JP3670400B2 - 繊維質有機廃棄物の加圧・破砕処理装置 - Google Patents

繊維質有機廃棄物の加圧・破砕処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、もみがら,雑草,剪定枝,収穫くず等の植物性繊維を含む有機廃棄物、或いは繊維質を主成分とする生ごみ等の有機廃棄物を加圧・破砕処理する繊維質有機廃棄物の加圧・破砕処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機質の肥料及びその製造方法としては大きく分けると、ワラや、きゅう肥を積み込み、チッソ成分や発酵剤等を加えて完熟堆肥を熟成する積み肥と称される基本的なものが知られている(例えば「有機質肥料のつくり方、使い方」農山漁村文化協会発行、55〜97頁)。
【0003】
また、近来は家庭生ゴミ、食品残渣、家畜糞尿等、の有機性廃棄物を熟成させて有機質の肥料とする研究が進められている。例えば、魚のアラ、汚泥、残飯、オカラなどの有機性廃棄物を、含水率約60%に水分調整を行った上で約60℃で発酵させ、最終的に水分15%まで乾燥させて全過程48時間で有機肥料を製造するものであって、農業有用微生物の放線菌を使用することによって、有機物の高温発酵処理過程で病原菌、病害虫の殺菌、殺虫を行い、水分調整には、乾燥オカラまたはオカラに放線菌を混ぜて処理した戻し菌を用い、また熱源には温水を用いて低コスト化、完全自動化を図った有機性廃棄物の発酵処理装置も開発されている(例えば、月刊廃棄物、株式会社日報発行、1993年12月号21頁中段参照)。
【0004】
また、主として加熱乾燥により生ゴミ類を処理する方法としては、ボイラーの加熱によりまず温度を上げて生ゴミを腐敗させ、酸素の存在下で、温度をコントロールしながら分解菌(自然の有機物付着菌)を増殖させて好気性発酵で分解を促進、特殊羽根で撹拌し、熱キレートで分解を行った後、殺菌、乾燥を行う構造を利用するものであり、生ゴミはおじや状態になり、続いておかゆ状、練り粉状と徐々に乾燥し、約10時間後には含水率の調整や発酵菌を加えずにさらさらした砂状態の土壌改良材を得る方法が知られている(例えば、月刊廃棄物、株式会社日報発行、1993年12月号23頁中段及び下段参照)。
【0005】
さらに家庭用の生ゴミ消滅機としては、分解槽の中にあらかじめ微生物単体である木質細片を入れておき、バイオの活動を一定にするため温度は25〜40℃の適温に保ち、温度や湿度の保持、酸素の供給など微生物を成育させる最適な条件を保ちながら回転軸に複数枚の刃を付けた撹拌翼を正逆回転させ生ゴミの混合、粉砕を行って、木質細片の中へ混入させ、バイオの活動により堆肥化させることなく自然分解させる装置が知られている(例えば、月刊廃棄物、株式会社日報発行、1993年12月号26頁上段及び中段参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の積み肥の製造方法では、速成堆肥でも積み込み後切り返しを2回行い、出来上がりまでには7週間を要し、さらに出来上がり後の運搬作業も成熟しているために取扱い方法に制約を受けるという問題があり、また、近来、開発の進んでいる有機性廃棄物の発酵処理装置では水分調整しながら農業有用微生物の放線菌を使用して温水で加温しながら高温発酵処理を行うため、完全自動化とはいっても全過程で48時間を要し、また、ボイラー、電熱等の熱源を必要とする問題を有している。
【0007】
また、水分調整や、発酵菌を利用せずに生ゴミに付着した分解菌を加熱により増殖させて分解を促進し、土壌改良剤を得る方法においても、処理に約10時間を要し、加熱には大きな設備のボイラーを備えなければならないという問題を有している。
【0008】
さらに家庭用の生ゴミの消滅機は、生ゴミを微生物により分解、消滅させるために木質細片を入れてバイオの温床とし、バイオの活動に必要な酸素、温度をコントローラーで25〜45℃の適温に保ちながら処理するために加熱装置を必要とするばかりでなく、消滅には時間を要し、且つ、有機肥料としては利用できない問題を有していた。
