JP3674803B2 - 照明制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は中央制御装置が時分割多重伝送で複数の照明用端末機を制御することによって複数のエリアの照度を制御する照明制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、照度センサーを使用して、照明の照度を−定に制御することにより、十分な作業面照度の確保及び省エネルギーを実現するシステムが提案されている。例えば、実公昭54−152では、照明器具に照度センサーを設け、このセンサーが受光するレベル(照度検出値)が常に一定になるように、前記照明器具の照度を制御するシステム例が述べられている。しかし、各照明器具に照度センサーを設けた場合、制御対象のエリアの明るさをどの程度にするかを決める照度基準値の設定をこれら照明器具毎に個別に行わなければならず、しかも、これら照明器具は天井付けであるため、照度基準値の設定作業が大変であるという不具合があった。
【0003】
そこで、複数のエリア対応で設けられた複数の照度センサーの受光レベルと設定されている照度基準値とを比較して得られる照度制御信号を、各エリア対応で設置されている照明器具に送出するコントローラを備えたシステムを用いれば、照度設定は前記コントローラに対してのみ行えば良く、照度設定作業を容易にすることができる。しかし、制御対象のエリアの数が多いと、複数の照度センサーの検出信号を伝送する信号線を前記コントローラまで配線しなくてはならず、配線が複雑になって、システム構築時の作業が繁雑になるという不具合があった。
【0004】
そこで、上記不具合を回避するために、図9に示すようなシステムが開発されている。このシステムでは、1台の照度センサー6が直接又は信号線を介して中央制御装置1に接続され、中央制御装置1はこの照明センサー6の受光レベルが一定になるように伝送線2を通して時分割多重伝送により各エリアに設けられている調光端末器3a、3b、…3nを制御して、ランプ5の照度を一定に制御している。このため、1台の照度センサー6の検出信号を伝送する信号線を中央制御装置1へ配線すればよく、照度センサー6の検出信号を伝送する信号線の配線が繁雑になるという不具合を回避することができる。
【0005】
しかし、このようなシステムでは、各調光端末器3a、3b、…3nにより調光器具4a、4b、…4nを介してランプ5の照度を制御すると、この時の照度が照度センサー6により検出されて、中央制御装置1にフィードバックされるフィードバック系が、調光端末器の数と同じ数形成される。このため、調光端末器の数が多くなればなるほど、中央制御装置1が前記伝送線2を通して1個の調光端末器に伝送する照度制御信号の伝送間隔が長くなって、中央制御装置の処理負担も多くなりシステムの応答性が悪化するという不具合があった。
【0006】
即ち、例えば、調光端末器3aに接続されている調光器具4aのランプ5の照度が低下して、このランプ5の照度の低下を照明センサー6が検出したとしても、これを是正する照度制御信号が中央制御装置1からなかなか送られてこないため、ランプの照度を元の明るさに戻すまでに時間がかかってしまうという不具合が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように各エリア毎に設置されている複数の照明器具の照度を一括して制御するコントローラを設けて、このコントローラに照度基準値設定すことにより、照度基準値の設定作業を容易にしているシステムがあるが、複数の照度センサーの検出信号を前記コントローラに伝送する配線が複雑になって、システム構築時の作業が繁雑になるという課題があった。そこで、この課題を回避するために、中央制御装置1が1台の照度センサー6により検出した受光レベルに基づいて、各エリアに設置された複数の調光端末器3a、3b、…3nを時分割多重伝送により制御して、前記各エリアのランプ5の照度を制御するシステムでは、調光端末器の数が多くなると、システムの応答性が悪化するという課題があった。
【0008】
