JP3672043B2 - 熱可塑性コンポジットの連続成形品および連続成形方法 - Google Patents

熱可塑性コンポジットの連続成形品および連続成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は優れた機械特性を有する、熱可塑性樹脂をマトリックスとするコンポジットの一定断面を有する連続成形品およびその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンポジットはマトリックスに熱硬化性樹脂を用いた物が主流であった。しかし、近年、成形サイクル短縮の可能性、リサイクルの容易さ、後加工の可能性、作業環境のクリーンさ、耐衝撃性に優れる等の点から熱可塑性樹脂をマトリックスとするコンポジットが開発され、上市されて来ている。しかしながら、一般に熱可塑性樹脂は溶融時の粘度が高く、強化繊維に含浸するのが困難である。そこで、種々の工夫がなされている。例えば、▲1▼特公昭63−37694号公報に示される直接溶融樹脂を強化繊維に含浸させ、固化させた物、▲2▼特公平3−35100号公報に示される樹脂を溶媒溶液またはエマルジョンにし、強化繊維に含浸後、溶媒、分散液を除去した物、▲3▼特開昭52−3985号公報に示される樹脂の粉末を強化繊維間に担持させ、融解、固着させた物、▲4▼特開昭60−209033号公報、特開昭60−209034号公報に示される樹脂を繊維状にして強化繊維と混繊、または特開昭60−28543号公報に示される樹脂と強化繊維を交織した物などが知られている。
【0003】
一般に、一定断面形状を有する連続コンポジット成形品を得るには、熱硬化性樹脂をマトリックスとし、引き抜き成形をすることが公知である。しかしながら、熱硬化性樹脂を用いる場合には揮発成分による環境の悪化が生じる。また、得られた成形品は耐衝撃特性に劣り、また後加工や、リサイクルが困難である。そのため、これらの点を改善すべく、マトリックスを熱可塑性樹脂に置き換えた一定断面形状を有する連続コンポジット成形品の開発が行われている。
【0004】
熱可塑性樹脂コンポジットを一定断面形状を有する連続コンポジット成形品に成形するには、引き抜き成形以外にも、成形材料を予熱し、結晶性樹脂の場合は融点近傍、また非晶性樹脂の場合はガラス転移点温度近傍に加熱後、凸凹ローラーを通過させ、一定断面形状に成形するロールフォーミングも可能である。これら成形に用いる材料は、樹脂粉末を強化繊維に付着させた材料や、樹脂を繊維にし強化繊維に混繊または交織した材料は取扱性は良好であるが、成形時に含浸させる必要があり、そのためには十分な成形時間が必要となる。従って、連続成形には生産性の点から問題であり、また物性の点からもばらつきが生じやすく問題である。一方、予め樹脂を含浸した材料は、生産性の点でまた、物性の均一性という点で好ましいが、含浸した材料は剛直であり取扱性が劣る。特に、連続成形では長丈の材料を供給する必要があるため、それを置く場所が必要である。剛直な材料であれば、巻くことも困難であり、置く場所が必要以上に広くなり経費の点から好ましくない。また、一般に十分含浸させた成形材料を得るには、製造上多大な困難さを伴い、成形材料としてのコストの上昇を招く。
【0005】
さらに、連続成形品は一般に長手方向に主に強化されるが、それと90度方向には弱くなりやすい。従って長手方向以外にも強化する場合が多々ある。熱硬化性樹脂を用いる場合は含浸が容易であるので、強化繊維のマットや織物、組物を成形と同時に用いることは容易である。しかし、熱可塑性樹脂の場合には溶融粘度が非常に高いため、強化繊維のマットや織物、組物を同時に用いても含浸が十分できず所望の物性が得られない。上記のように、樹脂粉末を強化繊維に付着させた材料や、樹脂を繊維にし強化繊維に混繊または交織した材料をマットや織物、組物にし用いることもできるが、上記と同じ含浸時間の問題や、物性のばらつきという点で問題である。一方、予めマットや織物、組物に樹脂を含浸させた材料は上記のような問題がないが、剛直で扱いにくい問題や、マットや織物、組物に予め樹脂を含浸させるには、製造上多大な困難さを伴い、成形材料としてはかなり高価なものになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
