JP3676697B2 - 車両用衝突試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドレールに沿って配置した無端状のワイヤーを、ガイドレールに移動可能に支持した試験用車両に係脱自在に連結し、ワイヤー駆動装置でワイヤーを駆動して試験用車両を移動させる車両用衝突試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エアバッグ装置やシートベルト装置のような衝突安全装置の開発や評価に際して、それらを装備した試験用車両に実際の正面衝突時に発生するものと同様の負の加速度を発生させる衝突試験が行われる。かかる衝突試験を車両を破壊せずに行うべく、試験用車両を搭載した移動台をエアシリンダ等の射出用駆動源でガイドレールに沿って後ろ向きに射出し、その射出の瞬間に車両の正面衝突をシミュレートする負の加速度を発生させる車両用衝突試験装置が、特許第2955178号公報により提案されており、また試験用車両を搭載した移動台を循環駆動される無端状ワイヤに連結して移動させ、その移動台をオイルバッファ装置に衝突させることで車両の正面衝突をシミュレートする負の加速度を発生させる車両用衝突試験装置が、特開平11−64155号公報により提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開平11−64155号公報に記載されたものは、ワイヤを駆動するウインチ装置が移動台を案内するガイドレールの先端よりも後方に配置されているため、車両用衝突試験装置の全長がガイドレールの全長よりも長くなってしまい、床面積を有効利用できなくなる問題がある。また上記特許第2955178号公報に記載された車両用衝突試験装置においても、射出後の移動台を無端状ワイヤに連結して元の射出位置に戻すように構成した場合に、このような問題が同様に発生する可能性がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両用衝突試験装置において、ガイドレールに沿ってワイヤーで試験用車両を移動させるワイヤー駆動装置をコンパクトに配置することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、発明によれば、左右一対の直線状ガイドレールに沿って配置した無端状のワイヤーを、ガイドレールに移動可能に支持した試験用車両に係脱自在に連結し、ワイヤー駆動装置でワイヤーを駆動して試験用車両を移動させる車両用衝突試験装置において、前記左右一対のガイドレール間で該ガイドレールに沿って延びる直線状のピットが床面に掘設されており、その直線状ピット内には、前記ガイドレールの長手方向範囲内で且つ左右のガイドレール間において、各々回転可能な駆動プーリ及びガイドプーリと、その両プーリ間に巻き掛けられた無端状の前記ワイヤーと、前記駆動プーリを回転駆動するモータ並びに前記両プーリ間に在って前記ワイヤーに対しそれの伸びに関係なくに常に適切なテンションを与えるテンション付与手段を備えるワイヤー駆動装置とを収納したことを特徴とする車両用衝突試験装置が提案される。
【0006】
上記構成によれば、左右一対の直線状ガイドレールに沿って配置した無端状のワイヤーを駆動して試験用車両をガイドレールに沿って移動させるワイヤー駆動装置を、前記左右一対のガイドレール間で床面に掘設されて該ガイドレールに沿って延びる直線状のピット内に、ガイドレールの長手方向範囲内で且つ左右のガイドレール間において、駆動プーリ及びガイドプーリ並びに無端状ワイヤーと共に収納したので、ワイヤー駆動装置をガイドレールの端部よりも外側に配置する場合に比べて、車両用衝突試験装置の全長をコンパクト化して床面積を有効利用することができしかもワイヤー駆動装置をピットに収納したことにより、試験用車両がワイヤー駆動装置と干渉するのを防止することができる。その上、前記直線状のピット内でワイヤー駆動装置が、駆動プーリ及びガイドプーリ間に在ってワイヤーに対しそれの伸びに関係なくに常に適切なテンションを与えるテンション付与手段を備えているので、車両用衝突試験装置を大型化することなく、ワイヤーに常に適切なテンションを与えることができる。
【0009】
