JP3672707B2 - 粘土質成形体の切断方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体、気体又はスラリー等の流体を通過させてこの流体を処理するハニカム状フィルタ等の製造工程に使用され、このハニカム状フィルタとなる軟化状態の粘土質成形体を切断する粘土質成形体の切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルタは、一般的に、単一成分の流体又は混合成分の流体をその内部に通過させることによって、この流体に対して物理化学的な処理を施すために使用され、例えば、触媒機能、吸着機能又は形状選択機能を有している。従来のフィルタとしては、例えば、O3の分解に好適である活性炭成形体が開示されている(特開昭62−207706号公報)。また、公害防止用、悪臭脱臭用及び合成ガス製造時の有毒ガス除去用に好適である触媒成形体についても提案されている(特開昭62−266143号公報)。更に、フィルタ等を構成する部材として、耐久性及び脱臭性能の向上を図った脱臭部材も公知である(特開平6−269490号公報)。これらは全て成形体又は部材を構成する成分等を規定することによって、所望の物理化学的な機能を得ようとするものである。
【0003】
また、フィルタの形状としては、例えば、前記特開昭62−207706号公報に、ハニカム成形体によるフィルタが開示されている。このようなハニカム成形体は、従来、ハニカム成形体の素材である粘土質素材を押出又は金型プレス等によって成形した後、所定の寸法に切断することにより製作されている。
【0004】
更に、このような粘土質素材の切断方法としては、押出又はプレスの後、まだ成形体が柔らかい状態において、切断用細線に振動を与えつつ、この細線をその長手方向に垂直の方向に移動させて成形体を切断する方法(特開昭63−67105号公報)、噴射した高圧水によって切断する方法(特開平7−256622号公報)、切断用細線を閉ループで支持し、この細線をその長手方向に往復運動させつつ、細線を成形体に対して横切るように移動させることにより、成形体を切断する方法(特公平4−60402号公報)、乾燥又は焼成後の硬化した状態のときに成形体をダイヤモンドカッタ等の刃物で切断する方法が提案されている。なお、細線を使用した方法で細線をその長手方向に振動又は往復運動させるのは、細線を単に成形体を通過するように移動させただけでは、所謂押し切りの状態になり、切断面が不連続となって、外観が悪化するからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭63−67105号公報に開示された切断方法を使用すると、振動運動の頂点で細線の往復速度が必然的に0になり、この瞬間、成形体を単に細線で押し切りするだけの状態になる。このような押し切り状態では結果的には切断性が悪くなり、切断面が不連続となって外観が悪化したり、細線にかかる切削抵抗が大きくなって、細線の耐久性を短くしてしまう。
【0006】
また、噴射した高圧水によって切断する方法では、高圧水噴射装置をはじめとして、廃水処理施設等の設備が大がかりになったり、成形体内部に水が入り込むことによって品質が劣化する等の問題がある。
【0007】
更に、特公平4−60402号公報に開示された方法では、前述の細線を振動させる場合と同様に、往復運動の折り返し点で、細線の長手方向移動の速度が0になり、このため、成形体を押し切る状態となる。また、往復運動の折り返し点で、細線には反転のために過大な引張り力が作用する。このため、この公報に記載された切断装置においては、細線をスプリングバネを介して閉ループにし、このスプリングバネの部分を支持してシリンダにより細線をその長手方向に往復運動させている。ところが、このようにスプリングにより細線を閉ループとしているため、細線には緩みが生じてしまう。このため、細線は柔らかい状態でその長手方向に運動し、成形体に対して相対的に移動しているため、その切断面が均一ではないという難点がある。
【0008】