熱可塑性樹脂をマトリックスとする一定断面形状を有するコンポジットの連続成形品において、含浸の不均一性による物性の不均一性の問題、耐衝撃性、後加工性、リサイクル性の問題、また、成形環境の問題、さらには取扱難さ、コスト、長手方向以外の強化の問題を解決する連続成形品とその製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、鋭意研究した結果本発明に至った。すなわち本発明は、下記式(1)および(2)を満たす、熱可塑性樹脂をマトリックスとするテープ状コンポジット成形材料を連続的に加熱、加圧して形状を付与し、その後、加圧下で冷却して一定断面形状に成形された連続成形品であって、そのボイド含有率が3%以下である連続成形品である。
0.84α−0.24≦β≦0.84α+0.06 (1)
0.45≦α≦0.95 (2)
ただし、α:強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって半周以上濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)
β:強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって全周濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)
また、本発明は下記式(3)を満たす、熱可塑性樹脂をマトリックスとするテープ状コンポジット成形材料を織物または組物にしたものを、少なくとも一部に用いて得られた一定断面形状を有する連続成形品である。
E・S・m・a2 ・α/2≦60 (3)
ただし、E:強化繊維モノフィラメントの伸張弾性率(kgf/mm2
S:強化繊維モノフィラメントの断面積(mm2
m:成形材料中の強化繊維モノフィラメントの本数(−)
2a:成形材料断面の厚さ(mm)
さらには連続成形方法が引き抜き成形であるこれら連続成形品である。
また、下記式(1)および(2)を満たす、熱可塑性樹脂をマトリックスとするテープ状コンポジット成形材料を連続的に加熱、加圧して形状を付与し、その後、加圧下で冷却して一定断面形状に成形することにより、連続成形品のボイド率を3%以下に低下させる連続成形方法である。
0.84α−0.24≦β≦0.84α+0.06 (1)
0.45≦α≦0.95 (2)
ただし、α:強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって半周以上濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)
β:強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって全周濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)
又、本発明は、式(3)を満たす熱可塑性樹脂をマトリックスとするテープ状コンポジット成形材料を織物または組物にしたものを、少なくとも一部に用いて成形する連続成形方法である。
E・S・m・a2 ・α/2≦60 (3)
ただし、E:強化繊維モノフィラメントの伸張弾性率(kgf/mm2
S:強化繊維モノフィラメントの断面積(mm2
m:成形材料中の強化繊維モノフィラメントの本数(−)
2a:成形材料断面の厚さ(mm)
【0008】
以下本発明を図面に基づいて詳細に説明するが、下記図面は本発明を限定するものではなく、前・後記の趣旨に徴して変更することは本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0009】
