JP2000074794A - 水力機械の異常診断装置 - Google Patents

水力機械の異常診断装置

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JP2000074794A
JP2000074794A JP10245031A JP24503198A JP2000074794A JP 2000074794 A JP2000074794 A JP 2000074794A JP 10245031 A JP10245031 A JP 10245031A JP 24503198 A JP24503198 A JP 24503198A JP 2000074794 A JP2000074794 A JP 2000074794A
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guide vane
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hydraulic machine
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JP10245031A
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Masayuki Ichimonji
正幸 一文字
Takeshi Arai
武 新井
Naoki Kamitaki
直樹 上滝
Kazunori Toda
一典 戸田
Keijiro Yabuta
圭二郎 藪田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ケーシングの内部で回転するランナーと流体の
流れを調節するガイドベーンを有する水力機械に用いる
異常診断装置であって、異物の発生を早期に発見し、水
力機械の保全と信頼性の向上を図る。 【解決手段】ガイドベーン1の振動を検出するひずみゲ
ージ6と、ひずみゲージ6で検出したガイドベーン1の
振動により演算を施して異常の判定を行なう演算回路8
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水力機械における
異常現象、特にランナーやケーシングなどの流路に沿っ
た機械構造物に重大な損傷を与える異物の侵入を判定す
る水力機械の異常診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流体の移動を伴なう水力機械の場合、流
体の移動経路である流路に異物が侵入することが考えら
れる。異物には、岩石のように外部から侵入するもの
と、ランナーのような回転部の欠損や管路の壁面の脱落
など回転機械の損傷による内部で発生するものとがあ
る。そして、上記異物は、流路を移動する間に管路の壁
面やランナー、ケーシングあるいは両者の間に設置され
ているステーベーンやガイドベーンなどのような機械構
造物と衝突を繰返すことになるので、これらの機械構造
物に重大な損傷を与える虞がある。したがって、異物の
侵入は水力機械として重大な異常現象の一つと考えられ
ている。
【0003】従来の水力機械で異常診断を行なう装置と
しては、主として回転軸の振動を計測して水力機械の異
常を判定するものが一般的である。このような水力機械
の異常診断装置として、例えば特開平3−10036号
公報にある「水車ランナーの障害検出装置」があげられ
る。この公報に示されている水車ランナーの障害検出装
置は、水車ランナーに亀裂や欠損などの障害が発生する
と回転体としてのバランスが損なわれて、主軸や上カバ
ーなどの主要部における振動が増大することから、これ
らの振動の振幅をオーバオール値として計測し、これが
予め設定された判定値を超過することを検出することに
より機器に異常が発生したものと判断し、操作者に対し
て警報を発して保全や安全に必要な対策をとるようにし
たものである。
【0004】しかし、このような従来技術による水力機
械の異常診断装置は、水車ランナーや主軸などの本体に
発生する障害を対象としたものであって、外部からケー
シングの内部に侵入する異物に対しては、異物によって
ランナーや主軸に甚大な損傷が発生しない限り異物の侵
入を検出することはできない。さらに、水車ランナー自
体が欠損した場合でも、ランナーの重量が大きいことか
ら、欠損部分が相当の規模に達しない限り、やはり検出
が遅れる虞がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、従来の水力
機械の異常診断装置では、異物の侵入を直接検出するこ
とができないために、水力機械本体に重大な損傷が発生
してようやく異常が検出されることになるという不具合
を有している。
【0006】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、水力機械における
異物の発生を早期に発見し、水力機械の保全と信頼性の
向上を図ることが可能な水力機械の異常診断装置を提供
することにある。する技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ケーシングの内部で回転するランナーと流体の流れを調
節するガイドベーンを有する水力機械に用いる異常診断
装置であって、上記ガイドベーンの振動を検出する振動
検出手段と、この振動検出手段で検出したガイドベーン
の振動により演算を施して上記水力機械の異常の判定を
行なう判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】このような構成とすれば、異物が発生する
と、その異物は流体の移動に伴って流路に沿って移動す
る途中でケーシングとランナーの間に配置されるガイド
ベーンの部分を通過するが、ガイドベーンの間隔は非常
に狭いために異物が衝突する可能性が非常に高く、異物
が侵入するとガイドベーンは衝突による加振を受けて振
動が増大する。そのため、ガイドベーンの振動を監視す
ることで日常的な運転状態における振動限界からの逸脱
