JP3677494B2 - 建築用構成材の接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用構成材を長手方向に連続させて母屋として用いることができる建築用構成材の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物に用いられる構成材は、強度不足が生じないように極力、連続部材が用いられているが、当然、建築物の大きさ等から構成材同士を接続することは避けられないものである。また、一般家屋などの施工において、屋根等への持ち上げに際し、クレーン等の設備を必要とする連続部材を用いるよりも、容易に持ち上げ可能な構成材同士を接続することも、選択され得る態様である。
従来、母屋は、I型或いはC型鋼材からなり、天井材等の壁材を支持することができるものであるが、このうちC型鋼材を連結する構造も提案されている(例えば特許文献1など)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−42002号公報(段落番号0040〜0041,図11〜13)
【0004】
特許文献1は、C型鋼材の内側に当て板を、外側に連結用板を臨ませ、これら当て板と連結用板によってC型鋼材の開口部の縁部を挟み付けて接続するものであって、C型鋼材自体にボルト挿通孔を設ける手間が無いため、接続作業がいくらか軽減される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1は、C型鋼材の開口部の縁部のみを当て板と連結用板で挟み付けるので、強固な締め付けが必要となるが、容易には十分な接続強度が得られない。また、2枚の板材で挟み込んでいるだけなので、長期間の使用により、次第にC型鋼材と2枚の板材の位置関係がずれてしまう虞がある。さらに、C型鋼材の内側に当て板を配して連結用板でC形鋼材を挟み込んでボルト等で締着する作業は非常に煩雑である。
また、仮に強固に締め付けて固定しても、この接続部分では2枚の板材が曲げ等の強度を負担するので、主要部分に対してこの接続部分は強度的に弱点部分であった。そのため、梁等の直上にて接続する必要があるなど、構造上、施工上の制約があり、作業が面倒であった。
そこで、本発明では上記問題点に鑑み、接続強度を十分に確保でき且つ作業が容易な建築用構成材の接続構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、少なくとも立ち上がり部、その上端から左右方向の一方側へ延出する上フランジを備える建築用構成材を長手方向に接続する接続構造において、建築用構成材は、第1立ち上がり部と、該第1立ち上がり部の上端から左右方向の一方側へ延出する第1上フランジと、必要に応じて設けられる第1立ち上がり部の下端から左右方向の一方側へ延出する第1下フランジからなる第1構成材部と、第2立ち上がり部と、該第2立ち上がり部の上端から左右方向の一方側へ延出する第2上フランジと、必要に応じて設けられる第2立ち上がり部の下端から左右方向の他方側へ延出する第2下フランジとからなる第2構成材部とを一体的に形成すると共に、長手方向の一方には第1構成材部を延出した第1重合部を、他方には第2構成材部を延出した第2重合部を設けてなり、第1重合部の第1立ち上がり部に、隣り合う建築用構成材の第2重合部の第2立ち上がり部が並列するように、さらに第1重合部の第1上フランジに、第2重合部の第2上フランジが被覆するように重合して長手方向に接続することを特徴とする建築用構成材の接続構造に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における建築用構成材(以下、単に構成材という)4は、前述のように第1構成材部(11又は2)と第2構成材部(12又は3)とを一体的に形成した構成であって、第1構成材部(11又は2)と第2構成材部(12又は3)とは、図1(a)や図2(a)〜(c),(g)〜(i)に示すように一枚の金属板を成形・加工した一部材からなる構成でも良いし、図1(b)〜(h)や図2(d)〜(f),(i)〜(l)に示すようにそれぞれ別々に成形・加工された別部材を、ボルト・ナット、ビス等による締着、溶接、かしめ等の各種一体化手段により一体化したものでも良い。前者の場合、第1構成材部を11,第2構成材部を12とし、後者の場合、第1構成材部を2,第2構成材部を3として区別する。
【0008】