本発明に用いられる強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、セラミックス繊維、金属繊維等の連続繊維が挙げられ、これらを、2種以上併用して用いてもよく、さらには、用いる熱可塑性樹脂との接着を良くするための表面処理がなされていることが好ましい。使用するモノフィラメント数は、50〜24000本、好ましくは200〜12000本であり、また、モノフィラメントの直径は3〜50μ、好ましくは6〜24μであり、本発明の範囲を逸脱しないものであればよい。これら強化繊維は、できる限り実質的に撚のない物が好ましいが、場合によっては、撚糸を用いてもよい。一方、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその共重合体や変性体を含むポリオレフィン系、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン11等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン等が挙げられる。特にポリオレフィンの場合には、強化繊維との接着性が低いので例えば、久保輝一郎他 「複合材料と界面」 総合技術出版236(1986)に記載されている酸変性を用いるのが好ましい。これら、強化繊維および熱可塑性樹脂は特にこれらに限定されるわけではない。
【0010】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂には、目的に応じて所望の特性を付与するために、各種添加剤を用いることが可能である。例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料または染料、結晶核剤、結晶化促進剤等を混合し用いることが可能である。特に引き抜き成形に用いる場合には滑材が重要な役割を果たす。滑剤としては例えば、脂肪酸のアルコール、脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等を0.01〜0.3重量%マトリックス樹脂に用いることが好ましい。これにより引き抜き成形品の表面状態の改良と、引き抜き抵抗力の低下による工程通過性の改善が図れる。また、他の無機強化剤として、タルク、ワラストナイト、マイカ、ガラスビーズ、ガラス短繊維、カーボンブラック、クレー等を用いることも可能である。
【0011】
図1には、本発明における成形材料1の代表例の断面図を模式的に示した。成形材料1はマトリックスである熱可塑性樹脂2中に強化繊維3が含浸されたテープ状のものであり、4はボイド(気泡)を示す。L1 は成形材料断面の幅であり、L2 は成形材料断面の厚さである。成形材料の断面形状は必ずしも長方形でなくてもよく、楕円形状であってもよいが、その形状は本発明の趣旨内容から外れない範囲でとくに限定されるものではない。惰円形状の場合、長径がL1 、短径がL2 となる。
【0012】
本発明においては、強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって半周以上濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)をα、強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって全周が濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)をβとするとき、αとβの関係が以下の(1)および(2)式を満たす必要がある。
0.84α−0.24≦β≦0.84α+0.06 (1)
0.45≦α≦0.95 (2)
このことは、即ち、強化繊維は全てのモノフィラメントが、マトリックスによって完全にその全周が濡れていてはいけないことを意味する。なぜならば、それによって成形材料が非常に剛直になるからである。しかしながら、全くマトリックスで濡れていないと、所望の機械物性を発揮できないか、または成形時に高圧力、長時間等が必要になり、連続成形には生産性の点で問題となる。さらに、含浸が不均一になり易く物性にばらつきを生じる結果となる。そこで、成形材料は後の連続成形時に加熱を受け、軟化点以上の温度になることによりマトリックスが流動し形態を変え、さらに圧力も加わるという点に着目をした。即ち、完全に強化繊維が濡れていなくとも、成形時のマトリックスの流動で含浸が進行し、所望の機械物性を発揮できるようになる。そこで、成形材料としての取扱性のためのフレキシビリティーと、成形材料の成形後の機械物性を補償できる材料としての含浸状態に関し、検討を行った。その必要条件として、上記式(1)と(2)を共に満たす必要があり、この範囲をはずれると、成形材料として非常に剛直になるか、または、所望の機械物性を発揮することが非常に困難となることを見いだした。さらにこのことは、材料段階で完全含浸を達成する必要がないので、材料の製造としてはより簡易な方法で可能であり、製造速度の向上、ひいては製造コストの低下を招き、より安価な材料を提供できる。