更にまた、成形体が乾燥及び焼成後の硬化した状態において、ダイヤモンドカッタ等の刃物でこれを切断する方法では、良好な切断面を得るためには、低速度で切断する必要があるため、切断工程に時間がかかり、また、高価なダイヤモンドカッタを使用する必要があるため、設備費が高いという欠点がある。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、切断面が美麗で且つ均一であると共に、処理速度が速く、低い設備費で処理することができる粘土質成形体の切断方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粘土質成形体の切断方法は、線条材をその長手方向に沿って一方向に運動させつつ、前記線材と粘土質成形体とを相対的に移動させることにより、前記粘土質成形体を切断する方法であって、前記粘土質成形体の粘着力は0.1(kgf/cm)以上であると共に、前記粘土質成形体の内部摩擦角は80゜以下であることを特徴とする。
【0011】
この粘土質成形体の切断方法においては、前記線条材の運動方向と、相対的移動方向とのなす角度が5乃至85゜であることが好ましい。また、前記線条材の運動速度Vxと、相対的移動速度Vyとの比Vx/Vyが、0.3乃至3500であることが好ましい。この場合に、前記比Vx/Vyは2.5以上であることが更に好ましい。また、前記線条材は、その断面における最大幅が350μm以下であることが好ましい。更にまた、前記線条材は、送り出しロールから巻き解きつつ、巻き取りロールに巻き取ることによりその長手方向に沿って一方向に運動するようにすることが好ましい。
【0012】
粘土質成形体を細線等の線条材により切断する場合に、細線をその長手方向(以下、線方向という)に運動させずに成形体を横切るように細線を移動させた場合、即ち成形体を押し切りした場合は、細線を線方向に運動させながら細線を移動させて成形体を切断した場合に比して、切断抵抗が大きい。このため、細線を線方向に動かさずに押し切りした場合の方が、より切断面の形状の変形が大きくなり、切断後の成形体の外観を損なうと共に、細線の寿命も短くなる。しかし、細線を線方向に送りながら成形体を切断した場合には、この細線を線方向に送らない場合に比して、細線上に発生する金属加工上の構成刃先のような現象を低減でき、より切削性を向上させて、切断面の外観を良好に仕上げることができる。
【0013】
ところで、切断面の形状を考慮することなく、線状材によって粘土質成形体を切断する場合には、線状材の強度が十分に高いものであるとよい。しかし、切断効率を向上させると共に、切断面の形状をより一層良好にするためには、粘土質成形体の物性を切断に適したものにする必要がある。従来においては、切断される粘土質成形体は作業者の経験によって選択されており、粘土質成形体の物性を定量的に規定しているものはない。即ち、切断前の成形性を確保すると共に、切断抵抗をより一層小さくして、良好な形状の切断面が得られる状態で粘土質成形体を切断するためには、粘土質成形体の滑り性及び粘着性を適切に規定する必要がある。しかし、従来においては、滑り性と粘着性との間に、相関関係を見いだすことができず、粘土質成形体の滑り性及び粘着性を定量的に規定することができなかった。
【0014】
そこで、本発明においては、滑り性及び粘着性を定量化する方法として粘土質成形体の粘着力と内部摩擦角を使用し、これらを適切に規定している。これにより、良好な形状の切断面を得ることができる。なお、粘着力及び内部摩擦角はJIS A1216に規定された土の一軸圧縮試験方法に準じて測定することができるが、他に、土質試験として一般的に使用される三軸圧縮試験及び直接せん断試験等によっても測定することができる。
【0015】
粘着力が0.1(kgf/cm2)未満であると、粘土質成形体の保形性が著しく低下すると共に、切断面の表面にささくれ等が形成されて、形状不良が発生する。なお、本発明においては、粘着力の上限は特に限定されない。
【0016】
また、内部摩擦角が80°を超えると、粘土質成形体の滑りが悪くなり、成形性が著しく低下する。更に、内部摩擦角が80°を超えると、切断抵抗が急激に増大し、切断面がつぶれて形状不良が発生する。なお、本発明においては、内部摩擦角の下限は特に限定されない。例えば、内部摩擦角が0°であっても、切断抵抗が著しく増大することはなく、良好な形状の切断面を得ることができる。また、内部摩擦角が80°を超えると、粘着力が0.1(kgf/cm2)未満となることが多くなるが、両者の間に具体的な相関関係はない。従って、本発明においては、粘着力及び内部摩擦角の双方を所定範囲に規定する。
