JP3677153B2 - 蓄積装置 - Google Patents

蓄積装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3677153B2
JP3677153B2 JP19567198A JP19567198A JP3677153B2 JP 3677153 B2 JP3677153 B2 JP 3677153B2 JP 19567198 A JP19567198 A JP 19567198A JP 19567198 A JP19567198 A JP 19567198A JP 3677153 B2 JP3677153 B2 JP 3677153B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
home
router
lsp
packet
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19567198A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1188406A (ja
Inventor
健 斉藤
泰弘 勝部
由彰 高畠
幹生 橋本
久子 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP19567198A priority Critical patent/JP3677153B2/ja
Publication of JPH1188406A publication Critical patent/JPH1188406A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3677153B2 publication Critical patent/JP3677153B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Computer And Data Communications (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信した放送を蓄積する蓄積装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディアという言葉に代表されるように、電子機器のデジタル化が急速に進行している。この傾向は、まずオフィス環境で始まっている。具体的に言うと、まずハードウエアとしては、パソコンの導入、OA機器のデジタル化およびそれらのネットワーク化という形で進行している。また、ソフトウエアとして、ホストによる(あるいはライトサイジングされてパソコン等に移行されつつある)基幹業務や、ワープロ、表計算などのソフトウエアあるいはWWW等のインターネットアプリケーション等、その発展はとどまるところを知らない。
【0003】
この動きは、家庭においても見られる。すなわち、家庭においても、AV機器のデジタル化(DVD、デジタルVTR、デジタルビデオカメラ等)や、放送のデジタル化あるいはOCN等のインターネットアクセス等の形で、デジタル化の進行は着実に進んでいる。
【0004】
オフィス環境と同様に、これらの波はネットワーク化へと今後向かっていくことが考えられる。すなわち、情報・通信・放送といった種々の分野の技術がデジタル化によって束ねられ、ネットワーク化によって相互乗り入れを始めていくと言われている。
【0005】
このためのネットワーク技術としては、種々の候補が有る。例えば、イーサネットは、オフィス環境にて圧倒的な実績を持っており、家庭でのパソコンネットワークにおいても、その有力候補であろう。また、ATMも有力な候補である。これは、インフラの構築側(電話会社やCATV等)が、高速、リアルタイム、広帯域といったATMの特徴に注目し、この技術を使ってインフラを構築していこうというのが一般的な動きだからである。
【0006】
これらの候補に加えて、最近、IEEE1394なるネットワーク技術(バス技術)が注目を集めている。これは、高速、リアルタイム(QOS保証)、プラグアンドプレイ等の数々の注目すべき特徴を持っており、特にデジタルAV機器同士の接続方式の最有力候補としてAV機器業界等から大変な注目を集めている。これにひきづられるように、パソコンなどのコンピュータ業界も、この技術への注目が集まりはじめた。
【0007】
当初は、家庭向けのデジタル機器の普及に伴い、それらの機器の相互接続が、ユーザの好み・要望により、これらの数々のネットワーク技術により実現されていくと考えられる。このようにして、徐々に家庭内にデジタルネットワークの雛形が誕生していく。
【0008】
ある程度の家庭内ネットワーク、それも広帯域の家庭内ネットワークが存在することが前提と考えられれば、家庭と家庭を結ぶ公衆網についても、広帯域のものが出現すると期待される。しかしながら、この部分については、莫大な投資がかかり、かつ、その公衆網上で展開されるサービスが不透明なため、簡単にそのようなインフラが構築されるとは考えにくい。
【0009】
また、デジタル放送など、映像分配のインフラが急速に普及しようとしている。例えばデジタル衛星放送では既に100チャンネル近くの映像サービスを既に開始している。このようなデジタル放送インフラの急速な普及を考えると、広帯域通信インフラの主な用途は映像サービスであると単純に考えられるため、広帯域の通信インフラが整備がさらに遅れる可能性は否定できない。
【0010】
しかしながら、広帯域通信の需要は存在する。テレビ電話や、ビデオのネットワークを介したダビング等はその典型的なアプリケーションである。
【0011】
そのための解決策の一つとして、マンションやアパート等の集合住宅内に広帯域のネットワークを敷設する方法が考えられる。この方法では、公衆網の整備と異なり、公道上での架空/地中回線の設置などのコストがかからないことや、集合住宅のオーナが集合住宅の付加価値を高めるためにそういった設備の導入を積極的に図ることが出来ると考えられることから、公衆網とは別に、集合住宅内のみとはいえ、家庭間通信のインフラの候補としてあげることができよう。
【0012】
しかしながら、集合住宅内の広帯域網を構築するにあたり、ビデオ伝送等を有効に利用する方法、各家庭でのセキュリティを確保する方法、機器等の資源を低コスト化する方法などが提供されていなかった。
【0013】
ところで、キャンパス網や企業網のバックボーン、ネットワークキャリアやインターネットサービスプロバイダー(ISP)のネットワークでは、IP(Internet Protocol)などのレイヤ3パケット通信を行うルータ等のノード装置において、ノード間で特定のパケットストリームに特定のチャネル識別子(ラベル)を割り当てるための制御情報を交換し、各ノードでは個々のストリームに対して割り当てた入力側のラベル(および入力インタフェース)と出力側のラベル(および出力インタフェース)とを記憶し、記憶したラベル値の対応関係をもとに実際のパケット転送処理(スイッチング処理)を行うことが可能であり、ラベルスイッチングと呼ばれている。ラベルは一般に固定長であり、ラベルスイッチングによるパケット転送は、従来の可変長のパケットヘッダ情報(宛先IPアドレスプレフィクスなど)を解析してパケット転送する場合に比べて高速な処理が可能であるとともに、より柔軟な経路制御が可能になる。ラベルスイッチングの具体的適用方法には、ATMやフレームリレーなどの既存のスイッチングネットワークに適用する方法と、新たにラベルスイッチのためのラベルヘッダを定義してPPP over SONETリンクやIEEE802.3/イーサネットなどのLAN上にスイッチを接続する方法とが考えられる。
【0014】
このラベルスイッチングによりパケット転送されるパスをラベルスイッチングパス(LSP)と呼ぶ。LSPの始点となるノード(ルータあるいはホスト)では送信するパケットのヘッダ情報から定義されるパケットストリーム毎に同一のラベル値を付与して送信し、中継点となるルータでは受信したパケットのラベル値を参照して送出すべきインタフェースおよびラベル値を決定、付与して送信し、終点となるノードでは受信したパケットのラベルを削除しヘッダを参照して送出すべきインタフェースを決定、送信する。
【0015】
LSPを利用してパケットを転送することにより、LSPの中継点のルータでは、レイヤ3および上位層のヘッダを参照することなしにパケット転送を行うことが可能になり、転送性能の向上や経路制御の柔軟性などのメリットが得られる。しかしその反面、以下のような問題点が存在する。
【0016】
まず、従来パケット毎に行っていたフィルタリング処理(レイヤ3および上位層のヘッダ情報に基づき、受信パケットをさらに転送するか否かを判断する処理)がLSPの中継ルータにおいて行えなくなる。このフィルタリング処理は、あるセグメント(以下では、特定のキャンパス網、企業網、ISP網などのような、同一の管理ポリシーにより運営される物理的あるいは論理的ネットワークの単位をセグメント(ネットワークセグメント)と呼ぶことにする)へのパケットの流入やあるセグメントからのパケットの流出を、セキュリティ上の理由により特定の送信元や宛先のもの、特定の上位層プロトコルのものに制限するために行うことが主な目的であるが、LSPの中継点がセグメントの境界であった場合にパケットヘッダが参照できないため、これが行えなくなってしまう。
【0017】
また、従来隣接するセグメント同士がお互いからのパケットの中継を行うか否かのポリシーを互いの契約等により決定し、その結果に基づきルーティングプロトコルを通してパケット転送可否の制限(ピアリングの制御)を行っている(特定の隣接セグメントに対してルーティング情報を与えない、あるいはルーティング情報とともに自分のセグメント通過に対する希望(プレファレンス)を伝えることなどにより)。セグメントにまたがるLSP設定に関しても、そうしたルーティングプロトコルを通した制限を行うことは可能である。しかしながら、ルーティングプロトコルとは別な条件により、隣接セグメントに対してLSPの設定を制限することが現状では行うことができない。例えば、ラベルスイッチングのためのラベルリソースは有限であるため、ある隣接セグメントに対して、通常のルータが行うホップバイホップによるパケットの中継転送は行うが、LSPによるパケット転送(セグメントにまたがるLSPの設定)は制限したいというようなポリシー制御を実行したいケースが考えられるが、こうしたLSP設定に関するポリシーを現在のルーティングプロトコルにより実現することはできない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来、放送された映像等のデータを、選択的に蓄積し、要求に応じて配送できる環境を提供できる蓄積装置は提供されていなかった。
【0019】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、放送された映像等のデータを、選択的に蓄積し、要求に応じて配送できる環境を提供できる蓄積装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)に係る蓄積装置は、放送を受信する第1のインタフェースと、複数のユーザ側の端末が接続されたネットワークと接続する第2のインタフェースと、前記第2のインタフェースを介して受信した、前記端末からのインターネットパケットを処理する処理手段と、前記第1のインタフェースを介して受信した放送のうち、蓄積すべき部分を選択する第1の選択手段と、前記第1の選択手段により選択された放送を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されたデータのうち、前記第2のインタフェースから送出するべきデータを選択する第2の選択手段と、前記処理手段による前記処理を経て渡される前記インターネットパケットに含まれる、前記蓄積すべき部分に係る要求の内容に基づいて、前記第1の選択手段における選択対象を制御する第1の制御手段と、前記処理手段による前記処理を経て渡される前記インターネットパケットに含まれる、前記送出するべきデータに係る要求の内容に基づいて、前記第2の選択手段における選択対象を制御する第2の制御手段とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、放送波より受信した映像を、ネットワークの種別に関わらずあるいはネットワークが異種ネットワークの相互接続である場合においてすら、選択蓄積、選択送信ができる環境を提供することが可能となる。これは、選択蓄積、選択送信を行うプロトコルとして、ネットワーク種別を問わないインターネットを採用していることにより達成されるものである。
本発明(請求項2)に係る蓄積装置は、請求項1に記載の蓄積装置において、前記第1の選択手段及び第2の選択手段における選択対象の選択の際に、前記処理手段にて行われる前記インターネットパケットの処理は、HTTPに基づいて行われることを特徴とする。
本発明(請求項3)に係る蓄積装置は、請求項1に記載の蓄積装置において、前記第1の選択手段により選択され、前記蓄積手段に蓄積される放送は、複数チャンネルの放送を含むことを特徴とする。
本発明(請求項4)に係る蓄積装置は、請求項1に記載の蓄積装置において、前記第1の選択手段により選択され、前記蓄積手段に蓄積される放送の少なくとも一部は、デジタル放送であることを特徴とする。
本発明(請求項5)は、請求項1に記載の蓄積装置において、前記第2のインタフェースから前記蓄積されたデータを送信するのに先立って、該第2のインタフェースから該データを受信すべき端末に至る経路の少なくとも一部の通信資源の確保を行う通信資源確保手段をさらに備えたことを特徴とする。
本発明によれば、映像通信に一般に不可欠と考えられる通信路の通信資源の確保を、該蓄積装置から受信ノードに至る経路の少なくとも一部において行うことが可能となり、さらにこれをインターネットプロトコルにおいて行うこととすれば、通過するネットワーク種別を問わず、上記通信資源確保を行うことができるようになる。
本発明(請求項6)は、請求項1に記載の蓄積装置において、データの送信先またはデータ送信の依頼者となるユーザまたは端末毎に、前記第2のインタフェースを介して前記蓄積されたデータを送信する際に同時に使用可能な通信資源量と現在そのユーザまたは端末について使用している通信資源量とを記した管理テーブルをさらに備えたことを特徴とする。
本発明によれば、蓄積装置は、あるユーザ(例えば集合住宅の各住宅の代表者)または端末について、使用することが許可された通信資源量と、実際に使用している通信資源量とを、逐次把握することができるようになると同時に、このテーブルの値を適宜比較、使用することにより、そのユーザについての通信資源使用要求の使用許可制御に用いることも可能となる。
本発明(請求項7)に係る蓄積装置は、請求項1に記載の蓄積装置において、データ送信要求を受ける前または受けた後に、該データ送信要求の要求元のユーザまたは端末との間で認証手続きを行うことを特徴とする。
本発明(請求項8)に係る蓄積装置は、請求項1に記載の蓄積装置において、前記蓄積装置は、集合住宅内のバックボーン網に接続され、前記第2の選択手段は、前記集合住宅内の個々の住宅の端末からの要求に従って、選択対象を選択することを特徴とする。
【0098】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
【0099】
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0100】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0101】
本発明は、マンション、アパート、寮等のように複数の住宅またはこれに相当するものが1つの建物に集合されている集合住宅(ホテル等の集合住宅的な宿泊施設も集合住宅と呼ぶものとする)ならばどのような形態のものにもまたいくつの住宅(あるいは客室などこれに相当するもの;以下、住宅や客室などを含めて住宅等と言う)を収容するものであっても適用可能であり、またその集合住宅に収容されるすべての住宅等を対象とするのも一部の住宅等を対象とするのも任意である。本実施形態では説明を簡単にするために4戸分の住宅を収容するマンションを例にとって説明する。
【0102】
図1に、本発明の一実施形態に係るシステムのうち集合住宅のバックボーン網の部分の一構成例を示す。
【0103】
このマンションには、4戸分の住宅が収容されているとともに、それらの住宅(以下、家庭と言う)とは別に管理室が設けられている。また、4戸分の住宅すべてにシステムを導入するものとする。
【0104】
このマンションには、デジタル衛星放送受信用の共同アンテナ101が設けられており、共同アンテナ101により受信された放送信号は、同軸ケーブルを通り、例えば管理室内に設けられた分配器102を介して、同軸ケーブル経由で各家庭1〜4に分配される。各家庭1〜4に入り込んだ同軸ケーブルはそれぞれ分配器103〜106で終端される。各分配器103〜106からは、各家庭のテレビやセットトップボックスあるいはVTR等に接続される。なお、本発明はデジタル衛星放送への適用に限定されるものではなく、デジタル地上波放送、デジタルCATV放送などを受信する場合にももちろん適用可能である。
【0105】
分配器102からは、上記の他に、管理室内のデジタル放送蓄積サーバ107にも同軸ケーブルが分岐される。
【0106】
次に、図1に示されるように、このマンションには「マンションバックボーンネットワーク」としてIEEE1394バスが敷設されている。すなわち、IEEE1394バスを、管理室内のデジタル放送蓄積サーバ107およびインターネットサーバ108ならびに各家庭に配置されたホームルータ109〜112を1394ノードとする、ネットワークとみなすことができる。
【0107】