【0013】
さらに本発明においては、連続成形品にテープ状成形材料を織物、または組物にした材料を少なくとも一部に用いることが望ましい。この場合、テープ状成形材料の強化繊維のモノフィラメントの伸張弾性率をE(kgf /mm2 )、強化繊維モノフィラメントの断面積をS(mm2 )、成形材料中の強化繊維モノフィラメントの本数をm(−)、テープ状成形材料断面の厚さ(すなわちL2)を2a(mm)としたときの以下の式(3)
E・S・m・a2 ・α/2≦60 (3)
をテープ状成形材料が満たすことが望ましく、さらに望ましくは40以下を満たすことである。E・S・m・a2 ・α/2が60を超える場合には、生成した成形材料のフレキシビリティーが損なわれ、織物、紐物を作製することが不可能となる。上記(1)、(2)、(3)式は成形材料の濡れによる剛直さと、成形材料の形状による剛直さの2点を考慮した式であり、上記範囲は成形材料として製織、製紐性の良い成形材料を与える範囲であることを見いだした。
【0014】
ここで、αとβの測定方法としては、測定材料を樹脂で包埋後、断面を研磨し、鏡面に仕上げ、断面の観察を行う。断面を任意の倍率の写真等に撮り、上記定義に従って強化繊維の本数を測定し、全強化繊維の本数で除し割合を求める。
【0015】
成形材料中の強化繊維の体積含有率は、30〜70vol%が好ましい。強化繊維が30vol%以下の場合には強化効果が有効に発揮できず、また、70vol%以上になると含浸の際にボイドが発生しやすくなる。
【0016】
成形材料の製造方法、すなわち複数の強化繊維モノフィラメントを熱可塑性樹脂で含浸被覆する方法は特に規定されないが、例えば、本発明者らの出願による特開平5−177633号公報に示すように凸型ダイとクロスヘッドダイを用いる方法が挙げられる。また、形状をテープ状に一定に保つため、及びさらに含浸を所定の状態にさせるために加圧賦形ロールを用いることが好ましい。
【0017】
成形材料としては、前述の様にテープ状、楕円断面形状等が好ましく、使用の目的によって最適な形状が選択され、場合によっては円形状でもよい。また成形材料の厚さは、式(3)によってその範囲が定まる。一方、幅は特に限定されず使用の目的によって選択されればよい。特に製織に用いる場合にはその幅は2mmから20mmが好ましい。また製紐に用いる場合は2mmから15mmが好ましい。
【0018】
製織する方法としては、レピア、エアージェット、ウォータージェット、円筒織機等を用いることが可能であり、成形材料の幅等によって選定するのが好ましい。この中で最も好ましく、かつ使いやすいのはレピア織機である。製織時の注意点としては、緯糸に捻れが入らないように緯糸を解舒、供給し、製織することである。織り組織としてはその使用目的により選定されるべきであり、とくに規定はされない。例えば、より硬い状態で、経緯で同等の物性を必要とするのであれば平織りがよい。一方、より柔軟さや、経方向の物性を重視する必要があれば朱子織りを用いればよい。この様に、製織することによって、二方向強化が可能であり、またフレキシビリティーを織り組織により設定でき、かつ二方向の強化の割合も設定可能である。
【0019】
一方、製紐方法としては一般の組機を用いて作製することが最も容易である。ただし、ガイド類を使用するテープ状成形材料に適したものに変更する必要がある。また、特殊な装置では、コンピューターによる軌道の制御によって種々の形状に組み上げることも可能である。組紐の組織としては、打ち数、平打ち、丸打ち、組角度等は使用する目的に応じて設計、選択すれば良い。
【0020】