第1構成材部11と第2構成材部12とが一部材からなる構成の場合、第1構成材部11は、第1立ち上がり部111と、該第1立ち上がり部111の上端から左右方向の一方側へ延出する第1上フランジ112と、必要に応じて設けられる第1立ち上がり部111の下端から左右方向の一方側へ延出する第1下フランジ113からなる。尚、第1下フランジ113が設けられる場合には、図1(a)や図2(b),(h)に示すように第1構成材部11は断面略コ字状となり、第1下フランジ113が設けられない場合には、図2(a),(c),(g),(i)に示すように第1構成材部11は断面逆L字状となる。
第2構成材部12は、第2立ち上がり部121と、該第2立ち上がり部121の上端から左右方向の一方側へ延出する第2上フランジ122と、必要に応じて設けられる第2立ち上がり部の下端から左右方向の他方側へ延出する第2下フランジ123からなる。尚、第2下フランジ123が設けられる場合には、図1(a)や図2(a),(g)に示すように第2構成材部21は断面略Z字状となり、第2下フランジ123が設けられない場合には、図2(b),(c),(h),(i)に示すように第2構成材部21は断面逆L字状となる。
そして、構成材4としての立ち上がり部41は、第1構成材部11の第1立ち上がり部111と第2構成材部12の第2立ち上がり部121とが接面状或いは隙間を介して対向状に重合(左右に並列)して形成され、構成材4としての上フランジ42は、第1上フランジ112に第2上フランジ122が被覆するように重合(上下に積層)して形成される。また、本発明の構成材において下フランジ43は必須の構成ではないが、第1下フランジ113と第2下フランジ123とが同一平面上に並列して形成されるか、或いは第1下フランジ113のみ又は第2下フランジ123のみにて形成される場合がある。
【0009】
第1構成材部2と第2構成材部3が別部材からなる構成の場合、第1構成材部2は、第1立ち上がり部21と、該第1立ち上がり部21の上端から左右方向の一方側へ延出する第1上フランジ22と、必要に応じて設けられる第1立ち上がり部21の下端から左右方向の一方側へ延出する第1下フランジ23からなる。尚、第1下フランジ23が設けられる場合には、図1(b)〜(h)や図2(e),(k)に示すように第1構成材部2は断面略コ字状となり、第1下フランジ23が設けられない場合には、図2(d),(f),(j),(l)に示すように第1構成材部2は断面略L字状となる。
第2構成材部3は、第2立ち上がり部31と、該第2立ち上がり部31の上端から左右方向の一方側へ延出する第2上フランジ32と、必要に応じて設けられる第2立ち上がり部31の下端から左右方向の他方側へ延出する第2下フランジ33からなる。尚、第2下フランジ33が設けられる場合には、図1(b)〜(h)や図2(d),(j)に示すように第2構成材部3は断面略Z字状となり、第2下フランジ33が設けられない場合には、図2(e),(f),(k),(l)に示すように第2構成材部3は断面略L字状となる。
そして、構成材4としての立ち上がり部41は、第1構成材部2の第1立ち上がり部21と第2構成材部3の第2立ち上がり部31とが接面状或いは隙間を介して対向状に重合(左右に並列)して形成され、構成材4としての上フランジ42は、第1上フランジ22に第2上フランジ32が被覆するように重合(上下に積層)して形成される。また、本発明の構成材において下フランジ43は必須の構成ではないが、第1下フランジ23と第2下フランジ33とが同一平面上に並列して形成されるか、或いは第1下フランジ23のみ又は第2下フランジ33のみにて形成される場合がある。
【0010】
図1(a)に示す構成材4Aは、上述のように一枚の金属板を成形・加工した構成である。
図1(b)に示す構成材4Bは、上記図1(a)の構成材4Aと同一の断面形状を有するが、第2構成材部3の第2上フランジ32の先端で第1構成材部2と線接合して一体化されている。
図1(c)に示す構成材4Cは、第1上フランジ22と第2上フランジ32とが面接合して一体化されている。尚、面接合は、スポット溶接等による部分的な接合も含む。
図1(d)〜(g)に示す構成材4D〜4Gは、第1上フランジ22の先端に第2上フランジ32の先端(折返し部)が係合し、図示しないビスやボルト・ナット、或いは溶接等により一体化される。このように第1構成材部2と第2構成材部3の上フランジ22,32は、重合するだけであっても、係止するものでも良く、この場合、別部材2,3の組み合わせ(位置決め)を容易に実施できる。立ち上がり部41を構成する第1立ち上がり部21と第2立ち上がり部31は、図1(d)の構成材4Dのように接面状に重合していても良いし、図1(e)〜(g)の構成材4Eのように隙間を介して対向していても良い。或いは隙間を介して対向させつつ部分的に接するようにしても良い。接しない部分は平行でも非平行でも良い。
