JP3678201B2 - Wdm信号モニタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)信号を測定するWDM信号モニタに関し、詳しくは、経時変化、使用環境、WDM信号の変調方式等に影響されずに、光ノイズレベルを精度良く測定できるWDM信号モニタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバによって光信号を伝送する光通信方式の一種に、WDM通信がある。このWDM通信とは、波長の異なる複数の光信号を1本の光ファイバによって伝送する通信方式である。また、波長の異なる複数の光信号のことをWDM信号とも呼ぶ。そして、WDM信号のそれぞれの光信号は、例えば短波側から1チャネル、2チャネルと数えられることが多い。
【0003】
近年光通信システムは、伝送容量の拡大に伴ってWDM信号の高密度な多重化および伝送距離の長距離化が進み、各チャネルの光信号レベル、ピーク波長等の測定に加え、光SNR(signal to noise ratio:信号対雑音比)を求めるための光ノイズレベルの測定が特に重要な測定パラメータになっている。一般的に、光通信システムにおける光ノイズレベルは、WDM信号を長距離伝送するために使用される光増幅器内の雑音源であるASE(Amplified Spontaneous Emission:増幅自然放出光)の光レベルを指すことが多い。また、光ノイズレベルは、光増幅器で増幅するチャネル数や時間等によって変動する。
【0004】
そして、これらの光ノイズレベル等のパラメータを監視することは、WDM信号の品質を維持する上で不可欠であり、これらのパラメータの測定を行う装置がWDM信号モニタである。このWDM信号モニタは、波長分散素子を用いてWDM信号である被測定光を波長ごとに分光し、任意の波長幅に存在する光パワーを求め、この求めた光パワーから、これらのパラメータの測定を行う装置である。
【0005】
また、WDM信号モニタには、光通信システムの一部にインライン形式で組み込み常時監視できるように、例えば小型の分光器を用いて構成されるものがあり、分光器の方式は、ポリクロメータ方式分光器、AWG(Array Waveguide Grating:アレイ導波路格子)方式分光器、ファイバーグレーティング方式分光器、チューナブルフィルタ方式分光器等があげられる。
【0006】
図7は、このようなWDM信号を測定するWDM信号モニタの従来例を示す構成図である。図7において、分光器10は、ポリクロメータ方式分光器であり、被測定光であるWDM信号が入力され、任意の波長幅に存在する光パワーに対応した出力を測定データとして出力する。そして、分光器10は、光ファイバ11、コリメーティングレンズ12、波長分散素子である回折格子13、フォーカシングレンズ14、フォトダイオードアレイモジュール(以下PDMと略す)15、光シャッター16、偏光解消素子17から構成される。
【0007】
光ファイバ11は、被測定光100を分光器10に入射する伝送路である。コリメーティングレンズ12は、光ファイバ11の出射口に対向して設置され、光ファイバ11から出射された被測定光100を平行光にして出射する。
【0008】
回折格子13は、コリメーティングレンズ12からの出射光を所望の角度に回折するため、コリメーティングレンズ12に対して傾けて設置してある。また、回折格子13は被測定光100を波長ごと異なる角度に分光して出射する。フォーカシングレンズ14は、回折格子13からの出射光の光路上に設置され、出射光を収束させる。
【0009】
PDM15は、被測定光100が収束する位置に設置される。PDM15は、短冊状または点状の受光素子であるフォトダイオード(以下PDと略す)が複数個配列されたPDアレイが設けられている。このPDは、入射した被測定光100の光パワーに応じた電流(光電流)が生ずる。PDM15は、PDの光電流を順番に、例えば短波長側のPDから出力し、光電流を所望のデータに変換して測定データとして出力する。
【0010】
また、各PDには、あらかじめ波長が割り付けられている。波長の割り付けは、被測定光100が回折格子13によって波長ごとに分光されて、PDアレイにて収束する位置と対応している。
【0011】
光シャッター16は、光ファイバ11とコリメーティングレンズ12の間に設けられ、被測定光100を遮断することができる。光シャッター16は被測定光100を遮り、そのときのPDの暗電流レベルを測定し、この値を被測定光100の測定データから減算することで、暗電流のドリフトの影響も除去でき、高精度な測定が実現できる。
【0012】
偏光解消素子17は、コリメーティングレンズ12と回折格子13の間に設けられ、被測定光100が透過することにより、特に回折格子13での偏光依存性を除去することができる。
【0013】
演算部20は、光ピーク演算手段21、ASE演算手段22、光SNR演算手段23を有し、分光器10から出力された測定データが入力され、各チャネルのピーク波長や光信号レベル等を求め、これらの演算結果を出力する。光ピーク演算手段21は、測定データ、各PDに割り付けられた波長から、各チャネルのピーク検出を行い、検出した各チャネルのピーク波長、光信号レベルの演算を行う。ASE演算手段22は、ASE補間法によって、測定データ、光ピーク演算手段21の求めたピーク波長から光ノイズレベルを求める。そして、光SNR演算手段23は、光ピーク演算手段21からの光信号レベルとASE演算手段22からの光ノイズレベルによって光SNRの演算を行う。
【0014】
図8は、図7に示す装置の分光器10に線スペクトルが入力された場合の応答特性例を示した図である。図8において、横軸は相対波長で、縦軸は光パワーの相対出力である。線スペクトルに対する分光器10の応答特性はピーク近傍がガウシアン分布のような広がりをもつ応答スペクトルになる。そして、応答スペクトルのピーク光パワーと、このピーク光パワーとなるピーク波長から一定の波長差Δλoffsetだけ離れた位置における光パワーとの光パワー差が、分光器10の光学的なダイナミックレンジである。同じ波長差Δλoffsetにてダイナミックレンジが大きいほど分光器10の波長分解能は高い。
【0015】