本発明に用いられる成形方法としては、引き抜き成形、またはロールフォーミングである。引き抜き成形は、図2に示すように、成形に必要な本数のテープ状成形材料を予熱しながら、加熱成形ダイに導きこのダイ中で加熱溶融し、加圧し成形を行う。この場合多段で徐々に成形するのが好ましく、またダイ内の仕上げは樹脂の滞留を防止するため、また、成形品の表面状態を良くするために、鏡面仕上げが好ましい。ダイの温度は、半結晶性ポリマーの場合は樹脂の溶融温度より20〜100℃高い温度、非晶性ポリマーの場合はガラス転移点の20〜100℃高い温度が好ましい。これは樹脂の溶融粘度、熱劣化の問題、引き抜き速度等によって異なり、適切な条件を選定しなければならない。加熱成形ダイを出た後に冷却賦形ダイを用いる。冷却賦形ダイは樹脂の融点、またはガラス転移点より低く常温に近いのが好ましいが、結晶化等の点から冷却速度を考慮し、温度を設定するのが好ましい。冷却賦形ダイは、文字通り水、冷媒等で一定の温度に保たれなければならない。また、成形品の表面状態を良くするために、ダイ内部は鏡面仕上げが好ましい。また、冷却ダイは樹脂の固化収縮を見積り、ダイ内の寸法を決定し、圧力が掛かりながら冷却されるようにする必要がある。冷却固化され、賦形された成形品は必要に応じて、一定長さで切断される。この様にして、一定断面形状を有する長丈熱可塑性コンポジット成形品が得られる。
【0021】
一方、ロールフォーミングは、所望形状を有するローラーにて圧力を加え成形するものである。これも引き抜き成形同様に成形に必要な本数のテープ状成形材料を予熱し、半結晶性ポリマーの場合は樹脂の溶融温度〜100℃高い温度まで、非晶性ポリマーの場合はガラス転移点〜100℃高い温度までが好ましい。これは樹脂の溶融粘度、熱劣化の問題、成形速度を考慮して条件を決定するのが好ましい。予熱された材料は、融点またはガラス転移点に近い温度の加熱ローラーによって圧縮賦形される。加熱ローラーは、樹脂が付着しにくい様に表面をテフロン、セラミック等でコーティングしてあるものが好ましい。加熱ローラーは必ずしも一対のみでなく、数対でも良い、場合によっては加熱ローラーを必要とせず、冷却ローラーのみでもかまわない。また、上下のローラーは同位置で上下同時に圧縮してもよいし、千鳥に配置して順にローラーに接触して圧縮しても良い。その後、冷却ローラーにより、圧縮しながら冷却固化を行う。この場合のローラー温度は、常温近くで一定に保たれなければならない。冷却ローラーも複数対用いることが好ましく、その上下の配置は同位置でも良く、千鳥に配置してもよい。この様にして、一定断面形状の長丈成形品が得られる。
【0022】
この様にして、一定断面形状の長丈成形品が得られる。引き抜き成形はより複雑な断面形状に適するが、引き抜き抵抗が大きく、生産性はロールフォーミング程高くない。一方ロールフォーミングは製造速度を高速にできるが、複雑な断面形状を成形するのは非常に困難である。さらに、これらの成形において長さ方向の強化だけでなく、テープ状成形材料を織物や組物にしたものを、表層、または中層などの少なくとも一部に用いることによって、または場合によっては全てに用いることにより、長さ方向に垂直な方向の強化も可能となる。この場合、織物、組物のいずれか一方、または両方を用いてもよい。どちらか一方を用いるか、または両方用いるか、一方向のテープ状成形材料との量の比率等は、所望する成形品の物性に応じて決定すれば良い。ここで、一方向のテープ状成形材料は式(1)および(2)を満たしていれば良い。しかし、織物、組物に用いるテープは式(1)、(2)および(3)を満たしていなければならない。もちろん、一方向のテープ状成形材料も(3)を満たしていても良い。
【0023】
この様にして得られた一定断面形状成形品は、後に加熱し軟化温度すなわち、半結晶性樹脂の場合には、融点の近傍±50℃、また非晶性樹脂の場合は、ガラス転移点の近傍±50℃に加熱し、曲げたり、部分的に断面形状を変形させたりすることが可能である。これは、熱可塑性樹脂をマトリックスとする特徴である。
また、得られた成形品のボイド立は3%以下が好ましい。3%を超えると成形品で十分な機械物性を発揮できないからである。ボイドの測定法はJIS7053に準拠して行う。
【0024】
【実施例】
以下に本発明を実施例を用いて説明する。
【0025】
