JP3676273B2 - タービン振動監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タービンにおいて、異常を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、高圧タービン8の概略図を示す。ただし、上部半分の静翼を具備するケーシングを取り外している。高圧タービン8は、回転軸15、軸受21−1〜21−2、第1動翼部18、第2動翼部19、第3動翼部20、第1抽気管10、第2抽気管11、低圧蒸気管16、架台17を具備する。
【0003】
回転軸15は、第1動翼部18と第2動翼部19と第3動翼部20とが植えられた翼車である。軸端から回転モーメントを出力する。
軸受21−1〜21−2は、回転軸15の回転を支える軸受である。半径方向の荷重及び軸方向の荷重を受け、軸が移動せず、かつ、滑らかな回転が行なえるように回転軸15を保持している。
第1動翼部18、第2動翼部19及び第3動翼部20は、高圧蒸気のエネルギーを回転エネルギーに変換する回転翼である。回転軸15に取り付けられている。
第1抽気管10及び第2抽気管11は、高圧タービン8の高圧蒸気の一部を抽出するための管である。抽気は、プロセス熱作業用あるいは給水加熱用等の目的で行なう。
低圧蒸気管16は、高圧タービン8を通過した高圧蒸気を低圧タービン(図示せず)へ送出する管である。
架台17は、高圧タービン8を保持する架台である。
【0004】
第1動翼部18と第2動翼部19と第3動翼部20は、軸受21−1〜21−2に保持された回転軸15に取り付けられている。そして、第1動翼部18と第2動翼部19と第3動翼部20は、上部のケーシング(図示せず)経由で供給される高圧蒸気により、回転する。その回転が回転軸15を介して発電機等の回転機器(図示せず)に伝達され、発電その他の仕事を行なう。その際、高圧蒸気の一部は、第1抽気管10及び第2抽気管11から外部に抽出される。高圧タービンで仕事をした蒸気は、低圧蒸気管16を介して低圧タービンへ送られる。
【0005】
図10を参照して、高圧蒸気が第1動翼部18に供給される様子を説明する。図10は、第1動翼部18及びその近傍の断面図を示す。ノズル30を有する高圧蒸気導入部29、静翼取付部28、静翼22、第1ラジアルシールフィン23−1〜23−2、第2ラジアルシールフィン24−1〜24−2、第3ラジアルシールフィン25−1〜25−2、回転軸15、第1前部動翼18−1と第1後部動翼18−2とを有する第1動翼部18からなる。
【0006】
高圧蒸気導入部29は、外部から供給される高圧蒸気を第1動翼部へ導入する導入管を含む部材である。ノズル30は、高圧蒸気導入部29において、高圧蒸気を第1動翼部へ送出する出口部分に取り付けられたノズルである。
静翼取付部28は、高圧タービン8のケーシングである。そして、静翼22が取り付けられている。
静翼22は、高圧タービン8の作動ガスの方向を変え、かつ、加速させて運動エネルギーを持たせる静止した翼列である。
第1ラジアルシールフィン23−1〜23−2、第2ラジアルシールフィン24−1〜24−2及び第3ラジアルシールフィン25−1〜25−2は、微小な塵や埃のタービン翼(静翼及び動翼)方向への侵入を防ぐためのシール板である。
第1前部動翼18−1及び第1後部動翼18−2は、第1動翼部18の動翼である。
【0007】
高圧蒸気導入部29を経由して高圧蒸気(矢印で示す)は、ノズル30から第1動翼部18へ供給される。高圧蒸気は、第1前部動翼18−1−静翼22−第1項部動翼18−2と経由し、次の第2動翼部19へ流れる。この時、第1前部動翼18−1と第1後部動翼18−2は蒸気のエネルギーを受け取り、回転軸15を中心にして回転する。
【0008】
通常、ノズル30の先端と第1前部動翼18−1との距離であるクリアランス31は、非常に小さくなるように設計されている。従って、高圧蒸気はほぼ100%、第1前部動翼18−1へ供給される。ところが、何らかの原因でクリアランス31が広くなると、高圧蒸気は、第1前部動翼18−1以外の場所へ漏れ出すことがシミュレーションや模擬実験の結果から予測される。
【0009】
図11を参照して、高圧蒸気が第1前部動翼18−1以外の場所へ漏れ出す様子を説明する。
図11は、何らかの原因でクリアランス31が広くなった状況での、第1動翼部18及びその近傍の断面図を示す。各符号の意味は、図10と同様である。
【0010】
クリアランス31が、広くなると、高圧蒸気は、第1前部動翼18−1だけでなく、その周辺へも漏れ出す。例えば、図11の漏れ高圧蒸気26−1(矢印)に示す様に、第1ラジアルシールフィン23−1〜23−2近傍へ高圧蒸気が向かう。第1ラジアルシールフィン23−1〜23−2は、多量の高圧蒸気が来ることを前提に設計されてはいないため、破損する(折れる)可能性がある。その場合、漏れ高圧蒸気は、第1前部動翼18−1と静翼取付部22との隙間を通過する。そして、漏れ高圧蒸気26−2(矢印)となって、第1前部動翼18−1を通常に流れた高圧蒸気と合流する。その合流により、高圧蒸気の流れが著しく乱れ、それに伴って圧力の変動が発生する。この圧力変動が、回転軸15を軸方向に高周波で振動させると予測される。
【0011】
第1ラジアルシールフィン23−1〜23−2の破損により、他の部品(第1動翼部18など)が2次的に破損することも予測される。また、回転軸15の軸方向の高周波振動により、タービン全体にも悪影響が及ぶと考えられる。そのような状況が発生した場合には、できるだけ早い段階でその状況を検知して、対処する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、タービンで発生する異常振動を、発生後迅速に検知することが可能なタービン振動監視装置を提供することである。
【0013】
また、本発明の別の目的は、タービンで発生する異常振動を、事前に的確に検知することが可能なタービン振動監視装置を提供することである。
【0014】
更に、本発明の別の目的は、タービンの異常を複数の測定装置による測定結果から判断することが出来るタービン振動監視装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、タービンの各機器の損傷を未然に防止することが出来るタービン振動監視装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0017】
従って、上記課題を解決するために、本発明の振動監視装置は、作動ガスのフローの異常に伴いタービン(8)で発生する振動の振動数を測定する振動測定部(1)と、前記振動の振動測定結果と予め設定された振動基準値とに基づいて、前記タービン(8)の異常振動を示す振動異常信号を出力する異常振動判定部(40)とを具備する。
【0018】
また、本発明の振動監視装置は、前記振動測定部(1)が、前記タービン(8)のケーシングに設置されている。
【0019】
更に、本発明のタービン振動監視装置は、前記異常振動判定部(40)は、前記タービン(8)の回転数の3倍に相当する周波数以上の周波数について、異常の判定を行なう。