そこで本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数エリアの照度を応答性良く制御でき、且つ照度の設定が容易な照明制御システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、制御信号を伝送する伝送線と、前記伝送線に接続されるとともに、照度センサーにより検出された照度検出値が予め設定されているエリアの照度基準値に一致するように調光制御信号を発生し、調光器具に装着されたランプを調光制御するフィードバックループにより、エリアの照度制御をする少なくとも1個の調光端末器と、エリアの照度を決める照度基準値を前記伝送線を通して前記調光端末器に送信することにより前記調光端末器に設定する制御を行う中央制御装置と、前記中央制御装置に前記照度基準値を設定する設定手段と、を具備し、前記調光端末器は前記設定手段により設定された照度基準値から複数のサブ照度基準値を作成し、前記照度センサーにより検出された照度検出値が前記サブ照度基準値に一致するように複数系統の照明負荷を別々の照度で調光制御することを特徴とする。
【0010】
このような構成により、中央制御装置は必要に応じて前記設定手段により設定された前記照度基準値を前記制御信号に載せて伝送線を通して調光端末器に送信する。調光端末器は送信されてきた自己宛の前記照度基準値を内部に設定する。調光端末器は照度センサーにより検出された照度検出値が予め前記中央制御装置により設定されている照度基準値に一致するようにPWMの調光制御信号を作成し、これを前記信号線を通して調光器具に送る。調光器具は入力された調光制御信号によりランプ電源をPWM制御して、ランプの調光を行い、前記照度基準値で決まる目標照度に前記ランプが設置してあるエリアの照度を制御する。従って、調光端末が増えても、前記エリアの照度は各調光端末を含むそれぞれのフィードバック系にて行うため、各エリアの照度制御の応答性に影響を与えない。又、調光端末が増えると、中央制御装置が前記照度基準値を伝送線を通して各調光端末器に送信して、これら調光端末器に設定する処理は増えるが、これは必要に応じて行われるもので、上記した各エリアの照度制御の応答性に影響を与えない。従って、前記エリアの照度は各調光端末を含むフィードバック系の応答度を適切に決めておけば、調光端末の増減に拘らず、常に照度制御に対する良好な応答性を保持することができる。又、各調光端末への前記照度基準値の設定は前記中央制御装置により自動的に行われるため、照度基準値の設定作業は極めて容易になる。
【0012】
このような構成により、前記調光端末器は前記設定された照明基準値から例えば、第1、第2のサブ照明基準値を作成する。その後、前記調光端末器は前記照度センサーにより検出された照度検出値が前記第1のサブ照明基準値と一致するように第1の系統の照明負荷を調光制御し、又、前記調光端末器は前記照度センサーにより検出された照度検出値が前記第2のサブ照明基準値と一致するように第2の系統の照明負荷を調光制御する。これにより、一つのエリア内を更に細分化してその照度制御を個別に行うことができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の照明制御システムにおいて、調光制御されて点灯しているランプが配置されているエリアの照度の実測値を前記中央制御装置に入力する実測値入力手段と、前記中央制御装置に設けられ、前記実測値入力手段により入力された実測値の照度が前記設定手段により設定された照度基準値により決まる目標照度値に一致するように照度基準値を補正する補正手段と、を具備し、前記補正手段により補正された照度基準値を前記調光端末器に送信することを特徴とする。
【0014】
このような構成により、前記中央制御装置に前記実測値入力手段により入力された前記実測値の照度が例えば300ルックスであるとし、前記設定手段により設定された前記照度基準値により決まる目標照度を500ルックスとする。このような場合、前記中央制御装置の補正手段は実測値入力手段により入力された前記実測値の照度が前記設定手段により設定された前記照度基準値の目標照度に一致するように、即ち500−200=300ネックス目標照度が上昇するように前記照度基準値を補正する。これにより、前記調光端末器に補正された照度基準が設定され、この照度基準によりランプの調光制御が行われるため、照度は目標の500ルックスに制御され、照明負荷の配置や天井の高低によって生じる照度偏差が是正され、仕様どおりの照度制御が行われる。
【0015】
