JP3673631B2 - 透光性物質の不均一性検査方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトマスク用透明基板、液晶ディスプレイ用透明基板などの透光性物質の光学的な不均一性(欠陥)を、高感度、高速度に検出できるようにした透光性物質の不均一性検査方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路、フォトマスクなどの製造工程において、微細パターンの形成には、フォトリソグラフィー法が用いられている。例えば、半導体集積回路を製造する際には、高精度に研磨されて鏡面仕上げされた透明基板上に遮光性膜(例えばクロム膜)によりパターンが形成されたフォトマスクを用いてパターンを転写している。このパターンの原盤とも言えるフォトマスクについての検査方法は、特開昭58―162038号公報に記載の面状態検査装置にみられるように、パターン面の微小な領域に光を集め、パターン面からの反射出力、透過出力を比較する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年においてはパターンの高密度化に伴い、上記方法のようにパターン面の検査のみならず、高精度に研磨されて鏡面仕上げされた透明基板そのものの微小な欠陥も欠陥検出の対象となっている。また、上述した方法では、パターン面の微小な領域に光を集めることから、検査領域が広い範囲にわたっている場合には何らかの手段を用いて光を走査する必要があり、検査領域の面積に比例して検査時間がかかることと、欠陥の有無によってパターン自体及び透明基板に対する反射光・透過光の光量の変化があまり大きくなく、透明基板の微細な欠陥検出への適用は困難であった。
【0004】
そこで、このような問題点を解決するために、本発明者は、透光性物質の光学的な不均一性を高感度、高速度に検出できる透光性物質の不均一性検査方法及びその装置を先に提案した(特願平9―192763)。
【0005】
この発明は、鏡面仕上げされた表面を有する透光性物質の不均一部分の有無を検査するものであって、前記透光性物質の光路が光学的に均一の場合には前記表面で全反射が起こるように透光性物質内に光を導入し、透光性物質内に導入され伝播する光の光路中に不均一部分が存在するときに、前記表面から光が漏出することから透光性物質の不均一性を検出することを特徴とする。
【0006】
即ち、透光性物質内に導入した光が表面で全反射を繰り返し透光性物質内部に閉じ込められるようにし、透光性物質に表面の傷等の不均一部分があると全反射条件が満足されず、透光性物質表面から光が漏れ出すことから不均一性を検出している。このように、物理的な臨界現象である幾何光学的な全反射を利用しているため、不均一性が劇的なコントラストで現れ、微小な傷等を高感度で検出できる。
【0007】
しかし、例えば、フォトマスク用透明基板であるガラスサブストレートでは、一般に石英基板を用いるが、上記の検査方法及び検査装置を用いて、石英基板の不均一性を検査する場合、石英材料固有の微視的な密度のゆらぎに起因して散乱(レーリー散乱)が起こり、石英基板全体がぼんやりと光ってしまうことが確認された。微小な欠陥を検査するためには導入する光の波長を短くするのがよいが、レーリー散乱の強度は波長の4乗に反比例するため、波長を短くするにつれて、欠陥から漏出する光の強度とレーリー散乱による光の強度とのコントラストが低下してしまい、微細な欠陥の検出が困難となるという問題があった。また、欠陥から漏出する光のコントラストを低下させる不要な光として、基板を照らす光が基板の観測側に入射してくる迷光等もある。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、レーリー散乱光等の影響を低減し、透光性物質に存在する微細な不均一性(欠陥)を高感度・高速度に検出できる透光性物質の不均一性検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る透光性基板の不均一性検査方法は、少なくとも一対の主表面及び一対の端面を有する透光性基板の不均一性を検査する透光性基板の不均一性検査方法であって、
前記透光性基板は、この透光性基板にレーザー光を導入したときにその光路が光学的に均一の場合に、そのレーザ光を前記一対の主表面及び一対の端面の間で全反射を繰り返してほぼ透光性基板内に閉じ込められたような状態にできるものであり、
前記透光性基板に、この透光性基板の光路が光学的に均一の場合に、前記一対の主表面及び一対の端面の間で全反射を繰り返して透光性基板内にほぼ閉じ込められたような状態になるように偏光をもったレーザー光を導入し、