尚、実施例の移動台牽引装置16は本発明のワイヤー駆動装置に対応し、実施例の第1、第2テンショナプーリ78,80は本発明のテンション付与手段に対応する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図13は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両用衝突試験装置の全体平面図、図2は図1の2部拡大図、図3の図2の要部拡大図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図3の6−6線断面図、図7は図2の7方向矢視図、図8は図5の8−8線断面図、図9は図1の9部拡大図、図10は図9の10−10線断面図、図11は図9の要部拡大図、図12は図10の12−12線拡大断面図、図13は図6に対応する作用説明図である。
【0012】
図1に示すように、エアバッグ装置やシートベルト装置の機能、あるいはダミー人体の各部に加わる荷重等を試験すべく、試験用車両Vに正面衝突をシミュレートする負の加速度(車体前方への減速度)を発生させる車両用衝突試験装置は、前後方向に延びる一対のガイドレール11,11に沿って移動可能な移動台12を備えており、車体後部が後方を向く状態で試験用車両Vを搭載したパレット13が、前記移動台12の上面に固定される。ガイドレール11,11の前端部にエアシリンダよりなる射出用駆動源14が配置されており、この射出用駆動源14で移動台12を後方に向けて高速で射出することで、移動台12にパッレット13を介して支持した試験用車両Vに前記負の加速度を発生させる。後方に射出された移動台12は、ガイドレール11,11に沿って移動する間に制動され、ガイドレール11,11の後端部に達する手前で停止する。ガイドレール11,11の後端部には、ガイドレール11,11の中間部で停止した移動台12を無端状のワイヤー15で牽引して元の射出位置に戻すための移動台牽引装置16が設けられる。
【0013】
次に、図2〜図7に基づいて、移動台12、パレット13および射出用駆動源14の構造を説明する。
【0014】
平面視で概略長方形に形成された移動台12は、左右一対のサイドメンバ17,17と、両サイドメンバ17,17を結合する4本のクロスメンバ18…と、サイドメンバ17,17およびクロスメンバ18…の上面を覆う上板19と、サイドメンバ17,17およびクロスメンバ18…の下面を覆う下板20とを備える。移動台12はその下面の左右両側部にそれぞれ3個のガイド部21…を備えており、前後方向に延びるピットPの両側縁に敷設したガイドレール11,11に前記ガイド部21…を案内されて移動する。移動台12の上面に平面視で長方形に形成されたパレット13が載置され、その周縁部が多数のボルト22…で移動台12の左右のサイドメンバ17,17と前後のクロスメンバ18,18とに固定される。そしてパレット13に立設した多数のステー23…を介して、車体後部を後方に向けた試験用車両Vが支持される。
【0015】
パレット13から前方にはみ出した移動台12の前部上面にパレット拘束部材24が設けられる。パレット拘束部材24は、移動台12の上面に重ね合わされてスライド板25と、スライド板25の後端に立設されてパレット13の前端に当接する拘束板26と、スライド板25に拘束板26を結合する4個の結合部材27…と、後述する2本のパレット拘束用ボルト28,28を案内する2個のボルトガイド29,29とを備える。スライド板25には前後方向に延びる一対の長孔25a,25aが形成されており、この長孔25a,25aを貫通するボルト30,30が移動台12に締結される。
【0016】
移動台12の上面に左右一対のボルト受け部材31,31がそれぞれ4本のボルト32…で固定される。各々のボルト受け部材31の後面に設けた受け板33に前記パレット拘束用ボルト28が螺合してロックナット34で緩み止めされる。パレット拘束用ボルト28は図示せぬレンチで操作される。各々のボルト受け部材31は左右一対の押さえ板35,35を備えており、この押さえ板35,35でパレット拘束部材24のスライド板25に形成した脚部25b,25bを上方から押さえることで、移動台12からのパレット拘束部材24の浮き上がりが防止される。
【0017】
エアシリンダから成る射出用駆動源14のシリンダ本体36から後方に突出するピストンロッド37は、左右のガイドレール11,11にステー38,38を介して支持したガイド部材39に摺動自在に案内され、その先端の押圧面37aが移動台12の前端に設けた被押圧部材40に当接可能に対向する。従って、ピストンロッド37を図示せぬ固定手段で固定した状態でシリンダ本体36の内部を蓄圧し、その状態から前記固定を解除するとピストンロッド37が一気に突出して移動台12の被押圧部材40を押圧し、パレット13および試験用車両Vと共に移動台12を後方に射出することができる。
【0018】