請求項3の発明は、制御信号を伝送する伝送線と、前記伝送線に接続されるとともに、照度センサーにより検出された照度検出値が予め設定されているエリアの照度基準値に一致するように調光制御信号を発生し、調光器具に装着されたランプを調光制御するフィードバックループにより、エリアの照度制御をする少なくとも1個の調光端末器と、エリアの照度を決める照度基準値を前記伝送線を通して前記調光端末器に送信することにより前記調光端末器に設定する制御を行う中央制御装置と、前記中央制御装置に照度基準値を設定する設定手段と、前記調光端末器に校正用の照度基準値を設定しておき、前記校正用の照度基準値で調光制御して前記ランプを点灯する点灯手段と、前記調光端末器に設けられ、前記点灯手段により前記ランプを点灯した時の前記照度センサーにより検出された照度検出値を前記伝送線を通して前記中央制御装置に送信する送信手段と、前記中央制御装置に設けられ、前記送信手段により送信されてきた照度検出値と前記校正用の照度基準値により決まる目標照度値との差より前記設定手段により設定された照度基準値を補正する補正手段と、を具備し、前記補正手段により補正された照度基準値を前記調光端末器に送信することを特徴とする。
【0016】
このような構成により、前記調光端末器に設定されている校正用の照度基準値により決まる目標照度が300ルックスであるとする。前記点灯手段がこの校正用の照度基準値で前記照明負荷を調光制御して前記ランプを点灯した時の前記照度センサーにより検出される照度検出値が200ルックスであった場合、前記送信手段はこの200ルックスの照度検出値を中央制御装置に送信する。前記補正手段は前記送信手段により送信されてきた200ルックスの照度検出値と前記校正用の照度基準値で決まる目標照度300ルックスとの差100ルックスにより、前記調光端末器により調光制御される照明負荷の目標とする照度と実際の照度との偏差が分かるため、この偏差が生じないように前記設定手段により設定された照度基準値を補正する。これにより、前記調光端末器に補正された照度基準値が設定され、この照度基準により前記ランプの調光制御が行われるため、照度は目標の照度に偏差なく制御され、仕様どおりの照度制御が行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の照明制御システムの第1の実施の形態を示したブロック図である。1は伝送線2による時分割多重伝送により調光端末3a、3bに照度基準値を設定するなどの制御を行う中央制御装置、2は中央制御装置1と調光端末器3a、3bを接続し、制御信号やデータを時分割多重伝送により伝送する伝送線、4a1、4a2、4b1、4b2は調光端末器3a、3bにより調光制御される調光器具、5は調光器具4a1、4a2、4b1、4b2に装着されているランプ、6aは受光レベルを照度検出値として調光端末器3aに出力する照度センサー、6bは受光レベルを照度検出値として調光端末器3bに出力する照度センサー、7aは調光端末器3aと調光器具4a1、4a2とを接続して、PWM信号を伝送する例えば4線式の信号線、7bは調光端末器3bと調光器具4b1、4b2とを接続して、PWM信号を伝送する例えば2線式の信号線、8は各エリアのランプ5の照度をどのくらいにするのかを決定する照度基準値を中央制御装置1に入力する入力部である。
【0018】
尚、照度センサー6a、調光端末器3a、調光器具4a1、4a2及び照度センサー6b、調光端末器3b、調光器具4b1、4b2は照度制御対象のエリア毎に設置されているものとする。又、照度センサー6a、6bは通常天井に設置されて机上面の照度を測定する。照度センサー6のセンサーレベルはDC0V〜5Vを検知範囲とし、例えば700IX=3.1Vという対応関係になる。調光器具4b1、4b2は2線式で調光信号はDCI2V、100HzのPWM信号で、調光端末器3a、3bから供給される。調光器具には図示しないが交流電源、例えばAC100Vが供給される。
【0019】
図2は図1に示した調光端末3a(又は3b)の詳細構成例を示したブロック図である。31は伝送線2に対する信号の送受を行う送受信部、32は信号の送受信制御や調光制御などを行うマイクロコンピュータなどの制御部、33は自己のアドレス情報を記憶するアドレス記憶部、34は照度センサー6aからの信号を受信して制御部32に入力する照度センサー受信部、35は調光器具4a1などを調光制御するためのPWM調光信号を信号線7a上に出力する調光信号出力部、36は照度基準値が保持されるメモリである。
【0020】
図3は上記した照度センサー6aの詳細構成例を示した回路図である。フォトダイオード61は受光した光のレベルに応じて電流が変化する。このため、この電流変化を電圧に変換しアンプ62により増幅して、照度検出信号とし、これを調光端末器3aに送信する。尚、照度センサー6bについてもその構成は同様である。
【0021】
次に本実施の形態の動作について説明する。まず、中央制御装置1には、入力部8から調光端末器3a、3bにより調光制御されるランプ5により照明されるエリアの照度を決める照度基準値が入力されて設定される。この照度基準値の設定はサイクリックに行ってもよいし、必要に応じて行ってもよい。これにより、中央制御装置1は照度基準値が新たに設定されたり、或いは設定変更があると、照度基準値を図4に示すような制御信号形式にし、これを伝送線2を通して、調光端末器3a、3bに送る。
