JP3672590B2 - 無線機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、携帯電話・自動車電話システム等の移動通信システムにおける移動局として用いられる無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の移動通信端末の急速な普及に伴い、端末に対して小形化、軽量化、低価格化が要求されてきている。ダイレクトコンバージョン受信方式は、この様な低価格、小形の携帯端末の受信部を構成することが可能な受信方式として近年になって注目を集めている。
【0003】
以下にダイレクトコンバージョン受信機の構成について説明する。ダイレクトコンバージョン受信方式は受信した高周波(RF)信号を、これと同じ周波数を持つローカル発振器信号によってミキシングし、直接ベースバンドに周波数変換して元信号を復調する受信方式である。図31にダイレクトコンバージョン受信機の構成例を示す。アンテナ201より受信されたRF信号はRFフィルタ202を通過後、RFアンプ20で増幅され、2チャネルに分けられ、ミキサ(周波数変換器)204、207において、ローカル発振器206からの、RF信号と同じ周波数を持つ搬送波とミキシングされる。このローカル発振器は第1のミキサ204、及び90°移相器205を介して第2のミキサ207にそれぞれ接続されている。受信されたRF信号は第1、第2のミキサによって90°の位相関係にあるベースバンド信号に変換され、ローパスフィルタ210、211を通過後、ベースバンドアンプ212、213によって増幅され、例えば、検波器214等によって検波される。尚、ミキサの後段のACカップリング208、209はミキサで生じた直流成分によってアンプ212、213が飽和すること防ぐため、直流成分除去の目的で挿入してあるものである。また、移相器205は、RF信号パスに挿入しても同様の結果が得られることは良く知られている。
【0004】
ダイレクトコンバージョン受信方式は、RF信号を直接ベースバンドに周波数変換するため、中間周波数を持たず、原理的にイメージ応答が存在しないことにより、スーパーヘテロダイン方式のRF段に通常使用されているイメージ除去用の急峻なフィルタが不要であること、ベースバンドのチャネル選択用のフィルタがLSI化可能なこと、などの理由により近年のLSIの進歩とともに、受信器の小形化を実現できる受信方式として注目されている。
【0005】
さて、このダイレクトコンバージョン受信機のスーパーヘテロダイン方式と比較した場合の欠点として、一般に受信ダイナミックレンジが狭く、受信機としての線形性(歪特性)が良好でないという問題がある。これについて以下に説明する。
【0006】
一般に、受信機では、無線部の利得を上げると線形性(ダイナミックレンジ)が劣化し、耐干渉波特性や強入力信号(所望波)に対する受信特性が劣化する。ところが、ダイレクトコンバージョン受信機においては、無線回路の利得をスーパーヘテロダイン受信方式よりも高く採る必要がある。すなわち、ダイレクトコンバージョン受信機ではチャネル選択フィルタとなるべースバンドフィルタ210、211は、スイッチドキャパシタフィルタ(SCF)、もしくはジャイレータフィルタ(GF)などによって構成されるが、これらの能動フィルタは、小形化という点では優れているものの、スーパーヘテロダイン受信方式で通常使用されるセラミックフィルタや水晶フィルタ等の受動フィルタと比較して、雑音レベルが高いという問題がある。これらSCF、GFの雑音レベルによって受信部全体のNF(雑音指数)が劣化しないようにするためには、これらフィルタよりも前段の高周波回路、すなわちRFアンプ、ミキサなどで充分な利得を得る必要がある。従ってRFアンプ、ミキサ等の利得ブロックに要求される利得は、スーパーヘテロダイン受信機におけるRFアンプ、ミキサなどよりも、通常10〜20dB程度も大きくなる。さらに、ダイレクトコンバージョン受信機では、例えばダブルスーパーヘテロダイン方式のように、第1・第2IF周波数に相当する利得ブロック(IFアンプ等)が存在しないため、RFアンプ、ミキサの利得ブロックとして必要な得が大きくなり、RFアンプ、ミキサの負担は余計に大きいものとなる。
【0007】
さて、以上に述べた様に、ダイレクトコンバージョン受信機においては、広範囲な受信ダイナミックレンジを実現することが難しく、特に強電界の入力信号、干渉波に対する充分な体制を備えさせることがダイレクトコンバージョン受信機実用化への重要な課題と言える。
【0008】
一般に受信機のダイナミックレンジ、線形性を評価する指標・仕様としては、相互変調特性(隣接チャネル、次隣接チャネルへ干渉信号を入力した場合の受信性能を規定)、隣接チャネル感度抑圧特性(隣接チャネルへ干渉信号を入力した場合の受信性能を規定)などがある。
【0009】
非線形歪の次数という観点からは、一般に受信機回路で使用されるトランジスタやFET等の能動回路素子で生じる非線形歪のうち、3次の歪が問題になる。この3次歪は通常、相互変調特性として評価される。図32は相互変調特性を示す図である。強電界の干渉波2波(通常は所望波(1805)の隣接チャネルと次隣接チャネル)が入力された場合、この2干渉波の差周波数(1806)と同じ周波数離れた周波数に3次歪出力(1803、1804)が現れ、所望波1805に重畳し受信が不可能になる。
【0010】
次に、隣接チャネル感度抑圧特性について、図33を用いて説明する。図33で401は所望波信号、402が隣接チャネル信号である。隣接チャネル感度抑圧による受信感度劣化とは、隣接チャネル(403)に強電界の信号(干渉波:402)が入力された時、この信号により、高周波アンプ、ミキサ、ベーズバンドフィルタ・アンプ回路などの回路が飽和し、受信信号(401)帯域内に非線形歪みを生じて(混変調)、所望波対干渉波比(D/I)が劣化することや、隣接チゃネル信号(402)が、所望波(401)に重なって(404)、感度が劣化することを指す。通常、隣接チャネル感度抑圧特性は、隣接チャネル周波数にシステムで使用されている変調波を入力した場合に、どの程度まで強入力の干渉波まで受信特性が保たれるかを示すものであり、通常、受信機では、隣接チャネル感度抑圧特性(405:所望波と干渉波とのレベル差)として、60〜70dBが要求される。ダイレクトコンバージョン受信機で、この特性を満足するためにチャネル選択フィルタ(210、211)は隣接チャネルの減衰量として、70dB以上の特性を備えることが必要となる。ここで、チャネル選択フィルタで干渉波が十分に抑圧されれば、後段の回路(212、213)の非線形性は余り問題とはならない。しかし、チャネル選択フィルタの前段のRFアンプ(203)、ミキサ(204、207)への入力信号のうち、隣接チャネル・次隣接チャネル等の干渉波に対しては減衰が全く出来ないため、非常に強電界の干渉波がRFアンプやミキサに直接入力されることになる。したがって、所望の性能を満たす為には、これらの回路に対する線形性の要求は非常に厳しいものとなる。しかし、ダイレクトコンバージョン受信方式においては、スーパーヘテロダイン受信機で問題となる3次歪以外に、2次の歪が特に問題となる。これを図34によって説明する。図34で、振幅成分を持つ変調波(302)が、近隣する周波数に入力された場合である。ここで、2つの振幅変調周波数成分305と306を考えると、その2波の差周波数(303)の周波数(304)に2次歪出力(307)が現れる。これは、所望波(301)に重畳し、受信感度劣化を生じることになる。さらに、実際には、干渉波(302)の305、306に示した2信号成分以外に、帯域内の周波数成分のうちの、全ての2信号の組合わせで2信号の周波数差の2次歪出力が生じる。従って、図35の801に示す様に、直流周波数付近に干渉波(302)の帯域(802)の約2倍の帯域(803)の2次の非線形歪出力(801)が現れることになる。
【0011】
以上の説明より、2次の非線形歪は、干渉波の周波数(308)に依存せず、干渉波周波数が無線部の受信可能な帯域内であれば、隣接チャネルでなくとも、受信機の受信帯域内に振幅変調波が存在すれば、振幅変調成分の差周波数成分303の非線形歪がベースバンド所望信号帯域内に周波数変換されてしまうことになる(この様に干渉波の周波数に依存しない歪を一般に混変調歪という)。しかし、一般的には所望信号の周波数に最も近い、隣接チャネル干渉波によって生じる非線形歪が無線機のシステム設計上は最も大きい問題となる。
