JP3676075B2 - 薄型電池およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄形の電気・電子機器あるいは通信機器の電源として使用される薄型電池に係り、特に、薄板状の発電要素の外周部にヒートシール性を有する合成樹脂製枠体を配置し、これらの上下面に金属製外装体をヒートシールにより装着した薄型電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の薄型電池は次ぎのようにして作製されている。例えば、図3(なお、図3(a)は薄型電池の概略を示す斜示図であり、図3(b)はそのY−Y断面を示す断面図である)に示すように、正極合剤層21と負極合剤層23との間にポリマー電解質25を配置し、正極合剤層21の上面に正極集電体22を接触させ、負極合剤層23の下面に負極集電体24を接触させて扁平な発電要素体Bを形成する。この後、この扁平な発電要素体Bの外周部にヒートシール性を有する合成樹脂製の枠体28を配置し、これらの上下面にそれぞれ電池の端子となる金属製外装体26,27を配置し、合成樹脂製の枠体28をヒートシールすることにより薄型電池20を作製するようにしている。
【0003】
しかしながら、このようにして作製される薄型電池20にあっては、正極集電体22と金属製外装体26があるいは負極集電体24と金属製外装体27が、単に接触しているだけであるため、何らかの理由によりこの薄型電池20が膨張した場合、正極集電体22と金属製外装体(正極端子)26との接触あるいは負極集電体24と金属製外装体(負極端子)27との接触が断たれ、集電効率が低下するという問題を生じた。
【0004】
そこで、各集電体の一部を電池外部まで延出させ、この延出部を直接外部機器に接続するようにして集電効率を向上させるようにした薄型電池が提案されるようになった。このような薄型電池は、図4(なお、図4(a)は薄型電池の概略を示す斜示図であり、図4(b)はそのZ−Z断面を示す断面図である)に示すように、正極合剤層31と負極合剤層33との間にポリマー電解質35を配置する。
【0005】
ついで、正極合剤層31の上面に電池外部に延出する正極用接続リード部32bを備えた正極集電体32を接触させ、負極合剤層33の下面に電池外部に延出する負極用接続リード部34bを備えた負極集電体34を接触させて扁平な発電要素体Cを形成する。この後、この扁平な発電要素体Cの外周部にヒートシール性を有する合成樹脂製の枠体38を配置し、これらの上下面にそれぞれ金属製外装体36,37を配置し、合成樹脂製の枠体38をヒートシールすることにより薄型電池30を作製するようにしている。
【0006】
このように薄型電池30を作製すると、各集電体32,34の各接続リード部32b,34bの一部を電池外部まで延出させ、これらの接続リード部32b,34bと外部機器とを直接接続するようにすると、何らかの理由によりこの薄型電池30が膨張して、正極集電体32と金属製外装体36との接触あるいは負極集電体34と金属製外装体37との接触が断たれても、各合剤層31,33からの集電には支障を来すことがないので、集電効率を向上させることができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような薄型電池にあっては、各集電体32,34の接続リード部32b,34bの一部を電池外部まで延出させるため、合成樹脂製の枠体38をヒートシールした際に、接続リード部32bと金属製外装体36との間、および接続リード部34bと金属製外装体37との間でのシール性が低下するという問題を生じる。
【0008】
このように、接続リード部32bと金属製外装体36との間、および接続リード部34bと金属製外装体37との間でのシール性が低下すると、何らかの理由によりこの薄型電池30が膨張した際に、電池の内容物(例えば、電解液)の一部が電池外に排出されたり、電池外の空気や水分が電池内に侵入して、電池特性を劣化させたり、保存特性が極端に低下する等の問題を生じる。
【0009】