【0020】
また、本発明の振動監視装置は、前記タービン(8)からの抽気の抽気温度を測定する抽気温度測定部(2)を更に具備する。そして、前記抽気温度測定部(2)は、前記タービン(8)の抽気管(10)に設置され、前記異常振動判定部(40)は、更に、前記抽気温度の抽気温度測定結果と予め設定された抽気温度基準値とに基づいて、前記タービン(8)の異常を示す抽気温度異常信号を出力する。
【0021】
更に、本発明のタービン振動監視装置は、前記タービン(8)に前記作動ガスを供給する供給口(30)の近傍の圧力を測定する供給口圧力測定部(4)を更に具備する。そして、前記供給口圧力測定部(4)は、前記タービン(8)のケーシングに設置される。また、前記異常振動判定部(40)は、更に、前記供給口(30)の近傍の圧力の供給口圧力測定結果と予め設定された供給口圧力基準値とに基づいて、前記タービン(8)の異常を示す供給口圧力異常信号を出力する。
【0022】
更に、本発明のタービン振動監視装置は、前記タービン(8)に前記作動ガスを供給する供給弁(57)の変位を測定する変位測定部(7)を更に具備する。そして、前記変位測定部(7)は、前記供給弁(57)の近傍に設置される。また、前記異常振動判定部(40)は、更に、前記供給弁(57)の変位測定結果と予め設定された変位基準値とに基づいて、タービンの異常を示す変位異常信号を出力する。
【0023】
更に、本発明のタービン振動監視装置は、作動ガスのフローの異常に伴いタービン(8)で発生する振動の振動数を測定する振動測定部(1)と、前記振動の振動測定結果と予め設定された振動基準値とに基づいて、前記タービン(8)の異常振動を示す振動異常信号を出力する振動監視部(34)と、前記タービン(8)からの抽気の抽気温度を測定する抽気温度測定部(2)と、前記抽気温度の抽気温度測定結果と予め設定された抽気温度基準値とに基づいて、前記タービン(8)の異常を示す抽気温度異常信号を出力する温度監視部(35)と、前記タービン(8)に作動ガスを供給する供給口の近傍の圧力を測定する供給口圧力測定部(4)と、前記供給口の近傍の圧力の供給口圧力測定結果と予め設定された供給口圧力基準値とに基づいて、前記タービン(8)の異常を示す供給口圧力異常信号を出力する圧力監視部(37)と、前記タービン(8)に前記作動ガスを供給する供給弁(57)の変位を測定する変位測定部(7)と、前記供給弁の変位測定結果と予め設定された変位基準値とに基づいて、前記タービン(8)の異常を示す変位異常信号を出力する変位監視部(38)と、前記振動異常信号、前記抽気温度異常信号、前記供給圧力異常信号及び前記変位異常信号の少なくとも一つに基づいて、前記タービン(8)の異常の発生を判定する判断部(41)とを具備する。
【0024】
上記課題を解決するための、本発明のガスタービンシステムは、上述のいずれか一項の振動監視装置と、タービン動翼(18、19、20)とを有する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明であるタービン振動監視装置の一実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。本実施例において、蒸気ガスタービンに使用されるタービン振動監視装置を例に示して説明するが、他の作動ガスを用いるタービンや回転機器においても本発明は適用可能である。
【0026】
図1は、本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態に関わる高圧タービン及びその周辺機器の構成を示す図である。
タービン軸受部9−1〜9−2と高圧蒸気供給管29−1と高圧蒸気導入部29と第1抽気管10と第2抽気管11と低圧蒸気管16と蒸気調整弁駆動部51とを具備する高圧タービン8、及び、蒸気ストレーナ12と蒸気操作弁13と後進運転操作弁14とを具備する蒸気調節部47を示している。
【0027】
ここで、高圧タービン8は、振動測定部としての振動センサ1、抽気温度測定部としての抽気温度センサ2、供給口圧力測定部としての第1動翼部圧力変換器4、抽気圧力測定部としての第1抽気圧力変換器5、変位測定部としてのバルブ変位変換器7を具備する。また、蒸気調節部47は、蒸気温度測定部としての蒸気温度センサ3、蒸気圧力測定部としての蒸気圧力変換器6を具備する。
【0028】
高圧の蒸気は図示せぬ供給管より蒸気調節部47に入り、蒸気ストレーナ12で濾過された後、後進運転操作弁14を経由して高圧タービン8へ送り出される。高圧タービン8では、高圧の蒸気は、高圧蒸気供給管29−1から高圧蒸気導入部29を経由して、第1動翼部18(図9参照)に供給される。そして、第1動翼部18〜第3動翼部20(図9参照)を回転させながら、そこを通過し、低圧蒸気管16から低圧タービン(図示せず)へ送り出される。その際、高圧蒸気の一部は、プロセス熱作業用あるいは給水加熱用等の目的で、第1抽気管10及び第2抽気管11から外部に抽出される。
【0029】
高圧蒸気をタービンの動翼に供給する際、正常に供給されず異常振動を発生する場合がある。本発明によるタービン振動監視装置においては、その異常振動を、各種センサ類を用いて迅速かつ的確に把握する。そして、異常振動に伴う運転の制約や機器の損傷を最小限に抑える事を可能とする。
【0030】
以下に、図1における各構成について、詳細に説明する。
第1に、蒸気調節部47の各構成について説明する。
蒸気ストレーナ12は、高圧蒸気中に含まれる不純物を除去する為に、蒸気を供給する供給経路上に設置される多数の孔の開いた円筒上のフィルタである。蒸気調節部47に供給された高圧蒸気は、ここを通過した後、蒸気操作弁13又は後進運転操作弁14に入る。
蒸気操作弁13は、蒸気ストレーナ12を透過した高圧蒸気の、高圧タービン8へ供給する量を調整するバルブである。
また、後進運転操作弁14は、蒸気ストレーナ12を透過した高圧蒸気を高圧タービン8へ供給するラインの開閉を行なうストップバルブである。
なお、各構成の設置位置については、後述する。
【0031】
蒸気温度測定部としての蒸気温度センサ3は、蒸気ストレーナ12を透過した高圧蒸気の温度を測定する温度センサである。測定結果である作動ガス(蒸気)温度測定結果を出力する。高圧蒸気を測定可能な、温度及び圧力に適したものであれば良い。各種熱電対や抵抗温度計などである。
蒸気圧力測定部としての蒸気圧力変換器6は、蒸気ストレーナ12を透過した高圧蒸気の圧力を測定する圧力計である。測定結果である作動ガス(蒸気)圧力測定結果を出力する。高圧蒸気を測定可能な、温度及び圧力に適したものであれば良い。電気式圧力計(抵抗線や圧電気、半導体など)や、機械式圧力計(プルドン管、ダイヤフラムなど)などである。
なお、各構成の設置位置については、後述する。
【0032】
次に、高圧タービン8の各構成について説明する。
タービン軸受部9−1及び9−2は、それぞれ内部に軸受21−1及び21−2を有する。軸受21−1〜21−2は、第1動翼部18と第2動翼部19と第3動翼部20を備える回転軸15の回転を支える軸受である。
