JP2005088249A - 竹粒物または竹片の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が従来の方法よりも簡単でかつ効率良くでき、生産性を高めるようにする竹粒物の製造方法を提供する。
【解決手段】竹の薄板体を形成し、少なくとも切断時において刃先の方向が互いに所要角度で傾斜した一対の刃体40,41の一方または双方を動かすことにより薄板体1に剪断力を加え、竹の繊維と交差する方向に切断しながら、切断のために刃体が移動する力によって、除去される部分を順次粒状化または片化する。
【選択図】図3

Description

本発明は竹粒物または竹片の製造方法に関する。更に詳しくは、竹状物または竹片の製造が従来の方法よりも簡単でかつ効率良くでき、生産性を高めたものに関する。
従来から被処理物の表面に付着した汚れや錆の除去、塗装面の下処理、バリ取り等の作業等では、ブラスト処理が広く用いられている。ブラスト処理では、一般的に砂や金属等の粒状物が投射材として使用されている。
しかし、薄手の金属やプラスチックの成形品等、比較的強度の弱いものを被処理物とする場合では、表面に打痕がついてしまうことがあるので軟質の投射材が使われる。このような軟質の投射材のひとつとして、近年、竹を粒状にしたものが提案されている。(例えば、特許文献1)
特開2000−210869号公報
上記公報によれば竹粒物は、(1)竹を長手方向に長く、かつ断面がほぼ一様な籤(線状体)に成す工程と、(2)該籤を束と成す工程と、(3)該籤束を所定長さに切断する工程の3工程を経ることにより製造されている。具体的には、竹を長手方向に厚手のナイフ等で裂いて複数本の長い竹籤を形成し、この竹籤を束にして、該竹籤の束を丸鋸で切断することにより製造されている。
しかし、上記した従来の竹粒物の製造方法には、次のような課題があった。
即ち、上記公報記載の方法では、竹を一旦竹籤に形成する工程が必要であった。上記公報においては、「竹の割裂性を利用して、竹を長手方向に長くかつ断面がほぼ一様な籤に成す」として、あたかも簡単に竹籤が形成できるよう記載してあるが、一般的に竹籤は、まず、丸竹の長さ方向に裂いて丸竹自体の厚みを有する所要幅の板状体を形成し、板状体をスライスして複数枚の薄板体を形成し、その後更に、薄板体を長さ方向に裂いて複数本の竹籤にする等、多くの工程を経なければ丸竹から形成できず、製造は簡単でない。つまり、従来の竹の粒状化方法は、多くの手間がかかるものであった。
更には、竹籤を束にして、該竹籤の束を丸鋸で切断していたので、丸鋸の厚み分だけ鋸屑が発生し、材料の無駄が多かった。また、発生した鋸屑の処理も必要であった。
(本発明の目的)
本発明の目的は、竹粒物または竹片の製造が従来の方法よりも簡単でかつ効率良くでき、生産性を高めることができるようにする、竹粒物または竹片の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、材料の無駄が減らせる、竹粒物または竹片の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
竹の薄板体を形成し、少なくとも切断時において刃先の方向が互いに所要角度で傾斜した一対の刃体の一方または双方を動かすことにより薄板体に剪断力を加え、竹の繊維と交差する方向に切断しながら、切断のために刃体が移動する力によって、除去される部分を順次粒状化または片化することを特徴とする、
竹粒物または竹片の製造方法である。
第2の発明にあっては、
竹材の割裂性を利用して竹粒物または竹片を製造する方法であって、
竹材の繊維に対して交差した刃体により剪断力を加え、竹材の繊維を切断すると共に前記剪断力によって竹材を割裂させることを特徴とする、
竹粒物または竹片の製造方法である。
第3の発明にあっては、
竹材の割裂性を利用して竹粒物または竹片を製造する方法であって、
竹材の繊維に対して交差すべく配置された刃体により負荷を与え、竹材の繊維を斜め切りで切断すると共に前記負荷によって竹材を割裂させることを特徴とする、
竹粒物または竹片の製造方法である。