【0012】
次にミキサ回路で2次歪が生じる原因について説明する。図36は無線回路で通常使用されている公知のシングルバランスミキサである。この回路は、ローカル発振器入力VLOとRF信号入力VRFの乗算を行いVout に、
VLO×VRE
が出力される。ここで、トランジスタペア1701、1702の特性が全く同じで平衡が採れていれば、出力Vout には偶数の歪成分は現れないが、トランジスタペア1701、1702のバイアス電圧、負荷抵抗RL1704、1705の値が異なっていたり、ローカル入力部VLOが完全な平衡入力でない場合(1706と1707の配線長が異なっている場合)には、差動出力Vout に2次歪成分が現れる。
【0013】
この様な2次歪の影響は、従来のスーパーヘテロダイン受信機では問題とはなっていない。すなわち、スーパーヘテロダイン受信機のブロック図である図37でミキサ602によって周波数変換された後の信号周波数は、中間周波数(455KHz等)であり、図38で干渉波502の帯域内の2波(505、506)の差周波数503であるベースバンド周波数504に歪出力507が現れても、周波数変換された所望波501の周波数(509:中間周波数)と歪出力周波数504とが異なっているために、所望波帯域内に歪出力は存在しない。また、この2次歪出力は、ミキサ602後段のコンデンサ603の周波数特性510によって除去されてしまうため、この歪によって、ミキサ後段のベースバンドフィルタ604、検波器605が誤動作する心配も無い。
【0014】
同様な理由により、ダイレクトコンバージョン受信機に於いても、RFアンプの二次歪は通常問題とはならない。これは、図39に示すダイレクトコンバージョン受信機に於いて、図35の302の様な干渉波信号が入力されると、801の様な2次歪出力が生じるが、通常RFアンプ後段には直流カット用のコンデンサが挿入される為、801の様な低周波の歪出力は除去されてしまい、RFアンプでの二次歪はミキサ前段までに除去されてしまうからである。
【0015】
しかし、ダイレクトコンバージョン受信機のミキサで生じる二次歪は、削除することが出来ず、スーパーヘテロダイン受信方式には無い、ダイレクトコンバージョン受信機特有の問題と言える。
【0016】
さて、以上説明した混変調歪は、一般に振幅変調信号を取り扱うシステムにおいて問題となり、周波数変調信号を使用している無線通信システムにおいては、特に問題とはならない。
(文献: R.G Meyer, M.J.Shensa, R.Eschenbach :“Cross Modulation and Intermodulation in Amplifiers at High Frequencies”IEEE Journal of Solid -State Circuits, Vol.SC-7, No.1, pp.16-23 February 1972 参照)。
【0017】
しかし、近年携帯電話システムやコードレス電話システム等の無線通信システムで採用されている、π/4-QPSK 等の帯域制限を受けた線形変調方式では、信号成分に振幅成分を持っている為、FM、FSK等の定包絡線変調方式と比べて、混変調や相互変調を生じやすいという問題がある。この様な振幅成分を持つ変調方式が使用されている無線通信システムにおいては、ダイレクトコンバージョン受信機のミキサ回路は特に隣接チャネル感度抑圧特性を満足することが非常に困難になる。従って、混変調特性に弱いダイレクトコンバージョン受信機では、この様な無線通信システムでの使用に耐える為には、ミキサの2次の非線形歪出力をいかに減少させるかが重要な課題となっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
この様に、従来のダイレクトコンバージョン受信方式を用いた受信機においては、受信機の非線形回路、特にミキサの2次の非線形成分によってシステム帯域内に存在する干渉波の2次歪出力が周波数変換後のベースバンドの所望周波数帯に出力され、受信が困難になるという問題があった。従って、ダイレクトコンバージョン受信機を干渉波が存在する実電波環境下で使用する場合には、従来のスーパーヘテロダイン受信機に比べて、ミキサの非線形歪特性が問題となり、特に所望波に最も近接する周波数の干渉波、すなわち隣接チャネル干渉波入力時の歪特性を規定する隣接チャネル感度抑圧の仕様を満たすことが非常に難しいという課題があった。
【0019】
本願の第1の目的は、従来、スーパーヘテロダイン方式よりも、強信号入力時の非線形歪み特性が劣化しやすいと考えられていたダイレクトコンバージョン方式を対象として、2次歪特性の影響を受けずに良好な受信特性を得られるシステム構成とした無線機を提供することにある。
【0020】
本願の第2の目的は、上記第1の目的を達成するシステム構成に好適な試験信号発生器を搭載した無線機を提供することにある。
【0021】
本願の第3の目的は、上記第1の目的を達成するシステム構成に好適な回路構成の周波数変換回路を搭載した無線機を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本願の第1発明は、ディジタルもしくはアナログ信号で変調された高周波信号を伝送する無線通信システムに使用され、少なくとも、前記高周波信号の中心周波数とほぼ等しい周波数の基準信号を発生するローカル発振器と、前記ローカル発振器からの基準信号から、位相が相互に直交する第1及び第2の基準信号を得るための移相手段と、前記高周波信号と前記ローカル発振器からの基準信号とを乗算し第1および第2のベースバンド信号を得るための第1及び第2の周波数変換器と、前記周波数変換器出力を入力信号とし、前記入力信号に利得を与える第1及び第2のベースバンド回路と、前記ベースバンド回路の出力信号を復調するための復調器と、前記ベースバンド信号を入力とする周波数選択フィルタと、前記復調器に入力される信号の電界強度を測定する受信電界強度測定回路と、前記受信電界強度測定回路で測定された値に基づき、制御信号を発生する制御回路と、前記第1及び第2の周波数変換器に入力される試験信号を発生する試験信号発生回路とを供えた無線機において、所望信号を受信していない期間に、前記試験信号発生回路から発生された試験信号を前記第1、第2の周波数変換器に入力し、前記周波数変換器の出力成分のうち、所定の周波数成分の受信電界を測定し、前記受信電界強度の値に基づいて発生された制御信号によって、前記第1及び第2の周波数変換器の所定のパラメータを制御するという手段を有することを特徴とする。
【0023】
そして、この第1の発明で用いる所定のパラメータはローカル発振器から周波数変換器に供給される基準信号の位相及び振幅を可変とするものであることを特徴とする。
【0024】
上記第2の目的を達成するため、本願の第2発明は、無線信号を受信する受信部と、
受信部に入力することにより歪を検出することのできる試験信号を発生する試験信号発生器と、
無線信号と試験信号との入力を切り替える切替器と、
前記切替器を切り替えると共に、受信部からの信号から歪の量を検出し、検出結果に対し受信部の回路変更を行う機能を有する制御回路を
具備することを特徴する。
【0025】
そして、この第2の発明での試験信号発生器あるいはその一部に、送信回路あるいはその一部を用いることを特徴とする。
【0026】
また第2の発明において、上記試験信号が、無線機のローカル信号周波数に対して左右対称のスペクトルをもつことを特徴とする。
【0027】
上記試験信号のスペクトラムをベースバンドに変換したときの周波数が、無線信号のボーレートfsに対して、fs×2L=(f2−f1)×M×(M+N)/N(f1,f2,L,M,Nは整数)となるような2つの周波数f1、f2であることを特徴とする。
【0028】
上記第3の目的を達成するため、本願の第3発明は、第1の構成では、少なくとも一組のトランジスタ差動対を具備し、前記1つまたは複数の差動対に平衡入力される第1の信号と平衡または不平衡入力される第2の信号により、信号の混合が行われる回路において、前記第1の信号が入力される平衡入力端子の一方もしくは両方に位相が可変な回路と利得が可変な回路の一方もしくはその両方が具備されている周波数変換回路を有することを特徴とする。