高圧蒸気供給管29−1は、蒸気調節部47を経由した高圧蒸気を高圧タービン8に供給する為の供給管である。
高圧蒸気導入部29は、高圧蒸気供給管29−1から供給された高圧蒸気を第1動翼部18へ導入する蒸気調整弁57(図示せず;後述)、及びその導入管を含む部品である。
蒸気調整弁駆動部51は、蒸気調整弁57の開閉を行なう。この弁の開度を示すバルブ変位は、バルブ変位変換器7により検出される。
第1抽気管10と第2抽気管11は、プロセス熱作業あるいは給水加熱等に用いる高圧蒸気を、高圧タービン8から一部取り出すための抽出管である。
低圧蒸気管16は、高圧タービンで仕事をした蒸気を低圧タービンへ送る送出管である。
なお、各構成の設置位置については、後述する。
【0033】
振動測定部としての振動センサ1は、高圧タービン8で発生した振動を計測する振動センサである。測定結果である振動測定結果(振動強度あるいは周波数毎の振動強度)を出力する。
【0034】
抽気温度測定部としての抽気温度センサ2は、高圧タービン8から第1抽気管10により抽出された高圧蒸気の温度を測定する温度センサである。測定結果である抽気温度測定結果を出力する。高圧蒸気を測定可能な、温度及び圧力に適したものであれば良い。各種熱電対や抵抗温度計などである。
【0035】
供給口圧力測定部としての第1動翼部圧力変換器4は、高圧蒸気を第1動翼部18へ導入する高圧蒸気導入部29のノズル30と第1動翼部18とに挟まれた空間あるいはその近傍の圧力を測定する圧力計である。測定結果である供給口圧力測定結果を出力する。高圧蒸気を測定可能な、温度及び圧力に適したものであれば良い。電気式圧力計(抵抗線や圧電気、半導体など)や、機械式圧力計(プルドン管、ダイヤフラムなど)などである。
【0036】
抽気圧力測定部としての第1抽気圧力変換器5は、第1抽気管10から抽出された高圧蒸気の圧力を測定する圧力計である。測定結果である抽気圧力測定結果を出力する。高圧蒸気を測定可能な、温度及び圧力に適したものであれば良い。電気式圧力計(抵抗線や圧電気、半導体など)や、機械式圧力計(プルドン管、ダイヤフラムなど)などである。
【0037】
変位測定部としてのバルブ変位変換器7は、供給弁としてのバルブ(後述する蒸気調整弁57)を経由する高圧蒸気の量を知る為に、バルブ(蒸気調整弁57)の開き具合を測定する測定装置である。測定結果である供給弁の変位測定結果を出力する。バルブの開き具合として、バルブの位置(変位)を検出可能なバルブ変位測定器や、バルブの回転量を検出可能なバルブ回転計などである。
なお、各構成の設置位置については、後述する。
【0038】
異常振動が発生した場合、振動センサ1により振動そのものが検出される。また、振動に伴う高圧蒸気の温度上昇が、抽気温度センサ2により検出される。この時、蒸気温度センサ3の値を参照する場合もある。また、振動に伴う高圧蒸気の圧力上昇が、第1動翼部圧力変換器4及び第1抽気圧力変換器5で検出される。この時、蒸気圧力変換器6の値を参照する場合もある。更に、振動に伴う高圧蒸気の不足による高圧蒸気供給量の増加が、バルブ変位変換器7で検出される。この様に、異常振動の発生が、振動そのものの他、温度、圧力、バルブ変位の4つの方法で検出される。従って、異常の判断が的確、かつ、迅速になる。
【0039】
次に、図2を参照して、各測定方法に関わる構成について説明する。図2は、本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態のセンサ・変換器及びそれに関わる構成を示す図である。
図2(a)は、振動測定部としての振動センサ1及びそれに関わる構成を示している。振動センサ1、増幅器32、バンドパスフィルタ33及び振動監視部34とを具備する。
振動センサ1は、高圧タービン8の振動を検出するセンサである。その振動を示す出力信号(振動測定結果)は、増幅器32へ出力される。
増幅器32は、振動センサ1から出力された振動を示す出力信号を増幅し、バンドパスフィルタ33へ出力する。
バンドパスフィルタ33は、増幅された振動を示す出力信号のうち、予め定められた周波数以上の信号のみを出力するハイパスフィルタである。高圧タービン8の振動の成分は、高圧タービン8の外部からの低周波振動fLや、高圧タービン8の回転による回転数に等しい周波数f0、あるいはその第2高調波の周波数2f0がある。しかし、異常振動は、それらよりも高い周波数であることが多い。従って、fLやf0、2f0の周波数を透過させず、それらを超える予め設定した周波数以上の振動を透過させるようにする。
振動監視部34は、バンドパスフィルタ33を透過した振動を示す出力信号を受信する。そして、図示しない記憶部に保持された予め設定された基準(例えば、周波数範囲毎に設定された基準となる出力信号強度、予め設定された基準となる出力信号強度を超えても良い基準時間、など)を超えた場合、異常を示す振動異常信号を出力する。詳細は後述する。
【0040】
図2(b)は、抽気温度測定部としての抽気温度センサ2及びそれに関わる構成を示している。抽気温度センサ2、温度監視部35とを具備する。
抽気温度センサ2は、抽気の温度を測定し、その温度を示す出力信号(抽気温度測定結果)を温度監視部35へ出力する。
温度監視部35は、各温度センサからの出力信号を受信する。そして、抽気温度センサ2での温度が、図示しない記憶部に保持された予め設定された基準(例えば、予め設定された基準となる温度、予め設定された基準となる温度を超えても良い基準時間、など)を超えた場合、異常を示す抽気温度異常信号を出力する。詳細は後述する。
【0041】
なお、温度監視部35で抽気温度の異常を判断する場合、蒸気温度センサ3での温度を参照することとしても良い。異常振動の発生がなくても、蒸気温度センサ3での温度が高い場合には、抽気温度センサ2での温度が上昇する可能性があるからである。その場合には、蒸気温度測定部としての蒸気温度センサ3は、蒸気の温度を測定し、その温度を示す出力信号(蒸気温度測定結果)を温度監視部35へ出力する。
【0042】
図2(c)は、供給口圧力測定部としての第1動翼部圧力変換器4及びそれに関わる構成を示している。第1動翼部圧力変換器4と、増幅器36と、圧力監視部37とを具備する。
第1動翼部圧力変換器4は、高圧蒸気が第1動翼部18へ供給される領域の圧力を測定し、その圧力を示す出力信号(供給口圧力測定結果)を増幅器36へ出力する。
増幅器36は、圧力を示す出力信号を増幅し、圧力監視部37へ出力する。
圧力監視部37は、増幅された第1動翼部圧力変換器4からの出力信号を受信する。そして、第1動翼部圧力変換器4での圧力が、図示しない記憶部に保持された予め設定された基準(例えば、予め設定された基準となる圧力、予め設定された基準となる圧力を超えても良い基準時間、など)を超えた場合、異常を示す供給口圧力異常信号を出力する。詳細は後述する。
【0043】
