段と、
送信レベル制御後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、
通信相手から送信されたマルチキャリア信号を受信する受信手段と、
受信されたマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルを検出する検出手段と、
各搬送波の受信レベルを全搬送波の受信レベルの平均値で除算する除算手段と、を具備し、
レベル制御手段は、除算後の受信レベルを用いて送信レベル制御を行う、
無線通信装置。 - 複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、
拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、
符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、
各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、
生成されたマルチキャリア信号の各搬送波の送信レベルを上限値以下とする送信レベル制御を行うレベル制御手段と、
送信レベル制御後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、
レベル制御手段は、回線品質が良好なほど上限値を低く、受信回線と送信回線のタイムスロット間の間隔が長いほど上限値を高く、高品質が要求されるチャネルの信号ほど上限値を高く、または、送信信号の符号分割多重数が多くなるほど上限値を高くする、
無線通信装置。 - 通信相手から送信されたマルチキャリア信号を受信する受信手段と、
受信されたマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルを検出する検出手段と、
複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、
拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、
符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、
各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、
生成されたマルチキャリア信号の送信レベル制御を各搬送波毎に行うレベル制御手段と、
送信レベル制御後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、
レベル制御手段は、検出手段で検出された各搬送波の受信レベルが全搬送波の受信レベルの平均値より低い場合に、前記平均値を用いて送信レベル制御を行う、
無線通信装置。 - 通信相手から送信されたマルチキャリア信号を受信する受信手段と、
受信されたマルチキャリア信号の各搬送波の受信レベルを検出する検出手段と、
複数の送信信号に対してそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散処理を施す拡散手段と、
拡散処理後の送信信号を符号分割多重する第1多重手段と、
符号分割多重後の信号を各チップ毎に分割する分割手段と、
各チップ毎の信号をそれぞれ異なる搬送波に割り当てて周波数分割多重することによりマルチキャリア信号を生成する第2多重手段と、
検出手段で検出された受信レベルがしきい値より低い場合に、前記受信レベルに対応す る搬送波の送信レベルを0にする送信レベル制御を行うレベル制御手段と、
送信レベル制御後のマルチキャリア信号を送信する送信手段と、を具備し、
レベル制御手段は、回線品質が良好なほどしきい値を高く、または、受信回線と送信回線のタイムスロット間の間隔が長いほどしきい値を低くする、
無線通信装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線通信装置を搭載する通信端末装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線通信装置を搭載する基地局装置。
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