を検出することにより、水力機械における異物の発生を
直接に、且つ早期に検出することが可能となる。
【0009】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、上記振動検出手段を、上記ガイドベー
ンを支持する軸受に設けることを特徴とする。このよう
な構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加え
て、ガイドベーンは羽根の開度を調節するに当たって回
転運動を行なうため、振動検出手段としてのセンサを可
動構造物に設けるとガイドベーンの振動の信号を外部に
取出す上でケーブルの保護など煩雑な処理が必要となる
一方、ガイドベーンを支持する軸受にもガイドベーンの
振動が伝播されるため、静止構造物である該軸受に振動
検出手段を設けることで、容易にガイドベーンの振動を
検出することができるようになる。
【0010】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、上記振動検出手段として加速度センサ
を用いることを特徴とする。このような構成とすれば、
上記請求項1記載の発明の作用に加えて、ガイドベーン
は剛性の高い構造物でその固有振動数は高い値を示し、
衝突によって発生する振動は自由振動であるからその振
動数はガイドベーンの固有振動数に等しくなる。同一の
変位振幅であっても加速度の振幅は振動数が高いほど大
きな値になるので、高い振動数の振動を検出するには加
速度による方が有利となる。したがって、加速度を計測
することにより、変位や速度の測定よりも確実にガイド
ベーンの振動を計測できるため、異常診断の精度をより
向上することができる。
【0011】請求項4記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、上記判定手段は、上記振動検出手段が
検出するガイドベーンの振動を時間波形として計測し、
振動振幅の突発的な増大から異常を判定することを特徴
とする。
【0012】このような構成とすれば、上記請求項1記
載の発明の作用に加えて、ガイドベーンの振動振幅から
判定を行なうのと比較して、異物の衝突による振動増加
をより的確に把握することが可能となる。
【0013】請求項5記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、上記判定手段は、上記振動検出手段が
検出するガイドベーンの振動を時間波形として計測し、
周波数分析を行なってガイドベーンの固有振動数におけ
る振幅の増大から異常を判定することを特徴とする。
【0014】このような構成とすれば、上記請求項1記
載の発明の作用に加えて、ガイドベーンの振動振幅から
判定を行なうのと比較して、異物の衝突による振動増加
をより的確に把握することが可能となる。
【0015】請求項6記載の発明は、上記請求項5記載
の発明の作用に加えて、上記判定手段は、予め設定され
た振動値を越えた場合に周波数分析を行なうことを特徴
とする。
【0016】このような構成とすれば、上記請求項5記
載の発明の作用に加えて、周波数分析は大量のデータを
取扱うことから演算に大きな負荷をかけ、常時、周波数
分析を行なうためには高速、大容量の演算能力が要求さ
れ、一般には装置の大型化を招くことになるが、検出し
た振動値が予め設定された振動値を越えた場合にのみ周
波数分析を行なうようにすることで、負荷を軽減するこ
とができ、装置の小型化を図ることができる。
【0017】請求項7記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、上記振動検出手段を、複数のガイドベ
ーンに対して設け、上記判定手段は、各ガイドベーンで
発生した振動の方向とランナーの回転方向との一致によ
り異常を判定することを特徴とする。
【0018】このような構成とすれば、上記請求項1記
載の発明の作用に加えて、異物は流体の流れに沿って移
動することから、ガイドベーンを通過する際にケーシン
グ内部あるいはランナーとの間隙を流体の流れ方向、す
なわちランナーの回転方向に移動し、この間に複数のガ
イドベーンと衝突を繰返すので、衝突によるガイドベー
ン振動の発生時刻の移動方向は回転方向と一致する。し
たがって、この方向により異常判定を行なうことで、異
物の発生をより的確に判定を行なうことができる。
【0019】請求項8記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、上記判定手段は、上記水力機械の運転
状態の変化時に上記ガイドベーンが駆動される間は異物
判定を解除することを特徴とする。
【0020】このような構成とすれば、上記請求項1記
載の発明の作用に加えて、ガイドベーン駆動時にはガイ
ドベーン自体が振動するので、異物の衝突による振動と
判別が困難であることから、ガイドベーンが駆動される
間は異物判定を解除することで誤診断が回避されて診断
の精度を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る水力機械の異常
診断装置を図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態
に係る水力機械の異常診断装置の構成を示す図である。
ガイドベーン1は、羽根2とこれに接続された駆動軸3
とから構成される。この駆動軸3は、後述する下部軸受
4a、中間軸受4b及び下部軸受4cからなる軸受4に
より回動自在に支持され、駆動軸3の端部には駆動力を
伝達するアーム5が取付けられている。このようなガイ
ドベーン1に対し、振動検出手段として駆動軸3の表面
に張付けられたひずみゲージ6と、このひずみゲージ6
の出力を増幅するひずみアンプ7とが設けられる。
【0022】ひずみゲージ6とひずみアンプ7との間
は、駆動軸3に設けられた中心孔を通じて結線されてお
り、ひずみアンプ7が出力するガイドベーンのひずみ量
を入力として、判定手段としての演算回路8が異物の発
生の診断判定を行なうものである。
【0023】図2は上記のようなガイドベーン1周辺を
