JP3675939B2 - 点火時期制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動2・4輪車等に用いられるエンジンの点火時期を制御するための点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平4−308359号には、図8に示すようなエンジンのクランクシャフト10にロータ12を一体に取付け、このロータ12の外周にトリガポール14を設け、さらにその外側にトリガポール14の前端部及び後端部を検出するパルサー16が設けられた点火時期制御装置が示されている。これはトリガポール14の後端部をパルサー16で検出し、この位置で固定的にエンジンへ点火信号を出力するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、点火のタイミングはエンジン性能やその機種に要求される様々な特性から、エンジン回転数にしたがって変化させることが望ましい。このため、トリガポールの前端部若しくは後端部近傍でエンジン回転数をパラメータとして演算をし、点火時期を制御する必要がある。しかし、一般的に、上死点付近となる点火時期は、クランクシャフトの回転数が変動しやすく、精度良く点火時期を制御することは困難であった。
【0004】
このため、図9に示すように、クランクシャフトの回転数を正確に検出すべく、クランク角度位置を検出するタイミングを増やす複数の爪を有するトリガポール14’を設けたロータ12もあるが、トリガポール14’の形状が複雑になるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
エンジンと、クランクシャフトと、このクランクシャフトと一体に回転するロータと、ロータの外周に取付けられたトリガポールと、このトリガポールの前端部と後端部を検出するためのパルサーと、このパルサーからの回転パルスを検出し所定の点火時期にエンジンへ点火信号を出力するデジタル制御式点火ユニットとを備えた点火時期制御装置において、
デジタル制御式点火ユニットは予め測定したクランクシャフト1回転分の時間により点火時期を仮算出したのち、トリガポールが通過する時間を用いてこの仮算出した点火時期を補正することを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の点火時期制御装置において、2サイクルエンジンに適用されることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて実施の一形態を説明する。図1は本願発明の点火時期制御装置に係るエンジン装置全体の構成図である。この図に明らかなように、エンジン2には点火プラグ4が設けられ、この点火プラグ4にはコード6を介してイグニッションコイル8が接続されている。
【0008】
また、エンジン2のクランクシャフト10にはロータ12が接続され、ロータ12の外周部にはトリガポール14が設けられている。このトリガポール14のさらに外周位置にはトリガポール14を検出するためのパルサー16が設けられている。
【0009】
なお、本実施の形態では、トリガポール14は前端部Aと後端部Bとが中心角42度をなすようロータ12の周囲に設けられ、ピストンの上死点Cとトリガポール14の前端部Aとの中心角が65度になるように設定されている。
【0010】
パルサー16はデジタル制御式点火ユニット18へ接続され、このデジタル制御式点火ユニット18は、イグニッションコイル8へ接続されている。デジタル制御式点火ユニット18は、以下に説明する点火時期を算出する演算処理を行い、イグニッションコイル8に点火信号を出力する。
【0011】
図2は図1に示された実施形態におけるトリガパルス及びその点火時期を算出する過程を示したタイムチャートであり、パルサー16はトリガポール14の前端部Aで負極性の回転パルスaを検出し、後端部Bで正極性の回転パルスbを検出する。
【0012】
図2におけるa(n)は点火時期算出時の負極性の回転パルス、a(n−1)は前回の負極性の回転パルスを示し、b(n)は点火時期算出時の正極性の回転パルス、b(n−1)は前回の正極性の回転パルスを示している。
【0013】
まず、回転パルスa(n)の立ち下がりポイントでタイマーをスタートさせ、これと同時に、直前の一回転分の時間Me、すなわち回転パルスa(n−1)の立ち下がりポイントからa(n)の立ち下がりポイントまでの時間に基づいて、仮の点火時期である仮Tigを算出する。
【0014】
次に、回転パルスa(n)の立ち下がりポイントから回転パルスb(n)の立ち上がりポイントまでの時間、すなわちトリガポール14の通過時間T1を測定し、このT1測定完了時に、仮TigにT1を代入し、補正計算を行うことにより、現実にイグニッションコイル8に点火信号を出力する時期である本Tigを算出する。
【0015】
図2は、エンジンの回転が急激に下がる場合の例示であり、T1を測定することによりエンジンの回転が下がったことが認識でき、その結果、点火時期が仮TigにおいてはXであったものが、本Tigにおいてはプラス方向、すなわち点火時期を遅らせる方向へ補正されYになっている。そして、回転パルスa(n)の立ち下がりポイントでスタートさせたタイマーが本Tigの値と一致したときにイグニッションコイル8に点火信号を送り、点火プラグ4を点火させる。なお、逆にエンジンの回転数が上がる場合には、T1による補正により仮Tigに対してマイナス方向、すなわち点火時期を早める方向へ本Tigが補正されることになる。
【0016】
次に数1、数2及び図3に基づいて、仮Tig及び本Tigの具体的な算出について説明する。なお、数1のα、β、γはエンジンの回転数とその点火時期により決定されるものであり、あらかじめソフト的に定められている。
【0017】
【数1】
仮Tig=α・Me+β−γ・Me
【数2】
本Tig=仮Tig+T1
【0018】
図3は目的の点火位置を示すグラフであり、横軸にエンジンの回転数、縦軸に上死点からの進角(θig)を表している。このグラフから明らかなように、本実施の形態では、エンジン回転数が4000rpmの前後で進角が最小となり、この4000rpmより低回転及び高回転になるにしたがって進角が大きくなるように目的点火位置が設定されている。よって、図3に示す点火位置に点火できるよう時間換算し、仮Tig及び本Tigを算出すればよいことになる。
【0019】
数2に示すように、本Tigは仮Tigにトリガポール14の通過時間であるT1を加えて算出されるものであるため、仮TigではMeをもとに、エンジン回転数の変化がなかった場合のT1の時間を想定して、α、β、γを決定しておく必要がある。
【0020】
なお、図3においては、2000rpm以下では補正演算をせずに、進角23度の時点(後端部B)、すなわち、正極性のパルスの立ち上がりポイントで固定的に点火信号を出力するようになっている。また、8800rpm以上では全失火するようになっている。
【0021】