【0017】
細線の線方向の運動速度VXと、細線を成形体に相対的に移動させる移動速度VYとの速度比VX/VYは、これが小さすぎると、細線を線方向に運動させることによる切削性の向上効果が少ない。このため、この速度比は0.3以上にすることが好ましい。より好ましくは、この速度比は2.5以上である。また、一般的には、速度比が高い方が切削性上、良好な結果が得られるが、この速度比が3500を超えると、それ以上速度比を高めることによる効果の増大がなく、また細線を浪費することになる。このため、速度比は3500以下であることが好ましい。
【0018】
また、細線の運動方向と、細線と成形体との相対的移動方向とがなす角度θが5°未満であると、切断性は良好であるが、切断処理に必要な切断所要時間が無用に長くなり、効率が悪い。一方、この角度θが85°を超えると、切断所要時間は短くなるものの、切断性が低下し、切断面の外観が劣化する。従って、この角度θは5乃至85°であることが好ましい。
【0019】
なお、細線は成形体に対して相対的に移動すればよく、このため、成形体を運動する細線に対して移動させてもよいし、細線を運動させつつ成形体に対して移動させてもよい。また、両者を移動させてもよいことは勿論である。
【0020】
また、線条材としては、その最大幅が好ましくは350μm以下、より好ましくは200μm以下である。この最大幅が350μmを超えると、切断抵抗が大きくなり、切断面の外観が悪くなると共に、切断時間が長くなる。逆に、線条材の最大幅が10μmより細くなると、引張強度が低いため、線条材の張力が不足し、切断時間が長くなると共に、線条材の耐久性が低くなり、非効率的である。このため、線条材の最大幅は10乃至350μmにすることが好ましい。また、線条材としては、一般的には断面が円形の細線である。更に、この線条材の材質としては鋼線、ポリアミド線、カーボン線又はナイロン線がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る粘土質成形体の切断方法を示す図であり、(a)は成形体の斜視図、(b)は切断工程を示す断面図である。切断台2は長尺の台であり、この切断台2の上に、所定寸法毎に切断すべきハニカム成形体1が載置されるようになっている。なお、このハニカム成形体1の粘着力は0.1(kgf/cm2)以上であり、内部摩擦角は80°以下である。そして、台2の上半部には、切断後の成形体の長さと同一の間隔で複数の凹部3が設けられている。
【0022】
そして、台2の幅方向に対向するようにして、1対のガイドロール12、13と、細線10を巻回した送り出しロール14と、細線10を巻き取る巻き取りロール11とが配設されている。そして、送り出しロール14から巻き解かれた細線10はガイドロール13によりその進行方向を転換し、更にガイドロール12により進行方向を転換した後、巻き取りロール11に巻き取られるようになっている。ガイドロール12、13は細線進行方向の上流側のガイドロール13がガイドロール12よりも上方になるように配置されている。これらのロール11、12、13、14は同一の架台(図示せず)に設置されており、矢印にて示すように、同時に下方に所定の速度で移動できるようになっている。なお、この架台は原点復帰のために上昇することができることは勿論である。また、細線10は全て巻き取りロール11に巻き取られた後、ロール11、14の逆転により、送り出しロール14に戻される。
【0023】
上述の如く構成された切断装置を使用した粘土質成形体の切断方法について、以下に説明する。先ず、台2をその凹部3が細線10の配設位置に整合するように位置させ、送り出しロール14から細線10を送り出し、細線10をガイドロール13からガイドロール12に向けて斜め下方に向けて一方向に運動させる。この状態で、ロール11〜14が設置された架台を下降させる。そうすると、細線10は緊張した状態で常にロール13からロール12に向かう一方向(矢印X方向)に運動しつつ、矢印Y方向に移動して下降し、成形体1に切り込んでこれを切断する。成形体切断後は、細線10は凹部3内に収まり、従って、未切断部が残ることはない。
【0024】
