JP3674086B2 - Black matrix for color filter and resist composition for black matrix - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカラーテレビ、液晶表示素子、撮像デバイス等に使用される光学的カラーフィルターのブラックマトリックス及びその製造に使用されるブラックマトリックス用レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルターはカラーテレビ、液晶表示素子、撮像デバイス等をフルカラー化するために用いられる素子であり、通常はガラス、プラスチックシート等の透明基板上に設けられたブラックマトリックスと呼ばれるストライプ状又は格子状の遮光性材料のパターンの上に、カラーレジストである色材料を含有する光重合性組成物をスピンコート法にて塗布・乾燥し、その上にマスク等を用いて露光し、現像することで、色材画素画像を形成する工程を赤、緑、青の3色について各々繰り返して製造される。
【0003】
上記ブラックマトリックスの遮光性としては透過光濃度が2.5以上であることが要求され、更に該ブラックマトリックス上に赤、緑、青のパターンを形成する際に凹凸が生じ、極端な場合にはその上に設けたITO等の透明電極が断線するおそれもあるため、その膜厚はできるだけ薄いことが望まれている。
【0004】
従来、ブラックマトリックスの製造方法としては、基板上にクロムの膜を設け、それをエッチングすることで所定のブラックマトリックスパターンを得る方法が用いられていたが、この方法は高コストであり、得られる膜の表面反射率が高いといった欠点がある。このため、カーボンブラック等の黒色顔料を用いたレジスト法によるブラックマトリックスの製造方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のレジスト法によるブラックマトリックスでは遮光性が充分でなく、透過光濃度を2.5以上とするためには膜厚を1.5μm以上とする必要があった。
【0006】
このような問題を解決するために、単に光重合性組成物中の黒色顔料の配合量を増加させた場合には、均一分散が難しく、得られるブラックマトリックスの膜強度や接着性に問題が生じることから、従来、レジスト法による実用的なブラックマトリックスの製造は実現されていなかった。
【0007】
最近になって、レジストパターンを形成した基板に黒鉛塗料を塗布し、その後、レジストパターン部分を除去するリフトオフ法(特開平7−34031号公報)が提案されたが、この方法では工程が多くなり、製造上不利である。
【0008】
本発明は上記従来の問題点を解決し、製造コストが安く、遮光性に優れ、耐溶剤性、基板との接着性にも優れたカラーフィルター用ブラックマトリックス及びこのようなブラックマトリックスを製造するためのレジスト組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラーフィルター用ブラックマトリックスは、黒色顔料としてカーボンブラックを含有するブラックマトリックスにおいて、該カーボンブラックは、950℃における揮発分中のCO及びCO2から算出した全酸素量が、カーボンブラックの表面積100m2当たり9mg以上であることを特徴とする。
【0010】
即ち、本発明者らは従来の問題を解決すべく鋭意検討の結果、酸素量の大きいカーボンブラックを使用することで、分散性、遮光性に優れたブラックマトリックスが製造できることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
面積酸素濃度9mg/100m2以上という酸素量の大きいカーボンブラックを使用することにより、カーボンブラックの高濃度配合にて、分散性、遮光性、耐溶剤性、基板接着性等に優れたブラックマトリックスを製造することができる。
【0012】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、光重合開始剤組成物、エチレン性化合物、及び、カーボンブラックを含有するレジスト組成物において、該カーボンブラックは、950℃における揮発分中のCO及びCO2から算出した全酸素量が、該カーボンブラックの表面積100m2当たり9mg以上であることを特徴とする。
【0013】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、特に、カーボンブラックの表面のpHが6以下であることが好ましい。
【0014】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、特に、カーボンブラックの含有量が固形分濃度で40重量%以上であることが好ましい。
【0015】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、特に、乾燥膜厚0.8μm以下で透過光濃度が2.7以上であるブラックマトリックスを製造するための組成物として有効である。
【0016】
【発明の実施の型態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】
まず、本発明で使用するカーボンブラックについて説明する。
【0018】
本発明で使用するカーボンブラックは、950℃における揮発分中のCO及びCO2から算出した全酸素量が当該カーボンブラックの表面積100m2当たり9mg以上のものである。なお、ここで、カーボンブラックの表面積とは窒素吸着量から求めた、所謂BET法表面積である。以下、本明細書においてカーボンブラックの表面積100m2当たりの上記全酸素量を「面積酸素濃度」と称し、単位「mg/100m2」で記す。
【0019】
カーボンブラックの面積酸素濃度が9mg/100m2未満では、カーボンブラックの分散性が悪くなるため、カーボンブラックの配合量を増加させた場合に塗布性等に問題が生じて、均一なブラックマトリックスの製造が困難になる。本発明においては、特にカーボンブラックの面積酸素濃度は9〜100mg/100m2であることが好ましい。
【0020】
カーボンブラックの平均粒子径は、20〜300nmであることが好ましい。また、カーボンブラックは、分散性の観点からは、その表面のpHが6以下、特に、1〜5であることが好ましい。更に、カーボンブラックのDBP量、即ち、比表面積の量は、ストラクチャーの観点から、カーボンブラック100g当り、10〜500mlであることが好ましい。
【0021】
本発明に好適なカーボンブラックの具体例としては、例えば、#2400,#2350,#2200,#970,MA7,MA8,MA11,MA1100,MA220,MA230(以上、三菱化学(株)製)、MTC,FTC,FTC#15(以上、旭カーボン(株)製)、デグッサ社製FWシリーズ等が挙げられる。
【0022】
また、本発明においては、上記カーボンブラックの効果を損なわない範囲において、上記カーボンブラックと共に、調色のために他の黒色染顔料、例えばチタンブラック、酸化鉄系黒色顔料、アニリンブラック等を併用することができる。
【0023】
その他の黒色染顔料の具体例としては、野間化学工業(株)製アニリンブラック D.ブラック#300、三菱マテリアル(株)製チタンブラック 13M・13R・10S、チバガイギー社製Black RL1等が挙げられる。
【0024】
次に、上記カーボンブラックを含有する本発明のカラーフィルター用ブラックマトリックスを製造する方法について説明する。本発明のカラーフィルター用ブラックマトリックスを製造するには、通常、光重合性の本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物が使用される。
【0025】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、光を吸収してラジカルを発生する光重合開始剤組成物と、該ラジカルにより重合が誘起される付加重合性のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(以下、「エチレン性化合物」と称す。)と、上記特定の面積酸素濃度を有するカーボンブラックを含有し、好ましくは、相溶性、皮膜形成性、現像性、接着性の改善のために結合剤としての有機高分子物質、更に、カーボンブラックの分散性向上のための分散剤を含有する光重合性組成物である。
【0026】
これらの構成成分のうち、光重合開始剤組成物としては、下記のような紫外から可視領域に感度を有するものを、使用する露光光源に応じて、適宜選択可能である。
【0027】
即ち、400nm未満の波長の紫外光を吸収してラジカルを発生する光重合開始剤組成物としては、例えば、ファインケミカル,1991年,3月1日号Vol 20,No. 4,P.16〜P.26に記載のジアルキルアセトフェノン系,ベンジルジアルキルケタール系,ベンゾイン,ベンゾインアルキルエーテル系,チオキサントン誘導体,アシルホスフィンオキサイド系等、その他、特開昭58−40302号公報,特公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール系,s−トリハロメチルトリアジン系,特開昭59−152396号公報に記載のチタノセン系等を用いることができる。
【0028】
一方、波長400nm以上500nm以下の可視光に感応する光重合開始剤組成物としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤及び染料を含む組成物(特公昭45−37377号公報)、ヘキサアリールビイミダゾールと(p−ジアルキルアミノベンジリデン)ケトンを含む組成物(特開昭47−2528号、特開昭54−155292号各公報)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料を含む組成物(特開昭48−84183号公報)、置換トリアジンとメロシアニン色素を含む組成物(特開昭54−151024号公報)、ケトクマリンと活性剤を含む組成物(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号各公報)、置換トリアジンと増感剤を含む組成物(特開昭58−29803号、特開昭58−40302号各公報)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールを含む組成物(特開昭59−56403号公報)、ジアルキルアミノフェニル基を含有する増感剤とビイミダゾールを含む組成物(特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報)、有機過酸化物と色素を含む組成物(特開昭59−140203号、特開昭59−189340号各公報)、チタノセンを含む組成物(特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−10602号、特開昭63−41484号、特開平2−291号、特開平3−12403号、特開平3−20293号、特開平3−27393号、特開平3−52050号各公報)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基或はウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組合せた組成物(特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報)等が挙げられる。
【0029】
波長400nm以上500nm以下の光に感応する光重合開始剤組成物の好適例としては、波長400〜500nmに吸収を有する増感色素と、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−カルボエトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール等のヘキサアリールビイミダゾール、及び、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール等の有機チオール化合物からなる複合光重合開始剤組成物、或いは、波長400〜500nmに吸収を有する増感色素とジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)−フェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル(以下、「化合物S−1」と称す。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル等のチタノセン化合物、更に、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル(以下、「化合物S−2」と称す。)、ミヒラーズケトン等のジアルキルアミノフェニル化合物からなる複合光重合開始剤組成物が挙げられる。