移動台12の下面の左右両側部にそれぞれ3個ずつ設けられたガイド部21は、ガイドレール11の上下面を挟むようにコ字状断面を有する。ガイド部21は、ガイドレール11の上面に対向する部分に複数個のシリンダ41…を備えており、これらシリンダ41…にシール部材42…を介して摺動自在に嵌合するピストン43…の下面に、ガイドレール11の上面に当接可能な上部摩擦パッド44…および電極45…が設けられる。またガイド部21のガイドレール11の下面に対向する部分に、前記上部摩擦パッド44…と協働する複数個の下部摩擦パッド46…が固定される。更に移動台12の左右両側部にそれぞれ3個ずつ設けられた張出部47の内部に、上下方向に延びるシリンダ48が形成される。シリンダ48にシール部材49を介して嵌合するピストン50から下向きに突出するピストンロッド51の下端に、ガイドレール11の上面に当接可能なロードセル52が設けられる。
【0019】
ガイド部21のシリンダ41の上部に油室53が区画され、また張出部47のシリンダ48の上部および下部にそれぞれ上部油室54および下部油室55が区画される。油圧ポンプ等の油圧源58が電磁弁59を介してシリンダ41の上部に油室53に連通するとともに、電磁弁60を介してシリンダ48の上部油室54および下部油室55に連通する。従って、電磁弁59を励磁すれば油室53に油圧が供給されてピストン43が下降し、消磁すれば油室53がドレンに連通して移動台12の重量によりピストン43が上昇する。また電磁弁60を消磁すれ下部油室55に油圧が供給されてピストン50が上昇し、電磁弁60を励磁すれば上部油室54に油圧が供給されてピストン50が下降する。
【0020】
図2、図5および図8に示すように、ピットPの前端に近い側壁にブラケット65を介して第1ガイドプーリ66が回転自在に支持されており、この第1ガイドプーリ66に前記無端状のワイヤー15が巻き掛けられる。移動台12の下面に固定したブラケット67に支点ピン68を介してL字状のロックレバー69が枢支されており、このロックレバー69の一端側に作業者により操作される操作部69aが設けられるとともに、他端側にワイヤー15に係合可能な凹凸を有する係合部69bが設けられる。従ってロックレバー69が鎖線で示すアンロック位置にあるとき、ワイヤー15は移動台12と切り離されているが、ロックレバー69を矢印a方向に操作して実線で示すロック位置に揺動させ、係合部69bとブラケット67の受け部67aとの間にワイヤー15を把持すると、ワイヤー15は移動台12に連結される。ワイヤー15が矢印b方向に移動して移動台12を牽引するとき、ワイヤー15から受ける荷重で係合部69bがワイヤー15に食い込む方向に付勢されるため、ワイヤー15と移動台12との連結が外れる虞はない。
【0021】
次に、図9〜図13に基づいて移動台牽引装置16の構造を説明する。
【0022】
ピットPの後端部の一段深くなった部分に収納した板状のベース部材70上に、水平なプーリ軸71により支持された第2ガイドプーリ72と、水平なプーリ軸73により支持された第3ガイドプーリ74と、鉛直なプーリ軸75により支持された第4ガイドプーリ76と、鉛直なプーリ軸77により支持された第1テンショナプーリ78と、鉛直なプーリ軸79により支持された第2テンショナプーリ80と、鉛直なプーリ軸81により支持された第5ガイドプーリ82と、水平な駆動軸83により支持された駆動プーリ84と、水平なプーリ軸85により支持された第6ガイドプーリ86とが設けられており、前記第1ガイドプーリ66(図5参照)から延びる無端状のワイヤー15は、第2ガイドプーリ72、第3ガイドプーリ74、第4ガイドプーリ76、第1テンショナプーリ78、第2テンショナプーリ80、第5ガイドプーリ82、駆動プーリ84および第6ガイドプーリ86を経由して再び第1ガイドプーリ66に巻き掛けられる。
【0023】
モータ87の回転軸88は、減速機89、出力軸90、継ぎ手91および駆動軸83を介して駆動プーリ84に接続されており、モータ87で駆動プーリ84を回転させることでワイヤー15が駆動される。このとき、ワイヤー15がスリップしないように、第1テンショナプーリ78および第2テンショナプーリ80によりワイヤー15に張力が与えられる。
【0024】
第1テンショナプーリ78は装置の組立時にワイヤー15の長さの誤差を吸収すべく、手動操作によりラフな張力調整を行うものである。即ち、鉛直なプーリ軸79を支持するスライド板92が、ベース部材70に固定した固定板93の上面に載置され、スライド板92に形成した長孔92a,92aを貫通して固定板93に螺入されるボルト94,94により前後方向に摺動自在にガイドされる。そして固定板93の後端に設けたナット部材95に螺合した調整ボルト96の前端をスライド板92の先端に突設したストッパ部材97に当接させる。従って、ボルト94,94を緩めた状態で調整ボルト96をナット部材95にねじ込んでスライド板92を適当な位置まで前方に移動させ、その位置でボルト94,94を締結することで第1テンショナプーリ78の前後位置を任意に調整することができる。