含む水力機械全体の水力機械の構成を示す立断面図であ
り、水力機械はプラント全体において管路の中間に配置
され、上流側管路がケーシング9に、下流側管路がドラ
フトチューブ15に接続されている。
【0024】水力機械では、水車運転とポンプ運転の2
種類の運転形態が存在する。水車運転のとき、流体は上
流側管路からケーシング9に入った後、ケーシング9の
内側に配置されたステーベーン10の羽根11と、さら
にその内側に配置されたガイドベーン1の羽根2のそれ
ぞれの間を通って最内周にあるランナー12の羽根13
に達し、ランナー12を駆動して主軸14に動力を伝達
する。ランナー12を駆動した流体はドラフトチューブ
15を経て下流側管路へ導かれる。
【0025】反対にポンプ運転では、主軸14からの駆
動によりランナー12が回転し、流体はドラフトチュー
ブ15からランナー12に吸込まれる。そこで流体はラ
ンナー12の羽根13、ガイドベーン1の羽根2、ステ
ーベーン10の羽根11のそれぞれの間を通ってケーシ
ング9に導かれ、上流側管路へ吐出される。
【0026】ここで、管路壁面の脱落などにより管路内
部に異物16が発生した場合を考える。異物16は水力
機械が運転されると流体の流れに乗って管路を移動する
ので、水力機械の上流側に異物が存在する場合には、異
物8は水力機械の内部を通過することになる。水力機械
では流路が上下流の管路の内径と比較して狭隘になって
おり、特にガイドベーン1の羽根2、ステーベーン10
の羽根11、ランナー12の羽根13の間隔は非常に狭
く、異物16がそれぞれの間を通過する際に衝突を発生
する虞がある。異物16の衝突はこれらの部品に対して
甚大な損傷を与えるので、異物16の発生を早期に検出
して、異物16の撤去、水力機械の点検、管路壁面の脱
落防止などの保全措置をすみやかに取って、水力機械の
安全を確保する必要がある。
【0027】特にポンプ水車では、水車運転とポンプ運
転とが交互に行なわれることから、管路に異物16が発
生すると、異物16は運転の度毎に上流側と下流側とを
往復してその都度水力機械を通過することになり、一方
向運転の水力機械と比較しても影響が大きい。
【0028】しかして、異物16が水力機械に損傷を与
える原因は、異物16の水力機械各部への衝突であるか
ら、異物16の衝突が検出できれば異物16の発生を発
見することができる。
【0029】上記のように間隔が狭いことから、ガイド
ベーン1の羽根2、ステーベーン10の羽根11、及び
ランナー12の羽根13に異物16が衝突する可能性が
高いので、衝突の検出方法としてガイドベーン1の羽根
2、ステーベーン10の羽根11、ランナー12の羽根
13において異物16の衝突による現象を検出すること
が考えられる。
【0030】異物16の構造物への衝突は構造物の振動
を励起するから、ガイドベーン1の羽根2、ステーベー
ン10の羽根11、ランナー12の羽根13の振動を監
視することにより異物16の衝突を検出することが可能
である。
【0031】このうち特に、ランナー12の損傷は重大
であるので、水力機械の異常診断装置においてランナー
12の振動は直接あるいは主軸14の振動を介して間接
に監視している。
【0032】しかしながら、ランナー12が回転重量の
不つり合いや流体による加振力を直接受けることから、
ランナー12には定常的に大きな振動が発生している。
異物16がランナー12の羽根13へ衝突するのは瞬間
的な現象であり、異物16の衝突によるランナー12の
羽根13における振動の増加は非常に短期間で、かつラ
ンナー12の定常振動と比較すると有意差を持たない。
このため、ランナー12の振動から異物16の衝突によ
る瞬時的な振動を識別することは困難と考えられる。
【0033】これに対してガイドベーン1は、下部軸受
4a、中間軸受4b、下部軸受4cの3つの軸受に支持
された駆動軸3の下端に羽根2を固定して形成される、
所謂「はり構造物」であって剛性が低く、異物16の衝
突による振動が顕著に現れる。また、ランナー12のよ
うに強い加振力も作用していないので、異物16の衝突
による瞬間的な振動の変化を識別し易区、上記図1で示
したようにこのガイドベーン1をもって異物16による
振動を検出することとするものである。
【0034】上記のような構成にあって、異物16の発
生を判定する場合の動作について以下に説明する。図3
は上記構成の異常診断装置で検出されたガイドベーン1
の駆動軸3の表面に発生したひずみの信号の振幅を、時
間に対する線図として表したものである。異物16がガ
イドベーン1の羽根2に衝突すると、同図における駆動
軸3上に発生するひずみの振幅は一定期間増大する。衝
突後に異物16が羽根2から離れると、ガイドベーン1
の振動は減衰して、駆動軸3のひずみの振幅は衝突以前
の値に復帰する。このとき、ひずみ振幅に対して異常を
判定するための基準となるしきい値を設け、計測された
駆動軸3のひずみの振幅としきい値とを比較して、測定
値がしきい値を超過したことにより、異物16の羽根2
への衝突を検出し、異物16の発生を判定することがで
きる。
【0035】図4は上記演算回路8における判定の一連
の手順を示す図である。まず、ガイドベーン1の振動を
駆動軸3に発生するひずみから計測する(ステップA0
1)。次に、計測されたひずみの振幅と基準となるしき
い値との比較を行ない(ステップA02)、測定値が基
準値以下であれば最初にもどり、次の計測を続行する。
【0036】また、測定値が基準となるしきい値を超え
ている場合、すなわち異常である場合には、異物発生の
警報を操作者に通報して(ステップA03)、以上で異
物発生に対する判定を終了する。
【0037】なお、上記図1で示した構成に代えて、本
発明の第1の実施の形態の変形例として図5に示すよう
な構成を考えることもできる。すなわち図5では、ガイ
ドベーン1の振動検出手段として、ひずみゲージ6に代
えて駆動軸3の変位を測定する非接触式変位計17を設
け、非接触式変位計17で検出した変位を増幅器18で
増幅して演算回路8に供するものとする。
【0038】このように非接触式変位計17を使用する