本発明において竹材は、例えば、丸竹を長さ方向に裂いて丸竹自体の厚みを有する所要幅の板状体を形成し、板状体をスライスして薄板状に形成したもの等が使用できるが、これは限定するものではない。竹材(薄板体)の厚みは、特に限定するものではないが、あまり厚いと刃体が移動する力または剪断力による粒状化または片化または割裂ができ難くなるので、2mm以下程度に設定されることが好ましい。
刃先の形状は、特に限定するものではなく、直線状のもの以外に、例えば、略「V」字型状のもの、略「U」字型状のもの、波形(ノコギリ刃)状のもの等が使用可能である。例えば、略「V」字型状のものを使用した場合では、竹材の端側から切断することもできるし、端部でない部分(中央部等)から切断することもできる。
本発明により製造した竹粒物や竹片の使用用途は、特に限定するものではないが、例えば、ブラスト用の投射材、モルタルやコンクリートの骨材、和紙等に漉き込む装飾材、壁に塗る材料(土、漆喰、珪藻土等)に混合する材料、内外装を構成するパネル材に混合する材料、炭化させてつくる消臭材、アスファルトや塗料に混合してつくる路面や床面の滑り止め材、きのこの培地材料、研磨材等を挙げることができる。
本発明に係る竹粒物または竹片の製造方法は、例えば、竹材を保持する保持手段と、竹材を切断する切断手段と、保持手段で保持された竹材を切断手段側へ間欠的に送る送り手段とを備えており、切断手段は、少なくとも切断時において刃先の方向が互いに所要角度で傾斜する一対の刃体を有し、刃体の一方または双方を動かすことにより、送り手段によって送られた竹材に剪断力を加え、竹材の繊維と交差(または直交)する方向に切断しながら、切断のために刃体が移動する力によって、除去される部分が順次粒状化または片化できるよう構成してある竹粒物製造装置や、竹材を保持する保持手段と、竹材を切断する切断手段と、刃体の一方または双方を動かす移動手段と、保持手段で保持された竹材を刃体側へ間欠的に送る送り手段と、送り手段を所定方向へ案内するための案内手段を備えており、切断手段は、少なくとも切断時において刃先の方向が互いに所要角度で傾斜する一対の刃体を有し、移動手段によって刃体の一方または双方を動かすことにより、送り手段によって送られた竹材に剪断力を加え、竹材の繊維と交差(または直交)する方向に切断しながら、切断のために刃体が移動する力によって、除去される部分が順次粒状化または片化できるよう構成してある竹粒物製造装置等によって実施可能である。
(作 用)
本発明に係る竹粒物または竹片の製造方法によれば、竹粒物または竹片は次の手順で製造される。
竹の薄板体を形成する。そして、少なくとも切断時において刃先の方向が互いに所要角度で傾斜した一対の刃体の一方または双方を動かすことにより薄板体に剪断力を加え、竹の繊維と交差する方向に切断しながら、切断のために刃体が移動する力によって、除去される部分を順次粒状化または片化する。
また、竹材の繊維に対して交差した刃体により剪断力を加え、竹材の繊維を切断すると共に前記剪断力によって竹材を割裂させる。
更に、竹材の繊維に対して交差すべく配置された刃体により負荷を与え、竹材の繊維を斜め切りで切断する共に前記負荷によって竹材を割裂させる。
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
本発明によれば、刃体により繊維と交差する方向に剪断力または負荷を加えて、竹の薄板板または竹材を切断するだけで、切断しながら除去される部分を、切断のために刃体が移動する力または前記剪断力または前記負荷によって粒状化または片化できるので、竹粒物または竹片の製造が従来の方法よりも簡単でかつ効率良くでき、生産性が高い。
本発明によれば、切断のために刃体が移動する力または剪断力または負荷によって、切断しながら除去される部分を粒状化または片化できるので、竹粒物または竹片の製造に際して鋸屑等が発生することがなく、従来の方法よりも材料の無駄が軽減できる。
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は竹粒物製造装置の一実施例を示す正面図、
図2は図1に示す竹粒物製造装置の側面図、
図3は竹の薄板体を切断して竹粒物を製造する状態を示す要部拡大説明図、
図4は図3に示すA−A断面図である。
竹粒物製造装置Tは基台10を備えている。基台10は山形鋼(アングル)を組み合わせて枠組し、天部に天板100を備えて構成されている。