このような事態とならないために、このような薄型電池の全体をヒートシール性を有する樹脂フィルムで覆うようにすれば、電池全体のシール性が向上するようになる。しかしながら、薄型電池の全体をヒートシール性を有する樹脂フィルムで覆うようにすれば、電池の厚みが増大するとともに、電池重量も増加し、電池の体積エネルギー密度、重量エネルギー密度が低下するという問題を生じる。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
そこで、本発明では、集電効率を向上させるために集電体より延出して接続リード部を設けても、この接続リード部でのシール性を向上させて電池の保存性を向上させ、かつ体積エネルギー密度、重量エネルギー密度が低下しない薄型電池が得られるようにすることを目的としてなされたものである。
【0011】
このため、本発明の薄型電池においては、電池外部に延出する正極用接続リード部を有する金属製正極集電体の表面に正極合剤層を備え、電池外部に延出する負極用接続リード部を有する金属製負極集電体の表面に負極合剤層を備え、第1の金属製外装体の外周部にヒートシール性を有する第1の合成樹脂製枠体を備えるとともに、第2の金属製外装体の外周部にヒートシール性を有する第2の合成樹脂製枠体を備え、第1と第2の合成樹脂製枠体の間に正極用接続リード部および負極用接続リード部が配置されるとともに、第1と第2の合成樹脂製枠体同士、第1の合成樹脂製枠体と第1の金属製外装体、第2の合成樹脂製枠体と第2の金属製外装体および第1と第2の合成樹脂製枠体と各接続リード部とがそれぞれヒートシールにより固着されるようにしている。
【0012】
このように、ヒートシール性を有する第1と第2の合成樹脂製枠体の間に電池外部に延出する各接続リード部を配置するようにすると、ヒートシールにより、第1と第2の合成樹脂製枠体同士が強固に固着され、第1の金属製外装体は第1の合成樹脂製枠体に、第2の金属製外装体は第2の合成樹脂製枠体にそれぞれ強固に固着され、各接続リード部は第1と第2の合成樹脂製枠体にそれぞれ強固に固着されるようになる。このため、電池外部に延出する各接続リード部を各集電体に備えるようにしても、各接続リード部でのシール性を向上させることが可能になるので、別途、樹脂フィルムで薄型電池を覆う必要がなくなり、電池の体積エネルギー密度、重量エネルギー密度が低下することを防止できるようになる。
【0013】
また、各集電体は電池外部に延出する各接続リード部をそれぞれ備えるようにしているので、何らかの理由によりこの薄型電池が膨張して、正極集電体と第1の金属製外装体との間あるいは負極集電体と第2の金属製外装体との間の接触が断たれても、各合剤層からの集電には支障を来すことがないので、集電効率を向上させることができるようになる。
【0014】
一方、本発明の薄型電池の製造方法においては、電池外部に延出する正極用接続リード部を有する金属製正極集電体に正極合剤層を形成する正極合剤層形成工程と、電池外部に延出する負極用接続リード部を有する金属製負極集電体に負極合剤層を形成する負極合剤層形成工程と、正極合剤層形成工程により形成された正極合剤層と、負極合剤層形成工程により形成された負極合剤層とを電解液を含浸させたセパレータあるいは固体電解質を介して積層して薄板状の発電要素体を形成する積層工程と、第1の金属製外装体の外周部にヒートシール性を有する第1の合成樹脂製枠体を配置するとともに、第2の金属製外装体の外周部にヒートシール性を有する第2の合成樹脂製枠体を配置し、これらの合成樹脂製枠体が配置された第1と第2の金属製外装体間に薄板状の発電要素体を配置する配置工程と、配置工程によりその外周部に第1と第2の合成樹脂製枠体が配置されかつ薄板状の発電要素体の上下面に第1と第2の金属製外装体が配置された積層体を加熱して、第1と第2の合成樹脂製枠体同士、第1の合成樹脂製枠体と第1の金属製外装体、第2の合成樹脂製枠体と第2の金属製外装体、第1と第2の合成樹脂製枠体と各接続リード部とをそれぞれヒートシールするヒートシール工程とを備えるようにしている。
【0015】
