JP3672729B2 - ダンプ式のタンクトレーラー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンプ式のタンクトレーラーに関する。すなわち、タンクを車台上に搭載したトレーラーがトラクタにて牽引されると共に、タンクが油圧シリンダにて傾倒可能な、ダンプ式のタンクトレーラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、このようなダンプ式のタンクトレーラーにおける、従来例の油圧回路図である。ダンプ式のタンクトレーラーは、例えば粉粒体運搬車として使用され、該タンク1内には、小麦粉,カーボン,その他の粉粒体が、ばら状の散積状態で積み込まれる。そして、タンク1の上部に積み込み用のマンホール2が付設されると共に、タンク1の後端部に流出部3が付設され、タンク1の後端部下が、ダンプヒンジ4にてトレーラーの車台の後部上に枢支されている。
タンク1の前端部とトレーラーの車台との間には、油圧シリンダ5が取り付けられており、この油圧シリンダ5の伸縮動により、タンク1を、常時の水平姿勢(図示の状態)と荷卸し時の傾倒したダンプ姿勢とに、変位可能としている。
【0003】
ところで、このような油圧シリンダ5の伸縮動用の油圧回路は、従来、次のようになっていた。すなわち、まずトラクタ側には、作動油タンク6,ポンプ7,操作弁8等が、管路9を介し順に配設されており、ポンプ7は、車輌エンジンを利用したP.T.O.装置10にて回転駆動される。
そして、このトラクタ側の操作弁8と、トレーラー側の油圧シリンダ5への配管11の間には、大径のメインホース12と小径の戻しホース13とが、介装されるようになっていた。
【0004】
メインホース12は、油圧シリンダ5の伸縮動用に使用され、荷卸し時にタンク1をダンプ姿勢とする際は、操作弁8を図示の状態から供給状態に切換えると共に、カップリング部14間を接続して使用される。なお、荷卸し時以外の常時において、このカップリング部14間の接続は解かれている。
これに対し戻しホース13は、荷卸し時以外の常時、例えばタンクトレーラーの走行時において、温度上昇に伴い配管11内の油が膨張して、不用意に油圧シリンダ5を伸長させることがないように、このように膨張した油を、作動油タンク6へと戻すために使用される。このような常時において、操作弁8は、例えば図示の状態に切換えられている。
すなわち、このように膨張した油をもしも戻さないと、荷卸し時以外の例えば走行時において、膨張した油にて油圧が上昇し、もって不用意に、油圧シリンダ5を伸長させて、タンク1を水平姿勢から傾倒したダンプ姿勢に押し上げてしまう、事故発生の危険がある。更に事後、タンク1がダンプ姿勢から水平姿勢に自然復帰して、トレーラーの車台側のタンク受けにバウンドして当たり、もってタンク1を変形,損傷させてしまう、事故発生の危険もある。
そこで、このような事故発生を回避すべく、この種従来例では上述したように、トラクタとトレーラー間に、メインホース12と共に戻しホース13が、必須的に介装,使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。タンクトレーラーでは、タンク1を備えたトレーラーが、トラクタにて左右方向に揺動可能に牽引されており、牽引車たるトラクタは、前方に車輪付のキャブたる運転室を備えると共に、車輪付の後部フレームを備えている。そして、このトラクタの後部フレーム上のキャブバックは、トレーラー側の大きなタンク1が後から迫っており、極めてスペース的に狭い空間よりなると共に、ブレーキ用のエアーホース等も配設されている。
【0006】
さてそこで、このように極めて狭いキャブバックに、前述した油圧シリンダ5用の油圧回路の大径のメインホース12を配設して、トレーラーの左右揺動に従動して左右方向に半回転可能とすることは、極めて困難である。
そこで、一端がトラクタ側の操作弁8に接続されたメインホース12は、従来、前述したように他端にカップリング部14が設けられており、走行時等の常時はカップリング部14間の接続が解かれて切り離され、トラクタ側に収納されており、トレーラー側の配管11とは切り離されていた。そして、荷卸し時つまり油圧シリンダ5の伸縮動時のみ、カップリング部14間を接続することにより、トラクタ側とトレーラー間に介装連結されていた。
これに対し、小径で高圧用の戻しホース13は、その機能上からも、常に接続されていることが必要である。そこで、一端がトラクタ側の操作弁8に接続された戻しホース13については、従来、走行中の常時は勿論のこと荷卸時も、常に他端がトレーラー側の配管11に接続されており、トラクタ側とトレーラー間にて左右方向に半回転可能に介装連結されていた。
【0007】
しかしながら、第1に、前述したように、トラクタの後部フレーム上のキャブバックは、極めてスペース的に狭いと共に、ブレーキ用のエアーホース等も配設されている。そこで、このような場所について、更に、戻しホース13を常に介装連結,接続していたこの種従来例に関しては、戻しホース13が邪魔であり配設スペース的に無理がある、という指摘があった。つまり従来は、製作上の無理をおかしつつ、戻しホース13が配設されていた。
第2に、製作上の問題としては更に、メインホース12と共に戻しホース13が必須的に使用されており、その分、コスト高となるという指摘もあった。つまり、油圧シリンダ5の伸縮動用のメインホース12に加え、従来は、事故防止用の戻しホース13が必要とされており、2本のホースを使用する分だけ、製作コストが高くつく、という問題が指摘されていた。
