JP3676917B2 - マルチプロセッサ交換機およびその通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマルチプロセッサ交換機、例えばマルチプロセッサATM(Asynchronous Transfer Mode)交換機に関する。
交換機は一般に、複数の端末装置間で授受されるATMセル等のセルの交換を行うスイッチ装置と、このスイッチ装置と上記複数の端末装置の各々との間に挿入される回線装置とを備えて構成される。この場合、これら回線装置の各々にプロセッサが内蔵されるとき、その交換機をマルチプロセッサ交換機と称する。
【0002】
【従来の技術】
図25は従来のマルチプロセッサ交換機の一例を示す図である。ただしこの交換機はATM交換機である。本図において、10はATM交換機であり、主としてスイッチ装置11および複数の回線装置12からなる。各回線装置12は、各端末装置(TE)15毎に設けられており、一般には回線対応部と称されたり、個別部と称されたりしている。本発明においては回線装置と称する。
【0003】
なお回線装置12の全てが端末装置15に接続されるとは限らず、実際にはこれら回線装置12のいずれかは隣接局に接続されることもある。また、端末装置15は、図において、1つの装置単体のように描いているが、実際にはPBXであったり、小規模LANであったりすることもある。すなわち、本発明で言う端末装置とは、端末側の装置群の総称であるが、単純化のために1つのブロックで表している。したがって、端末装置15と、対応する回線装置12との間の回線速度は、150Mbpsさらには600Mbpsに及ぶことがある。
【0004】
本図において本発明に特に関係するのは、回線装置12の各々に内蔵されるプロセッサ(CPU)13であり、これらプロセッサ13同士は共通の高速バス18を介して連携し、マルチプロセッサを形成する。そして全体としてマルチプロセッサATM交換機10を構築する。
さらに詳しく説明すると、上記高速バス18には呼処理プロセッサ17が接続し、この呼処理プロセッサ17はBroadband Signalling Controller (BSGC)装置16と協働する。BSGC装置16はスイッチ装置11に接続する。
【0005】
端末装置15より発生した各加入者毎のSETUP(呼設定)等のメッセージ信号は、BSGC装置16で終端され、さらに当該メッセージは呼処理プロセッサ17に伝達され、必要な呼処理が、該当のプロセッサ13に対し、高速バス18を介して指示される。この場合、呼処理プロセッサ17はそのメッセージより、発信分析や着信分析等をして、スイッチ装置11内におけるATMセルのルーティングパスを選択する等の処理を行う。
【0006】
選択されたルーティングパスの情報は、該当する回線装置12内のルーティングテーブル(例えばVCC(Virtual Channel Connection)テーブル)に格納され、上記SETUPにより転送されるユーザセルのタグ情報となる。
上述のように、1つの呼処理プロセッサ17を中心にして、複数のプロセッサ13が高速バス18を介し密結合する、というのが従来のマルチプロセッサ構成である。このようなマルチプロセッサ構成であると、次のような不都合がある。
【0007】
(i)複数のプロセッサ13に対する同時アクセスができない。
(ii)複数のプロセッサ13に対するアクセスが同時に発生したときは、一方のプロセッサへのアクセスが終了するのを待って、他方のプロセッサへのアクセスが開始するので、後者のプロセッサについては、無駄な待ち合わせのための時間が不可避となる。
【0008】
(iii)ATM交換機の規模を拡張するとき、それに伴って高速バス18の長さも長くしなければならず、動作遅延時間が無視できなくなる。
上述した不都合な点(i),(ii)および(iii)があることはもともと予想できたことではある。ところが近年のマルチメディア通信の大規模化により、1つの回線装置12に要求される回線速度が、既述したように600Mbpsにも及ぶことになると、上記の不都合な点(i),(ii)および(iii)が現実に重大な障害となり、大規模かつ高速のマルチプロセッサATM交換機を実現することができない。
【0009】
そこで従来、ATM通話路内のインチャネルを通るセルを使って、マルチプロセッサ間の通信情報を転送するという手法が提案された(特開平2−123850号)。
さらに、上記の提案(特開平2−123850号)に立脚して、図25に示した従来のマルチプロセッサ交換機を改良した一例が提案された(特開平7−177155号)。この提案によれば、マルチプロセッサを構成する各プロセッサの前段にATMセル組立分解装置を設けると共に、回線上のATMセルと分離多重するためのATMセル信号挿入/分離装置を設けて、プロセッサ間で送受信する転送データをATMセルに変換して、通話路系のATMスイッチでATMセルの交換を行うことにより、プロセッサ間のデータ通信を行う、マルチプロセッサ間通信が実現される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の提案により、プロセッサ相互間での、ATMセルを媒介とした、プロセッサ間通信が実現される。しかしながら、実際にはマルチプロセッサ交換機においては、上述したプロセッサ間の通信のみならず、本来の加入者間での、ATMセルを媒介とした、情報通信も同時に実行されなければならない。つまり、プロセッサ間通信と加入者間通信とを同時に両立させるための通信手段が必要である。しかもこの通信手段をきわめて簡単なハードウェアおよび制御によって実現しなければならない、という課題がある。
【0011】
したがって本発明は、上記の状況に鑑み、プロセッサ間通信と加入者間通信とを、きわめて簡単なハードウェアと制御により実現することのできる、マルチプロセッサATM交換機を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明に係るマルチプロセッサ交換機の基本構成図である。一例としてマルチプロセッサATM交換機の場合について示す。