【0022】
ここで、図4は上記した制御信号の形式例を示した図である。先頭から順番に4ビットのスタート部41、8ビットのアドレス部42、8ビットのデータ部43及び調光端末器側の応答データ部44から成っている。尚、アドレス部42にデータを送信する先の調光端末器のアドレスが収容され、データ部43に上記した照度基準値が収容されることになる。
【0023】
調光端末器3aの送受信部31は伝送線2上の制御信号を受信すると、受信した制御信号のアドレスを制御部32に渡す。制御部32は渡されたアドレスがアドレス記憶部33内の自己のアドレスと一致した場合にのみ、送受信部31により受信された制御信号を取り込む。制御部32は取り込んだ制御信号から照度基準値を取り出して、これをメモリ36に設定する。
【0024】
一方、照度センサー6aは受光レベルを照度検出信号として照度センサー受信部34に送信する。照度センサー受信部34は受信した照度検出信号を制御部32に入力する。制御部32は入力された照度検出信号とメモリ36に設定されている照度基準値を比較し、その差分から調光器具4a1、4a2に取り付けられているランプ5を調光する調光制御信号を作成して、これを調光信号出力部35に出力する。調光信号出力部35は入力された調光制御信号をPWM信号として信号線7a上に送出する。
【0025】
調光器具4a1、4a2は入力されたPWM信号に基づいてランプ5へ出力する電力を調整して調光する。このような制御部32によるランプ5の調光制御は前記差分がゼロになるように行われるため、結局、ランプ5を調光制御することにより、照度センサー6aが検出した照度が上記したメモリ35に設定されている照度基準値で決まる目標照度になり、調光器具4a1、4a2に取り付けられているランプ5により照明されているエリアの明るさがこの照度基準値で設定された照度に制御される。
【0026】
図5は照度センサー6aを実際に部屋の天井部などに取り付ける場合を示した図である。図5(A)に示すように本体51の内部に図3に示したフォトダイオード61とアンプ62が収容されている。特にフォトダイオード61は光を透過する半球状の受光部52内に配置され、この受光部52を通して部屋の光が内部に入射されフォトダイオード61により光電変換される。図5(B)に示すように照度センサー6aは天井板53に前記受光部52が真下を向くように取り付けられ、最後に、受光部52の前面の外周部にプレート54が装着される。
【0027】
ところで、照度センサー6aや調光器具4a1、4a2の取り付け位置や天井の高低などによって、メモリ36に設定した照度基準値では、仕様どおりの照度が得られないことがある。このような場合、例えば調光端末器3aにより上記照度基準値に基づいて調光器具4a1のランプ5を調光制御して点灯させ、その時の照度を実測する。
【0028】
その後、この実測値を入力部8から中央制御装置1に入力すると、中央制御装置1は調光端末器3aに設定した照度基準値により決定される目標照度値と実測値とを比較し、実測値が目標照度値になるように前記照度基準値を補正する。即ち、調光器具4a1のランプ5の取り付け条件や建物の構造に合わせて上記照度基準値が補正される。その後、この補正した照度基準値を伝送線2を介して調光端末器3aのメモリ36に設定する。これにより、調光端末器3aは補正した照度基準値に基づいて、調光器具4a1、4a2のランプ5を調光制御するため、実測値が前記目標値と一致して、このエリアを仕様どおりの照度に制御する。
【0029】
図6は上記した中央制御装置1による照度基準値の補正処理を示したフローチャートである。中央制御装置1はステップ601にて入力部8より実測値を入力すると、ステップ602にて、実測値と、この時設定されている照度基準値により決定される目標照度値との差分を求める。次に、中央制御装置1はステップ603にて前記差分に基づいて前記照度基準値を補正し、ステップ604にてこの補正した照度基準値を伝送線2を通して該当の調光端末器に送信して、処理を終了する。
【0030】
本実施の形態によれば、エリアの照度制御は、例えば照度センサー6a、調光端末器3a、調光器具4a1、4a2、ランプ5間のフィードバックループで行い、前記エリアの照度制御ループから中央制御装置1を外し、中央制御装置1は伝送線2を用いて照度基準値を必要に応じて調光端末器3aに設定するだけであるため、調光端末器の数が増えても、前記照度基準値の設定が遅れることは殆どないので、前記した各エリア毎のフィードバックループに影響を与えることはなく、照度制御の応答性を良好に保持することができる。又、照度基準値の設定は中央制御装置1に対して入力部8から行えば、後はこの中央制御装置1が伝送線2を介して各調光端末器3a、3bに自動的に行うため、照度基準値の設定作業を極めて容易にすることができる。
