JP3671214B2 - 工作機械の温度調節方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械の加工時に発生する熱、及び周囲からの熱による悪影響を防止するため、工作機械の少なくとも加工物及び工具部分及びその周辺に準包接水和物を供給することにより所定の温度に調節することができるようにした工作機械の冷却方法及びその冷却方法を実施する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば旋盤やフライス盤等の工作機械の作動に際して、加工部分から発生する加工熱は当然として、そのほか軸受、ブレーキ等から損失熱が生じ、工作機械各部の不規則な熱膨張、及び加工物の熱変形等によって加工精度に大きな影響を与える。そのため加工部分からの熱については大量の切削油や冷却液を供給し、またこの切削油や冷却液をクーラーで冷却して循環させることが行われ、またある場合にはクーラーで冷却したエアーを所望の箇所に供給すること、等が行われている。
【0003】
また、軸受、歯車、ブレーキ等の機械内部から発生する熱は、熱発生部分に対する適切な潤滑油の供給構造と供給量調節により各部の温度変化を減少させ、また工作機械内部に冷却液流路を別に設け、要部の温度を計測して各部に供給する冷却液量を調節して各部の温度変化を減少させる温度調節も提案されている。更に電動機による直接駆動機構の採用等によって軸受や歯車を減少させ、これらの部分から発生する熱を減少させる等、構造的な改良によってもその対策がなされてきた。
【0004】
工作機械の熱による影響は、上記のような内部からの熱ばかりでなく、例えば室内温度、空気流動及びその変化、日光、照明、人間からの熱輻射等によっても影響を受ける。これらは工作機械自体の問題ではないので、その工作機械の利用者が管理しなければならないことが多い。しかしそのための設備費が高価になり、また適切な管理が行われないことも多いため、例えば工作機械の周囲をプラスチックのシートで覆い、中の温度を一定に保って恒温室を形成することにより容易に温度管理を行うことができるようにした温度調節手段も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように工作機械の加工部分から発生する熱や、軸受、歯車、電動機で生じる熱等の内部熱、及び室内温度や各種輻射熱等の外部熱によって工作機械は熱変形を生じて加工精度が低下し、更に、加工物自体も熱変形を生じて常温時の寸法とは異なった加工が行われ、製品の寸法精度が低下する。その対策として前記のような種々の手段が採用されている。
【0006】
また、近年はより精密な加工の要求、及び微少な機械部品の精密加工の必要性が増加しており、ナノメータオーダーの加工精度が要求されるようにもなっている。そのため特に工作機械の熱変形は加工精度に大きな影響を与え、その対策としての各部の温度を所定値に維持するための適切な手段を講じることが重要となっている。即ち、工作機械の熱変形については、金属の熱膨張率は10−5 /K、温度分布の幅は50mK、加工物の長さを20mmとすると、20×50×10−5=10nm となり、これは超精密加工の加工精度のオーダーであって、50mk程度で加工中も旋盤やフライス盤の工作機械の温度を一定にすることが重要である。
【0007】
このように温度調節を正確に一定に保つため、例えば図1に示すような装置により可能となる。即ち、工作機械1を収納するケース2を開閉自在なプラスチック透明カバー3で覆い、加工物や工具が存在する加工部分4と工作機械本体5に対して温度調節用オイルを噴射する液体供給装置6を設ける。液体供給装置6から噴射され各部を冷却したオイルは、ケース2下部からフィルタ7を介してポンプ8で吸引し、熱交換器9で温度制御された冷水と熱交換し、所定温度となったオイルを再び液体供給装置6から前記のように噴射する。液体供給装置6から所定の温度のオイルを所定量供給するため、制御装置10により、流入する冷水を設定温度に加熱するヒータ11の制御、熱交換器9から流出するオイルの温度制御、液体供給装置6から噴射するオイルの温度制御等を行う。
【0008】
このような温度調節装置を用いることにより、加工物や工具部分から発生する熱や工作機械本体を冷却することができ、また外部の熱の影響を少なくすることができる。しかしながら、温度調節用の媒体としてオイルを使用しているためその熱容量が少なく、そのため大量のオイルを供給しなければ機械全体を均一な温度に保つことができない。特に温度調節のために供給するオイルの温度は、製作される加工物が通常使用される室温の状態で所定の精度でなければならないので、工作中もできる限り室温程度の温度に維持されていることが好ましく、それに伴って工作機械本体も室温程度の温度で各部が均一になっていることが好ましい。
【0009】
そのため、温度調節装置に供給するオイルは室温程度に温度調節されて冷却装置に供給することが好ましく、その際にはオイルの温度と発熱部との温度差が小さいため、単位時間でオイル単位量当たりの工作機械に対する温度調節能力は低くならざるを得ない。したがって大きな温度調節能力を必要とするときには大量のオイルを供給する必要があるが、そのためこれらの設備全体が大型化すると共に、高価なものとなるとともに、発熱の大きいときは熱容量が少ないため必ずしも充分な温度調節効果が得られなかった。
【0010】
