JP3673156B2 - プロペラファンおよびプロペラファンの成形用金型ならびに流体送り装置 - Google Patents
プロペラファンおよびプロペラファンの成形用金型ならびに流体送り装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は駆動モータと共に送風機を構成するプロペラファンと、該プロペラファンの成形用の金型と、上記送風機を備えた空気調和機の室外機、空気清浄機、加湿機、除湿機、ファンヒータ、冷却装置、換気装置といった流体送り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、送風機や冷却機にプロペラファンが使用されている。例えば、エアコンの室外機には冷却用のプロペラファンが付設してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の冷却用のプロペラファンは従来にあっては、回転時の騒音が大きく、効率が悪いという問題があった。そこで、騒音を低下させるには風量を少なくすればよいが、これだと、冷却効果が充分に発揮できないという問題がある。
【0004】
また、重量が大きく、このため製作コストがかかるだけでなく、送風機起動時に駆動モータに大きな負荷がかかるという問題もあった。そこで、プロペラファンを軽量化するには、単純には羽根の厚みを薄くすれば良い。しかし、単純に羽根の厚みを薄くした場合、翼面から流れが剥離しやすくなり騒音が増加するだけでなく、羽根の剛性も低下し、送風機動作時に遠心力のため羽根が変形してファンの軸方向高さが減少し、風量が劣化するという問題が生じる。
【0005】
また、羽根部根元付近の強度が小さく、このため送風機が突風にさらされた場合ファンが高速回転し、その遠心力によりファンが破損するという問題もあった。そこで、プロペラファンの強度を増加させるには、単純には羽根部根元の厚みを部分的に厚くすれば良い。しかし、単純に羽根部根元の厚みを部分的に厚くした場合、製作時の冷却時間が大幅に増加し、コストが上がるという問題が生じる。
【0006】
本発明は上記従来例の問題点に鑑みてなされたものであり、高風量、高効率、低騒音、軽量低コスト、強度アップを実現できるプロペラファン、その成形用の金型および高風量、高効率、低騒音、軽量低コスト、強度アップを実現できる流体送り装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプロペラファンは、プロペラファンの回転軸をz軸とする円柱座標系における座標を(r、θ、z)としたときに、下記の表2に表されるr座標値、θ座標値およびz座標値により規定される局面形状をプロペラファンの羽根表面のベース形状とし、
【0008】
【表2】
【0009】
上記ベース形状をr、θおよびz方向の少なくとも1方向に拡大または縮小して得られる曲面により、プロペラファンの羽根の表面を構成する。
【0010】
表2において、rはプロペラファンの回転軸をz軸とする円柱座標系の半径方向における無次元r座標を示し、θはプロペラファンの回転軸をz軸とする円柱座標系の周方向における無次元θ座標を示し、zはプロペラファンの回転軸をz軸とする円柱座標系の軸方向(高さ方向)における無次元z座標を示している。
【0011】
また、各列の上段(zu)はプロペラファンの負圧面側(吸込み側)の座標値、下段(zd)は正圧面側(吹出し側)の座標値である。表2はrが0.3〜0.95の範囲で且つθが0.042〜1の範囲におけるzの無次元座標値を示している。なお、表1は表2と同内容である。
【0014】
本発明の1つの局面に係るプロペラファン成形用の金型においては、プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、上記ベース形状をr、θおよびz方向の少なくとも1方向に拡大または縮小して得られる曲面により構成される。
【0015】
本発明のプロペラファンの直径をD、軸方向であるz方向の高さをh、羽根の展開角をλとしたとき、羽根における吸込み側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1u)および羽根における吹出し側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1d)は、表2に示す3次元座標値を用いて下記の変換式(7)により得られる。そして、プロペラファンの羽根の表面は、座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面により構成される。
【0017】
【数7】
【0018】
本発明の他の局面に係るプロペラファン成形用の金型においては、プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、上記の変換式(7)により得られた座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0019】
プロペラファンの直径をD、軸方向であるz方向の高さをh、羽根枚数をnとしたとき、羽根における吸込み側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1u)および羽根における吹出し側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1d)は、表2に示す3次元座標値を用いて下記の変換式(8)により得られる。そして、プロペラファンの羽根の表面は、座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0020】
【数8】
【0021】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用の金型においては、プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、上記の変換式(8)により得られた座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0022】