図9は、光ノイズを含む複数のチャネルCH1〜CH5からなるWDM信号が入力された場合の分光器10の応答特性例を示した図である。図9において、縦軸および横軸は図8と同一である。このようなWDM信号に対する分光器10の応答スペクトルは、光ノイズレベルと、チャネルCH1〜CH5ごとの線スペクトルに対して図8に示した応答特性がそれぞれ重ね合わされたスペクトルとなる。
【0016】
ここで、チャネルCH1〜CH5の波長間隔は、チャネルCH1〜CH3において十分に広く、チャネルCH3〜CH5において狭いものとする。この波長間隔が十分に広いとは、分光器10の応答スペクトルにおいて、チャネルCH1〜CH3間でダイナミックレンジが十分にとれ、光ノイズレベルと同等にみなせる出力値が存在しているということである。
【0017】
続いて、図7に示す装置の動作を説明する。被測定光100は、図9に示した波長間隔のチャネルCH1〜CH5が多重化されているとする。ただし、図7においては、波長λA、λBからなる被測定光100A、100Bは、チャネルCH2、CH4のそれぞれに対応し、これらの光路のみを図示している。光ファイバ11から出射された被測定光100は、コリメーティングレンズ12で平行光となる。コリメーティングレンズ12を透過した被測定光100は、偏光解消素子17を透過し回折格子13に入射する。被測定光100は回折格子13によって、波長λA、λBごとに被測定光100A、100Bに分光される。回折格子13によって分光された被測定光100A、100Bは、フォーカシングレンズ14によってPDM15のPDアレイに収束するが、収束する位置は被測定光100A、100Bの波長λA、λBに対応してずれる。
【0018】
そして、各PDで生じた光電流は、短波長側のPDから順に出力される。図示しない変換部は、PDから出力された光電流を電圧に変換する。また、この電圧に変換された信号はアナログ信号なので、変換部はこのアナログ信号をデジタル信号に変換し、測定データとして演算部20に出力する。このように、測定データはPDによってサンプリングされたサンプリングデータとなっている。
【0019】
演算部20は、分光器10から出力された測定データが入力される。そして光ピーク演算手段21が、この測定データから、チャネルCH1〜CH5のそれぞれに対応するピーク値を測定データから検出し、この検出した測定データおよび近傍の測定データと、各PDに割り付けられた波長から近似曲線(例えば、ガウス曲線や2次曲線等)を求め、この近似曲線からピーク波長、光信号レベルを演算する。
【0020】
ASE演算手段22は、測定データおよび各PDに割り付けられた波長から各チャネルCH1〜CH5の光ノイズレベルの演算を行う。ただし、光ノイズレベルは、光ピーク演算手段21によって演算されたピーク波長直下で求めるものであるが、現実にはピーク波長直下では演算できないので、このピーク波長から一定の波長離れた位置において、式(1)によって表されるASE補間法と呼ばれる方法で演算を行う。この演算方法は、ASEに起因する光ノイズのパワーレベルはごく狭い波長範囲では直線的に変化する特性を利用している。
【0021】
【数1】
Figure 0003678201
【0022】
ただし、各変数は以下となる。λは、各チャネルCH1〜CH5のピーク波長であり、ASE(λ)は、各チャネルCH1〜CH5の光ノイズレベルである。ASE(λ)、ASE(λ)は、求めるチャネルCH1〜CH5のピーク波長よりそれぞれ短波側、長波側の位置で測定した光ノイズレベルである。
【0023】
具体的には図9において、例えば、チャネルCH2に着目し、このチャネルCH2の光ノイズレベルを求めるASE(λ)とASE(λ)の位置は、チャネルCH2に隣接しているチャネルCH1、CH3それぞれとのピーク波長の中間地点(図9における●点)となる。これにより、ダイナミックレンジが一番とれる位置の測定データを用いることになり、正確に光ノイズレベルを求めることができる。
【0024】
このように、ASE演算手段22は、測定データとピーク波長から式(1)によってチャネルCH1〜CH5に対する光ノイズレベルを求める。そして、光SNR演算手段23は、光ピーク演算手段21が求めた光信号レベルおよびASE演算手段22が求めた光ノイズレベルから光SNRの演算を行う。そして、演算部20は、これらの演算結果を図示しない出力部に出力する。図示しない出力部は、演算部20から出力された演算結果を、例えば表示部の画面に表示したり、図示しない外部装置に出力する。
【0025】
しかし、図9に示すチャネルCH3〜CH5のようにピーク波長間隔が狭くなると、隣接するチャネルCH3〜CH5の応答スペクトルの裾がお互いに重ね合わさり、光ノイズレベルに対して十分なダイナミックレンジがとれなくなる。例えば、チャネルCH4に着目すると、隣接するチャネルCH3、CH5それぞれとのピーク波長の中間地点(図9における×点)であっても、チャネルCH3〜CH5の応答スペクトルの裾によって光ノイズレベルが埋もれてしまい、式(1)に示したASE補間法では光ノイズレベルを正確に求められない。
【0026】
図10は、従来例の他の構成を示した図である。図7と同一のものは同一符号を付し、説明を省略すると共に図示も省略する。図10において、応答特性データ格納部30は、分光器10の応答特性データが格納される。応答特性データは、図8に示した線スペクトルに対する分光器10の応答スペクトルを正規化したものであり、波長と光パワーの出力値で表される関数f(Δλ)になる。ここで、Δλはピーク波長からの波長差を示し、波長差Δλ=0のときのf(0)がこの関数の最大値となる。この応答特性データf(Δλ)は、オフラインにて求めておく。
【0027】
演算部40は、光ピーク演算手段41、方程式演算手段42、光SNR演算手段43を有し、分光器10からの測定データと、応答特性データ格納部30からの応答特性データによって各チャネルCH1〜CH5のピーク波長や光信号レベル等を求め、これらの演算結果を出力する。また、光ピーク演算手段41は、測定データ、各PDに割り付けられた波長から、各チャネルCH1〜CH5のピーク検出を行い、検出した各チャネルCH1〜CH5のピーク波長の演算を行う。方程式演算手段42は、応答特性データ格納部30の応答特性データ、光ピーク演算手段41の求めた光ピーク波長等から光ノイズレベル、光信号レベルを求める。そして、光SNR演算手段23は、方程式演算手段42の求めた光ノイズレベル、光信号レベルから光SNRの演算を行う。
【0028】