場合、非接触式変位計17は静止側の構造物に設けられ
るので、回動側の構造物である駆動軸3に設ける図1の
構成と比較すると、その設置が容易となる。
【0039】これはつまり、羽根2の角度を変更して水
力機械の出力調整を行なうのが本来の機能である、回動
運動を伴うガイドベーン1に振動検出手段を設ける場合
には、振動検出手段から静止側の演算手段8に出力を接
続する配線に、ガイドベーン1の運動に伴う切断などの
損傷が発生しないように、配線に充分な裕度を持たせた
り、配線を保護する等のような配慮が必要とされるから
であって、上述した如く静止側の構造物に配設すればそ
の種の配慮が不要となることによるものである。
【0040】(第2の実施の形態)図6は本発明の第2
の実施の形態に係る水力機械の異常診断装置の構成を示
す図で、基本的には上記図1で示したものと同様である
ので、同一部分には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0041】しかして、振動検出手段として振動計19
をガイドベーン1の駆動軸3を支持する軸受4に設け
る。振動計19で計測した軸受4の振動の信号を増幅器
20を介して演算回路8に導く。演算回路8において
は、上記第1の実施の形態と同様に、計測されたガイド
ベーン1の振動を予め設定した基準となるしきい値と比
較し、計測値が該しきい値を超過することにより異物1
6のガイドベーン1の羽根2への衝突を判定するものと
する。
【0042】本実施の形態では、運動しない静止構造物
である軸受4の振動を計測するので、上記図5で説明し
た場合と同様に、ガイドベーン1の振動検出手段を比較
的容易に設置できる利点を有するものである。
【0043】(第3の実施の形態)図7は本発明の第3
の実施の形態に係る水力機械の異常診断装置の構成を示
す図で、基本的には上記図1で示したものと同様である
ので、同一部分には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0044】しかして、ガイドベーン1の振動検出手段
としてアーム5のボス側面に取付座21を設け、この取
付座21に加速度センサ22を固定設置し、加速度セン
サ22の検出信号を増幅器23で増幅した後に上記演算
回路8へ供するものとする。
【0045】同一の変位振幅の振動に対して、加速度は
高い振動数領域において変位や速度と比較して振幅が大
きく現れる特性を有しているため、高い帯域での振動を
検出する加速度センサ22を用いて計測する方が、変位
や速度を計測するよりも振動検出手段として優れてい
る。
【0046】ガイドベーン1は、通常のはり構造物とし
ては高い剛性を有しているので、ガイドベーン1の固有
振動数も高くなる。したがって、ガイドベーン1の振動
検出手段としてその加速度を計測する加速度センサ22
を利用することにより、ガイドベーン1の振動をより確
実に検出することができる。
【0047】図8は図7と同一の構成で、加速度センサ
22の検出軸方向を駆動軸3の軸方向と平行となるよう
に変更したものである。取付座21を用いると、加速度
センサ22の取付方向を同一箇所において変更できるの
で、ガイドベーン1の振動がより顕著に検出できるよう
に任意の方向で加速度センサ22を固定設置できる。
【0048】(第4の実施の形態)次に本発明の第4の
実施の形態に係る水力機械の異常診断装置について説明
する。
【0049】なお、基本的な構成については上記図1あ
るいは図5乃至図8のいずれかで示したものと同様であ
るものとして、同一部分には同一符号を付してその図示
及び説明は省略する。
【0050】しかして、演算回路8でガイドベーン1の
振動から羽根2への異物16の衝突を判定するにあた
り、図9に示すような一連の手順を採るものとする。す
なわち、まずガイドベーン1の振動を振動検出手段を構
成するひずみゲージ6や非接触式変位計17、振動計1
9、加速度センサ22のいずれかから送られてくる信号
を増幅した後に計測するが、この場合、ガイドベーン1
の振動を振幅値(rmp値)ではなく、図10に示すよ
うに測定された加速度などの計測値をそのままの形で時
間データとして取扱う(ステップB01)。
【0051】次に、振動値と予め設定された基準となる
しきい値とで比較を行ない(ステップB02)、振動値
が基準となるしきい値以下であれば異常はないものとし
てガイドベーン1の振動計測に復帰して判定を繰返す。
【0052】一方、振動値が基準値を超過したと判断し
た場合には、時間データとして得た計測値に対して包絡
線処理を施して振動波形の包絡線を求める(ステップB
03)。そして、得た包絡線が基準となるしきい値を越
えている時間を求め、これを振動の持続時間とする(ス
テップB04)。
【0053】ここで振動の持続時間に対する基準時間を
予め設定しておき、求めた振動の持続時間を基準時間と
比較して(ステップB05)、基準時間より短い場合に
は、検出された計測値の増加はノイズとみなし、異物1
6の衝突はなっかたものとして上記ステップB01のガ
イドベーン1の振動計測に復帰する。
【0054】また、求めた振動の持続時間が基準時間を
超過していると判断した場合には、異物16のガイドベ
ーン1の羽根2への衝突が発生したことを警告する(ス
テップB06)。
【0055】異物16の衝突によって発生するガイドベ
ーン1の振動の持続時間は非常に短いので、振幅値の場
合には、平均化によって異物16の衝突による振幅の増
大が顕著には現れない虞がある。加速度や変位などをそ
のまま時間データとして取扱えば、異物16の衝突によ
る瞬時的な振動の変化を基準となるしきい値との比較に
より確実に把握することができる。
【0056】ところが、時間データを単純に基準値と比
較する方法では、ノイズのような瞬間的な値の増加に対
しても異常の判定を行なってしまう欠点がある。これを
回避するために本実施の形態では、振動の持続時間に着
目し、持続時間と予め設定された基準時間との比較によ
り判定を行なっている。衝突による構造物の自由振動は
構造物の減衰率によって決定されるが、一般にノイズの
持続時間と比較すると自由振動の持続時間は充分に長い