また、立ち上がり部41の隙間には、補強部材46としてプレート状(図1(f))、L型(図示せず)、T型(図1(g))のアングル材を配しても良い。この補強部材46により、ボルト締めを行う場合に、第1立ち上がり部21や第2立ち上がり部31の変形を防止できる。また、立ち上がり部41の隙間ばかりでなく、上フランジ42及び下フランジ43の上下面にも表面補強部材47を取り付けるようにしても良い。
さらに、上フランジ42を、第1上フランジ(112又は22)と第2上フランジ(122又は32)により形成する場合も同様であり、接面状に重合しても良いし、隙間を介して対向しても良い。隙間には上述のような補強部材を配しても良い。或いは隙間を介して対向させつつ部分的に接するようにしても良い。
【0011】
図2(a)〜(c)に示す構成材4G〜4Iは、一枚の金属板を成形・加工した構成であって、第1立ち上がり部111と第2立ち上がり部121が前記図1(e)〜(g)の構成材4Eのように隙間を介して対向しており、図2(a)の構成材4Gは下フランジ43が第2下フランジ123のみで構成され、図2(b)の構成材4Hは下フランジ43が第1下フランジ113のみで構成され、図2(c)の構成材4Iは下フランジ43が存在しない。
図2(d)〜(f)に示す構成材4J〜4Lは、上記図2(a)〜(c)の構成材4G〜4Iと同一の断面形状を有するものであって、第1立ち上がり部21と第2立ち上がり部31が隙間を介して対向しており、第2構成材部3の第2上フランジ32の先端で第1構成材部2と線接合して一体化されている。そして、図2(d)の構成材4Jは下フランジ43が第2下フランジ33のみで構成され、図2(e)の構成材4Kは下フランジ43が第1下フランジ23のみで構成され、図2(f)の構成材4Lは下フランジ43が存在しない。
上フランジ42は、第1上フランジ(112又は22)と第2上フランジ(122又は32)により形成する。
図2(g)〜(l)に示す構成材4Q〜4Vは、立ち上がり部42に隙間が形成されない以外は、前記図2(a)〜(f)の構成材4G〜4Lと全く同様である。
【0012】
また、本発明の構成材4は、図3(a)に示すように長手方向の一方には第1構成材部(11又は2)を延出した第1重合部44を、他方には第2構成材部(12又は3)を延出した第2重合部45を設けている。尚、図1に対し、図3,4は縮尺3/5で記載してある。
図3(a)では、第1構成材部2と第2構成材部3が別部材である図3(c)の構成材4E(前記図1(e)と同一)を例としたので、この場合、略同一の長さの各構成材部2,3を位相させることにより、延出した第1重合部44及び第2重合部45を形成することができる。
図示しないが、第1構成材部11と第2構成材部12が一枚の金属板より成形機等で成形された一部材からなる場合、長手方向一方の端部の第1構成材部11を切り欠いた状態にして第2重合部45を形成し、他端部の第2構成材部12を切り欠いた状態にして第1重合部44を形成すれば良い。或いは切り欠く部分を、屈曲加工前の金属板の状態で予め切り欠いておいた後、屈曲成形しても良い。
【0013】
そして、図3(b)に示すように、第1重合部44の第1立ち上がり部21に、隣り合う構成材4の第2重合部45の第2立ち上がり部31が並列するように、さらに第1重合部の第1上フランジに、第2重合部の第2上フランジが被覆するように重合して長手方向に接続する。
図示実施例では、図3(d)(前記図1(f)と同一)に示すように重合部分における立ち上がり部41の隙間、即ち第1重合部44の第1立ち上がり部21と第2重合部45の第2立ち上がり部31との間に補強部材46を介在させ、該立ち上がり部41及び上フランジ42に固定手段(ビス48)を施して重合接続した。固定手段はボルト・ナット等による締着、ビス止め、溶接、かしめ等が挙げられるが、所要の強度が得られれば公知の何れの方法でも良い。
尚、重合部分の幅は所要の接続強度が得られるように適宜決定すれば良いが、このように補強部材46(或いは前記図1(g)のような表面補強部材47)を配して重合部分の強度を向上することにより、重合部分の幅を短くすることもできる。
【0014】
このように本発明の構成材4の接続構造は、隣り合う構成材4,4の第1重合部44の立ち上がり部(第1立ち上がり部21)と第2重合部45の立ち上がり部(第2立ち上がり部31)が並列するように、さらに第1重合部44の第1上フランジに、第2重合部45の第2上フランジが被覆するように重合して接続するので、基本的に主要部分も接続部分も同様に第1構成材部2と第2構成材部3とからなり、接続部分が強度的な弱点部分とならず、長尺の連続部材と同様の強度を有するものとなる。また、基本的には接続時に接続箇所をプレートを用いてサンドイッチしてからボルト締めするような煩雑な作業を必要としない。
