JP3670262B2 - 波長可変フィルタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は波長多重光通信において、波長多重光のうち1つの波長成分を分離したり、波長成分を加えるために用いられる波長可変フィルタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいて光波長多重分割及び伝送技術の進展に伴い多様で柔軟な光伝送システムが要求されている。光伝送システムにおいては、任意のノードで波長多重された光信号から所望の波長の光を取り出し(ドロップ)、又は所望の波長の光を加えて(アド)波長多重光として伝送することが求められる。このように所望の波長の光を加えたり取り出したりする装置として、光アドドロップ装置がある。
【0003】
光アドドロップ装置は、波長多重光から光バンドパスフィルタを用いて多重化された波長λ1 〜λn から所望の波長、例えばλi を分波する。分波された波長の光と同一の波長で新たに変調された波長λi の光信号も光バンドパスフィルタを用いて波長多重光に加えられる。
【0004】
そこでアドドロップする光の波長を任意に変化させるためには、透過波長を変化させることができる波長可変バンドパスフィルタが必要となる。このようなバンドパスフィルタとして、通常、誘電体多層膜干渉フィルタが用いられる。そしてその入射角を変化させることによって、透過波長を連続して変化させるようにした波長可変フィルタが用いられている。
【0005】
しかしこのような波長可変フィルタを用いた場合には、透過光は波長にかかわらず一定の光軸で受光することができるが、波長を変化させるためにフィルタへの入射角度を変化させることにより、反射角度も徐々に異なってくる。従って単に同一位置で反射光を受光することができないという欠点があった。
【0006】
このような欠点を解決するための光フィルタとして、特許文献1に波長可変ノッチフィルタ装置が示されている。この波長可変ノッチフィルタ装置は帯域フィルタと反射ミラーとを非平行として揺動フレームに一体に取付け、その2つの面が交わる線を揺動フレームの回動中心線として回動させる。そして入射光を帯域フィルタに入射させると、入射した光が帯域フィルタを透過しなかった光が反射し、且つ反射ミラーで反射する。このとき受光軸は常に一定となるため、反射角度の変化によって選択波長を変化させても同一位置に配置した光ファイバに取り込むことができるものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−56439号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような特許文献1の技術によれば、入射光は帯域フィルタに一度入射した後、反射ミラーを通じて反射されるだけであり、フィルタにより選択された波長帯の反射側での抑圧比(アイソレーション)がそれほど高く得られないという欠点があった。
【0009】
本発明は光バンドパスフィルタの回転角度を変化させて透過波長を変化させたときにも、フィルタで反射する反射光の入射角度が常に一定となる波長可変フィルタを提供することを目的とする。又これに加えて、光バンドパスフィルタに2回光を入射することによって、フィルタにより選択された波長帯の反射側での抑圧比(アイソレーション)を高めるようにした波長可変フィルタ装置を提供することを目的とする。又本願の請求項4〜7の発明は、バンドパスフィルタへの入射光と反射光とを分離し、反射光を容易に利用できることを目的とする。又この場合に波長可変フィルタに2回入射することによって、フィルタにより選択された波長帯の反射側での抑圧比(アイソレーション)を高め、更にそのフィルタ内の面内での特性変化の影響を受けないようにほぼ同一位置に入射できるようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、光バンドパスフィルタ及び前記光バンドパスフィルタと対向して平行且つ固定的に配置された第1のミラーを有し、前記光バンドパスフィルタの面に近接し入射光に垂直な回動軸に沿って回動自在に形成された揺動部と、前記揺動部の第1のミラーに対向するように固定して配置され、前記第1のミラーから入射される光を前記揺動部の第1のミラーに向けて反射する第2のミラーと、入射光及び反射光を夫々逆方向に導く光ファイバ及びその先端に設けられたレンズを有し、前記入射光を前記揺動部の光バンドパスフィルタに導くと共に、前記光バンドパスフィルタによって反射された反射光を入射する入出射部と、を具備することを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項2の発明は、請求項1の波長可変フィルタ装置において、前記光バンドパスフィルタと平行に隣接して配置された第3のミラーと、前記入射光を前記第3のミラーに入射する位置、及び前記光バンドパスフィルタに入射する位置のいずれかに切換える光軸切換部と、を更に有することを特徴とするものである。
【0012】
本願の請求項3の発明は、請求項2の波長可変フィルタ装置において、前記光バンドパスフィルタと前記第3のミラーとは、使用波長のλ/2の整数倍の段差を設けて隣接して配置したことを特徴とするものである。
【0013】
本願の請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項の波長可変フィルタ装置において、前記入出射部は、入射光及び反射光を夫々逆方向に導く光ファイバを含むものであり、前記光ファイバに入射光と反射光とを分離するサーキュレータを設けたことを特徴とするものである。
【0014】