【0009】
本発明は、上記した事情を考慮してなされたものであり、有機性廃棄物から有機性の肥料を作り出すのに発酵菌の作用等を利用して長期間を要し、しかも発酵処理にはボイラー等の熱源と管理システム等が必要とされるという従来の問題を解決するものであり、ボイラー等の熱源管理や、発酵菌等を一切必要とせず僅か数分で生肥料または土壌改良材を製造することのできる繊維質有機廃棄物の加圧・破砕処理装置を提供することを目的とする
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明の加圧・破砕処理装置は、筒状のケーシングと、該ケーシング内に設けられ、駆動力を受けて回転する回転スクリューと、吐出孔を備え、前記ケーシングの先端部に設けられる蓋部材と、前記ケーシングの後端部に設けられ、繊維質有機廃棄物を前記ケーシング内に供給する供給部と、前記ケーシングの内壁に沿って長手方向に形成された複数の直線状溝、または螺旋状溝と、前記回転スクリューのスクリュー羽根先端と前記蓋部材との間に形成された空隙部内に前記ケーシング内壁から突出して配置された棒状部材と、を備えてなることを特徴とする。
【0011】
本発明の処理装置において、回転スクリューの回転軸の先端には、蓋部材内壁に対し摺接回転するブレードを備えることが好ましい。また、前記蓋部材における外周寄りの吐出孔、筒状ケーシングの内径よりも外側に穿設されているのが好ましい。
【0012】
また、回転スクリューは、基部側スクリューと、スクリュー位相が一致するようにその先端に連結される先端側スクリューとを組み合わせることによって構成することができる。
【0013】
なお、前記直線状溝は、複数の長尺ライナーをケーシングの内壁に沿って長手方向に配列することによって形成することができ、各ライナーの一部または全部を取り替えることができるように構成することが好ましい。そして、そのライナーの内側面は、回転スクリューの回転方向に向けて低くなるように傾斜させることが好ましい。また、回転スクリューのスクリュー羽根ピッチはケーシング先端部に向かうほど密に形成することが好ましい。また、本発明の処理装置に対しては、繊維質有機廃棄物を予め細断した後、供給部に導入するためのカッター装置を付設することができる。
【0014】
本発明における繊維質有機廃棄物とは、竹、果樹,街路樹等の剪定枝、藁,すすき,セイタカアワダチ草等の雑草、籾殻、稲藁,麦藁、樹皮、並びに新聞,雑誌,段ボール等の古紙が示される。また、繊維質を含むものであれば、上記した廃棄物に限らず、野菜屑等の残渣,魚臓骨等の廃棄物も含まれる。
【0015】
本発明に従えば、回転スクリューによる送り時に、回転スクリューのスクリュー羽根外周縁とケーシング内壁、具体的にはライナーによって形成されている溝の縁部との間で繊維質有機廃棄物がせん断・破砕され、さらに加圧・混練りされ、ケーシング先端に取り付けられた蓋部材の吐出孔から排出される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の加圧・破砕処理に使用される加圧・破砕処理装置の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】
加圧・破砕処理装置の全体構成
図1において加圧・破砕処理装置1は、回転スクリューを内蔵しており、その回転スクリューの駆動源は、回転軸2を介し駆動部3から与えられるようになっている。
【0018】
筒状のケーシング5の先端部には、吐出孔17を備えた蓋材18が取り付けられており、また、後端部には繊維質有機廃棄物をケーシング1内に供給するための供給ホッパー(供給部)6が備えられている。なお、これらの各要素は基台4上に搭載されている。
【0019】
供給ホッパー6の開口部の上方における一方側には、無端状のベルトコンベヤー7が配置され、そのコンベヤー7上に投入ホッパー8が設けられ、それにより、細断する必要のない繊維質有機廃棄物の供給部9が構成されている。なお、上記投入ホッパー8と供給ホッパー6は必ずしも別構成にする必要はなく、一体に構成した場合はベルトコンベアー7を省略することができる。
