JP3670414B2 - 繊維強化プラスチック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化プラスチックに関し、詳しくは、エポキシサイジングされた強化繊維を用い、RIMナイロンをマトリクス樹脂として反応射出成形法で成形する軽量かつ高強度の繊維強化プラスチックであって、テニス、スカッシュ、バトミントン等のラケットフレーム、テントフレーム用ポール、構造材用パイプ、埋設土管、ブロック、釣竿等の材料として好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の繊維強化プラスチックにおいてマトリクス樹脂として用いる反応射出成形用ナイロン(RIMナイロン)は、εーカプロラクタムのアニオン重合法によって生成され、触媒としてカプロラクタムとアルカリ金属、アルカリ土類金属、グリニア試薬等との反応生成物であるアニオン触媒が用いられている。
【0003】
一方、強化繊維は、通常、その表面に処理剤を付着している。この表面処理剤を付着するのは、予め所望の形状に形成した繊維を金型内に配置する場合に、金型内で繊維同士を緩く接着して繊維が互いに分離するのを防止し、所望の形状に形成した繊維が型崩れするのを防止するためである。また、特に、FW法やブレイドの積層方法で繊維予備成形体を形成する場合には、表面処理剤は、繊維を中子に巻き付ける際の収束剤の役割を果たす。即ち、中子に巻き付ける最中に繊維が濡れた状態にあれば、繊維間での結束力が生じて繊維のばらけるのが防止され、繊維を設計した配向状態に保持することができる。さらに、上記FW法で繊維予備成形体を形成する場合には、ロールから引き出した繊維をアイを通した後に中子に巻き付けるが、アイを通過する前に繊維を表面処理剤を含浸することにより、アイの部分での摩擦が減少され、繊維のほつれが防止される。さらにまた、表面処理剤を塗布することにより、繊維とマトリクス樹脂の濡れを良好として、その界面の接着性を向上させるためである。
【0004】
上記した種々の理由より強化繊維に表面処理剤を付着してサイジング処理しており、通常、強化繊維をエポキシサイジング剤で表面処理された状態で市販されている。
【0005】
しかしながら、エポキシサイジングされた強化繊維を用いてRIMナイロンで反応射出成形すると、RIMナイロンの原料中の触媒が、強化繊維のサイジング剤のエポキシ基と反応し、ナイロン重合に必要な触媒が不足し、所謂、触媒が失活する。そのため、生成された繊維強化プラスチックは強度、剛性および弾性率が低下し、使用に耐えられないものとなる。
【0006】
そのため、従来、特公平5−33645号、特開平7−299875号に開示されているように、触媒を失活させないと共にナイロンとの相性が良い水溶性、アルコール可溶性、あるいは水およびアルコールの両方に可溶性を有するナイロン表面処理剤で強化繊維のサイジングを行ってからRIMナイロンを用いて反応射出成形を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記ナイロン表面処理剤は触媒を失活させず、ナイロンとの接着性が良い利点があるが、強化繊維、特に、カーボン繊維との接着性が十分でない欠点があり、そのため、成形された繊維強化プラスチックの強度が低くなる問題がある。よって、強化繊維と表面処理剤との接着性を高くすることが要望されている。
【0008】
上記した問題に鑑み、本出願人は、前述したエポキシサイジング剤はRIMナイロンとの反応射出成形時に触媒を失活する欠点を有するが、エポキシ樹脂は強化繊維、特にカーボン繊維と接着性が良いことに注目し、反応射出成形前に物理的あるいは化学的な処理を行って上記触媒欠活の欠点を解消できる方法を鋭意研究した。
【0009】
物理的処理としては、強化繊維にエポキシサイジング剤を塗布した後、未硬化のエポキシ樹脂を重合させるために数十℃から数百℃の熱負荷を加えて硬化させ、RIMナイロンの触媒と反応するエポキシ樹脂中のエポキシ基を減少させる方法をがある。しかしながら、この強化繊維を加熱する物理的方法では、エポキシ樹脂を硬化させるために高い温度雰囲気下で数十分から数時間保持する必要があり、この高温雰囲気下で強化繊維の熱劣化及び酸素劣化を引き起こす問題がある。
【0010】
そこで、本出願人は、化学的処理により、上記したRIMナイロンとの反応射出成形時に触媒失活を防止できる方法を鋭意研究し、ナイロン重合のメカニズムに着目して、新規な化学的処理方法を開発した。本発明は、それに基づいてなされたもので、強化繊維との接着性が良く、かつ、RIMナイロンとの反応射出成形時に触媒を失活させない表面処理剤で処理され、よって、成型品は強度、剛性および弾性率の全ての点で優れてた強化繊維プラスチックを提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、請求項1で、エポキシサイジング剤で表面処理された強化繊維を用い、ナイロンマトリクスを反応射出成形にて形成した繊維強化プラスチックにおいて、