第3に、更に戻しホース13は、トラクタ側とトレーラー間に、狭いキャブバックを介して常に介装連結,接続されていると共に、トラクタに牽引されたトレーラーの左右揺動に従動して、左右方向に半回転するようになっていた。そこで長期間使用すると、戻しホース13が損傷,破損しやすい、という問題も指摘されていた。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例における課題を解決すべくなされたものであって、タンクを傾倒させる油圧シリンダの伸縮動用の油圧回路について、トラクタ側に、作動油タンク,第1管路,ホース,ポンプ,操作弁,カップリング等を配設すると共に、トレーラー側に、対応カップリング,第2管路,蓄圧器,第3管路,逆止弁,電磁弁等の切換弁,スイッチ等の検出手段、等を配設してなることにより、第1に、スペース的に製作上無理がなく、第2に、製作コスト面に優れ、第3に、ホースの損傷,破損事故も回避され、第4に、走行中等の温度上昇に伴い、タンクが不用意に押し上げられたり、バウンドしたりする事故も防止され、第5に、しかもこれらが簡単な操作により容易に実現される、ダンプ式のタンクトレーラーを提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については次のとおり。
この請求項1のダンプ式のタンクトレーラーは、タンクを備えたトレーラーがトラクタにて牽引される、トレーラータイプよりなる。該タンクは、該トレーラーの車台上に搭載され、前端部と該車台間に油圧シリンダが取り付けられており、常時の水平姿勢と荷卸し時の後方に傾倒したダンプ姿勢とに、変位可能となっている。
そして、該トラクタ側には、作動油タンクと、該作動油タンクに第1管路を介して接続されたホースと、該第1管路に直列に配されたポンプおよび操作弁と、該ホースの先端に設けられたカップリングと、が配設されている。
又、該トレーラー側には、該カップリングに接続可能な対応カップリングと、該対応カップリングと該油圧シリンダ間に配された第2管路と、該第2管路の途中から分岐されて蓄圧器に至る第3管路と、該第3管路に並列に配された逆止弁および切換弁と、該カップリングと該対応カップリング間の接続の有無を検出し、その検出結果に基づき該切換弁を開閉せしめる検出手段と、が配設されていること、を特徴とする。
【0010】
次に、請求項2については次のとおり。この請求項2のダンプ式のタンクトレーラーは、請求項1に記載したダンプ式のタンクトレーラーにおいて、該タンク内には、小麦粉,カーボン,その他の粉粒体が、ばら状の散積状態で積み込まれ、該タンクは、上部に積み込み用のマンホールが付設されると共に、後端部に流出部が付設され、後端部下がダンプヒンジにて該車台の後部上に枢支されている。
そして該油圧シリンダは、一端部が該タンクの前端部に枢着されると共に、他端部が該車台の前部上に枢着されており、その伸縮動により、該タンクを水平姿勢とダンプ姿勢とに変位させるようになっている。
又、該カップリングおよび該対応カップリングは、相互間の接続時には共に開、相互間の非接続時には共に閉に、それぞれ切換えられること、を特徴とする。
【0011】
次に、請求項3については次のとおり。この請求項3のダンプ式のタンクトレーラーは、請求項1に記載したダンプ式のタンクトレーラーにおいて、カバーが、該車台の前部上に枢着されている。
該カバーは、該対応カップリングの前に落下せしめられた下位カバー位置と、該対応カップリングの前から持ち上げられた上位退避位置とに、回動可能となっている。
そして、該切換弁は電磁弁よりなり、又、該検出手段はスイッチよりなる。該スイッチは、まず該カバーの下位カバー位置ではオフで、該カップリングと該対応カップリング間の接続無を検出して、該電磁弁を開つまり続とする。又、該スイッチは、該カバーの上位退避位置ではオンして、該カップリングと該対応カップリング間の接続有を検出して、該電磁弁を閉つまり断とすること、を特徴とする。
【0012】
このダンプ式のタンクトレーラーは、このようになっている。そこで▲1▼、常時は、タンクは水平姿勢とされ、トラクタ側のホース先端のカップリングとトレーラー側の対応カップリングとの接続は、解かれている。又、トレーラー側において、カバーは下位カバー位置に落下せしめられており、検出手段例えばスイッチはオフで、カップリングと対応カップリング間の接続無を検出して、電磁弁等の切換弁を続としている。
そこで▲2▼、このような常時において、温度上昇に伴いトレーラー側の第2管路や第3管路内の油が膨張した場合、この膨張した分の油つまり油圧は、対応カップリングが閉で閉回路を形成する第2管路,第3管路,電磁弁等の切換弁を介し、蓄圧器に回収,貯溜される。
【0013】
さて▲3▼、このような常時の状態において、タンク内に、例えば粉粒体がマンホールから積み込まれて、目的地へと走行される。
次に▲4▼、荷卸しに際しては、上述した常時の状態から、まず、カバーを上位退避位置に持ち上げて、ホース先端のカップリングを対応カップリングに接続する。
すると▲5▼、検出手段例えばスイッチがオンし、カップリングと対応カップリング間の接続有を検出して、電磁弁等の切換弁を断に切換える。そこで、蓄圧器に貯溜されていた高圧の油つまり油圧は、第3管路,逆止弁,第2管路,対応カップリング,カップリング,ホース,操作弁等々を介し、作動油タンクに回収される。
しかる後▲6▼、操作弁を切換えると共にポンプを回転駆動すると、作動油タンク内の油が、第1管路,操作弁,ホース,カップリング,対応カップリング,第2管路等々を介し、油圧シリンダに供給される。そこで油圧シリンダが伸長し、タンクが、ダンプヒンジを中心に傾倒したダンプ姿勢に押し上げられ、積み込まれていた粉粒体等が、流出部から荷卸しされる。