プロペラファンの直径をD、軸方向であるz方向の高さをhとしたとき、羽根における吸込み側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1u)および羽根における吹出し側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1d)は、上記表2に示す3次元座標値を用いて下記の変換式(9)により得られる。そして、プロペラファンの羽根の表面は、座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0023】
【数9】
【0024】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用の金型においては、プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、上記変換式(9)により得られた座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0025】
プロペラファンの直径をD、プロペラファンの径とボス部の径との比であるボス比をν、軸方向であるz方向の高さをh、羽根の展開角をλとしたとき、羽根における吸込み側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1u)および羽根における吹出し側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1d)は、表2に示す3次元座標値を用いて下記の変換式(10)により得られる。そして、プロペラファンの羽根の表面は、座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0026】
【数10】
【0027】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用の金型においては、プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、上記変換式(10)により得られた座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0028】
プロペラファンの直径をD、プロペラファンの径とボス部の径との比であるボス比をν、軸方向であるz方向の高さをh、羽根枚数をnとしたとき、羽根における吸込み側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1u)および羽根における吹出し側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1d)は、表2に示す3次元座標値を用いて下記の変換式(11)により得られる。そして、プロペラファンの羽根の表面は、座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0029】
【数11】
【0030】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用の金型においては、プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、上記変換式(11)により得られた座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0031】
プロペラファンの直径をD、プロペラファンの径とボス部の径との比であるボス比をν、プロペラファンの軸方向であるz方向の高さをhとしたとき、羽根における吸込み側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1u)および羽根における吹出し側の表面を規定するr、θ、z座標(r1,θ1,z1d)は、表2に示す3次元座標値を用いて下記の変換式(12)により得られる。そして、プロペラファンの羽根の表面は、座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0032】
【数12】
【0033】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用の金型においては、プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、上記変換式(12)により得られた座標(r1,θ1,z1u)および座標(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成される。
【0034】
本発明の流体送り装置は、上述のいずれかのプロペラファンと、該プロペラファンを駆動する駆動モータとを有する送風機を備える。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプロペラファン、プロペラファン成形用の金型および流体送り装置の実施の形態について、図1から図10を用いて説明する。
【0036】
図1に、本発明のプロペラファン1の前面図を示す。本発明のプロペラファン1は例えばガラス繊維入りAS樹脂等の合成樹脂により一体成形されたものである。プロペラファン1の直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=140mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120度(deg)、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)であり、ボス部2の周囲に3枚の羽根3を放射状に一体に設けている。
【0037】
そして、本発明においては、特定の座標値により規定されるベース形状を基にしてプロペラファン1の羽根3の表面形状を得ることを重要な特徴としている。すなわち、ベース形状における各座標値をr,θ,z方向にそれぞれ所定の変換式により変換して得られる座標値によって規定される曲面形状を、プロペラファン1の羽根3の表面の形状とする。
【0038】
本発明のベース形状は、典型的には前述の表2に示す座標値により規定されるものである。しかし、表2に示す座標値に所定の係数を乗ずる等してこの座標値を一律に変換して得られる座標値により規定される形状も、本発明のベース形状と等価なものであると解釈されるべきである。
【0039】