【0025】
ベース部材70に固定したガイド部材98にスライダ99およびばね座100が摺動自在に支持されており、ガイド部材98から突出するスライダ99の一端にプーリ軸79を介して第2テンショナプーリ80が支持されるとともに、スライダ99の他端およびばね座100の間にテンションスプリング101,101が縮設される。ばね座100の中央部に設けた雌ねじ部材102に雄ねじ部材103の一端側が螺合しており、ガイド部材98から突出する雄ねじ部材103の他端に従動ギヤ104が固定される。そしてガイド部材98の上面に支持したモータ105に設けた駆動ギヤ106が前記従動ギヤ104に噛合する。
【0026】
スライダ99に固定したステー107に第1リミットスイッチ108aおよび第2リミットスイッチ108bが設けられており、これら第1、第2リミットスイッチ108a,108bに当接可能なストイライカ109がばね座100に固定される。従って、スプリング101,101の弾発力でばね座100に対してスライダ99がガイド部材98から押し出されることで、スライダ99に設けた第2テンショナプーリ80でワイヤー15に張力を与えることができる。
【0027】
長期に亘る使用の結果ワイヤー15が伸びると、それに応じてスプリング101,101が伸長してスライダ99がばね座100から離反し、ばね座100側に設けたストライカ109がスライダ99側に設けた第1リミットスイッチ108aを作動させると、モータ105が起動して駆動ギヤ106および従動ギヤ104を介して雄ねじ部材103を回転させる。その結果、雄ねじ部材103に螺合する雌ねじ部材102がばね座100を押し出し、ワイヤー15の張力が低下しないようにスプリング101,101を再び圧縮する。そしてばね座100の移動に伴ってストライカ109が第2リミットスイッチ108bを作動させると、その時点でモータ105が停止する。このように、ワイヤー15が一定量だけ伸びる度にモータ105でばね座100を一定距離だけ移動させてスプリング101,101を圧縮するので、ワイヤー15に常に適切な張力を与えることができる。
【0028】
スライダ99の上面には、該スライダ99の移動方向に沿って緑マーク110、黄マーク111および赤マーク112が設けられており、ワイヤー15の伸びに応じてガイド部材98から緑マーク110、黄マーク111および赤マーク112が順次露出する。従って、緑マーク110、黄マーク111および赤マーク112の露出状態に応じてワイヤー15の伸びの程度を知ることができ、ワイヤー15の交換等のメンテナンスを的確に行うことができる。
【0029】
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0030】
先ず、試験に先立ってパレット13および試験用車両Vを含む移動台12の重量を、その移動台12の適宜位置にウエイトW(図2参照)を固定することで調整する。その理由は、射出用駆動源14の出力を一定にすると、移動台12の重量が重くなると発生する負の加速度が小さくなり、移動台12の重量が軽くなると発生する負の加速度が大きくなるため、所望の負の加速度を発生させるための射出用駆動源14の出力の制御が面倒になり、しかも制御制度が低下してしまう。それに対して、射出用駆動源14の出力を一定に保持しながら、移動台12の重量を調整すれば、発生する負の加速度を容易かつ精密に制御することができる。
【0031】
ウエイトWの搭載により移動台12の重量が設定値に一致したか否かは、次のようにして確認する。図6に示す通常時には、電磁弁59が消磁して油室53…がドレンに連通しており、ガイドレール11,11の上面に支持される上部摩擦パッド44…を備えたピストン43…は移動台12の重量でシリンダ48…の内部を上方に退没しており、そのために下部摩擦パッド46…はガイドレール11,11の下面から下方に離反している。また電磁弁60が消磁して油圧源58が下部油室55…に連通し、ピストン50が上昇してロードセル52…はガイドレール11,11の上面から離反している。
【0032】