次に▲7▼、荷卸しが終了すると、操作弁を切換えることにより、タンクの自重により油圧シリンダが短縮され、タンクが元の水平姿勢に降下し、油圧シリンダ内の油は、第2管路,対応カップリング,カップリング,ホース,操作弁等々を介し、作動油タンクに回収される。
それから▲8▼、ホース先端のカップリングと対応カップリングとの接続を解く。そして、カバーが下位カバー位置に落下せしめられ、検出手段例えばスイッチがオフして、カップリングと対応カップリング間の接続無を検出して、電磁弁等の切換弁を続に切換える。このようにして、元の常時の状態へと復帰する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,図3,図4,図5等は、本発明の実施の形態の説明に供する。
そして、図1は常時の側面図、図2は荷卸し時の側面図である。図3は常時の油圧回路図、図4は荷卸し時の油圧回路図である。図5は対応カップリング,カバー,スイッチ等の側面図であり、(1)図は常時の状態を、(2)図は荷卸し時の状態を示す。
【0015】
まず、ダンプ式のタンクトレーラー15について述べる。このダンプ式のタンクトレーラー15は、図1,図2に示したように、タンク1を備えたトレーラー16がトラクタ17にて牽引される、トレーラータイプよりなる。そしてタンク1は、トレーラー16の車台18上に搭載され、前端部と車台18間に油圧シリンダ5が取り付けられており、図1に示した常時の水平姿勢と、図2に示した荷卸し時の後方に傾倒したダンプ姿勢とに、変位可能となっている。
【0016】
これらについて、更に詳述する。まず、牽引車たるトラクタ17は、前方に、車輪19付のキャブたる運転室20を備えると共に、車輪19付の後部フレーム21を備えてなる。
そして、このトラクタ17の後部フレーム21の前部上、つまりキャブバックには、作動油タンク6を始めとする油圧回路関係の各種の機器や配管等が配設されると共に、ブレーキ用のエアーホース等(図示せず)が配設されており、後からはトレーラー16側のタンク1が迫っている。
トラクタ17の後部フレーム21の後部上には、トレーラー16の車台18の前部が、キングピンを含む上下のカプラCを介して、枢支されている。もって、トラクタ17とトレーラー16とは、左右方向に揺動可能に連結されており、トレーラー16の車台18の後部下には、後輪たる車輪19が配されている。そして、トレーラー16の車台18上にタンク1が搭載されている。
【0017】
油圧シリンダ5は、一端部が、タンク1の前端部に枢着されると共に、他端部が、車台18の前部上に枢着されており、その伸縮動により、タンク1を水平姿勢とダンプ姿勢とに変位させる。
すなわち、車台18上に立設された油圧シリンダ5は、図示例では、一端部たるピストンロッド22の先端が、タンク1の前端部から突設された取付部23に対し、左右軸たるピン24にて枢着されると共に、他端部たるシリンダ室25の基端が、トレーラー16の車台18の前部上に突設された取付部26に対し、左右軸たるピン27にて枢着されている。なお、このような図示例とは逆に、ピストンロッド22を下に、シリンダ室25を上に配した例も、勿論可能である。
又、図示例の油圧シリンダ5は、タンク1の前端部の前面と車台18の前部との間に取り付けられていたが、このような図示例によらず、油圧シリンダ5を、タンク1の前端部の下面と車台18との間に取り付けるようにしてもよい。例えば、次に述べるタンク受け28付近の位置において、油圧シリンダ5のピストンロッド22の先端を、タンク1の前端部の下面側に枢着すると共に、油圧シリンダ5のシリンダ室25の基端を、車台18の中央部側に枢着するようにしてもよい。
【0018】
そしてタンク1は、後端部下が、左右軸たるダンプヒンジ4にて車台18の後部上に枢支されている。そこでタンク1は、油圧シリンダ5に油を供給してピストンロッド22を伸長させることにより、ダンプヒンジ4を支点としつつ前端部側が持ち上げられ、もって図2に示したように、後方に向け傾倒したダンプ姿勢を取る。
これに対し、油圧シリンダ5への油の供給を解くと、タンク1の自重によりピストンロッド22が短縮され、もってタンク1は、ダンプヒンジ4を支点としつつ前端部側が降下し、もって図1に示した常時の水平姿勢に復帰する。
なお、図中28はタンク受けである。このタンク受け28は、車台18の中央部上等に、図示例では1個又は図示例によらず複数個が配設されており、走行時等の常時において載せられたタンク1を、車台18上にて水平姿勢で安定的に保持し,受け取めるべく機能し、上面が、タンク1に対応したわん曲形状よりなる。
【0019】
又、このタンクトレーラー15は、図示例では、バルク車とも称される粉粒体運搬車として、用いられている。
そこで、この粉粒体運搬車たるタンクトレーラー15上のタンク1内には、小麦粉,カーボン,その他の粉粒体が、ばら状の散積状態で積み込まれ、タンク1は、上部に積み込み用のマンホール2が付設されると共に、後端部に流出部3が付設されている。
タンク1内に積み込まれる粉粒体としては、上述以外にも、セメント,砂,米,その他の穀物,化成品,薬品等々が考えられ、いずれかその1種類が選択されて、タンク1内に積み込まれる。
【0020】
そしてタンク1は、ステンレスその他の金属製の1槽式よりなり、前後が閉鎖された略円筒状をなす。タンク1の頂部に付設された積み込み,投入用のマンホール2は、開口部と蓋とからなり、図示例では1個が設けられているが、長手方向に複数個設けられることも多い。
流出部3は、タンク1の後端部の下部に付設されており、短筒状開口部や開閉弁等を備えてなる。
なお、このような粉粒体運搬車の場合、タンク1のダンプ姿勢の角度は、積み込まれる粉粒体の安息角を考慮し、例えば12.5度や25度程度の角度に設定される。ダンプ式のタンクトレーラー15は、このようになっている。