プロペラファン1の回転軸をz軸とする円柱座標系で表記するとき、羽根3の負圧面側表面の座標(r1,θ1,z1u)および羽根3の正圧面側表面の座標(r1,θ1,z1d)を、表2に示す無次元表記された3次元座標値を下記の変換式13で変換して得られる座標値により規定される曲面、すなわち、表3に示す座標値により特定される曲面で構成する。
【0041】
【数13】
【0042】
【表3】
【0043】
図1には円柱座標系r、θを一点鎖線により示してある。なお、z軸は図1には図示していないが、z軸は図1においてプロペラファン1のボス部2の回転中心Oを通り且つ紙面に対して垂直な線(つまりプロペラファン1の回転軸芯と重なる線)である。
【0044】
図1には、プロペラファン1の羽根3に対してr方向に60mm〜190mmの範囲を10mm間隔で分割した線を引き、θ方向に0deg〜125degの範囲を5deg間隔で分割した線を引き、各交点におけるzの座標値を表3に示している。但し、各列の上段はプロペラファンの負圧面側(吸込み側)の値を示し、下段は正圧面側(吹出し側)の値を示している。
【0045】
なお、羽根3の肉厚は羽根3の付け根部分でやや厚くなっていてもよい。また、羽根3の縁は軽量化のためきわめて薄くなっているため、成形時の樹脂流動に不具合が生じる場合、表3に比べて部分的に厚みを増加させても良い。また、羽根3の表面の形状は平滑な形状であってもよく、溝や突起、ディンプル状などの凹凸が設けてあってもよい。また、羽根3の後縁は鋸歯のような形状になっていてもよい。なお、各変換式において、d:任意、および、fu=fd:任意とあるのは、dおよびfu=fdをいくらに選んでも、プロペラファンの形状は全く同一のものができる為である。
【0046】
また、本発明のプロペラファン1は、ABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)樹脂やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂により一体成形されていてもよく、マイカ等を含み、強度を増加させた合成樹脂により一体成形されていてもよく、或いは一体成形されていなくてもよい。
【0047】
図7に、図1に示すプロペラファン1を形成するためのプロペラファン成形用の金型4の一例を示す。金型4は、図7に示されるように、プロペラファン1を合成樹脂により成形するための金型であって、固定側金型5と、可動側金型6とを有する。
【0048】
そして、両金型5,6により規定されるキャビティ形状を、プロペラファン1の形状と略同一とする。上述の固定側金型5における羽根3の表面を形成する部分の金型表面の座標(r1,θ1,z1u)、および可動側金型6における羽根3の表面を形成する部分の金型表面の座標(r1,θ1,z1d)は、表2に示す無次元表記された3次元座標値を下記の変換式14で変換して得られる。
【0049】
【数14】
【0050】
すなわち、固定側金型5および可動側金型6は、それぞれ表3に示す座標値により特定される曲面部分を有する。なお、この場合にも、各曲面は、各座標値の±5%の範囲内にある座標値により特定されてもよい。
【0051】
ここで、金型の上記曲面形状の寸法は、成形収縮を考慮した上で決定してもよい。この場合には、成形収縮後に上記表3に示す3次元座標値の±5%の範囲内の座標値で特定される3次元曲面の羽根3を有するプロペラファン1が形成されるように、上記座標データに、成形収縮、反り、変形を考慮した補正を行って成形金型4を形成してもよく、本発明の成形金型にはこれらが含まれるものである。
【0052】
また、本実施の形態におけるプロペラファン成型用の金型4は、図7に示すようにプロペラファン1の負圧面側表面を固定側金型5にて形成し、プロペラファン1の正圧面側表面を可動側金型6にて形成するものであるが、プロペラファン1の正圧面側表面を固定側金型5にて形成し、プロペラファン1の負圧面側表面を可動側金型6にて形成しても良い。
[実施例]
以下本発明の実施例と比較例について具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示す、直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=140mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、羽根の表面が上記表3で示す3次元曲面となるように形成した。なお、図2と図3に、本実施例1におけるプロペラファン1の斜視図を示す。
(実施例2)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=154mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1の羽根表面を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式15により変換して成る曲面、すなわち、表4により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0053】
【数15】
【0054】
【表4】
【0055】
(実施例3)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=147mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式16により変換して成る曲面、すなわち、表5により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0056】
【数16】
【0057】
【表5】
【0058】
(実施例4)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=133mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式17により変換して成る曲面、すなわち、表6により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0059】
【数17】
【0060】
【表6】
【0061】