ものとみなすことができるため、求めた振動の持続時間
が基準時間より長ければ異物16の衝突による振動であ
り、反対に短ければ異物16の衝突による振動ではない
と判定することができる。
【0057】このような判定過程を設けることにより、
異物の衝突による振動を確実に検出、判定することがで
きると共に、ノイズによる誤診が回避されるので、異常
診断装置の信頼性を向上することができる。
【0058】(第5の実施の形態)次に本発明の第5の
実施の形態に係る水力機械の異常診断装置について説明
する。
【0059】なお、基本的な構成については上記図1あ
るいは図5乃至図8のいずれかで示したものと同様であ
るものとして、同一部分には同一符号を付してその図示
及び説明は省略する。
【0060】しかして、演算回路8でガイドベーン1の
振動から羽根2への異物16の衝突を判定するにあた
り、図11に示すような一連の手順を採るものとする。
すなわち、まずガイドベーン1の振動を振動検出手段を
構成するひずみゲージ6や非接触式変位計17、振動計
19、加速度センサ22のいずれかから送られてくる信
号を増幅した後に計測する(ステップC01)。
【0061】次いで、計測された振動を周波数分析して
振動数に対するガイドベーン1の振幅を求め(ステップ
C02)、求めた振動数に対する振幅から、ガイドベー
ン1の固有振動数に対応する振幅(固有振動数成分)を
取出して(ステップC03)、固有振動数に対するガイ
ドベーン1の振幅を予め設定された基準となるしきい値
と比較する(ステップC04)。
【0062】振幅の固有振動数成分が基準となるしきい
値以下であれば異常はないと判定して、上記ステップC
01からのガイドベーン1の振動計測にもどり、同じ過
程を繰返す。
【0063】一方、固有振動数成分が基準となるしきい
値を超過した場合には、異物16がガイドベーン1の羽
根2に衝突したことでガイドベーン1に振動が発生した
ものと判断して、異物発生の警報を出す(ステップC0
5)。
【0064】上述のように、ガイドベーン1の羽根2に
異物16が衝突すると、ガイドベーン1には自由振動が
発生する。そのときの加速度の自由振動波形が上記図1
0の線図である。一般に自由振動の振動数は構造物の固
有振動数に一致するもので、ガイドベーン1の羽根2に
する打撃試験により求められたガイドベーン1の自由振
動を周波数分析すると図12のような振動数スペクトル
図を得ることができる。
【0065】図12中においてf1 ,f2 ,f3 ,‥‥
が固有振動数で、これらの固有振動数における振幅が卓
越していることがわかる。これに対して、図13は正常
な運転時におけるガイドベーン1の振動を周波数分析し
たもので、自由振動の場合と異なり、水力機械独特の低
い振動数領域における振幅が卓越している。
【0066】運転状態において異物16がガイドベーン
1の羽根2に衝突した場合のガイドベーン1の振動を周
波数分析すると、図14に示す振動数スペクトル図を得
ることができる。ガイドベーン1の固有振動数は運転時
の振動数と明確に異なるので図14と図13では顕著な
相違が認められる。すなわち、図14の特性を衝突の発
生していない図13の特性と比較すると、固有振動数f
1 ,f2 ,f3 ,‥‥における振幅が増大している。し
たがって、上記した図11の手順によれば、ガイドベー
ン1の振動における振幅の固有振動数成分が増大するこ
とによって判定を行なっているので、異物16の羽根2
への衝突を確実に判定することができる。さらに、図1
2に示すように、ガイドベーン1には複数の固有振動数
が存在していることから、個々の固有振動数成分に対し
て基準となるしきい値を設けて判定を行なえば、単一の
固有振動数による場合に比してより確実な判定を行なう
ことができる。
【0067】(第6の実施の形態)次に本発明の第6の
実施の形態に係る水力機械の異常診断装置について説明
する。
【0068】なお、基本的な構成については上記図1あ
るいは図5乃至図8のいずれかで示したものと同様であ
るものとして、同一部分には同一符号を付してその図示
及び説明は省略する。
【0069】しかして、演算回路8でガイドベーン1の
振動から羽根2への異物16の衝突を判定するにあた
り、図15に示すような一連の手順を採るものとする。
すなわち、まずガイドベーン1の振動を振動検出手段を
構成するひずみゲージ6や非接触式変位計17、振動計
19、加速度センサ22のいずれかから送られてくる信
号を増幅した後に計測するが、この場合、ガイドベーン
1の振動を振幅値(rmp値)ではなく、図10に示す
ように測定された加速度などの計測値をそのままの形で
時間データとして取扱う(ステップD01)。
【0070】次に、時間データとして計測されたガイド
ベーン1の振動値と予め振動値に対して設定された基準
となるしきい値とで比較を行なう(ステップD02)。
計測された振動値が基準となるしきい値以下である場合
には引続きステップD01に戻ってガイドベーン1の振
動の計測を続行する。
【0071】また、計測された振動値が基準となるしき
い値を超過した場合には、振動値が大きい旨の警報を出
し(ステップD03)、計測したガイドベーン1の振動
に対して周波数分析を行ない、振動数に対するガイドベ
ーン1の振幅を求める(ステップD04)。そして、求
めた振動数に対する振幅から、ガイドベーン1の固有振
動数に対応する振幅(固有振動数成分)を抽出し(ステ
ップD05)、抽出した固有振動数に対するガイドベー
ン1の振幅を予め設定された基準となるしきい値と比較
する(ステップD06)。
【0072】抽出した振幅の固有振動数成分が基準とな
るしきい値以下であれば異常はないと判定して、上記ス
テップD01からのガイドベーン1の振動計測にもど
り、同じ過程を繰返す。
【0073】また、固有振動数成分が基準となるしきい
値を超過した場合には、異物16がガイドベーン1の羽
根2に衝突して、ガイドベーン1に振動が発生したもの
と判断して異物発生の警報を出し(ステップD07)、
同時にそのデータを記録する(ステップD08)。