【0031】
図7は本発明の照明制御システムの第2の実施の形態を示したブロック図である。本例は調光端末器3a、3bにそれぞれ2系統の信号線7a1、7a2と信号線7b1、7b2を接続し、それぞれの系統の信号線に接続されている調光器具4a11、4a21と4a12、4a22及び4b11、4b21、4b12、4b22に取り付けてあるランプ5の調光制御を別々に行うようになっている。他の構成は図1に示した第1の実施の形態と同様であり、又、調光端末器3aの詳細構成は図2と同一であるため、以下の説明にて図2を借用して説明する。
【0032】
次に本実施の形態の動作について説明する。調光端末器3aのメモリ36には中央制御部1から伝送線2を通して照度基準値が設定されている。調光端末器3aの制御部32はメモリ36に設定された照度基準値から信号線7a1、7a2に対する2種類のサブ照度基準値を作成する。例えば、信号線7a1のサブ照度基準値は設定されたものをそのまま用い、信号線7a2の照度基準値は設定された照度基準値の80%をサブ照度基準値として用い、メモリ36に設定する。
【0033】
その後、制御部32は照度センサー受信部34から入力される照度センサー6aの照度検出信号と信号線7a1の用のサブ照度基準値とを比較して、信号線7a1用の調光制御信号を作成して、これを信号線7a1に送出して、調光器具4a11、4a21のランプ5の調光制御を行う。又、制御部32は照度センサー受信部34から入力される照度センサー6aの照度検出信号と信号線7a2の用のサブ照度基準値とを比較して、信号線7a2用の調光制御信号を作成して、これを信号線7a2に送出して、調光器具4a12、4a22のランプ5の調光制御を行う。これにより、調光器具4a11、4a21のランプ5の照度と調光器具4a12、4a22のランプ5の照度とを別々に制御することができる。調光端末器3bについても同様である。
【0034】
本例もメモリ36に設定した照度基準値では、仕様どおりの照度が得られないことがある。このような場合、例えば調光端末器3aのメモリ36に設定してある校正用の照度基準値(元から設定されているものとする)に基づいて調光器具4a11、4a21のランプ5を調光制御して点灯させる。調光端末器3aの制御部32はこの時の照度センサー受信部34から入力される照度センサー6aの照度検出信号を、送受信部31より伝送線2を通して、中央制御装置1に送信する。
【0035】
中央制御装置1は受信した照度検出信号が示す照度値と調光端末器3aに設定してある校正用の照度基準値により決まる目標照度値とを比較し、校正用の照度検出信号が示す照度値と目標照度値の差を求める。次に中央制御装置は求めた差より入力部8から設定された照度基準値の補正を、前記調光器具4a11、4a21のランプ5の照度が前記照度基準値により決まる目標照度値で点灯されるように行う。その後、この補正した照度基準値を調光端末器3aのメモリ36に設定する。これにより、調光端末器3aは補正した照度基準値に基づいて、調光器具4a11、4a21及び4a12、4a22のランプ5を調光制御するため、仕様どおりの照度でこのエリアを制御する。上記照度基準値の補正は調光端末器3bについても同様である。
【0036】
図8は上記した中央制御装置1による照度基準値の補正処理を示したフローチャートである。中央制御装置1はステップ801にて調光端末器より照度検出信号を受信すると、ステップ802にて受信した照度検出値が示す照度とこの時設定されている照度基準値により決められる目標照度値との差分を求める。次に、中央制御装置1はステップ803にて前記差分に基づいて入力部8から設定された照度基準値を補正し、ステップ804にてこの補正した照度基準値を伝送線2を通して該当の調光端末器に送信して、処理を終了する。
【0037】
本実施の形態によれば、中央制御装置1に設定する照度基準値の数を増やすことなく、調光端末器3a(又は3b)は複数系統のランプ5に対して、個別の照度で照度制御を行うことができる。又、照度を実測することなく、調光端末器3a(又は3b)に設定する照度基準の補正を自動的に行うことができ、システムの使い勝手を向上させることができる。他の効果は図1に示した第1の実施の形態と同様である。
【0038】
【発明の効果】