(実施例5)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=126mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式18により変換して成る曲面、すなわち、表7により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0062】
【数18】
【0063】
【表7】
【0064】
(実施例6)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=112mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式19により変換して成る曲面、すなわち、表8により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0065】
【数19】
【0066】
【表8】
【0067】
(実施例7)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=126mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=108deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式20により変換して成る曲面、すなわち、表9により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0068】
【数20】
【0069】
【表9】
【0070】
(実施例8)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=140mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=90deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式21により変換して成る曲面、すなわち、表10により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0071】
【数21】
【0072】
【表10】
【0073】
(実施例9)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=140mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=132deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式22により変換して成る曲面、すなわち、表11により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0074】
【数22】
【0075】
【表11】
【0076】
(実施例10)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=140mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.35(ボス径νD=140mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式23により変換して成る曲面、すなわち、表12により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0077】
【数23】
【0078】
【表12】
【0079】
(実施例11)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=112mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式24により変換して成る曲面、すなわち、表13により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0080】
【数24】
【0081】
【表13】
【0082】
(実施例12)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=112mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式25により変換して成る曲面、すなわち、表14により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0083】
【数25】
【0084】
【表14】
【0085】
(実施例13)
直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=112mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.275(ボス径νD=110mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式26により変換して成る曲面、すなわち、表15により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0086】
【数26】
【0087】
【表15】
【0088】
(実施例14)
直径D=316mm、軸方向(z方向)の高さh=100mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.272(ボス径νD=86mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式27により変換して成る曲面、すなわち、表16により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0089】
【数27】
【0090】
【表16】
【0091】
(実施例15)
直径D=316mm、軸方向(z方向)の高さh=100mm、羽根枚数n=4枚、羽根の展開角λ=90deg、ボス比ν=0.272(ボス径νD=86mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式28により変換して成る曲面、すなわち、表17により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0092】