【0074】振動の周波数分析は演算回路8に対して高
速な演算能力と大量の記憶容量とを要求するので、ガイ
ドベーン1の振動計測を行なう度毎に周波数分析を行な
うには演算回路8として高速で大容量のものが必要とな
り、演算回路8の大型化や価格の上昇などを招いてしま
う。
【0075】そこで、ガイドベーン1の振動値が基準と
なるしきい値を超過したときにのみ周波数分析を行なう
ようにすることで、必要時にのみ周波数分析を行なうよ
うにして演算回路8の負担を軽減させることができ、し
たがって演算回路8の大型化、大容量化を回避して、小
型で低廉な水力機械の異常診断装置を提供できるものと
する。
【0076】(第7の実施の形態)次に本発明の第7の
実施の形態に係る水力機械の異常診断装置について説明
する。
【0077】なお、基本的な構成については上記図1あ
るいは図5乃至図8のいずれかで示したものと同様であ
るものとして、同一部分には同一符号を付してその図示
及び説明は省略する。
【0078】しかして、演算回路8でガイドベーン1の
振動から羽根2への異物16の衝突を判定するにあた
り、図16乃至図18に示すような一連の手順を採るも
のとするが、その説明に先立って、図19及び図20を
用いて異物16の発生を判定する原理を説明する。
【0079】図19は、ガイドベーン1の羽根2の配置
を説明する水力機械の横断面図を例示するものであり、
ここではケーシング9の内側にガイドベーン1の羽根2
が12個配設されている。これら12個の羽根2に対し
てケーシング9の入口から時計方向にGV1,GV2,
‥‥,GV12と番号を付ける。
【0080】いま、図16乃至図18において水力機械
が水車運転される場合を考える。水車運転の場合、ケー
シング9に入った流体は、ケーシング9の内周に沿って
移動して、ガイドベーン1の羽根2のそれぞれの間から
ランナー12の羽根13の間を通過してドラフトチュー
ブ15へ流れる。流体はこの間にランナー12に動力を
与えてランナー12に図面で時計方向の回転運動を発生
させる。上流側の管路に異物16があると、異物16は
流体に押し流されてケーシング9に入ってくる。ケーシ
ング9に進入した異物16は流体の流れに沿ってケーシ
ング9の内部を時計方向に移動して最終的には流体と共
にドラフトチューブ15へ排出されるが、この間にガイ
ドベーン1の羽根2に入口側からGV1,GV2,‥
‥,GV12の順に次々と衝突を繰返す。
【0081】図20は、このときのGV1,GV3,‥
‥,GV11のガイドベーン1の振動を時間波形として
示したものである。図20において、異物16の衝突に
よる自由振動の発生する時刻は、GV1,GV3,‥
‥,GV11の順に遅延を生じていることがわかる。す
なわち、ガイドベーン1における異物16の衝突個所は
当然のことながらランナー12の回転方向に移動する。
【0082】一方、水力機械がポンプ運転されている場
合には、ランナー12は図面の反時計方向に回転してし
てドラフトチューブ15から流体を吸い込んで、ガイド
ベーン1の羽根2の間からケーシング9に流体を送り込
む。異物16が下流側管路にあれば、異物16は流体と
共に移動してドラフトチューブ15からガイドベーン1
の羽根2の間を通ってケーシング9へ導かれる。異物1
6は通過したガイドベーン1の羽根2の位置GVnか
ら、図面の反時計方向にケーシング9の内部を移動して
上流側の管路へ吐出されるが、この間、異物16はGV
n,‥‥,GV2,GV1の順に各ガイドベーン1の羽
根2と衝突を繰返すことになる。このときには、異物1
6の衝突による自由振動の発生する時刻は、GVn,‥
‥,GV2,GV1の順に遅延を生じることになるの
で、ガイドベーン1における異物16の衝突個所はやは
り当然のことながらランナー12の回転方向に移動す
る。
【0083】したがって、水車運転、ポンプ運転のいず
れの場合でも、ガイドベーン1における振動増加の発生
個所の移動方向を求め、これがランナー12の回転方向
と一致すれば異物16によるものと判定することができ
る。
【0084】上記の原理に基づいて、本実施の形態では
図16乃至図18に示す手順に従って図19の水力機械
における異物16の発生を判定する。まず、現在のラン
ナー12の回転方向を調査して、水力機械の運転状態を
求める(ステップE01)。
【0085】次に水力機械の運転状態により水車運転と
ポンプ運転とで以降の手順を切り替える(ステップE0
2)。水車運転の場合では、i=1,2,‥‥,12の
順に各ガイドベーンGViの振動を計測して、振動値と
予め振動値に対して設定した基準となるしきい値との比
較を繰返す(ステップE03〜E13)。
【0086】すなわち、ステップE05でガイドベーン
1の振動値が基準値を超過した場合には、GViにおけ
る振動増大の警報を出力した後、配列Level(i)
にガイドベーンGViより以前に振動が増大したガイド
ベーン1の数を設定する(ただし、配列Level
(i)の初期値は0に設定されているものとする)。す
なわち、i=1の場合にはLevel(1)=1とし、
i>1の場合にはj=1,2,・・・,i−1の順にL
evel(j)の値を調査して、Level(j)>0
ならばLevel(i)の値に1を加える。
【0087】また、ポンプ運転の場合も同様であるが、
ガイドベーン1の振動を判定する順番がGV12,GV
11,‥‥,GV1と水車運転の場合と逆になる。i=
12,11,‥‥,1の順にガイドベーン1の振動を計
測して、振動値と予め振動値に対して設定した基準とな
るしきい値との比較を繰返す(ステップE14〜E2
4)。
【0088】すなわち、ガイドベーン1の振動値が基準
値を超過した場合には、GViにおける振動増大の警報
を出力した後、配列Level(i)にGViより以前
に振動が増大したガイドベーン1の数を設定する。すな
わち、i=1の場合にはLevel(1)=1とし、i
>1の場合にはj=1,2,‥‥,i−1の順にLev
el(j)の値を調査して、Level(j)>0なら
ばLevel(i)の値に1を加える。
【0089】以上の操作により配列Level(i)
(i=1,2,・・・,12)にランナー12の回転方