【0030】
なお、増感色素のうち、ヘキサビイミダゾールを増感する色素としては、例えば特開平2−69号公報,特開昭57−168088号公報,特開平5−107761号公報,特開平5−210240号公報,特願平4−288818号に記載の増感色素を挙げることができる。
【0031】
また、チタノセンを増感する色素としては、例えば特願平5−83588号,特願平5−84817号,特開平5−83587号公報,特願平6−12949号,特願平6−74743号,特願平6−141588号に記載の増感色素を挙げることができる。
【0032】
また、これらの可視光領域に感応する光重合開始剤組成物のうち、可視光と共に紫外部にも吸収を持ち、高い感度を示すものについては、紫外光領域の光源に対する光重合開始剤組成物として利用しても良い。
【0033】
このような可視光及び紫外光領域に共に高い感度を示すものとしては、ヘキサアリールビイミダゾール、或いは、チタノセンを含有する光重合開始剤組成物等を挙げることができる。
【0034】
上記の光重合開始剤組成物のうちでは、ヘキサアリールビイミダゾール、チタノセンを含有する光重合開始剤組成物が高い感度を示すことから好ましく、特に、チタノセンを含有する光重合開始剤組成物であれば、ヘキサアリールビイミダゾールを含有する光重合開始剤組成物に比べて、少量で高い感度を示すと共に、高い乾燥条件でも安定なため、高いカーボンブラック濃度を有するブラックマトリックス用レジスト組成物にはより一層好ましい。
【0035】
本発明に使用されるエチレン性化合物としては、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物と不飽和モノカルボン酸との付加反応、或いは、芳香族ポリヒドロキシ化合物とエポキシモノカルボン酸エステルとの付加反応、で得られるエチレン性不飽和二重結合を2個以上有するエチレン性化合物(以下「エチレン性化合物(A)」と称す。)が好適であるが、該エチレン性化合物(A)と共に、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸との付加反応(エステル反応)で得られる、エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有するエチレン性化合物(以下「エチレン性化合物(B)」と称す。)を併用することが好ましい。
【0036】
該エチレン性化合物(A)は透明基板との接着性、特に、アルカリ現像時の接着性(現像画像接着性)を向上させて、ブラシ、スプレー或いはスポンジ等による物理的刺激に対して、画像の欠落を防ぐ機能を果たすものである。
【0037】
該エチレン性化合物(A)の具体的な例としては、ハイドロキノン,レゾルシン,ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA,ポリビスフェノールA,ブロム化ビスフェノールA,ポリブロム化ビスフェノールA等のビスフェノールA誘導体、ノボラック等の芳香族ポリヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンをアルカリ条件下付加反応させて得られる芳香族ポリグリシジルエーテル化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸を4級アンモニウム塩等を触媒にして付加反応させることにより得られるエチレン性化合物、或いは、ハイドロキノン,レゾルシン,ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA,ポリビスフェノールA,ブロム化ビスフェノールA,ポリブロム化ビスフェノールA等のビスフェノールA誘導体、ノボラック等の芳香族ポリヒドロキシ化合物とグリシジル(メタ)アクリレート、下記[T−1]又は[T−2]等の構造のエポキシ(メタ)アクリレートを、“SYNTHETIC COMMUNICATION, 24(21) ”3099-3019(1994) 等に記載の酸又はアルカリの触媒を用いて付加反応させることにより得られるエチレン性化合物が挙げられ、より具体的には、例えば、次の[M−1],[M−2],[M−3],[M−4]等を挙げることができる。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】
特に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの共縮重合物タイプのエチレン性化合物(A)を使用した場合、他のエチレン性化合物の場合に比べ現像画像接着性に優れているため好ましい。
【0041】
とりわけ好ましいエチレン性化合物(A)としては、25℃の粘度が100cps以上、更に25℃の粘度が1000cps以上のものが挙げられる。この粘度が100cpsより著しく低いと、現像画像接着性が低下する。
【0042】
一方、エチレン性化合物(B)は、現像時の非画線部の溶解性を高め、高画質の画像を形成させる機能を有する。該エチレン性化合物(B)の具体的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート,トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート,グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、これらの例示化合物の(メタ)アクリレートをイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロトネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等がある。これらのうち、特に、4官能〜6官能のジペンタエリスリトールポリアクリレートが画像形成性に優れる点から好ましい。
【0043】
前記エチレン性化合物(A)及びエチレン性化合物(B)の製造に当っては、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物、或いは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和モノカルボン酸とを反応させる際に、不飽和モノカルボン酸と共に飽和のモノカルボン酸を付加させ、該エチレン性化合物の粘性等の物性を制御することもできる。
【0044】
本発明において、エチレン性化合物(A)とエチレン性化合物(B)との好適な使用割合は、重量比で、エチレン性化合物(A):エチレン性化合物(B)=100:0〜10:90、好ましくは90:10〜20:80、更に好ましくは80:20〜30:70である。
【0045】
その他、本発明において併用できるエチレン性化合物の例としては、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物、不飽和二価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエステル、不飽和二価カルボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリアミド、側鎖に不飽和結合をもつ二価カルボン酸、例えばイタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸等とジヒドロキシ又はジアミン化合物との縮重合体、側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活性を有する官能基を有する重合体、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエピクロルヒドリン等とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反応により得られるポリマー等が挙げられる。
【0046】
本発明において、光重合性組成物の結合剤として使用される有機高分子物質としては、メチル(メタ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリル酸、プロピル(メタ)アクリル酸、ブチル(メタ)アクリル酸、2−エチルヘキシル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸の置換基を有していても良いフェニルエステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の酸ビニル;スチレン、α−メチル−スチレン等の共重合体、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテル、可溶性ナイロン、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、アセチルセルロース及びポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル又はメタクリル」を示す。「(メタ)アクリレート」についても同様である。
【0047】
本発明においては、得られる塗膜の皮膜強度、耐塗布溶剤性、基板接着性を高める目的で、上記有機高分子物質のうち、カルボン酸基を有するものの、カルボン酸基の一部又は全部を、グリシジル(メタ)アクリレート、前記[T−1]又は[T−2]の構造のエポキシ(メタ)アクリレートと反応させて、光重合性の有機高分子物質とすることもできる。
【0048】
本発明において、特に好ましい有機高分子物質としては、基板への接着性を高める目的で、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド等のフェニル基を有する共重合モノマーを10〜80モル%、好ましくは20〜70モル%、より好ましくは30〜60モル%の割合で含有し、その他(メタ)アクリル酸を2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%の割合で含有する共重合体、或いは、全共重合モノマーに対して2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは10〜30モル%のエポキシ(メタ)アクリレートが付加された反応物が望ましい。
【0049】
このような有機高分子物質の分子量としては、重量平均分子量(Mw)で1,000〜1000,000、好ましくは2,000〜500,000、より好ましくは3,000〜200,000の範囲である。有機高分子物質のMwがこの範囲より著しく低いと、現像時に画線部分の膜ベリが生じ、逆に有機高分子物質のMwが著しく高いと現像時に非画線部の抜け性不良を生じ易い。
【0050】
また、本発明においては、後述の如く、高い含有量でカーボンブラックを均一に分散させるために、分散剤を配合することが好ましい。分散剤としては、界面活性剤、低分子分散剤、高分子分散剤等が挙げられる。また、前記有機高分子物質が分散剤としても作用するように、リン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基等の官能基を導入することもできる。
【0051】
このうち、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤が好ましく、低分子分散剤としてはゼネカ(株)製Solsperseシリーズ、ビック・ケミー社製Disperbykシリーズ等が好ましい。高分子分散剤としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでも良く、熱硬化性樹脂としてはウレタン系、アクリル系、ポリイミド系、アルキッド系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、メラミン系、フェノール系等が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、アクリル系、塩化ビニル系、塩化ビニル酢酸ビニル共重合系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリカーボネート系等が挙げられる。