【0021】
以下、本発明について述べる。上述した油圧シリンダ5の伸縮動用の油圧回路は、例えば図3,図4に示したように構成されている。
そして、まずトラクタ17側には、作動油タンク6,第1管路29,ポンプ7,操作弁8,ホース30,カップリング31,第4管路32,受けカップリング33、等が配設されている。
【0022】
これらについて、更に詳述する。まず、油槽たる作動油タンク6は、トラクタ17の後部フレーム21上に配設されている。そして、作動油タンク6と操作弁8との間には、パイプやホース製の第1管路29と第4管路32とが、並列に配設されており、第1管路29にはポンプ7が介装されている。
ホース30は、作動油タンク6に対し、このような第1管路29等を介して、接続されている。図示例では、第1管路29にポンプ7と操作弁8とが、作動油タンク6側から順に直列に配されており、ホース30の先端には、カップリング31が設けられている。
【0023】
ポンプ7は、車輌エンジン(図示せず)を利用したP.T.O.装置10にて、回転駆動される。すなわち、車輌エンジンには、その動力取り出し用のP.T.O.装置10が付設されており、このP.T.O.装置10に、ポンプ7がシャフト等を介して付設されている。そこで、車輌エンジンを駆動することにより、P.T.O.装置10を介し、ポンプ7が回転駆動される。
又、操作弁8は、常時は、図3に示したように図面上の中央位置又は図面上の左側位置に切換えられており、第1管路29について下流側から上流側へ、つまりホース30側から作動油タンク6側に向け、流れを形成可能となっている。これに対し荷卸し時は、図4に示したように図面上の右側位置に切換えられており、第1管路29について上流側から下流側へ、つまり作動油タンク6そしてポンプ7側からホース30側に向け、流れを形成可能となっている。
【0024】
カップリング31は、ホース30先端に設けられた雄アダプタよりなり、トレーラー16側の対応カップリング34との接続時には開に、非接続時には閉に、自動的に切換えられる。
図示例では、トラクタ17の後部フレーム21上に、受けカップリング33が付設されている。そしてカップリング31は、対応カップリング34との非接続時においては、この雌アダプタたる受けカップリング33に接続されることにより、この受けカップリング33にて閉とされると共に、受けカップリング33にてゴミ等から保護される。
更に図示例では、作動油タンク6と操作弁8間に、第1管路29と第4管路32とが並列に配設されているが、このような作動油タンク6への戻し専用の第4管路32を設けず、その機能も第1管路29で兼用せしめるようにすることも可能である。
トラクタ17側の油圧回路は、このような作動油タンク6,第1管路29,ポンプ7,操作弁8,ホース30,カップリング31,第4管路32,受けカップリング33、等を備えてなる。
【0025】
次に、トレーラー16側の油圧回路には、対応カップリング34,第2管路35,蓄圧器36,第3管路37,逆止弁38,電磁弁39等の切換弁40,スイッチ41等の検出手段42,カバー43、等が配設されている。
【0026】
これらについて、詳述する。まず、対応カップリング34は、上述したトラクタ17側のカップリング31に接続可能な雌アダプタよりなり、この対応カップリング34と油圧シリンダ5のシリンダ室25との間には、パイプやホースよりなる第2管路35が配設されている。
第3管路37は、パイプやホースよりなり、第2管路35の途中から分岐されて蓄圧器36に至っており、蓄圧器36と油圧シリンダ5は、対応カップリング34に対し並列に配されていることになる。更に第3管路37には、逆止弁38と切換弁40とが、並列に配されている。第3管路37について逆止弁38は、蓄圧器36側から対応カップリング34側や油圧シリンダ5側へのみ、流れを形成可能となっている。
切換弁40は、例えば電磁弁39よりなり、第3管路37について、図3に示したように、対応カップリング34側や油圧シリンダ5側から蓄圧器36側にのみ流れを形成可能な、常時の開つまり続の状態と、図4に示したように、対応カップリング34側や油圧シリンダ5側と蓄圧器36側との間を、閉つまり断の荷卸し時の状態とに、切換え可能となっている。
【0027】
検出手段42は、カップリング31と対応カップリング34間の接続の有無を検出し、その検出結果に基づき、切換弁40を開閉せしめる。
図示例では、カバー43が車台18の前部上に枢着されており、このカバー43は、図1,図3,図5の(1)図等に示したように、対応カップリング34の前に落下せしめられた下位カバー位置と、図2,図4,図5の(2)図等に示したように、対応カップリング34の前から持ち上げられた上位退避位置とに、回動可能となっている。
そして図示例において、検出手段42はスイッチ41よりなり、このスイッチ41は、まず図1,図3,図5の(1)図等に示したように、カバー43の下位カバー位置ではオフで、カップリング31と対応カップリング34間の接続無を検出して、切換弁40たる電磁弁39を開つまり続とする。これに対し、図2,図4,図5の(2)図等に示したように、カバー43の上位退避位置ではオンして、カップリング31と対応カップリング34間の接続有を検出して、切換弁40たる電磁弁39を閉つまり断とする。
【0028】
このような検出手段42やカバー43等について、更に詳述すると、まずカバー43は、車台18の前部上の取付部44に、基端にて上下揺動可能に取り付けられており、図1,図3,図5の(1)図等の水平な下位カバー位置と、図2,図4,図5の(2)図等の上方に傾斜した上位退避位置とに、変位可能となっている。