まず本発明の前提とするマルチプロセッサATM交換機10は、図25に示したのと同様、複数の端末装置15間で授受されるATMセルの交換を行うスイッチ装置11と、スイッチ装置11と複数の端末装置15の各々との間に挿入される回線装置12と、を備え、各回線装置12にはプロセッサ13が内蔵されるマルチプロセッサATM交換機である。
【0013】
このようなマルチプロセッサATM交換機10において、本発明の特徴をなすのは、セル分離部21である。すなわち、各回線装置12内に、各回線装置12に入力されるセルが、ユーザセルUCであるか、または制御情報セルCICであるかを識別して振り分けるセル分離部21を設ける。そして、各プロセッサ13は、セル分離部21により振り分けられた制御情報セルCICを用い、スイッチ装置11を介して、プロセッサ間の通信を行うようにする。ここに、ユーザセルUCは、ATM交換機における通常のATMセルであるが、制御情報セルCICは、本発明によりプロセッサ間通信のために新たに導入された特別のATMセルである。
【0014】
本発明の着眼点は、ATM交換機の特性を活かして、制御情報セルCICを、スイッチ装置11を介在させたプロセッサ間通信でやりとりすることにより、ATM交換機から従来の呼処理プロセッサ17およびBSGC装置16を排除し、その排除された機能を、複数のプロセッサ13による分散処理によって代替することにある。
【0015】
図2は本発明におけるマルチプロセッサ交換機の通信方法を表すフローチャートである。本図において各ステップの動作は次のとおりである。
複数の端末装置15間で授受されるATMセルの交換を行うスイッチ装置11と、スイッチ装置11と複数の端末装置15の各々との間に挿入される回線装置12と、を備え、各回線装置12にはプロセッサ13が内蔵されるマルチプロセッサATM交換機10において、
ステップS1:複数の端末装置15間で授受されるユーザセルUCに加えて制御情報セルCICを生成する。
【0016】
ステップS2:各回線装置12に入力されるATMセルが、ユーザセルUCであるか、または制御情報セルCICであるかを識別して振り分ける。
ステップS3:振り分けられた制御情報セルCICを用いて、スイッチ装置11を介し、各プロセッサ13間で通信を行う。
【0017】
【発明の実施の形態】
図3は図1に示すセル分離部の実際の実現態様を表す図である。
本図に示すごとく、セル分離部21は、端末装置15からのセルを入力とする端末側セル分離部22と、スイッチ装置11からのセルを入力とするスイッチ側セル分離部23とからなる。
【0018】
一方、セル多重化部分について見ると、図1に示すとおり、各回線装置12内には、セル分離部21により振り分けられたユーザセルUCと、プロセッサ13から送出される制御情報セルCICとを多重化するセル多重部31を有する。
図4は図1に示すセル多重部31の実際の実現態様を表す図である。
本図に示すごとく、セル多重部31は、スイッチ装置11へのセルを出力するスイッチ側セル多重部32と、端末装置15へのセルを出力する端末側セル多重部33とからなる。
【0019】
図5は本発明に係る回線装置の一実施例を表す図である。なお、複数の回線装置12(#1〜#n)はいずれも同一の構成を有するので、代表して回線装置12(#1)のみを詳しく示す。
図5においてまず注目すべき点は、図25に示した、従来のマルチプロセッサ構成における、BSGC装置16、呼処理プロセッサ17および高速バス18が完全に排除されたことである。そのために、ATM交換機における通常のATMセル(ユーザセルUC)に加えて、制御情報セルCICが導入されたことである。各制御情報セルCICは、スイッチ装置11を経由して、複数のプロセッサ13の間でやりとりされる。
【0020】
図5の回線装置12(#1)において、既に説明済みの構成要素は、プロセッサ13、端末側セル分離部(DMUX)22、端末側セル多重部(MUX)33、スイッチ側セル多重部(MUX)32およびスイッチ側セル分離部(DMUX)23である。
これら以外に、構成要素25および26も重要な役割を果す。ただし、これら構成要素25および26は、通常の回線装置において一般的なものである。すなわちこれらは、メモリ25およびルーティングテーブル26である。ルーティングテーブル26として図の例では前述したVCCテーブルを示している。
【0021】
メモリ25には、プロセッサ13を動作させるに必要なプログラムがイニシャルロードされる。さらにまた、メモリ25には、プロセッサ13により呼処理を行う上で不可欠な、加入者データや局データを格納する。
図6は図5におけるVCCテーブルの一例を示す図である。ルーティングテーブル26としてのVCCテーブルを示しており、入力されたセルのルーティングパス情報、例えばVPI/VCI(Virtual Path Identifier /Virtual Channel Identifier)をアドレスとして、対応するルーティングパス情報(図では、“TAG、出VPI/VCI”)を出力するためのテーブルである。TAGは、スイッチ装置11内を、当該セルが転送されるときのパスを指示するタグ情報である。テーブル26にはこの他情報フィールドCONTも格納される。この情報フィールドCONTには、セルのヘッダエリアに書き込むべき情報等が格納される。
【0022】
図7は回線装置12よりスイッチ装置11に入力されるセルのフォーマットを示す図である。ただし一例である。通常、各セルは、少なくともヘッダエリアおよびペイロードエリアからなるが、本発明で用いる各制御情報セルCICは、各ユーザセルUCと区別可能な特定の識別コードをヘッダエリア内に有すると共に、プロセッサ13から送出される制御情報セルにはさらに、少なくとも転送先のプロセッサ13を指定するタグ情報を格納するためのタグエリアが付加されている。このタグ情報は、図5のプロセッサ13により、同図中のルーティングテーブル26内に予め書き込まれる。
【0023】
上記の、ユーザセルUCと区別可能な特定の識別コードは、本発明において、VPI=0/VCI=5を採用している。これらは図5にも示されている。逆に言えば、VPI≠0/VCI≠5はユーザセルUCのために使われる。