【0029】
第2の構成では、少なくとも一組のトランジスタ差動対を具備し、前記1つまたは複数の差動対に平衡入力される第1の信号と平衡または不平衡入力される第2の信号により、信号の混合が行われる回路において、前記第1の信号が入力される平衡入力端子の一方もしくは両方に位相が可変な回路と振幅の大きさを制限することが可能な回路の一方もしくはその両方が具備されている周波数変換回路を有することを特徴とする。
【0030】
第1または第2の構成において、前記可変位相回路及び前記可変利得回路の可変量が電気的な制御信号によって変化することを特徴とする。また、前記周波数変換回路の後段に具備され、前記周波数変換回路で発生する偶数次の歪み信号を検出する回路と前記検出回路の出力信号を入力し、前記偶数次の歪み信号の出力を小さくするように前記可変位相回路または前記可変利得回路のどちらか一方もしくはその両方へ電気的な制御信号を送る回路を具備することを特徴とする。
【0031】
また、第3の構成では、少なくとも一組のトランジスタ差動対を具備し、前記1つまたは複数の差動対に平衡入力される第1の信号と平衡または不平衡入力される第2の信号により、信号の混合が行われる回路において、前記信号の混合が行われる回路を流れる直流電流もしくは前記信号の混合が行われる回路を構成する素子にかかる直流電圧が、外部から入力される制御信号により変化することができる機構が具備されている周波数変換回路を有することを特徴とする。
【0032】
【作用】
本願の第1発明によれば、従来、スーパーヘテロダイン方式よりも、強信号入力時の非線形歪み特性が劣化しやすいと考えられていたダイレクトコンバージョン受信機においても、2次歪特性の影響を受けずに良好な受信特性を得られるという作用がある。
【0033】
本願の第2発明によれば、歪を検出することのできる試験信号を受信部に入力し、受信部からの信号から歪の量を検出し、検出結果に対し受信部の回路変更を行うことにより、歪の原因となっている素子のばらつきを補償して、歪を抑制することができる。
【0034】
本願の第3発明によれば、所望波の周波数に近接し、アンテナと周波数変換器の間に具備されるフィルターで遮断できない干渉信号により生じ、ダイレクトコンバージョン方式では問題になるベースバンド周波数の歪み信号を低減でき、受信機のICRの劣化を防ぐ作用がある。
【0035】
【実施例】
図1は本願の第1発明による携帯無線機を説明するための図である。受信信号は、ミキサ104、107でIQチャネルに周波数変換された後、ベースバンド処理を経て、復調される(114)。本発明が適用された携帯無線機においては、115は歪出力検出回路で検出された歪出力レベルによって、ミキサ104、107のパラメータを変え非線形特性の改善を図る。ここで、2次歪を低減する為に、ミキサで可変にするパラメータとしては、図2に示す様に、ローカル平衡入力の部分の位相(1901)、負荷抵抗(1902)の値、ミキサの差動対のバイアス電圧(1901)などがある。ここで、このパラメータをミキサの差動対のバイアス電圧であることを想定し、バイアス電圧制御(1901)によりミキサの線形化を行う場合を例にとって、本発明に於けるミキサのパラメータ制御手順を説明する。但し、ミキサでは図3(b)のように入出力がなされる場合、図3(a)のように所望信号出力1201、歪出力1202が熱雑音1203に対し現われるものとする。
【0036】
まず、ミキサで歪みが生じたとして、ミキサでの出力歪を検出し、レベルを測定する回路(図1の115)について説明する。図4は115の歪出力検出回路の動作を説明するための図である。図4は、図1のベースバンドアンプ(112、113)の出力信号を表しており、斜線部分は、ベースバンドアナログ回路から出力される熱雑音成分、903はベースバンドフィルタの周波数特性によってベースバンド付近で高くなっている熱雑音成分、906の部分はフラットな熱雑音成分を示している。ここで、歪を発生させる為の試験信号として図5(a)に示す様な周波数スペクトラムを持つ周波数fmなる正弦波で振幅変調された試験信号を考える(この試験信号の発生手段については後述する)。この試験信号をミキサ104、107のRFポートに入力し、ローカルポートに入力されるfcなる搬送波とミキシングを行うと、搬送波成分fc通しが乗算されることになる為、0周波数(直流成分)に901なる出力が現れる。この他に、ミキサの2次の非線形性によって、fmなる周波数に2次歪出力902が現れる。ここで、この直流成分は図1の108、109なるACカップリングコンデンサによって除去することが出来るので(904)、902の歪出力をフィルタ905によって取り出せば、ミキサ108、109によって生じた歪出力のレベルを検出することが出来る。尚、この例ではベースバンドアンプ(112、113)出力から歪み検出を行うこととして説明したが、出力レベルが十分に大きければベースバンドフィルタ(110、111)出力を取り出しても良い。
【0037】
図6は歪出力を検出し、ミキサのパラメータ制御を行う回路をより詳しく説明するためのブロック図である。ミキサ(1407、1408)により周波数変換されたベースバンド信号は、チャネル選択フィルタ1401、ベースバンドアンプ1402通過後にディジタルに変換され(1403)、最適フィルタ(ディジタルフィルタ)1404に通される。この最適フィルタ1404は、例えばπ/4-QPSK 信号に対しては、受信ルートロールオフフィルタなどが用いられる。1405は歪検出回路で、図4で説明した様な方法で歪出力を取り出して歪出力レベルを測定する。歪出力レベルを測定する為には、例えば、Iチャネル(1412)とQチャネル(1413)の信号に対して、I2 、Q2 なる演算を行なえばよく、また両チャネル総合の歪出力レベル検出のためには、
√(I2 +Q2
なる演算を行えばよい。この演算によってレベル検出を行った後は、この検出値を用いて制御回路(1406)で演算を行い、ミキサ1407、1408に対する可変パラメータの値を設定し、本設定値を持って前記ミキサの制御を行う。ここではこのレベル検出処理がディジタルであったため、D/A変換(1409)後にミキサの制御を行っている。
【0038】
さて、この時IQチャネルミキサ(1407、1408)の非線形特性は一般に独立であるため、各ミキサのバイアス制御(1410、1411)はそれぞれ独立に行う必要があり、フィードバックループは2系統必要になる。しかし、一般に同一チップ内に作られたミキサ回路が同特性の素子バラツキを示すことは、良く知られているところであり、このような場合には、同じ制御による1系統のフィードバックループで済ませることも出来る。
【0039】
次に図7を用いて、本発明による、ミキサで試験的に2次歪を発生させる為の検査用の信号(干渉波)を無線機内部で発生する方法について説明する。本発明による携帯無線機においては、送受信状態以外の期間に試験信号をミキサのRFポートに入力し、試験的に二次歪を生じさせ、そのレベルを検出する操作を行う。ここでは、振幅変調波を試験信号とする場合について述べる。図7で周波数fcのローカル発振器(1304)は、ミキサ(1302)のローカル入力ポートに入力されるほか、振幅変調信号発生器(1305)にも入力される。この振幅変調信号発生器は、周波数fmの変調信号発生器(1307)とミキサ回路(1306)よりなっている。このローカル発振信号fcの変調信号発生器fmとの乗算によって図5(a)に示す様な、搬送波周波数fc(1504)を中心としてfm離れて2波(1505、1506)が立つ様な振幅変調信号が生成される。この試験用の振幅変調信号は、アッテネータ(減衰器:1308)によって、適正レベルに変換された後、スイッチ1309を介して、ミキサ(1302)のRFポートに入力される。尚、スイッチ1309は、試験信号をミキサに入力する場合には、図7のA側に倒れ、通常の受信状態にはB側に倒れる。この様な振幅変調波を入力した場合のミキサの出力は、図5の(b)の様になる。すなわち、ローカル発振器の搬送波周波数fc通しの乗算によって生じた直流成分(1501)と、1504と1505との差周波数、1504と1506との差周波数に拠って、ベースバンドの周波数fmに生じる二次歪出力(1502)と、さらに1505と1506との差周波数に拠ってベースバンドの周波数2fmに生じる二次歪出力(1503)を生じる。ここで、ミキサ(1302)の出力側は、コンデンサ(1310)によってACカップルされているので、実際には、1502なる二次歪出力のみが取り出されることになる。また、ディジタル信号処理部のディジタルフィルタリングによってfmの周波数成分2・fm(1503)は除去することが出来る。尚、図7でバッファアンプ(1303)は振幅変調信号発生器(1305)で生成された振幅変調信号が、ミキサ(1302)のローカルポートに回り込まない様にする為に挿入したものであって、特にこの心配がない場合には省略しても良い。