上記強化繊維のエポキシサイジング剤の表面に金属アルコキシドを付着していることを特徴とする繊維強化プラスチックを提供している。
【0012】
即ち、エポキシサイジング剤で表面処理された強化繊維を、上記金属アルコキシドの溶液に浸漬して、エポキシサイジング剤の表面に付着し、エポキシ基と金属化合物を反応させて、エポキシ基を開環させると共に、ナイロンマトリクスの反応射出成形時に触媒を失活させない反応生成物を生成させておく。このようにエポキシサイジング剤に化学的処理を施した後に強化繊維を金型のキャビテイ内に配置し、RIMナイロンを注入して反応射出成形を行う。該反応射出成形時に、RIMナイロン中の触媒がエポキシ基と反応して失活することを抑制、防止できる。よって、ナイロン重合が阻害されず、強度、剛性および弾性率の優れた成型品を成形することができる。
【0013】
上記金属アルコキシドの付着量は、エポキシ基量の10〜50モル%であることが好ましい(請求項2)。即ち、金属アルコキシドの付着量がエポキシ基量の10モル%より少ないとエポキシ基が残存するためRIMナイロンとの反応射出成形時に触媒とエポキシ基が反応して、触媒の失活をあまり低減出来ない。一方、50モル%より多くなると、金属アルコキシドが触媒として作用し、触媒過多の条件下でRIMナイロンの反応射出成形が行われ、モノマーの析出が多くなり、結晶化度が低下して、成形品の強度、剛性が低下する場合がある。
【0014】
記金属アルコキシドとしては、詳しくは、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のメトキシからなる金属メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のエトキシからなる金属エトキシドが好適に用いられる。
【0015】
上記金属アルコキシドは、アルコール可溶性であるため、金属アルコキシドのアルコール溶液中にエポキシサイジングした強化繊維を浸漬するだけで、エポキシサイジング剤の表面に金属アルコキシドを簡単に付着させることができる。また、金属アルコキシドはエポキシ基と68.5℃で反応させることができる。よって、反応射出成形する金型は140℃以上としているため、RIMナイロンを金型に注入する前に、予め強化繊維を金型内に配置するだけで、金属アルコキシドをエポキシ基と反応させて、エポキシ基を開環させると共に重合反応を阻害しない反応生成物を生成させておくことができる。即ち、特別な反応工程を設ける必要がなく、強化繊維を金型に配置するだけで、金型温度で十分に反応させることができる。
【0016】
なお、上記金属アルコキシド以外に、ナトリウムカプロラクタム、カリウムカプロラクタム、マグネシウムプロマイドカプロラクタム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のカプロラクタムも好適に用いられる。
【0017】
上記強化繊維は、カーボン繊維(炭素繊維)に限定されず、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、スチール繊維、アモルファス金属繊維、有機繊維等を用いることができる。また連続繊維、長繊維および短繊維のいずれも用いられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は実施形態の平板形状とした繊維強化プラスチック1を示し、該繊維強化プラスチック1は、カーボン繊維クロスからなる強化繊維2を、RIMナイロンから反応射出成形されたナイロンマトリクス3とで構成されている。
【0019】
上記強化繊維2は市販のエポキシサイジング剤で表面処理されたものを用い、その表面に金属アルコキシドのアルコール溶液を塗布した後、所要温度で加熱あるいは常温で、金属アルコキシドとエポキシサイジング剤のエポキシ基とを反応させ、エポキシ基を開環させると共に、マトリクス樹脂として用いるRIMナイロンを反応射出成形する際にナイロンの重合反応を阻害しない生成物を生成させている。即ち、強化繊維2の表面にはエポキシザイジング剤4の表面に上記金属アルコキシド5を付着した状態としている。
【0020】
本実施形態では、金属アルコキシドとしてナトリウムメトキシドを用い、ナトリウムメトキシドが0.03%のエタノール溶液にエポキシサイジングされた強化繊維の表面に付着している。上記ナトリウムメトキシドとエポキシ基との化学反応式は下式示す通りであり、反応生成物はエポキシ基が開環されていると共に、ナイロンの重合反応を阻害しないものとなっている。
【0021】
【化学式】
Figure 0003670414
【0022】
上記繊維強化プラスチック1は図2に示す方法で成形しており、まず、エポキシサイジング剤4で表面処理された市販の強化繊維2を、金属アルコキシドのエタノール溶液6の液槽内に浸漬して、エポキシサイジング剤4の表面に金属アルコキシド5を付着させている。
【0023】