図7において、PTIはPayload Type Identifier フィールドで、HECはHeader Error Controlフィールドであって、いずれも周知である。なお、タグエリア内のブロードキャスト用TAG情報は、後述する、複数のプロセッサ13に、制御情報セルCICをブロードキャストするときにのみ必要とされる情報である。またペイロードエリア内の送信元プロセッサHW番号は、送信先のプロセッサ13から何らかのリプライを受けたいときに、送信元のプロセッサの宛先を明示するためのハイウェイ(HW)番号である。
【0024】
すなわち、プロセッサ間の通信において、制御情報セルの転送先プロセッサよりリプライを求めるために、制御情報セルのペイロードエリアに、当該制御情報セルの転送元のプロセッサを表示するための表示コード(プロセッサHW番号)を格納するようにする。
ここで、図5、図6および図7を参照して、交換機全体の動作を説明する。
【0025】
端末装置15側の加入者からのセル(VPI=0/VCI=5を有する)は、回線装置12内のプロセッサ13に取り込まれる。また加入者へのセルも回線装置12内のプロセッサ13から送出される。
回線装置12間の通信は、VCCテーブル26内のVPI=0/VCI=5の部分に、相手方回線装置12のHW(ハイウェイ)情報(TAG)を設定してプロセッサ13からVPI=0/VCI=5のセルを送出することにより、その相手方回線装置12内のプロセッサ13に、セルを送出することが可能となる。この場合、送信元回線装置のプロセッサを、相手方回線装置のプロセッサに通知するために、図7で述べた如く、セルのペイロードエリアに、送信元の回線装置のHW番号(プロセッサHW番号)を付与する。これにより、送信先(受信側)のプロセッサ13が送信元のプロセッサにリプライするときには、そのプロセッサHW番号を、VCCテーブル26のTAGフィールドに設定し、VPI=0/VCI=5のセルを送出することにより、自動的に送信元のプロセッサ13に情報を返送することが可能となる。
【0026】
かくのごとく、本発明によるシステムは基本的に、プロセッサ13間の制御情報の通信にATMセルを使用するシステムであり、ユーザセルUCと、プロセッサ13からの制御情報セルCICとをスイッチ装置11に送り出すスイッチ側セル多重部32と、このセル多重部32からのセルに対して出側の回線上のVPI/VCI(ルーティングパス情報)およびTAG情報を付与するためのルーティングテーブル(VCCテーブル)26からなる。
【0027】
プロセッサ間の通信には、特定の識別コードをなすVPI/VCIを使用し(上記のVPI=0/VCI=5)、制御情報セルを相手方回線装置12に送出する前に、ルーティングテーブル(VCCテーブル)26に格納された、VPI/VCI=0/5のデータに対しその相手方回線装置12へ到達するようなタグ情報TAGを設定し、出側VPI/VCIはそれぞれ0/5に設定する。さらにプロセッサ13より、ペイロードエリアに自己が収容されているHW番号(表示コード)を付与してセル多重部32にセルを流すことにより、相手方プロセッサに制御情報を転送する。
【0028】
一方、送信先(受信側)の回線装置12には、スイッチ装置11からのセル群のうち特定のVPI/VCI(=0/5)を有するセルをプロセッサ13に入力させるためのスイッチ側セル分離部23を設け、VPI/VCI(=0/5)をヘッダエリアに有するセルを、プロセッサ内に取り込むことにより、送信元の回線装置12のプロセッサ13との間で制御情報の授受を行うようにしたシステムである。
【0029】
図8は図5におけるVCCテーブルの他の一例を示す図である。上述したリプライについてみると、制御情報セルを受信した送信先のプロセッサ13は、送信元のプロセッサ13にリプライする場合、受信したセルのペイロードエリアに格納されているHW(ハイウェイ)情報を、ルーティングテーブル(VCCテーブル)26内のVPI/VCI(=0/5)により指定されるエリアにおけるTAGエリアに設定すると共に(図8のTAG参照)、自分のHW番号をセルのペイロードエリアに設定した上で、送信元のプロセッサ13に返送する。
【0030】
上述した本発明のシステムによれば、ATM交換機本来のブロードキャスト機能を利用して、1つの送信元プロセッサ13から、同一の制御情報セルを、複数の送信先プロセッサ13に送信するというブロードキャスト通信を容易に実現できる。このブロードキャスト通信の実現のために、下記のような各種の識別子やリプライ表示コード(i)〜(iv)を採用するのが好ましい。
【0031】
(i)プロセッサ13から送出される制御情報セルCIC内に、プロセッサ間の通信をブロードキャスト通信で行うか否かを指定するための第1ブロードキャスト識別子(B1)を含むようにする。
(ii)プロセッサ13から送出される制御情報セルCIC内に、プロセッサ間の通信を、ある特定のプロセッサに対するブロードキャスト通信で行うか、または、全てのプロセッサに対するブロードキャスト通信で行うかを指定するための第2ブロードキャスト識別子(B2)を含むようにする。
【0032】
(iii)プロセッサ13から送出される制御情報セルCIC内に、ブロードキャスト通信で行われるプロセッサ間の通信において、当該ブロードキャスト情報の送信元のプロセッサ13が、その送信先のプロセッサ13から、当該ブロードキャスト情報に対するリプライを求めるか否かを指定するためのリプライ識別子(RP)を含むようにする。
【0033】
(iv)上記のリプライが求められた送信先のプロセッサ13からの制御情報セルCICのペイロードエリアに、当該リプライ元のプロセッサ13を表示するためのリプライ表示コード(RPCD)を格納するようにする。
図9は図5におけるVCCテーブルのさらに他の一例を示す図である。このVCCテーブル26内には、上記ブロードキャスト通信に必要な情報が格納されている。
【0034】
図10はブロードキャスト通信が行われるときのセルのフォーマットの一例を示す図である。本図中に、上述した識別子B1,B2およびRPとリプライ表示コード(RPCD)が示されている。