【数28】
【0093】
【表17】
【0094】
(実施例16)
直径D=316mm、軸方向(z方向)の高さh=100mm、羽根枚数n=5枚、羽根の展開角λ=72deg、ボス比ν=0.272(ボス径νD=86mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式29により変換して成る曲面、すなわち、表18により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0095】
【数29】
【0096】
【表18】
【0097】
(実施例17)
直径D=316mm、軸方向(z方向)の高さh=100mm、羽根枚数n=5枚、羽根の展開角λ=108.5deg、ボス比ν=0.272(ボス径νD=86mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式30により変換して成る曲面、すなわち、表19により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0098】
【数30】
【0099】
【表19】
【0100】
(実施例18)
直径D=460mm、軸方向(z方向)の高さh=161mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.326(ボス径νD=150mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式31により変換して成る曲面、すなわち、表20により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0101】
【数31】
【0102】
【表20】
【0103】
(実施例19)
直径D=460mm、軸方向(z方向)の高さh=168mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.326(ボス径νD=150mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式32により変換して成る曲面、すなわち、表21により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0104】
【数32】
【0105】
【表21】
【0106】
(実施例20)
直径D=460mm、軸方向(z方向)の高さh=140mm、羽根枚数n=3枚、羽根の展開角λ=120deg、ボス比ν=0.326(ボス径νD=150mm)のプロペラファン1を、表2により特定される無次元表記された3次元座標の曲面を下記の変換式33により変換して成る曲面、すなわち、表22により特定される3次元曲面となるように形成した。
【0107】
【数33】
【0108】
【表22】
【0109】
以下、本発明の比較例について図4〜図6を用いて説明する。図4は、比較例1のプロペラファンの正面図であり、図5および図6は、比較例1のプロペラファンの斜視図である。
(比較例1)
図4に示す、直径D=400mm、軸方向(z方向)の高さh=140mm、羽根枚数n=3枚、ボス比ν=0.35(ボス径νD=140mm)のプロペラファン1を、羽根3の表面が下記表23により特定される3次元曲面となるように形成した。図中2はボス部である。尚、r、θ、zは実施例1と同様にして設定している。
【0110】
【表23】
【0111】
(比較例2)
直径D=316mm、軸方向(z方向)の高さh=100mm、羽根枚数n=5枚、ボス比ν=0.253(ボス径νD=80mm)のプロペラファン1を、 羽根の表面が下記表24により特定される3次元曲面となるように形成した。尚、r、θ、zは実施例1と同様にして設定している。
【0112】
【表24】
【0113】
(比較例3)
直径D=460mm、軸方向(z方向)の高さh=168mm、羽根枚数n=3枚、ボス比ν=0.35(ボス径νD=161mm)のプロペラファン1を、 羽根の表面が下記表25により特定される3次元曲面となるように形成した。尚、r、θ、zは実施例1と同様にして設定している。
【0114】
【表25】
【0115】
上記のような実施例1乃至実施例20、および、比較例1乃至比較例3のプロペラファンをエアコンの室外機に取付けて、風量、消費電力、騒音を計測した。
【0116】
先ず、ファン直径がφ400である、実施例1乃至実施例13、および、比較例1のファンを、冷凍能力28kWクラスの室外機を用い、DCモータにて駆動した。結果を下記の表26に示す。
【0117】
【表26】
【0118】
次に、ファン直径がφ316である、実施例14乃至実施例17、および、比較例2のファンは、ビルトインタイプの室外機を用い、ACモータにて駆動した。結果を下記の表27に示す。
【0119】
【表27】
【0120】
次に、ファン直径がφ460である、実施例18乃至実施例20、および、比較例3のファンは、マルチタイプの大型室外機を用い、ACモータにて駆動した。結果を下記の表28に示す。
【0121】
【表28】
【0122】
上記表26から明らかなように、本発明の実施例1乃至実施例13に示すプロペラファンは同一直径のプロペラファンである比較例1に比べ、同一風量時の消費電力が40%以上削減され、また、騒音が4.5〜7.5dB低減できることが判明した。なお、薄肉羽根に共通する問題である剥離騒音は発生しておらず、それによる騒音の増加はなかった。
【0123】
また、本発明の実施例1乃至実施例13に示すプロペラファンは、比較例1に比べ、性能を劣化させることなく約20%軽量化され、コストも低減された。さらに、約20%の軽量化により、送風機起動時の起動トルクの低減も実現され、駆動モータのコストも低減できる。なお、薄肉羽根に共通する問題である羽根の変形は、比較例1よりも大幅に減少した。
【0124】
また、本発明の実施例1乃至実施例13に示すプロペラファンは、比較例1に比べ回転破壊強度すなわち羽根が遠心力により破損する破壊回転数が15%向上した。なお、製作時の冷却時間は比較例1よりも減少した。
【0125】
また、上記表27から明らかなように、本発明の実施例14乃至実施例17に示すプロペラファンは同一直径のプロペラファンである比較例2に比べ、同一風量時の消費電力が15〜30%削減され、また、騒音が4.5〜6.5dB低減できることが判明した。なお、薄肉羽根に共通する問題である剥離騒音は発生しておらず、それによる騒音の増加はなかった。