細線10が全て巻き取りロール11に巻き取られた場合には、処理を中断してロール11、14を反転させ、細線10を送りロール14に戻す。また、1回の切断工程が終了した場合は、ロール11〜14を全体的に上昇させ、細線10を成形体移動域の上方に退避させる。そして、成形体を移動させて次順の切断位置を細線10の配設位置の直下に位置させ、次順の切断工程に移る。
【0025】
本実施例方法においては、緊張状態で一定方向に運動すると共に、台2に対して垂直方向に移動する細線10により、粘着力及び内部摩擦角が適切に規定された粘土質成形体1を切断するので、その切断面は美麗となり、格子形状をつぶしてしまうことはない。
【0026】
また、本実施例方法においては、細線を一方向にのみ運動させるので、細線を緩みがない緊張状態に保持することができ、このため、切断速度を速くすることができると共に、従来に比して細線の寿命を延長することができる。
【0027】
この場合の細線の移動方向(Y方向)と、細線の運動方向(X方向)とがなす角度θは5乃至85°である。また、細線の運動速度(細線のX方向への移動速度)VXと、細線の移動速度(Y方向に移動する速度)VYとの比VX/VYは好ましくは0.3乃至3500、より好ましくは2.5以上である。このような条件で粘土質成形体を切断することにより、高作業効率で、孔のつぶれがなく、優れた切断面形状を得ることができる。
【0028】
また、細線の径は好ましくは10乃至350μm、更に好ましくは10乃至200μmである。
【0029】
更に、粘土質成形体1としては、マンガン及び鉄等の各種金属酸化物、活性炭及びシリカゲル等の機能性粉体原料、並びに骨材となるセピオライト、アタパルジャイト及びアルミナセメント等の粉体無機バインダの混合粉体に、粘性を与えるためにスターチ及び各種セルロース等の無機バインダ並びにレジン等の各種樹脂及び液体ゴム等を添加し、更に水及び水ガラスを混練して得られるものを、押し出し成形又はプレス加工によって成形したものである。
【0030】
なお、上記実施例方法において、細線10を矢印Y方向に下降させる替わりに、成形体1及びそれを支持する台2を上昇させてもよく、細線10及び台2の双方を移動させてもよい。
【0031】
次に、本発明の第2の実施例に係る粘土質成形体の切断方法について、図2を参照して説明する。図2に示す実施例方法が図1に示す実施例方法と異なる点は、台2を水平方向に移動させる点である。即ち、図1に示す実施例方法においては、成形体1はそれを支持する台2の載置面に対して垂直の方向に相対的に移動した。これに対して、図2に示す実施例方法は、台2をその載置面に平行の方向(図の矢印Zにて示す方向)に移動させるものである。
【0032】
このように、第2の実施例方法においては、細線10が傾斜して一方向に運動している間に、台2が細線10に近づき、これを水平方向に横切る。本実施例方法においても、第1の実施例方法と同様に、成形体1の粘着力及び内部摩擦角を適切に規定しているので、成形体1が良好な形状で切断される。なお、この場合には、成形体10の貫通孔の両端部の突起は水平方向に突出するものである。
【0033】
次に、図3を参照して本発明の第3の実施例方法について説明する。本実施例方法は、図1に示す実施例方法と、成形体1の孔形状のみが異なる。即ち、本実施例方法において使用する成形体1は円孔を有するものであるが、その粘着力及び内部摩擦角は第1の実施例方法と同様に、適切に規定されている。本実施例方法においても、図1に示す実施例方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
図4は本発明の第4の実施例方法を示す図である。台2の上には、断面円形の成形体20が載置されている。そして、本実施例においては、台2の凹部3と同じ高さ位置にガイドロール22が配設されており、このガイドロール22の近傍に巻き取りロール21が配設されている。一方、台2の上方には、ガイドロール23と送り出しロール24とが配設されている。そして、送り出しロール24から巻き解かれた細線10はガイドロール23によりその進行方向を曲げられ、ガイドロール22に向かう。次いで、細線10はガイドロール22にてその進行方向を巻き取りロール21に向け、最終的に巻き取りロール21に巻き取られる。
【0035】