したがって本発明は、少量の温度調節用媒体を用いても大量に発生する熱を吸収することができ、加工部分を初めとする装置全体を所定温度に維持することができるようにした工作機械の冷却方法及びその方法を実施する装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は上記課題を解決するため、工作機械の所用部に温度調節した準包接水和物を供給し、各部を所定温度に維持することを特徴とする工作機械の温度調節方法としたものである。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、前記準包接水和物はフッ化テトラn−ブチルアンモニウムであることを特徴とする請求項1記載の工作機械の温度調節方法としたものである。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、工作機械の所用部に液体を供給する液体供給手段と、前記液体を所定の温度に調節する温度調節装置とを備え、前記液体供給手段から準包接水和物を供給することを特徴とする工作機械の温度調節装置としたものである。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、前記準包接水和物はフッ化テトラn−ブチルアンモニウムであることを特徴とする請求項3記載の工作機械の温度調節装置としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は前記図1に示す工作機械の各部の温度調節を正確に行う装置を用い、少量の温度調節用媒体を用いても大量に発生する熱を吸収することができ、加工部分を初めとする装置全体を所定温度に維持することができるようにするため準包接水和物を用いるものである。準包接水和物は、水と水和材の分子が適当な温度と圧力の条件下で組み合わされ結晶ができるとき、水分子が網状構造等(包接格子)を作り、その隙間にゲスト分子(水和剤)が入り込んだ構造をなす化合物であり、このような準包接水和物は液状クラスレートとも呼ばれる。以下これらを総称して準包接水和物という。
【0016】
従来より準包接水和物を空調装置の熱冷媒として用いることが研究されてきており、水和物としてはCFC11、CFC12、HCFC141bなどのフロン系ガスを用いた気体水和物が開発されている。気体水和物はガスと水を適当な圧力かで混合し、冷却されることで生成される。これらの気体水和物は氷と同じ程度の大きな潜熱をもっているが、真空又は高い圧力かで蓄熱されるためにシステムが密閉系になり、工作機械の冷却には適していない。
【0017】
それに対して例えばテトラn−ブチルアンモニウム塩を水に溶解して水溶液の状態で冷却することによって液系水和物を生成することができ、それによりフッ素を用いる必要が無くなり、また5〜12℃の温度域で大気圧力の下で容易に生成することができ、また気体水和物と比べてその取り扱いが格段に容易であり、安定であることなどの効果を有する。また、このような液系水和物スラリーは凝集や付着性が小さく、再利用可能であり、加工物を含めた工作機械の冷却に適している。
【0018】
水和物を生成する液状水和剤として種々の物質が存在するが、工作機械の冷却に適切な、室温程度の温度域で融点をもつ水和物を用いることが好ましい。そのためには例えば融点が24.9℃であるフッ化テトラn−ブチルアンモニウム(C6H9)4NFの水和物水溶液を使用することがより好ましい。
【0019】
このフッ化テトラn−ブチルアンモニウムの準包接水和物は、包み込まれるゲストがフッ化テトラn−ブチルアンモニウムであり、この濃度を調節することによりこの準包接水和物の融点の変更が可能である。
【0020】
そのほか調和融点17.8℃の重炭酸テトラn−ブチルアンモニウム (C16H9)4NHCO3も使用可能であり、更に前記フッ素(F)や重炭酸(HCO3)の他、Cl、CHO4、CH3CO2、OH、NO3、CrO3、WO4などのテトラnブチルアンモニウム塩を用いることもできる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は上記のように温度調節用媒体として準包接水和物を用いたので、その潜熱を利用して工作機械から熱が大量に発生する場合でもこれを吸収することができ、また、その大きな熱容量により、工作機械の各部の温度を均一に維持することができ、熱変形を生じることがないので工作精度が向上する。
【0022】
また、加工物の加工時の温度調節域を室温に近い状態に維持することができるので、製品に仕上がり時の寸法と加工時の寸法をほぼ一致させることができ、定常温度時の精度を更に向上することができる。
【0023】
また、準包接水和物としてフッ化テトラn−ブチルアンモニウムを用いたものにおいては、その温度調節域をほぼ室温に近い状態に維持することができ、上記のように加工精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来から提案されている、各部に温度調節用液体を供給する工作機械と、その温度調節用液体の循環路を示す全体概要図である
【符号の説明】
1 工作機械
2 ケース
3 プラスチック透明カバー
4 加工部分
5 工作機械本体
6 液体供給装置
7 ポンプ
8 熱交換器

Claims (4)

  1. 工作機械の所用部に温度調節した準包接水和物を供給し、各部を所定温度に維持することを特徴とする工作機械の温度調節方法。
  2. 前記準包接水和物はフッ化テトラn−ブチルアンモニウムであることを特徴とする請求項1記載の工作機械の温度調節方法
  3. 工作機械の所用部に液体を供給する液体供給手段と、
    前記液体を所定の温度に調節する温度調節装置とを備え、
    前記液体供給手段から準包接水和物を供給することを特徴とする工作機械の温度調節装置。
  4. 前記準包接水和物はフッ化テトラn−ブチルアンモニウムであることを特徴とする請求項3記載の工作機械の温度調節装置。
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