詳細は後述するが、放送蓄積サーバ107は、受信した放送のうち所定の番組等を蓄積し、各家庭内の端末からの要求に応じて該当するデータを配送する。ホームルータ109〜112は、マンションバックボーンネットワークと家庭内ネットワークを接続する。インターネットサーバ108は、インターネットにアクセスする際の代理サーバとNAT(Network Address Translation)の働きをする。なお、インターネットへのアクセスを考えない場合、インターネットサーバ108を省いてもかまわない。この場合、例えば、デジタル放送蓄積サーバ107とホームルータ109を接続する。
【0108】
図1には示していないが、上記の設備の他に電話もしくはISDNの配線が、ネットワークの配線として各家庭まで敷設されていてる場合もある(通常、このような場合が多いと考えられる)。
【0109】
なお、本実施形態では、4つのホームルータ109〜112が接続されているが、もちろん、3台以下であってもよいし、より規模の大きい集合住宅等においてより多数のホームルータを接続してもよい。
【0110】
次に、本実施形態に係るシステムのうち家庭内システムについて説明する。家庭内システムは、本システムを導入する各家庭ごとに設けられ、バックボーン網を通じて管理室システムおよび他の家庭内システムと相互に通信可能となる。
【0111】
図2に、本家庭内システムのうち配線システムの一構成例を示す。なお、図2は、家庭1を例にとってその様子を示しているが、他の家庭2〜4もその間取り等に応じて具体的な構成が変わり得る以外は同じような考え方で構成される。
【0112】
図2に示されるように、家庭1は、その内部が、応接間、子供部屋、居間、台所等に区切られている。管理室内の分配器102から同軸ケーブルを使って分配されてきたデジタル放送波は、家庭1の分配器103を介して、各部屋すなわち応接間、子供部屋、居間、台所の各情報コンセント201〜204に分配されるものとする。他の家庭2〜4についても、デジタル放送波は、管理室内の分配器102から同軸ケーブル、そして分配器を介して、各部屋に分配される。
【0113】
ここで、情報コンセント201〜204について簡単に説明する。図3に、本実施形態の情報コンセントの概観図の一例を示す。本情報コンセントには、放送波受信のための同軸ケーブルのコネクタ211と、家庭内バックボーンネットワークであるIEEE1394のコネクタ(例えば電気コネクタもしくは光コネクタ)212との少なくとも2つのコネクタが設けられている。なお、この情報コンセントは、放送波受信のためのコネクタとして複数個のコネクタ(例えば、通信衛星用と衛星放送用と地上波用の各コネクタ等)を備えているものであってもよいし、1または複数の放送波受信のためのコネクタとIEEE1394のコネクタに加えて電話用のコネクタおよび/またはイーサネットのコネクタを備えているものであってもよいし、その他にも種々の形態が考えられる。
【0114】
上記のように本情報コンセントは少なくともIEEE1394のコネクタを有しており、これらIEEE1394のコネクタが相互に接続されて、家庭内バックボーン(IEEE1394バックボーン)を構成している。図2の家庭1の例の場合、ホームルータ109から、居間の情報コンセント203、台所の情報コンセント204、子供部屋の情報コンセント202、応接間の情報コンセント201が、相互にIEEE1394ケーブルで相互接続されており、ホームルータ109および情報コンセント201〜204のそれぞれがIEEE1394ノードとして稼動している。他の家庭2〜4でも同様にホームルータおよび情報コンセントのそれぞれがIEEE1394ノードとして稼動している。
【0115】
なお、これらのIEEE1394ケーブルおよび同軸ケーブルは、各家庭の壁の裏側等に配線されていることが望ましい。
【0116】
さて、各家庭では、各部屋に家庭内システムを構成する各種装置が配置され、分配器および/または情報コンセントに接続されている。以下では、家庭1を例にとって各部屋に配置されている各装置について説明する。図4に、家庭1の各部屋に配置されている各装置の例を示す。
【0117】
図4に示されるように、放送系の配線につながる形として、応接間の情報コンセント201の同軸ケーブルコネクタにSTB(セットトップボックス)内蔵テレビ401が、子供部屋の情報コンセント202の同軸ケーブルコネクタにセットトップボックス404が、居間の情報コンセント203の同軸ケーブルコネクタにセットトップボックス407が、それぞれ接続されている。接続ケーブルは同軸ケーブルである。
【0118】
一方、1394系の配線につながる形として、子供部屋の情報コンセント202の1394コネクタにセットトップボックス404、デジタルVTR403、PC402がそれぞれディージチェーン状に接続されている。また、居間の情報コンセント203の1394コネクタにDVD406、セットトップボックス407が、それぞれディージチェーンで接続されている。接続ケーブルは1394ケーブル(例えば電気ケーブルもしくは光ケーブル)である。
【0119】
また、各セットトップボックス404,407は、AVコネクタ(アナログコネクタ;映像端子と音声端子)も有しており、それぞれAVコネクタを通してテレビ405,408とも接続されている。
【0120】
以上から、本実施形態におけるセットトップボックス404,407は、それぞれ、同軸ケーブルコネクタ、1394コネクタ、AVコネクタの少なくとも3種のインタフェースを持つことになる。もちろん、これ以外のコネクタ、例えば電話/ISDNへの接続のためのコネクタなどを有しても構わない。
【0121】
次に、上記のような家庭1内の接続状況を、放送系のみに着目してまとめたものが図5である。分配器103から分岐した放送波が、STB内蔵テレビ401、セットトップボックス404,407に分岐していることになる。
【0122】
また、家庭1内の接続状況を、1394系のみに着目してまとめたものが図6である。家庭内バックボーンを通して、ホームルータ109、各情報コンセント201〜204が相互接続され、さらに、各部屋の1394機器402〜404,406,407が情報コンセントに接続される形態となる。
【0123】
なお、上記の家庭内システムの構成は一例であり、情報コンセント数が3以下でも5以上でもよいし、各部屋の装置の配置状況が相違するものであってもよいし、機器台数や種類が増減したものであってもよい。
【0124】
ところで、ホームルータ109〜112は、前述のようにマンションバックボーン網にも接続されている。この様子を示したものが図7である。図7のように、マンションバックボーン網は、デジタル放送蓄積サーバ107、インターネットサーバ108、ホームルータ109〜112を1394ノードとして構成されていることになる。
【0125】
これらのことから分かるように、マンション1394バックボーン網と、各家庭内の1394バックボーン網とは、ホームルータを介してルータ接続されていて、インターネット的に見ると別個のサブネットと見ることができる。すなわち、マンションバックボーン網と、各家庭のバックボーン網は、どちらもIEEE1394により構成されているが、IPサブネットアドレスとしては、別個のものが与えられており、それぞれ異なるIPサブネットとして、ルーティング処理などが行われる。なお、後述するように、ビデオ転送などを行う場合は、IPレイヤ処理を行うことなく、両バックボーン間で、データのやり取りを行うことができるようにしている。
【0126】
以下では、上記にて説明したような環境下での本実施形態のデジタル放送蓄積サーバ107、ホームルータ109〜112、マンションバックボーン網、家庭内バックボーン網、インターネットサーバ108の構成、動作、典型的な使い方などについて説明する。
【0127】
最初に、家庭内の端末、例えば図4に示す子供部屋のPC402が、図1に示す管理室内のデジタル放送蓄積サーバ107から、任意のテレビ番組を取り出して、それをPC402に映し出しつつ、同じ子供部屋のデジタルVTR403でデジタル録画する手順について説明する。
【0128】
まず、PC402とデジタル放送蓄積サーバ107は、インターネットプロトコル(IP)にて通信を行う。これは、主に、システムの家庭の入り口に相当する部分にセキュリティ等の理由によりファイアウオールを配置するため、家庭内バックボーン網とマンションバックボーン網を直接IEEE1394でブリッジ接続するのは難しく、ルータ接続とするのが適当と判断されることによる。
【0129】
デジタル放送蓄積サーバ107は、例えばホームページ等を通して、提供しているサービスを紹介するものとする。
【0130】
PC402は、デジタル放送蓄積サーバ107が提供しているサービスを紹介しているホームページ等を通して、録画する番組を申告したり、見たい番組を要求したりすることができる。このときに使用するプロトコルとしては、例えばHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)やRTSP(Real Time Streaming Protocol)がある。つまり、録画番組の申告をデジタル放送蓄積サーバ107のホームページを参照して行なったり(この場合、両者の間のプロトコルはHTTP)、RTSPを介して番組案内とその要求やサーバの遠隔制御を行うことを基本として考える。なお、HTTPの詳細に関してはRFC2068に、RTSPの詳細に関してはインターネットドラフトdraft−ietf−mmusic−rtsp−02.psや特願平9−115685等にそれぞれ開示されている。
【0131】
このようにホームページ等を通して、インターネットパケットがデジタル放送蓄積サーバ107に到達する。パケットが到達するにあたっては、パケットは家庭内のIEEE1394バス、ホームルータ109、そしてマンションバックボーン網のIEEE1394バスを順に通ってくることになる。この場合のIEEE1394バス上のインターネットパケットの伝送は、例えばIETFにより標準化されるIPover1394の方式に従うものとする。なお、ホームルータでのIPパケットの取り扱いについては後述する。
【0132】
デジタル放送蓄積サーバ107には、大きく分けて2つの機能がある。1つは、衛星放送から受信した放送波のうち、適当なものを取り出して、内部に蓄積する機能である。もう一つは、ユーザ(各家庭のユーザ)からの要求に従って、上記の蓄積したデータ(番組など)から適当なものを取り出して、各家庭に配送する機能である。
【0133】
図8に、デジタル放送蓄積サーバ107の内部構造の一例を示す。
【0134】
図1の衛星放送アンテナ101から分配器102および同軸ケーブルを通してやってきたデジタル放送データは、例えば数百チャンネルの映像チャンネル等が多重化(周波数多重、MPEG多重等)されている。そこで、ユーザ蓄積要求解析部806からの要求に従い、適当な周波数に変調された放送波データを、周波数フィルタ801で取り出し、これを復調器802にて復調し、例えばMPEGフレームとした上で、データ蓄積部803にて蓄積する。もちろん、データ蓄積部803での蓄積の際に、MPEG多重されたデータのうちから必要なもののみを取り出して蓄積する、いわゆるMPEGフィルタリングを加えてもよい。
【0135】
「どのチャンネル(どのMPEGフレーム/データ)を蓄積すべきか」を判断して、それを周波数フィルタ801に司令するのは、ユーザ蓄積要求解析部806である。
【0136】
この判断のためにユーザ蓄積要求解析部806に与えられるユーザからの蓄積チャンネルの指定要求は、インターネットパケットを通じて、ユーザ宅の端末から、このデジタル放送蓄積サーバ107に対して送られてくる。具体的には、ユーザ宅の任意のインターネット端末から、例えばWWWブラウザ経由で、「このチャンネルとこのチャンネルを常時録画しておいてください」あるいは「このチャンネルの何曜日の何時から何時までを録画しておいてください」等といった制御をユーザが行う。このような要求を、デジタル放送蓄積サーバ107が、CGI等を経由して解釈し、要求された番組/データをデータ蓄積部803に蓄積していく。なお、このユーザによる設定情報等の制御情報も、このユーザ蓄積要求解析部806にて蓄積しておいてもよい。
【0137】
本実施形態においては、このユーザからの要求は、IPパケットを介して送られてくる。すなわち、家庭内の任意のインターネット端末から、その家庭のホームルータ、マンションバックボーン網を介して、デジタル放送蓄積サーバ107にIPパケットが到着する。このパケットは、IEEE1394インタフェース810にて受信され、IP処理部809を経由してユーザ蓄積要求解析部806に渡される。ユーザ蓄積要求解析部806は、ユーザがどのチャンネルあるいはデータの蓄積を望んでいるかを解析して、それを周波数フィルタ801や、データ蓄積部803でのフィルタリング動作に反映させる。
【0138】
なお、周波数フィルタ801やデータ蓄積部803では、ユーザから要求の有無にかかわらず、予め定められたチャンネルやデータを常時(あるいはスポット的に)録画・蓄積するようにしてもよい。この場合、ユーザから要求の有無にかかわらず録画・蓄積すべきチャンネルやデータの指定は、例えば、マンションの管理者等が適宜行なうものとする。
【0139】
もちろん、蓄積するチャンネル等は必ずしも1つとは限らない。
【0140】
一方、ユーザからの「この番組が見たい」という知らせ(データ取り出し要求)をデジタル放送蓄積サーバ107が受信すると、この番組/データを取り出して、これをユーザに向けて伝送する。具体的な伝送の手順は後述するが、このデータ取り出し要求もIPパケットを介して送られてくる。すなわち、家庭内の任意のインターネット端末から、その家庭のホームルータ、マンションバックボーン網を介して、デジタル放送蓄積サーバ107にIPパケットが到着する。このパケットは、IEEE1394インタフェース810にて受信され、IP処理部809を経由してユーザ取り出し要求解析部807に渡される。ここで、ユーザがどのチャンネルあるいはデータの取り出し、伝送を望んでいるかを解析して、その番組の送信をユーザ取り出し要求解析部807が、データ選択取り出し部804に通知する。その際の番組の選択やその制御プロトコルとしては、例えばRTSP(Real Time Streaming Protocol)等を用いる。
【0141】
上記の要求を受けたデータ選択取り出し要求解析部807は、まずユーザ毎使用帯域監視部808に問い合わせを行う。マンションバックボーン網における帯域には上限があるため、ユーザ毎使用帯域監視部808では、デジタル放送蓄積サーバ107から各家庭への同時映像/データ配信を、例えば数Mbpsあるいは数チャンネルなどに抑えている。この各家庭への同時映像/データ配信の上限値は、マンションの管理者と、各家庭との契約に基づくものとしてもよい。
【0142】
なお、同時映像/データ配信の制限の設定は、ユーザごとではなく、他の単位、例えば各家庭の各端末ごとに行なってもよい。
【0143】
図9に、データ取り出し要求の到着から該当するデータの送出までの手順の一例を示す。
【0144】
まず、家庭ユーザからのデータ取り出し要求が到着する(ステップS10)。この要求はIPパケットの形で到着し、IP処理部809は、アドレスとポート番号の組み合わせ等から、そのパケットがどのユーザからのデータ取り出し要求であるかを認識し、このパケットをユーザ取り出し要求解析部807に送出する。なお、データ取り出し要求を解析するプログラムに対して、特定のポート番号があらかじめ割り当てられるものとする。
【0145】
ユーザ取り出し要求解析部807では、あらかじめ本蓄積サーバ107の使用を許可されたユーザであるかどうかの認証を行う(ステップS11)。認証が通らない場合は、認証失敗通知をユーザに対して送り返す(ステップS12)。認証が通った場合は、要求されたサービスを開始するための準備に入る。
【0146】
ここで、本実施形態のデジタル放送蓄積サーバ107でのポリシーの一例を示す。本実施形態のデジタル放送蓄積サーバ107では、マンションバックボーン網の帯域や同期チャネル番号数に上限があるため、契約家庭毎に、使用できる帯域あるいはチャネル番号数に上限が設けられている。つまり、「家庭1は同じ視聴チャンネル数3まで、合計配信帯域18Mbpsまで」等といった制限を各家庭毎に記した図10のような表を有し、「要求されたサービスを提供したときに、その家庭により消費されるマンションバックボーン網等の資源量が、このテーブルで定められた値以下にあるような場合に、そのサービスを行う」という方法である。
【0147】
データ選択取り出し要求解析部807は、ユーザ毎使用帯域監視部808を通じて要求したユーザに割り当てられた帯域あるいはチャネル数を調べ(ステップS13)、要求されたサービスの提供の可否を判断し(ステップS14)、サービスが不可能である場合は、ユーザに対してサービス不可能通知を行う(ステップS15)。なお、サービス不可能通知には、その理由(例えば規定チャンネル数を越えたことなど)を示す情報を付加するようにしてもよいし、さらに上限値を確認させるための情報を付加するようにしてもよい。
【0148】
このようなサービスを迅速に実現するため、このデジタル放送蓄積サーバ107が、常に1394バスの同期リソースマネージャになっていてもよい。そのためには、同期リソースマネージャのpreferenceの値を大きな値として持っておく等の方法が考えられる。この場合は、自らが持っている同期リソースマネージャのリソーステーブル(残余帯域と、残余同期チャネル番号についてのテーブル)を参照できるので、迅速な処理が可能になる。
【0149】