ロール22及びロール21は、固定された位置に設置されている。これに対し、ロール23及びロール24は同一の架台(図示せず)に設置されており、この架台と共に、ロール22配設位置を中心として、円弧にそって回転する。即ち、ガイドロール23は送り出しロール24と共に、ガイドロール22を中心として回転し、従って、細線10はガイドロール23の回転移動と共に、扇形の領域を移動する。
【0036】
このように構成された切断装置を使用した粘土質成形体の切断方法においては、細線10は常にガイドロール22に向かうように進行(運動)し、この状態で、細線10はその垂直方向となす角度αが増加するように、その姿勢を傾斜させていく。これにより、台2上の成形体20が細線10の通過を受け、切断される。
【0037】
本実施例方法においても、図1乃至3に示す実施例方法と同様の作用効果を奏するのに加え、移動機構がロール23、24のみであるので、切断装置の構造を簡素化することができ、装置の小型化を図ることができる。
【0038】
【実施例】
以下、図1及び図4に示す切断方法を使用して、粘土質成形体を切断した試験結果について説明する。
【0039】
試験結果1
図1に示す切断装置を使用して、成形体の粘着力及び内部摩擦角を変化させて成形体を切断し、その切断面の形状と保形性を評価した。成形体の内部摩擦角は、粘土質成形体を構成する粒状無機原料の粒度分布を変化させることにより調整し、補足的に、有機バインダの粘性を変化させることにより、内部摩擦角を微調整した。また、粘土質成形体の粘着力は、この成形体の製造時に使用する有機バインダ及び水の量を変化させることにより調整した。なお、本実施例においては、速度比VX/VYを400、細線の移動方向と運動方向とがなす角θを40°とし、使用した細線断面の線径(最大幅)を300μmとした。その結果を下記表1に示す。但し、切断面欄において、◎は切断面の性状及び形状が特に優れていたもの、○はごく軽微な変形が認められたが、実使用上からみて許容できるもの、×は切断後、成形体の外縁部又は格子状の貫通孔形状につぶれが発生したものを示す。また、保形性欄においては、◎は切断抵抗に対して粘土質成形体の外周部に変形がなく、その性状及び形状が特に優れていたもの、○は成形体の外周部に若干の軽微な崩れが認められたが、実使用上から見て許容できるもの、×は切断中において成形体の外観が著しく変化したものを示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003672707
【0041】
上記表1に示すように、実施例No.1乃至5は粘土質成形体の粘着力及び内部摩擦角が本発明の範囲内であるので、優れた形状の切断面を得ることができ、成形体の保形性も良好であった。
【0042】
一方、比較例No.6乃至10は成形体の粘着力又は内部摩擦角が本発明範囲から外れているので、保形性及び切断面のいずれか一方又は両方が不良となった。
【0043】
試験結果2
図1に示す実施例装置を使用して、細線の移動方向とワイヤの線運動方向とがなす角θを変化させて成形体を切断し、その切断面と作業速度を評価した。本実施例においては、粘土質成形体の粘着力を8.5(kgf/cm2)、内部摩擦角を26°とした。また、ワイヤの運動速度VXと相対的移動速度VYとの比VX/VYは600であり、使用した細線断面の線径(最大幅)は170μmである。その結果を下記表2に示す。但し、下記表2において、切断面の評価基準は第1実施例と同様とし、−は切断することができなかったものを示す。更に、作業速度欄において、◎は作業効率が特に優れていたもの(前工程の成形工程より工程速度が上向いたもの)、○は同じく優れていたもの(前工程の成形工程と同じ速度)、×は時間がかかりすぎたもの(前工程より時間がかかったもの)を示す。
【0044】
【表2】
Figure 0003672707
【0045】
上記表2に示すように、細線移動方向と運動方向とがなす角度θが5〜85°の範囲にある場合に、切断面の性状及び作業速度のいずれも優れた結果が得られた。特に、角度θが25〜65°の範囲において極めて良好な結果が得られた。
【0046】
試験結果3