【0020】
また、上記開口部の他方側には、供給斜板10と、その供給斜板10と連絡しているカッター11と、一方端がそのカッター11と接続され、他方端が上記供給ホッパー6の開口部上方まで曲延設された送給管12とで構成された、繊維質有機廃棄物を細断導入するための導入部(カッター装置)13が配置されている。
【0021】
以下各部の構成を詳しく説明する。ケーシング5の内周面には、内面の一方角部14を鋭角に形成した角柱形のライナー15,15,…が円周8等分位置に各々ケーシング5の長手方向に装着されており(図3参照)、その中心側に、回転スクリュー16が配置されている。この場合、上記ライナー15同士の間には溝が形成されることになる。
【0022】
ケーシング5の先端部には、多数の吐出孔17を備えた蓋部材18が取り付けられており、最外周側の吐出孔17の穿孔位置は、図2に示すように、後述するブレード19を回転させるための回転室Rの外周寄りに位置している。従って回転室Rの内径Dは、ケーシング5の内径dよりも大きな径に形成されている。なお、上記ブレード19は、蓋部材18の内面と摺接回転するように回転スクリュー16の回転軸2に軸着されており、それにより被処理物が目詰まりなくスムーズに排出できるようになっている。また、摺接回転時において、ライナー15と回転スクリュー16との間で破砕しきれなかった被処理物をさらに破砕して、或いは被処理物の繊維をほぐして排出することができる。
【0023】
回転スクリュー16のスクリュー羽根先端と蓋部材18との間には空隙部が設けられており、その空隙部に対しケーシング5内壁から回り止め用としての抵抗棒(棒状部材)が突設されている。この抵抗棒20は、ケーシング5を貫通し、回転スクリュー16の回転軸に向けて深く螺入されている。
【0024】
通常、繊維質の被処理物をこの種のスクリューを用いて処理すると、被処理物は1本ごとの繊維にまではほぐされておらず、多数の繊維が絡みあった塊となっている。そして、その塊は、回転スクリュー16の回転運動に伴って回転し続けようとする。一方、吐出孔17はケーシング5の軸方向に沿って穿設されているため、被処理物が上記したように大きな回転方向の速度成分を持っていると、その吐出孔17を通過することができずに、蓋部材18内壁と接触した状態で回転してしまうという不都合が生じる。このような現象は吐出孔17の目詰まりの原因となっている。そこで回転スクリュー16の回転速度を遅くすれば、被処理物の回転方向速度成分も小さくなることが考えられるが、この方法では、吐出孔17から被処理物を押し出す力も比例して低下してしまうため、依然として目詰まりを解消することはできない。
【0025】
これに対し本実施例では、蓋部材18とスクリュー羽根先端との間に形成される空隙部に向けて、抵抗棒20を複数本突設しているため、それにより吐出孔17の目詰まりを防止して安定且つ連続した加圧・破砕処理を実現している。
【0026】
即ち、図2において、回転スクリュー16のスクリュー羽根前方に抵抗がないと、被処理物は回転方向の速度成分を維持したまま蓋部材18に到達することになる。そのような被処理物に長繊維が多量に含まれていると、被処理物の回転運動は、被処理物が蓋部材18の吐出孔17を通過する上での障害となり、結果として目詰まりが発生しやすくなる。そこで、被処理物の回転運動に対して抵抗として働く抵抗棒20をケーシング5の周方向に複数本配置すれば、目詰まりを解消することができる。
【0027】
この、抵抗棒20は、ケーシング5に対して螺合される構造のため、その進入量をケーシング5の直径方向に変更することができ、抵抗の度合いを調節することができる。従ってこのような構成によれば、被処理物の種類,乾燥の程度に応じて最適な抵抗を与えることができる。
【0028】