このカバー43は、側断面が略L字状をなし、基端で、取付部44に枢着され、先端が、下位カバー位置においては、対応カップリング34の前に位置してゴミ等からこれを保護し、上位退避位置においては、接続された対応カップリング34やカップリング31上に位置する。
【0029】
なお、このようなカバー43の下位カバー位置と上位退避位置間の変位の態様としては、各種のパターンが考えられる。まず、第1のパターンとしては、すべてを手動操作によることとし、カバー43の下位カバー位置での位置決め固定,上位退避位置での位置決め固定,これら間の変位等について、すべて作業者つまり運転者が行うことが考えられる。
次に、第2のパターンとしては、カバー43の下位カバー位置から上位退避位置への変位つまり持ち上げのみを、作業者つまり運転者が行い、上位退避位置から下位カバー位置への変位は、カップリング31と対応カップリング34間の接続解除による自然落下によるようにしてもよい。この場合は、カバー43の上位退避位置での位置決め固定は、カバー43先端が、接続されたカップリング31や対応カップリング34やホース30等上に、当接,保持されることにより行われ、下位カバー位置での位置決め固定は、カバー43の自重や付設されたストッパを利用して行われる。
その他、カバー43の下位カバー位置での位置決め固定,上位退避位置での位置決め固定,これら間の変位等については、各種のパターンが考えられるが、いずれにしても、下位カバー位置から上位退避位置への変位は、作業者つまり運転者の持ち上げにより行われる。カバー43は、このようになっている。
【0030】
次に図示例では、検出手段42として、電気式のスイッチ41が用いられると共に、切換弁40として、電磁弁39が用いられており、スイッチ41と電磁弁39間に配線45が設けられている。
まずスイッチ41は、車台18の前部上に取付部46を介して設けられると共に、前述したカバー43の背後に配されている。
【0031】
そこでスイッチ41は、まず、図1,図3,図5の(1)図等に示したように、カバー43が落下した下位カバー位置を取ると、カバー43とは当接,接触することなく水平姿勢を取ってオフしており、もってカップリング31と対応カップリング34間が接続されていない旨を検出する。
つまり、カップリング31と対応カップリング34間の接続解除が、カバー43が下位カバー位置を取ることの条件となっており、スイッチ41は、このことを利用して検出を実施する。この場合、電磁弁39は開、つまり蓄圧器36へ向け続となるべく設定される。
これに対し、図2,図4,図5の(2)図等に示したように、カバー43が持ち上げられた上位退避位置を取ると、スイッチ41は、カバー43と当接,接触して上位へと押動された傾斜姿勢を取り、もってカップリング31と対応カップリング34間の接続を検出する。
つまり、カバー43が上位退避位置に持ち上げられることが、カップリング31と対応カップリング34間の接続条件となっており、スイッチ41は、このことを利用して検出を実施する。この場合、電磁弁39は閉、つまり蓄圧器36へは断に切換わるべく設定される。
【0032】
なお、図1,図2中47はパネルであり、このパネル47に、蓄圧器36,逆止弁38,電磁弁39等が配設されている。
トレーラー16側の油圧回路には、このような対応カップリング34,第2管路35,蓄圧器36,第3管路37,逆止弁38,電磁弁39等の切換弁40,スイッチ41等の検出手段42,カバー43、等が配設されている。
【0033】
本発明は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。このダンプ式のタンクトレーラー15では、まず▲1▼、常時においては、油圧シリンダ5のピストンロッド22は短縮状態となっており、トレーラー16の車台18上に搭載されたタンク1は、タンク受け28上で水平姿勢とされている(図1,図3,図5の(1)図等を参照)。
そして、トラクタ17側のホース30先端のカップリング31とトレーラー16側の対応カップリング34との接続は、解かれており、ホース30そしてカップリング31は、トラクタ17側に収納され、カップリング31は、受けカップリング33に接続され,保護され,閉とされている。
又、トレーラー16側において、カバー43は下位カバー位置に落下して、閉の対応カップリング34を保護している。そして、スイッチ41等の検出手段42は、このカバー43の下位カバー位置ではオフで、カップリング31と対応カップリング34間の接続無を検出して、電磁弁39等の切換弁40を開つまり続としている。
【0034】
そこで▲2▼、このような常時において、温度上昇に伴い、トレーラー16側の第2管路35や第3管路37内に残留していた油が膨張した場合については、次のとおり。
すなわち、この膨張した分の油つまり油圧は、対応カップリング34が閉でトレーラー16側にて閉回路を形成する第2管路35,第3管路37,開つまり続の電磁弁39等の切換弁40等を介し、蓄圧器36に回収,貯溜される。
【0035】
さて▲3▼、このような常時の状態において、トレーラー16の車台18上に搭載されたタンク1内には、例えば、小麦粉,カーボン,その他の粉粒体が、上部のマンホール2から投入され、ばら状の散積状態で積み込まれる。それからタンクトレーラー15は、目的地へと走行される。
【0036】
次に▲4▼、目的地での荷卸しに際しては、上述した常時の状態から、全体的に次の状態とされる。
まず、作業者つまり運転者は、トレーラー16側のカバー43を、それまでの下位カバー位置から上位退避位置に持ち上げてから、トラクタ17側のホース30先端のカップリング31を、受けカップリング33との接続を解いて、トレーラー16側の対応カップリング34に接続する(図2,図4,図5の(2)図等を参照)。
【0037】