前記透光性基板の不均一性によって透光性基板の主表面又は端面で全反射することなく外部に漏出する漏出光を、外部に配置した光検出手段で検出するようにし、
前記透光性基板から前記光検出器に向かう光であって前記漏出光と前記透光性基板で生ずるレーリー散乱光とを含む光を入射させて、前記漏出光と前記レーリー散乱光とがその偏光特性に差があることを利用することによって前記レーリー散乱光の偏光特性の光は除去するとともに前記漏出光の偏光特性の光は通過させて前記光検出器に入射させる偏光素子を用いることを特徴とする。
【0010】
透光性物質に表面の傷等の不均一部分がなければ、透光性物質内に導入した光は表面で全反射して外部へは漏出しないが、不均一部分があると全反射条件が満足されず、透光性物質表面から光が漏れ出す。このように、物理的な臨界現象である幾何光学的な全反射を利用しているため、被検査物である透光性物質の不均一部分と均一部分における検査光に対する応答も臨界的であり、不均一性が劇的なコントラストで現れる。また、透光性物質表面の不均一性のみならず、内部の異物,不純物等による欠陥、あるいはガラスの脈理等に特徴的な、透過率は同じで屈折率だけが違う欠陥の検出に関しても、異物等のあるところや屈折率の違うところでは本来均一ならば通る光路(経路)を外れ、透光性物質外部へ漏れ出すことになるため検出可能になる。
【0011】
上記の原理に基づいて透光性物質の不均一性を検査するのであるが、本発明では、透光性物質内に偏光を持った光を導入すると共に、不均一部分による表面から漏出する光以外の光を排除して検査するようにしているので、微細な不均一性の検出がより容易となる。不均一部分による表面から漏出する光以外の光には、レーリー散乱光や、透光性性物質を照らす周囲からの不要な光(迷光)等がある。これらの不均一性を検査する上では、余計な光を除去することにより、不均一部分からの検出光が明瞭に観測されることとなり、微細な不均一性の検出をより高精度に行うことができる。
【0012】
上述の余計な光の内で、レーリー散乱光が不均一部分を検査する上で大きく影響しており、レーリー散乱光を除去する方法を説明すると、透光性物質内に導入された偏光(直線偏光等)を持った光は、透光性物質の微視的な密度のゆらぎに起因するレーリー散乱を受け、このレーリー散乱によって特有の偏光特性・偏光状態の光となる。このため、透光性物質の傷等の不均一によって漏出する光(不均一性の検出光)とレーリー散乱光とは、異なる偏光特性の光となる。この偏光特性の差を利用して、レーリー散乱光を多く含む偏光状態の光を除去することにより、不均一性の検出光のコントラストを高めている。
【0013】
レーリー散乱光を多く含む偏光状態の光の除去には、偏光フィルター、偏光板、偏光プリズムなどの偏光素子を用いることにより、簡易に実現できる。
また、透光性物質内に導入する光は、直線偏光の光とすることにより、偏光フィルターなどによって、より効果的にレーリー散乱光を多く含む偏光状態の光を除去できる。
【0014】
また、本発明に係る透光性基板の不均一性検査装置は、少なくとも一対の主表面及び一対の端面を有する透光性基板の不均一性を検査する透光性基板の不均一性検査装置であって、
前記透光性基板は、この透光性基板にレーザー光を導入したときにその光路が光学的に均一の場合に、そのレーザ光を前記一対の主表面及び一対の端面の間で全反射を繰り返してほぼ透光性基板内に閉じ込められたような状態にできるものであり、
前記透光性基板に、この透光性基板の光路が光学的に均一の場合に、前記一対の主表面及び一対の端面の間で全反射を繰り返して透光性基板内にほぼ閉じ込められたような状態になるように偏光をもったレーザー光を導入する照射手段と、
前記透光性基板の不均一性によって透光性基板の主表面又は端面で全反射することなく外部に漏出する漏出光を検出する光検出手段と、
前記透光性基板から前記光検出器に向かう光であって前記漏出光と前記透光性基板で生ずるレーリー散乱光とを含む光を入射させて、前記漏出光と前記レーリー散乱光とがその偏光特性に差があることを利用することによって前記レーリー散乱光の偏光特性の光は除去するとともに前記漏出光の偏光特性の光は通過させて前記光検出器に入射させる偏光素子とを有することを特徴とする。
【0015】