【0052】
これらの分散剤は、カーボンブラックに対して200重量%以下、特に、1〜100重量%の割合で用いるのが好ましい。
【0053】
本発明において、前記光重合開始剤組成物の含有量は、カーボンブラックを除くブラックマトリックス用レジスト組成物に対し、0.1〜40重量%、好ましくは0.2〜30重量%、より好ましくは0.2〜20重量%であり、前記エチレン性化合物の含有量は、カーボンブラックを除くブラックマトリックス用レジスト組成物に対し、20〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%であり、前記有機高分子物質の含有量は、カーボンブラックを除くブラックマトリックス用レジスト組成物に対し、0〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜60重量%である。
【0054】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、これを用いて、1.0μm以下、好ましくは0.3〜0.8μm、より好ましくは0.3〜0.6μmの膜厚に形成した塗膜の、透過光濃度が2.5以上、好ましくは2.7以上のブラックマトリックスを形成させるために、該レジスト組成物中に含有される前記カーボンブラックの含有量としては、全固形分に対し、30〜90重量%、好ましくは35〜80重量%、より好ましくは50〜70重量%の範囲とするのが望ましい。
【0055】
本発明に係るブラックマトリックス用レジスト組成物は、このような高いカーボンブラック含有率の状態で、高画質なブラックマトリックス画像を形成させると共に、該ブラックマトリックス上に塗設して形成される色材光重合性層、或いは、ポリアミド,ポリイミド等の保護層等の塗布溶剤に対する耐溶剤性、及び、透明基板に対する高い接着性を与える機能を有する。
【0056】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、前述の各種成分を適当な溶剤で調液した塗布液として提供される。
【0057】
本発明において、溶剤としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と略記する。)、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメチン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラハイドロフラン等が挙げられる。
【0058】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、これらの溶剤を用いて、光重合性組成物(カーボンブラック、光重合開始剤組成物、エチレン性化合物、有機高分子物質及び分散剤の合計)濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲となるように調液される。
【0059】
以下に、本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物を調製する際のカーボンブラックの分散方法について説明する。
【0060】
カーボンブラックの分散処理に当っては、カーボンブラックを、分散剤と共に、前述の塗布溶剤に添加し、0.1mm〜数mmの粒径のガラスビーズ又はジルコニアビーズを用いたビーズミル、ペイントシェーカー、或いは、バルブホモジナイザー等の各種分散方法により、通常、室温(25〜30℃)で10分間〜48時間、好ましくは30分間〜24時間分散処理を行う。
【0061】
従って、本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物の調液に当っては、一般に、まず、塗布溶剤、分散剤及びカーボンブラックを用いて、上述の方法で分散処理を行い、カーボンブラック濃度が10〜70重量%程度の分散液を得、得られた分散液に更に他の成分(光重合開始剤組成物、エチレン性化合物、有機高分子物質等)を混合し、同様に更に混合分散を行って、カーボンブラックの固形分濃度が上記範囲となるような組成物を調製する。
【0062】
次に、本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物を用いるブラックマトリックス及びカラーフィルターの製造方法について説明する。
【0063】
本発明のブラックマトリックスの製造に使用される透明基板としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等のプラスチックシート、或いは、各種ガラス板等を挙げることができる。
【0064】
このような透明基板には、表面の接着性等の物性を改良するために、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリマー等の各種ポリマーの薄膜形成処理等を行うことができる。
【0065】
なお、透明基板の板厚は、0.05〜10mm、特に0.1〜7mmの範囲であることが好ましい。また、各種ポリマーの薄膜形成処理を行う場合には、その膜厚は0.01〜10μm、特に0.05〜5μmの範囲であることが好ましい。
【0066】
上記透明基板上に、ブラックマトリックス用レジスト組成物を、スピナー,ワイヤーバー,フローコーター,ダイコーター,ロールコーター,スプレー等の塗布装置により塗布した後、50〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度で15秒〜10分間、好ましくは30秒〜5分間乾燥させる。なお、ここで、塗布、乾燥して得られる光重合性層の膜厚は、好ましくは0.5〜3μm、より好ましくは1〜2μmである。
【0067】
ここで、乾燥温度は、高温なほど透明基板に対する接着性が向上するが、一方、高過ぎると光重合開始剤組成物が分解し、熱重合を誘発して現像不良を起こし易い。
【0068】
次に、この光重合性層上にブラックマトリックス用のネガフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して、紫外又は可視等の光源を用いて画像露光する。この際、必要に応じて酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層等の酸素遮断層を塗設した後、露光を行っても良い。
【0069】
即ち、カラーフィルターの製造に当り、光重合性層の露光の際に、酸素による光重合性層の感度低下を防止する目的で、色材光重合性層の上に、ポリビニルアルコール層等の酸素遮断層を塗設する場合がある。しかしながら、このような酸素遮断層を塗設することなく、光重合性層を露光、現像して画像形成することが、工程数の大幅な減少の面から好ましい。酸素遮断層を設けない場合、ブラックマトリックス用レジスト組成物中に、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸,ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド,ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド等のヒドロキシフェニル基等の芳香族水酸基を有するモノマーを共重合モノマー成分として5〜50モル%,好ましくは10〜30モル%の割合で有する有機高分子物質を使用したり、特開平4−218048号公報,特開平5−19453号公報等に記載のジアゾ化合物を1〜20重量%,好ましくは2〜10重量%含有させたりする。これにより、酸素による感度低下を低く抑えることができ、酸素遮断層を不要とすることができる。
【0070】
露光後は、アルカリ現像液或いは含水有機溶剤現像液により現像処理を行い透明基板上にブラックマトリックスを形成させる。なお、必要に応じてこの現像処理の前に、光重合層の感度或いはγ値(階調)を高くする目的で露光試料を70〜200℃で15秒〜20分間、好ましくは80〜150℃で30秒〜10分間の熱処理を施すことができる。
【0071】
現像に使用されるアルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機のアルカリ剤、或いはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム塩等の有機のアルカリ剤を含有し、必要に応じ、画質向上、現像時間の短縮等の目的で界面活性剤、水溶性の有機溶剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低分子化合物等を含有させた水溶液を用いることができる。
【0072】
現像液の界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができ、また、水溶性の有機溶剤としては、エタノール、プロピオンアルコール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。
【0073】
また、水酸基又はカルボキシ基を有する低分子化合物としては、1−ナフトール、2−ナフトール、ピロガロール、安息香酸、コハク酸、グルタル酸等を挙げることができる。
【0074】
一方、含水有機溶剤現像液に使用される有機溶剤としては、前記のアルカリ現像液中に用いられた水溶性の有機溶剤の中より適宜選択して使用することができる。
【0075】
上記の現像処理は、通常、20〜40℃、好ましくは25〜35℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行われる。
【0076】
現像後の試料は、必要に応じて、該試料の上に塗布されるカラーフィルターレジスト溶液、或いは、ポリアミド,ポリイミド等の保護層用の塗布溶剤に対する耐久性、又は、ガラス基板等の透明基板との接着性を高める目的で、該試料を100〜250℃,5〜60分間の熱硬化処理を行うか、或いは、適正露光量以上の露光量、好ましくは、適正露光量の1〜10倍の露光量による光硬化処理を施すことができる。
【0077】
このようにしてブラックマトリックスを形成した後は、続いて、該試料の上に赤,緑,青の3色のカラーフィルターレジスト溶液を同様にしてそれぞれ塗布・乾燥した後、該試料を、色材画素用のネガフォトマスクを用いて前記と同様に露光、現像、必要に応じて熱又は光硬化処理を繰り返し行い、ブラックマトリックス間に3色の画素を形成してカラーフィルターを作製する。
【0078】
このようにして作製されたカラーフィルターは、このままの状態で、上にITO(透明電極)が形成され、カラーディスプレーの部品の一部として使用されるが、更にカラーフィルターの表面平滑性、或いは耐久性を高める目的でポリアミド,ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。
【0079】
本発明において画像露光に使用される光源としては、キセノンランプ,ハロゲンランプ,タングステンランプ,高圧水銀灯,メタルハライドランプ,中圧水銀灯,低圧水銀灯等のランプ光源、及びアルゴンイオンレーザー,YAGレーザー,エキシマーレーザー,窒素レーザー等のレーザー光源が挙げられる。これらの光源には、必要とされる照射光の波長領域に応じて、適宜光学フィルターを使用することもできる。
【0080】
以上、ブラックマトリックスが形成された透明基板上に赤,緑,青の画素画像を形成する方法を説明したが、赤,緑,青の画素画像形成後にブラックマトリックスを形成する方法も採用可能である。
【0081】
また、本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物を用いて、透明基板上に、ブラックマトリックスを形成させる際に、透明基板との現像画像接着性及び/又は熱硬化画像の接着性を高める目的で、該透明基板上に色材料を含有しないカラーフィルターレジスト溶液を塗布して光硬化させた光硬化接着層を設けても良い。
【0082】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0083】
なお、実施例及び比較例で用いたカーボンブラックのpH,DBP量、比表面積及び揮発分の測定方法、酸素濃度の算出方法、並びにブラックマトリックスの透過光濃度の測定方法は次の通りである。