すると▲5▼、トレーラー16側においては、スイッチ41等の検出手段42が、このカバーの上位退避位置によりオンし、カップリング31と対応カップリング34間の接続有を検出して、電磁弁39等の切換弁40を、それまでの開つまり続から閉つまり断に切換える。
そこで、前述により走行中等の常時において、トレーラー16側の蓄圧器36に貯溜されていた高圧の油つまり油圧は、その圧に基づき、第3管路37,逆止弁38,第2管路35,開の対応カップリング34,開のカップリング31,ホース30,操作弁8,第1管路29又は第4管路32等々を介し、トラクタ17側の作動油タンク6に回収される。
【0038】
しかる後▲6▼、作業者つまり運転者は、トラクタ17側の操作弁8を切換える(例えば図3に示した位置から図4に示した位置に切換える)と共に、ポンプ7をP.T.O.装置10にて回転駆動させる。
そこで、トラクタ17側の作動油タンク6内の油が、第1管路29,操作弁8,ホース30,開のカップリング31,開の対応カップリング34,第2管路35等々を介し、トレーラー16側の油圧シリンダ5のシリンダ室25に供給される。
もって、油圧シリンダ5のピストンロッド22が、それまでの短縮状態から伸長することにより、タンク1が、トレーラー16の車台18上において後端部下のダンプヒンジ4を中心に、それまでの水平姿勢から後方に傾倒したダンプ姿勢に押し上げられる。そこで、タンク1内に積み込まれていた粉粒体等が流下して、後端部の流出部3から荷卸しされる。
【0039】
次に▲7▼、このようにして目的地において、荷卸しが終了すると、作業者つまり運転者は、トラクタ17側の操作弁8を切換える(図4中に示した位置から例えば図3中に示した位置に切換える)。
するとトレーラー16側においては、タンク1の自重により、油圧シリンダ5のピストンロッド22が伸長状態から短縮され、タンク1は、それまでのダンプ姿勢から元の水平姿勢に降下し、車台18のタンク受け28上に載せられる。これと共に、油圧シリンダ5のシリンダ室25内の油は、第2管路35,開の対応カップリング34,開のカップリング31,ホース30,操作弁8,第1管路29又は第4管路32等々を介し、トラクタ17側の作動油タンク6に回収される。
【0040】
それから▲8▼、作業者つまり運転者は、ホース30先端のカップリング31と対応カップリング34との接続を解く。そしてカバー43が、上位退避位置から下位カバー位置に落下せしめられ、これによりスイッチ41等の検出手段42がオフし、カップリング31と対応カップリング34間の接続無を検出して、電磁弁39等の切換弁40を開つまり続に切換える。
このようにして全体的に、それまでの荷卸し時の状態から(図2,図4,図5の(2)図等を参照)、元の常時の状態へと復帰する(図1,図3,図5の(1)図等を参照)。
さてそこで、このダンプ式のタンクトレーラー15にあっては、次の第1,第2,第3,第4,第5のようになる。
【0041】
第1に、このタンクトレーラー15にあっては、トラクタ17側とトレーラー16側間には、ホース30が1本だけ配設されている。しかも、このトラクタ17側のホース30は、荷卸し時以外の常時においては、前述した▲1▼のように、その先端のカップリング31と、トレーラー16側の対応カップリング34との接続が解かれ、トラクタ17の後部フレーム21上に収納されている。
例えば粉粒体運搬車として使用されるタンクトレーラー15は、全長は比較的短いものの、粉粒体を積み込む関係上、タンク1の容積は大きく大径なものが使用されている。そして、トラクタ17の後部フレーム21上のキャブバックは、このように大きなタンク1が後から迫っており、極めてスペース的に狭いと共に、ブレーキ用のエアーホース等も配設されている。
そして、このように狭いキャブバックについて、ホース30は1本だけしか配設されておらず、しかもこのホース30は、常時はトレーラー16側との接続が解かれており、邪魔にならず、製作上スペース的に無理が生じることもない。
【0042】
第2に、このタンクトレーラー15では、このように、トラクタ17側とトレーラー16側間について、ホース30は1本のみ配設されており、2本等配設する場合に比し、コスト面に優れている。
【0043】
第3に、更にこの1本のホース30は、荷卸し時以外の常時は、前述した▲1▼のように、そのカップリング31とトレーラー16側の対応カップリング34との接続が解かれており、トラクタ17側に収納されている。
タンクトレーラー15では、トラクタ17に牽引されたトレーラー16は、走行中に左右方向に揺動するが、このように走行中等の常時において、ホース30は、トレーラー16側とは接続されていない。そこで、走行中の左右方向への揺動つまり左右方向への半回転に起因して、ホース30が損傷,破損しやすくなる事態は、確実に回避される。
【0044】
第4に、走行時等の荷卸し時以外の常時において、タンクトレーラー15では、温度上昇に伴い、トレーラー16側の第2管路35や第3管路37内に残留していた油が、膨張することが多々ある。
そして、このような場合において、この膨張した分の油つまり油圧は、前述した▲2▼のように、油圧シリンダ5側へと向かうことなく、閉回路を形成する第2管路35,第3管路37,電磁弁39等の切換弁40等を介し、蓄圧器36に回収されて、貯蓄される。
そこで、例えば走行中の温度上昇に伴い、油が膨張し油圧が上昇して、不用意に油圧シリンダ5を伸長させ、タンク1を押し上げてしまうようなことは、確実に回避される。
【0045】
第5に、作業者つまり運転者は、荷卸しに際しては、前述した▲4▼のように、例えばカバー43を上位退避位置に持ち上げて、ホース30先端のカップリング31を、トレーラー16側の対応カップリング34に接続した後、前述した▲6▼のように、操作弁8を切換えるだけでよい。