ステップS14にて、上記のサービスを行うことが可能であると判断された場合には、デジタル放送蓄積サーバ107から、マンションバックボーン網を通して、ユーザの端末に対して、データを送信するための通信資源を確保すべく、IEC1883等のプロトコルを用いて、マンションバックボーン網の通信資源(帯域、同期チャネル番号)を確保する(ステップS16)。その後、該サービスの要求端末(方向)に対して、FANP(Flow Attribute Notification Protocol)メッセージを送出する(ステップS16)。FANPは、今後送信するデータの宛先(IPアドレス)と、リンクレイヤの識別子情報(ここでは、同期チャネル番号)を隣接するノードに対して通知するプロトコルである。このFANPを用いて、デジタル放送蓄積装置107から、受信端末までの通信資源の確保を行っていく。なお、FANPの詳細は、電子情報通信学会交換システム研究会予稿SSE97−19や特願平8−264496等に詳しく開示されている。
【0150】
このFANPメッセージには、宛先アドレスとして、データ配信を要求してきたノードのIPアドレス、デジタル放送蓄積サーバ107がデータを配信する際に使用するマンションバックボーン網の同期チャネル番号、伝送するデータの属性(例えば、MPEG映像等)等の情報が入る。使用する帯域などについての情報や、送信ノードのアドレス、エンド−エンドのACKメッセージの要求の有無についての情報などが入ってもよい。
【0151】
ここで、FANPの代わりにRSVP(Resource Reservation Setup Protocol)を用いて、通信資源の確保を行なってもよい。RSVPはIPレベルのシグナリングプロトコルであり、詳細はインターネットドラフト“draft−ietf−rsvp−spec−15”や特願平9−52125などに開示されている。
【0152】
また、FANPとRSVPを併用しても、もちろん構わない。この場合、RSVPにてデジタル放送蓄積装置107から、受信端末までの通信資源の確保を行なっていく。FANPは使用するデータリンク識別子の隣接ノードへの通知に用いる。
【0153】
次に、必要な通信資源が確保され、相手端末への映像データなどのデータ転送の準備が整ったならば、データ蓄積部803に蓄積されていたデータの伝送が開始される。すなわち、ユーザ取り出し要求解析部807は、データ選択取り出し部804を介して、データ蓄積部803から必要な(要求された)データを取り出し(ステップS17)、CIPヘッダ付加部805にて、1394上でのデータ転送に必要なフォーマットに変換した上で、1394インタフェース(I/F)810を通して、データを送出する(ステップS18)。
【0154】
次に、ホームルータ109の内部構造とその働きについて一連のシーケンス図を参照しながら説明する。
【0155】
図11に、ホームルータ109の内部構造の一例を示す。
【0156】
本ホームルータ109は、マンションバックボーン網側にIEEE1394インタフェース1101を、家庭内バックボーン網側に第2のIEEE1394インタフェース1105をそれぞれ持っている。
【0157】
また、ホームルータ109は、その家庭内のIPノードのIPアドレスを決定するためのDHCP(Dynamic Host ConfigurationProtocol)サーバ処理部1112を持つ。どのようなIPアドレスを与えるべきかについては、あらかじめマンションの管理者が決定しておくものとする。なお、マンション全体のアドレス管理を行っているノードが管理室内にあり、このノードが該DHCPサーバ処理部1112に対して、与えるべきIPアドレスを通知する方式を取ってもよい。なお、DHCPについてはRFC1541や特願平8−316552等に詳しく開示されている。
【0158】
ここで、前述のようなPC402からホームルータ109を介して、デジタル放送蓄積サーバ107にアクセスする場合を例として、図12にそのシーケンス図を示す。以下、図12を参照しながら、ホームルータ109の動作を説明する。
【0159】
まず、PC402は、デジタル放送蓄積サーバ107にアクセスすべく、デジタル放送蓄積サーバ107が立ち上げているホームページにアクセスする。始めは、ユーザがデジタル放送蓄積サーバ107に対して、「このチャンネルを常時録画しておいてほしい」という登録をするための、録画チャンネルの設定を行う場合を考える。ここでは、デジタル放送蓄積サーバ107のホームページに適当な書き込みや設定を行うことにより登録できるようになっているものとする。このため、図8のデジタル放送蓄積サーバ107のIP処理部809では、WWWサーバのデーモンが走っている。PC402は、HTTPでデジタル放送蓄積サーバ107と情報のやりとりを行うために、デジタル放送蓄積サーバ107宛てにIPパケットを送出する。
【0160】
このパケットは、ホームルータ109では、単純なパケットフォワーディングとして扱われる。前述の例のように、単純なIPパケットのフォワーディングの際には、このIPパケットはIEEE1394の非同期パケットとして、ARP(Address Resolution Protocol)を通して認識されたそのノードのしかるべきレジスタ宛に転送されてくるので、例えばPC402からデジタル放送蓄積サーバ107へのIPパケット転送の際には、IPパケットは、次の順、すなわち1394インタフェース1105、レジスタ処理部1108、IPルーチング処理を行うIP処理部1109、レジスタ処理部1106、マンションバックボーン網側の1394インタフェース1101という順で転送される。なお、レジスタ処理部1106,1108は、それぞれ、転送されてくる1394パケットのレジスタ値(オフセットアドレス値)を参照してしかるべき処理部への振り分けやフィルタリングを行うものである。この場合は、処理されるIPパケットは単にホームルータにおいてルーチング処理をなされるのみでよい。
【0161】
なお、転送されてきたIPパケットがDHCPパケット等の場合は、IP処理部1109においてパケットの宛先(自分宛のパケットであるか否か)やポート番号などを解析し、しかるべき処理部にそのパケットを転送する処理を行うことになる(例えばDHCPパケットであることが判明したならば、DHCPサーバ処理部1112に転送する等)。
【0162】
また、マンションバックボーン側からみて、ホームルータにはなんらセキュリティ機能が備わっていないとすると、その家庭へは電子的に入り放題という形になってしまい、家庭網のプライバシやクラッカーの脅威に対して、大変な問題がある。そこで、本ホームルータにおいては、マンションバックボーン網側にファイアウオール/認証処理部1110を設けており、該ファイアウオール/認証処理部1110が、その家庭にマンションバックボーン網側から入ってくる全IPパケット(ただし、後述する同期チャネルを通じて入ってくるIPパケットを除く)について、認証処理あるいはファイアウオール処理を行い、セキュリティを確保している。
【0163】
1394代理サービス処理部1111については後述する。
【0164】
さて、デジタル放送蓄積サーバ107に到達したHTTPのパケット(録画チャンネル設定パケット)は、前述のようにデジタル放送蓄積サーバ107内にて処理を施され、この結果、ユーザの要求するデジタル放送チャンネルの録画が自動的に行われる。
【0165】
次に、ユーザは、その録画した番組を見るために、PC402を通してデジタル放送蓄積サーバ107のホームページにアクセスする。ユーザは、このホームページの表示の「どこのチャンネルか」あるいは「どの番組か」などについて設定を行い、RTSP等を通して、見たい番組の設定を行う。このパケット(IPパケット)のPC402とデジタル放送蓄積サーバ107との間のやり取りは、HTTPの場合と同様である(RTSPはHTTPをベースとしている)。
【0166】
なお、PC402は、RTSPパケットにユーザ情報としてある識別番号(P)を含ませてもよい。この識別番号の値によって、ユーザ側は、どのRTSPパケットによる要求に対する設定であるかを、後に照合することができるようになる。
【0167】
データ取り出し要求により番組送信を要求されたデジタル放送蓄積サーバ107は、前述のようにユーザ認証やマンションバックボーン網の通信資源(帯域、同期チャネル番号)の確保などをIEC1883等を通して行った後、前述のFANPメッセージをホームルータ109に向かって送出する。この場合、確保された同期チャネルを#xとする。このFANPメッセージには、ターゲット端末がPC402であること(PC402のIPアドレスが記載されている)、転送するデータがMPEG映像であること(IPパケットではない;よってIEC1883で定められたMPEGover1394の伝送フォーマットにて伝送されることを意味する)、その要求帯域が6Mbpsであること、ホームルータ109まではデジタル放送蓄積サーバ107が先に確保した同期チャネル番号#xの同期チャネルを使って伝送すること等が記されている。なお、FANPメッセージには、必要な認証情報などが入っていてもよい。また、ターゲット端末(この場合、PC402)において、このFANPパケットが、前述のRTSPによる制御に対応するものであることを認識することができるようにするために、前述の識別番号(P)を、FANPパケットに含んで送信してもよい。この値は、ターゲット端末まで、書き換えられることなく伝送されるものとする。
【0168】
このFANPパケットは、1394インタフェース1101、レジスタ処理部1106、IP処理部1109を経由して、FANP処理部1107に到達する。
【0169】
FANP処理部1107では、まずターゲットがPC402であることを認識し、該PC402とつながるネットワークが家庭内バックボーン網であることを認識する。次に、MPEG映像を伝送するのに必要な、家庭内バックボーン網であるIEEE1394バスの通信資源(帯域、同期チャネル番号)#yを確保する。次に、IEC1883を使って、PC402のPCR(プラグコントロールレジスタ)を設定し、PC402が同期チャネル#yからの情報を受信できるようにする。次に、PC402に向けて、FANPメッセージを送出する。
【0170】
このFANPメッセージには、ターゲット端末がPC402であること(PC402のIPアドレスが記載されている)、転送するデータがMPEG映像であること(IPパケットではない;よってIEC1883で定められたMPEGover1394の伝送フォーマットにて伝送されることを意味する)、その要求帯域が6Mbpsであること、PC402までホームサーバ109が先に確保した同期チャネル番号#yの同期チャネルを使って伝送すること等が記されている。なお、FANPメッセージには、必要な認証情報などが入っていてもよい。また、前述のように、ターゲット端末(この場合、PC402)において、このFANPパケットが、前述のRTSPによる制御に対応するものであることを認識することができるようにするために、前述の識別番号(P)を、FANPパケットに含んで送信してもよい。
【0171】
それと同時に、FANP処理部1107は、1394スイッチ1103に、「マンションバックボーン網側から入力された同期チャネル番号#xから入力された同期チャネルの信号は、家庭内バックボーン網側の同期チャネル番号#yに転送する。転送データはMPEGover1394である。」といったことを設定する。そのために、1394スイッチ1103には、図13のような設定テーブルを持っている。このようにして、1394スイッチ1103の設定がなされる。
【0172】
その後、デジタル放送蓄積サーバ107が、マンションバックボーン網の同期チャネル番号#xの同期チャネルに対して、MPEG映像のデータ送出を開始すると、これは1394インタフェース1101、チャネル番号処理部1102、1394スイッチ1103、チャネル番号処理部1104、1394インタフェース1105を経由して、家庭内バックボーン網に転送される。
【0173】
ここで、入り側のチャネル番号処理部1102は、1394スイッチ1103内の設定テーブル(図13参照)にて設定された入力同期チャネル番号について、これをフィルタリングして取り出し、該同期チャネル番号を持って入力されてきた同期パケットを、1394スイッチ1103にフォワードする機能を持つ。
【0174】
また、出側のチャネル番号処理部1104は、1394スイッチ1103内の設定テーブル(図13参照)にて設定された出力同期チャネル番号を付与し、これを同期パケットとして、1394I/F1105を介して送出する機能を持つ。
【0175】
さて、このMPEG映像データは、PC402に到達して、PC402上でPC内のMPEGデコード処理と、画像表示機能を用いて、閲覧することが可能である。
【0176】
さらに、PC402からの制御により、デジタル放送蓄積サーバ107から送られてきているMPEG映像をデジタルVTR403にて録画することも可能である。この手順について図12を参照しながら簡単に説明すると、PC402はIEC1883を使ってデジタルVTR403のPCR(プラグコントロールレジスタ)にアクセスし、同期チャネル番号#yからの信号を受信するように設定し、さらにIEEE1394AV/C(AV制御)プロトコルを用いて、録画モードにする。このようにすることにより、デジタルVTR403には、PC402が要求したデジタル放送蓄積サーバ107からのMPEG映像が同期チャネル#yを通じて到達し、それを録画することが可能となる(なお、このような手順については特願平9−115685に詳しい)。
【0177】
なお、図12においては、家庭内バックボーン網の帯域予約はホームルータ109により行われていたが、この帯域予約を図14のように、PC402により行うことも可能である。この場合、ホームルータ109に対して、データリンクスイッチを行って、「映像データを転送すべきは家庭内バックボーン網の同期チャネル#yであること」を認識させる必要がある。このため、データ取り出し要求のメッセージにあるID番号(p)を搭載し、「そのID番号を含むFANPメッセージが到達したならば、そのFANPで通知された同期チャネル(本実施形態の場合、#x)を家庭内バックボーンの同期チャネル(#y)にデータリンクスイッチングすべきこと」を通知するメッセージが、PC402からホームルータ109に対して送られることになる。これらのメッセージを元に、ホームルータ109は、内部のテーブルを設定し、データリンクスイッチを実現する。
【0178】
さて、上記では、高速通信あるいはリアルタイム通信の1つの方法として、デジタル放送蓄積サーバ107からの映像の伝送に、マンションバックボーン網および家庭1の家庭内バックボーン網の同期チャネルを使い、ホームルータにおける同期チャネル番号を参照した1394スイッチ部による、データリンクスイッチによるスイッチングの例を示した。
【0179】
以下では、高速通信あるいはリアルタイム通信の他の方法として、同期チャネルの代わりに、IEEE1394の非同期チャネルを用い、かつ、ホームルータにおいては、やはりデータリンク識別子のみを参照した、データリンクスイッチの例を説明する。
【0180】
この場合、ホームルータ109〜112の構成において、2つのチャネル番号処理部(1102,1104)夫々を、チャネル番号のみならず、非同期パケットのレジスタオフセットの値を使ったフィルタリング処理をも行うチャネル番号・レジスタオフセット処理部にする修正を加えるだけである。以下、チャネル番号・レジスタオフセット処理部に1102−2,1104−2の符号を付して説明する。
【0181】
ここでも、前述の場合と同様に、図4の家庭1の子供部屋のPC402が、図1のデジタル放送蓄積サーバ107から任意のテレビ番組を取り出して、それをPC402に映し出しつつ、同じ子供部屋のデジタルVTR403でデジタル録画する場合を考える。前述の例との相違点は、実際のMPEG映像の伝送の際に、同期チャネルではなく、非同期チャネル(非同期パケット)を用いる点である。図15にこの場合のシーケンス図の一例を示す。
【0182】
デジタル放送蓄積サーバ107が、映像データを出力する場合、図15のように、中継装置であるホームルータ109に「どのレジスタオフセットを用いて、映像データを送信して良いか」についての問い合わせを発行する。この問い合わせは、「ホームルータ109のマンションバックボーン網側のインタフェースにおいて、空いているレジスタオフセットの値を使うことができるか」について伺いを立てるものと位置づけることができる。この問い合わせのパケットには、今後、このレジスタオフセットを用いて、どのような通信をしようとしているのか(例えば通信帯域や上位アプリケーションなど)に関する情報を搭載してもよい。
【0183】
このオフセットアドレス問い合わせ/応答のメッセージについては、アドレスレゾリューションパケット(ARPパケット)を流用することも可能である。すなわち、ARP要求として、上記の「どのレジスタオフセットを用いて、映像データを送信して良いか」についての問い合わせを発行し、ARPの解決アドレスとして、ARP応答メッセージとして、上記レジスタオフセットの値を通知してもらう方法である。
【0184】
上記の問い合わせに対し、ホームルータ109は、現在空いている適当なレジスタオフセットの値をデジタル放送蓄積サーバ107に送り返す。ここでは、送り返されたレジスタオフセットの値が、#xであるとする。つまり、非同期パケットの宛先として、ホームルータ109のノードIDと、#xを付与して出すことを示している。
【0185】
レジスタオフセットの値の返送を受けたデジタル放送蓄積サーバ107は、前述の同期チャネルを使う場合と同様に、隣接ノード(この場合、ホームルータ109)に対してデータリンクレイヤにおけるスイッチングを促すため、FANP(Flow Attribute Notification Protocol)メッセージを送出する。このFANPメッセージには、宛先アドレスとして、データ配信を要求してきたノードのIPアドレス(この場合、PC402)、デジタル放送蓄積サーバ107がデータを配信する際に使用するレジスタオフセット値(#x)、伝送するデータの属性(例えば、MPEG映像等)等の情報が入る。使用する帯域などについての情報や、送信ノードのアドレス、エンドエンドのACKメッセージの要求の有無についての情報などが入ってもよい。