天板100上の両端側(図1の左右側)には、支持部材である軸支持台11,12が所要間隔をもって設けられている。軸支持台11,12間には案内手段である送りガイド軸20が架け渡されている。送りガイド軸20は図1における前後(奥行き)方向において、所要間隔を設けて二本設けられている(図では重なっているため一本しか見えない)。
送りガイド軸20には、送り手段である送り台21が軸線方向(長さ方向)に摺動して移動可能に設けられている。送り台21の送りのための機構は、旋盤等で用いられているボールネジを使ったものと同じ構造のものを用いているので説明は省略する。なお、送り台21の送りの機構はこれに限定するものではない。
送り台21の上部には、竹の薄板体1の一端側を固定するための保持手段である固定台23が設けられている。また、送りガイド軸20の所要位置(図1においては送りガイド軸20の中央部より右側寄りの位置)には、竹の薄板体1の所要部分を載せて支えるための載置体22が固定して設けられている。
軸支持台12側の送りガイド軸20下方には、一方の刃体である下刃40を所定高さの位置に固定するための下刃固定台30が設けられている。下刃固定台30は、送りガイド軸20に当たらないようにして天板100より垂設されている。
下刃固定台30の上部には、下刃40が刃部を軸支持台12側に向けて着脱可能に固定されている。下刃40は、刃先が上端部に位置するように固定してあり、上面にはすくい面400が設けられている(図4参照)。下刃40は、図2に示すように側面視において刃先が直線形状を有するものを略水平になるように設定している。
また、軸支持台12を挟んだ両外側の二箇所(図1においては手前側と奥側)には、所要長さを有する昇降ガイド軸50,51がそれぞれ垂設されている。昇降ガイド軸50,51の上端部には、枠構成体52が架設されている。枠構成体52の中央部には、流体アクチュエーターであるエアシリンダー53が設けられている。エアシリンダー53はロッド530が下方に突出するように設けられている。
昇降ガイド軸50,51間には、昇降体54が軸線方向(長さ方向)に摺動して移動可能に架け渡されている。昇降体54は、ロッド530の先端と固着してあり、ロッド530が進退することによって上下方向に追従して昇降する。昇降体54の昇降速度は任意に設定可能である。昇降ガイド軸50,51、枠構成体52、エアシリンダー53、昇降体54は移動手段を構成する。
昇降体54の側面には、他方の刃体である上刃41が着脱可能に固定されている(図2参照)。上刃41は、昇降体54が下降したときに、下刃40の刃先に対して所要の傾斜角度でもって実質的にすり合うよう設けられている(本実施の形態の欄では、下刃40の刃先に対する上刃41の刃先の傾斜角度を図3において符号ωで示している)上刃41は、下刃40の刃先に対しての傾斜角度の調整が可能である。
また、上刃41の刃先は、厚み方向に所要の刃先角を有するよう形成されている(刃先角は図4において符号βで示している)。
本実施の形態において上刃41は、図2に示すように側面視において刃先が直線形状を有するものを使用している。
昇降体54には、切断時において薄板体1の横方向へのずれを防止するための押さえ装置55が設けられている。押さえ装置55は、エアシリンダー550とロッド551を備えている。ロッド551の先端には板状の押さえ板552が設けてある。ロッド551は、エアシリンダー550内外に進退可能であるが、エアシリンダー550内の空気圧により常態で下向きに伸びた状態を維持するようしてある。
上刃41と下刃40が設けられた箇所の下方には、所要長さの筒形状を有するシューター60が、天板100を貫通して設けられている。シューター60の下端部はやや窄まるよう形成されている。シューター60は、切断されて落下してきた竹粒物を内部に通して案内するものである。シューター60の下端部の下方には、竹粒物を溜めるための容器61が設けられている。
符号70は竹粒物製造装置Tの各部の動きを制御する制御盤を示している。また、符号80はエアシリンダー53やエアシリンダー550等に作動流体である圧縮空気を供給するためのコンプレッサーを示している。
本実施の形態において昇降体54や押さえ装置55を作動させる流体機器(流体アクチュエーター)は空気を媒体とするものを使用したが、これは限定するものではなく、例えば、液体(油、その類似物等)を媒体とするもの(油圧シリンダー等)を使用することもできる。