【0084】
[カーボンブラックの表面のpHの測定]
カーボンブラック10gに蒸留水100mlを加えて、ホットプレート上で10分間煮沸し、室温まで冷却した後、上澄み液をデカンテーションにより捨て、残りの泥状物のpHをガラス電極pHメーターで測定した。
【0085】
[カーボンブラックのDBP量の測定]
150℃±1℃で1時間乾燥した試料20.00g(A)をアブソープトメーター ( Brabender社製、スプリング張力2.68kg/cm)の混合室に投入し、予めリミットスイッチを所定の位置(リミットスイッチの設定は最大トルクの約70%の位置とする。)に設定した混合室の回転機を回転する。同時に、自動ビューレットからDBP(i−ジブチルフタレート:比重1.045〜1.050)を4ml/分の割合で添加し始める。終点近くになるとトルクが急速に増加してリミットスイッチが切れる。それ迄に添加したDBP量(Bml)よりDBP吸油量(Dml/100g)を次式により求める。
D=B÷A×100
[カーボンブラックの比表面積の測定]
ソープトマチック窒素吸着装置(カルロエルバ社製)を用いて、B.E.T法で1g当りの表面積を測定した(m2 /g)。
【0086】
[カーボンブラックの揮発分の測定]
カーボンブラック0.5gを石英サンプル管に入れ、10-2mmHgに減圧後、950℃で30分間加熱し、揮発成分をテプラーポンプを通じてガス捕集管に採取した。該揮発成分をガスクロマトグラフィーで分析して同定し、カーボンブラック1g当りのCO量(mg/g)及びCO2 量(mg/g)を求め、各々、上記で求めた比表面積で割って100倍し、カーボンブラックの表面積100m2 当りのCO量(mg/100m2 )及びCO2 量(mg/100m2 )を求めた。
【0087】
[面積酸素濃度の算出]
上記CO量及びCO2 量より、下記式で面積酸素濃度を算出した。
面積酸素濃度(mg/100m2)=CO量(mg/100m2)×16/28 +CO2 量(mg/100m2)×32/44
[ブラックマトリックスの透過光濃度の測定]
膜厚0.8μmのブラックマトリックスについてTR−927マクベス濃度計で測定した。
【0088】
実施例1,2、比較例1,2
表1に記載のカーボンブラック(いずれも三菱化学(株)製で平均粒径は24nm)1.6gと、分散剤としての機能を持つ有機高分子物質として下記▲1▼のアクリル系樹脂0.9gと、溶剤としてPGMEA7.5gとを混合し、粒子径0.5mmのジルコニアビーズ10mlを加え、ペイントコンディショナーで5時間振動し、カーボンブラックの分散液を得た。
【0089】
【化3】
【0090】
この分散液を用いて、下記組成のブラックマトリックス用レジスト組成物を調製した。なお、この組成物中のカーボンブラックの固形分濃度は52重量%である。
【0091】
高圧水洗浄、紫外線照射及びオゾン処理を施したガラス基板(コーニング社製No. 7059,厚さ1.1mm)上に上記ブラックマトリックス用レジスト組成物をスピンコート法により塗布し、130℃のホットプレート上で乾燥して膜厚0.9μmのレジスト層を形成した。このレジスト層にマスクを用いて紫外線を250mJ/cm2 密着露光した後、0.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、ブラックマトリックスパターンとした。その後、該パターンを高圧水銀灯を用いて、基板側及びレジスト側からそれぞれ15000mJ/cm2 ずつ紫外線照射し、200℃のオーブン中で10分間熱処理を施し、厚さ0.8μmのブラックマトリックスを作成した。該ブラックマトリックスの透過光濃度を測定し、その結果をカーボンブラックの諸物性と共に表1に記載した。
【0092】
【表1】
【0093】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のカラーフィルター用ブラックマトリックス及びブラックマトリックス用レジスト組成物であれば、カーボンブラックの配合量を多くできるため、膜厚が薄くても遮光性に優れ、耐溶剤性、基板との接着性にも優れたブラックマトリックスを短時間で製造することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a black matrix of an optical color filter used for a color television, a liquid crystal display element, an imaging device and the like, and a black matrix resist composition used for the production thereof.
[0002]
[Prior art]
A color filter is an element used to make a color television, a liquid crystal display element, an imaging device, etc. full color, and is usually in a stripe or lattice form called a black matrix provided on a transparent substrate such as glass or plastic sheet. By applying and drying a photopolymerizable composition containing a color material that is a color resist on a pattern of a light-shielding material by a spin coat method, and then exposing and developing using a mask or the like, The process of forming the color material pixel image is repeated for each of the three colors of red, green, and blue.
[0003]
The light shielding property of the black matrix is required to have a transmitted light density of 2.5 or more, and unevenness occurs when a red, green, and blue pattern is formed on the black matrix. Since the transparent electrode such as ITO provided thereon may be broken, it is desired that the film thickness be as thin as possible.
[0004]
Conventionally, as a method of manufacturing a black matrix, a method of obtaining a predetermined black matrix pattern by providing a chromium film on a substrate and etching the film is used, but this method is expensive and can be obtained. There is a drawback that the surface reflectance of the film is high. For this reason, a method for producing a black matrix by a resist method using a black pigment such as carbon black has been proposed.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the black matrix by the conventional resist method does not have sufficient light shielding properties, and the film thickness has to be 1.5 μm or more in order to make the transmitted light density 2.5 or more.
[0006]
In order to solve such a problem, when the amount of the black pigment in the photopolymerizable composition is simply increased, uniform dispersion is difficult, and there is a problem in the film strength and adhesiveness of the resulting black matrix. For this reason, production of a practical black matrix by a resist method has not been realized.
[0007]
Recently, a lift-off method (Japanese Patent Laid-Open No. 7-34031) has been proposed in which a graphite paint is applied to a substrate on which a resist pattern is formed, and then the resist pattern portion is removed, but this method requires more steps. , Disadvantageous in manufacturing.
[0008]
The present invention solves the above-mentioned conventional problems, and is intended to produce a black matrix for a color filter having low production costs, excellent light shielding properties, solvent resistance, and excellent adhesion to a substrate, and such a black matrix. An object of the present invention is to provide a resist composition.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The black matrix for a color filter of the present invention is a black matrix containing carbon black as a black pigment, and the carbon black contains CO and CO in volatile matter at 950 ° C. 2 The total amount of oxygen calculated from the surface area of carbon black is 100 m. 2 Hit 9 It is characterized by being at least mg.
[0010]
That is, as a result of intensive studies to solve the conventional problems, the present inventors have found that a black matrix having excellent dispersibility and light shielding properties can be produced by using carbon black having a large amount of oxygen. Reached.