このように、ヒートシール工程を備えるようにすると、その外周部に第1と第2の合成樹脂製枠体が配置された薄板状の発電要素体の上下面に第1と第2の金属製外装体が配置された積層体を加熱することにより、第1と第2の合成樹脂製枠体同士、第1の合成樹脂製枠体と第1の金属製外装体、第2の合成樹脂製枠体と第2の金属製外装体、第1と第2の合成樹脂製枠体と各接続リード部とがそれぞれ強固に固着されるようになる。このため、電池外部に延出する各接続リード部を各集電体に備えるようにしても、各接続リード部でのシール性を向上させることが可能になるので、別途、樹脂フィルムで薄型電池を覆う必要がなくなり、電池の体積エネルギー密度、重量エネルギー密度が低下することを防止できるようになる。
【0016】
そして、各接続リード部の第1と第2の合成樹脂製枠体の間に配置される部分に複数の開口部を備えるようにすると、この開口部を通して直接第1と第2の合成樹脂製枠体同士が結着するようになるので、各接続リード部のシール部がさらに強固に固着されるようになる。このため、各接続リード部でのシール性がさらに向上する。
【0017】
また、変性ポリプロピレンはヒートシール性が極めて良好な樹脂であるとともに、耐食性が優れた樹脂であるので、このような樹脂からなる樹脂フィルムを用いてヒートシール性を有する合成樹脂製枠体を形成すると、各接続リード部でのシール性がさらに向上するとともに、結着性が良好であることからヒートシール工程も容易になり、この種の薄型電池の生産性も向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の薄型電池の一実施形態を図に基づいて説明する。なお、図1(a)は本実施形態の薄型電池の概略を示す斜示図であり、図1(b)は図1(a)のX−X断面を示す断面図である。また、図2はこの薄型電池に用いる正極集電体あるいは負極集電体を示す図である。
【0019】
1.正極の作製
正極活物質としてのLiMnO290重量%に、導電剤としてのケッチェンブラック6重量%と、結着剤としてのフッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))粉末4重量%と、適量の水を加えて混合・混練して正極活物質スラリーを作製する。一方、図2に示すように、本体12aと、電池を構成した場合にその一部が電池外部に延出する正極用接続リード部12bとが形成され、かつこの正極用接続リード部12bの電池を構成した場合に合成樹脂製枠体18,19と重なる部分に開口12cが形成された薄板状の金属製正極集電体(例えば、アルミニウム板よりなる)12を用意し、この薄板状の金属製正極集電体12に、正極用接続リード部12bを除いて正極活物質スラリーを塗着した後、乾燥して、薄板状の金属製正極集電体12上に正極合剤層11が形成された正極を作製する。
【0020】
2.負極の作製
負極活物質としてのスピネル型Li4Ti5O1290重量%に、導電剤としての炭素粉末6重量%と、結着剤としてのフッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))粉末4重量%と、適量の水を加えて混合・混練して負極活物質スラリーを作製する。一方、図2に示すように、本体14aと、電池を構成した場合にその一部が電池外部に延出する負極用接続リード部14bとが形成され、かつこの負極用接続リード部14bの電池を構成した場合に合成樹脂製枠体18,19と重なる部分に開口14cが形成された薄板状の金属製負極集電体(例えば、銅板よりなる)14を用意し、この薄板状の金属製負極集電体14に負極用接続リード部14bを除いて負極活物質スラリーを塗着した後、乾燥して、薄板状の金属製負極集電体14上に負極合剤層13が形成された負極を作製する。
【0021】
3.ポリマー電解質(固体電解質)の作製
ポリエチレンオキサイドを加熱溶融させた液中にLiPF6を1モル/リットルの割合で混合し、冷却・固化させてゲル状のポリマー電解質(固体電解質)15を作製する。
【0022】
4.薄型電池の作製
(a)実施例
上述のようにして作製した、薄板状の金属集電体12上に正極合剤層11を形成した正極と、薄板状の金属製負極集電体14上に負極合剤層13を形成した負極との間にポリマー電解質15を積層して薄板状の発電要素体Aを形成する。一方、薄板状の金属製外装体(例えば、アルミニウム板よりなり、その外形形状は長さ10mmで、幅8mmである)16,17を用意するとともに、その外形形状が外装体16,17と同一で、かつその内径形状が薄板状の発電要素体Aより若干大きくなるように形成した変性ポリプロピレンフィルムからなるヒートシール性を有する合成樹脂製枠体18,19を用意する。