続いて、図10に示す装置の動作を説明する。演算部40は、応答特性データ格納部30の応答特性データを読み出す。また、演算部40は、分光器10から出力された測定データが入力される。光ピーク演算手段41は、この測定データから、各チャネルCH1〜CH5それぞれに対応するピーク値を測定データから検出し、この検出した測定データおよび近傍の測定データと各PDに割り付けられた波長から近似曲線(例えば、ガウス曲線、2次曲線等)を求め、この近似曲線からピーク波長を演算する。
【0029】
方程式演算手段42は、各チャネルCH1〜CH5の光信号レベル、光ノイズレベルを未知数として、測定データ、応答特性データ、各PDに割り付けられた波長から、式(2)に示す連立方程式でこれらの未知数を解く。
【0030】
【数2】
Figure 0003678201
【0031】
ここで、光ピーク演算手段41によって検出されたチャネル数をN(ただし、Nは整数)個とし、各チャネルCH1〜CH5の光信号レベルをPs(k)、光ノイズレベルをPn(k)(ただし、k=1〜Nで整数)で表している。また、Fs、Fnは、それぞれ測定データから光信号レベルPs(k)、光ノイズレベルPn(k)に対応したパラメータを求める近似式であり、行列Mは、Fs、Fnおよび応答特性データf(Δλ)で決まる行列である。
【0032】
このように、方程式演算手段42は、測定データ等から式(2)によって光ノイズレベル、光信号レベルを未知数とする連立方程式を解く。光SNR演算手段43は、方程式演算手段42によって求めた光ノイズレベル、光信号レベルから光SNRを求める。そして、演算部40は、これらの演算結果を図示しない出力部に出力する。図示しない出力部は、演算部40から出力された演算結果を、例えば表示部の画面に表示したり、図示しない外部装置に出力する。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
近年光通信システムは、WDM信号の高密度化が進み、チャネルCH1〜CH5間隔は狭くなっている。また、WDM信号モニタは、光通信システムの一部にインライン方式で組み込まれるために小型化が要求される。そのため、分光器10の回折格子13に小型のものが用いられ、分光器10はダイナミックレンジを十分にとれず、波長分解能も低くなる。
【0034】
これらにより、分光器10の応答スペクトルは、隣接するチャネルCH1〜CH5同士の影響を受け易くなり、光ノイズレベルを式(1)のASE補間法で正確に求めることが難しく、応答特性データ格納部30の応答特性データ等を用いて式(2)によって連立方程式を解く方法が一般的になっている。
【0035】
連立方程式を解く際、応答特性データが非常に重要となるが、経時変化、使用される環境の状態(温度、気圧等)、WDM信号の変調方式等によって、測定時の分光器10の応答スペクトルの形状は、応答特性データ格納部30に格納されている応答特性データの形状と異なる。よって、応答特性データ等から式(2)によって求まる光ノイズレベルの演算結果は、この形状の変化によって演算誤差が生じるため、正確な測定が難しいという問題があった。
【0036】
そこで本発明の目的は、経時変化、使用環境、WDM信号の変調方式等に影響されずに、光ノイズレベルを精度良く測定できるWDM信号モニタを実現することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、
WDM信号のスペクトルを測定する分光器と、
この分光器の光信号の線スペクトルに対する応答特性データを格納する応答特性データ格納部と、
光ノイズレベルの演算に用いる補正データを格納する補正データ格納部と、
前記分光器によって測定されたスペクトルと前記応答特性データ格納部の応答特性データと前記補正データ格納部の補正データに基づき、少なくとも光ノイズレベルを求める演算部と、
前記分光器によって測定されたスペクトルに基づいて光ノイズレベルを求め、この求めた光ノイズレベルと前記演算部が求めた光ノイズレベルとの誤差により補正データを演算し、この補正データを前記補正データ格納部に格納する調整部と
を設けたことを特徴とするものである。
【0038】
請求項2記載の発明は、
WDM信号のスペクトルを測定する分光器と、
この分光器の光信号の線スペクトルに対する応答特性データを格納する応答特性データ格納部と、
光ノイズレベルを補正する補正データを格納する補正データ格納部と、
前記分光器によって測定されたスペクトルと前記応答特性データ格納部の応答特性データに基づき光ノイズレベルを求め、この求めた光ノイズレベルを前記補正データ格納部の補正データによって補正する演算部と、
前記分光器によって測定されたスペクトルに基づいて光ノイズレベルを求め、この求めた光ノイズレベルと、前記演算部が求めた補正前の光ノイズレベルとの値から補正データを演算し、この補正データを前記補正データ格納部に格納する調整部と
を設けたことを特徴とするものである。
【0039】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、
演算部は、
分光器によって測定されたスペクトルから、WDM信号のチャネルごとのピーク波長を求める光ピーク演算手段と、
この光ピーク演算手段によって求められたピーク波長と前記スペクトルと応答特性データ格納部の応答特性データに基づき、光ノイズレベルと光信号レベルを求める方程式演算手段と、
この方程式演算手段によって求められた光ノイズレベルを補正データ格納部の補正データによって補正する光ノイズレベル補正手段と、
この光ノイズレベル補正手段によって補正された光ノイズレベルと、前記方程式演算手段によって求められた光信号レベルから光SNRを求める光SNR演算手段と
を有することを特徴とするものである。
【0040】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、
調整部は、
演算部によって求められたピーク波長から、チャネル間隔の広いチャネルを検出するチャネル間隔検出手段と、
分光器によって測定されたスペクトルから、前記チャネル間隔検出手段によって検出されたチャネルで光ノイズレベルを求めるASE演算手段と、
このASE演算手段の求めた光ノイズレベルと、演算部が求めた補正前の光ノイズレベルとの値から補正データを演算する補正データ演算手段と
を有することを特徴とするものである。
【0041】