また、ケーシング5の先端部寄りには、水分補給弁(給水部)が備えられている。この水分補給弁21は、ニードル弁形に形成されており、ニードル弁本体の側面には外部と連通する通水管22を連通して設け、内部にはニードル弁23が螺入されている。ニードル弁23の先端側は、上記空隙部を臨んで配置されており、ニードル弁23を回転させることによって進退させると、ケーシング5内に供給する水の量を調整することができるようになっている。
【0029】
なお、抵抗棒20は、図4に示すように、ケーシング5の直径方向において対向配置されており、また、水分補給弁21は、それらの抵抗棒20とは円周方向に角度をずらして対向配置されている。
【0030】
水分補給弁の構成
給水は、被処理物を円滑に送ることを目的として通常は、常時行われている。しかしながら、雑草を処理する実験によれば、夏から秋に繁殖する雑草(せいたかあわだち草,よもぎ,くず等)は水分量を適当に含有しているため、水を補給することなしに加圧・破砕処理装置を運転することが可能であることが判明した。
【0031】
一方、春に繁殖する雑草または水辺の雑草は水分が過剰であり、紙綿または紙綿から製造した例えばペレットを添加して逆に水分を吸収する必要性のあることも判明した。以上の理由から、本実施例では、給水は常時行わず、給水及び止水を制御できる構成としている。そして、止水時には給水開口及び配管系内に被処理物が侵入しない構成としている。
【0032】
本実施例のニードル弁23aは、その先端を円錐状に形成することによって、給水開口に付着する堆積物の厚さが薄くなるようにしている。それにより、給水時においては堆積物が容易に除去されるようにしている。
【0033】
水分補給弁21の取付位置は、スクリュー羽根先端から3ピッチまでの範囲内、即ち、押し出しスクリュー16の送り作用によってケーシング5内先端側において被処理物が加圧される部分に配置されている。
【0034】
詳しく説明すると、ケーシング5における供給ホッパー6付近では、被処理物は回転スクリュー16の回転につれて螺旋状の運動をしながらケーシング5軸方向に搬送されるが、この段階では被処理物に対して圧縮力は加わっていない。その後、被処理物がさらに軸方向に移動するに従って圧力が加わるようになる。
【0035】
紙綿や籾殻の如く水分含有量の少ない被処理物を処理する場合に、目詰まりを避けるために水を添加することがある。しかしながら、供給ホッパーから水を噴射する方式または供給ホッパー近傍のケーシング部位から水を注入する方式では、被処理物と水が十分に練られる前に回転スクリューによる圧縮が開始することになり、その圧縮作用により、投入した水が絞り出されてしまうことになる。従って、供給ホッパー付近では加圧部分を構成しないため、水分補給弁21の取付け位置としては適当でない。
【0036】
これに対し、スクリュー羽根先端から3ピッチ以内に水分補給弁21を配置した本実施例の構成によれば、給水位置からのスクリュー長さが短いため、被処理物の流動性が高まる分、圧力上昇が抑制され、それにより、供給した水が被処理物から絞り出されることがなく、吐出孔17における目詰まりを解消することができるようになっている。
【0037】
なお、水分補給弁21の個数は、上記実施例に限らず、2個以上であってもよい。このように多数配置すれば、処理能力の向上を目的として、回転スクリュー16の羽根直径を拡大し、給水量を増加させた場合であっても対応することができる。また、この場合、複数箇所から給水できるため、混練効果も高まることになる。
【0038】
また、本実施例において、回転スクリュー16を逆回転させると、ケーシング5内の被処理物を排出することもできる。詳しくは、目詰まりが生じた場合には、回転スクリュー16を逆回転させることが行われている。ところが、スクリュー羽根の間にある被処理物については供給ホッパー6の位置まで逆送りすることができるものの、スクリュー先端と蓋部材18との間の空間にある被処理物については逆送りすることができず、硬い塊のまま残されてしまうことになる。しかしながら、図2に示す位置に水分補給弁21を配置すれば、その硬い塊が給水によって軟化され、軟化した後に再度回転スクリュー16を正回転させれば、上記空隙部に留まっていた被処理物の塊を吐出孔17からスムーズに排出することができる。従って、装置を分解することなく、目詰まりを解消することができる。