[0011]
Area oxygen concentration 9 mg / 100m 2 By using carbon black having a large oxygen amount as described above, a black matrix excellent in dispersibility, light shielding property, solvent resistance, substrate adhesion, etc. can be produced with a high concentration of carbon black.
[0012]
The resist composition for black matrix of the present invention is a resist composition containing a photopolymerization initiator composition, an ethylenic compound, and carbon black. The carbon black contains CO and CO in volatile matter at 950 ° C. 2 The total oxygen amount calculated from the surface area of the carbon black is 100 m. 2 Hit 9 It is characterized by being at least mg.
[0013]
In particular, the black matrix resist composition of the present invention preferably has a carbon black surface pH of 6 or less.
[0014]
In the black matrix resist composition of the present invention, the carbon black content is particularly preferably 40% by weight or more in terms of solid content.
[0015]
The resist composition for black matrix of the present invention is particularly effective as a composition for producing a black matrix having a dry film thickness of 0.8 μm or less and a transmitted light density of 2.7 or more.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
[0017]
First, the carbon black used in the present invention will be described.
[0018]
The carbon black used in the present invention contains CO and CO in volatile matter at 950 ° C. 2 The total oxygen amount calculated from the surface area of the carbon black is 100 m. 2 Hit 9 More than mg. Here, the surface area of carbon black is the so-called BET surface area obtained from the amount of nitrogen adsorption. Hereinafter, in this specification, the surface area of carbon black is 100 m. 2 The total oxygen amount per unit is called “area oxygen concentration” and the unit “mg / 100 m 2 ".
[0019]
The area oxygen concentration of carbon black is 9 mg / 100m 2 If the ratio is less than 1, the dispersibility of carbon black is deteriorated, and therefore, when the blending amount of carbon black is increased, a problem occurs in applicability and the like, and it becomes difficult to produce a uniform black matrix. In the present invention, especially the area oxygen concentration of carbon black is 9 ~ 100mg / 100m 2 It is preferable that
[0020]
The average particle size of carbon black is preferably 20 to 300 nm. Carbon black preferably has a surface pH of 6 or less, particularly 1 to 5 from the viewpoint of dispersibility. Furthermore, the DBP amount of carbon black, that is, the amount of specific surface area, is preferably 10 to 500 ml per 100 g of carbon black from the viewpoint of structure.
[0021]
Specific examples of carbon black suitable for the present invention include, for example, # 2400, # 2350, # 2200, # 970, MA7, MA8, MA11, MA1100, MA220, MA230 (above, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation), MTC. , FTC, FTC # 15 (manufactured by Asahi Carbon Co., Ltd.), Degussa FW series, and the like.
[0022]
In the present invention, other black dyes such as titanium black, iron oxide black pigment, aniline black and the like are used in combination with the carbon black for color matching within a range not impairing the effect of the carbon black. be able to.
[0023]
Specific examples of other black dyes and pigments include aniline black manufactured by Noma Chemical Co., Ltd. Examples include Black # 300, Titanium Black 13M · 13R · 10S manufactured by Mitsubishi Materials Corporation, and Black RL1 manufactured by Ciba Geigy.
[0024]
Next, a method for producing the black matrix for a color filter of the present invention containing the carbon black will be described. In order to produce the black matrix for color filter of the present invention, a photopolymerizable resist composition for black matrix of the present invention is usually used.
[0025]
The resist composition for black matrix of the present invention comprises a photopolymerization initiator composition that absorbs light to generate radicals, and a compound having an addition polymerizable ethylenically unsaturated double bond that is induced by the radicals. (Hereinafter referred to as “ethylenic compound”) and carbon black having the above specific area oxygen concentration, and preferably a binder for improving compatibility, film-forming property, developability, and adhesiveness. As a photopolymerizable composition containing a dispersant for improving the dispersibility of carbon black.
[0026]
Among these components, as the photopolymerization initiator composition, those having sensitivity from the ultraviolet to the visible region as described below can be appropriately selected according to the exposure light source to be used.
[0027]
That is, as a photopolymerization initiator composition that absorbs ultraviolet light having a wavelength of less than 400 nm and generates radicals, for example, Fine Chemical, March 1, 1991, Vol 20, No. 4, P.I. 16-P. Dialkyl acetophenone series, benzyl dialkyl ketal series, benzoin, benzoin alkyl ether series, thioxanthone derivatives, acylphosphine oxide series, etc. described in JP-A-58-40302 and JP-B-45-37377. Hexaarylbiimidazole series, s-trihalomethyltriazine series, titanocene series described in JP 59-152396 A, and the like can be used.
[0028]
On the other hand, examples of the photopolymerization initiator composition sensitive to visible light having a wavelength of 400 nm to 500 nm include, for example, a composition containing hexaarylbiimidazole, a radical generator and a dye (Japanese Patent Publication No. 45-37377), hexaary Composition containing rubiimidazole and (p-dialkylaminobenzylidene) ketone (Japanese Patent Laid-Open Nos. 47-2528 and 54-155292), a composition containing a cyclic cis-α-dicarbonyl compound and a dye ( JP-A-48-84183), a composition containing a substituted triazine and a merocyanine dye (JP-A-54-151024), a composition containing a ketocoumarin and an activator (JP-A-52-112681, JP 58-15503, JP-A-60-88005), a composition containing a substituted triazine and a sensitizer (JP-A-5) -29803, JP-A-58-40302, compositions containing biimidazole, styrene derivatives and thiols (JP-A-59-56403), sensitizers containing dialkylaminophenyl groups and biimidazoles (JP-A-2-69, JP-A-57-168088, JP-A-5-107761, JP-A-5-210240, JP-A-4-288818), organic peroxides and dyes Compositions containing JP-A-59-140203 and JP-A-59-189340, compositions containing titanocene (JP-A-59-152396, JP-A-61-151197, JP-A-63). -10602, JP 63-41484, JP 2-291, JP 3-12403, JP 3-20293, JP 3-27393, JP No. 3-52050), a composition comprising a titanocene, a xanthene dye, and an addition-polymerizable ethylenic saturated double bond-containing compound having an amino group or a urethane group (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 4-221958, Japanese Patent Laid-Open No. Hei 4- 219756 gazettes) and the like.
[0029]
As a suitable example of the photopolymerization initiator composition sensitive to light having a wavelength of 400 nm or more and 500 nm or less, a sensitizing dye having absorption at a wavelength of 400 to 500 nm, and 2,2′-bis (o-chlorophenyl) -4,4 ', 5,5'-tetraphenylbiimidazole, 2,2'-bis (o-chlorophenyl) -4,4', 5,5'-tetra (p-carboethoxyphenyl) biimidazole, 2,2'- Bis (o-chlorophenyl) -4,4 ′, 5,5′-tetra (p-bromophenyl) biimidazole, 2,2′-bis (o-chlorophenyl) -4,4 ′, 5,5′-tetra Hexaarylbiimidazoles such as (o, p-dichlorophenyl) biimidazole and organics such as 2-mercaptobenzthiazole, 2-mercaptobenzoxazole and 2-mercaptobenzimidazole Composite photopolymerization initiator composition comprising all compound, or sensitizing dye having absorption at wavelength of 400 to 500 nm and dicyclopentadienyl-Ti-bis-2,6-difluoro-3- (pyrrol-1-yl) ) -Phenyl-1-yl, dicyclopentadienyl-Ti-bis-2,3,5,6-tetrafluorophenyl-1-yl (hereinafter referred to as “compound S-1”), di-cyclo Titanocene compounds such as pentadienyl-Ti-bis-2,3,4,5,6-pentafluorophenyl-1-yl, and further ethyl p-diethylaminobenzoate (hereinafter referred to as “compound S-2”). ), Composite photopolymerization initiator compositions composed of dialkylaminophenyl compounds such as Michler's ketone.
[0030]
Of the sensitizing dyes, examples of dyes that sensitize hexabiimidazole include, for example, JP-A-2-69, JP-A-57-168088, JP-A-5-107761, and JP-A-5-210240. And sensitizing dyes described in Japanese Patent Application No. 4-288818.