図9および図10を参照すると、ルーティングテーブル(VCCテーブル)26に第1ブロードキャスト識別子B1(“1”:ブロードキャスト有り、“0”:ブロードキャスト不要)と、この第1ブロードキャスト識別子B1が“1”のときに、全てのHW(ハイウェイ)すなわち全てのプロセッサ13に対してブロードキャスト通信を行うのか、指定のプロセッサに対してのみブロードキャスト通信を行うのかを識別する第2ブロードキャスト識別子B2(“1”:指定のプロセッサのみにブロードキャスト、0:全てのプロセッサに対しブロードキャスト)のフィールドを設ける。また上述したリプライ識別子RPとしては、例えば受信した全てのプロセッサ13からのリプライを必要とするのか、特定のプロセッサ13からのリプライのみを必要とするのかを識別するリプライ識別子RP(“1”:全プロセッサからのリプライ要、“0”:条件を満たすプロセッサのみからのリプライ要)のフィールドを設ける。
【0035】
かかるブロードキャスト用の制御情報セルCICを受信したプロセッサ13は、リプライ識別子RPの“1”または“0”を調べ、リプライが必要な場合には、セルを返送するときに、このセルのペイロードエリアにリプライ元プロセッサのHW(ハイウェイ)番号を表示したリプライ表示コードRPCDを付与してリプライすることにより、プロセッサ間の通信を実現する。このブロードキャスト通信は、次に述べる呼設定において有効に利用することができる。
【0036】
マルチプロセッサATM交換機における最も重要な機能は呼設定である。呼設定とは、発呼側の加入者と着呼側の加入者との間に、スイッチ装置11を介して、パスを形成することである。この呼設定は、図25に示す従来のATM交換機では、BSGC装置16と呼処理プロセッサ17により行われていたが、これらBSGC装置16および呼処理プロセッサ17を排除した本発明に係る図5のATM交換機では、制御情報セルCICを用いて各プロセッサ13がその呼設定を行うことになる。
【0037】
本発明において、その呼設定の仕方は、下記の2つのケース(i)および(ii)のいずれであるかに応じて異なる。
(i)全てのプロセッサ13が共通に加入者データおよび局データを保有するケース。
(ii)各プロセッサ13は、自己が管轄する加入者の加入者データまたは隣接する局の局データのみを保有するケース。
【0038】
なお、上述した加入者データおよび局データは、各プロセッサ13に協働するメモリ(図5のメモリ25)に保有される。
上記ケース(i)および(ii)のうち、ケース(ii)の場合について、既述のブロードキャスト通信が有効に利用される。
ケース(i)
端末側の一方の加入者と端末側の他方の加入者との間で呼を接続するに際し、全てのプロセッサ13が共通に加入者データおよび局データを保有する場合、発呼側加入者の属するプロセッサ13からの当該呼設定情報を、制御情報セルCICのペイロードエリア内に格納して着呼側加入者の属するプロセッサ13に送信し、この着呼側加入者の属するプロセッサ13からの当該呼設定情報に対する応答情報を、制御情報セルCICのペイロードエリア内に格納して上記発呼側加入者の属するプロセッサ13に返送して、当該呼の接続を行うようにする。
【0039】
ケース(ii)
端末側の一方の加入者と端末側の他方の加入者との間で呼を接続するに際し、各プロセッサ13が自己が管轄する加入者の加入者データまたは隣接する局の局データのみを保有する場合、発呼側加入者の属するプロセッサ13からの当該呼設定情報を、制御情報セルCICのペイロードエリア内に格納して全てのプロセッサ13にブロードキャスト通信にて送信し、当該呼設定情報に該当する着呼側加入者を収容すると判断したプロセッサ13からの当該呼設定情報に対する応答情報を、制御情報セルCICのペイロードエリア内に格納して上記発呼側加入者の属するプロセッサに返送し、当該呼の接続を行うようにする。上記のケース(ii)において、制御情報セルCICを全てのプロセッサ13にブロードキャスト通信にて送信して上述の応答情報が複数のプロセッサから返送されたとき、第1番目の応答情報を返送したプロセッサ13との間で当該呼の接続を行うと共に、第2番目以降の応答情報を返送したプロセッサ13に対しては、切断要求情報を含む制御情報セルCICを返送するようにする。
【0040】
上記ケース(i)について具体的に説明する。まず図9に示すルーティングテーブル(VCCテーブル)26内のB1ビットおよびB2ビットを共に“0”に設定し、相手プロセッサ(着呼側プロセッサ)のHW番号を、TAG情報フィールドに設定する。これによりダイレクトに相手プロセッサと通信を行い、加入者からの接続/切断要求を実現する。
【0041】
図11はケース(i)におけるプロトコルの一例を示すシーケンス図である。本図において、端末装置15側の発呼加入者から、SETUP信号を受信した送信元のプロセッサ13は、発電番から、発信可能か否か等のチェックを行い、発信OKであれば、着呼側の分析を行い、送信先のプロセッサ13が接続されているHW(ハイウェイ)番号を取得する。
【0042】
そのHW番号を、送信元プロセッサにおけるVCCテーブル26のTAGフィールド(図9)に設定する。また、VCCテーブル26内のB1、およびB2の各ビット(図9)の値は、ブロードキャスト通信が不要であることから、“0”を設定する。その後、送信先プロセッサに向けて、呼番号を含むIAMメッセージを送出する。この場合、ブロードキャスト通信はしないので、リプライ識別子RP(図10)としては“0”を設定する。
【0043】
上記IAMメッセージを受信した送信先プロセッサは、送信元のプロセッサに、IAAメッセージのリプライの送出を行う。これと同時に、着呼側加入者にSETUP信号を流し、この着呼側加入者より接続を示すCONNメッセージを送信先プロセッサが受信すると、さらにこのプロセッサは応答を示すANMメッセージを送信元プロセッサに返し、最終的にCONNメッセージが発呼側加入者に返る。なお、以降、該当呼の処理については、上記の呼番号と共にメモリ25に記憶しておいたHW番号をもとに、両プロセッサ間で一対一の通信を行う。
【0044】
図12はSETUP信号を受けた送信元(発呼側)プロセッサによるメモリアクセスの様子を示す図である。このメモリは図5のメモリ25であり、図11(ケース(i))に表すシーケンスの実行に不可欠なメモリアクセスである。ただし後述する図14(ケース(ii))に表すシーケンスの実行にも不可欠なメモリアクセスである。
【0045】