なお、圧力監視部37で第1動翼部圧力変換器4での圧力の異常を判断する場合、蒸気圧力変換器6での圧力を参照することとしても良い。異常振動の発生がなくても、蒸気圧力変換器6での圧力が高い場合には、第1動翼部圧力変換器4での圧力が上昇する可能性があるからである。その場合には、蒸気圧力測定部としての蒸気圧力変換器6は、圧力を測定し、その圧力を示す出力信号(蒸気圧力測定結果)を増幅器36へ出力する。
【0044】
また、抽気圧力測定部としての第1抽気圧力変換器5での値を、異常の判断に用いることも可能である。すなわち、第1抽気圧力変換器5は、圧力を測定し、その圧力を示す出力信号(抽気圧力測定結果)を増幅器36へ出力する。その後は、第1動翼部圧力変換器4での場合と同様である。
【0045】
図2(d)は、変位測定部としてのバルブ変位変換器7及びそれに関わる構成を示している。バルブ変位変換器7、蒸気調整弁57、変位監視部38とを具備する。
バルブ変位変換器7は、蒸気調整弁57でのバルブの変位を測定し、その変位を示す出力信号(変位測定結果)を変位監視部38へ出力する。
変位監視部38は、バルブ変位変換器7からの出力信号を受信する。そして、図示しない記憶部に保持された予め設定された基準(例えば、設定された基準となる変位、予め設定された基準となる変位を超えても良い基準時間、など)を超えた場合、異常を示す変位異常信号を出力する。詳細は後述する。
【0046】
なお、各監視部(振動監視部34、温度監視部35、圧力監視部37及び変位監視部38)は、各センサ、変換器毎に備えら得ていても良いし、複数のセンサ、変換器毎に1つ備えられていても良い。例えば、温度監視部35は、抽気温度センサ2及び蒸気温度センサ3の、それぞれ1つに1つ備えられ、合計2つの温度監視部35を有していても良い。あるいは、抽気温度センサ2及び蒸気温度センサ3の2つに1つの温度監視部35を有していても良い。
【0047】
次に、図3を参照して、上述の各センサ、変換器を用いた本発明のタービン振動監視装置について説明する。図3は、本発明であるタービン振動監視装置の一実施の形態の構成を示す図である。
振動センサ1、増幅器32、バンドパスフィルタ33、抽気温度センサ2(、蒸気温度センサ3)、第1動翼部圧力変換器4(、第1抽気圧力変換器5、蒸気圧力変換器6)、バルブ変位変換器7、蒸気調整弁57、増幅器36を具備する計装盤39、回転プローブ61、回転検出器62、振動監視部34と温度監視部35と圧力監視部37と変位監視部38と判断部41とを有する異常振動判別部40、警報部42、を具備する。
【0048】
ここで、回転プローブ61及び回転検出器62について説明する。これらは、回転軸15近傍に取りつけられ、回転軸(あるいはタービン翼)の回転数を求める機器である。例えば、次のような構成である。
回転軸15には、その外周面上の一部分に、反射鏡や反射板のような反射部が、取り付けらている。反射部は、回転プローブ61(後述)から発せられる光を回転プローブ61方向へ反射する。
回転プローブ61は、回転軸15からやや離れて、回転軸15の外周面へ垂直に光を発せられるように、かつ、回転しないように固定されている。回転軸15の1周につき1回、回転プローブ61と反射部が対向する。回転プローブ61が内部に有する発光部(LED或いはレーザー発光など)からの光を回転軸15に照射する。そして、回転軸4からの反射光を電気信号に変えて出力する。反射光は、回転軸15の回転により、反射部が回転プローブ61と対向する位置に来た時のみ、非常に強く発せられる。
回転検出器62は、回転プローブ61からの反射光に基づく信号の強度に基づいて、その信号強度が予め設定された値を超えた時に、回転軸15(あるいはタービン翼)が1回転したと判断する。そして、一定時間毎の回転軸15(あるいはタービン翼)の回転数を、異常振動判別部40へ出力する。
【0049】
振動測定の出力の流れは、振動センサ1−増幅器32−バンドパスフィルタ33−振動監視部34(異常振動判別部40)であり、図2(a)で説明した通りである。
温度測定の出力の流れは、抽気温度センサ2(、蒸気温度センサ3)−計装盤39−温度監視部35(異常振動判別部40)であり、図2(b)での説明に加えて、計装盤39が途中で加わっている。計装盤39では、出力を計装盤39に表示、記録する機能、及び、必要に応じて他の機器(情報端末、制御装置など)へもその出力を送信する中継点としての機能を有する。
圧力測定の出力の流れは、第1動翼部圧力変換器4(、第1抽気圧力変換器5、蒸気圧力変換器6)−計装盤39(増幅器36)−圧力監視部37(異常振動判別部40)であり、図2(c)での説明に加えて、計装盤39が途中で加わっている。この場合、計装盤39の機能は、既述のものに加えて、内部に含まれる増幅器36による増幅も行なわれる。
変位測定の出力の流れは、バルブ変位変換器7−計装盤39−変位監視部38(異常振動判別部40)であり、図2(d)での説明に加えて、計装盤39が途中で加わっている。この場合、計装盤39の機能は、既述の通りである。
【0050】
ここで、図4を参照して、異常振動判別部40における異常判断の方法について説明する。
図4は、異常振動判別部40内の各監視部(振動監視部34、温度監視部35、圧力監視部37及び変位監視部38)の構成を示す。各監視部は全て記憶部63、比較部64及び異常判断部65を具備する。
【0051】
記憶部63は、異常振動の判断の基準となる基準値を保持する。記憶部63は、各監視部に存在する。
すなわち、振動監視部34には、回転軸15の回転数と、その回転数での基準の振動強度である振動基準値とのテーブル(振動基準値テーブル)が保持されている。回転軸15の回転数と、その回転数での周波数毎の基準の振動強度である振動基準値とのテーブルでも良い。温度監視部35では、回転軸15の回転数と、その回転数での基準の抽気温度である抽気温度基準値とのテーブル(抽気温度基準値テーブル)が保持されている。圧力監視部37には、回転軸15の回転数と、その回転数での基準の供給口圧力である供給口圧力基準値とのテーブル(供給口圧力基準値テーブル)が保持されている。変位監視部38では、回転軸15の回転数と、その回転数での基準のバルブ変位である変位基準値とのテーブル(変位基準値テーブル)が保持されている。これらの基準値は、シミュレーションや模擬試験により確認された数値である。
【0052】
各記憶部63は、回転検出器62からの回転軸15の回転数の入力に基づいて、その回転数に対応する各基準値(振動基準値、抽気温度基準値、供給口圧力基準値、変位基準値)を各テーブル(振動基準値テーブル、抽気温度基準値テーブル、供給口圧力基準値テーブル、変位基準値テーブル)より取り出し、各比較部64に出力する。
【0053】
比較部64は、各センサ、変換器からの測定結果の入力に基づいて、各測定結果と上記各基準値との比較を行ない、各基準値からの偏差(%)を求める。比較部64は、各監視部に存在する。
すなわち、振動監視部34では、振動偏差(%)=(振動測定結果−振動基準値)/振動基準値×100 を求める。周波数毎に判断しても良い。温度監視部35では、抽気温度偏差(%)=(抽気温度測定結果−抽気温度基準値)/抽気温度基準値×100 を求める。圧力監視部37では、供給口圧力偏差(%)=(供給口圧力測定結果−供給口圧力基準値)/供給口圧力基準値×100 を求める。変位監視部38では、変位偏差(%)=(変位測定結果−変位基準値)/変位基準値×100 を求める。