【0186】
次に、必要な手続きが終了し、相手端末への映像データなどのデータ転送の準備が整ったならば、データ蓄積部803に蓄積されていた、データの伝送が開始される。すなわち、ユーザ取り出し要求解析部807は、データ選択取り出し部804を介して、データ蓄積部803から必要な(要求された)データを取り出し、CIPヘッダ付加部805にて、1394上の非同期転送モードにおいて転送に必要なフォーマットに変換した上で、1394インタフェース(I/F)810を通して、データを送出する。その非同期パケットの宛先は、前述のように、「ホームルータ109のノードID、レジスタオフセット#x」である。
【0187】
次に、ホームルータ109の動作について、一連のシーケンス図を見ながら説明する。
【0188】
前述のデジタル放送蓄積サーバ107からホームルータ109に向かって送出されたFANPパケットは、1394インタフェース1101、レジスタ処理部1106、IP処理部1109を経由して、FANP処理部1107に到達する。ここでは、まずターゲットがPC402であることを認識し、該PC402とつながるネットワークが家庭内バックボーン網であることを認識する。次に、デジタル放送蓄積装置107がホームルータ109に対して行ったのと同様の、レジスタオフセット値の獲得手続きを家庭1の家庭内バックボーン網について、PC402に対して行う。獲得できたレジスタオフセット値が#yであるとする。次に、PC402に向けて、FANPメッセージを送出する(PC402は、この段のネットワーク上に存在しているので、送出しなくてもよい。)
これと同時に、FANP処理部1107は、1394スイッチ1103に、「マンションバックボーン網側から入力されたレジスタオフセット#x宛てのパケットは、家庭1の家庭内バックボーン網側に、PC402(のノードID)のレジスタオフセット#y宛ての非同期パケットに書き直した上で、家庭1の家庭内バックボーン網に送出する」といった設定を行う。その際の設定テーブルの内容は図16のようになる。このようにして、1394スイッチ1103の設定がなされる。
【0189】
その後、デジタル放送蓄積サーバ107が、マンションバックボーン網に、ホームルータ109のレジスタオフセット#x宛てに、非同期パケットでMPEG映像のデータ送出を開始すると、送出されたデータは、1394インタフェース1101、チャネル番号・レジスタオフセット処理部1102−2、1394スイッチ1103、チャネル番号・レジスタオフセット処理部1104−2、1394インタフェース1105を経由して、家庭内バックボーン網に転送される。この間、図16のテーブルを参照することにより、IP処理は行われず、データリンクレイヤヘッダのみを参照したスイッチングが行われている。
【0190】
ここで、入り側のチャネル番号・レジスタオフセット処理部1102−2は、1394スイッチ1103内の設定テーブル(図16参照)にて設定された入力レジスタオフセット値について、これをフィルタリングして取り出し、該レジスタオフセット値を持って入力されてきた非同期パケットを、1394スイッチ1103にフォワードする機能を持つ。
【0191】
また、出側のチャネル番号・レジスタオフセット処理部1104−2は、1394スイッチ1103内の設定テーブル(図16参照)にて設定された宛先ノードID(この場合、PC402のノードID)としてレジスタオフセット値を付与し、これを非同期パケットとして、1394I/F1105を介して送出する機能を持つ。
【0192】
このMPEG映像データは、PC402に到達して、PC402上でPC内のMPEGデコード処理と、画像表示機能を用いて、閲覧することが可能である。
【0193】
なお、この場合は、MPEG映像の伝送を非同期パケット、すなわちベストエフォートにて行っているため、通信品質の保証は必ずしもなわれておらず、高品質の映像をユーザが求めている場合には、アプリケーションレイヤでの対応が必要になる。また、非同期転送モードの際には、バスリセットの前後にノードIDが変化する可能性があるので、このような場合は、オフセットアドレス問い合わせ/応答メッセージなどのやり取りを再度行う必要がある。
【0194】
次に、マンションの家庭間で行なわれる家間通信を行う場合について説明する。家間通信の例として、図1の家庭1と家庭2との間での通信を想定する。まず、家庭1のユーザが、家庭2のVTR(図4のVTR403に相当;以下、403−2と付す)にアクセスして、該VTR(403−2)に録画してあるMPEG映像データを家庭1の家庭内バックボーン網、マンションバックボーン網、家庭2の家庭内バックボーン網を経て、家庭1のPC402に映し出すプロセスを例として説明する。なお、説明の簡略化のため、家庭2の中の装置構成も図4と同様の構成になっているものとする。また、以下、VTR(403−2)と同様に参照符号に−2を付してあるものは、家庭2の機器(図4の各機器(−2を除いた参照符号を持つもの)に相当するもの)であることを示すものとする(図17、図18、図21も同様)。
【0195】
まず、家庭2のホームルータ110は、他の家庭(本例では家庭1)に対して、家庭2の中にどのような装置および/またはサービスが提供されているかを紹介する。このサービスをディレクトリサービスと呼ぶものとする。
【0196】
ところで、各家庭のユーザは、自分の家庭の中の装置構成やサービス、ましてそのコンテンツなどを他の家庭に公開することには、一般にプライバシの問題もあり、大きな抵抗があることが考えられる。そこで、本実施形態では、家庭の中の装置構成やサービスのうち、どれを外部に公開するかを選択的に設定できる機構を提供する。この設定は、家庭の内部からでも、家庭の外部からでも、どちらからでも行うことができる。
【0197】
まず、家庭内部から公開する装置および/またはサービスを設定する方法について説明する。まず、ホームルータ110は、家庭2内の装置、サービスについての情報を収集する。なお、この手順の詳細はインターネットのサービスロケーションプロトコル(インターネットドラフトのdraft−ietf−svrloc−rotocol−15.txt)、IEEE1394スペック(IEEE1394−1995 specification)、特願平9−115685等に詳しく開示されている。
【0198】
この手順の一例を図17に示す。図17のように、ホームルータ110は、サービスロケーションプロトコルのディレクトリエージェント(DA)となっている。最初に、家庭内のサービスロケーションプロトコルが実装されたノードからの、サービスリクエスト(predicate=DA,宛先IPアドレス=ディレクトリエージェントディスカバリ用マルチキャストアドレス)をホームルータ110は受信する。このメッセージは、「ディレクトリサーバはどこにあるのか」をネットワークに尋ねる意味がある。このサービスリクエストに対し、ホームルータ110は、自身がディレクトリサーバであることを示すDAアドバタイズメントを送り返す。このDAアドバタイズメントを受けたノードは、自分がどのようなサービスを行っているかについての情報を登録するサービス登録メッセージを、ホームルータ110に対して送出する。ホームルータ110がサービスACKを送り返すことで、サービスの登録は終了する。
【0199】
また、上記の手順とは別に、図18のように、ホームルータ110が、家庭2の家庭内ネットワークに接続された1394ノードのコンフィグレーションメモリの読み込みを順次行っていくことにより、各1394ノードのレジスタから、その接続された機器についての情報を収集する。通常は、機種名やメーカ名などを入手できる。
【0200】
さらに、手設定による情報入力などを行うようにしてもよい。
【0201】
これらの方法を通して、ホームルータ110は、家庭2内に存在する、ネットワークに接続されたサービスあるいは機器についての情報を収集する。
【0202】
これら収集したサービスあるいは機器についての情報のうち、家庭2のユーザが外部に見せてもよいと考えるサービス/機器もあれば、外部には見せたくないと考えるサービス/機器もあろう。そのため、ホームルータ110には、家庭2内に存在すると認識したサービス/機器のうち、どれを外部に見せてもよいかをユーザ側に選択させる手順を持つ。
【0203】
例えば、ホームルータ110の何らかの画面上に、認識されたサービス/機器の一覧を表示し、ユーザに対して「どのサービス/機器を外に見せてもよいですか?」といった聞き方で、ユーザに選択をさせる、といった方法が考えられる。この場合は、ホームルータ110自身がWWWサーバとなって、ホームページを持ち、このホームページ上でどのサービスあるいは機器を外に見せるか(家庭外からの制御を可能にするか)を選択できるようにしておけば、このホームページをアクセスすることによって、家庭の内外からの「どの機器/サービスを、見せる/見せない」に関する制御を可能にすることができる。
【0204】
なお、選択された公開する端末/サービスは、サービス表示テーブル1114に登録される。
【0205】
上記の方法であれば、家庭外からの設定も可能である。ただし、家庭外から、このホームページを通した設定を行うためには、その設定の前に、その設定を行う者について、許されたその家庭2のユーザであるか否かを認証するステップを設けるのが望ましい。この場合の手順の一例を図19に示す。
【0206】
また、例えばMicrosoft社のウインドウズ95等のように「共有」の機能を提供するOSを搭載した機器については、このウインドウズOS等に含まれる「共有」の機能を用いても、これを実現することができる。すなわち、共有において、同じワークグループに属している場合について、その機器を外に見せる、といった方法である。
【0207】
このようにして、家庭外に見せてもよいサービス、機器が設定される。ここでは、家庭2のデジタルVTR(402−3)とPC(402−2)を外部に見せてもよいサービス/装置として登録したものとする。
【0208】
さて、ホームルータ110は、マンションバックボーン側(あるいは、電話/ISDN端子側)に対して、サービスロケーションプロトコルを稼動する場合に、サービス要求(サービスロケーションプロトコルにおけるサービスタイプリクエスト、サービスリクエスト、属性リクエストの各メッセージ)に対して、ホームルータ110以外の家庭2外のノードには、デジタルVTR(403−2)とPC(402−2)あるいはPC(402−2)上で稼動しているしかるべきサービスのみを外部に見せる。
【0209】
例えば、図20のシーケンスのようにして、サービスタイプとして、デジタルVTR(403−2)と、ホームルータ110にて稼動しているWWW(HTTP)サーバ、PC(402−2)にて稼動しているファイルサーバのサービスのみを外部に見せるように設定したとすると、それらのサービスのロケーションがサービスタイプリプライメッセージ等に含められて、外部に紹介される。
【0210】
その際、IPのサービスロケーションプロトコルによって登録されたサービス(例えば、IP端末であるPC(402−2)で提供されるサービスや、ホームルータ110で提供されるサービス)については、そのまま、その装置のIPアドレス(あるいはドメインネームなど)を使って、サービスの広告が行われる。また、1394端末であるデジタルVTR(403−2)については、ホームルータ110が代理サーバとして、自分のアドレスと、デジタルVTRを特定できるポート番号と共に、これを外部に広告する。以降、そのアドレスに対して、RTSP等を用いて、その制御要求がきた場合は、これを1394コマンドに翻訳して、デジタルVTR(403−2)に通知したり、必要な通信資源を確保するなりの動作を行うことになる。これらは、1394代理サービス処理部1111の役割である。選択された端末/サービスは、サービス表示テーブル1114に登録される(なお、以上の手順は特願平9−115685に詳しく開示されている)。
【0211】
次に、上記のようにして家庭2のホームルータ110に登録されたサービス/装置情報をもとに、家庭1のPC402から、家庭2のデジタルVTR(403−2)を制御して、該家庭2のデジタルVTR(403−2)内に録画された映像データを、家庭1のPC402上で見る場合の手続きについて図21を参照しながら詳述する。
【0212】
まず、家庭1のPC402は、家庭2のホームルータ110にアクセスし、サービスタイプリクエストを送出する。PC402上のGUI(Graphical User Interface)は、Webのホームページなどでよい。家庭2のホームルータ110は、自身のWWWサーバ、PC(402−2)のファイルサーバ、それにデジタルVTR(403−2)についてサービスタイプリプライを行う。続いて、サービスタイプリクエストや属性リクエストを行って、そのサービスや機器についてのアドレス情報やその属性情報を入手する。家庭1のPC402上に表示されるGUIの例を図22に示す。
【0213】
次に、家庭1のPC402は、例えば図22のGUI上で家庭2のデジタルVTR(403−2)を選択し、その端末もしくはサービスに対して遠隔制御コマンドを発行する。具体的には、RTSPを使って、ある特定の番組の再生コマンドを発行する。実際には、このコマンドは、代理サーバである家庭2のホームサーバ110のあらかじめ定められたポートに到達する。
【0214】
すると、家庭2のホームルータ110は、これが家庭2のデジタルVTR(403−2)への遠隔操作要求であることを認知し、家庭2のデジタルVTR(403−2)の遠隔操作をすべく必要な処理を行う。まず映像伝送に必要な通信資源を確保すべく、家庭2の家庭内バックボーン網の通信資源(帯域、同期チャネル番号#x)を獲得する。次に、その同期チャネルについて、データ送信を促すIEC1883と、デジタルVTR用に定められた1394AV/Cプロトコルを用いて、家庭2のデジタルVTR(403−2)に対して、データ送出を働きかける。
【0215】
これと前後して、家庭2のホームルータ110は、マンションバックボーン網上に、映像伝送に必要な通信資源(帯域、同期チャネル番号#y)を獲得し、IEC1883にて、家庭1のホームルータ109に、データ受信を促す。
【0216】
この時点で、家庭2のホームルータ110は、家庭2のバックボーン網側の同期チャネル#xと、マンションバックボーン網側の同期チャネル#yとが互いに対応することを認識し、図12や図14を参照しながら先に説明したように、内部の1394スイッチ1103のテーブルの設定を行う。
【0217】
その後、前述したFANPメッセージをホームルータ109に対して送出する。このFANPメッセージには、ターゲット端末が家庭1のPC402であること(PC402のIPアドレスが記載されている)、転送するデータがMPEG映像であること(IPパケットではない。よって、IEC1883で定められたMPEGove1394の伝送フォーマットにて伝送されることを意味する)、その要求帯域が6Mbpsであること、家庭1のホームルータ109まで家庭2のホームサーバ110が先に確保した同期チャネル番号#yの同期チャネルを使って伝送すること等が記されている。なお、FANPメッセージには、必要な認証情報などが入っていてもよい。この認証情報には、そのFANPパケットの送出元が家庭2のホームルータ(あるいは家庭2のユーザ)である旨の情報や、そのFANPパケットが改ざんされていないことを証明する認証情報等が含まれていてもよい。
【0218】
FANPメッセージを受信した家庭1のホームルータ109の動作は、図12等を参照しながら説明した場合とほぼ同様である。すなわち、家庭1のホームルータ109内のスイッチ使用許可テーブル1113を参照して、家庭2のユーザが家庭1のホームルータにおいて、1394スイッチ1103を介してデータリンクレイヤの識別子のみの参照により、パケット(フレーム)のフォワーディングを行なってもよいかどうかについてチェックを行ない、これが許可されている場合には、その導通を許可する。
【0219】
ここで、スイッチ使用許可テーブル1113への設定については、例えば図23のように、導通が許可されるユーザあるいは端末、ホームルータの一覧表が用意されており、このテーブルへの設定という形で、該設定が行なわれる。
【0220】
さて、家庭1内のホームルータは、導通が許可されると、家庭1内の家庭内ネットワークにおいて、同期チャネル#zを確保し、家庭1のホームルータ109は、マンションバックボーン網側の同期チャネル#yと、家庭1の家庭内バックボーン網側の同期チャネル#zとが互いに対応することを認識し、図12等を参照しながら説明した場合と同様に、内部の1394スイッチ1103のテーブルの設定を行う。
【0221】
結局、実際の家庭2のデジタルVTR403から、家庭1のPC402への映像データは、家庭2の家庭内バックボーン網、家庭2のホームルータ110の1394スイッチ、マンションバックボーン網、ホームルータ109の1394スイッチ、家庭1の家庭内バックボーン網を通して、PC402に到達する。よって、家庭1のPC402上で家庭2のデジタルVTR403−2からの映像を見ることができるようになる。
【0222】
この場合、転送されるデータは必ずしもIPパケットではないこと、1394スイッチの使用のための認証のステップがFANP内の領域として確保してもろいこと等から、この同期チャネルおよびデータリンクスイッチングの場合は、ホームルータ内でのIPパケット毎のパケットフィルタリング/ファイアウオール処理を省略することができる。これは、一般にパケットフィルタリングは処理負荷のかかるため、映像通信などの広帯域通信を行う場合には、極めて有益である。しかしながら、パケットフィルタリング無しでのパケット透過ができてしまうことから、認証等の運用は慎重に行うべきであることは言うまでもない。
【0223】