この通常状態から、図13(a)に示すように、電磁弁60を励磁して油圧源58を上部油室54…に連通させると、ピストン50が下降してロードセル52…がガイドレール11,11の上面に当接し、移動台12が押し上げられて上部摩擦パッド44…がガイドレール11,11の上面から離反する。このとき、下部摩擦パッド46…とガイドレール11,11の下面との間には若干の隙間が残されている。従って、移動台12が6個のロードセル52…を介してガイドレール11,11の上面に支持された状態となり、それらロードセル52…の出力を合計することで移動台12の重量を知ることができる。上部摩擦パッド44…がガイドレール11,11の上面から離反したことは、上部摩擦パッド44…に設けた電極45…とガイドレール11,11との間の電気的導通が遮断されることにより確認される。
【0033】
このように移動台12の重量を測定するロードセル52…を移動台12側に設けたので、ガイドレール11,11の一部を他の部分から切り離し、その位置に移動台12を載置して重量を測定する必要がなくなり、ガイドレール11,11上の任意の位置で重量測定を行うことが可能になって利便性が向上する。
【0034】
上述のようにして、ウエイトWにより移動台12の重量が設定値に調整されると、電磁弁60を消磁して油圧源58を下部油室55…に連通させ、ピストン50を上昇させてロードセル52…をガイドレール11,11の上面から離反させ、図6に示す通常状態に復帰させる。
【0035】
続いて、移動台12をガイドレール11,11の前端部に位置させて射出用駆動源14のピストンロッド37の押圧面37aを移動台12の前端の被押圧部材40に当接させ、ピストンロッド37を固定した状態でシリンダ本体36の内部を蓄圧し、その状態から前記固定を解除するとピストンロッド37が一気に突出する。その結果、ピストンロッド37の押圧面37aに被押圧部材40を押圧された移動台12はパレット13および試験用車両Vと共にガイドレール11,11に沿って後方に射出される。その瞬間に、パレット13上に支持された試験用車両Vに、正面衝突時に発生するものと同じ方向の負の加速度が作用するため、実際に衝突を発生させて試験用車両Vを破壊することなくエアバッグ装置やシートベルト装置の機能を試験することができる。
【0036】
移動台12を射出した直後に電磁弁59を励磁して油圧源58を油室53…に連通させると、図13(b)に示すように、シリンダ41…内をピストン43…が下降して上部摩擦パッド44…がガイドレール11,11の上面に圧接される。上部摩擦パッド44…がガイドレール11,11から受ける反作用で移動台12が持ち上げられると、下部摩擦パッド46…がガイドレール11,11の下面に圧接されるため、上部摩擦パッド44…および下部摩擦パッド46…がガイドレール11,11の上下面を挟圧して移動台12に強い制動力が作用し、移動台牽引装置16の手前で移動台12を停止させることができる。
【0037】
このように、上部摩擦パッド44…および下部摩擦パッド46…で移動台12を制動して停止させるので、移動台12をバッファに衝突させて停止させる必要がなくなり、移動台12が受ける衝撃を軽減して耐久性を高めることが可能となる。
【0038】
再度試験を行うべく移動台12をガイドレール11,11の前端部に戻すには、電磁弁59を消磁して油室53…をドレンに連通させることで、図6に示す通常状態に戻して移動台12の制動を解除した後、図8に示すロックレバー69を矢印a方向に操作して実線で示すロック位置に揺動させ、移動台12をワイヤー15に結合する。そして移動台牽引装置16のモータ87を駆動して駆動プーリ84を回転させることでワイヤー15を矢印b方向に駆動し、そのワイヤー15に連結された移動台12ガイドレール11,11の前端部に戻すことができる。移動台12ガイドレール11,11の前端部に戻ると、ロックレバー69を図8に鎖線で示すアンロック位置に揺動させ、移動台12をワイヤー15から切り離すことで、次の試験に備えることができる。
【0039】
ところで、パレット13は多数のボルト22…で移動台12に固定されているが、ボルト22…とパレット13のボルト孔13a…(図6参照)との間には若干の隙間が存在するため、移動台12を射出した瞬間に、慣性で元位置に止まろうとするパレット13が移動台12に対してボルト22…の周囲の隙間分だけ相対的に前方に移動する場合がある。このように、射出の瞬間に移動台12に対してパレット13が相対的に前方に移動すると、パレット13に支持した試験用車両Vに予め設定した値の負の加速度が発生しなくなり、高精度の試験を行うことができなくなる。
【0040】