上記検査装置において、透光性物質に対する偏光の入射角度を変化させる角度調整手段を設けるのが望ましい。入射角度が違う光は、透光性物質内を全反射しながら伝播する経路が少しずつ異なるので、透光性物質の隅々まで漏れなく光が行き渡るようになる。また、透光性物質の表面への偏光の入射位置を移動させる移動手段を設けるのが望ましい。移動手段で光の入射位置を移動させると、透光性物質の全域に迅速に且つ漏れなく光を走査できる。また、透光性物質の表面から全反射することなく漏出する光を検出する検出手段を設けるのが望ましい。検出手段を設けると、透光性物質の不均一性の検査を自動化でき、検査時間を短縮できると共に、検査の信頼性を向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明に係る透光性物質の不均一性検査装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【0017】
図1において、1は検査対象である光学ガラス等からなる四角形平板の透明基板である。透明基板1は、図2に示すように、主表面(表面及び裏面)Hと端面(T面及び面取り部のC面)とで区画され、いずれの面も鏡面研磨した後、洗浄処理されている。透明基板1は、その表面での全反射が阻害されず且つ漏出光の検査を容易とするために、フォルダー(図示せず)によってできるだけ接触部分を少なくして水平に保持されている。
【0018】
この透明基板1に対して、不均一性を検査するための光を透明基板1内に導入するための照射手段が設けられている。照射手段は、直線偏光のレーザー光Lを出射するレーザー2と、レーザー光Lを透明基板1の一辺a(C面)に対し所定角度で照射するためのミラー3、4とを有する。レーザー2として、偏光比が直線(500:1)、ビーム径が0.7mm、ビームの広がり角が1mrad、レーザーパワーが0.5mW、波長が543.5nmのHe−Neレーザーを使用した。ミラー3、4は、透明基板1に対する入射角度を変動調整するための角度調整手段5を備えており、透明基板1内に導入されるレーザー光Lが全反射を起こす範囲内で入射角度を変動させて入射できるようになっている。また、上記フォルダーに保持された透明基板1をその一辺aの方向に水平に移動するための駆動手段(図示せず)が設けられており、この駆動手段によって透明基板1を移動することにより、透明基板1の一辺aに沿ってレーザー光Lが走査される構成となっている。
【0019】
また、透明基板1の下方には、透明基板1から漏出するレーザー光を検出するための検出手段が設けられている。検出手段は、レーリー散乱光をカットするための偏光フィルター6と、CCD8と、偏光フィルター6を透過した光をCCD8に結像する結像レンズ7とを有する。なお、透明基板1から漏出した光を検出する光センサーとしては、CCDに限らず、フォトマルチプライヤー等を用いてもよい。CCD8には、検出した光の情報(光量、強度分布など)を解析して、レーリー散乱光の強度、透明基板1の不均一性の種類(表面部の傷やクラック、内部の脈理や気泡)や大きさ、不均一部分の位置を求める画像処理装置9が接続されている。
【0020】
次に、上記検査装置による透明基板1の不均一性検査方法を述べる。まず、透明基板1の一辺a(C面)から直線偏光のレーザー光Lを入射する。レーザー光Lの入射角は、図2に示すように、透明基板1内に入射してから最初に当たる主表面Hへの入射角θiが臨界角よりも大きくなるようする。透明基板1内に入射したレーザー光Lは、透明基板1の主表面H及び端面(T面)で全反射を繰り返しながら伝播し、基板1を一辺aと直交する一辺bに沿って切断したような一平面状(薄板状)の領域内に、レーザー光Lがほぼ閉じ込められたような状態となる。この際、レーザー光Lの入射角度を角度調整手段5を用いて基板1の表面で全反射を満足する範囲内で連続的に変化させているので、入射角度の変化に応じて基板1内を通過する光線軌跡も少しずつずれ、レーザー光Lは基板1内の上記一平面状の照射領域の全域を漏れなく覆い尽くすように伝播する。
【0021】
透明基板1に傷・クラックなどの表面部の不均一や、脈理・気泡などの内部の不均一が存在すると、その不均一部分で光の光路(軌道)が均一なときの光路から外れるので、基板1の表面で全反射条件が満足されずに外部に光が漏れ出し、この漏れ出た光が結像レンズ7でCCD8に結像されて検出される。こうして、基板1を主表面H側(検出手段側)からみて、1ライン状の照射領域の検査ができる。この1ライン状の検査工程を、駆動手段によって透明基板1を一辺aの方向に順次移動させて、レーザー光Lを透明基板1の一辺aに沿って走査することにより、透明基板1の全域の不均一性の検査ができる。
【0022】