請求項5記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、
分光器は、特定の波長範囲のWDM信号のみを透過する波長フィルタを有することを特徴とするものである。
【0042】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、
調整部は、
分光器によって測定されたスペクトルから光ノイズレベルを求めるASE演算手段と、
このASE演算手段の求めた光ノイズレベルと、演算部が求めた補正前の光ノイズレベルとの値から補正データを演算する補正データ演算手段と
を有することを特徴とするものである。
【0043】
請求項7記載の発明は、
WDM信号のスペクトルを測定する分光器と、
この分光器の光信号の線スペクトルに対する応答特性データを格納する応答特性データ格納部と、
応答特性データを補正する補正データを格納する補正データ格納部と、
この補正データ格納部の補正データにより、前記応答特性データ格納部の応答特性データを補正し、この補正した応答特性データと前記分光器によって測定されたスペクトルに基づき光信号レベルと光ノイズレベルを求める演算部と、
前記分光器によって測定されたスペクトルに基づいて光ノイズレベルを求め、この求めた光ノイズレベルと、前記スペクトルと、前記演算部によって補正された応答特性データと、前記演算部が求めた光信号レベルと、補正データ格納部の補正データとから新たに補正データを演算し、この新たに求めた補正データを前記補正データ格納部に格納する調整部と
を設けたことを特徴とするものである。
【0044】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、
演算部は、
分光器によって測定されたスペクトルから、WDM信号のチャネルごとのピーク波長を求める光ピーク演算手段と、
補正データ格納部の補正データにより、応答特性データ格納部の応答特性データを補正する応答特性データ補正手段と、
前記光ピーク演算手段によって求められたピーク波長と前記スペクトルと応答特性データ補正手段によって補正された応答特性データに基づき、光ノイズレベルと光信号レベルを求める方程式演算手段と、
この方程式演算手段によって求められた光ノイズレベルと光信号レベルから光SNRを求める光SNR演算手段と
を有することを特徴とするものである。
【0045】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、
調整部は、
演算部によって求められたピーク波長から、チャネル間隔の広いチャネルを検出するチャネル間隔検出手段と、
分光器によって測定されたスペクトルから、前記チャネル間隔検出手段によって検出されたチャネルで光ノイズレベルを求めるASE演算手段と、
このASE演算手段の求めた光ノイズレベルと、前記スペクトルと、演算部によって補正された応答特性データと、前記演算部が求めた光信号レベルと、補正データ格納部の補正データとから新たに補正データを演算する補正データ演算手段と
を有することを特徴とするものである。
【0046】
請求項10記載の発明は、請求項7または8記載の発明において、
分光器は、特定の波長範囲のWDM信号のみを透過する波長フィルタを有することを特徴とするものである。
【0047】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、
調整部は、
分光器によって測定されたスペクトルから光ノイズレベルを求めるASE演算手段と、
このASE演算手段の求めた光ノイズレベルと、前記スペクトルと、演算部によって補正された応答特性データと、前記演算部が求めた光信号レベルと、補正データ格納部の補正データとから新たに補正データを演算する補正データ演算手段と
を有することを特徴とするものである。
【0048】
請求項12記載の発明は、請求項6または11記載の発明において、
波長フィルタまたは調整部の少なくとも一方は、調整時に設けられることを特徴とするものである。
【0049】
請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれかに記載の発明において、
分光器は、
WDM信号を分光する波長分散素子と、
この分光された光を受ける複数のフォトダイオードからなるフォトダイオードアレイと
を有することを特徴とするものである。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施例を示した構成図である。ここで、図10と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。
【0051】
図1において、補正データ格納部50は、新たに設けられ、光ノイズレベルの値を補正する補正データを格納する。演算部60は、演算部40の代わりに設けられ、光ピーク演算手段61、方程式演算手段62、光ノイズレベル補正手段63、光SNR演算手段64を有し、分光器10からの測定データと、応答特性データ格納部30からの応答特性データと、補正データ格納部50からの補正データとによって各チャネルCH1〜CH5のピーク波長や光信号レベル等を求め、これらの演算結果を出力する。
【0052】
光ピーク演算手段61は、測定データ、各PDに割り付けられた波長から、各チャネルCH1〜CH5のピーク検出を行い、検出した各チャネルCH1〜CH5のピーク波長の演算を行う。方程式演算手段62は、測定データ、応答特性データ格納部30の応答特性データ、光ピーク演算手段61の求めた光ピーク波長等から光ノイズレベル、光信号レベルを求める。光ノイズレベル補正手段63は、方程式演算手段62の求めた光ノイズレベルを補正データ格納部50の補正データにて補正を行う。そして、光SNR演算手段64は、方程式演算手段62が求めた光信号レベル、光ノイズレベル補正手段63によって補正された光ノイズレベルから光SNRの演算を行う。
【0053】
調整部70は、チャネル間隔検出手段71、ASE演算手段72、補正データ演算手段73を有し、演算部60から演算結果(光ノイズレベル、ピーク波長等)、測定データを読み出し、光ノイズレベルの値を補正する補正データを求めて、補正データ格納部50に補正データを格納する。チャネル間隔検出手段71は、演算部60からのピーク波長から、チャネル間隔の広いチャネルを検出する。ASE演算手段72は、チャネル間隔検出手段71の検出したチャネルにて、測定データ等からASE補間法にて光ノイズレベルを求める。補正データ演算手段73は、ASE演算手段72が求めた光ノイズレベルと、方程式演算手段62が求めた光ノイズレベルとの値から補正データを演算する。