上記金属アルコキシド5をエポキシサイジング剤4の表面に付着した強化繊維2を、反応射出成形用の金型7のキャビティ7a内に挿入配置する。金型7は140℃以上に昇温するため、該金型7内で、金属アルコキシドとエポキシ基が反応して、上記化学式に示す反応が生じ、エポキシ基を開環させると共に、ナイロンの重合を阻害しない生成物を生成する。
【0024】
上記したエポキシ基と金属アルコキシドとを反応させた後、金型7が150℃に達すると、RIMナイロンをキャビティ7a内に注入し、重合反応を起こさせて固化させる。所要時間経過後、金型7より成形された繊維強化プラスチック1を取り出している。
【0025】
詳しくは、まず、所要量のRIMナイロンを2つの容器に分けて入れ、一方には重合触媒を添加して反応溶液(A液)を調整し、他方には重合開始剤と活性調整剤を添加して反応溶液(B液)を調整する。このA液、B液を2液反応射出形成装置のミキシングヘッド(図示せず)で混合させ、混合液を注入口を介して直ちに上記金型7のキャビティ7a内に注入する。注入された混合液はキャビティ7a内に配置した強化繊維2に含浸しながら反応を生じ、1〜5分間重合反応を行って、混合液が硬化する。硬化後、金型7を開いて成形された繊維強化構造材料1を取り出す。
【0026】
上記RIMナイロンの射出成形時において、強化繊維表面に付着したエポキシ基は開環されているため、RIMナイロン中の触媒と反応せず、触媒の失活が発生せず、ナイロンの重合反応を阻害しない。
【0027】
【実施例1】
炭素繊維クロス(東邦レーヨン(株)製のW−3101)を強化繊維として用意した。これは3000フィラメントの平織りクロスであり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂でサイジングされたものである。該エポキシ樹脂の付着量は1.5重量%である。この炭素繊維クロスを、ナトリウムメトキシド0.03%のエタノール溶液に1分間浸漬した。この浸漬により付着したナトリウムメトキシの付着量は上記エポキシ基量の4.8モル%とした。液槽から引き上げた後、300×150mmに裁断し、これを10枚重ね合わせて金型のキャビティ内に配置した。
【0028】
金型を加熱して150℃まで昇温させ、この昇温工程で、金型キャビティ内に配置した炭素繊維クロスの表面のエポキシサイジングのエポキシ基とナトリウムメトキシとを反応させた。
【0029】
金型が150℃に達した後、宇部興産(株)の市販のUBEナイロンUX−75をキャビティ内に注入し、キャビティ内で強化繊維に浸透させると共に重合硬化して、反応射出成形で、厚さ2mmの繊維強化プラスチック板を成形した。なお、繊維体積含有率は44〜46%とした。
【0030】
なお、上記UBEナイロンUX−5はA成分とB成分を90℃でそれぞれ加熱溶融し、この溶融したA成分とB成分とを1:1で混合して、金型のキャビティ内に、真空下で、3.0kg/cm2の圧力で注入した。注入後の重合時間を1分30秒とした。
【0031】
【実施例2】
実施例1との相違点は、エポキシサイジングされた炭素繊維クロスを浸漬する液を、ナトリウムメトキシド0.13%のエタノール溶液とし、ナトリウムメトキシドの付着量をエポキシ基量の19.0モル%としている点である。他は同一である。
【0032】
【実施例3】
実施例1との相違点は、エポキシサイジングされた炭素繊維クロスを浸漬する液を、ナトリウムメトキシド0.25%のエタノール溶液とし、ナトリウムメトキシドの付着量をエポキシ基量の38.4モル%としている点である。他は同一である。
【0033】
【実施例4】
実施例1との相違点は、エポキシサイジングされた炭素繊維クロスを浸漬する液を、ナトリウムメトキシド0.50%のエタノール溶液とし、ナトリウムメトキシドの付着量をエポキシ基量の76.7モル%としている点である。他は同一である。
【0034】
【実施例5】
実施例1との相違点は、エポキシサイジングされた炭素繊維クロスを浸漬する液を、ナトリウムメトキシド1.00%のエタノール溶液とし、ナトリウムメトキシドの付着量をエポキシ基量の153.4モル%としている点である。他は同一である。
【0035】
【実施例6】
実施例1との相違点は、エポキシサイジングされた炭素繊維クロスを浸漬する液を、カリウムエトキシド0.07%のエタノール溶液とし、カリウムエトキシドの付着量をエポキシ基量の10.8モル%としている点である。他は同一である。
【0036】
【比較例】
実施例1との相違点は、エポキシサイジングされた炭素繊維クロスを浸漬する液を、金属化合物を含まないエタノール溶液としている点である。他は同一である。
【0037】
上記実施例1乃至実施例6および比較例の繊維強化プラスチックを幅10mm、長さ80mmにサンプルを切り出し、JIS−K7055に準じて3点曲げ試験を行った。即ち、図3に示すように、サンプルSの支持長さを50mmとし、このスパン長さの中央に荷重を加え、テストスピード2.5mm/分で3点曲げ試験を行った。この時の曲げ弾性率と曲げ破壊強度を下記の表1に示す。なお、表1は実施例1〜実施例6および比較例について5個のサンプルを作成し、これらについて測定した結果の平均値を示している。