インターネットサーバ108は、インターネットにアクセスする際の代理サーバとNAT(Network Address Translation)の働きをする。端末(例えば、PC402)は、インターネットサーバ108にまずアクセスする。インターネットサーバ108は、いわゆるプロキシサーバや、NATの機能を使うことにより、マンション内部のアドレス構造が外部に見えないようにしている。よって、マンション内部ではプライベートIPアドレスでの運用が可能である。
【0224】
さて、上記ではネットワークレイヤのパケットをそれより下位のレイヤの処理によってスイッチングする際のセキュリティーに関してホームルータとIEEE1394に適用した場合について説明しているが、以下では、これを一般的なラベルスイッチングに適用した例を示す。
【0225】
ここで、以下の説明で使用される語句と、これまでの実施形態において使用された語句との対応について示しておく。なお、基本的に、以下の説明で使用される語句は、これまでの実施形態において使用された語句を包含するより一般的な概念である。
・「パケットストリーム」は、「データ(例えば映像データ)」と対応する。
・「チャネル識別子(ラベル)」は、「リンクレイヤの識別子(例えば同期チャネル番号)」と対応する。
・「ラベルスイッチングによるパケット転送」は、「同期チャネル#x:#yの対応関係が設定テーブルに記憶された1394スイッチによるデータ転送」/「1394スイッチによる、データリンクレイヤ識別子のみの参照で行われるパケット(フレーム)のフォワーディング」/「導通」/「データリンクスイッチング」と対応する。
・「LSPの中継点のルータ」は、「マンションバックボーン網と家庭内網との境界にあるホームルータ」と対応する。
・「LSP設定要求メッセージ」は、「FANPメッセージ」と対応する。
・「LSP設定要求メッセージの送信元を示す情報(LSPを設定してあげるべき隣接ルータ(登録された)との比較対象となるもの)」は、「FANPパケットの送出元が家庭2のホームルータである旨の情報(導通が許可される主体(登録された)との比較対象となるもの)」と対応する。
・「LSPに流したいストリームに関する情報(宛先)」は、「ターゲット端末のIPアドレス」と対応する。
・「ポリシーテーブル」は、「スイッチ使用許可テーブル」と対応する。
なお、「LSPの始点となるノード」と、「(この)LSPに流したいストリームの送信元」とを、以下では区別して説明するが、これまでの実施形態においてはそれらが同じもの(家庭2のユーザあるいは端末)である例を示した。これまでの実施形態でも、家庭2のユーザあるいは端末が、導通が許可される主体(登録された)との比較対象となり得ることは示されている。
【0226】
以下では、キャンパス/企業網、インターネットサービスプロバイダー(ISP)網などから構成される広域IPネットワークにおいて、ラベルスイッチングパス(LSP)を設定する範囲の限定、およびLSPを利用できるパケットストリームの限定を行う実施形態について説明する。これら範囲や対象の限定は、後述するLSP設定制御手順によって行われる。
【0227】
本発明では、例えば、あるセグメントにとって、すべての外部セグメントから/へのパケットストリームの送受信はしないか、あるいは特定のパケットストリーム(送受信アドレスやアプリケーション等により指定される)に限定して外部セグメントとのパケット送受信をしたいような場合、セグメント外部のノードを始点/終点とするLSPの設定はしないか、あるいは特定のストリームしか送受信されないことが確実な場合に限りセグメント外部を始点/終点とするLSP設定を行えることが望ましい。
【0228】
また、例えば、あるセグメントにとって、特定のセグメントとの間でのみLSPによるパケットストリームの送受信を行って、その他のセグメントから/へのパケットストリームの送受信はしないか、あるいはパケット毎のフィルタリングを行いたいような場合、その特定のセグメント内のノードを始点/終点とするLSPのみを設定できることが望ましい。さらに特定のセグメントとの間で特定のパケットストリームに限定して送受信したいような場合、そのセグメントとの間で特定のストリームしか送受信されないことが確実な場合に限りそのセグメントとのLSP設定を行えることが望ましい。
【0229】
また、例えば、あるセグメントにとって、他のセグメントにまたがるLSPの設定を、LSPの始点や終点による制限ではなく、隣接するセグメントによる制限として、1)あらかじめ契約等により定めた特定の隣接セグメントの特定の隣接ルータにまたがるLSP設定に制限したい場合、2)あらかじめ契約等により定めた特定の隣接セグメントにまたがる特定のストリームを運ぶLSPに制限したい場合、3)上記の1)と2)の両方の制限をしたい場合、などが考えられる。
【0230】
以上のように、ラベルスイッチングを利用した場合でも特定のセグメントに/から流入/流出するパケットストリームを制限することで従来と同様のセキュリティ機能を維持できること、また特定のセグメントとの間や特定のセグメントの特定の隣接ルータとの間でのLSP設定に限定することで通信帯域やラベル値などの網リソースの消費を制限できることが望ましい。
【0231】
なお、隣接ルータとは、物理リンクで直接接続された隣接ルータだけでなく、なんらかの論理リンク(データリンク層の仮想コネクションあるいはLSPで作られたトンネルなど)によって接続されたルータも含むものとする。
【0232】
図24に、広域IPネットワークの一例を示す。図24に示されるように、この広域IPネットワークは、3つのネットワークセグメント、すなわち、境界ルータ2011,2012,2013,2014および内部ルータ2015,2016より構成されるネットワークセグメント2010、境界ルータ2021,2022,2023,2024および内部ルータ2025より構成されるネットワークセグメント2020、境界ルータ2031,2032,2033および内部ルータ2034より構成されるネットワークセグメント2030を含んでいる。本ネットワークでは、ネットワークセグメント2010とネットワークセグメント2020とは、2個所(すなわち、境界ルータ2012−2021間と境界ルータ2013−2024間)で相互接続されているものとする。なお、各ネットワークセグメントは、図示したルータ以外に他のルータを含んでいても良い。
【0233】
図25に、本実施形態に係るラベルスイッチルータの構成例を示す。本実施形態に係るLSP設定制御手順は、このラベルスイッチルータによって行われる。
【0234】
図25に示されるように、このラベルスイッチルータは、ATMセル、フレームリレーフレーム、あるいは他の形式のラベルヘッダの付与されたフレームの送受信を行う、k(kは任意数)個の送受信インタフェース部4001−1〜4001−k、いずれかの送受信インタフェース部(4001−1〜4001−k)で受信したフレームの受信ラベル値をもとに決定された他のいずれかの送受信インタフェース部(4001−1〜4001−k)へフレームを転送するスイッチ部4003、コントローラ部4000を備えている。
【0235】
コントローラ部4000は、ラベル付きフレームからレイヤ3パケットを抽出し(フレームをパケットに変換し)およびその逆変換(パケットからフレームへの変換)を行うフレーム・パケット変換部4004、レイヤ3パケットの転送処理(データパケットであれば経路表4011に従い所定の次段ノードへの転送処理、制御パケットであれば制御メッセージ処理部4006へ転送)を行うパケット転送部4005、LSP制御(設定・解放、隣接認識など)に関わるメッセージの送受信処理を行いLSP制御部4007への通知を行う制御メッセージ処理部4006、LSPの状態管理や設定・解放制御に関わる処理を行うLSP制御部4007、LSP設定・解放に伴うスイッチ部4003の設定変更等の制御を行うスイッチ制御部4008、後述するLSP設定可否の判断に関するポリシー的なルールを記憶するポリシー管理部4009、ラベル値や通信帯域などの網リソースの観点からLSP設定が可能か否かを判断するためのリソース使用状況を記憶するリソース管理部4010、レイヤ3ルーティングプロトコルに基づき管理する経路情報を記憶する経路表4011、などから構成される。
【0236】
なお、パケット転送部4005として説明した、データパケットを経路表4011に従い所定の次段ノードへ転送する機能は、持たないように本装置を構成することも可能である。
【0237】
以下では、図24の広域IPネットワークと図25のラベルスイッチルータを用いて、設定可否の制御のバリエーションに関して4つのLSP設定制御の例について順番に説明する。なお、以下では、ネットワークセグメントを略してセグメントと呼ぶものとする。
【0238】
<隣接セグメント(隣接ルータ)により設定可否を制御する例(第1の例)>まず、第1の例として、ラベルスイッチを行うルータが、隣接ルータ毎にLSP提供を許容するか否かのポリシーを記憶し、その記憶内容に基づきLSP設定可否を制御する例について説明する。
【0239】
図24において、例えば、セグメント2010とセグメント2020の2個所の接続点のうち、セグメント2010の一方の境界ルータ2012においてセグメント2020(境界ルータ2021)に対するLSP提供サービスを行い、他方の境界ルータ2013においてはセグメント2020(境界ルータ2024)に対するLSP提供サービスを行わないものとする。
【0240】
まず、セグメント2010の境界ルータ2012とセグメント2020の境界ルータ2021との間では、LSP制御を行うための隣接ノードとしての隣接認識手順を実行している。これは例えば、自ノードのアドレス等の識別子を含んだHELLOメッセージとそれへの応答メッセージの相互のやり取り、およびKEEPALIVEメッセージによる継続的な隣接認識の確認等により実現される。なお、この隣接認識手順で交換されるメッセージには、お互いが契約している隣接ルータかどうかを認識するための認証情報(パスワードあるいは情報内容を特定の鍵で暗号化したビット列など)を含ませるようにしてもよい(このようにすれば、より安全性を向上させることができる)。
【0241】
上記のような隣接認識手順の後、境界ルータ2012と境界ルータ2021との間での実際のLSP設定、解放、経路変更などの各種制御メッセージのやり取りのためのセッションが確立され、以後そのセッション上で各種制御メッセージをやり取りすることが可能になる。
【0242】
次に実際に、セグメント2020からセグメント2010の方向へ向けて転送する特定のパケットストリームのために、セグメント2020の境界ルータ2021がセグメント2010の境界ルータ2012に対してLSP設定要求メッセージを送信する場合の動作について説明する。
【0243】
図26に、LSP設定要求メッセージ受信時における判断処理の手順の一例を示す。
【0244】
ここで、図27に、LSP設定要求メッセージのメッセージ形式の2つの例を示す。図27に示すように、LSP設定要求メッセージに含まれる情報には、LSPに流したいストリームに関する情報、実現したいCoS(クラスオブサービス)に関する情報、メッセージの送信元を示す情報(メッセージ送信元情報)などが含まれる。さらに、後述する例のように、LSPの始点を表す情報を含めるようにしてもよい(本例では、含めなくても構わない)。
【0245】
図27の(a)の例では、メッセージ送信元情報は、LSP設定要求メッセージのヘッダ内に記載された送信元レイヤ3アドレスから抽出する。図27の(b)の例では、メッセージ送信元情報は、LSP設定要求メッセージの情報フィールドに記載される。
【0246】
また、図28に、ポリシーテーブルの一例を示す。
【0247】
ポリシーテーブルには、LSPの設定(中継)を行うべき隣接ルータの識別する情報(レイヤ3アドレスなど)の一覧が記載さいている。後述するような、さらにそのLSPを利用するストリームまで制限するような場合には、その許容するストリーム情報が記載される(ストリーム情報を限定しない場合には、その欄もしくは記載は不要である)。なお、そのLSPに提供すべきCoS値を限定するような場合には、そのCoS値も記載される(CoS値を限定しない場合には、その欄もしくは記載は不要である)。
【0248】
さて、境界ルータは、LSP設定要求メッセージを受信すると、ステップS201にて、このメッセージの送信元ルータが登録されているものであるか否かを判断する。
【0249】
具体的には、LSP設定要求メッセージを受信した境界ルータ2012のLSP制御部4007では、まず、メッセージの送信元情報(および必要な場合にCoS情報)を抽出し、LSPの中継をすべきノードからのメッセージか否かをポリシー管理部4009に問い合わせる(なお、本例では、ストリーム情報はポリシー管理部4009での判定には用いない)。
【0250】
ポリシー管理部4009では、図28に例示したようなポリシーテーブルを参照し、メッセージ送信元情報に示されたノードがポリシーテーブルに登録されているか否かをチェックする。
【0251】
このポリシーテーブルの参照の結果、LSP設定要求元があらかじめ契約等によりLSPを提供すべきセグメント2020の境界ルータ2021であるか否かを判断する(なお、前述の認証情報による認証を採用する場合には認証情報のチェックも併せて行う)。さらにLSP設定要求メッセージに要求CoSが含まれている場合には、要求CoS値とポリシーテーブル内の許容CoS値とを比較し、受付け可否を判断する。
【0252】
設定要求メッセージの送信元が契約しているセグメントの登録されたルータ以外である場合(またはメッセージ内の要求CoS値がポリシーテーブル内の許容値により条件を満足しない場合)には、LSP制御部4007は、設定要求を拒絶することになる。
【0253】
このとき、拒絶を通知するメッセージ(このメッセージ内に拒絶の理由を記述するようにしてもよい)を制御メッセージ処理部4006から返送するように取り決めてもよいし、あるいは特にメッセージは返送しないように取り決めてもよい(後者の場合、送信元ノードが、例えば、応答メッセージが返ってこないことから直ちに、あるいは規定回数だけ要求メッセージを再送しても応答メッセージが返ってこないことから、拒絶されたものと判断する)。なお、この点は、後述する第2〜第4の例の場合も同様である。
【0254】
なお、設定要求メッセージには、メッセージ送信元が確かに正しい送信元であることをメッセージの受信側が確認するための認証情報が含まれていることがあるが、この場合にはメッセージ送信元情報とともに認証情報をLSP制御部4007において確認した上で、受信メッセージを受け付ける否かを判断する。
【0255】
さて、受信メッセージ内のメッセージ送信元情報(および必要な場合にCoS値)とポリシーテーブルの比較チェックにより、受信したLSP設定要求メッセージを処理しても良いと判断した境界ルータ2012は、次に、ステップS202にて、ラベル(あるいは必要なら帯域)などの網リソースが確保できるか否かなどをリソース管理部4010に問い合わせ、ここでLSP設定要求を受け付け可能であるか否かの判断が行われる。
【0256】
受け付け可能であると判断した場合には、例えば、境界ルータ2021に対してLSP設定要求の受け付けを示すメッセージ(要求ストリームに割り当てられるラベル情報などが含まれる)を返送するとともに、要求ストリームに関する次段(下流)ルータ(図24では例えばルータ2015)に対して同様のLSP設定要求メッセージを制御メッセージ処理部4006から送信する。なお、応答メッセージのバリエーションについては後に言及する。
【0257】
以下、ルータ2015,2016などの下流のルータでは、上流隣接ルータから受け取ったLSP設定要求に対して、境界ルータ2012が行ったのと同様にメッセージ送信元情報等のポリシー情報のチェックおよび必要な場合に網リソースチェックを行い、また必要に応じて所定のメッセージを送信する。
【0258】
これによって、例えばルータ2021→ルータ2012→ルータ2015→…といったラベルスイッチングパスが設定される。
【0259】
上記では、ルータ2015,2016などの下流のルータが境界ルータ2021と同様の判断を行うとして説明したが、同一のセグメント内の隣接ルータから受信したメッセージであることが保証されるような場合に関しては、メッセージ送信元情報のチェックを省略するようにしてもよい。例えば、ルータ2015がメッセージを受信したインタフェース(図24では4001−1〜4001−k)には、ポイント−ポイント接続により同一セグメントのルータ2012が接続されている場合には、セグメント外部の他のルータが偽ってルータ2012から送信したように見せかけてルータ2015にメッセージを送ることはほぼ不可能であるため、ルータ2015におけるメッセージ送信元情報の認証を不要とすることができる。一方、例えば、ルータ2015とルータ2012がスイッチ等により接続されていて、かつそのスイッチ経由でルータ2015とセグメント外のルータとが直接接続可能であるような場合には、セグメント外部のルータが偽ってルータ2012から送信したように見せかけてルータ2015にメッセージを送出できる可能性があるため、ルータ2015においても境界ルータ2012と同様にメッセージ送信元情報のチェックを行う方が好ましい。
【0260】
なお、契約しているセグメントの登録されたルータ以外の隣接ルータに対しては、(1)ラベルスイッチの隣接ルータとしての隣接認識手順は登録されているルータの場合と同様に実行するが、個々のLSP設定要求時に送信元をチェックし拒絶する、(2)隣接認識手順は実行するが、その認識手順においてLSP設定要求は拒絶する旨を明示する、(3)隣接認識手順自体あるいはそれに続く制御メッセージ用セッションの確立自体を拒絶する、などのいずれかによりLSPの提供を拒絶することになる。
【0261】