本実施の形態において上刃41と下刃40は、互いに刃先が実質的にすり合う関係の位置に設けたが、これは限定するものではなく、例えば、上刃と下刃は、両刃先の間に若干の隙間(クリアランス)が設けられた状態で設定することもできる。しかし、隙間はあまり広くすると切断面がちぎれたようになり竹粒物の形状安定性が損なわれるので、0.5mm以下に設定することが好ましいようである。
本実施の形態において下刃40は、刃先が直線形状を有するものを略水平になるように設定したが、これは限定するものではなく、例えば、刃先は直線状でないものを使用することもできるし、また、下刃40の刃先は水平でなく傾斜した状態で設定することもできる。
また、上刃41についても、刃先が直線形状を有するものを使用したが、これも限定するものではなく、例えば、上刃41の刃先は外縁部が円弧形状に形成してあり、下刃40の刃先に対する傾斜角度が上刃41の移動位置によって変化するようなものでも使用できる。
本実施の形態において上刃41は、昇降体54によって上下方向に昇降するよう設定したが、これは限定するものではなく、下刃40に対して所要の傾斜角度をもつようにできれば、例えば、横方向、斜め方向、円弧方向に移動するように設けることもできる。
また、本実施の形態では下刃を固定して上刃のみが移動するようにしたが、これも限定するものではなく、例えば、下刃のみが移動するようにもできるし、上刃と下刃の両方が移動できるようにすることもできる。
本実施の形態では上刃と協働して薄板体1を切断するものとして下刃40を使用したが、これは刃物であることに限定するものではなく、上刃と協働して薄板体1を切断することができれば、例えば、刃を備えていないものでも良い。
(作 用)
竹粒物製造装置Tを使用して、繊維方向が長さ方向と平行な竹の薄板体1から竹粒物を製造する方法について説明する。
なお、薄板体1は、丸竹を繊維方向に割り裂いて形成したものであり、厳密に所定の大きさになるように形成したものではない。薄板体1の大きさは、具体的な一例として約幅10mm、板厚1mm、長さ400mmのものを挙げることができるが、これは任意に設定可能であり、特に限定するものではない。
[前準備]
まず、竹粒物製造装置Tに取り付けて加工する薄板体1の大きさと、製造する竹粒物の大きさ(詳しくは、送り台21の送り幅)を示す数値を制御盤70に入力する。例えば、上記した大きさを有する薄板体1の場合では、1mmの送り幅が設定されることが多いが、これは任意に設定可能であり、特に限定するものではない。しかし、送り幅の値を大きくすると、切断して除去される部分に剪断力が与えられても粒状化でき難くなり、竹粒物が製造でき難くなるので、薄板体1の板厚にもよるが一般的には2mm以下に設定されることが好ましいようである。
制御盤70にこれらの数値が入力されると、送り台21が送りガイド軸20に沿って対応する所定位置に移動する。
薄板体1は、繊維方向(長さ方向)と下刃40及び上刃41の刃先とが略直交するように、一端側を下刃40の上面上に載せ、他端側を固定台23に固定して竹粒物製造装置Tに取り付けられる。このとき薄板体1は載置体22上にも載っている。
[実作業]
制御盤70のスタートボタンを押す。スタートボタンを押すと送り台21が送りガイド軸20に沿って軸支持台12の方向に所要距離(制御盤70に入力した製造する竹粒物の大きさ)移動し、薄板体1の先端が送り台21の移動距離の分だけ下刃40の刃先より突出した状態となる。
続いて昇降体54が昇降ガイド軸50,51に沿って下降する。昇降体54が下降することにより、まず、押さえ装置55に設けられている押さえ板552が薄板体1に当たる。そして、更に昇降体54が下降することにより、押さえ板552が薄板体1に当たった状態のままロッド551がエアシリンダー550内に収容されるようになる。これにより薄板体1は、ロッド551の伸びようとする力により動かないように押圧される。
薄板体1が押さえ装置55によって動かないよう押圧された状態で昇降体54が下降することにより、薄板体1の下刃40の刃先より突出した部分が、上刃41と下刃40の刃先で挟まれて切断される。
上刃41と下刃40による薄板体1の切断について更に詳しく説明する。