向から見てGVi以前のガイドベーン1で振動の増大が
検出されたものの数が設定される。続いて、Level
(i)の最大値を求める。
【0090】これはつまり、変数LMAXを初期化して
「0」を入力した上で(ステップE25)、i=1,
2,・・・,12の順に次の操作を繰返す(ステップE
26〜E30)。すなわち、LMAXとLevel
(i)の値を比較して(ステップE27)、Level
(i)の値がLMAXを上回っている場合にのみLMA
XにLevel(i)の値を代入する。この操作によっ
てLMAXにLevel(i)の最大値が入る。このL
MAXはガイドベーン1の羽根2で異物16が衝突した
ものの数を意味している。これを異物衝突の表価値とし
て表示し、この異常診断装置の操作者に伝える(ステッ
プE31)。
【0091】ガイドベーン1に振動の増加が発生する順
番がランナー12の回転方向と一致する現象は、異物1
6の衝突に伴って発生する特徴的な現象である。本実施
の形態によれば、異物16の発生をより確実に検出する
ことができるので、信頼性の高い異常診断装置が実現で
きる。
【0092】(第8の実施の形態)次に本発明の第6の
実施の形態に係る水力機械の異常診断装置について説明
する。
【0093】なお、基本的な構成については上記図1あ
るいは図5乃至図8のいずれかで示したものと同様であ
るものとして、同一部分には同一符号を付してその図示
及び説明は省略する。
【0094】しかして、演算回路8でガイドベーン1の
振動から羽根2への異物16の衝突を判定するにあた
り、図15に示すような一連の手順を採るものとする。
すなわち、まず水力機械の運転状態を調査し(ステップ
F01)、運転が回転数や出力が一定となる定常状態に
達しているか否かを、、ガイドベーン1が駆動されてい
ないことを確認して判断する(ステップF02)。
【0095】ガイドベーンが駆動中の場合にはガイドベ
ーン1自体の振動により異物16が発生したとの誤検出
を行なってしまう可能性が高いので、該検出の操作を行
なわずに、上記ステップF01に戻って水力機械の運転
状態調査を繰返す。
【0096】また、水力機械が定常状態でガイドベーン
1が駆動されていない場合には、ガイドベーン1の羽根
2の振動を振動検出手段を構成するひずみゲージ6や非
接触式変位計17、振動計19、加速度センサ22のい
ずれかから送られてくる信号を増幅した後に計測する
が、この場合、ガイドベーン1の振動を振幅値(rmp
値)ではなく、図10に示すように測定された加速度な
どの計測値をそのままの形で時間データとして取扱う
(ステップF03)。
【0097】次いで、ガイドベーン1の時間データとし
て計測されたガイドベーン1の振動値と予め振動値に対
して設定された基準となるしきい値との比較を行なう
(ステップF04)。
【0098】計測された振動値が基準となるしきい値以
下である場合には、上記ステップF01に戻って引き続
き水力機械の運転状態を調査に復帰して手順を繰返す。
また、計測された振動値が基準値を超過した場合には、
異物16がガイドベーン1の羽根2に衝突し、ガイドベ
ーン1に振動が発生したものと判断して、異物発生の警
報を出す(ステップF05)。
【0099】上述のようにガイドベーン1は水力機械の
出力を調整するものであるから、起動や停止時のように
水力機械の運転状態が変化している場合にガイドベーン
1が駆動されることとなる。ガイドベーン1が駆動され
るとガイドベーン1に駆動力が作用することから、正常
な状態でもガイドベーン1には大きな振動が発生するの
で、ガイドベーン1が駆動されている間は、異物16の
衝突によって発生する振動を区別することが困難とな
る。
【0100】このため、ガイドベーン1の駆動中に得ら
れる振動から異物16の発生を判定する異常診断の操作
を行なうと、誤った判定結果を出力することもあり、異
常診断装置としての信頼性が大幅に損なわれる虞があ
る。そこで本実施の形態では、ガイドベーン1を駆動中
の診断操作を解除して、ガイドベーン1の駆動による誤
診を回避することようにしたものである。なお、本発明
は上記各実施の形態に限定するものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能
であるものとする。
【0101】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ガイドベ
ーンの振動を監視することで日常的な運転状態における
振動限界からの逸脱を検出することにより、水力機械に
おける異物の発生を直接に、且つ早期に検出することが
可能となる。
【0102】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の効果に加えて、静止構造物である該軸受
に振動検出手段を設けることで、容易にガイドベーンの
振動を検出することができるようになる。
【0103】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の効果に加えて、加速度を計測することに
より、変位や速度の測定よりも確実にガイドベーンの振
動を計測できるため、異常診断の精度をより向上させる
ことができる。
【0104】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の効果に加えて、ガイドベーンの振動振幅
から判定を行なうのと比較して、異物の衝突による振動
増加をより的確に把握することが可能となる。
【0105】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の効果に加えて、ガイドベーンの振動振幅
から判定を行なうのと比較して、異物の衝突による振動
増加をより的確に把握することが可能となる。
【0106】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
5記載の発明の効果に加えて、検出した振動値が予め設
定された振動値を越えた場合にのみ周波数分析を行なう
ようにすることで、負荷を軽減することができ、装置の