【0039】
(蓋部材とケーシングの構成
本実施例の蓋部材18は、ケーシング5の内径dより外側にも複数の吐出孔17を穿設している。従って、この構成によれば、ケーシング5の内壁面に沿って搬送されてきた被処理物に対しても十分な吐出路が確保されることになり、回転スクリュー16先端側の被処理物の流れがスムーズとなり、結果として目詰まりが発生しにくくなる。
【0040】
前記ケーシング5に取り付けられたライナー15は、ケーシング5の軸方向に沿って直線状または螺旋状に8条等間隔に形成されており、各ライナー15の内面は、回転スクリュー16の回転方向に向けてその高さが低くなるような傾斜面に形成されている。なお、ライナーの数は8条に限らず、回転スクリュー16の径に応じて適宜選択すればよい。
【0041】
上記したケーシングの構成によれば、回転スクリュー16の正回転によってスクリュー羽根外周縁とライナー15との間に被処理物が挟まれ、引き裂かれるようにして破壊され、膨軟破壊される。また、ライナー15の角部14は鋭角に形成されており、引き裂き効果が大きくなるようにしている。さらに、ライナー15の傾斜面は、回転スクリュー16のスクリュー羽根外周縁との隙間を末広がりとしているため、その隙間に挟まれた被処理物に対し摩擦力が高くならず、小さい動力で処理装置を運転することができるようにしている。
【0042】
なお、回転スクリュー16を逆回転させると、ライナー15がスクリュー羽根の外周縁に接近すると、角部14とスクリュー羽根外周縁との距離が広いため、被処理物は引き裂かれることなくスクリュー羽根の間に移動し、さらに回転スクリュー16の逆回転によって供給ホッパー6側に戻される。従って逆回転時に負荷が大きくならず、大きな動力を必要としない。
【0043】
上述したライナーは、ねじで固定されており、取り替えることができるようになっている。ライナーを取り替え式にする目的は、籾殻や剪定枝のように硬い被処理物を扱った場合にライナー角部のエッジの摩耗が著しく、これに対処するためである。
【0044】
従来、籾殻は野積みの状態で3日程度かけて焼却処理していたが、環境問題が取り上げられてからその焼却処理が自由に行えなくなってきており、農家では籾殻の処理が切実な問題となっている。籾殻自体は1/3以下に粉砕できれば、牛の飼料に混ぜて消化剤にすることができ、また、田畑に敷き込むこともできる。そして土中での分解時間も短くなる。さらに、籾殻を膨軟破壊すると堆肥化も可能になる。しかしながら、籾殻を処理する装置においては、上記したように主要な部品が摩耗し易いため、広く普及した処理装置は見当たらない。
【0045】
一方、剪定枝については、果樹園、公園、街路樹では毎年剪定が行われており、剪定された枝は野積みにして朽ちるのを待つか、焼却処分するか、或いは土中に埋められている。このような剪定枝の処理についても籾殻と同様に処理が難しくなっている。剪定枝は膨軟破壊すれば短時間で肥料化することが可能であるが、雑草よりも硬く、処理部品の摩耗が著しいことから摩耗対策が必要とされている。このような硬い素材を処理すれば、スクリュー羽根外周縁及びライナー15においてそれぞれ摩耗が発生し、膨軟破壊効果が次第に衰える。本実施例の取り替え式ライナーはこのような不都合を解消することができるようになっている。
【0046】
スクリューの構造
スクリュー羽根の摩耗については、回転スクリューを組み合わせる連結構造とし、先端側のスクリュー羽根を取り替え可能な構成にすれば、膨軟破壊能力を常に一定に維持することができる。なお、先端側スクリューを耐摩耗性に優れた材料で構成し、基部側スクリューを安価な材料で構成することが好ましい。
【0047】
図5及び図6は分割式スクリューの構成を示したものである。まず図5において、スクリュー16は、先端側スクリュー16b及びその先端側スクリュー16bと連結される基部側スクリュー16cとからなり、先端側スクリュー16bにおける羽根末尾と基部側スクリュー16cにおける羽根先頭とは、両者が連結されたとき、スクリュー位相が一致するようになっている。そのため、先端側スクリュー16bの連結側軸部にはボックス状の突起16dが形成されており、他方、基部側スクリュー16cの連結側にはその突起16dと係合し得るボックス状の孔16eが形成されている。