まず、呼番号をアドレスAとしてメモリ25をアクセスし、相手プロセッサHW番号と呼処理リソースid(いわゆるトランザクションID)を取得する。
次に、(相手プロセッサHW番号+呼番号)をアドレスBとして、メモリ25をアクセスし、呼処理リソースidを取得する。
最後に、その呼処理リソースidをアドレスCとして、メモリ25をアクセスし、呼状態(例えば、図11の状態遷移)と加入者情報(SETUP信号に入っている加入者の電番や着呼側の状況等)とパス情報(実際にパスを張るときのVCI値やVPI値)等を取得する。
図13は制御情報セルのフォーマットの一例を示す図である。このセルフォーマットは、既に述べた図11(ケース(i))のシーケンスにおいても、また、後述する図14のシーケンスにおいても採用される。
【0046】
この図13に示すフォーマットは、図10に示したフォーマットをさらに詳しく表すものであり、上述した呼番号のフィールドや、メッセージ種別(前述したIAMメッセージ、IAAメッセージ、呼状態、加入者情報、電番…等)のフィールドや、そのメッセージを修飾するメッセージ内容のフィールドからなる。
図14はケース(ii)におけるプロトコルの一例を示すシーケンス図である。このシーケンスでは、既述したブロードキャスト通信を必要とする。
【0047】
このケース(ii)では相手プロセッサを特定できないため、図9に示すVCCテーブル26のB1ビットに“1”を設定する。これによりブロードキャスト通信を指定し、全てのプロセッサ13に同一のセルを送出することができる。同一のセルはスイッチ装置11内にてコピーにより作られる。
さらに詳しく説明すると、端末装置15側の加入者からSETUP信号を受信した送信元のプロセッサ13は、発電番から、発信可能か否か等のチェックを行い、発信OKであれば、既述のブロードキャスト通信により、全てのプロセッサ(#1〜#7)に、呼番号を含むIAMメッセージを送出する。この場合、リプライ識別子RP(図13)には“0”を設定する。IAMメッセージを受信した各送信先プロセッサは、着電番(呼番号)を分析し自己に属する電番であれば、送信元のプロセッサ#0にIAAメッセージを返送する。もし上記分析の結果、プロセッサが自分には無関係な着電番であることが判明すれば、該IAMメッセージは破棄する。
【0048】
IAMメッセージを送出した送信元プロセッサ#0は、複数のプロセッサ(#1〜#7のいずれか)からIAAメッセージを受信することが考えられる。このような場合には、第1番目に到着したIAAメッセージの送信したプロセッサのみを、呼番号と共にプロセッサ13(#0)に付帯するメモリ25上に記憶しておき(HW番号)、第2番目以降に受信したIAAメッセージについては、これを送信したプロセッサに対し、切断要求(図中のREL:release)を行う。以降、該当呼の処理については、上記の呼番号と共にメモリ25に記憶しておいたHW番号をもとに、両プロセッサ間で一対一の通信を行う。なお、本図中のSETUPやANMやCONNの意味は、図11にて説明したとおりである。
【0049】
上述した実施例は、一方の加入者が属する回線装置12と、他方の加入者が属する回線装置12とが異なる場合について説明している。しかしながら、一方の加入者も他方の加入者も共に同一の回線装置12に属するという場合もある。特に、本発明では、端末装置15として、1加入者の端末装置に止まらず、既に述べたように、PBXや小規模LAN等の複数加入者を収容する端末装置群も想定しているからである。
【0050】
端末装置15がPBXや小規模LANの場合、加入者相互間でのいわば内線通信となる。このような場合、前述した実施例のように、スイッチ装置11を介在させた内線通信を行うことも勿論可能である。しかし、このような内線通信にまでスイッチ装置11を使用するのは、リソースの効率的活用という観点からして好ましくない。
【0051】
そこで、一方の加入者と他方の加入者が共に同一の回線装置12に収容されていてこれらの間で内線通信となる場合には、スイッチ装置11を経由しないバイパスを、両加入者間に形成するようにする。
このために、各回線装置12内に、セル折り返しループ部を設け、端末側の一方の加入者と端末側の他方の加入者との間で呼を接続するに際し、両加入者が同一のプロセッサ13に収容されているものと判定された場合、当該ユーザセルは、スイッチ装置11に送出することなく、そのセル折り返しループ部で折り返して当該両加入者間で呼の設定を行うようにする。
【0052】
図15はセル折り返しループ部を有する回線装置の一例を示す図である。セル折り返しループ部41は、セル折り返し判定手段42と、セル多重手段43と、これら両手段の間を結ぶループパス44とからなる。このループパス44が、スイッチ装置11に対する上記のバイパスをなす。
図16は図15におけるVCCテーブルの一例を示す図であり、図17は図15の構成において用いる制御情報セルのフォーマットの一例を示す図である。
【0053】
ヘッダエリア内の折り返し指示ビットRTを“1”にして回線装置12内で折り返しを行い、端末装置15側の加入者にセルを送り返す。プロセッサ13により着分析をした結果、着呼端末が同じプロセッサの配下のものであるので、IAMメッセージ等の送出は行わず、制御情報用のVPI/VCIとVCCテーブル26に相手VPI/VCIとに折り返し指示ビットRTを設定し、着呼側へSETUPメッセージを送出して自内でセルの折り返しを行う。
【0054】
上述した実施例においては、各回線装置12内のメモリ25に、必要な加入者データや局データが格納されていることが前提となる。これらのデータをインストールする場合、各回線装置12毎にその中のメモリ25に該データを予め書き込むというやり方が考えられる。しかしかかる書き込み作業は能率的ではない。このような非能率な作業を排除するために、複数の回線装置12のうちの1つを保守運用装置とする。この保守運用装置は、交換機全体の保守運用のための制御情報セルを、各プロセッサ13との間で送信または受信するようにする。
【0055】
図18は保守運用装置の一例を示す図である。保守運用装置52は、基本的に前述した各回線装置12と同様の構成を有し、プロセッサ53と、メモリ55と、ルーティングテーブル(VCCテーブル)56とを含んで構成される。