すなわち、前述した▲5▼のように、カップリング31と対応カップリング34間が接続されると、後は自動的に、スイッチ41等の検出手段42がこれを検出し、電磁弁39等の切換弁40を連動して閉つまり断に切換える。そして、蓄圧器36に貯溜されていた油つまり油圧が、第3管路37,逆止弁38,第2管路35,対応カップリング34,カップリング31,ホース30,操作弁8,第1管路29又は第4管路32等を介し、作動油タンク6に回収される。それから、前述した▲6▼のように、操作弁8を切換えポンプ7を回転駆動させるだけで、油圧シリンダ5が伸長しタンク1がダンプ姿勢を取って、荷卸しが行われる。
【0046】
更に荷卸し終了後も、作業者つまり運転者は、前述した▲7▼のように、操作弁8を切換えた後、前述した▲8▼のように、ホース30先端のカップリング31と、トレーラー16側の対応カップリング34との接続を解くだけでよい。
すなわち、操作弁8の切換えにより、タンク1の自重により油圧シリンダ5が短縮され、タンク1が水平姿勢に降下し、油圧シリンダ5内の油はトラクタ17側の作動油タンク6に回収される。そして、カップリング31と対応カップリング34間の接続が解かれると、後は自動的に、カバー43が下位カバー位置に落下し、スイッチ41等の検出手段42がこれを検出して、電磁弁39等の切換弁40を連動して開つまり続に切換えるので、事後、前述した蓄圧器36への油つまり油圧の回収,貯溜が可能となる。
【0047】
このように、荷卸し開始時や荷卸し終了に際し、作業者つまり運転者は、切換弁40の切換えをする必要はない。
つまり荷卸しに際し、作業者つまり運転者は、操作弁8の切換えや、カップリング31と対応カップリング34間の接続と接続解除等を、行うだけでよい。
【0048】
なお第1に、図示例では、カップリング31と対応カップリング34間の接続の有無を、カバー43を介し検出手段42たるスイッチ41にて検出し、これに基づき、電磁弁39よりなる切換弁40を開閉せしめていたが、本発明は、これに限定されることなく、その他各種の検出手段42や切換弁40を用いることが可能である。
例えば、まず検出手段42について、カバー43を介することなくスイッチ41にて直接検出する方式も可能であり、更に、検出手段42として、スイッチ41以外の各種センサを用いる方式も可能である。更に、このように電気的な検出手段42によらず、エアー圧や油圧を利用した検出手段42を採用すると共に、これに基づき、エアー圧や油圧を利用して切換弁40を切換える方式、等も考えられる。
【0049】
なお第2に、図示例では、タンクトレーラー15を粉粒体運搬車に適用していたが、本発明のタンクトレーラー15は、その他各種用途の車輌にも適用可能である。
例えば、このタンクトレーラー15を、ダンプトラック用やタンクローリ用の車輌に適用することも可能である。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係るダンプ式のタンクトレーラーは、以上説明したように、タンクを傾倒させる油圧シリンダの伸縮動用の油圧回路について、トラクタ側に、作動油タンク,第1管路,ホース,ポンプ,操作弁,カップリング等を配設すると共に、トレーラー側に、対応カップリング,第2管路,蓄圧器,第3管路,逆止弁,電磁弁等の切換弁,スイッチ等の検出手段等を配設してなることにより、次の効果を発揮する。
【0051】
第1に、スペース的に製作上の無理がない。すなわち、このダンプ式のタンクトレーラーにあっては、トラクタ側とトレーラー側間にはホースが1本のみ配設されており、しかも、このトラクタ側のホースは、荷卸し時以外の常時は、そのカップリングとトレーラー側の対応カップリングとの接続が解かれ、トラクタ側に収納されている。
そこで、トラクタ側とトレーラー間に2本のホース(メインホースと戻しホース)が配設されると共に、その内の1本(戻しホース)が、左右方向に半回転可能に常に介装連絡,接続されていた、前述したこの種従来例のように、配設スペース的に製作上の無理が生じるようなことはない。
つまり、トラクタの後部フレーム上のキャブバックは、極めてスペース的に狭いと共に、ブレーキ用のエアーホース等も配設されているが、本発明では、このように狭い空間に、ホースを常に介装連結,接続している訳ではなく、邪魔にならず製作上の無理がない。
【0052】
第2に、製作コスト面に優れている。すなわち、このダンプ式のタンクトレーラーにあっては、トラクタ側とトレーラー側間には、1本のホースのみが配設されている。
そこで、前述したこの種従来例のように、(メインホースと戻しホースの)2本のホースを配設していた場合に比し、ホースが1本削減された分だけ製作コストが低減される等、製作コスト面に優れている。
【0053】
第3に、ホースの損傷,破損事故も回避される。すなわち、このダンプ式のトレーラーにあっては、トラクタ側とトレーラー側間には1本のホースが配設されるが、このホースは、常時は、そのカップリングとトレーラー側の対応カップリングとの接続が解かれ、トラクタ側に収納されている。
そこで、トラクタ側とトレーラー間にホース(戻しホース)を、狭いキャブバックを介し左右方向に半回転可能に常に介装連結,接続していた、この種従来例にあっては、長期間使用するとホースが損傷,破損しやすかったのに比べ、本発明のホースは、損傷,破損しにくく耐久性に優れている。
【0054】
第4に、走行中等の温度上昇に伴い、タンクが不用意に押し上げられたり、バウンドしたりする事故も防止される。
すなわち、例えば走行時等の常時においては、温度上昇に伴い、第2管路や第3管路内に残留していた油が、膨張することが多々ある。そしてこの場合には、このように膨張した分の油つまり油圧は、油圧シリンダ側へは向かわず、トレーラー側にて蓄圧器に回収,貯溜される。