【0023】
そして、薄板状の金属製外装体17の外周部上に合成樹脂製枠体19を配置した後、この薄板状の金属製外装体17の中心部上に上述した発電要素体Aを配置する。この後、合成樹脂製枠体19の上に合成樹脂製枠体18を重ね合わせて配置し、これらの上に薄板状の金属製外装体16をその外周部が合成樹脂製枠体18と一致するようにして配置して積層体を形成する。ついで、この積層体を所定の温度(例えば、110〜170℃)に加熱して実施例の薄型電池10(電池A)を作製する。
【0024】
この加熱により、ヒートシール性を有する合成樹脂製枠体18,19同士が強固に結着するとともに、合成樹脂製枠体18と金属製外装体16が、合成樹脂製枠体19と金属製外装体17が、合成樹脂製枠体18,19と各接続リード部12b,14bがそれぞれ強固に結着するようになる。また、このヒートシール時に、各接続リード部12b,14bに設けられた開口12c,14cを通して、合成樹脂製枠体18,19同士が強固に結着するようになるので、結着力の優れたシール部が形成されるようになる。
【0025】
(b)比較例1
図3に示すように、上述とほぼ同様にして作製した、薄板状の金属集電体(なお、この金属集電体には接続リード部は形成されていない)22に正極合剤層21を形成した正極と、薄板状の金属製負極集電体24に負極合剤層23を形成した負極との間にポリマー電解質25を積層して薄板状の発電要素体Bを形成する。一方、薄板状の金属製外装体(例えば、アルミニウム板よりなり、その外形形状は長さ10mmで、幅8mmである)26,27を用意するとともに、その外形形状が外装体26,27と同一で、かつその内径形状が薄板状の発電要素体Bより若干大きくなるように形成した変性ポリプロピレンフィルムからなるヒートシール性を有する合成樹脂製枠体28を用意する。
【0026】
そして、薄板状の金属製外装体27の外周部上に合成樹脂製枠体28を配置した後、この薄板状の金属製外装体27の中心部上に上述した発電要素体Bを配置し、これらの上に薄板状の金属製外装体26をその外周部が合成樹脂製枠体28と一致するようにして配置して積層体を形成する。ついで、この積層体を所定の温度(例えば、110〜170℃)に加熱して、比較例1の薄型電池20(電池B)を作製する。
【0027】
(c)比較例2
図4に示すように、上述とほぼ同様にして作製した、薄板状の金属集電体32に正極合剤層31を形成した正極にポリマー電解質35を積層したものと、薄板状の金属製負極集電体34に負極合剤層33を形成した負極とを用意する。一方、薄板状の金属製外装体(例えば、アルミニウム板よりなり、その外形形状は長さ10mmで、幅8mmである)36,37を用意するとともに、その外形形状が外装体36,37と同一で、かつその内径形状が正極、ポリマー電解質35や負極より若干大きくなるように形成した変性ポリプロピレンフィルムからなるヒートシール性を有する合成樹脂製枠体38を用意する。
【0028】
そして、薄板状の金属製外装体37の中央部にポリマー電解質35を積層した正極を配置し、薄板状の金属製外装体37の外周部上に合成樹脂製枠体38を配置した後、ポリマー電解質35の上に負極を配置し、これらの上に薄板状の金属製外装体36をその外周部が合成樹脂製枠体38と一致するようにして配置して積層体を形成する。ついで、この積層体を所定の温度(例えば、110〜170℃)に加熱して、比較例2の薄型電池30(電池C)を作製する。
【0029】
5.電池試験
上述のようにして作製したA,B,Cの各電池を、それぞれ0.1mAの定電流で電池電圧が0.4Vになるまで放電させた後、2.2Vの定電圧(保護抵抗:15kΩ)で40時間の充電を行う。その後、A,B,Cの各電池を0.1mAの定電流で放電させ、放電時間に対する電池電圧を測定してグラフで表して放電曲線を求めると、図5に示すような結果となった。図5より明らかなように、実施例の薄型電池10(電池A)および比較例2の薄型電池30(電池C)は放電容量(図5の放電曲線の積分値)が大きく、したがって集電効率が高いことが分かる。