【0054】
図2のフローチャートを用いて、図1に示す装置の動作を説明する。分光器10は、WDM信号のスペクトル測定を行い、測定データを演算部60に出力する(S11)。光ピーク演算手段61が、測定データと各PDに割り付けられた波長から各チャネルCH1〜CH5のピークの検出やピーク波長の測定を行う(S12)。そして、演算部60が、応答特性データ格納部30の応答特性データと、補正データ格納部50の補正データを読み出す(S13)。方程式演算手段62は、方程式演算手段42と同様に応答特性データ、測定データ等から式(2)によって光ピーク演算手段61が検出した各チャネルCH1〜CH5の光ノイズレベル、光信号レベルを求める(S14)。
【0055】
調整時(例えば、図1に示す装置が通信システムで稼動する前、稼動後のある一定期間経過後、本装置が使用される環境の状態(温度、気圧等)やWDM信号の変調方式に変更が行われた場合等)の場合、調整部70は、演算部60が保持している測定データ、演算した演算結果(ピーク波長、光ノイズレベル等)を読み出す(S15、S16)。そして、チャネル間隔検出手段71は、この演算結果のピーク波長から、チャネルCH1〜CH5間隔が十分に広いチャネルを検出する(S17)。チャネル間隔検出手段71が検出したチャネルにおいて、ASE演算手段72は、ASE演算手段22と同様に、測定データとピーク波長から光ノイズレベルを式(1)により演算する(S18)。補正データ演算手段73が、方程式演算手段62が求めた光ノイズレベルと、ASE演算手段72が求めた光ノイズレベルとの誤差から補正データを求める。この際、ASE演算手段72が求めた光ノイズレベルを真値とする(S19)。調整部70は、補正データを補正データ格納部50に格納する(S20)。
【0056】
調整時でない場合(測定時)、光ノイズレベル補正手段63は、方程式演算手段62の求めた光ノイズレベルを、補正データにて補正する(S15、S21)。光SNR演算手段64は、光信号レベルと光ノイズレベル補正手段63によって補正された光ノイズレベルから光SNRを求める(S22)。そして、演算部60は、これらの演算結果を出力する(S23)。
【0057】
このように、調整時において、調整部70は、方程式演算手段62が応答特性データ格納部30の応答特性データ等に基づいて式(2)によって求めた光ノイズレベル、ASE演算手段72が十分にダイナミックレンジのとれているチャネルにて式(1)によって求めた光ノイズレベルとを比較し、式(1)と式(2)の演算結果の誤差分から補正データを求め、この補正データを補正データ格納部50に格納する。また、測定時において、演算部60は、補正データ格納部50から補正データを読み出し、光ノイズレベル補正手段63が、方程式演算手段62が式(2)によって求めた光ノイズレベルを補正データで補正するので、応答特性データの形状と測定時の分光器10の応答スペクトルの変化分を補正することができる。これにより、経時変化、使用環境、WDM信号の変調方式等に影響されずに、光ノイズレベルを精度良く求めることができる。従って、光SNRも精度良く求めることができる。
【0058】
図3は、本発明の第2の実施例を示した構成図である。ここで、図1と同一のものは同一符号を付し、説明を省略すると共に図示も省略する。図3において、波長フィルタ18は、分光器10の入射端である光ファイバ11とレンズ12の間に設けられる。また、波長フィルタ18は、被測定光100のうち特定の波長範囲の光のみを透過させるが、透過させる波長および波長範囲は可変である。
【0059】
また、調整部70は、チャネル間隔検出手段71、ASE演算手段72、補正データ演算手段73の代わりに、ASE演算手段74、補正データ演算手段75を有し、演算部60から演算結果(光ノイズレベル、ピーク波長等)、測定データを読み出し、光ノイズレベルの値を補正する補正データを求めて、補正データ格納部50に補正データを格納する。ASE演算手段74は、波長フィルタ18を透過したチャネルにて、測定データからASE補間法にて光ノイズレベルを求める。補正データ演算手段75は、ASE演算手段74が求めた光ノイズレベルと、方程式演算手段62が求めた光ノイズレベルとの値から補正データを演算する。
【0060】
図3に示す装置の動作を説明する。図3において、調整時の場合、波長フィルタ18は、複数のチャネルCH1〜CH5が多重化されたWDM信号のうち、任意の1チャネルのみが透過するように波長範囲が設定される。例えば、チャネルCH2のみが波長フィルタ18を透過するように設定される。その後、図2に示したフローチャートのステップS11〜S20までの動作を行う。
【0061】
ただし、波長フィルタ18によって、被測定光100には1つのチャネルCH2しか存在しないので、ステップS17、S18において、ASE演算手段74が式(1)によって求めるASE(λ)、ASE(λ)は、チャネル間でなく、波長フィルタ18を透過したチャネルで、光ノイズレベルよりも十分にダイナミックレンジがとれている位置で測定を行う。そして、補正データ演算手段75が、方程式演算手段62が求めた光ノイズレベルと、ASE演算手段74が求めた光ノイズレベルとの誤差から補正データを求める(S19)。そして、調整部70は、求めた補正データを補正データ格納部50に格納後(S20)、波長フィルタ18の波長範囲は、WDM信号全ての波長域を透過するように設定される。
【0062】
調整時でない場合、図2におけるフローチャートのステップS11〜S15、S21〜S23の動作を行い光ノイズレベルの演算および補正、光SNR等の測定を行う。
【0063】
このように、調整時に、分光器10内に設けた波長フィルタ18で、任意の波長範囲にあるチャネルCH2のみを透過させ、このチャネルCH2を用いて調整部70は、応答特性データの形状と測定時の分光器10の応答スペクトルの変化分を補正する。これにより、WDM信号の波長間隔の状態に影響されずに、任意の時間、任意の波長で補正データを求めることができる。
【0064】