【0048】
図6は図5の変形例を示したものである。同図において、先端側スクリュー16fは貫通孔16gを有し、その連結部分には四角状の縁を有する突起16hが突設されている。他方、基部側スクリュー16iは貫通孔16gと同軸となる貫通孔16jを有し、その連結部には突起16hと係合し得る四角状の孔16kが形成されている。そして両者を連結し、貫通孔16g,16jに軸75を挿入すれば、スクリュー16が完成されるようになっている。なお、キー溝等は省略している。このようにスクリューの先端部分を取り替え可能に構成すれば、膨軟破壊能力を常に一定に維持することができる。なお、本発明の回転スクリュー16は先端側に向かうほどピッチが密となっているものであり、圧縮比は被処理物に応じて選択される。
【0049】
次に、上記構成を有する加圧・破砕処理装置を用いた有機質生肥料の製造方法について説明する。図1に示した加圧・破砕処理装置の一方の供給斜板10より繊維質有機廃棄物、例えば竹等の剪定枝を供給すると、剪定枝はカッター装置11により予め短く細断され、送給管12を介して供給ホッパー6から加圧・破砕処理装置に供給される。なお、繊維質有機廃棄物が籾殻等のように切断する必要のないものについては、直接、供給ホッパー(供給部)6から供給される。
【0050】
加圧・破砕処理装置に供給された被処理物は、スクリュー羽根の螺旋状溝内にはまり込み、螺旋状に回転しながらケーシング5先端側に向けて移送される。このとき、スクリュー羽根の外周縁とライナー15の角部14とによって被処理物はせん断・破砕されながら進行し、更に回転スクリュー16の推進力により、加圧、混練りされる。このときケーシング内の被処理物の温度は約80〜90℃に上昇する。このとき、被処理物は高圧、高温と摩擦作用を受けて細胞殻が破壊され、害虫またはその卵、及び雑草種子は死滅する。
【0051】
次いで、回転スクリュー16の推進力によって蓋部材18側に送られてきた被処理物は、抵抗棒20によりその回転が制止され、その状態でさらに推進力が働くことにより、吐出孔17より排出される。この場合、特に被処理物が極端に乾燥しているような場合には水分補給弁21を操作して水分を補給することが好ましい。
【0052】
上記したように、被処理物が繊維質素材100%である場合、細かい繊維状にほぐされた状態で排出されるため、通気性、吸水・保水性がよく、容易に分解され、土壌と馴染みやすい。従って、例えば土壌改良材として利用することができる。
【0053】
また、本発明を農業分野に適用する場合、有機質生肥料を製造することができるだけでなく、堆肥原料を製造することもできる。例えば、剪定枝を例に取り説明すると、チッパーで切断処理する通常の堆肥製造方法に対し、本発明による膨軟処理を行えば、発酵時間を従来の方法に比べて1/2〜1/3に短縮することができる。また被処理物が硬い木の枝であっても、本発明による膨軟処理を施せば、枝の繊維組織が破壊されて軟らかくなり、それにより通気性が高まることになる。従って、嫌気性の腐敗菌が成長せず、好気性菌によって腐る腐食有機物が得られるため、堆肥に好適な原料を得ることができる。なお、上記堆肥原料には、窒素、燐酸、カリ等を始めとする従来公知の肥料要素を添加することができる。
【0054】
また、上記実施例に示した加圧・破砕処理装置は極めてコンパクトに構成であるため、回転スクリューは、例えばトラクターの動力を分岐して駆動させることもできる。また、本発明の溝は、上記実施例ではライナーを装着することによって形成したが、これに限らず、ケーシング内壁に直接、溝を形成したものであってもよい。
【0055】