小型化を図ることができる。
【0107】請求項7記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の効果に加えて、衝突によるガイドベーン
振動の発生時刻の移動方向により異常判定を行なうこと
で、異物の発生をより的確に判定を行なうことができ
る。
【0108】請求項8記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の効果に加えて、ガイドベーン駆動時には
ガイドベーン自体が振動するので、異物の衝突による振
動と判別が困難であることから、ガイドベーンが駆動さ
れる間は異物判定を解除することで誤診断が回避されて
診断の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る構成を示す
図。
【図2】同実施の形態に係る水力機械全体の構成を示す
立断面図。
【図3】同実施の形態に係る動作を説明する図。
【図4】同実施の形態に係る異常判定の処理手順を示す
フローチャート。
【図5】同実施の形態に係る他の構成を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る構成を示す
図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る構成を示す
図。
【図8】同実施の形態に係る他の構成を示す説明図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る異常判定の処
理手順を示すフローチャート。
【図10】同実施の形態に係る動作を説明する図。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る異常判定の
処理手順を示すフローチャート。
【図12】同実施の形態に係る動作を説明する図。
【図13】同実施の形態に係る動作を説明する図。
【図14】同実施の形態に係る動作を説明する図。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係る異常判定の
処理手順を示すフローチャート。
【図16】本発明の第7の実施の形態に係る異常判定の
処理手順を示すフローチャート。
【図17】同実施の形態に係る異常判定の処理手順を示
すフローチャート。
【図18】同実施の形態に係る異常判定の処理手順を示
すフローチャート。
【図19】同実施の形態に係る動作を説明する図。
【図20】同実施の形態に係る動作を説明する図。
【図21】本発明の第8の実施の形態に係る異常判定の
処理手順を示すようにフローチャート。
【符号の説明】
1…ガイドベーン 2…羽根 3…駆動軸 4…軸受 5…アーム 6…ひずみゲージ 7…ひずみアンプ 8…演算手段 9…ケーシング 10…ステーベーン 11…羽根 12…ランナー 13…羽根 14…主軸 15…ドラフトチューブ 16…異物 17…非接触式振動計 18…増幅器 19…振動計 20…増幅器 21…取付座 22…加速度センサ 23…増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上滝 直樹 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 戸田 一典 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 藪田 圭二郎 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 2G024 AD02 AD03 BA11 BA27 CA13 CA24 FA01 2G064 AA11 BA02 BB64 CC41 CC46

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの内部で回転するランナーと
    流体の流れを調節するガイドベーンを有する水力機械に
    用いる異常診断装置であって、 上記ガイドベーンの振動を検出する振動検出手段と、 この振動検出手段で検出したガイドベーンの振動により
    演算を施して上記水力機械の異常の判定を行なう判定手
    段とを具備したことを特徴とする水力機械の異常診断装
    置。
  2. 【請求項2】 上記振動検出手段を、上記ガイドベーン
    を支持する軸受に設けることを特徴とする請求項1記載
    の水力機械の異常診断装置。
  3. 【請求項3】 上記振動検出手段として加速度センサを
    用いることを特徴とする請求項1記載の水力機械の異常
    診断装置。
  4. 【請求項4】 上記判定手段は、上記振動検出手段が検
    出するガイドベーンの振動を時間波形として計測し、振
    動振幅の突発的な増大から異常を判定することを特徴と
    する請求項1記載の水力機械の異常診断装置。
  5. 【請求項5】 上記判定手段は、上記振動検出手段が検
    出するガイドベーンの振動を時間波形として計測し、周
    波数分析を行なってガイドベーンの固有振動数における
    振幅の増大から異常を判定することを特徴とする請求項
    1記載の水力機械の異常診断装置。
  6. 【請求項6】 上記判定手段は、予め設定された振動値
    を越えた場合に周波数分析を行なうことを特徴とする請
    求項5記載の水力機械の異常診断装置。
  7. 【請求項7】 上記振動検出手段を、複数のガイドベー
    ンに対して設け、 上記判定手段は、各ガイドベーンで発生した振動の方向
    とランナーの回転方向との一致により異常を判定するこ
    とを特徴とする請求項1記載の水力機械の異常診断装
    置。
  8. 【請求項8】 上記判定手段は、上記水力機械の運転状
    態の変化時に上記ガイドベーンが駆動される間は異物判
    定を解除することを特徴とする請求項1に記載の水力機
    械の異常診断装置。
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