【0038】
【表1】
Figure 0003670414
【0039】
上記測定結果に基づいて、破壊強度とナトリウムメトキシドおよびカリウムメトキシドの付着量との関係を図4に示すと共に、曲げ弾性率とナトリウムメトキシドおよびカリウムエトキシドの付着量との関係を図5に示す。
【0040】
破壊強度および曲げ弾性率については、表1および図4、 図5に示すように、ナトリウムメトキシドあるいはカリウムエトキシドを付着していない比較例は、破壊強度が16.7kgf/mm2、 曲げ弾性率が2183kgf/mm2と最も小さい。
【0041】
これに対して、破壊強度はナトリウムメトキシドの付着量を19.9モル%とした実施例2が最も大きく、ついで、実施例6のカリウムエトキシドの付着量を10.8モル%とした場合、ついで、実施例3のナトリウムメトキシドの付着量を38.4モル%としたものが大きい。これら実施例6、実施例2および実施例3は曲げ弾性率も表1及び図5に示すように優れ、実施例6は4990kgf/mm2で最大であり、 実施例2は4950kgf/mm2、 実施例3では4230kgf/mm2であった。
【0042】
このように、カリウムエトキシドおよびナトリウムメトキシドをエポキシ基量の10モル%〜50モル%の範囲にすると、破壊強度および曲げ弾性率とも非常に優れたものとなることが確認できた。
【0043】
また、実施例4のナトリウムメトキシドを76.7モル%とした場合も破壊強度は4333kgf/んmm2、 曲げ弾性率が48.2kgf/mm2と比較例よりは遥かに優れていた。 さらに、実施例5のナトリウムメトキシドを153.4モル%とした場合も、破壊強度は47.5kgf/mm2、 曲げ弾性率は4411kgf/mm2と比較例よりは遥かに優れていた。
【0044】
さらに、実施例1のナトリウムメトキシドを4.8モル%と少量にした場合でも、破壊強度は25.8kgf/mm2、 曲げ弾性率は2183kgf/mm2と比較例と比べて優れていた。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明に係わる繊維強化プラスチックでは、まず、強化繊維の表面に付着させているエポキシサイジング剤の表面に、さらに、金属アルコキシドを付着させ、該金属アルコキシドをエポキシザイジング剤のエポキシ基と反応させて、エポキシ基を開環させているため、RIMナイロンの反応射出成形時にエポキシ基がRIMナイロン中の触媒と反応して、触媒を失活させることを抑制あるいは防止することができる。よって、RIMナイロンの重合反応に必要な触媒を減少させることなく、重合反応ができ、その結果、成形品の高強度および高弾性率を有する繊維強化プラスチックを成形することができる。すなわち、市販の強化繊維の表面はエポキシザイジングされているため、この市販の強化繊維をそのまま用いて、高強度、高弾性率のナイロンRIM成形品を得ることができる。
【0046】
また、強化繊維の表面にエポキシサイジング剤を付着しているため、強化繊維と表面処理剤(サイジング剤)との接着性がよく、強化繊維を所要形状の繊維予備成形体としている場合には型崩れを発生させないと共に、強化繊維をFWする時には収束剤の役割を果し、中子に巻き付ける最中に繊維のばらけるのを防止し、繊維を設計した配向状態に保持する等の効果を有する。かつ、表面処理剤が強化繊維に確実に接着しているため、該表面処理剤を介して強化繊維と樹脂との接着性がよくなり、高強度、高弾性率を得ることができる。その結果、テニス等のラケットフレーム、テントフレーム用ポール、構造材料用パイプ等の種々の用途に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の繊維強化プラスチックの概略断面図である。
【図2】 上記繊維強化プラスチックの製造方法を示す概略図である。
【図3】 測定装置を示す概略図である。
【図4】 本発明の実施例および比較例の金属付着量と破壊強度の関係を示すグラフである。
【図5】 本発明の実施例および比較例の金属付着量と曲げ弾性率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 繊維強化プラスチック
2 強化繊維
3 ナイロンマトリクス
4 エポキシザイジング剤
5 金属アルコキシド
6 金属アルコキシドのエタノール溶液
7 金型

Claims (2)

  1. エポキシサイジング剤で表面処理された強化繊維を用い、ナイロンマトリクスを反応射出成形して形成した繊維強化プラスチックにおいて、
    上記強化繊維のエポキシサイジング剤の表面に、金アルコキシドを付着していることを特徴とする繊維強化プラスチック。
  2. 上記金属アルコキシドの付着量が、エポキシ基量の10〜50モル%である請求項1に記載の繊維強化プラスチック。
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