図4は、本発明の第3の実施例を示した構成図である。ここで図1と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図4において、応答特性データ補正手段65は、光ノイズレベル補正手段63の代わりに、光ピーク演算手段61と方程式演算手段62との間に設けられ、応答特性データ格納部30の応答特性データを補正データ格納部の補正データにて補正し、補正した応答特性データを方程式演算手段62に出力する。
【0065】
また、調整部70の代わりに調整部80が設けられる。そして、調整部80は、チャネル間隔検出手段81、ASE演算手段82、補正データ演算手段83を有し、演算部60から演算結果(光ノイズレベル、ピーク波長等)、測定データ、補正データ、補正した応答特性データを読み出し、応答特性データを補正する補正データを新たに求めて、補正データ格納部50に補正データを格納する。チャネル間隔検出手段81は、演算部60からのピーク波長から、チャネル間隔の広いチャネルを検出する。ASE演算手段82は、チャネル間隔検出手段81の検出したチャネルにて、測定データ等からASE補間法にて光ノイズレベルを求める。補正データ演算手段83は、分光器10の測定データ、補正データ格納部50の補正データ、ASE演算手段82が求めた光ノイズレベル、方程式演算手段62が求めた光信号レベル、補正された応答特性データから補正データを演算する。
【0066】
図5に示すフローチャートを用いて、図4に示す装置の動作を説明する。分光器10は、WDM信号のスペクトル測定を行い、測定データを演算部60に出力する(S31)。光ピーク演算手段61が、測定データと各PDに割り付けられた波長から各チャネルCH1〜CH5のピークの検出やピーク波長の測定を行う(S22)。そして、演算部60が、応答特性データ格納部30の応答特性データと、補正データ格納部50の補正データを読み出す(S33)。
【0067】
応答特性データ補正手段65が、補正データによって応答特性データの補正を行う(S34)。そして、方程式演算手段62が、方程式演算手段42と同様に式(2)によって光ピーク演算手段61が検出した各チャネルCH1〜CH5の光ノイズレベル、光信号レベルを求める。ただし、応答特性データの代わりに応答特性データ補正手段65によって補正された応答特性データを用いる(S35)。
【0068】
調整時(例えば、図4に示す装置が通信システムで稼動する前、稼動後のある一定期間経過後、本装置が使用される環境の状態(温度、気圧等)やWDM信号の変調方式に変更が行われた場合等)の場合、調整部80は、演算部60が保持している測定データ、補正データ、演算した演算結果(ピーク波長、光信号レベル等)、補正した応答特性データを読み出す(S36、S37)。そして、チャネル間隔検出手段81は、この演算結果のピーク波長から、チャネルCH1〜CH5間隔が十分に広いチャネルを検出する(S38)。チャネル間隔検出手段81が検出したチャネルにおいて、ASE演算手段82は、ASE演算手段22と同様に、測定データとピーク波長から光ノイズレベルを式(1)により演算する(S39)。
【0069】
ここで、式(1)、式(2)によって求めた光ノイズレベルの誤差(式(1)の値を真値とする)の原因は、式(2)の補正した応答特性データによって定まる左辺の行列Mによる。そこで、補正データ演算手段83は、式(2)において、方程式演算手段62が求めた光信号レベル、ASE演算手段82が求めた光ノイズレベル、および右辺の行列を既知として、左辺の行列Mを求め、求めた行列Mから応答特性データを逆算する。そして、補正された応答特性データが、逆算した応答特性データになるように補正値を求め、この補正値と補正データから新たな補正データを求める(S40)。調整部80は、新たな補正データを補正データ格納部50に格納する(S41)。
【0070】
調整時でない場合(測定時)、光SNR演算手段64が方程式演算手段62の求めた光信号レベルと光ノイズレベルから光SNRを求める(S36、S42)。そして、演算部60は、これらの演算結果を出力する(S43)。
【0071】
このように、調整時において、調整部80は、補正データ、測定データ、方程式演算手段62が式(2)によって求めた光信号レベル、ASE演算手段82が求めた光ノイズレベルから、応答特性データを補正する補正データを新たに求め、この新たに求めた補正データを補正データ格納部50に格納する。また、測定時において、演算部60は、補正データ格納部50から補正データを読み出し、応答特性データを補正データで補正し、この補正した応答特性データに基づき、方程式演算手段62が式(2)によって光ノイズレベルを求めるので、応答特性データの形状と測定時の分光器10の応答スペクトルの変化分を補正することができる。これにより、経時変化、使用環境、WDM信号の変調方式等に影響されずに、光ノイズレベルを精度良く求めることができる。従って、光SNRも精度良く求めることができる。
【0072】
図6は、本発明の第4の実施例を示した構成図である。ここで、図4と同一のものは同一符号を付し、説明を省略すると共に図示も省略する。図6において、波長フィルタ18は、分光器10の入射端である光ファイバ11とレンズ12の間に設けられる。また、波長フィルタ18は、被測定光100のうち特定の波長範囲の光のみを透過させるが、透過させる波長および波長範囲は可変である。
【0073】
また、調整部80は、チャネル間隔検出手段81、ASE演算手段82、補正データ演算手段83の代わりに、ASE演算手段84、補正データ演算手段85を有し、演算部60から演算結果(光ノイズレベル、ピーク波長等)、測定データ、補正データ、補正された応答特性データを読み出し、応答特性データを補正する補正データを新たに求めて、補正データ格納部50に補正データを格納する。ASE演算手段84は、波長フィルタ18を透過したチャネルにて、測定データからASE補間法にて光ノイズレベルを求める。補正データ演算手段85は、分光器10の測定データ、補正データ、ASE演算手段82が求めた光ノイズレベル、方程式演算手段62が求めた光信号レベル、補正された応答特性データから補正データを演算する。
【0074】
図6に示す装置の動作を説明する。図6において、調整時の場合、波長フィルタ18は、複数のチャネルCH1〜CH5が多重化されたWDM信号のうち、任意の1チャネルのみが透過するように波長範囲が設定される。例えば、チャネルCH2のみが波長フィルタ18を透過するように設定される。その後、図5に示したフローチャートのステップS31〜S41までの動作を行う。