各計算結果は、各異常判断部65へ出力される。
【0054】
異常判断部65は、比較部64での計算結果に基づいて、異常と判断される場合には、異常を示す異常信号(振動異常信号、抽気温度異常信号、供給口圧力異常信号、抽気圧力異常信号及び変位異常信号)を判断部41へ出力する。異常判断部65は、各監視部に存在する。
すなわち、計算の結果、偏差が5〜10%(注意範囲)であれば、異常信号としての注意警報を出力する。また、10%以上(異常範囲)であれば、異常信号としての異常警報を出力する。ただし、注意範囲及び異常範囲の数値は、上記値に限られるものではなく、装置毎や予め見込んでいる安全率などで、変更しても良い。また、段階も、注意警報と異常警報の2段階である必要はなく、1段階や3段階異常にしても良い。
【0055】
なお、同様の判断を、蒸気温度センサ3、第1抽気圧力変換器5及び蒸気圧力変換器6からの各測定結果を用いて、各監視部(温度監視部35及び圧力監視部37)で行なうことも可能である。
【0056】
判断部41は、その異常信号の入力に基づいて、異常振動に関する判断を下す。そして、判断部41は、警報部42へ警報指令信号(注意警報又は異常警報のそれぞれに対応する指令信号)を出力する。
その際、警報指令信号の出力の判断方法は、実験やシミュレーションなどにより、最適な方法が予め設定される。例えば、4つの監視部の内から、1つでも異常信号が来た場合に警報指令信号を出力するとしても良いし、4つのうちの2つ以上から異常信号が来た場合としても良いし、振動監視部34と、他の3つの内の1つから異常信号が来た場合としても良い。
警報部42は、警報指令信号の入力に基づいて、警報を発する。警報の方法として、音声発信、情報端末での画面表示、計装盤39等に設置の異常表示灯の点灯(点滅)、監督責任者等へのE−メール/自動音声電話発信、FAX送信、などで行なう。
【0057】
上述の異常信号(振動異常信号、抽気温度異常信号、供給口圧力異常信号及び変位異常信号)を、直接、警報部42(後述)へ出力することも可能である。その場合、各異常信号の内どれか一つが警報部42へ出力された時点で、警報部42は異常振動発生と判断する。そして、警報部42が警報に関する処理を行う(後述)。その場合、判断部41は、必ずしも必要ない。
【0058】
センサ、圧力変換器の取り付け位置について説明する。
図5には、高圧タービン8の正面図を示す。高圧タービン8は、振動センサ1、抽気温度センサ2、第1動翼部圧力変換器4、第1抽気圧力変換器5、タービン軸受部9−1〜9−2、第1抽気管10、第2抽気管11、高圧蒸気供給管29−1、高圧蒸気導入部29及び架台17を具備する。
【0059】
振動センサ1は、高圧タービンのケーシングの内、タービン軸受部9−1の上部に設置され、その部分の振動を測定する。高圧蒸気と第1動翼部18との間で生じる相互作用により振動が発生する。従って、その近傍の振動が拾い易い(他の振動の影響を受けにくい)場所であれば他の場所でも良い。
【0060】
抽気温度センサ2は、高圧タービン8に一端部を接続された第1抽気管10の高圧タービン本体に近い部分に設置され、第1抽気管10内の高圧蒸気の温度を測定する。高圧タービン本体内を流れる高圧蒸気(第1動翼部18〜第3動翼部20を流れる高圧蒸気)又はその抽気の温度を測定出来れば良いので、高圧蒸気の温度が測定可能な他の場所でも良い。
【0061】
第1動翼部圧力変換器4は、高圧蒸気導入部29の側面に設置されている。そして、端部が案内管43の一端部(後述)に接続されている。案内管43の他端部は、高圧蒸気導入部29におけるノズル30の第1動翼部18側開口部近傍に延びている。ノズル30と第1動翼部18との間の空間の近傍の圧力を測定する。
【0062】
ここで、第1動翼部圧力変換器4の案内管43について、図6を参照して説明する。
図6は、第1動翼部18及びその近傍の断面図を示す。ノズル30を有する高圧蒸気導入部29、静翼取付部28、静翼22、第1ラジアルシールフィン23−1〜23−2、第2ラジアルシールフィン24−1〜24−2、第3ラジアルシールフィン25−1〜25−2、回転軸15、第1前部動翼18−1と第1後部動翼18−2とを有する第1動翼部18、案内管43からなる。
【0063】
案内管43は、一端部が第1動翼部圧力変換器4に接続され、他端部が図6中のA部(静翼取付部28と第1ラジアルフィン23−1と第1前部動翼部18−1とノズル30とで囲まれる領域)近傍に延び、開口している。そして、図11の状態なった場合において、A部(図6)の圧力上昇を検出することが可能である。
【0064】
なお、第1動翼部圧力変換器4は、A部(図6)の圧力が測定可能であるならば、他の測定機器(センサ)を用いることも可能である。
【0065】
図5を参照して、第1抽気圧力変換器5は、高圧タービン本体に近い第1抽気管10に設置され、第1抽気管10内の高圧蒸気の圧力を測定する。本来は、高圧タービン本体内を流れる高圧蒸気(第1動翼部18〜第3動翼部20を流れる高圧蒸気)の圧力を測定することが望ましい。それが必ずしも構造上容易ではないなどの場合、第1抽気管10で抽気された高圧蒸気の圧力を測定する。
【0066】
他の構成は、記述の通りなので、その説明は省略する。
【0067】
次に、図7に、蒸気調節部47を示す。
蒸気調節部47は、蒸気温度センサ3、蒸気圧力変換器6、蒸気ストレーナ12、蒸気操作弁13、後進運転操作弁14、緊急操作部A44、緊急操作部B45、蒸気操作弁駆動部46、弁駆動軸48−1、軸円筒部48−2、蒸気弁用弁体48−3、位置伝達部A49−1、位置伝達部B49−1とを具備する。
【0068】
緊急操作部A44は、緊急時に、手動で蒸気操作弁13を閉止又は開放するための操作ハンドルである。すなわち、蒸気操作弁13は、通常、蒸気操作弁駆動部46(後述)により、自動的に制御されるが、緊急時には緊急操作部A44で操作される。
緊急操作部B45は、緊急時に、手動で後進運転操作弁14を閉止(又は開放)するための操作ハンドルである。すなわち、後進運転操作弁14は、通常、高圧タービン8の運転時には、常時開放状態で制御されるが、緊急時には緊急操作部B45で操作される。
蒸気操作弁駆動部46は、高圧タービン8の運転時に、外部(図示せず)からの操作信号に基づいて、蒸気操作弁13を、弁駆動軸48−1と軸円筒部48−2と蒸気弁用弁体48−3とを介して制御する。
弁駆動軸48−1は、一端部を蒸気操作弁駆動部46に、他端部を蒸気弁用弁体48−3に接続している軸棒(弁棒)である。蒸気操作弁駆動部46が蒸気弁用弁体48−3を動かすことにより、蒸気操作弁13の開度を調節する。
軸円筒部48−2は、弁駆動軸48−1の途中に固定された円筒上の冶具である。弁駆動軸48−1の上下動とともに上下する。
蒸気弁用弁体48−3は、弁駆動軸48−1の他端部に取り付けられた弁体(栓)である。蒸気操作弁13の弁本体(弁箱)の中央に設けられた弁座に、蒸気弁用弁体48−3を押し付けることにより、蒸気操作弁13を閉止する。