そのため、長手方向に接続することで、建築物に応じた適宜長さの構成材4を得ることができる。
【0015】
特に本発明では、第2重合部45及び第1重合部44の立ち上がり部41(21及び31)及び上フランジ42(22及び32)に固定手段(ビス48)を施して固定したので、隣接する構成材4,4を強固に接続することができ、前述の従来例のように接続部分を梁などの直上に位置させるなどの面倒な作業を必要とすることがない。尚、予め固定手段としてボルト・ナットやビス等を使用する場合は、予め孔を形成しておくようにしても良い。
また、図示実施例では、接続部分の立ち上がり部41及び上フランジ42に固定手段を施して固定したが、屋根構造に組み入れる際には、隣り合う構成材4,4の第2重合部45及び第1重合部44を並列状に重合して各構成材4をそれぞれ梁等に固定することにより接続すれば、必ずしも重合部分を固定しなくても良い場合もある。
【0016】
また、構成材4の各部位の構成は、図示実施例に特に限定するものではない。
例えば図示実施例では、支持特性及び強度特性を考慮して、立ち上がり部41(第1立ち上がり部(111又は21)及び第2立ち上がり部(121又は31))を鉛直状とし、上フランジ42(第1上フランジ(112又は22)及び第2上フランジ(122又は32))、並びに下フランジ43(第1下フランジ(113又は23)及び第2下フランジ(123又は33))を水平状としたが、所定の支持強度を有するものであれば、例えば図1(h)に示す構成材4Fのように途中に溝部49などの形状を付加するようにしても良い。このように溝部49を設けることにより、第1構成材部(11又は2)と第2構成材部(12又は3)の一体化及び隣り合う構成材4,4同士の接続の際の位置決めを容易に行うことができる。
【0017】
さらに、立ち上がり部41は、長手方向に沿って図示しない開口部を設けても良く、該開口部を建築物としての電気配線、その他の配線・配管などを通すための貫通孔としても良いし、第1構成材部2及び第2構成材部3を一体化させるためのボルト孔、或いは梁等に固定したL型、T型のアングル材を固定するためのボルト孔として用いても良い。このような開口部の形状は目的に併せて円形、長方形、楕円形など適宜決定すれば良い。例えばボルト孔としての開口部を長手方向に細長く設ければ、ボルト止めの際に位置決めの微調整が可能となる。
また、開口部は、特に立ち上がり部41を流れ方向に交わる方向に配した場合には、この開口部が空気等の連通路(空気層)となる。
【0018】
そして、本発明により長さ方向に接続された構成材4は、長尺な連続部材と同様に母屋として屋根構造などに利用することができ、下フランジ43上には天井材等の壁材5を支持させ、上フランジ42上には外装材やそれを支持するための部材などを固定することができる。
【0019】
図4に示す屋根構造は、下フランジ43上にグラスウール、発泡樹脂等の断熱材、各種素材から構成される化粧材(壁材)5を支持させ、上フランジ42上には断熱材からなる下地材6を載置し、その上に断面略H型状の外装材用保持部材7を固定部材70にて固定した。そして、隣接する外装材用保持部材7,7間には、平坦部81の左右側縁に折下げ成形部82,82を備える外装材8(80:バックアップ材)を取り付け(弾性保持させ)、カバー材9を取り付けて略平坦状の屋根面が形成されるように施工した。
尚、上フランジ42上には直接外装材8を取り付けても、図示するように下地材6を介して外装材8を取り付けても良い。また、外装材8は屋根(屋根板)でも壁(外壁板)でも良く、縦葺き、横葺き、折板などが挙げられ、特に限定するものではない。
【0020】
このような構成材4を用いて施工された壁体構造は、壁材5の上面レベルと構成材4の上フランジ42レベル(外装構造の下面レベル)の間に空気層Aが形成されているので、断熱性が高いものとなる。例えば従来の母屋上に外装構造を施工したものでは、垂木等の厚みを超えない範囲の断熱材を配することができるが、本発明では建築用構成材4の高さの範囲で調整することができるので、より高い断熱性を容易に得ることができる。
【0021】
以上本発明を図面の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。例えば本発明における壁材としては天井材(板)ばかりでなく、その他の内壁材などにも適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の建築用構成材は、隣り合う建築用構成材の第1重合部及び第2重合部を重合して接続するので、基本的に主要部分も接続部分も同様に第1構成材部と第2構成材部とからなる構造となり、接続部分が強度的な弱点部分とならず、長尺の連続部材と同様の強度を有するものとなる。