【0040】
また、ここでfmに生じる出力レベルが高く、この成分でミキサ(104、107)後段のベースバンドフィルタ(110、111)が歪み、ミキサで生じた歪とベースバンドフィルタで生じた歪が区別できなくなる場合には、図5の様な試験信号は使用出来ない。この様な場合には、試験信号として自チャネル(2005)の隣接チャネル周波数(2001)に、信号帯域よりも狭い周波数間隔(2004)のCW2波(2002、2003)を生成させればよい(図8(a))。この試験信号であれば、ミキサ出力の2次歪は図8(b)に示す周波数(2006:2004と同じ周波数)に出力されるため、他の信号成分はベースバンド帯域内に現れず、ミキサ後段のベースバンドフィルタ(110、111)やベースバンドアンプ(112、113)が歪んでミキサで生じた歪とベースバンド回路で生じた歪が区別出来なくなる心配は無い。
【0041】
次に、本発明を実現するための制御手順に付いて説明する。図9は図2に示す回路で差動トランジスタペア(1903、1904)の各トランジスタのバイアス電圧(VB)を変化させて、2次歪出力が最小になるようにすることを目的とした場合の制御手順を説明するための図である。図9で1601は設定されたVB電圧の値と歪出力検出回路(115)で検出された二次歪出力との関係を現す曲線の例である。今、設定されたVB電圧(▲2▼)によって歪出力がBであった場合に、予め設定されたステップサイズ(1602)だけ、VB電圧を低い方向もしくは高い方向に変化させ、再度二次歪出力を検出しレベルを測定する。もしもVB電圧を高い方向に1ステップ分(1602)だけずらし、▲3▼とした時には歪出力はCとなり、B>Cであるから、次は同じ方向にもう1ステップVB電圧を高く設定し、▲4▼の値として二次歪出力を測定する。今度はD>Cであるので、最小の二次歪を与えるVB電圧▲3▼を最適値とする。
【0042】
もしも、最初のVB電圧(▲2▼)によって歪出力がBであった場合に、VB電圧を低い方向に1ステップサイズずらして▲1▼とした場合には、二次歪出力はA(>B)となるため、▲2▼よりも高い方向にVB電圧を設定するものとする。
これを予め設定したVB電圧の可変範囲(1603〜1604)で行う。
【0043】
また、ミキサの2次歪を低減する別の方法として、図2に示すミキサのローカル平衡入力部分(1901)の位相差及び振幅差をパラメータとして変化させる場合にも同様のアルゴリズムを使用することが出来る。
【0044】
次に、無線通信システムにおいて本携帯無線機を使用する場合に、非線形歪検出・補償を行うためのシーケンスを説明する。図10は以上に述べた非線形歪検出・補償を行う際のシーケンスを説明する為の図である。この説明では、図11(a)に示すようなTDMA、(B)に示すようなTDMA−TDDシステムでの端末の使用を想定する。(a)のTDMAフレームは、受信フレーム(Rx)と送信フレーム(Tx)からなり、送受信フレームの間にはガードタイムがある(1101、1102)。また、(b)は3多重のTDMA−TDDシステムの例で、送信スロット(T1〜T3)と受信スロット(R1〜R3)からなっている。干渉波検出や非線形歪補償の操作は、(a)ではTDMAフレームの受信フレーム1105や1106の前のガードタイム1101や1102で行う。また、(b)では、T2(1103)とR2(1104)を使用して通話をしているような場合には、T2とR2との間の時間を使用する。これらは一例であり、送信が行われておらず、受信信号の到達する前であれば基本的にどの時間でも良い。
【0045】
まず、1001で初期値の設定を行う。図9に示した範囲でVBの走査範囲で、適当に初期値を設定し、さらに、後に検出する二次歪検出レベルとの比較の為に、二次歪出力値を初期化(何等かの値で良い)する。尚、VBの値は、通話中であれば、1つ前の受信フレームで使用していた値を用いれば確実である。例えば、図11の(a)の場合で、1102で歪み検出を受信する場合には、1101で使用していたVB値を設定する。カウントを初期化する(1002)。
【0046】
まず、現在の端末の状態が受信、送信、ガードタイムのいずれかであるかを検査し、歪検出・補償が可能である状態であるか否か判断する。これは端末がシステムと同期が採れていれば、端末が内蔵するクロックによって容易に判断することが出来る。検出の結果現在がガードタイム等の歪検出・補償可能期間であれば、図7で説明したような方法を用いて、振幅変調信号を生成し、ミキサのRF入力に送り、試験的に二次歪を発生させる。この二次歪は、図4で説明した方法によって、レベル検出がなされる。ここで、カウントを1つ増やし(1006)、1ステップ前のVBの値((VB)n-1 ))に対する歪出力レベルとの比較を行い(1007)、(二次歪出力)n と(二次歪出力)n-1 の大きさによって、図7で説明した様な、VB電圧の変更を行い(1008、1009)、以下二次歪出力の最小値を検出するまでこの操作を繰り返す。二次歪が最小になった段階で、VB電圧を固定し(1010)、受信を行う(1011)。
【0047】
以上は、可変パラメータがバイアス電圧の場合に付いて説明したが、ローカル発振器出力(ミキサの平衡信号入力)の位相を可変パラメータとする場合でも、上記の手順は全く同じで良い。
【0048】
図12に本願の第2発明の第1の実施例を示す。この例では、試験信号発生器に、送信回路の一部を用いている。
【0049】
ここでは、歪検出とその補償を行う時間における動作のみを説明する。なお、この動作は、無線機の電源を入れた時、あるいは発呼操作を行ったとき、あるいはTDMA方式を用いる場合には送受信の動作を行わない時間帯で、それぞれ行うことが考えられる。
【0050】
信号波試験波切替器A105を試験信号側に切り替える。また、送信部の信号発生器A101から試験信号のベースバンド信号を発生させる。この信号は変調器A102で変調され、想定される信号波とほぼ同じレベルに可変減衰器A103で調節され、方向性結合器A104の出力から信号波試験波切替器A105に入力される。これにより、試験信号は復調器A106に入力され、検波器A107で歪を検出することができる。検出された歪に応じて、制御回路A108にて復調器A106の回路を変更することにより、歪を抑制することができる。なお、図中、A109はアンテナ、A110は送受信各切替器、A111は移相器、A112はローノイズアンプ、A113はパワーアンプ(PA)、A114はRFフィルター、A115はローカル発振器である。
【0051】
もちろん、想定される信号波のレベルが複数ある場合でも、可変減衰器A103で調節できるため対応が可能である。
【0052】
また、方向性結合器A104をPA(パワーアンプ)の前にもってくることにより、試験信号発生時には、消費電力の大きいPAを駆動する必要がなくなるという、利点がある。
【0053】
図13は本願の第2発明の第2の実施例であり、送信部とは別に試験信号発生器A201を搭載している。歪検出とその補償を行う時間における動作は、ほぼ同様である。なお、図12と同一符号で示す部分はそれに対応する部分を示している。
【0054】
図14は本願の第発明の第3の実施例であり、試験信号発生器A101に、送信回路の一部を用いているのは、第1の実施例と同様である。この実施例では、送信部と受信部の可変利得アンプA301、A302を用いて、試験信号を想定される信号波とほぼ同じレベルに調節している。また、試験信号の切替に、アンテナA109と送信部との間のスイッチA303を用いている。なお、図11と同一符号で示す部分は、それに対応する部分を示している。