位置伝達部A49−1は、一端部を軸円筒部48−2に、他端部を位置伝達部B49−2に接続する治具である。そして、弁駆動軸48−1の上下動と共に上下する軸円筒部48−2の位置を位置伝達部B49−2に伝達する。
位置伝達部B49−2は、位置伝達部A49−1の位置に基づいて、蒸気弁用弁体48−3の位置を検知する。
【0069】
次に、図8を参照して、高圧蒸気導入部29と、蒸気調整弁駆動部51について説明する。
高圧蒸気導入部29は、高圧蒸気供給管29−1、調整弁操作アームA54、調整弁操作アームB55、調整弁操作部56、蒸気調整弁57(−1〜5)、バルブ変位変換器7を具備する。また、蒸気調整弁駆動部51は、弁駆動アーム52、アーム軸結合部53、調整弁操作アームC58、調整弁操作アームD59を具備する。
【0070】
弁駆動アーム52は、蒸気調整弁57(−1〜5)を制御する信号に基づいて駆動される。一端部を高圧蒸気の流量を制御する図示しないアーム制御装置に、他端部をアーム軸結合部53に接続している。
アーム軸結合部53は、弁駆動アーム52の運動を調整弁操作アームC58及び調整弁操作アームD59に伝達する。弁駆動アーム52と、他端部を調整弁操作アームC58及び調整弁操作アームD59とに接続している。
調整弁操作アームC58及び調整弁操作アームD59は、アーム軸結合部53の運動を調整弁操作アームA54及び調整弁操作アームB55に伝達する。調整弁操作アームA54及び調整弁操作アームB55と、アーム軸結合部53に接続している。
【0071】
調整弁操作アームA54及び調整弁操作アームB55は、調整弁操作部56を上下方向に駆動する。一端部をそれぞれ調整弁操作アームC58(後述)及び調整弁操作アームD59(後述)とに接続している。他端部は、調整弁操作部56(後述)に接続している。
調整弁操作部56は、蒸気調整弁57(−1〜5)を具備する。この調整弁操作部56が上下に移動することにより、蒸気調整弁57(−1〜5)の開度が変化する。調整弁操作アームA54及び調整弁操作アームB55に接続している。
蒸気調整弁57(−1〜5)は、調整弁操作部56の運動により、弁の開度を制御される。
バルブ変位変換器7は、アーム軸結合部53の動きに基づいて、蒸気調整弁57の弁の開度を検出する。そしてその信号を高圧蒸気の流量を制御する図示しないアーム制御装置及び計装盤39へ出力する。アーム軸結合部53と接続している。
高圧蒸気供給管29−1から導入された高圧蒸気は、調整弁操作アームA54及び調整弁操作アームB55の駆動で調整弁操作部56の上下により制御される蒸気調整弁57(−1〜5)の開度により、流量を調整されながら、ノズル30へ向かう。
高圧蒸気供給管29−1は、既述の通りであるので説明を省略する。
【0072】
他の構成は、既述の通りなので、その説明は省略する。
【0073】
次に、本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態における動作について、図面を参照して説明する。
図1を参照して、高圧タービン8には、振動センサ1、抽気温度センサ2、第1動翼部圧力変換器4、第1抽気圧力変換器5及びバルブ変位変換器7が設置されている。又、蒸気調節部47には、蒸気温度センサ3及び蒸気圧力変換器6が設置されている。
【0074】
定常運転時では、高圧の蒸気は図示せぬ供給管より蒸気調節部47に入り、蒸気ストレーナ12で濾過により塵、埃等を除去される。しかる後、後進運転操作弁14から高圧タービン8へ送り出される。その際、蒸気操作弁13の開度の操作により、必要となる高圧蒸気の量が調整される。又、その時、蒸気温度センサ3は蒸気調節部47における高圧蒸気の温度を、蒸気圧力変換器6は蒸気調節部47における高圧蒸気の圧力を測定している。そして、それらの結果を、それぞれ温度監視部35、圧力監視部37へ出力している。
【0075】
高圧タービン8では、蒸気調節部47から送られてきた高圧蒸気は、高圧蒸気供給管29−1から高圧蒸気導入部29、蒸気調整弁57を経由して、ノズル30から第1動翼部18(図6参照)に供給される。そして、複数の動翼(第1動翼部18〜第3動翼部20(図9参照))と複数の静翼(静翼取付部28に取り付けられた各動翼の前後にある静翼)の間を通過する。その際、高圧蒸気のエネルギーが、動翼の回転エネルギーに変換される。しかる後、低圧蒸気管16から低圧タービン(図示せず)へ送り出される。その際、高圧蒸気の一部は、プロセス熱作業用あるいは給水加熱用等の目的で、第1抽気管10及び第2抽気管11から外部に抽出される。
【0076】
又、その時、振動センサ1はタービン軸受部9−1における高圧タービン8の振動を、抽気温度センサ2は第1抽気管10から抽出される高圧蒸気の温度を、第1動翼部圧力変換器4はノズル30と第1動翼部18との間の圧力を、第1抽気圧力変換器5は第1抽気管10から抽出される高圧蒸気の圧力を、バルブ変位変換器7は蒸気調整弁57のバルブ変位(弁の開度に対応)をそれぞれ測定している。そして、それらの結果を、それぞれ振動監視部34、温度監視部35、圧力監視部37、変位監視部38へ出力している。
【0077】
異常振動が発生した場合の現象の発現とその対処について、以下に説明する。▲1▼高周波の発生:高圧タービン8の異常振動は、高周波振動である。振動センサ1が測定した信号(機器の他の部分からの振動は大部分が低周波振動なので、バンドパスフィルタ33で除去される)に基づいて、振動監視部は、その高周波の振動数を検出する。そして、その振動測定結果に基づいて、ある周波数及びその近傍の周波数の信号強度が予め設定された基準値より大きく、且つその偏差が5%以上の場合には、異常振動と判断する。その場合、振動異常信号(5〜10%:注意警報、10%以上:異常警報)を判断部41へ出力する。
【0078】
上述の「ある周波数」は、機器の種類や異常の具合に応じて変化する。従って、特定の周波数を決めず、信号強度が基準値を超える周波数が見出された場合に、その周波数に依らず、異常信号を出力することとする。但し、予め実験やシミュレーションで予測できる場合には、その周波数を用いることも可能である。また、測定する周波数の範囲に付いては、高圧タービン8の回転数の第2高調波よりも高い範囲で行なう。より好ましくは、第3高調波以上の範囲で計測する。周波数の上限に付いては、特に制限は無いが、実験やシミュレーションの予測から、第10高調波程度まであれば実施可能である。
【0079】
▲2▼高圧蒸気の温度上昇:高圧タービン8の異常振動に伴い、高圧蒸気の温度上昇が起きる。高圧蒸気の温度上昇により、高圧蒸気を抽出する第1抽気管10の抽気温度が上昇する。抽気温度センサ2が測定した信号に基づいて、温度監視部35は、抽気温度の温度を検出する。そして、この抽気温度の絶対値が、予め設定した基準値よりも大きく、且つその偏差が5%以上の場合には、異常と判断する。その場合、抽気温度異常信号(5〜10%:注意警報、10%以上:異常警報)を判断部41へ出力する。
【0080】