上刃41と下刃40は、共に刃先が直線形状を有しており、下刃40の刃先が略水平に、上刃41の刃先が下刃40の刃先に対して所要の傾斜角度(図2では右側から左側に向かって下り傾斜している)でもって設けられているので、薄板体1には幅方向の一端側から、いわば点接触の状態で当たり始め、剪断力が加わることでこの部分から切断される(図3参照)。
薄板体1は、竹特有の繊維方向に割れやすいという割裂性を有しており、竹粒物製造装置Tには、繊維方向と刃物(上刃41及び下刃40)の刃先とが略直交するように固定してある。従って、幅方向の一端側の上方に上刃41の刃先が当たって下向きの剪断力がかけられると、幅方向の一端側が下刃40と協働して挟まれて切断されると共に、この上刃41が下降する力によって、上刃41によって切断されて除去される部分にも図3において符号90や91で示す力が加えられたと考えられ、この部分の繊維が所要幅で順次割れて粒状化される。
詳しくは、この除去される部分における粒状化は、まず、上刃41の刃先が薄板体1の表面に当たり下向きの剪断力が加えられて切断され、これと共に切断されて除去される部分に、上記剪断力によって符号90で示す引っ張り力と、上刃41が下降して刃角をなす面が押すことによって符号91で示す剪断力が発生して加えられているからであると思われる。
つまり、竹粒物製造装置Tによれば、繊維方向と刃体の刃先とが略直交するように薄板体1を切断するだけで切断のみならず、竹の割裂性を利用して竹粒物の製造も同時にできる。
この場合、上刃41において下刃40の刃先に対する傾斜角度は、特に限定するものではないが、大きく設定すると下刃40と共に薄板体1が挟めず切断できなくなり、または切断できても薄板体1がつぶされて形状が不揃いになり易いので、一般的には5°〜30°以下に設定されることが好ましいようである。
また、上刃41の刃先角についても特に限定するものではないが、鋭角になると切断されて除去される部分が押し難くなって粒状化し難くなると思われるし、また、刃先の強度が低下し工具寿命も短くなるので、一般的には45°〜85°の範囲内で設定されるのが好ましいようである。
更には、上刃が下降する際の速度についても特に限定するものではないが、速すぎると上刃41によって切断されて除去される部分が所要幅で粒状化されずに、薄板体が上刃と下刃によって切断されてしまうので、一般的に200mm/sec以下に設定されることが好ましいようである。
切断されてできた竹粒物は、落下してシューター60の内部を通り、容器61に集められる。
上刃41が下降して対応した部分の薄板体1を切断し終わると、エアシリンダー53のロッドが縮んで昇降体54、上刃41及び押さえ装置55が上昇し、薄板体1の押圧状態は解除される。
そして、送り台21が送りガイド軸20に沿って再び軸支持台12の方向に所要距離移動して、薄板体1を下刃40より突出させて、昇降体54が昇降ガイド軸50,51に沿って下降する。これにより上記同様に薄板体1は、下刃40の刃先より突出した部分が切断される。この工程は薄板体1がある程度短くなるまで複数回繰り返される。
竹粒物製造装置Tによれば、薄板体1を上刃41と下刃40とで挟んで切断すると共に、この上刃41が下降する力によって、上刃41によって切断されて除去される部分に剪断力を与えて竹粒物にすることができるので、竹粒物の製造に際して鋸屑等が発生することがなく、従来の方法よりも材料の無駄を減らすことができる。なお、切断や粒状化による割れの際には、多少、竹の粉状体が発生することがあるが、丸鋸等で切断した際の鋸屑よりも極めて少ない量であるので問題にはならない。
また、竹粒物製造装置Tでは、押さえ装置55によって薄板体1が動かないように押圧された状態で切断されるので、製造する竹粒物の形状が揃え易い。
[実施例1]
繊維方向が長さ方向と平行な竹の薄板体1を竹粒物製造装置Tで粒状化した。
本実施例においては、薄板体1は、約幅10mm、厚み1mm、長さ400mmの大きさのものを使用した。上刃41は刃先角85°のものを使用した。また、上刃41の下降速度は170mm/secに設定した。更に、薄板体1の送り幅は1mmに設定した。
上記条件の下、上刃41における下刃40の刃先に対する傾斜角度を5°、10°、15°、20°と変えてそれぞれについて竹粒物を製造した。竹粒物は表1に示すような状態のものが製造された。竹粒物は篩をかけることによって粒の大きさ別に分類した。
Figure 2005088249