以上記述した如く請求項1の発明によれば、中央制御装置を照度制御から外し、照度基準値を調光端末器に設定することのみとし、且つ照度制御を調光端末器で個別で行うことにすることにより、複数エリアの照度を応答性良く制御でき、且つ照度の設定を容易に行うことができる。
【0039】
さらに、ひとつの調光端末器で複数系統のランプの照度を個別に制御することにより、この調光端末器が設置されているエリアを細分化してそれぞれの照度を個別に制御することができる。
【0040】
請求項3の発明によれば、照明負荷の設置条件や部屋の構造などに合わせて照度基準値を補正することにより、各エリアを仕様どおりの照度で制御することができる。
【0041】
請求項4の発明によれば、照度基準値の補正を容易に行って、各エリアを仕様どおりの照度で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の照明制御システムの第1の実施の形態を示したブロック図。
【図2】図1に示した調光端末器の詳細構成例を示したブロック図。
【図3】図1に示した照明センサーの詳細例を示した回路図。
【図4】図1に示したシステムで伝送される制御信号のフォーマット例を示した図。
【図5】図1に示した照明センサーの取り付け例を示した斜視図。
【図6】図1に示した中央制御装置による照度基準値の補正処理を示したフローチャート。
【図7】本発明の照明制御システムの第2の実施の形態を示したブロック図。
【図8】図7に示した中央制御装置による照度基準値の補正処理を示したフローチャート。
【図9】従来の照明制御システムの構成例を示したブロック図。
【符号の説明】
1 中央制御装置
2 伝送線
3a、3b 調光端末器
4a1、4a2 調光器具
5 ランプ
6a、6b 照度センサー
7a、7b 信号線
8 入力部
31 送受信部
32 制御部
33 アドレス
34 照度センサー受信部
35 調光信号出力部
36 メモリ
37 電源部
Claims (3)
- 制御信号を伝送する伝送線と;
前記伝送線に接続されるとともに、照度センサーにより検出された照度検出値が予め設定されているエリアの照度基準値に一致するように調光制御信号を発生し、調光器具に装着されたランプを調光制御するフィードバックループにより、エリアの照度制御をする少なくとも1個の調光端末器と;
エリアの照度を決める照度基準値を前記伝送線を通して前記調光端末器に送信することにより前記調光端末器に設定する制御を行う中央制御装置と;
前記中央制御装置に前記照度基準値を設定する設定手段と;を具備し、
前記調光端末器は前記設定手段により設定された照度基準値から複数のサブ照度基準値を作成し、前記照度センサーにより検出された照度検出値が前記サブ照度基準値に一致するように複数系統の照明負荷を別々の照度で調光制御することを特徴とする照明制御システム。 - 調光制御されて点灯しているランプが配置されているエリアの照度の実測値を前記中央制御装置に入力する実測値入力手段と;
前記中央制御装置に設けられ、前記実測値入力手段により入力された実測値の照度が前記設定手段により設定された照度基準値により決まる目標照度値に一致するように照度基準値を補正する補正手段と;を具備し、
前記補正手段により補正された照度基準値を前記調光端末器に送信することを特徴とする請求項1記載の照明制御システム。 - 制御信号を伝送する伝送線と;
前記伝送線に接続されるとともに、照度センサーにより検出された照度検出値が予め設定されているエリアの照度基準値に一致するように調光制御信号を発生し、調光器具に装着されたランプを調光制御するフィードバックループにより、エリアの照度制御をする少なくとも1個の調光端末器と;
エリアの照度を決める照度基準値を前記伝送線を通して前記調光端末器に送信することにより前記調光端末器に設定する制御を行う中央制御装置と;
前記中央制御装置に照度基準値を設定する設定手段と;
前記調光端末器に校正用の照度基準値を設定しておき、前記校正用の照度基準値で調光制御して前記ランプを点灯する点灯手段と;
前記調光端末器に設けられ、前記点灯手段により前記ランプを点灯した時の前記照度センサーにより検出された照度検出値を前記伝送線を通して前記中央制御装置に送信する送信手段と;
前記中央制御装置に設けられ、前記送信手段により送信されてきた照度検出値と前記校正用の照度基準値により決まる目標照度値との差より前記設定手段により設定された照度基準値を補正する補正手段と;を具備し、
前記補正手段により補正された照度基準値を前記調光端末器に送信することを特徴とする照明制御システム。
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