図19は図18における保守運用装置内のメモリの内容を示す図である。保守運用装置52内のメモリ55は、保守運用の対象となる回線装置12の番号(#0,#1,#2…)によってアクセスされる。そのメモリの内容は、例えば全回線装置12に共通のデータ、例えばシステムプログラムであり、ダウンロードデータ、例えば、加入者データ、局データ、各回線装置に付与される番号情報、各回線装置が使用するHW(ハイウェイ)番号等である。システム立上げ時には不可欠なデータである。なお、システムプログラムのように膨大なデータは、制御情報セルのペイロードエリアに入れて、繰り返し転送する。
【0056】
かくのごとく、保守運用装置52と各回線装置12との間にインストール等のためのパスを設定し、各回線装置12へ加入者データや局データをダウンロードすることができる。
制御情報セルに乗せて保守運用装置52から転送すべき保守運用情報が全てのプロセッサ13に共通の場合(共通データ)、保守運用装置52は、プロセッサ13間の通信を既述のブロードキャスト通信で行って当該保守運用情報を各該プロセッサ13に配送する。一方、保守運用情報が特定のプロセッサ13に対するものであるときは、プロセッサ間の通信はそのプロセッサとの間で、既述した1対1の通信により行うようにする。
【0057】
図20は遠隔操作形保守運用装置の一例を示す図である。本図の構成は、前述した端末装置15に対応させて保守用端末装置65を設けたものであり、この装置65と保守運用装置52との間を例えば光ケーブルにより結ぶ。これにより、外部のオペレータより遠隔操作でシステムの立上げを行うことができる。
最後に、図5の回線装置12内の要部の具体例と、図15の回線装置52内の要部の具体例とを示す。
【0058】
図21は図5に示すセル分離部の具体例を示す図である。図5のセル分離部22および23は両者ほぼ同一の構成であるので、前者のセル分離部22について示す。
セル分離部22は、セルヘッダ抽出部61と、識別コード生成部62と、ANDゲート63と、セレクタ(SEL)64とを有してなる。
【0059】
セル分離部22は、既に述べたとおり、端末装置15において組み立てられ送出されたATMセルが、制御情報セルCICであるか通常のユーザセルUCであるかをまず識別する。この識別のために、例えば図7に示すヘッダエリア内に既述のVPI=0/VCI=5等の識別コードを書き込む。セルヘッダ抽出部61は、受信したATMセルの中のヘッダエリアを抽出する。さらにこれをANDゲート63の一方の入力に印加し、そのヘッダエリア内のVPI/VCI値が、VPI=0/VCI=5であるか否かをANDゲート63にて判定する。ANDゲート63の他方の入力には、そのVPI=0/VCI=5に等しい識別コードが、識別コード生成部62より与えられる。
【0060】
ANDゲート63により、VPI=0/VCI=5を有するATMセルが入力されたものと判定されたときは、セレクタ64を制御し、プロセッサ13への転送ラインにこのATMセルを流す。このATMセルは制御情報セルCICである。
ANDゲート63において、VPI≠0/VCI≠5と判定されたときは、セレクタ64を制御し、セル多重部32への転送ラインにこのATMセルを流す。このATMセルは、通常のユーザセルUCである。
【0061】
図22は図5に示すセル多重部の具体例を示す図である。図5のセル多重部32および33は両者ほぼ同一の構成であるので、前者のセル多重部32について示す。
セル多重部32は単純なバッファ回路65、例えばFIFOメモリにより構成することができる。
【0062】
図23は図5に示すプロセッサの内部構成例を示す図である。図5のプロセッサ13は、端末装置15からスイッチ装置11に向う上り系の制御情報セルCICと、スイッチ装置11から端末装置15に向う下り系の制御情報セルCICの双方を引き込んで処理するが、図23では上記の上り系のみを示す。下り系もほぼ同一の構成である。
【0063】
セル分離部22からの制御情報セルCICはまずセルバッファ66に一旦格納される。そして格納されたセル群は、CPU68による処理に適合したフレームに組立てられる。これを行うのがフレーム組立て部67である。
CPU68により処理済みのフレームは再びATMセルのフォーマットに再構成され、セル多重部32に送出される。これを行うのがセル再構成部69である。
【0064】
図24は図15に示すセル折り返しループ部の一例を示す図である。特に図15の折り返しループ部41内のセル折り返し判定手段42についてその一例を示す。
セル折り返し判定手段42は、既述した、図21に示すセル分離部と同様の構成を有しており、まずセルヘッダ抽出部71にて、入力されたATMセルのヘッダエリアを抽出し、さらに、その中の折り返し指示ビットRTを抽出してRTビット判定手段72に印加する。該手段72は、RTビットが“0”(折り返しなし)か、“1”(折り返し有り)かを判定し、“1”のときに、セレクタ(SEL)73を制御して入力されたATMセルをループパス44に流す。このATMセルは回線装置12内で折り返しが行われる制御情報セルである。
【0065】
上記RTビットが“0”のときは、当該セルを送信したプロセッサと同一ではない他のプロセッサに属する加入者へのセルであるから、該セルをスイッチ装置11に入力する。さらに通常のルーティングを行って、目的とする着呼側加入者へセルを転送する。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ユーザセルの他に制御情報セルを導入し、かつ、この制御情報セルをスイッチ装置11内で交換することによって、任意のプロセッサ間でのプロセッサ間通信と加入者間通信とを、簡単なハードウェアと制御により、可能にする。そしてこのプロセッサ間通信を利用することによって、図25に示す、従来の呼処理プロセッサ17ならびにBSGC装置16を不要にする。ただし、これら呼処理プロセッサ17ならびにBSGC装置16によって実現されていた機能は、複数のプロセッサ13に機能分散する。
【0067】