【0126】
また、本発明の実施例14乃至実施例17に示すプロペラファンは、比較例2に比べ、性能を劣化させることなく約15%軽量化され、コストも低減された。さらに、約15%の軽量化により、送風機起動時の起動トルクの低減も実現され、駆動モータのコストも低減できる。なお、薄肉羽根に共通する問題である羽根の変形は、比較例2よりも大幅に減少した。
【0127】
また、本発明の実施例14乃至実施例17に示すプロペラファンは、比較例1に比べ回転破壊強度すなわち羽根が遠心力により破損する破壊回転数が13%向上した。なお、製作時の冷却時間は比較例2よりも減少した。
【0128】
さらに、上記表28から明らかなように、本発明の実施例18乃至実施例20に示すプロペラファンは同一直径のプロペラファンである比較例3に比べ、同一風量時の消費電力が40〜45%削減され、また、騒音が4.5〜6.5dB低減できることが判明した。なお、薄肉羽根に共通する問題である剥離騒音は発生しておらず、それによる騒音の増加はなかった。
【0129】
また、本発明の実施例18乃至実施例20に示すプロペラファンは、比較例3に比べ、性能を劣化させることなく約17%軽量化され、コストも低減された。さらに、約17%の軽量化により、送風機起動時の起動トルクの低減も実現され、駆動モータのコストも低減できる。なお、薄肉羽根に共通する問題である羽根の変形は、比較例1よりも大幅に減少した。
【0130】
また、本発明の実施例18乃至実施例20に示すプロペラファンは、比較例3に比べ回転破壊強度すなわち羽根が遠心力により破損する破壊回転数が17%向上した。なお、製作時の冷却時間は比較例3よりも減少した。
【0131】
また、上記表26の実施例1乃至実施例6について、同一直径D=400mm、同一展開角λ=120degの場合、下記の数式34を満たす高さh、即ちh=140の実施例1が効率および騒音に関し、最も優位性が見られた。
【0132】
【数34】
【0133】
また、上記表26の実施例1、実施例8、および実施例9について、同一直径D=400mm、同一高さh=140mmにおける羽根展開角λが、下記の数式35を満たす羽根展開角、即ちλ=120の実施例1が効率および騒音に関し、最も優位性が見られた。
【0134】
【数35】
【0135】
また、上記表26の実施例5と実施例7について、同一直径D=400mm、同一高さh=126mmにおける羽根展開角λは、実施例5よりも実施例7において優位性が見られた。即ち、下記の数式36において、前者と後者が同一でない場合、後者に優位性が見られた。
【0136】
【数36】
【0137】
また、上記表26の実施例1と実施例10において、同一直径D=400mm、同一高さh=140mm、同一羽根展開角λ=120degにおけるボス比νについては、実施例10は実施例1に対し下記の数式37を満たす変換を行なっているため、効率および騒音に関し、実施例10は実施例1と同様に優位性が見られるものとなった。
【0138】
【数37】
【0139】
また、上記表26の実施例1、実施例6と実施例11乃至実施例13において、同一直径D=400mm、同一高さh=112mm、同一羽根展開角λ=120degにおけるeu、ed、fu、fdの与え方について説明する。
【0140】
実施例6は実施例1よりもh/Dの比が小さく、即ち翼の肉厚が薄くなっている。そのため、ファン回転時に翼(羽根)にかかる遠心力で翼が大きく変形し翼の高さが低くなり、そのため効率および騒音が劣化している。
【0141】
これを防ぐには、次の変換式38に従ってeu、ed、fuおよびfd間の関係を設定し、翼の肉厚を厚くすればよく、実施例11乃至実施例13は、実施例6に対し優位性が見られるものとなった。
【0142】
【数38】
【0143】
なお、eu<ed、fu>fdの場合、翼型形状が大きくくずれる為、効率劣化、騒音増大を招き、また、eu=ed、fu<fdの場合、eu>ed、fu<fdの場合、eu<ed、fu<fdの場合、eu<ed、fu=fdの場合、翼面形状が成り立たない。
【0144】
また、上記表27の実施例14乃至実施例16について、同一直径D=316mm、同一高さh=100mm、羽根展開角λ=360/nにおける羽根枚数nが下記の数式39に示す値に最も近い値となるn=3の実施例14が効率および騒音に関し、最も優位性が見られた。
【0145】
【数39】
【0146】
また、上記表27の実施例16と実施例17を比較すると、実施例16よりも実施例17に優位性が見られた。これは、同一直径D=316mm、同一高さh=100mm、同一羽根枚数n=5枚における羽根展開角λを比較したことになる。即ち、下記の数式40において、前者と後者が同一でない場合、後者に優位性が見られた。
【0147】
【数40】
【0148】
また、上記表28の実施例18乃至実施例20については、実施例19、実施例20よりも実施例18に優位性が見られた。これは、同一直径D=460mm、同一羽根枚数n=3枚における羽根展開角λと高さhとの比較したことになる。即ち、羽根展開角λと高さhの選定を行なう場合、下記の数式41における第1式(上段の式)を満たすようにλを選ぶだけでなく、数式41における第2式(中段の式)を満たすように羽根枚数n、羽根展開角λおよび高さhを選定することで更に優位性が高いものとなる。つまり、本発明におけるプロペラファンに関しては、下記の数式41における第3式(下段の式)が設計指針を決定する上で重要となる。
【0149】
【数41】
【0150】
次に、本発明に係る流体送り装置について説明する。図8に示す流体送り装置7は、実施例1のプロペラファン1と駆動モータ8から成る送風機9を備えており、この送風機9によって流体を送出する。
【0151】
このような構成の流体送り装置としては、例えば、空気調和機、空気清浄機、加湿機、除湿機、扇風機、ファンヒータ、冷却装置、換気装置などがあるが、本実施形態の流体送り装置7は空気調和機の室外機10である。
【0152】
この室外機内10は、室外熱交換器11を備えており、上記送風機9により、効率的に熱交換を行なう。このとき、送風機9はモータアングル12により室外機10に設置されており、図9に示すように室外機10の吹出口13はベルマウス14となっている。