【0055】
図15は本願の第2発明の第4の実施例であり、試験信号発生器に、送信回路の一部を用いているのは、第1の実施例と同様である。この実施例では、DIVA401及びDETA402を用いて送信部の電力検出用の方向性結合器A104から試験信号を取り出している。したがって、方向性結合器が送信部と共用できるため、試験機能を新たに加える場合にも追加する必要のあるコンポーネントを減らすことができ、通信時の損失要素を減らすことができる利点がある。なお、図11と同一符号で示す部分は、それに対応する部分を示している。
【0056】
図16は、試験信号の例である。これは、2次歪や3次相互変調歪などを検出することのできるものである。ここで、fLOは復調器に用いるローカル信号の周波数、f1ないしf2は問題としているチャネルセパレーション、f2−f1は復調器のベースバンドフィルタのカットオフ周波数より小さく、2次歪みなどの検出に際して十分DCより大きい周波数が望ましい。
【0057】
図17は、試験信号発生器のブロック図の一例である。DBM(ダブルバランスドミクサ)を用いることで、試験信号のキャリアリークを抑えることができる。ここで、DBMと同様の機能を持つ回路が送信部の変調器にも含まれていることが多く、送信部をこの用途に用いることにより、別に試験信号発生器を設けることなく無線機を簡略化することができる。図16のような無線機のローカル信号周波数に対して左右対称のスペクトルを持つ試験信号は、図17の回路を用いることにより、容易に発生することができる。
【0058】
図18は、図16の試験信号を図17の試験信号発生器のブロックを用いて発生するときに信号発生器から出力すべきベースバンド信号のスペクトラムを示す。この信号の一例を図19に示す。これは、ディジタルコードレス電話の600kHz離れた信号による二次歪を問題にする場合の信号である。図20は、図18の波形を発生するための回路の一例である。この回路は、ディジタルコードレス電話のボーレート192kHzの2の整数乗のクロックを用いることにより容易に構成できる。このようなクロックは、通常ディジタルコードレス電話の他のディジタル回路を駆動するために用意されており、これを流用することができるという利点を有する。なお、LPFについてf2(>f1)の減衰が十分少なく、f1の2倍の周波数を十分減衰できる安価かつ容易なものが得られれば、図21のような回路を用いることにより、図20のうちのLPFを一つにし、回路規模を小さくすることができる。
【0059】
図20のように、無線信号のボーレートfs(ディジタルコードレス電話では192kHz)に対して、fs×2なるクロック周波数を用い、分周器、LPFおよび加算器という簡単な構成で実現するには、次のような条件がある。
【0060】
まず、二つのLPFからの出力周波数f1、f2(f2>f1)は、問題とする隣接チャネル間隔(ディジタルコードレス電話では600kHzなど)とほぼ等しいことが必要である。また、出力周波数の差fw=f2−f1は、所望の通信信号の片側帯域幅(ディジタルコードレス電話では約100kHz)とほぼ等しいことが必要である。2つの分周器の分周比をM,M+Nとすると、
【数1】
Figure 0003672590
となる。上記のコードレス電話では、この値f1/fwがおよそ600kHz/100kHz=6である。また、f2/fw=(f1+fw)/fwが約6、つまりf1/fwが約5でもよい。
【0061】
さて、図20からも明らかなように、2つの分周器の分周比M,M+Nは小さい値であるほど、fs×2なるクロックが、ディジタル部があらかじめ用意しているクロックをそのまま、あるいは分周して作ることのできる可能性が高い。したがって、ここでは、M=5ないし6、N=1を選ぶのが適当である。
【0062】
例として、M=5、N=1を選ぶと、
f1×(M+1)=f2×M=(f1×fw)×M
より
f1=fw×M
となり
【数2】
Figure 0003672590
これが、およそ100kHzであるためには、L=4で、
fw=(fs×2)/30=102.4kHz
したがって、
f1=fw×M=512kHz
f2=f1+fw=614.4kHz
が適当である。これが図19に示したスペクトラムと等しくなる。
【0063】
図21は、図19の波形を発生するための回路のいま一つの例である。この回路も、192kHzの2つの整数乗のクロックを用いることにより容易に構成できる。従って、ディジタルコードレス電話の他のディジタル回路を駆動するためのクロックを流用することのできるという利点を有する。
【0064】
図22に本願の第3発明の第1の実施例を示す。この例では、ポートB101は受信信号が入力され、ポートB102、B103には局部発振器から出力された所望受信信号の搬送周波数にほぼ等しい周波数で、グラウンドに対し、振幅の大きさが等しく、位相差が180°の信号が平衡入力される。そして、トランジスタB108、B109、B110から構成される乗算器によって、受信信号と局部発振信号乗算され、受信信号はベースバンド周波数信号に変換され、ポートB104、B105から出力される。ここで、トランジスタB108、B109、負荷素子B111、B112、バイアス回路B113、B114で構成される差動対が完全に対称ならば所望信号はポートB104、B105からそれぞれ、グラウンドに対し、同じ振幅で、位相差が180°の信号が出力される。一方、偶数次の歪み信号は同じ振幅で、かつ同相の信号で出力されるので、ポートB104とB105の間の信号としては、相殺され、出力がない状態になる。しかし、受信信号に振幅変調成分が含まれ、かつ差動対を構成するトランジスタB108、B109、負荷素子B111、B112、バイアス回路B113、B114を構成する素子にバラツキがあると、差動対の動作が対照的でなくなるので、図24に示されるように、例えば受信信号B501の中の周波数f1の成分B503およびf2の成分B504(f1>f2)から、偶数次歪みの1つである周波数(f1−f2)の2次歪み信号がポートB104、B105から信号が出力される。ここで、ポートB102、B103に可変位相回路B116、B117および可変利得回路B118、B119をそれぞれ設置し、ポートB102へ入力される信号とポートB103へ入力される信号のグラウンドに対する位相差および振幅差を調節することによってこのような素子のバラツキによる差動対の動作の非対称性は補正することができる。図25に位相差を変化させたときの、ポートB104とB105の間の所望信号B601と偶数次歪み信号である2次歪み信号の出力電圧の変化を示す。差動対が理想的な状態ならば2次歪み信号は位相差180°のときが極小になるが、実際は素子にバラツキにより、位相差180°からずれた点で極小になる。ずれの大きさは、トランジスタB108、B109の素子バラツキや動作状態、温度特性などの原因により変化するため、断続的にもしくは連続的に調整が必要になる。また、このとき所望信号B601に対しては、ポートB102へ入力される信号とポートB103へ入力される信号のグラウンドに対する位相差を変化させても出力電圧がほとんど変化しないため、受信機のCIRを向上することができる。可変位相回路B116、B117および可変利得回路B118、B119は次のように調節すれば良い。例えば、TDMAのシステムでは非受信モードの時、受信機内の信号発生器B123より、隣接チャンネル帯域のうち任意の2つの周波数Fa,Fb(Fa>Fb)の信号を出力させ、ポートB101に入力する。ポートB102、B103には局部発振器から出力された所望受信信号の搬送周波数にほぼ等しい周波数FLo(Fa,Fb>FLo)の信号を平衡入力し、周波数変換する。ポートB104、B105からは、周波数(Fa−FLo)、周波数(Fb−FLo)、および周波数(Fa−Fb)の信号が出力される。周波数(Fa−Fb)は2次歪みの信号である。さらに、出力された信号をベースバンドフィルタB120に入力すると、周波数(Fa−FLo)、周波数(Fb−FLo)は隣接チャンネル周波数の信号でフィルタの帯域外の周波数の信号であるため遮断され、ポートB106には周波数(Fa−Fb)の2次歪み信号のみが出力される。