[0031]
Examples of dyes that sensitize titanocene include, for example, Japanese Patent Application No. 5-83588, Japanese Patent Application No. 5-84817, Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-83587, Japanese Patent Application No. 6-12949, and Japanese Patent Application No. 6-74743. And sensitizing dyes described in Japanese Patent Application No. 6-141588.
[0032]
Among these photopolymerization initiator compositions that are sensitive to the visible light region, those having absorption in the ultraviolet region together with visible light and exhibiting high sensitivity are used for photopolymerization initiator compositions for light sources in the ultraviolet light region. It may be used as
[0033]
Examples of such a compound having high sensitivity in the visible light region and the ultraviolet light region include a hexaarylbiimidazole or a photopolymerization initiator composition containing titanocene.
[0034]
Among the above photopolymerization initiator compositions, a photopolymerization initiator composition containing hexaarylbiimidazole and titanocene is preferable because it exhibits high sensitivity, and in particular, a photopolymerization initiator composition containing titanocene. For example, compared to a photopolymerization initiator composition containing hexaarylbiimidazole, it exhibits high sensitivity in a small amount and is stable even under high drying conditions. Even more preferred.
[0035]
The ethylenic compound used in the present invention is obtained by an addition reaction between an aromatic polyglycidyl ether compound and an unsaturated monocarboxylic acid, or an addition reaction between an aromatic polyhydroxy compound and an epoxy monocarboxylic acid ester. An ethylenic compound having two or more ethylenically unsaturated double bonds (hereinafter referred to as “ethylenic compound (A)”) is preferred, and together with the ethylenic compound (A), an aliphatic polyhydroxy compound and Use in combination with an ethylenic compound containing two or more ethylenically unsaturated double bonds (hereinafter referred to as “ethylenic compound (B)”) obtained by addition reaction (ester reaction) with an unsaturated carboxylic acid. Is preferred.
[0036]
The ethylenic compound (A) improves adhesion to a transparent substrate, in particular, adhesion during alkali development (development image adhesion), so that an image can be protected against physical stimulation by a brush, spray or sponge. It fulfills the function of preventing omissions.
[0037]
Specific examples of the ethylenic compound (A) include polyhydroxybenzenes such as hydroquinone, resorcin, and pyrogallol, bisphenol A derivatives such as bisphenol A, polybisphenol A, brominated bisphenol A, and polybrominated bisphenol A, novolac, and the like. Addition reaction of aromatic polyglycidyl ether compound obtained by addition reaction of aromatic polyhydroxy compound and epichlorohydrin under alkaline conditions and unsaturated monocarboxylic acid such as (meth) acrylic acid using quaternary ammonium salt as catalyst Ethylenic compounds obtained by the treatment, or polyhydroxybenzene such as hydroquinone, resorcin, pyrogallol, bisphenol A, polybisphenol A, brominated bisphenol A, polybrominated bisphenol A bisphenol A derivative such as novolak, an aromatic polyhydroxy compound such as novolak, glycidyl (meth) acrylate, and an epoxy (meth) acrylate having a structure such as the following [T-1] or [T-2] are synthesized with “SYNTHETIC COMMUNICATION, 24 ( 21) The ethylenic compound obtained by carrying out addition reaction using the acid or alkali catalyst as described in "3099-3019 (1994) etc., More specifically, for example, the following [M-1] , [M-2], [M-3], [M-4] and the like.
[0038]
[Chemical 1]
[0039]
[Chemical formula 2]
[0040]
In particular, the use of a copolycondensation-type ethylenic compound (A) of bisphenol A and epichlorohydrin is preferable because the developed image adhesiveness is superior to that of other ethylenic compounds.
[0041]
Particularly preferred ethylenic compounds (A) include those having a viscosity at 25 ° C. of 100 cps or more, and further a viscosity at 25 ° C. of 1000 cps or more. When this viscosity is remarkably lower than 100 cps, the developed image adhesiveness is lowered.
[0042]
On the other hand, the ethylenic compound (B) has a function of increasing the solubility of the non-image area during development and forming a high-quality image. Specific examples of the ethylenic compound (B) include ethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylolethane tri (meth) acrylate, Pentaerythritol di (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate , (Meth) acrylic acid esters such as glycerol (meth) acrylate, itaconic acid esters obtained by replacing (meth) acrylates of these exemplary compounds with itaconate, Sulphonate is maleic acid ester, and was replaced with crotonic acid ester or maleate was replaced. Of these, tetrafunctional to hexafunctional dipentaerythritol polyacrylates are particularly preferable from the viewpoint of excellent image forming properties.
[0043]
In the production of the ethylenic compound (A) and the ethylenic compound (B), the aromatic polyglycidyl ether compound or the aliphatic polyhydroxy compound and the unsaturated monocarboxylic acid are reacted with each other. A saturated monocarboxylic acid can be added together with the monocarboxylic acid to control the physical properties such as viscosity of the ethylenic compound.
[0044]
In this invention, the suitable use ratio of an ethylenic compound (A) and an ethylenic compound (B) is a weight ratio, and an ethylenic compound (A): ethylenic compound (B) = 100: 0-10: 90. , Preferably 90:10 to 20:80, more preferably 80:20 to 30:70.
[0045]
Examples of other ethylenic compounds that can be used in the present invention include acrylamides such as ethylenebisacrylamide, allyl esters such as diallyl phthalate, vinyl group-containing compounds such as divinyl phthalate, unsaturated divalent carboxylic acids and dihydroxy compounds. Polyester obtained by polycondensation reaction with amide, polyamide obtained by polycondensation reaction of unsaturated dicarboxylic acid and diamine, divalent carboxylic acid having an unsaturated bond in the side chain, such as itaconic acid, propylidene succinic acid, Condensation polymers of ethylidene malonic acid and the like with dihydroxy or diamine compounds, polymers having functional groups such as hydroxy groups and methyl halide groups in the side chain, such as polyvinyl alcohol, poly (2-hydroxyethyl methacrylate) ), Polyepichlorohydrin, etc. Acrylic acid, methacrylic acid, polymers obtained by a polymer reaction of an unsaturated carboxylic acid such as crotonic acid.
[0046]
In the present invention, the organic polymer substance used as a binder for the photopolymerizable composition includes methyl (meth) acrylic acid, ethyl (meth) acrylic acid, propyl (meth) acrylic acid, butyl (meth) acrylic acid. Alkyl esters of (meth) acrylic acid such as 2-ethylhexyl (meth) acrylic acid, hydroxyethyl (meth) acrylic acid, hydroxypropyl (meth) acrylic acid, benzyl (meth) acrylic acid; hydroxyphenyl (meth) acrylic acid Phenyl ester optionally having a substituent of (meth) acrylic acid such as methoxyphenyl (meth) acrylic acid; acrylonitrile; vinyl acetate, vinyl versatate, vinyl propionate, vinyl cinnamate, vinyl pivalate, etc. Vinyl acid; copolymer such as styrene, α-methyl-styrene, epi Rorohidorin polyether of bisphenol A, soluble nylon, polyvinyl alkyl ethers, polyamides, polyurethanes, polyethylene terephthalate isophthalate, cellulose acetate and polyvinyl formal, and polyvinyl butyral. In the present specification, “(meth) acryl” means “acryl or methacryl”. The same applies to “(meth) acrylate”.
[0047]
In the present invention, for the purpose of enhancing the film strength, coating solvent resistance, and substrate adhesion of the obtained coating film, among the above organic polymer substances, although having a carboxylic acid group, a part or all of the carboxylic acid group is removed. , Glycidyl (meth) acrylate, and epoxy (meth) acrylate having the structure of [T-1] or [T-2] to be reacted to form a photopolymerizable organic polymer substance.
[0048]
In the present invention, particularly preferred organic polymer substances include styrene, α-methylstyrene, benzyl (meth) acrylate, hydroxyphenyl (meth) acrylic acid, and methoxyphenyl (meth) acrylic for the purpose of enhancing the adhesion to the substrate. 10-80 mol%, preferably 20-70 mol%, more preferably 30-60 mol% of a copolymerizable monomer having a phenyl group such as acid, hydroxyphenyl (meth) acrylamide, hydroxyphenyl (meth) acrylsulfamide, etc. A copolymer containing 2-50% by weight of other (meth) acrylic acid, preferably 5-40% by weight, more preferably 5-30% by weight, or all copolymerized monomers. 2 to 50 mol%, preferably 5 to 40 mol%, more preferably 10 to 30 mol% of the epoxy Shi (meth) reactant acrylate is added is preferable.