【0153】
また、流体送り装置7に、図10に示すようなリング状のスプラッシャー15をプロペラファン1の周囲に設置した送風機9を設けていてもよい。この場合、窓設置用等の室内機と室外機が一体型となっているタイプの空気調和機において、ドレン水をかきあげて室外熱交換器11にドレン水を吹きつけ、更なる高効率化を図ることができる。
【0154】
本実施形態の室外機10は、実施例1のプロペラファン1を備えていることから、騒音が低減された静かな室外機となる。また、プロペラファン1はファン効率が向上したものなので、省エネルギーを実現した効率のよい室外機となる。さらに、プロペラファン1の軽量化を行なえるので、室外機10の軽量化をも行なえる。さらに、プロペラファン1の回転破壊強度アップによりプロペラファン1の回転数を増加させることができ、室外機10の能力アップをも行なえる。なお、他の実施例のプロペラファンを用いた場合も同様の結果が得られるものと推察される。
【0155】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0156】
【発明の効果】
本発明のプロペラファンでは、たとえば表1に示す3次元座標値で規定されるベース形状を適切に変形して羽根の表面形状を得ている。より詳しくは、表1に示す3次元座標値を所定の変換式でr、θ、z方向にそれぞれ変換して得られた座標値で規定される曲面を、プロペラファンの羽根の表面形状としている。プロペラファンの羽根の表面形状としてかかる曲面形状を採用することにより、表26〜表28に示すように、プロペラファンの直径、高さ等によらずプロペラファンを高効率化することができ、また、騒音を低減することも可能となる。さらに、プロペラファンを軽量化でき、低コスト化を図ることもできる。したがって、本発明のプロペラファンによれば、同一の消費電力および同一の騒音値で従来例よりも大風量を得ることができ、かつ軽量低コスト化することもできる。さらに、遠心力による変形や回転破壊に対する強度にも優れ、したがって羽根部根元の厚みを部分的に厚くする必要もない。
【0157】
本発明の1つの局面に係るプロペラファン成形用金型では、羽根の表面を形成する部分の表面が、上記ベース形状をr、θ、z方向の少なくとも1方向に拡大または縮小して得られた曲面により構成されているから、上述した本発明のプロペラファンを成形することができる。
【0158】
表1に示す3次元座標値で規定されるベース形状を変換式(1)によって変換した場合にも、表26(たとえば実施例1参照)に示すように、プロペラファンの直径、高さ等によらずプロペラファンを高効率化することができ、また、騒音を低減することも可能となる。さらに、軽量低コスト化することもできる。さらに、羽根部根元の厚みを部分的に厚くすることなくプロペラファンの強度をアップすることもできる。したがって、どのような直径、高さ、羽根枚数、羽根の展開角に選んだ場合でも、軽量かつ高強度かつ高効率で騒音の小さいプロペラファンを低コストで得ることができる。なお、h=eu≧edおよびfu≧fdを満たすことにより、Dを大きく、hを小さくとった際に生ずる可能性のある、翼の肉厚が極端に薄くなりファン回転時に翼が遠心力により大きく変形し翼の高さが低くなり、そのため著しく性能が劣化するという問題を解決できる。また、遠心力によって性能が劣化せず、高効率化、低騒音化、軽量低コスト化および強度アップにおいて最高の効果を得ることができる。即ち、遠心力によって性能を劣化させることなく高効率化と低騒音化と軽量低コスト化と強度アップを同時に達成でき、さらに成形性も最適に選ぶことができる。
【0159】
本発明の他の局面に係るプロペラファン成形用金型では、羽根の表面を形成する部分の表面が、表1に示す3次元座標値を変換式(1)によって変換して得られた座標値で規定される曲面により構成されているから、上述した本発明のプロペラファンを成形することができる。
【0160】
表1に示す3次元座標値で規定されるベース形状を変換式(2)によって変換した場合にも、表26(たとえば実施例2参照)に示すように、プロペラファンの直径、高さ等によらずプロペラファンを高効率化することができ、また、騒音を低減することも可能となる。また、高効率で騒音が小さく軽量低コスト化および強度アップできるだけでなく、羽根が重なり合わず、金型費用を低コストに抑えることができる羽根枚数n枚のプロペラファンを簡単に得ることができる。
【0161】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用金型では、羽根の表面を形成する部分の表面が、表1に示す3次元座標値を変換式(2)によって変換して得られた座標値で規定される曲面により構成されているから、上述した本発明のプロペラファンを成形することができる。
【0162】
表1に示す3次元座標値で規定されるベース形状を変換式(3)によって変換した場合にも、表26(たとえば実施例7参照)に示すように、プロペラファンの直径、高さおよび羽根枚数によらずプロペラファンを高効率化、軽量低コスト化および強度アップすることができ、また、騒音を低減することも可能となる。
【0163】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用金型では、羽根の表面を形成する部分の表面が、表1に示す3次元座標値を変換式(3)によって変換して得られた座標値で規定される曲面により構成されているから、上述した本発明のプロペラファンを成形することができる。
【0164】
表1に示す3次元座標値で規定されるベース形状を変換式(4)によって変換した場合にも、表26(たとえば実施例10参照)に示すように、プロペラファンの直径、高さ、羽根枚数およびファン径とボス比によらずプロペラファンを高効率化、軽量低コスト化および強度アップすることができ、また、騒音を低減することも可能となる。
【0165】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用金型では、羽根の表面を形成する部分の表面が、表1に示す3次元座標値を変換式(4)によって変換して得られた座標値で規定される曲面により構成されているから、上述した本発明のプロペラファンを成形することができる。
【0166】