この出力信号の電圧を検出回路B121で測定し、結果を制御信号発生回路B122に送る。制御信号発生回路B122は出力信号の電圧に応じて、可変位相回路B116、B117および可変利得回路B118、B119へ制御信号をおくる。制御信号は可変位相回路、および可変利得回路の可変の方法に応じて、アナログ信号、デジタル信号のどちらか適切な方法、もしくは両方を用いればよい。可変位相回路B116、B117はそれぞれ制御信号に応じて、位相量を変化させる。同様に可変利得回路B118、B119もそれぞれ制御信号によって、利得を変化させる。このようにして、ポートB102、B103に入力される信号の位相差および振幅を調節した後、再び検出回路B121で周波数(Fa−Fb)の2次歪み信号の電圧を測定し、受信機の性能から設定されたしきい値以下であれば、制御信号発生回路B122は、その状態の制御新号を保持し、以後の2次歪みの信号の検出で、しきい値を越えるまで、可変位相回路および可変利得回路の状態を保持する。もし、しきい値を越えていれば、制御信号を変化させ、可変位相回路B116、B117あるいは可変利得回路B118、B119のどちらか一方もしくはその両方の状態を変えて、歪みが小さくなるようにし、再度2次歪み信号の電圧を測定し、しきい値との比較を行う。これら一連の動作を、2次歪み信号の電圧がしきい値以下になるまで繰り返す。ここで、図22ではバイポーラトランジスタの差動対について説明したが、電界効果トランジスタにより構成された差動対についても同様な効果を得ることができるので、トランジスタB108、B109をバイポーラトランジスタの差動対の代わりに電界効果トランジスタを用いてもよい。また、可変利得回路を用いるかわりに差動増幅器などで構成できる振幅制限回路で、振幅差が等しくなるようにしてもよい。図2に可変位相回路の第1の実施例を示す。抵抗B701のインピーダンスが抵抗B702と例えばダイオードのような可変容量素子B703の端子間容量の直列インピーダンスに対し、十分大きければ、抵抗B702の可変容量素子B703の端子間容量により、入力端子B704と出力端子B705の間の位相量を決めることができる。ここで、可変容量素子B703の端子間容量は、可変容量素子B703にかかる電圧により変化する。可変容量素子の端子間容量は品種にもよるが、一般的に10V程度の電圧変化で、数百fFから数十pFの大きさで容量が可変できる。可変容量素子B703の端子間電圧は端子B706の電圧により変化させることができるため、ポートB706の電位により、位相量を可変することができる。例えば、抵抗B702を50Ω、可変容量素子B703の端子間容量を1.68pFにすると、入力端子B704と出力端子B705の間の位相量は45°になる。また、端子間容量が2.5pFでは位相量は56°、1.2pFでは位相量は36°、0.45pFでは15°となる。従って適切な端子間容量の可変容量素子を用いれば、0〜数V程度アナログ信号の制御電圧を端子B706に加えることによって、数十度の位相の可変が可能である。このとき、位相量は15°の状態と75°の状態のときには振幅に約13dBの差が生じる。しかし、この場合どちらの振幅も、差動対を構成するトランジスタB106、B107をスイッチング動作するのに十分な大きさの振幅であるならば、特性に影響を与えず、ほとんど無視できるが、可変利得回路B110、B111の利得を変化させて、2次歪み信号がより低減できるように調節してもよい。また、振幅制限回路で、振幅差が等しくなるようにしてもよい。
【0065】
図23に本願の第3発明の第1実施例の変形例を示す。このようにしても、図22の構成と同様の効果が得られる。但し、図23において、
B01は受信信号入力ポート
B02、B03は局部発振信号入力ポート
B04、B05は出力ポート
B06はベースバンドフィルタ出力ポート
B07はベースバンド信号出力ポート
B08、B09、B10、B11、B12、B13はトランジスタ
B14、B15、B16、B17はバイアス回路
B18、B19は可変位相回路
B20、B21は可変利得回路
B22はベースバンドフィルタ
B23は検出回路
B24は制御信号発生回路
B25は不平衡−平衡変換回路
B26は信号発生器
B27、B28は負荷素子
B29は定電流源回路
である。
【0066】
図27に可変位相回路の第2の実施例を示す。B801は抵抗、B802はキャパシタ、B803はMOSトランジスタの様な電気的な信号によりON/OFFが可能なスイッチである。可変位相回路の位相量は抵抗の並列回路で構成される抵抗ブロックB804の抵抗値とキャパシタの並列回路で構成されるキャパシタブロックB805の容量値によって決まるが、抵抗ブロックB804の抵抗値およびキャパシタブロックB805の容量値は素子に直列に接続されているスイッチB803のON/OFFにより、可変することができる。例えばキャパシタブロック805の容量値を0.84pFとし、抵抗ブロックB804が2.5kΩの抵抗で構成されるとき、25本の抵抗が並列接続されると抵抗ブロックB804の抵抗値は100Ωとなり、このとき可変位相回路のポートB806とポートB807の間の位相量は45°である。26本では約96Ωとなり、位相量は約44°である。35本の並列接続では約71Ωとなり、位相量は約36°となる。同様にキャパシタブロックB805の容量値も容易にかつ差動対の動作の非対称性を十分に保証できる精度の可変ができる回路である。また、図26に示すように抵抗ブロックB804、キャパシタブロックはB805は直列回路で構成さしても、同様な効果を得ることができる。さらに抵抗ブロック、キャパシタブロックのいずれか一方を、直列回路で構成し、他方を並列回路で構成しても同様な効果を得ることができる。抵抗ブロックおよびキャパシタブロックを直列、並列の両方の組み合わせた回路で構成してもよい。さらに、また抵抗ブロックとキャパシタブロックは入れ替えても同様な効果を得ることができる。図28に可変位相回路の第3の実施例を示す。ポートB901、B902には局部発振信号が入力される。入力された信号は分配器B908によって2つに分けられ、一方は分配器B909で再度分配され、移相回路B905、B906に入力される。もう一方は、90°移相回路により、位相を90°ずらした後、分配器B910で分配し、移相回路B905、B906に入力される。ここで、移相回路B905、B906は例えば図29(a)のような回路で構成される。ポートB1001、B1002には分配器909からの信号が入力される、一方ポートB1003、B1004には分配器B910からの信号が入力される。ポートB1001、B1002に入力される信号とポートB1003、B1004に入力される信号には90°の移相差がある。ポートB1001、B1002から入力された信号はトランジスタB1007、B1008により増幅され、ポートB1005、B1006に出力される。このとき、利得をαとすると利得αはトランジスタB1007、B1008を流れる電流の大きさにより変化する。同様にポートB1003、B1004から入力された信号はトランジスタB1009、B1010により増幅され、ポートB1005、B1006に出力される。このとき、利得をβとすると利得βはトランジスタB1009、B1010を流れる電流の大きさにより変化する。説明を簡単にするためにポートB1001、B1002およびポートB1003、B1004に入力される信号が正弦波であり、ポートB1003、B1004に入力される信号がポートB1001、B1002に入力される信号に対し、90°移相が進んでいることとすると、ポートB1005、B1006に出力される信号yは
y=αcos(ωt)+βcos(ωt+90°)
=αcos(ωt)+βsin(ωt)
=√(α2 ×β2 )cos(ωt+θ)