強化繊維として、単糸径13μ、1600フィラメント、575TEXのガラス繊維を2ストランド用いた。ガラス繊維には予めシランカップリング材と変性オレフィンで接着性向上処理を施した物を用いた。マトリックスとしては、無水マレイン酸を0.1%グラフトしたポリプロピレン(MFI=60g/10分)を用いた。含浸方法は、特開平5−177633に従ったダイを用いて行った。製造速度は70m/分で行った。ダイを出た後に40℃に保温した金属のニップロールで圧縮し、テープ状の成形材料を得た。得られた、成形材料は幅11mm、厚さ0.1mm、強化繊維の体積含有率で49%であり、断面の5点の観察によりα=0.82、β=0.56であった。これにより、式(1)、(2)は満足する。一方、ガラス繊維の伸張弾性率は7400kgf/mm2 であり、E・S・m・a2 ・α/2=3.2であり式(3)を満足する。このテープを(A)とする。
以下同様にして、製造条件を変更し(B)〜(F)のテープを得た。各々を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003672043
【0027】
各々のテープを用いて図2と同様の引き抜き成形を行った。条件は、赤外線ヒーターでの予熱温度220℃、加熱ダイ温度250℃、冷却ダイ温度30℃、速度 0.8m/分、ダイ形状は矩形で、幅80mm、厚さ3mmであった。また、織物はレピア織機を用い、2本/インチ の平織物とし、組紐は、11打ち、角度30°、幅80mmの平打ちとした。ただし、テープ(A)以外は、製織、製紐共、工程通過が不可能であり、織物、組紐は得られなかった。このような材料を用いて引き抜き成形を行った結果を実施例、比較例として表2に示す。なお、曲げ試験はJISK7055に従い行い、90°曲げ試験は、長さ方向に垂直な方向に曲げ試験を行ったものである。さらに、操業性は、各種ガイド通過時の損傷、クリル解舒不良による巻き付き等のトラブルにより一時間操業するのに停台した回数を示す。
【0028】
【表2】
Figure 0003672043
【0029】
【比較例5】
テープ状成形材料の代わりに、ガラス繊維として実施例のものと同じ物を1ストランド用い、マトリックスは実施例のポリプロピレン樹脂を紡糸した、マルチフィラメント2000デニール、1000フィラメントを用いた。これを、インターレーサーを用い30m/分の速度、空気圧4kg/cm2で加工し、混繊糸を得た。この混繊糸を548本、図1の引き抜き成形に実施例と同一条件で供給し矩形の成形品を得たが、含浸が不十分であり部分的にガラス繊維が浮きだしていた。ボイド率は23%、曲げ強度は38kg/mm2であった。
【0030】
【比較例6】
テープ状成形材料の代わりに、ガラス繊維として実施例のものと同じ物を1ストランド用い、マトリックスは実施例のポリプロピレン樹脂を20から80μ位の径に粉砕した物を用いた。樹脂を空気で流動状態にした流動床中を、ガラス繊維をしんちゅうのバー5本でこすり開繊させ通過させた。樹脂粉末が50体積分率付着するよう、速度の調整と、繰り返しの付着を行った。この様に樹脂粉末が担持されたストランドを、赤外線ヒーター中を通過させ約220℃で樹脂を溶融固着させた。この材料を実施例と同様引き抜き成形を行った。成形中樹脂の付着むらによる、引き抜き抵抗の変動がみられ、成形品も含浸良部と不良部がみられた。比較的良い部分のボイド率は19%、曲げ強度は41kg/mm2であった。
【0031】
【発明の効果】
上記のような材料を用いることにより、一定断面形状を有する連続熱可塑性コンポジット成形品が、成形環境問題が少なく、取扱も容易に得られる。しかも得られた成形品は、均一な性能を有し、後加工性やリサイクル性をそなえ、かつ、補強繊維の長手方向以外にも必要強度を有している。また、熱可塑性樹脂を用いていることにより、熱硬化性樹脂性コンポジットに比較して耐衝撃性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられるテープ状コンポジット成形材料の一例の概略図を示す。
【図2】 本発明の引き抜き成形の一例の概略図を示す。
【図3】 本発明の引き抜き成形のダイの断面の一例の概略図を示す。
【図4】 本発明の引き抜き成形のダイの断面の他の一例の概略図を示す。
【図5】 図2−2のダイを用いて得られた成形品の斜視図を示す。
【図6】 図2−3のダイを用いて得られた成形品の斜視図を示す。
【図7】 本発明のロールフォーミングの一例の略図を示す。
【図8】 ロールフォーミングのロールの断面略図を示す。
【図9】 図3−2のロールを用いて得られた成形品の斜視図を示す。
【図10】 実施例1の成形品の概略断面図を示す。
【図11】 実施例5の成形品の概略断面図を示す。