そのため、長手方向に接続することで、建築物に応じた適宜長さの建築用構成材を得ることができる。
本発明と前記従来の構造とを比較すると、本発明では位相状の第1重合部及び第2重合部を設けて接続するので、従来のC型鋼材を突き合わせて2枚の板材にて挟み込んで接続する構造に比べて接続強度が高く、その作業も極めて容易である。
そして、下フランジ上には天井材等の壁材を支持させ、上フランジ上には外装材やそれを支持するための部材などを固定することができ、母屋として屋根構造などに好適に利用することができる。
【0023】
また、第1構成材部と第2構成材部の縦方向の各立ち上がり部を、隙間を介して対向させた場合、補強部材を介在させて外観意匠を損なうことなく強度アップを図ることができる。
【0024】
さらに、第1構成材部と第2構成材部を別部材とした場合、重合の際にずらして(位相させて)接合するだけで第1重合部及び第2重合部を形成することができるので、一体的に成形するのに比べて成形が容易である。
また、別部材からなるので、現場の状況に合わせてその場で重合部分の幅を調整することができる。
【0025】
さらに、このような建築用構成材を用いて施工された壁体構造は、壁材の上面レベルと構成材の上フランジレベル(外装構造の下面レベル)の間に空気層が形成されているので、断熱性が高いものとなる。例えば従来の母屋上に外装構造を施工したものでは、垂木等の厚みを超えない範囲の断熱材を配することができるが、本発明では建築用構成材の高さの範囲で調整することができるので、より高い断熱性を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(h)本発明の建築用構成材のバリエーションを示す接続部分を除く主要部分の断面図である。
【図2】 (a)〜(l)本発明の建築用構成材の別のバリエーションを示す接続部分を除く主要部分の断面図である。
【図3】(a)本発明の建築用構成材の端部構造の一例を示す斜視図、(b)重合接続した状態を示す斜視図、(c)その主要部分(C部における)の断面図、(d)その接続部分(D部における)の断面図である。
【図4】(a)本発明により接続された建築用構成材を用いた屋根構造の一例を示す側断面図、(b)正面図である。
【符号の説明】
11 第1構成材部
111 第1立ち上がり部
112 第1上フランジ
113 第1下フランジ
12 第2構成材部
121 第2立ち上がり部
122 第2上フランジ
123 第2下フランジ
2 第1構成材部
21 第1立ち上がり部
22 第1上フランジ
23 第1下フランジ
3 第2構成材部
31 第2立ち上がり部
32 第2上フランジ
33 第2下フランジ
4 (建築用)構成材
41 立ち上がり部
42 上フランジ
43 下フランジ
44 第1重合部
45 第2重合部
5 壁材
6 下地材
7 外装材用保持部材
8 外装材
9 カバー材
Claims (3)
- 少なくとも立ち上がり部、その上端から左右方向の一方側へ延出する上フランジを備える建築用構成材を長手方向に接続する接続構造において、
建築用構成材は、第1立ち上がり部と、該第1立ち上がり部の上端から左右方向の一方側へ延出する第1上フランジと、必要に応じて設けられる第1立ち上がり部の下端から左右方向の一方側へ延出する第1下フランジからなる第1構成材部と、第2立ち上がり部と、該第2立ち上がり部の上端から左右方向の一方側へ延出する第2上フランジと、必要に応じて設けられる第2立ち上がり部の下端から左右方向の他方側へ延出する第2下フランジとからなる第2構成材部とを一体的に形成すると共に、長手方向の一方には第1構成材部を延出した第1重合部を、他方には第2構成材部を延出した第2重合部を設けてなり、
第1重合部の第1立ち上がり部に、隣り合う建築用構成材の第2重合部の第2立ち上がり部が並列するように、さらに第1重合部の第1上フランジに、第2重合部の第2上フランジが被覆するように重合して長手方向に接続することを特徴とする建築用構成材の接続構造。 - 第1構成材部と第2構成材部の各立ち上がり部は、隙間を介して対向していることを特徴とする請求項1記載の建築用構成材の接続構造。
- 第1構成材部と第2構成材部は、一部材からなる構成であるか、別部材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築用構成材の接続構造。
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