かくして、従来の高速バス18は不要となり、この高速バス18の存在に起因する諸問題、すなわち(i)複数のプロセッサに対する同時アクセスができないこと、(ii)複数のプロセスに対する同時アクセスがあったときは、先にアクセスされたプロセッサ以外のプロセッサには必ず無駄な待ち合わせ時間が伴うこと、(iii)ATM交換機の規模を拡張しようとするとき、これに伴って高速バス18もその長さを増大させなければならないため、必ず動作時間が拡大してしまうこと、等の問題は全て、本発明により解消される。
【0068】
また呼処理プロセッサ、BSGC装置および高速バスが不要となるからシステム構成は簡素化され、したがって安価なシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマルチプロセッサ交換機の基本構成図である。
【図2】本発明におけるマルチプロセッサ交換機の通信方法を表すフローチャートである。
【図3】図1に示すセル分離部の実際の実現態様を表す図である。
【図4】図1に示すセル多重部31の実際の実現態様を表す図である。
【図5】本発明に係る回線装置の一実施例を表す図である。
【図6】図5におけるVCCテーブルの一例を示す図である。
【図7】回線装置12よりスイッチ装置11に入力されるセルのフォーマットを示す図である。
【図8】図5におけるVCCテーブルの他の一例を示す図である。
【図9】図5におけるVCCテーブルのさらに他の一例を示す図である。
【図10】ブロードキャスト通信が行われるときのセルのフォーマットの一例を示す図である。
【図11】ケース(i)におけるプロトコルの一例を示すシーケンス図である。
【図12】SETUP信号を受けた送信元(発呼側)プロセッサによるメモリアクセスの様子を示す図である。
【図13】制御情報セルのフォーマットの一例を示す図である。
【図14】ケース(ii)におけるプロトコルの一例を示すシーケンス図である。
【図15】セル折り返しループ部を有する回線装置の一例を示す図である。
【図16】図15におけるVCCテーブルの一例を示す図である。
【図17】図15の構成において用いる制御情報セルのフォーマットの一例を示す図である。
【図18】保守運用装置の一例を示す図である。
【図19】図18における保守運用装置内のメモリの内容を示す図である。
【図20】遠隔操作形保守運用装置の一例を示す図である。
【図21】図5に示すセル分離部の具体例を示す図である。
【図22】図5に示すセル多重部の具体例を示す図である。
【図23】図5に示すプロセッサの内部構成例を示す図である。
【図24】図15に示すセル折り返しループ部の一例を示す図である。
【図25】従来のマルチプロセッサ交換機の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…ATM交換機
11…スイッチ装置
12…回線装置
13…プロセッサ(CPU)
15…端末装置(TE)
16…BSGC装置
17…呼処理プロセッサ
18…高速バス
21…セル分離部
22…端末側セル分離部
23…スイッチ側セル分離部
25…メモリ
26…ルーティングテーブル
31…セル多重部
32…スイッチ側セル多重部
33…端末側セル多重部
41…セル折り返しループ部
42…セル折り返し判定手段
43…セル多重手段
44…ループパス
52…保守運用装置
53…プロセッサ
55…メモリ
56…ルーティングテーブル
UC…ユーザセル
CIC…制御情報セル
Claims (18)
- 複数の端末装置間で授受されるセルの交換を行うスイッチ装置と、該スイッチ装置と前記複数の端末装置の各々との間に挿入される回線装置と、を備え、各該回線装置にはプロセッサが内蔵されるマルチプロセッサ交換機において、
ユーザセルと制御情報セルとからなり、各前記端末装置から出力されて各前記回線装置に入力されるセルが、前記ユーザセルであるか、または前記制御情報セルであるかを識別して振り分けるセル分離部を各前記回線装置内に有し、
各前記プロセッサは、前記セル分離部により振り分けられた前記制御情報セルを用い、前記スイッチ装置を介して、プロセッサ間の通信を行うことを特徴とするマルチプロセッサ交換機。 - 複数の端末装置間で授受されるセルの交換を行うスイッチ装置と、該スイッチ装置と前記複数の端末装置の各々との間に挿入される回線装置と、を備え、各該回線装置にはプロセッサが内蔵されるマルチプロセッサ交換機において、
各前記回線装置内に、各該回線装置に入力されるセルが、ユーザセルであるか、または制御情報セルであるかを識別して振り分けるセル分離部を有し、
各前記プロセッサは、前記セル分離部により振り分けられた前記制御情報セルを用い、前記スイッチ装置を介して、プロセッサ間の通信を行い、
さらに、前記セル分離部は、前記端末装置からのセルを入力とする端末側セル分離部と、前記スイッチ装置からのセルを入力とするスイッチ側セル分離部とからなることを特徴とするマルチプロセッサ交換機。 - 複数の端末装置間で授受されるセルの交換を行うスイッチ装置と、該スイッチ装置と前記複数の端末装置の各々との間に挿入される回線装置と、を備え、各該回線装置にはプロセッサが内蔵されるマルチプロセッサ交換機において、
各前記回線装置内に、各該回線装置に入力されるセルが、ユーザセルであるか、または制御情報セルであるかを識別して振り分けるセル分離部を有し、
各前記プロセッサは、前記セル分離部により振り分けられた前記制御情報セルを用い、前記スイッチ装置を介して、プロセッサ間の通信を行い、