基板1内に導入された直線偏光のレーザー光Lは、基板1を構成するガラスの微視的な密度のゆらぎに起因するレーリー散乱を受け、レーリー散乱によって特有の偏光特性・偏光状態の光になる。このレーリー散乱光は、基板1内のレーザー光Lの照射領域全体から一様に発生し、1ライン状の照射領域全体がぼんやりと光る。一方、基板1の傷等の不均一による漏出光(不均一性の検出光)は、基板1表面の不均一部分からそのまま透過・屈折などして漏出し、あるいは内部の不均一部分で屈折・散乱などして基板1表面から漏出する。したがって、基板1の主表面Hを観察すると、不均一部分がある場合、点状などに輝く不均一部分及びその周辺からの漏出光に対し、その背景に不均一性の検査の妨げとなるレーリー散乱光が一様に存在することとなる。
【0023】
そこで、本実施形態では、不要なレーリー散乱光を偏光フィルター6によって排除して、不均一性の検出光のコントラストを高めている。即ち、レーリー散乱光を多く含む偏光状態の光の透過光量が最小となるように、偏光フィルター6の回転位置を調整し、レーリー散乱光を偏光フィルター6でカットし、主に不均一性の検出光が偏光フィルター6を透過するようにしている。このため、照射領域全体から一様に散乱されていたレーリー散乱光が低減され、不均一部分からの検出光が明瞭に観測されることとなり、微細な不均一性の検出をより高精度に行うことができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、レーザー2から出射された直線偏光のレーザー光Lをミラー3、4で反射してから透明基板1内に導入していたが、ミラーでの反射によってレーザー光の直線偏光の偏光比が低下するので、レーザー2からそのまま直接、透明基板1にレーザー光を導入するようにしてもよい。また、偏光子を用いて、透明基板1に導入される直線偏光のレーザー光の偏光比を大きくしたり、透明基板1に直線偏光の光でなく、円偏光や楕円偏光の光などを導入するようにしてもよい。
【0025】
上述した実施形態の検査方法を用いることによって、欠陥を持った透明基板を迅速・適切に排除することができ、透明基板の生産性を向上することができる。なお、表面上の傷などの欠陥を持ったガラス製の透明基板を再度精密に鏡面研磨、洗浄処理を行うことによって、各種用途の仕様の範囲に入る基板とすることができる。
【0026】
また、上記実施形態では、いずれの面も鏡面仕上げされた表面を有する透明基板を挙げたが、これに限らず、一部(端面など)また全面が鏡面仕上げされていない表面を有する透明基板であっても構わない。その場合、鏡面仕上げされていない表面上にマッチングオイル等の液体を塗布することによって、その表面が液体表面(自由表面)であたかも鏡面仕上げされた状態となるので、本発明の検査方法、検査装置によって、不均一部分を検査することができる。
上述の透明基板の全面が鏡面仕上げされていない場合とは、例えば透明基板内部の不均一性(脈理、気泡、異物等)のみを検査する場合などを言う。この場合、内部に不均一部分が存在すると致命的な欠陥となる、例えば位相シフトマスク用ガラス基板では、鏡面仕上げする前の段階で検査することで、不良品を除外することができるので、製造コストも安く済む。
【0027】
また、上記実施形態では、鏡面仕上げされた表面を有する透光性物質として、ガラス製の透明基板を挙げたが、ガラスに限らず、アクリル樹脂等の光学プラスチック、水晶等の光学結晶など、検査光が透過できる材質ならばどのようなものでもよい。
【0028】
更に、透光性物質の形状は、四角形(矩形状)や円形等の基板に限らず、ブロック形状や曲面を有するものでもよい。また、基板としては、フォトマスク(位相シフトマスク)用ガラス基板、液晶用ガラス基板、情報記録用ガラス基板(磁気ディスク、光ディスク等)など各種基板の検査に適用可能である。情報記録用ガラス基板は円盤状なので、実際に検査を行う場合には、研磨された外周あるいは内周端面(例えば面取り部)からレーザー光を入射させて行う。なお、基板両面の検査が必要な場合には、基板の両面側にそれぞれ検出手段を設け、基板両面の検査を一度に行うようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、レーザーとして、気体レーザー(He‐Neレーザー)を用いたが、これに限らず半導体レーザー等の可視域のレーザー、あるいは、透光性物質に対して吸収が少ないものであれば、紫外域のエキシマレーザーや、赤外域のNd‐YAGレーザー、CO2 レーザー等を検査用光源として使用することができる。特に、紫外域のレーザー(例えばエキシマレーザーやYAGレーザーの高調波等)を用いた場合、基板表面に付着している異物等を蒸発,蒸散等の作用により取り除くことが期待できるので好ましい。
【0030】