そこで、荷卸し時以外の常時において、温度上昇に伴い油が膨張し油圧が上昇して、不用意に油圧シリンダを伸長させてしまうことは、確実に防止される。もって、不用意にタンクが水平姿勢から傾倒したダンプ姿勢に押し上げられてしまう事故も確実に回避され、更に事後、タンクがダンプ姿勢から水平姿勢に自然復帰して、トレーラーの車台側のタンク受けにバウンドして当たり、もってタンクを変形,損傷させてしまう事故も確実に回避される。
【0055】
第5に、しかもこれらは、簡単な操作により容易に実現される。すなわち、作業者つまり運転者は、荷卸しに際し、例えばカバーを上位退避位置に持ち上げて、ホース先端のカップリングを対応カップリングに接続操作した後、操作弁を切換え操作するだけでよい。
すなわち、カップリングと対応カップリング間が接続されると、直ちに、検出手段がこれを検出して切換弁を閉つまり断に自動的に切換え、蓄圧器に貯溜されていた油つまり油圧は、作動油タンクに自動的に回収される。
又、荷卸し終了後も、作業者つまり運転者は、操作弁を切換え操作した後、ホース先端のカップリングと対応カップリングとの接続を解く操作をすればよい。すなわち、カップリングと対応カップリング間の接続が解かれると、カバーが下位カバー位置に落下せしめられ、検出手段がこれを検出して切換弁を開つまり続に自動的に切換え、事後、蓄圧器への油圧の回収が自動的に可能となる。
荷卸しや荷卸し終了に際し、切換弁の切換え等は、このように自動的に連動して行われ、作業者つまり運転者は、簡単な操作を行うだけでよく、切換弁の切り換えを忘れたりする懸念もない。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダンプ式のタンクトレーラーについて、発明の実施の形態の説明に供し、常時の側面図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、荷卸し時の側面図である。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供し、常時の油圧回路図である。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供し、荷卸し時の油圧回路図である。
【図5】同発明の実施の形態の説明に供し、対応カップリング,カバー,スイッチ等の側面図であり、(1)図は、常時の状態を示し、(2)図は、荷卸し時の状態を示す。
【図6】この種従来例の油圧回路図である。
【符号の説明】
1 タンク
2 マンホール
3 流出部
4 ダンプヒンジ
5 油圧シリンダ
6 作動油タンク
7 ポンプ
8 操作弁
16 トレーラー
17 トラクタ
18 車台
29 第1管路
30 ホース
31 カップリング
34 対応カップリング
35 第2管路
36 蓄圧器
37 第3管路
38 逆止弁
39 電磁弁
40 切換弁
41 スイッチ
42 検出手段
43 カバー

Claims (3)

  1. タンクを備えたトレーラーがトラクタにて牽引される、トレーラータイプのタンクトレーラーであって、
    該タンクは、該トレーラーの車台上に搭載され、前端部と該車台間に油圧シリンダが取り付けられており、常時の水平姿勢と荷卸し時の後方に傾倒したダンプ姿勢とに、変位可能となっており、
    該トラクタ側に、作動油タンクと、該作動油タンクに第1管路を介して接続されたホースと、該第1管路に直列に配されたポンプおよび操作弁と、該ホースの先端に設けられたカップリングと、が配設され、
    該トレーラー側に、該カップリングに接続可能な対応カップリングと、該対応カップリングと該油圧シリンダ間に配された第2管路と、該第2管路の途中から分岐されて蓄圧器に至る第3管路と、該第3管路に並列に配された逆止弁および切換弁と、該カップリングと該対応カップリング間の接続の有無を検出し、その検出結果に基づき該切換弁を開閉せしめる検出手段と、が配設されていること、を特徴とするダンプ式のタンクトレーラー。
  2. 請求項1に記載したダンプ式のタンクトレーラーにおいて、該タンク内には、小麦粉,カーボン,その他の粉粒体が、ばら状の散積状態で積み込まれ、該タンクは、上部に積み込み用のマンホールが付設されると共に、後端部に流出部が付設され、後端部下がダンプヒンジにて該車台の後部上に枢支されており、
    該油圧シリンダは、一端部が該タンクの前端部に枢着されると共に、他端部が該車台の前部上に枢着されており、その伸縮動により、該タンクを水平姿勢とダンプ姿勢とに変位させるようになっており、
    該カップリングおよび該対応カップリングは、相互間の接続時には共に開、相互間の非接続時には共に閉に、それぞれ切換えられること、を特徴とするダンプ式のタンクトレーラー。
  3. 請求項1に記載したダンプ式のタンクトレーラーにおいて、カバーが該車台の前部上に枢着されており、
    該カバーは、対応カップリングの前に落下せしめられた下位カバー位置と、該対応カップリングの前から持ち上げられた上位退避位置とに、回動可能であり、該切換弁は電磁弁よりなり、かつ該検出手段はスイッチよりなり、該スイッチは、まず該カバーの下位カバー位置ではオフで、該カップリングと該対応カップリング間の接続無を検出して該電磁弁を開つまり続とし、又、該カバーの上位退避位置ではオンして、該カップリングと該対応カップリング間の接続有を検出して該電磁弁を閉つまり断とすること、を特徴とするダンプ式のタンクトレーラー。
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