さらに、各前記回線装置内に、前記セル分離部により振り分けられた前記ユーザセルと、前記プロセッサから送出される前記制御情報セルとを多重化するセル多重部を有することを特徴とするマルチプロセッサ交換機。 - 前記セル多重部は、前記スイッチ装置へのセルを出力するスイッチ側セル多重部と、前記端末装置へのセルを出力する端末側セル多重部とからなる請求項3に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 各前記セルは、少なくともヘッダエリアおよびペイロードエリアからなり、各前記制御情報セルは、各前記ユーザセルと区別可能な特定の識別コードを前記ヘッダエリア内に有すると共に、前記プロセッサから送出される前記制御情報セルにはさらに、少なくとも送信先の前記プロセッサを指定するタグ情報を格納するためのタグエリアが付加されてなる請求項3に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 各前記回線装置内に設けられたルーティングテーブルに、前記プロセッサにより前記タグ情報の書き込みを行う請求項5に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 前記プロセッサ間の通信において、前記制御情報セルの転送先プロセッサよりリプライを求めるために、前記制御情報セルの前記ペイロードエリアに、当該制御情報セルの送信元のプロセッサを表示するための表示コードを格納する請求項5に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 前記プロセッサから送出される前記制御情報セル内に、前記プロセッサ間の通信をブロードキャスト形態で行うか否かを指定するための第1ブロードキャスト識別子を含む請求項5に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 前記プロセッサから送出される前記制御情報セル内に、前記プロセッサ間の通信を、ある特定のプロセッサに対するブロードキャスト通信で行うか、または、全てのプロセッサに対するブロードキャスト通信で行うかを指定するための第2ブロードキャスト識別子を含む請求項8に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 前記プロセッサから送出される前記制御情報セル内に、前記ブロードキャスト形態で行われる前記プロセッサ間の通信において、当該ブロードキャスト情報の送信元のプロセッサが、その送信先のプロセッサから、当該ブロードキャスト情報に対するリプライを求めるか否かを指定するためのリプライ識別子を含む請求項8に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 前記リプライが求められた前記送信先のプロセッサからの前記制御情報セルの前記ペイロードエリアに、当該リプライ元のプロセッサを表示するためのリプライ表示コードを格納する請求項10に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 端末側の一方の加入者と端末側の他方の加入者との間で呼を接続するに際し、全ての前記プロセッサが共通に加入者データおよび局データを保有する場合、発呼側加入者の属するプロセッサからの当該呼設定情報を、前記制御情報セルの前記ペイロードエリア内に格納して着呼側加入者の属するプロセッサに送信し、該着呼側加入者の属するプロセッサからの当該呼設定情報に対する応答情報を、前記制御情報セルの前記ペイロードエリア内に格納して前記発呼側加入者の属するプロセッサに返送して、当該呼の接続を行う請求項5に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 端末側の一方の加入者と端末側の他方の加入者との間で呼を接続するに際し、各前記プロセッサが自己が管轄する加入者の加入者データまたは隣接する局の局データのみを保有する場合、発呼側加入者の属するプロセッサからの当該呼設定情報を、前記制御情報セルの前記ペイロードエリア内に格納して全てのプロセッサにブロードキャスト通信にて送信し、当該呼設定情報に該当する着呼側加入者を収容すると判断したプロセッサからの当該呼設定情報に対する応答情報を、前記制御情報セルの前記ペイロードエリア内に格納して前記発呼側加入者の属するプロセッサに返送し、当該呼の接続を行う請求項5に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 前記制御情報セルを全てのプロセッサにブロードキャスト通信にて送信して前記応答情報が複数の前記プロセッサから返送されたとき、第1番目の該応答情報を返送したプロセッサとの間で当該呼の接続を行うと共に、第2番目以降の該応答情報を返送したプロセッサに対しては、切断要求情報を含む前記制御情報セルを返送する請求項13に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 各前記回線装置内に、セル折り返しループ部を設け、端末側の一方の加入者と端末側の他方の加入者との間で呼を接続するに際し、両加入者が同一の前記プロセッサに収容されているものと判定された場合、当該ユーザセルは、前記スイッチ装置に送出することなく、該セル折り返しループ部で折り返して当該両加入者間で呼の設定を行う請求項2に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 複数の前記回線装置のうちの1つは保守運用装置であり、交換機全体の保守運用のための前記制御情報セルを、各前記プロセッサとの間で送信または受信する請求項2に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 前記制御情報セルに乗せて転送すべき保守運用情報が全ての前記プロセッサに共通の場合、前記保守運用装置は、前記プロセッサ間の通信をブロードキャスト通信で行って当該保守運用情報を各該プロセッサに配送し、一方、前記保守運用情報が特定の前記プロセッサに対するものであるときは、前記プロセッサ間の通信はそのプロセッサとの間で1対1の通信により行う請求項16に記載のマルチプロセッサ交換機。
- 複数の端末装置間で授受されるセルの交換を行うスイッチ装置と、該スイッチ装置と前記複数の端末装置の各々との間に挿入される回線装置と、を備え、各該回線装置にはプロセッサが内蔵されるマルチプロセッサ交換機において、
複数の前記端末装置間で授受されるユーザセルに加えて制御情報セルを前記端末装置内にて生成し、
前記ユーザセルと前記制御情報セルとからなり、各前記端末装置から出力されて各前記回線装置に入力されるセルが、前記ユーザセルであるか、または前記制御情報セルであるかを各前記回線装置内にて識別して振り分け、
前記の振り分けられた制御情報セルを用いて、前記スイッチ装置を介し、各前記プロセッサ間で通信を行うことを特徴とするマルチプロセッサ交換機の通信方法。
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