【0075】
ただし、波長フィルタ18によって、被測定光100には1つのチャネルCH2しか存在しないので、ステップS38、S39において、ASE演算手段84が式(1)によって求めるASE(λ)、ASE(λ)は、チャネル間でなく、波長フィルタ18を透過したチャネルで、光ノイズレベルよりも十分にダイナミックレンジがとれている位置で測定を行う。そして、補正データ演算手段85が、補正データを求める(S40)。そして、調整部80は、求めた補正データを補正データ格納部50に格納後(S41)、波長フィルタ18の波長範囲は、WDM信号全ての波長域を透過するように設定される。
【0076】
調整時でない場合、図5におけるフローチャートのステップS31〜S36、S42〜S43の動作を行い光SNR等の測定を行う。
【0077】
このように、調整時に、分光器10内に設けた波長フィルタ18で、任意の波長範囲にあるチャネルCH2のみを透過させ、このチャネルCH2を用いて調整部80は、応答特性データの形状と測定時の分光器10の応答スペクトルの変化分を補正する。これにより、WDM信号の波長間隔の状態に影響されずに、任意の時間、任意の波長で補正データを求めることができる。
【0078】
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、以下のようなものでもよい。波長分散素子に回折格子13を用いる例を示したがプリズム等を用いてもよい。
【0079】
また、分光器10は、レンズ12、14を用いる透過型光学系を示したが、放物面鏡等を用いた反射型光学系としてもよい。
【0080】
また、ポリクロメータ方式の分光器をあげたが、被測定光100を分光し、分光したスペクトルをサンプリングする構成の分光器は全て本発明に含まれる。
【0081】
また、WDM信号に多重化されたチャネル数は5チャネルだったが、何チャネルでもよい。
【0082】
また、図1、3、4、6に示した装置において、調整時に式(1)および式(2)によって求めた、光ノイズレベルに誤差なければ、補正データ演算手段73、74、83、85によって補正データを求めずに、補正データ格納部50の補正データを変更しなくともよい。
【0083】
また、図3、6に示した装置において、波長フィルタ18は、調整時でない場合、WDM信号全ての波長域を透過するように設定される構成を示したが、波長フィルタ18を取り外す構成としてもよい。
【0084】
また、図3、6に示した装置において、波長フィルタ18は、光ファイバ11の出射口とコリメーティングレンズ12の間に設けたが、被測定光100が、PDアレイにて受光される前ならば、どこに設けてもよい。
【0085】
さらに、図3、6に示した装置において、波長フィルタ18の透過する波長範囲を順次ずらしていき、複数のチャネルまたは全てのチャネルごとに、補正データを求めるようにしてもよい。これにより、より精度良く各チャネルごとの光ノイズレベルを測定することができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果がある。
請求項1〜13によれば、調整時において、調整部は、分光器によって求められたスペクトルに基づいて求めた光ノイズレベルと、演算部が求めた光ノイズレベルとの誤差により補正データを演算し、この補正データを補正データ格納部に格納する。そして、測定時において、演算部は、分光器によって測定されたスペクトルと応答特性データと補正データに基づいて光ノイズレベルを求めるので、応答特性データの形状と測定時の分光器の応答スペクトルの誤差分を補正することができる。これにより、経時変化、使用環境、WDM信号の変調方式等に影響されずに、光ノイズレベルを精度良く求めることができる。従って、光SNRも精度良く求めることができる。
【0087】
請求項5、10によれば、波長フィルタを設けて、特定の波長範囲のWDM信号のみを透過させ、その波長範囲において補正データを求める。これによりWDM信号の波長間隔の状態に影響されずに、任意の時間、任意の波長領域にて補正データを求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示した構成図である。
【図2】図1に示す装置における動作を示したフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施例を示した構成図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示した構成図である。
【図5】図4に示す装置における動作を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第4の実施例を示した構成図である。
【図7】従来のWDM信号モニタの第1の構成を示した図である。
【図8】線スペクトルに対する分光器10の応答特性例を示した図である。
【図9】光ノイズと複数の線スペクトルに対する分光器10の応答特性例を示した図である。
【図10】従来のWDM信号モニタの第2の構成を示した図である。
【符号の説明】
10 分光器
13 回折格子
15 フォトダイオードアレイモジュール
18 波長フィルタ
30 応答特性データ格納部
50 補正データ格納部
60 演算部
61 光ピーク演算手段
62 方程式演算手段
63 光ノイズレベル補正手段
64 光SNR演算手段
65 応答特性データ補正手段
70、80 調整部
71、81 チャネル間隔検出手段
72、74、82、84 ASE演算手段
73、75、83、85 補正データ演算手段
100、100A、100B 被測定光

Claims (13)

  1. WDM信号のスペクトルを測定する分光器と、
    この分光器の光信号の線スペクトルに対する応答特性データを格納する応答特性データ格納部と、
    光ノイズレベルの演算に用いる補正データを格納する補正データ格納部と、
    前記分光器によって測定されたスペクトルと前記応答特性データ格納部の応答特性データと前記補正データ格納部の補正データに基づき、少なくとも光ノイズレベルを求める演算部と、
    前記分光器によって測定されたスペクトルに基づいて光ノイズレベルを求め、この求めた光ノイズレベルと前記演算部が求めた光ノイズレベルとの誤差により補正データを演算し、この補正データを前記補正データ格納部に格納する調整部と