[0049]
The molecular weight of such an organic polymer substance is 1,000 to 1,000,000, preferably 2,000 to 500,000, more preferably 3,000 to 200,000 in terms of weight average molecular weight (Mw). is there. If the Mw of the organic polymer material is significantly lower than this range, film verification of the image line portion occurs during development, and conversely, if the Mw of the organic polymer material is extremely high, a non-image area defect easily occurs during development. .
[0050]
In the present invention, as described later, it is preferable to add a dispersant in order to uniformly disperse carbon black with a high content. Examples of the dispersant include a surfactant, a low molecular dispersant, and a polymer dispersant. In addition, a functional group such as a phosphoric acid group, a carboxylic acid group, or a sulfonic acid group can be introduced so that the organic polymer substance also acts as a dispersant.
[0051]
Among these, as the surfactant, an anionic surfactant is preferable, and as the low molecular dispersant, the Solsperse series manufactured by Zeneca Co., Ltd., the Disperbyk series manufactured by Big Chemie, and the like are preferable. The polymer dispersant may be either a thermosetting resin or a thermoplastic resin, and the thermosetting resin may be urethane, acrylic, polyimide, alkyd, epoxy, unsaturated polyester, melamine, phenol. Examples of the thermoplastic resin include acrylic, vinyl chloride, vinyl chloride vinyl acetate copolymer, urethane, polyamide, polycarbonate, and the like.
[0052]
These dispersants are preferably used in a proportion of 200% by weight or less, particularly 1 to 100% by weight, based on carbon black.
[0053]
In the present invention, the content of the photopolymerization initiator composition is 0.1 to 40% by weight, preferably 0.2 to 30% by weight, more preferably relative to the black matrix resist composition excluding carbon black. The content of the ethylenic compound is 20 to 99% by weight, preferably 50 to 95% by weight, more preferably 60%, based on the resist composition for black matrix excluding carbon black. The content of the organic polymer material is 0 to 80% by weight, preferably 10 to 70% by weight, more preferably 20 to 60% with respect to the black matrix resist composition excluding carbon black. % By weight.
[0054]
The resist composition for a black matrix of the present invention is used to form a coating film formed to a thickness of 1.0 μm or less, preferably 0.3 to 0.8 μm, more preferably 0.3 to 0.6 μm. In order to form a black matrix having a transmitted light density of 2.5 or more, preferably 2.7 or more, the content of the carbon black contained in the resist composition is 30 with respect to the total solid content. It is desirable that the amount be in the range of -90% by weight, preferably 35-80% by weight, more preferably 50-70% by weight.
[0055]
The resist composition for a black matrix according to the present invention forms a high-quality black matrix image with such a high carbon black content, and is formed by coating on the black matrix. It has a function of giving a solvent resistance to a coating solvent such as a polymerizable layer or a protective layer such as polyamide or polyimide, and a high adhesion to a transparent substrate.
[0056]
The resist composition for black matrix of the present invention is provided as a coating solution prepared by preparing the aforementioned various components with an appropriate solvent.
[0057]
In the present invention, as the solvent, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, butyl cellosolve, ethyl cellosolve acetate, diethylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monomethyl ether acetate (hereinafter abbreviated as “PGMEA”), methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, cyclohexanone, toluene, Examples include chloroform, dichloromethine, ethyl acetate, methyl lactate, ethyl lactate, methanol, ethanol, propanol, butanol, tetrahydrofuran and the like.
[0058]
The resist composition for black matrix of the present invention uses these solvents and has a photopolymerizable composition (total of carbon black, photopolymerization initiator composition, ethylenic compound, organic polymer substance and dispersant) concentration. The liquid is prepared so as to be in the range of 5 to 50% by weight, preferably 10 to 30% by weight.
[0059]
Below, the dispersion | distribution method of carbon black at the time of preparing the resist composition for black matrices of this invention is demonstrated.
[0060]
In the dispersion treatment of carbon black, carbon black is added to the above-mentioned coating solvent together with a dispersant, and a bead mill, paint shaker using glass beads or zirconia beads having a particle diameter of 0.1 mm to several mm, or The dispersion treatment is usually performed at room temperature (25 to 30 ° C.) for 10 minutes to 48 hours, preferably 30 minutes to 24 hours by various dispersion methods such as a valve homogenizer.
[0061]
Therefore, in the preparation of the black matrix resist composition of the present invention, generally, first, using a coating solvent, a dispersant and carbon black, the dispersion treatment is performed by the above-described method, and the carbon black concentration is 10 to 10. A dispersion of about 70% by weight was obtained, and other components (photopolymerization initiator composition, ethylenic compound, organic polymer substance, etc.) were further mixed with the obtained dispersion, and further mixed and dispersed in the same manner. A composition is prepared such that the solid content concentration of carbon black is in the above range.
[0062]
Next, a method for producing a black matrix and a color filter using the black matrix resist composition of the present invention will be described.
[0063]
Examples of the transparent substrate used for producing the black matrix of the present invention include plastic sheets such as polyesters such as polyethylene terephthalate, polypropylene, polyolefins such as polyethylene, and various glass plates.
[0064]
For such transparent substrates, in order to improve physical properties such as surface adhesion, corona discharge treatment, ozone treatment, thin film formation treatment of various polymers such as silane coupling agents and urethane polymers, etc. are performed as necessary. It can be carried out.
[0065]
In addition, it is preferable that the plate | board thickness of a transparent substrate is the range of 0.05-10 mm, especially 0.1-7 mm. Moreover, when performing the thin film formation process of various polymers, it is preferable that the film thickness exists in the range of 0.01-10 micrometers, especially 0.05-5 micrometers.
[0066]
On the transparent substrate, the black matrix resist composition is applied by a coating device such as a spinner, a wire bar, a flow coater, a die coater, a roll coater, a spray, etc., and then 50 to 200 ° C., preferably 100 to 150 ° C. Dry at a temperature for 15 seconds to 10 minutes, preferably 30 seconds to 5 minutes. Here, the film thickness of the photopolymerizable layer obtained by coating and drying is preferably 0.5 to 3 μm, more preferably 1 to 2 μm.
[0067]
Here, the higher the drying temperature, the better the adhesion to the transparent substrate. On the other hand, when the drying temperature is too high, the photopolymerization initiator composition is decomposed, and heat polymerization is easily induced to cause poor development.
[0068]
Next, a negative photomask for a black matrix is placed on the photopolymerizable layer, and image exposure is performed through the photomask using a light source such as ultraviolet light or visible light. At this time, in order to prevent a decrease in sensitivity of the photopolymerizable layer due to oxygen, exposure may be performed after coating an oxygen blocking layer such as a polyvinyl alcohol layer on the photopolymerizable layer as necessary.
[0069]
That is, in the production of a color filter, in the exposure of the photopolymerizable layer, oxygen such as a polyvinyl alcohol layer is formed on the colorant photopolymerizable layer for the purpose of preventing the sensitivity of the photopolymerizable layer from being reduced by oxygen. A barrier layer may be applied. However, it is preferable to form an image by exposing and developing the photopolymerizable layer without coating such an oxygen-blocking layer from the viewpoint of greatly reducing the number of steps. When an oxygen barrier layer is not provided, an aromatic hydroxyl group such as a hydroxyphenyl group such as hydroxyphenyl (meth) acrylic acid, hydroxyphenyl (meth) acrylamide, hydroxyphenyl (meth) acrylsulfamide, etc. in the black matrix resist composition An organic polymer substance having 5 to 50 mol%, preferably 10 to 30 mol%, as a copolymerizable monomer component is used, or JP-A-4-218048 and JP-A-5-19453 are used. 1 to 20% by weight, preferably 2 to 10% by weight. Thereby, the sensitivity fall by oxygen can be suppressed low and an oxygen interruption | blocking layer can be made unnecessary.
[0070]
After the exposure, a black matrix is formed on the transparent substrate by developing with an alkali developer or a water-containing organic solvent developer. If necessary, the exposure sample is subjected to 70 to 200 ° C. for 15 seconds to 20 minutes, preferably 80 to 150 ° C. for the purpose of increasing the sensitivity or γ value (gradation) of the photopolymerization layer before the development treatment as necessary. Can be heat-treated for 30 seconds to 10 minutes.