しかしながら、本実施例では移動台12の前部に前後移動可能に設けたパレット拘束部材24,24の拘束板26,26を、パレット拘束用ボルト28,28で後方に付勢してパレット13の前端に強く押し付けることで、移動台12の射出時にパレット13が前方に相対移動するのを確実に防止することができる。このようにパレット拘束用ボルト28,28でパレット13の相対移動を防止できるので、パレット13を固定するボルト22…とボルト孔13a…との間のガタを詰めるための面倒な移動台12の慣らし打ち作業が不要になり、慣らし打ち作業の時間および労力を節減することができる。
【0041】
射出された移動台12を元位置に戻すための移動台牽引装置16は、左右のガイドレール11,11間に形成したピットPの後部に収納されているため、移動台牽引装置16がガイドレール11,11の後端から後方に突出することがなくなり、車両用衝突試験装置の全長を減少させることができ、しかも移動台12が移動台牽引装置16と干渉するのを防止することができる。またピットP内の移動台牽引装置16は第1、第2テンショナプーリ78,80を備えているため、車両用衝突試験装置を大型化することなくワイヤー15にテンションを与えることができる。
【0042】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0043】
例えば、実施例では移動台牽引装置16が射出後の移動台12を元位置に戻すために使用されているが、本発明は移動台牽引装置で試験用車両を走行させてバッファ装置に衝突させるものにも適用することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、左右一対の直線状ガイドレールに沿って配置した無端状のワイヤーを駆動して試験用車両をガイドレールに沿って移動させるワイヤー駆動装置を、前記左右一対のガイドレール間で床面に掘設されて該ガイドレールに沿って延びる直線状のピット内に、ガイドレールの長手方向範囲内で且つ左右のガイドレール間において、駆動プーリ及びガイドプーリ並びに無端状ワイヤーと共に収納したので、ワイヤー駆動装置をガイドレールの端部よりも外側に配置する場合に比べて、車両用衝突試験装置の全長をコンパクト化して床面積を有効利用することができしかもワイヤー駆動装置をピットに収納したことにより、試験用車両がワイヤー駆動装置と干渉するのを防止することができる。その上、前記直線状のピット内でワイヤー駆動装置が、駆動プーリ及びガイドプーリ間に在ってワイヤーに対しそれの伸びに関係なくに常に適切なテンションを与えるテンション付与手段を備えているので、車両用衝突試験装置を大型化することなく、ワイヤーに常に適切なテンションを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用衝突試験装置の全体平面図
【図2】図1の2部拡大図
【図3】図2の要部拡大図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】図2の7方向矢視図
【図8】図5の8−8線断面図
【図9】図1の9部拡大図
【図10】図9の10−10線断面図
【図11】図9の要部拡大図
【図12】図10の12−12線拡大断面図
【図13】図6に対応する作用説明図
【符号の説明】
11 ガイドレール
15 ワイヤー
16 移動台牽引装置(ワイヤー駆動装置)
66 ガイドプーリ
78 第1テンショナプーリ(テンション付与手段)
80 第2テンショナプーリ(テンション付与手段)
84 駆動プーリ
87 モータ
P ピット
V 試験用車両

Claims (1)

  1. 左右一対の直線状ガイドレール(11)に沿って配置した無端状のワイヤー(15)を、ガイドレール(11)に移動可能に支持した試験用車両(V)に係脱自在に連結し、ワイヤー駆動装置(16)でワイヤー(15)を駆動して試験用車両(V)を移動させる車両用衝突試験装置において、
    前記左右一対のガイドレール(11)間で該ガイドレール(11)に沿って延びる直線状のピット(P)が床面に掘設されており、
    その直線状のピット(P)内には、前記ガイドレール(11)の長手方向範囲内で且つ左右のガイドレール(11)間において、各々回転可能な駆動プーリ(84)及びガイドプーリ(66)と、その両プーリ(84,66)間に巻き掛けられた無端状の前記ワイヤー(15)と、前記駆動プーリ(84)を回転駆動するモータ(87)並びに前記両プーリ(84,66)間に在って前記ワイヤー(15)に対しそれの伸びに関係なくに常に適切なテンションを与えるテンション付与手段(78,80)を備えるワイヤー駆動装置(16)とを収納したことを特徴とする、車両用衝突試験装置
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