    を設けたことを特徴とするWDM信号モニタ。
  2. WDM信号のスペクトルを測定する分光器と、
    この分光器の光信号の線スペクトルに対する応答特性データを格納する応答特性データ格納部と、
    光ノイズレベルを補正する補正データを格納する補正データ格納部と、
    前記分光器によって測定されたスペクトルと前記応答特性データ格納部の応答特性データに基づき光ノイズレベルを求め、この求めた光ノイズレベルを前記補正データ格納部の補正データによって補正する演算部と、
    前記分光器によって測定されたスペクトルに基づいて光ノイズレベルを求め、この求めた光ノイズレベルと、前記演算部が求めた補正前の光ノイズレベルとの値から補正データを演算し、この補正データを前記補正データ格納部に格納する調整部と
    を設けたことを特徴とするWDM信号モニタ。
  3. 演算部は、
    分光器によって測定されたスペクトルから、WDM信号のチャネルごとのピーク波長を求める光ピーク演算手段と、
    この光ピーク演算手段によって求められたピーク波長と前記スペクトルと応答特性データ格納部の応答特性データに基づき、光ノイズレベルと光信号レベルを求める方程式演算手段と、
    この方程式演算手段によって求められた光ノイズレベルを補正データ格納部の補正データによって補正する光ノイズレベル補正手段と、
    この光ノイズレベル補正手段によって補正された光ノイズレベルと、前記方程式演算手段によって求められた光信号レベルから光SNRを求める光SNR演算手段と
    を有することを特徴とする請求項2記載のWDM信号モニタ。
  4. 調整部は、
    演算部によって求められたピーク波長から、チャネル間隔の広いチャネルを検出するチャネル間隔検出手段と、
    分光器によって測定されたスペクトルから、前記チャネル間隔検出手段によって検出されたチャネルで光ノイズレベルを求めるASE演算手段と、
    このASE演算手段の求めた光ノイズレベルと、演算部が求めた補正前の光ノイズレベルとの値から補正データを演算する補正データ演算手段と
    を有することを特徴とする請求項3記載のWDM信号モニタ。
  5. 分光器は、特定の波長範囲のWDM信号のみを透過する波長フィルタを有することを特徴とする請求項2または3記載のWDM信号モニタ。
  6. 調整部は、
    分光器によって測定されたスペクトルから光ノイズレベルを求めるASE演算手段と、
    このASE演算手段の求めた光ノイズレベルと、演算部が求めた補正前の光ノイズレベルとの値から補正データを演算する補正データ演算手段と
    を有することを特徴とする請求項5記載のWDM信号モニタ。
  7. WDM信号のスペクトルを測定する分光器と、
    この分光器の光信号の線スペクトルに対する応答特性データを格納する応答特性データ格納部と、
    応答特性データを補正する補正データを格納する補正データ格納部と、
    この補正データ格納部の補正データにより、前記応答特性データ格納部の応答特性データを補正し、この補正した応答特性データと前記分光器によって測定されたスペクトルに基づき光信号レベルと光ノイズレベルを求める演算部と、
    前記分光器によって測定されたスペクトルに基づいて光ノイズレベルを求め、この求めた光ノイズレベルと、前記スペクトルと、前記演算部によって補正された応答特性データと、前記演算部が求めた光信号レベルと、補正データ格納部の補正データとから新たに補正データを演算し、この新たに求めた補正データを前記補正データ格納部に格納する調整部と
    を設けたことを特徴とするWDM信号モニタ。
  8. 演算部は、
    分光器によって測定されたスペクトルから、WDM信号のチャネルごとのピーク波長を求める光ピーク演算手段と、
    補正データ格納部の補正データにより、応答特性データ格納部の応答特性データを補正する応答特性データ補正手段と、
    前記光ピーク演算手段によって求められたピーク波長と前記スペクトルと前記応答特性データ補正手段によって補正された応答特性データに基づき、光ノイズレベルと光信号レベルを求める方程式演算手段と、
    この方程式演算手段によって求められた光ノイズレベルと光信号レベルから光SNRを求める光SNR演算手段と
    を有することを特徴とする請求項7記載のWDM信号モニタ。
  9. 調整部は、
    演算部によって求められたピーク波長から、チャネル間隔の広いチャネルを検出するチャネル間隔検出手段と、
    分光器によって測定されたスペクトルから、前記チャネル間隔検出手段によって検出されたチャネルで光ノイズレベルを求めるASE演算手段と、
    このASE演算手段の求めた光ノイズレベルと、前記スペクトルと、演算部によって補正された応答特性データと、前記演算部が求めた光信号レベルと、前記補正データ格納部の補正データとから新たに補正データを演算する補正データ演算手段と
    を有することを特徴とする請求項8記載のWDM信号モニタ。
  10. 分光器は、特定の波長範囲のWDM信号のみを透過する波長フィルタを有することを特徴とする請求項7または8記載のWDM信号モニタ。
  11. 調整部は、
    分光器によって測定されたスペクトルから光ノイズレベルを求めるASE演算手段と、
    このASE演算手段の求めた光ノイズレベルと、前記スペクトルと、演算部によって補正された応答特性データと、前記演算部が求めた光信号レベルと、補正データ格納部の補正データとから新たに補正データを演算する補正データ演算手段と
    を有することを特徴とする請求項10記載のWDM信号モニタ。
  12. 波長フィルタまたは調整部の少なくとも一方は、調整時に設けられることを特徴とする請求項6または11記載のWDM信号モニタ。
  13. 分光器は、
    WDM信号を分光する波長分散素子と、
    この分光された光を受ける複数のフォトダイオードからなるフォトダイオードアレイと
    を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のWDM信号モニタ。
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