(結果1)
得られた竹粒物は、上刃41がいずれの傾斜角度を有する場合でも、粒の大きさにある程度のばらつきが生じた。
傾斜角度を10°〜20°に設定した場合の竹粒物は、0.71mm〜1.40mmの範囲内に収まる大きさのものが占める割合が高かった。例えば、傾斜角度が10°の場合では、製造された竹粒物のうち66.2%のものが上記範囲内に収まっていた。同様に傾斜角度が15°の場合では77.0%のものが、傾斜角度が20°の場合では75.8%のものが上記範囲内に収まっていた。
[実施例2]
次に、上刃41の刃先角を70°、75°、80°、85°と変えてそれぞれについて、上記した薄板体1から竹粒物を製造した。このときの上刃41の傾斜角度は15°に設定した。また、上刃41の下降速度は170mm/secに設定した。薄板体1の送り幅は1mmに設定した。竹粒物は表2に示すような状態のものが製造された。
Figure 2005088249
(結果2)
得られた竹粒物は、上刃41がいずれの刃先角を有する場合でも、粒の大きさにある程度のばらつきが生じた。
刃先角を70°〜85°に設定した場合の竹粒物は、0.71mm〜1.40mmの範囲内に収まる大きさのものが占める割合が高かった。例えば、刃先角が70°の場合では、製造された竹粒物のうち59.6%のものが上記範囲内に収まっていた。同様に刃先角が75°の場合では70.3%のものが、刃先角が80°の場合では62.9%のものが、刃先角が85°の場合では77.0%のものが上記範囲内に収まっていた。
(考 察)
竹の竹粒物は、一定の大きさのものが揃って製造されるわけではなく、大きさにある程度のばらつきが生じた状態で製造されることがわかった。また、竹粒物は、ある範囲に収まる大きさを有するものが高い割合で含まれるよう製造できることもわかった。このことは言い換えれば、ある程度大きさが揃ったものが高い割合で含まれるよう製造できるということである。例えば、上記した実施例の場合では、0.71mm〜1.40mmの範囲内に収まる大きさのものが占める割合が高い。これ位の大きさの竹粒物は、ブラスト用の投射材として好適な大きさである。つまり、竹粒物製造装置T及び竹粒物の製造方法よれば、薄板体1を切断するだけで、例えば、ブラスト用の投射材等として好適な大きさを有するものが高い割合で含まれた状態の竹粒物を製造することが可能である。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
竹粒物製造装置の一実施例を示す正面図。 図1に示す竹粒物製造装置の側面図。 竹の薄板体を切断して竹粒物を製造する状態を示す要部拡大説明図。 図3に示すA−A断面図。
符号の説明
T 竹粒物製造装置
1 薄板体
10 基台
100 天板
11 軸支持台
12 軸支持台
20 ガイド軸
21 送り台
22 載置体
23 固定台
30 下刃固定台
40 下刃
400 すくい面
41 上刃
50 昇降ガイド軸
52 枠構成体
53 エアシリンダー
530 ロッド
54 昇降体
55 押さえ装置
550 エアシリンダー
551 ロッド
552 押さえ板
60 シューター
61 容器
70 制御盤
80 コンプレッサー

Claims (3)

  1. 竹の薄板体を形成し、少なくとも切断時において刃先の方向が互いに所要角度で傾斜した一対の刃体の一方または双方を動かすことにより薄板体に剪断力を加え、竹の繊維と交差する方向に切断しながら、切断のために刃体が移動する力によって、除去される部分を順次粒状化または片化することを特徴とする、
    竹粒物または竹片の製造方法。
  2. 竹材の割裂性を利用して竹粒物または竹片を製造する方法であって、
    竹材の繊維に対して交差した刃体により剪断力を加え、竹材の繊維を切断すると共に前記剪断力によって竹材を割裂させることを特徴とする、
    竹粒物または竹片の製造方法。
  3. 竹材の割裂性を利用して竹粒物または竹片を製造する方法であって、
    竹材の繊維に対して交差すべく配置された刃体により負荷を与え、竹材の繊維を斜め切りで切断すると共に前記負荷によって竹材を割裂させることを特徴とする、
    竹粒物または竹片の製造方法。
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