また、本発明は、上記実施例に記載した剪定枝の処理に限らず、もみがら,雑草,収穫くず等の植物性廃棄物の処理、新聞,古雑誌,段ボール等の古紙の処理、さらには、繊維質を主成分とする生ごみ等の廃棄物の加圧・破砕処理にも適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、長時間を要する発酵処理や、ボイラー等の加熱装置等は一切必要とせずに僅か数分で、有機性の廃棄物から、腐敗が停止し土壌にまかれると自然に消化するような、繊維質を多量に含んだ生肥料を製造することができる。本発明によれば、破砕・膨軟処理を施すことができるため、剪定枝のような硬質の有機廃棄物であっても堆肥原料を簡便に且つ短時間で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維質有機廃棄物の加圧・破砕処理装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すケーシング先端部の構造を示す要部断面図である。
【図3】図1に示すケーシングの直径方向断面図である。
【図4】本発明に係る給水部及び棒状部材の配置を示すB−B線縦断面図である。
【図5】本発明に係る分割式スクリューの構成を示す正面図である。
【図6】分割式スクリューの他の例を示す分解説明図である。
【符号の説明】
1 加圧・破砕処理装置
2 回転軸
3 駆動部
4 基台
5 ケーシング
6 供給ホッパー(供給部)
7 ベルトコンベヤー
8 投入ホッパー
9 繊維質有機廃棄物を供給する供給部
10 供給斜板
11 カッター
12 供給管
13 カッター装置
15 ライナー
16 回転スクリュー
16b 先端側スクリュー
16c 基部側スクリュー
17 吐出孔
18 蓋部材
19 ブレード
20 抵抗棒(棒状部材)

Claims (8)

  1. 筒状のケーシング(5)と、
    該ケーシング(5)内に設けられ、駆動力を受けて回転する回転スクリュー(16)と、
    吐出孔(17)を備え、前記ケーシング(5)の先端部に設けられる蓋部材(18)と、
    前記ケーシング(5)の後端部に設けられ、繊維質有機廃棄物を前記ケーシング内に供給する供給部(6)と、
    前記ケーシング(5)の内壁に沿って長手方向に形成された複数の直線状溝、または螺旋状溝と、
    前記回転スクリュー(16)のスクリュー羽根先端と前記蓋部材(18)との間に形成された空隙部内に前記ケーシング内壁から突出して配置された棒状部材(20)と、
    を備えてなることを特徴とする繊維質有機廃棄物の加圧・破砕処理装置。
  2. 前記回転スクリュー(16)の回転軸(2)の先端に、前記蓋部材(18)の内壁に対し摺接回転するブレード(19)が備えられている請求項1に記載の加圧・破砕処理装置。
  3. 前記蓋部材(18)における外周寄りの吐出孔(17)が、前記筒状ケーシング(5)の内径(d)よりも外側に穿設されている請求項1または2に記載の加圧・破砕処理装置。
  4. 前記回転スクリュー(16)が、基部側スクリュー(16c)と、スクリュー位相が一致するようにその先端に連結された先端側スクリュー(16b)とから構成される請求項1〜3のいずれかに記載の加圧・破砕処理装置。
  5. 前記直線状溝は、複数の長尺ライナー(15)を前記ケーシング(5)の内壁に沿って長手方向に配列することによって形成され、前記各ライナー(15)の一部または全部が取り替え可能である請求項1〜4のいずれかに記載の加圧・破砕処理装置。
  6. 前記ライナー(15)の内側面が、前記回転スクリュー(16)の回転方向に向けて低くなるように傾斜している請求項に記載の加圧・破砕処理装置。
  7. 前記回転スクリュー(16)のスクリュー羽根ピッチが前記ケーシング(5)先端部に向かうほど密に形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の加圧・破砕処理装置。
  8. 繊維質有機廃棄物を切断して前記供給部に導入するカッター装置(13)をさらに備えてなる請求項1〜7のいずれかに記載の加圧・破砕処理装置。
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