図4は、2サイクル50ccエンジンの自動変速機を有するスクータに本願発明を適用した場合における図3に相当する図である。この図から明らかなように、1500rpm以下では進角12度で固定的に点火信号を出力し、1500rpm以上では回転数が増加するにしたがって進角が大きくなり、5000rpmで進角が20度になるようになっている。
【0022】
5000rpmから6300rpmまでは進角は20度であり、自動変速機が作動し始めてから完了するまでの回転域である6300rpmから6800rpmでは回転数が増加するにしたがって進角は小さくなり、6800rpm以上では17度で固定される。
【0023】
次に、本実施の形態の作用を説明する。まず、直前の一回転分の時間Meを用いて仮Tigを算出し、次にトリガポール14の通過時間T1を用いて補正計算を行い本Tigを算出する。ゆえに、エンジンの回転数の変化に的確に対応した正確な時期に点火信号をイグニッションコイル8に出力をすることができる。
【0024】
また、ロータ12にはトリガポール14を一つ必要とするだけであるので、構造的にシンプルであり、従来のようにエンジン回転数の変化を的確にとらえるためにロータ12に複数の爪を備えたトリガポールを設けるなど複雑な工作が不要となり、製造コストの低減を図ることができる。さらに、従来のアナログ制御のロータ12、トリガポール14、パルサー16等をそのまま流用することができるので、大幅な設計変更を必要としない。
【0025】
そのうえ、トリガポール14の通過時間T1を測定するので、万が一、逆回転をした場合でもこれを検知しやくすなり、エンジンの逆回転を防止することができる。
【0026】
次に、図5乃至図7に基づいて、仮Tig及び本Tigの他の算出方法について説明する。図5乃至図7は1回転以上前におけるMe及びT1を用いるものであり、図5は、Me測定とT1測定を同時期に行う方式である。例えば、回転パルスa(n−2)の立ち下がりポイントからa(n−1)の立ち下がりポイント間の時間を測定してMeとし、回転パルスa(n−2)の立ち下がりポイントからb(n−2)の立ち上がりポイント間の時間を測定してT1とするものである。
【0027】
これに対して図6は、Me測定の直後にT1を測定する方式である。例えば、回転パルスa(n−2)の立ち下がりポイントからa(n−1)の立ち下がりポイント間の時間を測定してMeとし、回転パルスa(n−1)の立ち下がりポイントからb(n−1)の立ち上がりポイント間の時間を測定してT1とするものである。
【0028】
図5又は図6のような算出方法にすると、トリガポール14の前端部Aにおける負極性の回転パルスa(n)の立ち下がりポイントから点火信号を出力することができるようになり、進角をより大きくとることができる。また、エンジンの低回転時に回転パルスb(n)の立ち上がりポイントで固定時期に点火を行う方式であっても、これより早い進角で点火信号を出力することが可能となる。
【0029】
図7はT1を連続的に測定し、エンジンの回転数変化をより正確にとらえ、補正しようとするものであり、例えば、T1(n−1)、T1(n−2)の2つの時間を用いて仮Tigを補正して本Tigを算出するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る点火時期制御装置が適用されたエンジン装置全体図
【図2】 トリガパルス及び点火時期を算出する過程を示したタイムチャート
【図3】 目的点火位置(θig)を示す図
【図4】 自動変速機を有する2サイクル50ccエンジンの図3相当図
【図5】 他の点火時期の算出方法を示す図
【図6】 さらに他の点火時期の算出方法を示す図
【図7】 さらに他の点火時期の算出方法を示す図
【図8】 従来の点火時期制御装置を示す図
【図9】 さらに別の従来例を示す図
【符号の説明】
2:エンジン、4:点火プラグ、8:イグニッションコイル、10:クランクシャフト、12:ロータ、14:トリガポール、16:パルサー、18:デジタル制御式点火ユニット
Claims (2)
- エンジンと、クランクシャフトと、このクランクシャフトと一体に回転するロータと、ロータの外周に取付けられたトリガポールと、このトリガポールの前端部と後端部を検出するためのパルサーと、このパルサーからの回転パルスを検出し所定の点火時期にエンジンへ点火信号を出力するデジタル制御式点火ユニットとを備えた点火時期制御装置において、
デジタル制御式点火ユニットは予め測定したクランクシャフト1回転分の時間により点火時期を仮算出したのち、トリガポールが通過する時間を用いてこの仮算出した点火時期を補正することを特徴とする点火時期制御装置。 - 2サイクルエンジンに適用されることを特徴とする請求項1記載の点火時期制御装置。
Priority Applications (1)
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JP07743596A JP3675939B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 点火時期制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP07743596A JP3675939B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 点火時期制御装置 |
Publications (2)
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JPH09264241A JPH09264241A (ja) | 1997-10-07 |
JP3675939B2 true JP3675939B2 (ja) | 2005-07-27 |
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ID=13633945
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JP07743596A Expired - Fee Related JP3675939B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 点火時期制御装置 |
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Families Citing this family (2)
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JP4167324B2 (ja) | 1998-06-26 | 2008-10-15 | 本田技研工業株式会社 | エンジン回転数算出装置 |
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1996
- 1996-03-29 JP JP07743596A patent/JP3675939B2/ja not_active Expired - Fee Related
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