次に、図1に示す切断装置を使用して、細線の線方向の運動速度VXと、細線の移動速度VYとの速度比VX/VYを変化させて成形体を切断し、その切断面を評価した。本実施例において、細線の移動方向と細線の運動方向とがなす角度θは50°、使用した細線の径(最大幅)は200μmである。また、成形体の粘着力を8.5(kgf/cm2)とし、内部摩擦角を26°とした。その結果を下記表3に示す。但し、下記表3において、切断面の評価基準は第1実施例と同様とした。
【0047】
【表3】
Figure 0003672707
【0048】
上記表3に示すように、速度比VX/VYが0の場合が、細線を線方向に運動させない場合であり、成形体につぶれが発生した。速度比VX/VYが0.3以上の場合に切断面の改善効果がみられた。特に、速度比が2.5を超えると顕著な効果がみられ、速度比が3500を超えても良好な切断面が得られた。
【0049】
試験結果4
図4に示す切断装置を使用して、成形体を切断した。本実施例において、速度比VX/VYは15であり、使用した細線の線径(最大幅)は100μmである。また、成形体の粘着力を25(kgf/cm2)とし、内部摩擦角を20°とした。この場合に、切断面も良好であり、作業効率も優れていた。
【0050】
試験結果5
図4に示す切断装置を使用して、細線の線方向の運動速度VXと、細線の移動速度VYとの速度比VX/VYを変化させて成形体を切断し、その切断面を評価した。本実施例においては、線径が45μmである細線を使用した。また、成形体の粘着力を9(kgf/cm2)とし、内部摩擦角を32°とした。その結果を下記表4に示す。但し、下記表4において、切断面の評価基準は第1実施例と同様とした。
【0051】
【表4】
Figure 0003672707
【0052】
上記表4に示すように、速度比VX/VYが0.3以上で切断面が良好となった。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、線条材を一方向に運動させつつ、この線条材を粘土質成形体に対して相対的に移動させる切断方法を使用すると共に、前記粘土質成形体の粘着力及び内部摩擦角を適切に規定しているので、優れた作業効率で成形体を切断することができると共に、優れた切断面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る粘土質成形体の切断方法を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る粘土質成形体の切断方法を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る粘土質成形体の切断方法を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施例に係る粘土質成形体の切断方法を示す図である。
【符号の説明】
1:成形体
2:台
3:凹部
11、21:巻き取りロール
12、13、22、23:ガイドロール
14、24:送り出しロール

Claims (6)

  1. 線条材をその長手方向に沿って一方向に運動させつつ、前記線材と粘土質成形体とを相対的に移動させることにより、前記粘土質成形体を切断する方法であって、前記粘土質成形体の粘着力は0.1(kgf/cm)以上であると共に、前記粘土質成形体の内部摩擦角は80゜以下であることを特徴とする粘土質成形体の切断方法。
  2. 前記線条材の運動方向と、相対的移動方向とのなす角度が5乃至85゜であることを特徴とする請求項1に記載の粘土質成形体の切断方法。
  3. 前記線条材の運動速度Vxと、相対的移動速度Vyとの比Vx/Vyが、0.3乃至3500であることを特徴とする請求項1に記載の粘土質成形体の切断方法。
  4. 前記比Vx/Vyは2.5以上であることを特徴とする請求項3に記載の粘土質成形体の切断方法。
  5. 前記線条材は、その断面における最大幅が350μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粘土質成形体の切断方法。
  6. 前記線条材は、送り出しロールから巻き解きつつ、巻き取りロールに巻き取ることによりその長手方向に沿って一方向に運動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の粘土質成形体の切断方法。
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