この時、供給される元々の蒸気温度が高くなる可能性もある為、異常の判断の際、蒸気調節部47における高圧蒸気の温度の変化を考慮することも可能である。すなわち、高圧蒸気の供給元である蒸気調節部47における高圧蒸気の温度を蒸気温度センサ3により測定する。その測定信号も温度監視部35に送出する。そして、両方の温度を比較し、その値が予め設定した温度差の基準値以下ならば、異常振動ではなく、高圧蒸気そのものの温度上昇が原因と判断し、異常信号を出力しない。
【0081】
▲3▼高圧蒸気の圧力上昇:高圧タービン8の異常振動に伴い、高圧蒸気の圧力上昇が起きる。その圧力上昇は、第1動翼部圧力変換器4により測定され、測定信号は圧力監視部37へ出力される。圧力監視部37は、第1動翼部の高圧蒸気の圧力を検出する。そして、その圧力の絶対値が、予め設定した基準値よりも大きく、且つその偏差が5%以上の場合には、異常と判断する。その場合、供給口圧力異常信号(5〜10%:注意警報、10%以上:異常警報)を判断部41へ出力する。
また、第1抽気管10の抽気圧力値を用いることも可能である。
【0082】
この時、供給される元々の蒸気圧力が高くなる可能性もある為、異常の判断の際、蒸気調節部47における高圧蒸気の圧力の変化を考慮することも可能である。すなわち、高圧蒸気の供給元である蒸気調節部47における高圧蒸気の圧力を蒸気圧力変換器6により測定する。その測定信号も圧力監視部37に送出する。そして、両方の圧力を比較し、その値が予め設定した圧力差の基準値以下ならば、異常振動ではなく、高圧蒸気そのものの圧力上昇が原因と判断し、異常信号を出力しない。
【0083】
▲4▼バルブ変位の増加:高圧タービン8の異常振動に伴い、エネルギーロスが発生し、タービンの回転が低下する。そのため、高圧蒸気の流量を増加させる制御が働き、蒸気調整弁57の開度が大きくなる。その蒸気調整弁57の開度の変化は、バルブ変位変換器7により測定され、測定信号は変位監視部38へ出力される。変位監視部38は、蒸気調整弁57のバルブの変位の絶対値が、予め設定した基準値よりも大きく、且つその偏差が5%以上の場合には、異常と判断する。その場合、変位異常信号(5〜10%:注意警報、10%以上:異常警報)を判断部41へ出力する。
【0084】
このとき、バルブ変位の増加は、供給する高圧蒸気の制御状況(例えば、温度低下に伴う蒸気供給量の増加の制御、高圧タービン8の出力変更に伴う蒸気供給量の増加の制御など)により、異常で無くても変化する場合があるため、それらの情報を変位監視部38の入力に加えても良い。その場合、異常の判断は、供給する高圧蒸気の制御状況と、蒸気調整弁57のバルブの変位の時間変化量(又は、変位の絶対値)とに基づいて行なわれる。
【0085】
各監視部(振動監視部34、温度監視部35、圧力監視部37及び変位監視部38)からの、異常信号の出力に基づいて、判断部41は、それらの異常が異常振動であるかどうかを判断する。判断方法は、例えば、次のような方法がある。
a)異常振動の検知を目的とする場合、振動監視部34の信号を必須とする。そして、確実性を高める為に、振動監視部34の信号に加えて、他の3つの内の1つから異常信号が来た場合に、異常と判断する。
異常振動を把握するので、振動監視部34の信号を必須とすることで、確実性を高めることが出来る。
【0086】
b)特に、振動に限らず異常の検知を目的とする場合、4つの監視部の内、少なくとも1つから異常信号が来た場合に、異常とする。
この場合、異常振動が発生する前でも、異常の前駆的現象が捕らえられる可能性があり、迅速性を高めることが出来る。
c)4つの監視部の内、少なくとも2つから異常信号が来た場合に、異常とする。
この場合、(b)の場合に比べて、確実性を増すことが出来る。
【0087】
以上の(a)〜(c)を基本として、装置の特性を(シミュレーションや実験により)勘案して、4つの異常信号の適切な組み合わせを用いて、判定を行なうことが可能である。
【0088】
判断部41は、上述の方法により異常が判定された場合、異常指令信号を警報部42へ出力する。警報部42は、警報指令信号の入力に基づいて、警報を発する。警報の方法として、音声発信により、装置周辺及び制御室、あるいは高圧タービン8を有する建物等にいる作業者、監督者へ異常を知らせる。また、同様の目的で、情報端末での画面表示、計装盤39等に設置の異常表示灯の点灯(点滅)を行なう。更に、遠隔地にいる関係者、監督責任者等の情報端末へのE−メール発信、自動音声電話発信、FAX送信、などで行なう。
【0089】
作業者、関係者、監督責任者等は、状況に応じて、出力の低減、装置停止、その他方法により、異常事態に対処する。
【0090】
本発明により、異常(振動)の発生に対して、適切なセンサ、変換器の設置により、異常を素早く検知し、迅速かつ的確に対応することが可能となる。また、異常に関わる位置にセンサ、変換器を設置し、その出力を用いて異常の判断を行なうので、より正確な異常診断を行なうことが可能となる。
【0091】
本発明において、異常の前駆的症状(例えば、予め設定した基準値は超えないが、それに近い値が測定され始めている場合など)に対応して、既述の各監視部が注意信号を出力する様にすることも可能である。その場合、予め設定した基準値を、注意基準値、警報基準値などの異常のレベルに応じて各段階に分け、それに対応する信号を判断部41に出力する様にする。判断部41は、それらの信号に基づいて、注意指令信号、異常指令信号等、異常のレベルに応じて警報部42へ各指令信号を出力する。警報部42の異常レベルに応じた警報により、作業者は、異常レベルに応じた対応を行なう。
【0092】
また、異常振動ではない他の異常の発生時に、各センサがどのような値を検出するかを模擬実験やシミュレーションにより把握し、異常振動判定部40に記憶しておく。そうすることで、異常振動以外の異常に対しても、早期発見が可能となり、早期の対応を行なうことが可能となる。
【0093】
【発明の効果】
本発明により、タービンで発生する異常振動を、発生後迅速かつ的確に検知することが可能となる。また、本発明により、タービンの各機器の損傷の未然に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態に関わる高圧タービン及びその周辺機器の構成を示す図である。
【図2】(a)本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態のセンサ・変換器の構成のうち振動の測定部を示す図である。
(b)本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態のセンサ・変換器の構成のうち温度の測定部を示す図である。
(c)本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態のセンサ・変換器の構成のうち圧力の測定部を示す図である。
(d)本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態のセンサ・変換器の構成のうち変位の測定部を示す図である。