【0030】
また、図5の放電曲線より得られる放電容量(図5の放電曲線の積分値)をQ1(mAh)とし、A,B,Cの各電池をそれぞれ60℃の温度環境で20日間保存した後、室温で0.1mAの定電流で電池電圧が0.4Vになるまでの放電時間から求めた放電容量をQ2(mAh)とし、下記の数式(1)に基づいて保存劣化率(%)を求めると下記の表1に示すような結果となった。
【0031】
【数1】
保存劣化率(%)=((Q1−Q2)/Q1)×100・・・(1)
【0032】
【表1】
【0033】
上記表1より明らかなように、実施例の薄型電池10(電池A)は放電容量が大きいとともに、保存劣化率も小さいことが分かる。また、比較例1の薄型電池20(電池B)は保存劣化率は小さいが、放電容量が小さいことが分かる。さらに、比較例2の薄型電池30(電池C)は放電容量が大きいが、保存劣化率が大きいことが分かる。このことから、本発明によれば、十分な集電効率を保ちつつ保存特性を向上させることが可能な薄型電池が得られるようになる。
【0034】
上述したように、本発明においては、ヒートシール性を有する2枚の合成樹脂製枠体18,19の間に電池外部に延出する各接続リード部12b,14bを配置した後、ヒートシールを行うようにしているので、ヒートシール性を有する合成樹脂製枠体18,19同士が強固に結着するとともに、合成樹脂製枠体18と金属製外装体16が、合成樹脂製枠体19と金属製外装体17が、合成樹脂製枠体18,19と各接続リード部12b,14bがそれぞれ強固に結着するようになる。
【0035】
この結果、電池外部に延出する各接続リード部12b,14bを各集電体12,14に備えるようにしても、各接続リード部12b,14bでのシール性を向上させることが可能になるので、別途、樹脂フィルムで薄型電池を覆う必要がなくなり、電池の体積エネルギー密度、重量エネルギー密度が低下することを防止できるようになる。
【0036】
また、各集電体12,14は電池外部に延出する接続リード部12b,14bをそれぞれ備えるようにしているので、何らかの理由によりこの薄型電池10が膨張して、正極集電体12と金属製外装体17との間あるいは負極集電体14と金属製外装体17との間の接触が断たれても、各合剤層11,13からの集電には支障を来すことがないので、集電効率を向上させることができるようになる。
【0037】
なお、上述した実施形態においては、電解質として固体電解質(ポリマー電解質)を用いる例について説明したが、固体電解質(ポリマー電解質)に代えて有機電解液を含浸したセパレータを用いるようにしても同様な効果が得られる。また、上述した実施形態においては、本発明を方形状の電池に適用する例について説明したが、方形状に限らず、円形、楕円形等の様々の形状の電池に本発明は適用可能である。さらに、上述した実施形態においては、本発明を固体電解質(ポリマー電解質)を用いた二次電池に適用する例について説明したが、本発明は種々の二次電池あるいは一次電池に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄型電池を示す図であり、図1(a)この薄型電池の概略を示す斜示図であり、図1(b)はそのX−X断面を示す断面図である。
【図2】 図1の薄型電池に用いる正極集電体あるいは負極集電体を示す図である。
【図3】 従来例(比較例1)の薄型電池を示す図であり、図3(a)はこの薄型電池の概略を示す斜示図であり、図3(b)はそのY−Y断面を示す断面図である。
【図4】 他の従来例(比較例2)の薄型電池を示す図であり、図4(a)はこの薄型電池の概略を示す斜示図であり、図4(b)はそのZ−Z断面を示す断面図である。
【図5】 図1,図3,図4の薄型電池の放電曲線を示す図である。
【符号の説明】
10…薄型電池、11…正極合剤層、12…正極集電体、12b…正極用接続リード部、13…負極合剤層、14…負極集電体、14b…負極用接続リード部、15…ポリマー電解質(固体電解質)、16,17…金属製外装体、18,19…ヒートシール性を有する合成樹脂製枠体
Claims (6)