ここで、ω=2πf,f:周波数、θ=tan-1(β/α)である。したがって、αとβの大きさによって位相量を0°から90°の範囲で変えることができる。αとβの大きさは電流源B1011、B1012およびB1013、B1014を可変電流源とし、トランジスタB1007、B1008およびB1009、B1010を流れる電流の大きさを制御信号発生回路B116から出力される信号に応じて変化させる。電流源1011、B1012、B1013、B1014は例えば図29(b)に示されるようなカレントミラー回路で実現できる。この場合ポートB1019、B1020に加える電圧を変化させることで、電流の大きさを変えることができる。このように制御信号発生回路から出力されるアナログあるいはデジタル信号により、電流の大きさが変えられる回路ならば他の構成のものを用いてもよい。このようにしてポートB1005、B1006のうち、どちらか一方を図9の出力ポートB903、B904とし、移相回路B905、B906の位相量を変化させれば、平衡ポートB903、B904の位相差を最大90°変化させることができる。また、このとき、平衡ポートB903とB904の振幅に差が生じる可能性がある場合、可変利得回路B110、B111により、2次歪み信号がより低減できるように調節してもよい。また、振幅制限回路で、振幅差が等しくなるようにしてもよい。実施例では3つの可変位相回路を説明したが、可変位相回路についてはアナログ信号、デジタル信号を問わず、電気的な制御信号により、位相量が可変できるものであれば、他の構成の回路を用いてもよい。
【0067】
次に本発明の第2の実施例を図30に従って説明する。第1の実施例では、局部発振信号の位相差および振幅を可変位相回路、および可変利得回路を用いて、偶数次歪みが低減するように調節したが、本実施例では、トランジスタB1110、B1111のバイアス電圧を変化させ、動作点を調節し、トランジスタB1110、B1111による利得および位相量を変化させて、偶数次歪みを低減するように調節する。トランジスタB1110のベースバイアス電圧は、VCCから抵抗B1115を流れる電流によって生ずる電圧降下分を減じた電圧である。同様にトランジスタB1111のベースバイアス電圧は、VCCから抵抗1116を流れる電流によって生ずる電圧降下分を減じた電圧になる。抵抗B1115、B1116を流れる電流の大きさはそれぞれカレントミラー回路B1117、B1118によって定まるため、それぞれポートB1108、B1109に加える直流電圧を変化することで調節できる。差動対が同じ特性で全く対称的に構成されるならば、ポートB1108とB1109の電圧が等しいときに偶数歪みが最も小さくなる。しかし、実際には素子のバラツキのため、B1108、B1109の電圧を調節して偶数歪みが最も小さくなる状態にする必要がある。例えば、TDMAの非受信モードのとき、受信機の信号発生器B1125より、隣接チャンネル周波数のうち任意の2つの周波数Fa,Fb(Fa>Fb)の信号を出力させ、ポートB1103に入力する。ポートB1101、B1102には局部発振器から出力された所望受信信号の搬送周波数にほぼ等しい周波数FLo(Fa,Fb>FLo)の信号を平衡入力し、周波数変換する。ポートB1104、B1105からは周波数(Fa−FLo)、周波数(Fa−FLo)、および周波数(Fa−Fb)の信号が出力される。周波数(Fa−Fb)は2次歪みの信号である。の信号さらに、出力された信号をベースバンドフィルタB1120に入力すると、周波数(Fa−FLo)、周波数(Fa−FLo)は隣接チャンネル周波数の信号でフィルタの帯域外の周波数の信号であるため遮断され、ポートB1106には周波数(Fa−Fb)の2次歪み信号のみが出力される。この出力信号電圧を検出回路B1121で測定し、結果を制御信号発生回路B1122に送る。制御信号発生回路B1122は出力信号の電圧に応じて、可変電圧回路B1123、B1124へ制御信号をおくる。可変電圧回路B1120、B1121はそれぞれ制御信号に応じて、ポートB1108、B1109の電圧を変化させ、抵抗B1115、B1116に流れる電流を変化させ、トランジスタB1110、B1111の動作状態を変化させる。そして再び検出回路B1121で周波数(Fa−Fb)の2次歪み信号の電圧を測定し、受信器の性能から設定されたしきい値以下であれば、制御信号発生回路B1122は、その状態の制御信号を保持し、以後の2次歪み信号の検出で、しきい値を越えるまで、可変位相回路および可変利得回路の状態を保持する。もし、しきい値を越えていれば、制御信号を変化させ、可変電圧回路B1123、B1124のどちらか一方もしくはその両方の状態を変えて、歪みが小さくなるようにし、再度2次歪みの信号の電圧を測定し、しきい値との比較を行う。これら一連の動作を、2次歪みの信号の電圧がしきい値以下になるまで繰り返す。
【0068】
【発明の効果】
以上の様に、本願の第1発明によれば、受信スロットの空き時間を使って、無線機内部で歪み検出用の試験信号を生成して非線形歪みを発生させ、その歪出力が最小になる様にミキサ部の位相、振幅、バイアス電圧等のパラメータをフィールドバック制御する。従って、受信スロット時間に振幅成分を持つ強電界の干渉波が入力されたときにも、本無線機は良好な線形動作を行うことが出来、従来のダイレクトコンバージョン受信機で問題となっていた、2次の非線形歪特性、隣接チャネル感度抑圧特性が改善され、良好に所望波信号を受信出来るという効果があった。
【0069】
また、第2発明によれば。歪を検出することのできる試験信号を受信部に入力し、受信部力の信号から歪の量を検出し、検出結果に対し受信部の回路変更を行うことにより、歪の原因となっている素子のばらつきを補償して、歪を抑制することができる。
【0070】
また、第3発明によれば、平衡入力される局部発信信号の振幅あるいは位相もしくはその両方を変化させ、平衡度を調節することにより、差動対のアンバランスな動作を補正し、偶数次の歪みの信号の出力を抑え、受信機のCIRの劣化を防ぐ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の第1発明による携帯無線機を説明するための図である。
【図2】ミキサの可変パラメータを説明するための図である。
【図3】ミキサの非線形歪を説明するための図である。
【図4】歪検出回路を説明するための図である。
【図5】本願の第1発明による非線形歪補償方式の試験信号を説明するための図である。
【図6】本願の第1発明による非線形歪補償方式の一実施例を説明するための図である。
【図7】本願の第1発明による非線形歪補償方式の一実施例を説明するための図である。
【図8】試験信号を説明するための図である。
【図9】バイアス電流と歪出力との関係を説明するための図である。
【図10】歪検出・補償方式の基本フローチャートである。
【図11】歪検出期間を示す図である。
【図12】本願の第2発明の第1実施例を示す図である。
【図13】本願の第2発明の第2実施例を示す図である。
【図14】本願の第2発明の第3実施例を示す図である。
【図15】本願の第2発明の第4実施例を示す図である。
【図16】試験信号の例を示す図である。
【図17】試験信号発生器のブロック図の一例を示す図である。
【図18】信号発生器から出力すべきベースバンド信号のスペクトラムの一例を示す図である。
【図19】信号発生器から出力すべきベースバンド信号のスペクトラムの一例を示す図である。
【図20】ベースバンド信号を発生するための回路の一例を示す図である。
【図21】ベースバンド信号を発生するための回路の一例を示す図である。
【図22】本願の第3発明の要部をなす周波数変換回路の第1の実施例を説明するための図である。
【図23】本願の第3発明に係る周波数変換回路の第1の実施例を説明するための図である。
【図24】ベースバンド帯域への歪み出力を説明するための図である。
【図25】局部発振信号の位相差と2次歪み信号の関係を説明するための図である。
【図26】本願の第3発明での可変位相回路の第1の実施例を説明するための図である。
【図27】本願の第3発明での可変位相回路の第2の実施例を説明するための図である。
【図28】本願の第3発明での可変位相回路の第3の実施例を説明するための図である。
【図29】本願の第3発明での可変位相回路の第3の実施例に用いる移相回路を説明するための図である。
【図30】本願の第3発明の要部をなす周波数変換回路の第2の実施例を説明するための図である。
【図31】従来の携帯無線機を説明するための図である。
【図32】相互変調(3次歪)を説明するための図である。
【図33】隣接チャネル干渉特性を説明するための図である。
【図34】ダイレクトコンバージョン受信機の非線形歪を説明するための図である。