[0071]
Examples of the alkali developer used for development include inorganic alkali agents such as sodium carbonate, potassium carbonate, sodium silicate, potassium silicate, sodium hydroxide, potassium hydroxide, or diethanolamine, triethanolamine, tetraalkyl hydroxide. Contains an organic alkali agent such as an ammonium salt, and optionally contains surfactants, water-soluble organic solvents, low molecular compounds having a hydroxyl group or a carboxylic acid group for the purpose of improving image quality and shortening development time. An aqueous solution prepared can be used.
[0072]
Developer surfactants include sodium naphthalenesulfonate group, anionic surfactant having sodium benzenesulfonate group, nonionic surfactant having polyalkyleneoxy group, and cationic surfactant having tetraalkylammonium group Examples of water-soluble organic solvents include ethanol, propion alcohol, butanol, methyl cellosolve, butyl cellosolve, phenyl cellosolve, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, Examples include propylene glycol, tripropylene glycol, tetrapropylene glycol, and propylene glycol monomethyl ether.
[0073]
Examples of the low molecular weight compound having a hydroxyl group or a carboxy group include 1-naphthol, 2-naphthol, pyrogallol, benzoic acid, succinic acid, glutaric acid and the like.
[0074]
On the other hand, the organic solvent used in the water-containing organic solvent developer can be appropriately selected from the water-soluble organic solvents used in the alkali developer.
[0075]
The development treatment is usually performed at a development temperature of 20 to 40 ° C., preferably 25 to 35 ° C., by a method such as immersion development, spray development, brush development, ultrasonic development, or the like.
[0076]
If necessary, the developed sample may be a color filter resist solution applied on the sample, durability against a coating solvent for a protective layer such as polyamide or polyimide, or a transparent substrate such as a glass substrate. In order to improve the adhesion of the sample, the sample is subjected to a heat curing treatment at 100 to 250 ° C. for 5 to 60 minutes, or an exposure amount equal to or greater than the appropriate exposure amount, preferably 1 to 10 times the appropriate exposure amount. A photo-curing treatment can be performed depending on the exposure amount.
[0077]
After forming the black matrix in this way, the color filter resist solution of three colors of red, green, and blue is applied and dried in the same manner on the sample. Using a negative photomask for pixels, exposure, development, and heat or photocuring treatment are repeated as described above to form a color filter by forming pixels of three colors between black matrices.
[0078]
The color filter produced in this way is used as part of the color display part with ITO (transparent electrode) formed on it as it is, but the surface smoothness or durability of the color filter is also used. A top coat layer such as polyamide or polyimide may be provided for the purpose of enhancing the properties.
[0079]
As a light source used for image exposure in the present invention, a xenon lamp, a halogen lamp, a tungsten lamp, a high-pressure mercury lamp, a metal halide lamp, a medium-pressure mercury lamp, a low-pressure mercury lamp, and other lamp light sources, and an argon ion laser, YAG laser, excimer laser, A laser light source such as a nitrogen laser may be mentioned. For these light sources, an optical filter can be appropriately used depending on the required wavelength region of irradiation light.
[0080]
The method for forming the red, green, and blue pixel images on the transparent substrate on which the black matrix is formed has been described above. However, the method for forming the black matrix after forming the red, green, and blue pixel images can also be employed. .
[0081]
In addition, when forming a black matrix on a transparent substrate using the black matrix resist composition of the present invention, for the purpose of improving the developed image adhesion to the transparent substrate and / or the adhesiveness of the thermosetting image, You may provide the photocuring contact bonding layer which apply | coated and hardened the color filter resist solution which does not contain a color material on this transparent substrate.
[0082]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated more concretely, this invention is not limited to these Examples, unless the summary is exceeded.
[0083]
The pH, DBP amount, specific surface area and volatile content measurement method, oxygen concentration calculation method, and black matrix transmitted light concentration measurement method used in Examples and Comparative Examples are as follows.
[0084]
[Measurement of pH of carbon black surface]
100 ml of distilled water was added to 10 g of carbon black, boiled on a hot plate for 10 minutes, cooled to room temperature, the supernatant was discarded by decantation, and the pH of the remaining mud was measured with a glass electrode pH meter.
[0085]
[Measurement of DBP amount of carbon black]
20.00 g (A) of the sample dried for 1 hour at 150 ° C. ± 1 ° C. is put into a mixing chamber of an absorber meter (manufactured by Brabender, spring tension 2.68 kg / cm), and a limit switch is previously set in a predetermined position ( Set the limit switch at a position that is about 70% of the maximum torque.) Rotate the mixing chamber rotator set. At the same time, DBP (i-dibutyl phthalate: specific gravity 1.045 to 1.050) is started to be added from the automatic burette at a rate of 4 ml / min. As the end point is approached, the torque increases rapidly and the limit switch is turned off. The DBP oil absorption (Dml / 100 g) is obtained from the DBP amount (Bml) added so far by the following equation.
D = B ÷ A × 100
[Measurement of specific surface area of carbon black]
Using a soapomatic nitrogen adsorption device (Carlo Elba), E. The surface area per gram was measured by the T method (m 2 / G).
[0086]
[Measurement of volatile content of carbon black]
Put 0.5g of carbon black into a quartz sample tube. -2 After reducing the pressure to mmHg, the mixture was heated at 950 ° C. for 30 minutes, and volatile components were collected in a gas collection tube through a tepler pump. The volatile components are identified by gas chromatography analysis, and the CO amount (mg / g) and CO 2 per gram of carbon black are determined. 2 The amount (mg / g) was determined, and divided by the specific surface area determined above and multiplied by 100 to obtain a carbon black surface area of 100 m. 2 CO amount per mg (mg / 100m 2 ) And CO 2 Amount (mg / 100m 2 )
[0087]
[Calculation of area oxygen concentration]
CO amount and CO 2 From the amount, the area oxygen concentration was calculated by the following formula.
Area oxygen concentration (mg / 100m 2 ) = CO amount (mg / 100m 2 ) × 16/28 + CO 2 Amount (mg / 100m 2 ) × 32/44
[Measurement of transmitted light density of black matrix]
A black matrix having a thickness of 0.8 μm was measured with a TR-927 Macbeth densitometer.
[0088]
Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2
1.6 g of carbon black listed in Table 1 (both manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation and having an average particle size of 24 nm), and an acrylic resin of the following (1) as an organic polymer substance having a function as a dispersant: 9 g and 7.5 g of PGMEA as a solvent were mixed, 10 ml of zirconia beads having a particle diameter of 0.5 mm were added, and the mixture was vibrated for 5 hours with a paint conditioner to obtain a carbon black dispersion.
[0089]
[Chemical 3]
[0090]
Using this dispersion, a black matrix resist composition having the following composition was prepared. The solid concentration of carbon black in this composition is 52% by weight.
[0091]
The resist composition for black matrix is applied by spin coating on a glass substrate (No. 7059, Corning, No. 7059 manufactured by Corning) that has been subjected to high-pressure water washing, ultraviolet irradiation and ozone treatment, and a hot plate at 130 ° C. The resist layer having a thickness of 0.9 μm was formed by drying. Using this resist layer with a mask, ultraviolet rays are 250 mJ / cm 2 After the contact exposure, development was performed with a 0.5 wt% aqueous sodium carbonate solution to form a black matrix pattern. After that, the pattern was respectively 15000 mJ / cm from the substrate side and the resist side using a high-pressure mercury lamp. 2 Each was irradiated with ultraviolet rays and subjected to heat treatment in an oven at 200 ° C. for 10 minutes to prepare a black matrix having a thickness of 0.8 μm. The transmitted light density of the black matrix was measured, and the results are shown in Table 1 together with various physical properties of carbon black.
[0092]
[Table 1]
[0093]
【The invention's effect】
As detailed above, if the black matrix for color filter and the resist composition for black matrix of the present invention, the amount of carbon black can be increased, so even if the film thickness is thin, it has excellent light shielding properties, solvent resistance, A black matrix excellent in adhesiveness with the substrate can be produced in a short time.
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