- 正極合剤層と負極合剤層と電解質からなる薄板状の発電要素体と、この発電要素体の外周部に配置されるヒートシール性を有する合成樹脂製枠体とを備え、これらの発電要素体とヒートシール性を有する合成樹脂製枠体の上面に第1の金属製外装体を、同合成樹脂製枠体の下面に第2の金属製外装体をヒートシールにより装着した薄型電池であって、
電池外部に延出する正極用接続リード部を有する金属製正極集電体の表面に前記正極合剤層を備え、
電池外部に延出する負極用接続リード部を有する金属製負極集電体の表面に前記負極合剤層を備え、
前記第1の金属製外装体の外周部にヒートシール性を有する第1の合成樹脂製枠体を備えるとともに、前記第2の金属製外装体の外周部にヒートシール性を有する第2の合成樹脂製枠体を備え、
前記第1と第2の合成樹脂製枠体の間に前記正極用接続リード部および前記負極用接続リード部が配置されるとともに、前記第1と第2の合成樹脂製枠体同士、前記第1の合成樹脂製枠体と前記第1の金属製外装体、前記第2の合成樹脂製枠体と前記第2の金属製外装体および前記第1と第2の合成樹脂製枠体と前記各接続リード部とがそれぞれヒートシールにより固着されていることを特徴とする薄型電池。 - 前記各接続リード部の前記第1と第2の合成樹脂製枠体の間に配置される部分に複数の開口部を備えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の薄型電池。
- 前記ヒートシール性を有する第1と第2の合成樹脂製枠体は変性ポリプロピレン製の樹脂フィルムより形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄型電池。
- 正極合剤層と負極合剤層と電解質からなる薄板状の発電要素体と、この発電要素体の外周部に配置されるヒートシール性を有する合成樹脂製枠体とを備え、これらの発電要素体とヒートシール性を有する合成樹脂製枠体の上面に第1の金属製外装体を、同合成樹脂製枠体の下面に第2の金属製外装体をヒートシールにより固着して形成する薄型電池の製造方法であって、
電池外部に延出する正極用接続リード部を有する金属製正極集電体に前記正極合剤層を形成する正極合剤層形成工程と、
電池外部に延出する負極用接続リード部を有する金属製負極集電体に前記負極合剤層を形成する負極合剤層形成工程と、
前記正極合剤層形成工程により形成された前記正極合剤層と、前記負極合剤層形成工程により形成された前記負極合剤層とを電解液を含浸させたセパレータあるいは固体電解質を介して積層して薄板状の発電要素体を形成する積層工程と、前記第1の金属製外装体の外周部にヒートシール性を有する第1の合成樹脂製枠体を配置するとともに、前記第2の金属製外装体の外周部にヒートシール性を有する第2の合成樹脂製枠体を配置し、これらの合成樹脂製枠体が配置された第1と第2の金属製外装体間に前記薄板状の発電要素体を配置する配置工程と、
前記配置工程によりその外周部に前記第1と第2の合成樹脂製枠体が配置されかつ薄板状の発電要素体の上下面に第1と第2の金属製外装体が配置された積層体を加熱して、前記第1と第2の合成樹脂製枠体同士、前記第1の合成樹脂製枠体と前記第1の金属製外装体、前記第2の合成樹脂製枠体と前記第2の金属製外装体、前記第1と第2の合成樹脂製枠体と前記各接続リード部とをそれぞれヒートシールするヒートシール工程とを備えたことを特徴とする薄型電池の製造方法。 - 前記各接続リード部の前記第1と第2の合成樹脂製枠体の間に配置される部分に複数の開口部を備えるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の薄型電池の製造方法。
- 前記ヒートシール性を有する第1と第2の合成樹脂製枠体は変性ポリプロピレン製の樹脂フィルムより形成したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の薄型電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07465698A JP3676075B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 薄型電池およびその製造方法 |
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