ところで、上記では、LSP設定要求メッセージを受信したルータが、これを受け付け可能であると判断した場合に、上流ノードに受け付けを示すメッセージを返送するとともに、下流ノードにLSP設定要求メッセージを送信する例で説明したが、応答メッセージのやり取りに関しては一般的なラベルスイッチングプロトコルにおいて種々のバリエーションがあり、本発明はそのいずれにも適用可能である。例えば、受け付け可能であると判断した場合に上流ノードに受け付けを示すメッセージをすぐには送信せずに下流ノードにLSP設定要求メッセージを送信することを、各ノードが次々と行った後に、設定されるラベルスイッチングパスの最下流側のノードから上流側に次々と受け付けを示すメッセージを伝える(すなわち、下流ノードから受け付けを示すメッセージを受信したら、上流ノードに受け付けを示すメッセージを送信する)ようにしてもよい。また、自ノードの下流ノードで拒絶の判断がされた場合に、上流ノードに受け付けを示すメッセージを出すことで、可能な範囲でパスを設定するようにしてもよいし、あるいは自ノードの下流ノードで拒絶の判断がされた場合に、上流ノードに拒絶を通知するメッセージを出してこの場合にはパスは一切設定しないようにしてもよい(この場合、他のノードは下流ノードから拒絶を通知するメッセージを受信したら、自装置で受け付けの判断がされていても上流ノードに拒絶を通知するメッセージを送信する)。また、その他にも種々のバリエーションが存在する。なお、この点は、後述する第2〜第4の例の場合も同様である。
【0262】
さて、図28に例示したポリシーテーブルの登録内容には、LSPを提供するか否かという情報に加えて、通信品質を問わないベストエフォット(低い通信クラス)のLSPのみに限定した提供なのか、所定の通信品質クラスあるいは具体的な通信品質値を実現するLSPも提供するのか等の情報も含むことが可能であるが、そのようにした場合には、上述した隣接認識手順あるいはその後に行われる制御メッセージ用セッション確立手順においてその通信品質等の付随情報を交換、交渉するようにしてもよい。なお、図28のポリシーテーブルにはLSPを提供可能なパケットストリームに関する情報も含むことが可能であるが、これを利用する例については、次の第2の例で述べる。この第1の例では、このLSPを利用するストリーム情報は問わない(ワイルドカード)で隣接ルータ情報(および必要な場合に通信品質情報)からLSP設定可否を判断する場合に関して説明した(もちろん、この第1の例では、図28の内容からストリーム情報の欄を省いた構成のポリシーテーブルを用いてもよい)。
【0263】
あるパケットストリームのためのLSP設定要求をいずれかの理由により拒絶した境界ルータ2012が、そのLSP設定を拒絶した相手の境界ルータからのパケット(ラベルの付与されていないもの)を受信した場合には、パケット転送処理部4005もしくはスイッチ部4003が、以下のような動作を行う。すなわち、受信したパケットを廃棄する(パケットの受信すら拒絶する)、あるいは従来のネットワーク層のヘッダ処理を行って次段のルータ2015を選択し、選択した次段ルータ2015へ向けてパケットを転送する(ホップバイポップ転送処理を行う)、あるいは自ノードが始点となって設定されているLSPにそのパケットを転送する、などの対処が考えられる。登録されていない通信品質クラスを要求したためにLSP設定を拒絶されたパケットストリームに属するパケットを境界ルータ2012が受信した場合には、境界ルータ2012を始点として、あるいは境界ルータ2021から境界ルータ2012を中継点として設定されている別の(低品質の)LSPのうちで、パケットストリームの定義を満たすものが存在する場合には、受信パケットにネットワーク層処理を行って、そのLSPへパケットを転送することも可能である。あるいは、登録されていない通信品質クラスを要求された場合に、境界ルータ2012が上流側のラベルと下流側の低品質のラベルとを対応付け、受信パケットにネットワーク層処理を行わずに、境界ルータ2012を中継点とする、設定が要求されたLSPとは別のLSPでパケットストリームの定義を満たすものの上へパケットを転送することもできる。
【0264】
<隣接セグメント(隣接ルータ)およびストリーム情報により設定可否を制御する例(第2の例)>
次に、第2の例として、ラベルスイッチルータが、隣接ルータ毎にLSP提供(中継)を許容するか否か、およびどのようなパケットストリームに対してLSP提供を許容するかに関するポリシーを記憶し、その記憶内容に基づきLSP設定を制御する例について説明する。
【0265】
ここでは、図24において、セグメント2010とセグメント2020の2個所の接続点のうち、セグメント2010の一方の境界ルータ2012においてはセグメント2020からのトラヒックに対するLSP提供をある特定のパケットストリームに限定し、他方の境界ルータ2013においてはセグメント2020からのトラヒックに対するLSP提供を別の特定のパケットストリームに限定した場合を例にとって考える。
【0266】
ここで、パケットストリームの定義としては、例えば、データパケットの送信元に関する情報(例えば、送信元ホストアドレス、あるいは送信元ネットワークアドレス、あるいは送信元ホストアドレスとプロトコルとポート番号の組など)と、データパケットの宛先に関する情報(例えば、宛先ホストアドレス、あるいは宛先ネットワークアドレス、あるいは宛先ホストアドレスとプロトコルとポート番号の組、あるいはルーティングドメインの出口ルータなど)とのいずれか一方、あるいは両方の組み合わせが考えられる。
【0267】
この例でも、LSP設定、解放等の制御を行うための隣接ノードとしての隣接認識手順が、セグメント2010の境界ルータ2012とセグメント2020の境界ルータ2021との間、および境界ルータ2013と境界ルータ2024との間でそれぞれ実行されている。この隣接認識手順で交換される制御メッセージには、第1の例と同様に、お互いのルータのアドレス等の識別子や必要であればお互いの正当性を確認するための認識情報(パスワードあるいは情報内容を特定の鍵で暗号化したビット列など)が含まれる。どのようなパケットストリームに対してLSP提供を要求するか(あるいは提供を許容するか)に関しては、オフラインの契約等により決定され、決定した内容を境界ルータ2012および境界ルータ2013(および必要なら他の内部ルータ1015,1016等も)の各々のポリシー管理部4009が参照する図28に例示するようなポリシーテーブルに登録しておく。この登録内容は、個々のルータにマニュアルにより設定しても構わないし、特定のノードから何らかの手順(隣接認識手順、制御メッセージ用セッション確立手順、あるいは他の何らかの情報配布(マルチキャスト)のための手順)により配布しても構わない。
【0268】
例えば、セグメント2020の境界ルータ2022の下につながるネットワークアドレスを持つ送信元から送信されるパケットストリームは、境界ルータ2021→境界ルータ2012の経路で転送し、境界ルータ2023の下につながるネットワークアドレスを持つ送信元から送信されるパケットストリームは境界ルータ2024→境界ルータ2013の経路で転送するようなトラヒック分散を図る場合には、その内容をオフラインの契約あるいは隣接認識手順等によって決定し、境界ルータ2012,2013のポリシーテーブルに記憶させる。なお、LSPの経路が通常のルーティングプロトコルによって決定される経路と異なる場合には、各々のストリーム用のLSPが指定したい経路上に設定されるように、LSP設定要求メッセージの中に経路情報(例えば、境界ルータを2022→2025→2021→2021のように経由するという指定)を陽に含ませるようにしてもよい。
【0269】
次に実際に、セグメント2020の境界ルータ2021がセグメント2010方向へ向けて転送する特定のパケットストリームのために、セグメント2020の境界ルータ2021がセグメント2010の境界ルータ2012に対してLSP設定要求メッセージを送信する場合の動作について説明する。
【0270】
図29に、LSP設定要求メッセージ受信時における判断処理の手順の一例を示す。
【0271】
ポリシーテーブルは先に図28に例示したものを用いるものとする。なお、図28中の「*」は、その項目については制限しない(その項目についてはどのようなものであっても許可する)ことを意味している。例えば、ストリーム情報に関して、第1番目のエントリでは隣接ルータアドレスが133.199.19.0ならばストリーム情報はどのような値でも許し、第2番目のエントリでは隣接ルータアドレスが133.199.98.0で、かつ、パケットストリームのソースアドレスの上位16桁が133.196または133.195ならば許す(ソースアドレスの残りの下位16桁とディスティネーションアドレスの全桁はどのような値でもよい)ことを示している。
【0272】
さて、LSP設定要求メッセージを受信した境界ルータ2012では、まず、第1の例と同様に、ポリシー管理部4009において要求メッセージの送信元をチェックし(ステップS211)、それがあらかじめポリシーテーブルに隣接ルータとして登録されていることを確認した時点で、その設定要求を処理するための手順を実行する。そうでない場合は設定要求を拒絶する。その際、第1の例と同様に、LSP設定要求メッセージには認証情報を含ませ、この情報に関して境界ルータ2012でチェックするようにしてもよい。
【0273】
メッセージの送信元のチェックにより、ポリシー管理部4009において受信したLSP設定要求メッセージを処理しても良いと判断した境界ルータ2012は、次に、LSP設定要求メッセージ内のパケットストリーム情報を解析し、LSP利用の対象として登録されているストリームに含まれるものであるか否かをポリシーテーブルによりチェックする(ステップS212)。
【0274】
なお、ステップS211の判断とステップS212の判断は1回のポリシーテーブル検索にて併せて行うようにしてもよい。
【0275】
要求されたストリームがポリシーテーブルに登録されているストリームに含まれていない場合には、その時点で要求を拒絶することになるが、登録されているストリームに含まれている場合には、次に、そのLSPのためにラベル(あるいは必要なら帯域)などの網リソースが確保できるか否かなどをリソース管理部4010により判断して最終的にLSP設定要求を受け付け可能であるかを判定する(ステップS213)。
【0276】
受け付け可能であると判断した場合の手順は第1の例と同様である。
【0277】
以下、ルータ2015,2016などの下流のルータでも、受け取ったLSP設定要求に対して、境界ルータ2012が行ったのと同様にメッセージの送信元情報のチェック(および認証等)、要求ストリームの登録有無チェックおよび網リソースチェックのすべてを行う。あるいは、第1の例で説明したものと同様に、同一のセグメント内の隣接ルータから受信したメッセージであることが保証されるような場合に関してはメッセージ送信元情報のチェックを省略するようにしてもよい。また、同一のセグメント内のルータから受信したメッセージであることが確実で、すでに上流でポリシーチェックが行われていると思われる場合(LSP設定要求メッセージに、同一の網セグメント内の上流にあるいずれかのルータがストリームについてのポリシーチェックを行って受付可能と判断したということが示されている場合など)には登録ストリームか否かのチェックを省略してもよい。
【0278】
あるパケットストリームのためのLSP設定要求をいずれかの理由により拒絶した境界ルータ2012が、そのLSP設定を拒絶した境界ルータから拒絶したストリームに属するパケット(ラベルの付与されていないもの)を受信した場合には、受信したパケットを廃棄する(パケットの受信すら拒絶する)、あるいは従来のネットワーク層のヘッダ処理を行って次段のルータ2015を選択し、選択した次段ルータ2015へ向けてパケットを転送する(ホップバイポップ転送処理を行う)、あるいは自ノードが始点となって設定されているLSPにそのパケットを転送する、などの対処が考えられる。登録されていない通信品質クラスを要求したためにLSP設定を拒絶されたパケットストリームに属するパケットを境界ルータ2012が受信した場合には、境界ルータ2012を始点として、あるいは境界ルータ2021から境界ルータ2012を中継点として設定されている別の(低品質の)LSPのうちで、パケットストリームの定義を満たすものが存在する場合には、受信パケットにネットワーク層処理を行って、そのLSPへパケットを転送することも可能である。あるいは、登録されていない通信品質クラスを要求された場合に、境界ルータ2012が上流側のラベルと下流側の低品質のラベルとを対応付け、受信パケットにネットワーク層処理を行わずに、境界ルータ2012を中継点とする、設定が要求されたLSPとは別のLSPでパケットストリームの定義を満たすものの上へパケットを転送することもできる。
【0279】
以上説明した手順と同様の手順がもう一方の境界ルータ2013,2024間においても実行される。
【0280】
なお、図28のテーブルでは、パケットストリームがどこから来るか(送信元)でそれ用のLSPの設定可否を判断する例を示したが、どこへ行くパケットストリームなのか(宛先)で設定可否を判断する、あるいは組合せでどこからどこへのストリームなのかで可否を判断することも、勿論可能である。
【0281】
<ストリーム情報により設定可否を制御する(第3の例)>
次に、第3の例として、第2の例と同様にセグメント2010がセグメント2020からの特定のパケットストリームに限定してLSPによる転送サービスを提供するが、セグメント2010とセグメント2020の間の2つの接続点のうちのどちらを通過するかを特に限定しない場合のLSP接続動作について説明する。
【0282】
パケットストリームの定義としては、第2の例と同様、例えば、データパケットの送信元に関する情報(例えば、送信元ホストアドレス、あるいは送信元ネットワークアドレス、あるいは送信元ホストアドレスとプロトコルとポート番号の組など)と、データパケットの宛先に関する情報(例えば、宛先ホストアドレス、あるいは宛先ネットワークアドレス、あるいは宛先ホストアドレスとプロトコルとポート番号の組、あるいはルーティングドメインの出口ルータなど)とのいずれか一方、あるいは両方の組み合わせが考えられる。
【0283】
この例でも、第1、第2の例と同様、LSP設定、解放等の制御を行うための隣接ノードとしての隣接認識手順が、セグメント2010の境界ルータ2012とセグメント2020の境界ルータ2021との間、および境界ルータ2013と境界ルータ2024との間で実行されている。また、第2の例と同様、どのようなパケットストリームに対してLSP提供を要求するか(あるいは提供を許容するか)に関しては、オフラインの契約により決定され、決定した内容を少なくとも境界ルータ2012および境界ルータ2013の各々のポリシーテーブルに設定しておく。第2の例とは異なり、特に境界ルータによって意識的にストリームの分散を行わない場合、許容するパケットストリームの情報に関しては、両方の境界ルータに同じ設定をしておけばよい(この第3の例では、ポリシーテーブルがストリーム情報の欄のみからなっていても構わない)。
【0284】
次に実際に、セグメント2020の境界ルータ2021がセグメント2010方向へ向けて転送する特定のパケットストリームのために、セグメント2020の境界ルータ2021がセグメント2010の境界ルータ2012に対してLSP設定要求メッセージを送信する場合の動作について説明する。LSP設定要求メッセージ受信時における判断処理の手順は先に図29に例示したものからステップS211の判断を省いたものを用いるものとする。ポリシーテーブルは先に図28に例示したものを用いるものとする。
【0285】
まず、LSP設定要求メッセージを受信した境界ルータ2012では、第1や第2の例で行っていた(ステップS201やステップS211での)隣接ルータのチェックは行わずに、LSP設定要求メッセージ内のパケットストリーム情報をポリシー管理部4009にて解析し、あらかじめ契約あるいは隣接認識手順によりポリシーテーブルに登録されているストリームに含まれるものであるか否かをチェックする(ステップS212)。
【0286】
登録されているストリームである場合には、次に、ラベル(あるいは必要なら帯域)などの網リソースが確保できるか否かなどを考慮してLSP設定要求を受け付け可能であるか否かをリソース管理部4010にて判定する(ステップS213)。
【0287】
受け付け可能であると判断した場合の手順は第1および第2の例と同様である。
【0288】
以下、ルータ2015,2016などの下流のルータでも、受け取ったLSP設定要求に対して、境界ルータ2012が行ったのと同様に、登録ストリームのチェックおよび網リソースチェックのすべてを行うようにしてもよいし、あるいは第1、第2の例と同様に、同一のセグメント内のルータから受信したメッセージであることが確実で、すでに上流でポリシーチェックが行われていると思われる場合(LSP設定要求メッセージに、同一の網セグメント内の上流にあるいずれかのルータがストリームについてのポリシーチェックを行って受付可能と判断したということが示されている場合など)には登録ストリームか否かのチェックを省略してもよい。
【0289】
LSPを提供するストリーム情報に関する契約、登録に際しては、付加情報として、ストリーム毎にベストエフォットのLSPのみに限定するのか、所定の通信品質クラスあるいは具体的な通信品質値を実現するLSPも提供するのか等の情報も付随して登録することも可能である。その場合には、上述した隣接認識手順や制御用セッション確立手順等においてそうしたストリーム情報毎に通信品質クラス等の付随情報を交換、交渉するようにしてもよい。また、LSP要求設定時の受け付け可否判定においても、登録ストリームか否かのチェックの際に、通信品質クラスに関しても登録されているものに反していないかのチェックをポリシーテーブルにより行い、それが許容された場合に実際の網リソースのチェックを行うことになる。