表1に示す3次元座標値で規定されるベース形状を変換式(5)によって変換した場合にも、表27(たとえば実施例14参照)に示すように、プロペラファンの直径、高さ、羽根枚数およびボス比によらずプロペラファンを高効率化、軽量低コスト化および強度アップすることができ、また、騒音を低減することも可能となる。
【0167】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用金型では、羽根の表面を形成する部分の表面が、表1に示す3次元座標値を変換式(5)によって変換して得られた座標値で規定される曲面により構成されているから、上述した本発明のプロペラファンを成形することができる。
【0168】
表1に示す3次元座標値で規定されるベース形状を変換式(6)によって変換した場合にも、表27(たとえば実施例17参照)に示すように、プロペラファンの直径、高さ、羽根枚数およびボス比によらずプロペラファンを高効率化、軽量低コスト化および強度アップすることができ、また、騒音を低減することも可能となる。
【0169】
本発明のさらに他の局面に係るプロペラファン成形用金型では、羽根の表面を形成する部分の表面が、表1に示す3次元座標値を変換式(6)によって変換して得られた座標値で規定される曲面により構成されているから、上述した本発明のプロペラファンを成形することができる。
【0170】
本発明に係る流体送り装置は、上述のいずれかに記載のプロペラファンを備えた送風機を備えていることから、効率が良好で省エネルギーが達成され騒音の小さく軽量化されかつ強度アップされたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のプロペラファンの前面図である。
【図2】 本発明の実施例1のプロペラファン(負圧面側)の斜視図である。
【図3】 本発明の実施例1のプロペラファン(正圧面側)の斜視図である。
【図4】 比較例1のプロペラファンの前面図である。
【図5】 比較例1のプロペラファン(負圧面側)の斜視図である。
【図6】 比較例1のプロペラファン(正圧面側)の斜視図である。
【図7】 本発明のプロペラファン成型用の金型の部分断面側面図である。
【図8】 (a)および(c)は、本発明の流体送り装置の側面図であり、(b)は本発明の流体送り装置の正面構成図である。
【図9】 本発明の流体送り装置の送風機の1実施形態の斜視図である。
【図10】 本発明の流体送り装置の送風機の1実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
1 プロペラファン
2 ボス部
3 羽根
4 プロペラファン成型用の金型
5 固定側金型
6 可動側金型
7 流体送り装置
8 駆動モータ
9 送風機
10 室外機
11 室外熱交換器
12 モータアングル
13 吹出口
14 ベルマウス
15 スプラッシャー
Claims (15)
- プロペラファンを成形するための金型であって、
該金型において前記プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、請求項1に記載のベース形状をr、θおよびz方向の少なくとも1方向に拡大または縮小して得られる曲面により構成されることを特徴とする、プロペラファン成形用の金型。 - プロペラファンを成形するための金型であって、
該金型において前記プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、請求項3に記載の変換式(1)により得られた前記(r1,θ1,z1u)および前記(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成されることを特徴とする、プロペラファン成形用の金型。 - プロペラファンを成形するための金型であって、
該金型において前記プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、請求項5に記載の変換式(2)により得られた前記(r1,θ1,z1u)および前記(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成されることを特徴とする、プロペラファン成形用の金型。 - プロペラファンを成形するための金型であって、
該金型において前記プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、請求項7に記載の変換式(3)により得られた前記(r1,θ1,z1u)および前記(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成されることを特徴とする、プロペラファン成形用の金型。 - プロペラファンを成形するための金型であって、
該金型において前記プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、請求項9に記載の変換式(4)により得られた前記(r1,θ1,z1u)および前記(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成されることを特徴とする、プロペラファン成形用の金型。 - プロペラファンを成形するための金型であって、
該金型において前記プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、請求項11に記載の変換式(5)により得られた前記(r1,θ1,z1u)および前記(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成されることを特徴とする、プロペラファン成形用の金型。 - プロペラファンを成形するための金型であって、
該金型において前記プロペラファンの羽根の表面を形成する部分の表面が、請求項13に記載の変換式(6)により得られた前記(r1,θ1,z1u)および前記(r1,θ1,z1d)により規定される曲面で構成されることを特徴とする、プロペラファン成形用の金型。 - 請求項1、請求項3、請求項5、請求項7、請求項9、請求項11および請求項13のいずれかに記載のプロペラファンと、該プロペラファンを駆動する駆動モータとを有する送風機を備えたことを特徴とする流体送り装置。
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