【図3】 本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態の構成を示す図である。
【図4】 本発明であるタービン振動監視装置の各監視部の構成を示す図である。
【図5】 本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態に関わる高圧タービンの正面図である。
【図6】 本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態に関わる高圧タービンの高圧蒸気導入部と第1動翼部とその周辺機器の構成を示す図である。
【図7】 本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態に関わる蒸気調節部の構成を示す図である。
【図8】 本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態に関わる高圧蒸気導入部及び蒸気調整弁駆動部51の構成を示す図である。
【図9】 本発明であるタービン振動監視装置の実施の形態に関わる高圧タービンの上部を除く斜投影図である。
【図10】 従来の高圧タービンにおける正常時の高圧蒸気導入部と第1動翼部とその周辺機器の構成を示す図である。
【図11】 従来の高圧タービンにおける異常時の高圧蒸気導入部と第1動翼部とその周辺機器の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 振動センサ
2 抽気温度センサ
3 蒸気温度センサ
4 第1動翼部圧力変換器
5 第1抽気圧力変換器
6 蒸気圧力変換器
7 バルブ変位変換器
8 高圧タービン
9−1 タービン軸受部
9−2 タービン軸受部
10 第1抽気管
11 第2抽気管
12 蒸気ストレーナ
13 蒸気操作弁
14 後進運転操作弁
15 回転軸
16 低圧蒸気管
17 架台
18 第1動翼部
18−1 第1前部動翼
18−2 第1後部動翼
19 第2動翼部
20 第3動翼部
21−1 軸受
21−2 軸受
22 静翼22
23−1 第1ラジアルシールフィン
23−2 第1ラジアルシールフィン
24−1 第2ラジアルシールフィン
24−2 第2ラジアルシールフィン
25−1 第3ラジアルシールフィン
25−2 第3ラジアルシールフィン
28 静翼取付部
29 高圧蒸気導入部
29−1 高圧蒸気供給管
30 ノズル
31 クリアランス
32 増幅器
33 バンドパスフィルタ
34 振動監視部
35 温度監視部
36 増幅器
37 圧力監視部
38 変位監視部
39 計装盤
40 異常振動判別部
41 判断部
42 警報部
43 案内管
44 緊急操作部A
45 緊急操作部B
46 蒸気操作弁駆動部
47 蒸気調節部
48−1 弁駆動軸
48−2 軸円筒部
48−3 蒸気弁用弁体
49−1 位置伝達部A
49−2 位置伝達部B
51 蒸気調整弁駆動部
52 弁駆動アーム
53 アーム軸結合部
54 調整弁操作アームA
55 調整弁操作アームB
56 調整弁操作部
57 蒸気調整弁
58 調整弁操作アームC
59 調整弁操作アームD
61 回転プローブ
62 回転検出器
63 記憶部
64 比較部
65 異常判断部
Claims (8)
- 作動ガスのフローの異常に伴いタービンで発生する振動の振動数を測定する振動測定部と、
前記タービンに前記作動ガスを供給する供給弁の近傍に設置され、前記供給弁の変位を測定する変位測定部と、
前記振動の振動測定結果と予め設定された振動基準値とに基づいて、前記タービンの異常振動を示す振動異常信号を出力し、前記供給弁の変位測定結果と予め設定された変位基準値とに基づいて、前記タービンの異常を示す変位異常信号を出力する異常振動判別部と を具備する
タービン振動監視装置。 - 前記振動測定部は、前記タービンのケーシングに設置されている、
請求項1に記載のタービン振動監視装置。 - 前記異常振動判定部は、前記タービンの回転数の3倍に相当する周波数以上の周波数について、異常の判定を行なう、
請求項1又は2に記載のタービン振動監視装置。 - 前記タービンからの抽気の抽気温度を測定する抽気温度測定部を更に具備し、
前記抽気温度測定部は、前記タービンの抽気管に設置され、
前記異常振動判定部は、更に、前記抽気温度の抽気温度測定結果と予め設定された抽気温度基準値とに基づいて、前記タービンの異常を示す抽気温度異常信号を出力する、
請求項1乃至3に記載のタービン振動監視装置。 - 前記タービンに作動ガスを供給する供給口の近傍の圧力を測定する供給口圧力測定部を更に具備し、
前記供給口圧力測定部は、前記タービンのケーシングに設置され、
前記異常振動判定部は、更に、前記供給口の近傍の圧力の供給口圧力測定結果と予め設定された供給口圧力基準値とに基づいて、前記タービンの異常を示す供給口圧力異常信号を出力する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタービン振動監視装置。 - 前記タービンからの抽気の抽気圧力を測定する抽気圧力測定部を更に具備し、
前記抽気圧力測定部は、前記タービンの抽気管に設置され、
前記異常振動判定部は、更に、前記抽気圧力の抽気圧力測定結果と予め設定された抽気圧力基準値とに基づいて、前記タービンの異常を示す抽気圧力異常信号を出力する
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタービン振動監視装置。 - 作動ガスのフローの異常に伴いタービンで発生する振動の振動数を測定する振動測定部と、
前記振動の振動測定結果と予め設定された振動基準値とに基づいて、前記タービンの異常振動を示す振動異常信号を出力する振動監視部と、
前記タービンからの抽気の抽気温度を測定する抽気温度測定部と、
前記抽気温度の抽気温度測定結果と予め設定された抽気温度基準値とに基づいて、前記タービンの異常を示す抽気温度異常信号を出力する温度監視部と、
前記タービンに作動ガスを供給する供給口の近傍の圧力を測定する供給口圧力測定部と、
前記供給口の近傍の圧力の供給口圧力測定結果と予め設定された供給口圧力基準値とに基づいて、前記タービンの異常を示す供給口圧力異常信号を出力する圧力監視部と、
前記タービンに前記作動ガスを供給する供給弁の変位を測定する変位測定部と、
前記供給弁の変位測定結果と予め設定された変位基準値とに基づいて、前記タービンの異常を示す変位異常信号を出力する変位監視部と、
前記振動異常信号、前記抽気温度異常信号、前記供給圧力異常信号及び前記変位異常信号のうち、前記変位異常信号を含む少なくとも一つの異常信号に基づいて、前記タービンの異常の発生を判定する判断部と
を具備するタービン振動監視装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項のタービン振動監視装置と、
タービン動翼と、
を有するガスタービンシステム。
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