【0290】
あるパケットストリームのためのLSP設定要求をいずれかの理由により拒絶した境界ルータ2012が、そのLSP設定を拒絶した境界ルータから拒絶したストリームに属するパケットを受信した場合の処理については、第2の例と同様である。
【0291】
以上説明した手順と同様の手順がもう一方の境界ルータ2013,2024間においても実行される。
【0292】
以上説明した、第1〜第3の例では、ストリームの上流方向から下流方向へ向けてLSP設定の要求を行い、下流側から上流側へそれに対する可否の応答を返すという方法を例にして説明したが、ストリームの下流側から上流側へ向けてLSP設定要求を行い、上流から下流へ向けてその可否の応答を返す方法の場合でも同様のメカニズムを適用することができる。
【0293】
<始点情報により設定可否を制御する(第4の例)>
次に、第4の例として、LSP設定要求を起動する始点ノード(ルータもしくはホスト)の情報がLSP設定要求メッセージに含まれ、その始点情報をもとにLSP設定要求の受け付け可否を判断する例について説明する。
【0294】
始点ノードの情報は、LSP設定要求メッセージ内に明示的に記載されている場合には、それを用いればよいし、LSP設定要求メッセージ内のパケットストリームの情報(例えば送信元ネットワークアドレス等)から始点ノードを求めることができる場合には、そのようにして求めたものを用いてもよい。
【0295】
ここでは、例えば、セグメント2030において、外部セグメントからのLSPについては、セグメント2020内の境界ルータ2021を始点とするLSPのみ設定を許容し、それ以外の場合には外部セグメントからのLSP設定を受け付けない場合について考える。さらに、そのLSPにて運ばれるストリームの限定については、1)データパケットの送信元アドレスとして特定のホストアドレスあるいは特定のネットワークアドレスを持つパケット、2)データパケットの送信元アドレスは限定しないが、特定のアプリケーションのパケット(プロトコル番号やポート番号で指定される)、3)データパケットの送信元アドレスとして特定のホストアドレスあるいは特定のネットワークアドレスを持ち、かつ、特定のアプリケーションのパケット(すなわち、上記の1)と2)を組み合わせたもの)、4)特にストリームは限定しない、などが考えられる。LSPが設定されると始点ノードが実際にデータパケットをそのストリーム用のLSPへ送出する動作を行うため、始点ノードが信用できる(登録された始点ノードであって認証が成功した)場合には、LSP設定要求メッセージに記載された通りのストリームが実際にそのLSPを通って流れてくると仮定してシステムを運用することが可能である。
【0296】
図30に、LSP設定要求メッセージ受信時における判断処理の手順の一例を示す。
【0297】
まず、要求されているLSPで運ばれるストリームを限定しない場合について説明する。この場合、図30のステップS222の判断は省かれる。
【0298】
図31に、始点情報を利用してLSP設定可否判断を行うセグメント2030の境界ルータ2031内のポリシーテーブルの一例を示す。このポリシーテーブルの内容は、LSP設定を受け付ける始点ルータとしてルータ2021が登録されているが、その中に流すストリームに関する情報やさらにそのLSPが要求するCoS等の付加情報に関しては特に制限がない場合を示している。
【0299】
LSP設定要求メッセージをルータ2014から受信したセグメント2030の境界ルータ2031では、メッセージ内のLSP始点ノード情報がポリシーテーブルに登録されていることを認識すると(ステップS221)、メッセージ内のストリーム情報にかかわらずLSP設定をポリシー的に(セキュリティ的に)許容できると判断する。なお、ここで、LSPの始点ノード情報には、それが信頼できる情報か否かを判断するための認証情報が一緒に含れていて、認証に失敗したLSP設定を拒絶するようにしてもよい。また、ストリーム情報も受付け可否の判断に用いる場合は、認証結果が真であったときに限り「LSP設定要求メッセージ中のストリームに関する情報がポリシーテーブルに登録されていれば設定を許可する」という動作を行うようにしてもよい。
【0300】
ポリシー的に受け付けられたLSP設定要求は、さらに実際のラベル(および必要ならば帯域)などの網リソースが割り当てられるか否かも判断し、最終的に設定要求を受け付けるか否かを決定する(ステップS223)。
【0301】
境界ルータ2031において設定要求を受け付けられると判断されたならば、LSPがこの境界ルータ1031で終端される場合にはそこから応答を表すメッセージがセグメント2010の境界ルータ2014へ返されるが、さらに先のノードまでLSPが伸びる場合にはLSP設定要求メッセージを次段ルータ2034に送信する。
【0302】
後者の場合にLSP設定要求メッセージを受信したルータ2034では、ルータ2031で行ったのと同様のポリシーチェックを行ってもよいし、第1〜第3の例と同様に、同一セグメントの境界ルータ2031から受信したLSP設定要求にはポリシーチェックを行う必要はないと判断してそれを行わないようにしてもよい。なお、境界ルータ2031において、ポリシーチェックを行った旨をLSP設定要求メッセージ内に明示的に示すようにしてもよい。
【0303】
次に、要求されているLSPで運ばれるストリームに限定を設ける場合について説明する。
【0304】
次に、図32に、始点情報を利用してLSP設定可否判断を行うセグメント2030の境界ルータ2031内のポリシーテーブルの他の例を示す。このポリシーテーブルの内容は、LSP設定を受け付ける始点ルータとしてルータ2021が登録されており、さらにその中に流すストリームに関する情報としてパケット送信元ネットワークアドレスが指定されている場合を示している(CoSに関する指定はここでもないものとする)。
【0305】
LSP設定要求メッセージをルータ2014から受信したセグメント2030の境界ルータ2031では、メッセージ内のLSP始点ノード情報およびストリーム情報(パケット送信元ネットワークアドレス)がポリシーテーブルに登録されていることを認識すると(ステップS221,S222)、LSP設定をポリシー的に(セキュリティ的に)許容できると判断する。なお、前述と同様に、LSPの始点ノード情報には、それが信頼できる情報か否かを判断するための認証情報が一緒に含れていて、認証に失敗したLSP設定を拒絶するようにしてもよい。
【0306】
ポリシー的に受け付けられたLSP設定要求は、さらに実際のラベル(および必要ならば帯域)などの網リソースが割り当てられるか否かも判断し、最終的に設定要求を受け付けるか否かを決定する(ステップS223)。
【0307】
以降は前述と同様で、境界ルータ2031において設定要求を受け付けられると判断されたならば、LSPがこの境界ルータ1031で終端される場合にはそこから応答を表すメッセージがセグメント2010の境界ルータ2014へ返されるが、さらに先のノードまでLSPが伸びる場合にはLSP設定要求メッセージを次段ルータ2034に送信する。
【0308】
また同様に、後者の場合にLSP設定要求メッセージを受信したルータ2034では、ルータ2031で行ったのと同様のポリシーチェックを行ってもよいし、同一セグメントの境界ルータ2031から受信したLSP設定要求にはポリシーチェックを行う必要はないと判断してそれを行わないようにしてもよい。なお、境界ルータ2031において、ポリシーチェックを行った旨をLSP設定要求メッセージ内に明示的に示され、これを受けたルータ2034等は自分の属するセグメントの境界ルータが既にポリシーチェックを済ませたことをLSP設定要求メッセージを解釈して知った場合にはポリシーチェックを省略するようにしてもよい。
【0309】
他にもストリーム情報として、アプリケーションに相当するポート番号等をポリシーテーブルに登録したり、送信元アドレスとポート番号の両方をポリシーテーブルに登録してもよい。また、LSPにより提供可能なCoS情報についてもポリシーテーブルに登録してもよい。これらの場合にも、境界ルータ2031において、ルータ2014から受信したLSP設定要求メッセージ内のストリーム情報(および要求CoS情報)とポリシーテーブル内の情報とを比較して、ポリシー的な受け付け可否判断を行う。ここでは、例えば境界ルータ2031がセグメント2030へ外部から流入するストリームからセグメント2030内のノードを守る場合を想定して、ストリームの送信元に関する情報に基づいて受付け可否を判断する例を説明したが、例えばルータ2033がセグメント2030から外部へ流出するストリームに対して制御をかけるために、ストリームの宛先に関する情報に基づいて受付け可否を判断するようなことも可能である。勿論、ストリームの送信元と宛先の情報を組合せて受付け可否を判断する実施形態もあり得る。
【0310】
このLSP設定要求メッセージ内の始点ノード情報には、それに付随した認証情報を含ませると好ましい点についてはすでに説明したが、始点情報に認証情報が付随していない場合に、LSP設定要求メッセージを受信したルータがメッセージ内の始点情報およびストリーム等の付随情報を信用するか否かは、そのルータあるいはセグメントにより異なるようにしてもよい。もし、認証情報が付随していない場合には、1)たとえ登録してある始点ノードがメッセージ内に記述されていてもLSP設定要求を拒否する、2)登録してある始点ノードがメッセージ内に記載されていて、LSP設定要求メッセージ内に記述されたストリーム以外のストリームが実際にはそのLSPから送信されてきたとしても構わない場合に限りLSP設定要求を受け付ける、などのバリエーションが可能である。
【0311】
あるパケットストリームのためのLSP設定要求をいずれかの理由により拒絶した境界ルータ2012が、そのLSP設定を拒絶した相手の境界ルータからのパケット(ラベルの付与されていないもの)を受信した場合には、パケット転送処理部4005もしくはスイッチ部4003が、以下のような動作を行う。すなわち、受信したパケットを廃棄する(パケットの受信すら拒絶する)、あるいは従来のネットワーク層のヘッダ処理を行って次段のルータ2015を選択し、選択した次段ルータ2015へ向けてパケットを転送する(ホップバイポップ転送処理を行う)、あるいは自ノードが始点となって設定されているLSPにそのパケットを転送する、などの対処が考えられる。登録されていない通信品質クラスを要求したためにLSP設定を拒絶されたパケットストリームに属するパケットを境界ルータ2012が受信した場合には、境界ルータ2012を始点として、あるいは境界ルータ2021から境界ルータ2012を中継点として設定されている別の(低品質の)LSPのうちで、パケットストリームの定義を満たすものが存在する場合には、受信パケットにネットワーク層処理を行って、そのLSPへパケットを転送することも可能である。あるいは、登録されていない通信品質クラスを要求された場合に、境界ルータ2012が上流側のラベルと下流側の低品質のラベルとを対応付け、受信パケットにネットワーク層処理を行わずに、境界ルータ2012を中継点とする、設定が要求されたLSPとは別のLSPでパケットストリームの定義を満たすものの上へパケットを転送することもできる。
【0312】
なお、この第4の例は第1〜第3の例に述べた隣接ノードおよび/またはストリーム情報による可否判定等と組合せて使用する場合も考えられるし、次の第5の例に述べる終点ノード情報による可否判定等と組合せて使用する場合も考えられるし、ここに述べる始点情報のみで可否判定する場合も考えられる。
【0313】
<終点情報により設定可否を制御する(第5の例)>
次に、第5の例として、LSPの終点となるノード(ルータもしくはホスト)の情報がLSP設定要求メッセージに含まれ、その終点情報をもとにLSP設定要求可否を判断する場合について説明する。例えば、セグメント2030の境界ルータ2031では、外部セグメント2010からのLSP設定要求について、自分自身が終点となるLSPのみ許容するが、セグメント2030内のさらに先のノード2034、2032、2033までLSPを設定することは許容しない場合を考える(例えば境界ルータ2031にてすべてのパケットのヘッダチェックを従来通り行いたいような場合)。その場合には、境界ルータ1031は、セグメント2010の境界ルータ2024から受信したLSP設定要求メッセージ内に含まれるLSP終点ノードに関する情報を参照し、終点ノードが自分自身であればLSP設定要求を許容するための処理を行うが、自分と同じセグメント内でかつ自分よりもさらに経路的に先のノードが終点として指定されている場合には、LSP設定要求を拒絶する旨を示すメッセージを境界ルータ2024に返すか、あるいは自分自身でLSPを終端させて設定許可を示すメッセージを境界ルータ2024に返す。
【0314】
終点ノードの情報は、LSP設定要求メッセージ内に明示的に記載されている場合には、それを用いればよいし、LSP設定要求メッセージ内のパケットストリームの情報(例えば宛先ネットワークアドレス等)から終点ノードを求めることができる場合には、そのようにして求めたものを用いてもよい。
【0315】
この終点ノード情報に基づいてLSP設定可否を判断する他の例としては、例えば、境界ルータ2031が自分自身のセグメント2030内で終端するLSPなら許容するが、LSPの終点がセグメント2030の外であるような設定要求(セグメント2030を中継点として他のセグメントへ出て行くようなLSPの設定要求)は受け付けたくないような場合がある。この場合には、ポリシーテーブルとして、LSPの設定を許容する終点ノード情報の一覧を境界ルータ2031が保持し、LSP設定要求メッセージを受けたルータ2031が、そのLSPの終点がここに登録された終点ノードであれば、LSP設定要求を許容するための処理を行うようにすればよい。
【0316】
なお、第5の例は第1〜第4の例に述べた隣接ノード情報、パケットストリーム情報、および/または始点ノード情報による可否判定と組合せて使用することも可能である。
【0317】
なお、上記の各例では隣接、始点、終点等によるLSP設定可否の制御を各ノードの情報(例えばIPアドレス)に基づいて行う例を説明したが、各ノードが属するネットワークもしくはセグメント(例えばIPアドレスプレフィクスや、各ノードとセグメントの対応情報などを用いる)に基づいて行うことも可能である。
【0318】
以上、ラベルスイッチングパスの設定におけるセキュリティーに関していくつかの例を示してきたが、本実施形態によれば、特定の隣接ノードに限定したLSP提供、特定のパケットストリームに限定したLSP提供、さらに特定の始点ノードを持つ場合に限定したLSP提供等を行うことが可能になり、セキュリティ面あるいは網リソースの使用(ポリシー制御)面において、ラベルスイッチを用いない場合と同様に問題を生じることなく、ラベルスイッチを利用することが可能になる。
【0319】
本実施形態にて説明した各機能は、ハードウェアとしてもソフトウェアとしても実現可能である。また、ソフトウェアとしても実現する場合、コンピュータに所定の手順を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
【0320】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0321】
【発明の効果】
本発明によれば、放送された映像等のデータを、選択的に蓄積し、要求に応じて配送できる環境を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る集合住宅内のバックボーン網の構成例を示す図
【図2】同実施形態に係る集合住宅の家庭内の配線システムの構成例を示す図
【図3】同実施形態に係る情報コンセントの概観図の一例を示す図
【図4】同実施形態に係る家庭内に配置された各装置の例を示す図
【図5】図4における放送系の接続状況を示す図
【図6】図4における1394系の接続状況を示す図
【図7】図1のマンションバックボーン網における接続状況を示す図
【図8】同実施形態に係るデジタル放送蓄積サーバの内部構造の一例を示す図
【図9】データ取り出し要求の到着から該当するデータの送出までの手順の一例を示すフローチャート
【図10】各家庭と使用中の通信資源と規定された同時使用可能な通信資源との対応を記憶したテーブルの一例を示す図
【図11】同実施形態に係るホームルータの内部構造の一例を示す図
【図12】家庭内の計算機からホームルータを介してデジタル放送蓄積サーバにアクセスし映像の配送を受ける際のシーケンスの一例を示す図
【図13】入力同期チャネル番号と出力同期チャネル番号との対応を設定したテーブルの一例を示す図
【図14】家庭内の計算機からホームルータを介してデジタル放送蓄積サーバにアクセスし映像の配送を受ける際のシーケンスの他の例を示す図
【図15】家庭内の計算機からホームルータを介してデジタル放送蓄積サーバにアクセスし映像の配送を受ける際のシーケンスのさらに他の例を示す図
【図16】入力されたレジスタオフセットと出力すべき宛先ノードIDおよびレジスタオフセットとの対応を設定したテーブルの一例を示す図
【図17】ホームルータにその家庭内の装置および/またはサービスについての情報を登録する手順の一例を示す図
【図18】ホームルータがその家庭内の装置および/またはサービスについての情報を収集する手順の一例を示す図
【図19】公開する端末および/またはサービスを選択・設定するための手順の一例を示す図
【図20】ホームルータがその家庭内の装置および/またはサービスの情報をその家庭外部に紹介するシーケンスの一例を示す図
【図21】ある家庭の計算機から他の家庭のサービスを利用する際のシーケンスの一例を示す図
【図22】ある家庭内の装置および/またはサービスの情報を紹介するためのGUIの一例を示す図
【図23】データリンクスイッチングの使用を許可するホームルータのアドレスを設定したテーブルの一例を示す図