【図12】 実施例6の成形品の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1:本発明に用いられるテープ状コンポジット成形材料
2:熱可塑性マトリックス樹脂
3:強化繊維
4:ボイド
5:テープクリール
6:熱可塑性コンポジットテープ状成形材料
7:予熱された熱可塑性コンポジットテープ状成形材料
8、8' 、8''、8''' :熱可塑性コンポジット連続成形品
9:織物または組物用クリール
10:織物または組物
11:予熱炉
12、13、14:加熱加圧ダイ
15、15’、15'':冷却賦形ダイ
16:冷却装置
17:引き取り機
18:カッター
19、19’:賦形ダイ
20:予熱炉
21:加熱凸ローラー
22:加熱凹ローラー
23:冷却凸ローラー
24:冷却凹ローラー
25:引き取り機
26:カッター
27、28、29:引き抜き成形品
30:一方向成分
31:組紐成分
32:織物成分
1 :本発明に用いられるテープ状コンポジット成形材料の断面の長径
2 :本発明に用いられるテープ状コンポジット成形材料の断面の短径

Claims (5)

  1. 下記式(1)および(2)を満たす、熱可塑性樹脂をマトリックスとするテープ状コンポジット成形材料を連続的に加熱、加圧して形状を付与し、その後、加圧下で冷却して一定断面形状に成形された連続成形品であって、そのボイド含有率が3%以下である連続成形品。
    0.84α−0.24≦β≦0.84α+0.06 (1)
    0.45≦α≦0.95 (2)
    ただし、α:強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって半周以上濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)
    β:強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって全周濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)
  2. 下記式(3)を満たす、熱可塑性樹脂をマトリックスとするテープ状コンポジット成形材料を織物または組物にしたものを、少なくとも一部に用いて得られた請求項1記載の一定断面形状を有する連続成形品。
    E・S・m・a2 ・α/2≦60 (3)
    ただし、E:強化繊維モノフィラメントの伸張弾性率(kgf/mm2
    S:強化繊維モノフィラメントの断面積(mm2
    m:成形材料中の強化繊維モノフィラメントの本数(−)
    2a:成形材料断面の厚さ(mm)
  3. 連続成形方法が引き抜き成形である請求項1または請求項2記載の連続成形品。
  4. 下記式(1)および(2)を満たす、熱可塑性樹脂をマトリックスとするテープ状コンポジット成形材料を連続的に加熱、加圧して形状を付与し、その後、加圧下で冷却して一定断面形状に成形することにより、連続成形品のボイド率を3%以下に低下させる連続成形方法。
    0.84α−0.24≦β≦0.84α+0.06 (1)
    0.45≦α≦0.95 (2)
    ただし、α:強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって半周以上濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)
    β:強化繊維のモノフィラメントの円周がマトリックスによって全周濡れている本数の、全強化繊維本数に対する割合(−)
  5. 下記式(3)を満たす、熱可塑性樹脂をマトリックスとするテープ状コンポジット成形材料を織物または組物にしたものを、少なくとも一部に用いて成形する請求項4記載の連続成形方法。
    E・S・m・a2 ・α/2≦60 (3)
    ただし、E:強化繊維モノフィラメントの伸張弾性率(kgf/mm2
    S:強化繊維モノフィラメントの断面積(mm2
    m:成形材料中の強化繊維モノフィラメントの本数(−)
    2a:成形材料断面の厚さ(mm)
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