また、上記実施形態では、基板に対する入射角度を変化させる角度調整手段5をレーザー2と透明基板1との間にあるミラー3、4に設けた例を挙げたが、透明基板に対するレーザー光の入射角度を変化させることができれば、どのような構成でもよく、レーザー自体に角度調整手段を設けたりしてもよい。また、レーザー光の導光を、上記実施形態のようにミラーではなく、偏波面保存光ファイバーを用いて導光するようにしてもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、透明基板1の一辺aからレーザー光Lを導入した例を挙げたが、これに限らず、透明基板1の一辺bから光を導入させたり、辺aと辺bとから2方向より光を導入させて検査を行ってもよい。2方向から光を導入して検査すると、方向性を有する欠陥の検出などに有効であり、より高精度の検査ができるので好ましい。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、透光性物質の傷等の不均一によって漏出する光(不均一性の検出光)とレーリー散乱光等との偏光特性の差を利用して、レーリー散乱光等の不要な光を低減しているため、不均一性の検出光のコントラストを向上でき、不均一部分からの検出光が明瞭に観測されることとなり、微細な不均一性の検出をより高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透光性物質の不均一性検査装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の透明基板内の光の伝播の様子を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 レーザー
3、4 ミラー
5 角度調整手段
6 偏光フィルター
7 結像レンズ
8 CCD
9 画像処理装置
L レーザー光
Claims (4)
- 少なくとも一対の主表面及び一対の端面を有する透光性基板の不均一性を検査する透光性基板の不均一性検査方法であって、
前記透光性基板は、この透光性基板にレーザー光を導入したときにその光路が光学的に均一の場合に、そのレーザー光を前記一対の主表面及び一対の端面の間で全反射を繰り返してほぼ透光性基板内に閉じ込められたような状態にできるものであり、
前記透光性基板に、この透光性基板の光路が光学的に均一の場合に、前記一対の主表面及び一対の端面の間で全反射を繰り返して透光性基板内にほぼ閉じ込められたような状態になるように偏光をもったレーザー光を導入し、
前記透光性基板の不均一性によって透光性基板の主表面又は端面で全反射することなく外部に漏出する漏出光を、外部に配置した光検出手段で検出するようにし、
前記透光性基板から前記光検出器に向かう光であって前記漏出光と前記透光性基板で生ずるレーリー散乱光とを含む光を入射させて、前記漏出光と前記レーリー散乱光とがその偏光特性に差があることを利用することによって前記レーリー散乱光の偏光特性の光は除去するとともに前記漏出光の偏光特性の光は通過させて前記光検出器に入射させる偏光素子を用いて前記光検出器で前記漏出光を検出することを特徴とする透光性基板の不均一性検査方法。 - 前記レーザー光は直線偏光のレーザー光とすることを特徴とする請求項1記載の透光性基板の不均一性検査方法。
- 少なくとも一対の主表面及び一対の端面を有する透光性基板の不均一性を検査する透光性基板の不均一性検査装置であって、
前記透光性基板は、この透光性基板にレーザー光を導入したときにその光路が光学的に均一の場合に、そのレーザー光を前記一対の主表面及び一対の端面の間で全反射を繰り返してほぼ透光性基板内に閉じ込められたような状態にできるものであり、
前記透光性基板に、この透光性基板の光路が光学的に均一の場合に、前記一対の主表面及び一対の端面の間で全反射を繰り返して透光性基板内にほぼ閉じ込められたような状態になるように偏光をもったレーザー光を導入する照射手段と、
前記透光性基板の不均一性によって透光性基板の主表面又は端面で全反射することなく外部に漏出する漏出光を検出する光検出手段と、
前記透光性基板から前記光検出器に向かう光であって前記漏出光と前記透光性基板で生ずるレーリー散乱光とを含む光を入射させて、前記漏出光と前記レーリー散乱光とがその偏光特性に差があることを利用することによって前記レーリー散乱光の偏光特性の光は除去するとともに前記漏出光の偏光特性の光は通過させて前記光検出器に入射させる偏光素子とを有することを特徴とする透光性基板の不均一性検査装置。 - 前記レーザー光は、直線偏光のレーザー光であることを特徴とする請求項3記載の透光性基板の不均一性検査装置。
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