【図24】本発明の他の実施形態に係るネットワーク構成例を説明するための図
【図25】本発明の他の実施形態に係るラベルスイッチ機能を有するルータの構成例を示す図
【図26】LSP設定要求メッセージ受信時における判断処理の手順の一例を示すフローチャート
【図27】LSP設定要求メッセージのメッセージ形式の例を示す図
【図28】ポリシーテーブルの一構成例を示す図
【図29】LSP設定要求メッセージ受信時における判断処理の手順の他の例を示すフローチャート
【図30】LSP設定要求メッセージ受信時における判断処理の手順のさらに他の例を示すフローチャート
【図31】ポリシーテーブルの構成例を示す図
【図32】ポリシーテーブルの構成例を示す図
【符号の説明】
101…共同アンテナ
102〜106…分配器
サーバ107…デジタル放送蓄積
108…インターネットサーバ
109〜112…ホームルータ
201〜204…情報コンセント
401…セットトップボックス内蔵テレビ
402…PC
403…デジタルVTR
404,407…セットトップボックス
405,408…テレビ
406…DVD
801…周波数フィルタ
802…復調器
803…データ蓄積部
804…データ選択取り出し部
805…CIPヘッダ付加部
806…ユーザ蓄積要求解析部
807…ユーザ取り出し要求解析部
808…ユーザ毎使用帯域監視部
809…IP処理部
810…1394インタフェース
1101,1105…1394インタフェース
1102…チャネル番号処理部
1103…1394スイッチ
1104…チャネル番号処理部
1106…レジスタ処理部
1107…FANP処理部
1108…レジスタ処理部
1109…IP処理部
1110…ファイアウオール/認証処理部
1111…1394代理サービス処理部
1112…DHCPサーバ処理部
1113…スイッチ使用許可テーブル
1114…サービス表示テーブル
2010,2020,2030…ネットワークセグメント
2011〜2014,2021〜2024,2031〜2033…境界ルータ
2015,2016,2025,2034…内部ルータ
4000…コントローラ部
4001−1,4001−k…送受信インタフェース部
4003…スイッチ部
4004…フレーム・パケット変換部
4005…パケット転送部
4006…制御メッセージ処理部
4007…LSP制御部
4008…スイッチ制御部
4009…ポリシー管理部
4010…リソース管理部
4011…経路表

Claims (8)

  1. 放送を受信する第1のインタフェースと、
    複数のユーザ側の端末が接続されたネットワークと接続する第2のインタフェースと、
    前記第2のインタフェースを介して受信した、前記端末からのインターネットパケットを処理する処理手段と、
    前記第1のインタフェースを介して受信した放送のうち、蓄積すべき部分を選択する第1の選択手段と、
    記第1の選択手段により選択された放送を蓄積する蓄積手段と、
    前記蓄積手段に蓄積されたデータのうち、前記第2のインタフェースから送出するべきデータを選択する第2の選択手段と、
    前記処理手段による前記処理を経て渡される前記インターネットパケットに含まれる、前記蓄積すべき部分に係る要求の内容に基づいて、前記第1の選択手段における選択対象を制御する第1の制御手段と
    前記処理手段による前記処理を経て渡される前記インターネットパケットに含まれる、前記送出するべきデータに係る要求の内容に基づいて、前記第2の選択手段における選択対象を制御する第2の制御手段とを含むことを特徴とする蓄積装置。
  2. 前記第1の選択手段及び第2の選択手段における選択対象の選択の際に、前記処理手段にて行われる前記インターネットパケットの処理は、HTTPに基づいて行われることを特徴とする請求項1に記載の蓄積装置。
  3. 前記第1の選択手段により選択され、前記蓄積手段に蓄積される放送は、複数チャンネルの放送を含むことを特徴とする請求項1に記載の蓄積装置。
  4. 前記第1の選択手段により選択され、前記蓄積手段に蓄積される放送の少なくとも一部は、デジタル放送であることを特徴とする請求項1に記載の蓄積装置。
  5. 前記第2のインタフェースから前記蓄積されたデータを送信するのに先立って、該第2のインタフェースから該データ受信すべき端末に至る経路の少なくとも一部の通信資源の確保を行う通信資源確保手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の蓄積装置。
  6. データの送信先またはデータ送信の依頼者となるユーザまたは端末毎に、前記第2のインタフェースを介して前記蓄積されたデータを送信する際に同時に使用可能な通信資源量と現在そのユーザまたは端末について使用している通信資源量とを記した管理テーブルをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の蓄積装置。
  7. データ送信要求を受ける前または受けた後に、該データ送信要求の要求元のユーザまたは端末との間で認証手続きを行うことを特徴とする請求項1に記載の蓄積装置。
  8. 前記蓄積装置は、集合住宅内のバックボーン網に接続され、前記第2の選択手段は、前記集合住宅内の個々の住宅の端末からの要求に従って、選択対象を選択することを特徴とする請求項1に記載の蓄積装置。
JP19567198A 1997-07-11 1998-07-10 蓄積装置 Expired - Lifetime JP3677153B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19567198A JP3677153B2 (ja) 1997-07-11 1998-07-10 蓄積装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-186811 1997-07-11
JP18681197 1997-07-11
JP19567198A JP3677153B2 (ja) 1997-07-11 1998-07-10 蓄積装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004146965A Division JP3848338B2 (ja) 1997-07-11 2004-05-17 ルータ装置及びラベルスイッチングパスの設定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1188406A JPH1188406A (ja) 1999-03-30
JP3677153B2 true JP3677153B2 (ja) 2005-07-27

Family

ID=26503994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19567198A Expired - Lifetime JP3677153B2 (ja) 1997-07-11 1998-07-10 蓄積装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3677153B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230164146A1 (en) * 2019-03-22 2023-05-25 Xiber, Llc Aggregation of network access to tenant spaces of multi-tenant structures

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2331743C (en) 1998-05-07 2007-01-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for universally accessible command and control information in a network
US7043532B1 (en) 1998-05-07 2006-05-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for universally accessible command and control information in a network
DE60029321T2 (de) * 1999-06-02 2007-08-02 Thomson Licensing Verfahren und vorrichtung zur fernbedienung eines hausnetzwerks von einem externen kommunikationsnetz
US6801507B1 (en) 1999-07-27 2004-10-05 Samsung Electronics Co., Ltd. Device discovery and configuration in a home network
US7610559B1 (en) 1999-07-27 2009-10-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Device customized home network top-level information architecture
WO2001008153A1 (en) * 1999-07-27 2001-02-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Device discovery and control in a bridged home network
US8032833B1 (en) * 1999-07-27 2011-10-04 Samsung Electronics Co., Ltd. Home network device information architecture
US7490293B1 (en) 1999-07-27 2009-02-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Device discovery and control in a bridged home network
US7200683B1 (en) 1999-08-17 2007-04-03 Samsung Electronics, Co., Ltd. Device communication and control in a home network connected to an external network
JP4774572B2 (ja) * 2000-04-07 2011-09-14 ソニー株式会社 情報蓄積装置、小型記憶装置、情報提供装置、およびネットワークシステム
US7337217B2 (en) 2000-07-21 2008-02-26 Samsung Electronics Co., Ltd. Architecture for home network on world wide web
CN1270248C (zh) * 2000-09-27 2006-08-16 索尼株式会社 家庭网络系统
JP4554104B2 (ja) * 2001-03-13 2010-09-29 三井造船株式会社 映像配信方法及び映像配信システム
JP2002304333A (ja) * 2001-04-03 2002-10-18 Sony Corp 伝送方法及び伝送装置
JP4641392B2 (ja) * 2004-06-14 2011-03-02 キヤノン株式会社 制御装置、通信処理方法およびプログラム
JP2006039982A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Canon Inc 情報処理装置の制御方法、情報処理装置、および情報処理装置の制御プログラム
KR100635542B1 (ko) 2004-12-15 2006-10-18 한국전자통신연구원 홈 네트워크의 보안 부하 감소 장치 및 그 방법
JP4912161B2 (ja) * 2007-01-10 2012-04-11 Kddi株式会社 同軸線通信装置の自動設定方法、ゲートウェイ、マスタ同軸線通信装置及びプログラム
JP2010109999A (ja) * 2009-12-17 2010-05-13 Panasonic Electric Works Co Ltd サービス網、機器制御監視装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0257029A (ja) * 1988-08-23 1990-02-26 Fujitsu General Ltd ホームバスシステム
JPH02218236A (ja) * 1989-02-20 1990-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 遠隔通信制御装置及び共同住宅用ホームバスシステム
JPH0750689A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 中継装置
JP3224963B2 (ja) * 1994-08-31 2001-11-05 株式会社東芝 ネットワーク接続装置及びパケット転送方法
JP3636797B2 (ja) * 1995-12-08 2005-04-06 日本放送協会 デマンドアクセス情報提供システム、およびこれに用いる情報配信装置、中継配信装置、並びに利用者端末装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230164146A1 (en) * 2019-03-22 2023-05-25 Xiber, Llc Aggregation of network access to tenant spaces of multi-tenant structures

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1188406A (ja) 1999-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3677153B2 (ja) 蓄積装置
US6341127B1 (en) Node device and method for controlling label switching path set up in inter-connected networks
JP3660443B2 (ja) データ転送制御システム及び中継装置
US10439862B2 (en) Communication terminal with multiple virtual network interfaces
JP3719789B2 (ja) 通信端末装置及び中継装置
US9450818B2 (en) Method and system for utilizing a gateway to enable peer-to-peer communications in service provider networks
JP5852116B2 (ja) 新型ネットワークの通信方法およびシステム
US6523696B1 (en) Communication control device for realizing uniform service providing environment
US6934754B2 (en) Methods and apparatus for processing network data transmissions
US9083656B2 (en) Service communication method and system for access network apparatus
US20050002405A1 (en) Method system and data structure for multimedia communications
JP2000022759A (ja) 構成された帰還経路を通じてリソースサーバーと通信する代理人を使用する一方向アダプタのダイナミックなネットワーク構成
WO2007141840A1 (ja) 中継ネットワークシステム及び端末アダプタ装置
WO2016180020A1 (zh) 一种报文处理方法、设备和系统
US20050002388A1 (en) Data structure method, and system for multimedia communications
JP3557058B2 (ja) 通信装置
JPH10308758A (ja) 通信装置
JP3519628B2 (ja) 中継装置
US9935895B2 (en) Gateway adapted for VOD
JP3848338B2 (ja) ルータ装置及びラベルスイッチングパスの設定方法
KR20060059877A (ko) 이더넷 접근 시스템에 관한 장치 및 방법
US20040258056A1 (en) Provider connection system, packet exchange apparatus thereof, dns server, packet exchange method, and computer program thereof
JP2004147344A (ja) 通信装置
JP4327746B2 (ja) 中継装置
JP2005175635A (ja) ネットワーク間接続制御方法及びシステム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050506

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term