【図35】ダイレクトコンバージョン受信機の非線形歪を説明するための図である。
【図36】ミキサの非線形歪出力を説明するための図である。
【図37】スーパーヘテロダイン受信機の非線形歪を説明するための図である。
【図38】スーパーヘテロダイン受信機の非線形歪を説明するための図である。
【図39】ダイレクトコンバージョン受信機の非線形歪を説明するための図である。
【符号の説明】
101 受信アンテナ
102 RFフィルタ
103 高周波増幅器
104、107 周波数変換器
105 π/2移相器
106 ローカル発振器
108、109 ACカップル
110、111 ローパスフィルタ
112、113 ベースバンドアンプ
114 検波器
115 歪検出回路
116 バイアス制御信号
201 受信アンテナ
202 RFフィルタ
203 高周波増幅器
204,207 周波数変換器
205 π/2移相器
206 ローカル発振器
208、209 ACカップル
210、211 ローパスフィルタ
212、213 ベースバンドアンプ
214 検波器
301 所望信号
302 干渉波
303 2つの干渉波の周波数差
304 非線形歪出力周波数
305、306 干渉波
307 非線形歪出力
308 隣接チャネル周波数
401 所望信号
402 干渉波
403 隣接チャネル周波数
404 隣接チャネルからの干渉
405 隣接チャネル感度抑圧
501 所望信号
502 干渉波
503 2つの干渉波の周波数差
504 非線形歪出力周波数
505、506 干渉波
507 非線形歪出力
508 隣接チャネル周波数
509 所望波周波数
510 ACカップル周波数特性
A101 信号発振器
A102 変調器
A103 可変減衰器
A104 復調器
A105 信号波試験波切替器
A106 復調器
A107 検波器
A108 制御回路
A109 アンテナ
A110 送受信切替器
A111 移送器
A112、A113 利得アンプ
A114 RFフィルタ
A115 ローカル発振器
A201 試験信号発生器
A301、A302 可変利得アンプ
A303 スイッチ
A401 DIY
A402 DET
B101 受信信号入力ポート
B102、B103 局部発振信号入力ポート
B104、B105 出力ポート
B106 ベースバンドフィルタ出力ポート
B107 ベースバンド信号出力ポート
B108、B109、B110 トランジスタ
B111、B112 負荷素子
B113、B114、N115 バイアス回路
B116、B117 可変位相回路
B118、B119 可変利得回路
B120 ベースバンドフィルタ
B121 検出回路
B122 制御信号発生回路
B122 信号発生器
B201、B202 局部発振信号入力ポート
B203 受信信号入力ポート
B204、B205 出力ポート
B206、B207、B208 トランジスタ
B209、B210 負荷素子
B211、B212、B213 バイアス回路
B301 アンテナ
B302 RFフィルタ
B303 RFアンプ
B304、B305 周波数変換回路
B306 90°移相回路
B307 局部発振器
B309、B310 ベースバンドフィルタ
B311 検波器
B401 所望受信信号
B402 帯域内干渉信号
B403 帯域外干渉信号
B404 RFフィルタの特性
B501 所望受信信号
B502 隣接チャネル信号
B503、B504 隣接チャネル信号の1周波数成分
B505 503と504により生じた歪み信号
B506 502により生じた歪み信号
B507 周波数返還後との所望信号
B601 所望信号
B602 2次歪み信号
B603 2次歪み信号が極小になるときの局部発振器の位相差
B701、B702 抵抗
B703 可変容量素子
B704、B705 ポート
B706 制御信号入力ポート
B801 抵抗
B802 キャパシタ
B803 スイッチ
B804 抵抗ブロック
B805 キャパシタブロック
B806、B807 ポート
B901、B902 局部発振信号入力ポート
B903、B904 可変移相回路出力ポート
B905、B906 移相回路
B907 90°移相回路
B908、B909、B910 分配器
B911、B912、B913、B914、B915、B916、B917、B918 ポート
B1001、B1002、B1003、B1004 局部発振信号入力
B1005、B1006 出力ポート
B1007、B1008、B1009、B1010 トランジスタ
B1011、B1012、B1013、B1014 可変電流源
B1015、B1016 負荷素子
B1017、B1018 抵抗
B1019、B1020 制御信号入力ポート
B1021、B1022 トランジスタ
B1023、B1024 抵抗
B1101、B1102 局部発振信号入力ポート
B1103 受信信号入力ポート
B1104、B1105 出力ポート
B1106 ベースバンドフィルタ出力ポート
B1107 ベースバンド信号出力ポート
B1108、B1109 制御信号入力ポート
B1110、B1111、B1112 トランジスタ
B1113、B1114 負荷素子
B1115、B1116 抵抗
B1117、B1118 可変電流源
B1119 バイアス回路
B1120 ベースバンドフィルタ
B1121 検出回路
B1122 制御信号発生回路
B1123、B1124 可変電圧回路
B1125 信号発生器

Claims (4)

  1. ディジタルもしくはアナログ信号で変調された高周波信号を伝送する無線通信システムにおいて使用され、
    少なくとも、
    前記高周波信号の中心周波数とほぼ等しい周波数の基準信号を発生するローカル発振器と、
    前記ローカル発振器からの基準信号から、位相が相互に直交する第1及び第2の基準信号を得るための移相手段と、
    前記高周波信号と前記ローカル発振器からの基準信号とを乗算し第1および第2のベースバンド信号を得るための第1及び第2の周波数変換器と、
    前記周波数変換器出力を入力信号とし、前記入力信号に利得を与える第1及び第2のベースバンド回路と、
    前記ベースバンド回路の出力信号を復調するための復調器と、
    前記ベースバンド信号を入力とする周波数選択フィルタと、
    前記復調器に入力される信号の電界強度を測定する受信電界強度測定回路と、
    前記受信電界強度測定回路で測定された値に基づき、制御信号を発生する制御回路と、
    前記第1及び第2の周波数変換器に入力される試験信号を発生する試験信号発生回路とを供えた無線機において、
    所望信号を受信していない期間に、前記試験信号発生回路から発生された試験信号を前記第1、第2の周波数変換器に入力し、前記周波数変換器の出力成分のうち、所定の周波数成分の受信電界を測定し、前記受信電界強度の値に基づいて発生された制御信号によって、前記第1及び第2の周波数変換器あるいは周波数変換器に接続されている周辺回路の所定のパラメータを制御することを特徴とする無線機。
  2. 請求項1記載の所定のパラメータは、ローカル発振器から周波数変換器に供給される基準信号の位相または振幅を可変とするものであることを特徴とする請求項1記載の無線機。
  3. 無線信号を受信する受信部と、
    受信部に入力することにより歪を検出することのできる試験信号を発生する試験信号発生器と、
    無線信号と試験信号との入力を切り替える切替器と、
    前記切替器を切り替えると共に、受信部からの信号から歪の量を検出し、検出結果に対し受信部の回路変更を行う機能を有する制御回路
    を具備し、前記試験信号発生器あるいはその一部に、送信回路あるいはその一部を用いることを特徴とする無線機。
  4. 少なくとも一組のトランジスタ差動対を具備し、前記1つまたは複数の差動対に平衡入力される第1の信号と平衡または不平衡入力される第2の信号により、信号の混合が行われる回路において、前記第1の信号が入力される平衡入力端子の一方もしくは両方に位相が可変な回路と振幅の大きさを制限することが可能な回路の一方もしくはその両方が具備されている周波数変換回路を有することを特徴とする無線機。
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