本願の請求項5の発明は、光バンドパスフィルタ及び前記光バンドパスフィルタと対向して平行且つ固定的に配置された第1のミラーを有し、前記光バンドパスフィルタの面に近接し入射光に垂直な回動軸に沿って回動自在に形成された揺動部と、前記揺動部の光バンドパスフィルタに入射光を入射する入射部と、前記揺動部の第1のミラーに対向するように固定して配置され、入射光を前記第1のミラーに向けて反射するプリズムと、前記プリズムで反射され前記揺動部の第1のミラー及び前記光バンドパスフィルタを介して出射された光を受光する出射部と、を具備し、前記プリズムは、前記揺動部の回動軸と垂直な軸に沿ってその厚さが連続的に変化し、回動軸に近い程厚く、回動軸より離れるにつれて徐々に薄くなる三角柱状のプリズムであることを特徴とするものである。
【0017】
本願の請求項6の発明は、請求項5の波長可変フィルタ装置において、前記揺動部の前記光バンドパスフィルタで反射されて出射部に入射する光軸に沿って設けられ、前記揺動部の光バンドパスフィルタに選択された波長と同一波長の光を入射する第2の入射部を更に有することを特徴とするものである。
【0018】
本願の請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項の波長可変フィルタ装置において、前記光バンドパスフィルタは、基板上に誘電体多層膜を積層した干渉型の光フィルタであることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1による波長可変フィルタ装置の構成を示す側面図、図1(b)はその上面図である。本図において光ファイバ11は波長多重光、例えばλ1 、λ2 、・・・λn を透過させる入射用の光フィルタであって、その端面には光ファイバ11から出射した光を平行光とするためのコリメートレンズ12が設けられる。光ファイバ11、コリメートレンズ12は波長多重光を入射、出射する入出射部を構成している。このコリメートレンズ12を通過する光の光軸L1をX軸に平行とする。光軸L1上には、一端に光バンドパスフィルタ(以下、単に光フィルタという)13、他端にミラー14を設けた平行六面体から成る揺動部15が設けられる。揺動部15は図示のように一方の面に光フィルタを設け、これに平行な面にミラー14を配置すればよく、その間は枠状の部材で連結するものであってもよい。この揺動部15は光フィルタ13の端部の光軸L1に垂直でY軸に平行な回動軸16に沿って所定角度の範囲で回動自在とする。そしてこの光軸L1に垂直に隣接して光ビームを反射させるためのミラー17を設けておく。
【0020】
ここで光フィルタ13は、基板上に誘電体多層膜を多数積層した光干渉フィルタとする。誘電体多層膜は透過波長のλ/4の光学厚さを有する低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層したものであり、その間には1/2波長の整数倍の光学厚さを有する層をキャビティ層として設けておく。これによって光フィルタ13の波長選択特性を改善することができる。
【0021】
次にこの実施の形態の動作について説明する。光ファイバ11より波長多重光を入射すると、波長多重光はコリメートレンズ12を介して平行な光ビームとして光軸L1に沿って光フィルタ13に入射する。光フィルタ13が入射光に対して所定の角度にあるときに、例えば波長多重光のうち波長λi を透過するものとすると、その他の波長成分から成る波長多重光は光フィルタ13によって反射される。反射された波長多重光は光軸L2を通過し、ミラー14に入射する。ミラー14で反射された光は、光軸L1と平行な光軸L3に沿ってミラー17に入射する。ミラー17は光軸L1及びL3に対して垂直に配置されているため、入射した光をそのまま折り返して反射する。この反射光は光軸L3、光軸L2をそのまま通過して再び光フィルタ13に入射する。光フィルタ13に入射した波長多重光は波長λi の成分を含んでいないため、全ての波長成分が再び反射されて光軸L1を通ってコリメートレンズ12に入射し、更に光ファイバ11に入射する。従って1つの光フィルタ13を用いて波長λi を分離することができる。選択されなかった波長成分の光は光フィルタ13で2回反射された後、光ファイバ11に加わることとなり、高い波長分離度を得ることができる。
【0022】
さて選択波長を変えるには、揺動部15を回動軸16に沿って図2に示すようにわずかに回転する。そうすれば入射角が異なるため、光フィルタ13は波長多重光のうち波長λi とは異なった波長の光を反射する。例えば波長λj の光を透過し、他の波長成分を反射するものとする。そして光フィルタ13で反射された光は同様にして光軸L2’を通ってミラー14に入射する。ミラー14で再び反射された光は光軸L3’を通ってミラー17に入射する。この場合にもミラー17に入射した光はそのまま反射されるため、同様の光軸L3’,L2’,及びL1を通って光ファイバ11に入射することとなる。こうすれば光フィルタ13に入射する角度を変化することによって、波長を分離することができ、受光軸も常に一定とすることができる。
【0023】
尚この実施の形態では、波長多重光が光ファイバ11よりこの可変フィルタ装置に入射され、一部の光を抜き出した光もそのまま光ファイバ11を介して逆方向に伝送される。従って図3に示すように、光ファイバ11の中間部にサーキュレータ18を設け、これによって入射光と反射光とを分離してもよい。即ち光ファイバ19から入射した光を光ファイバ11に与え、光ファイバ11に加えられた反射光、即ち一部の波長が除かれた波長多重光を光ファイバ20に出射することによって、入出射光を分離することができる。
【0024】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。図4(a)は光軸の側方から光フィルタ装置を見た側面図であり、図4(b)はその上面図である。これらの図において前述した実施の形態1と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。この実施の形態においても光ファイバ11の先端にコリメートレンズ12が設けられ、更に光フィルタ13とミラー14から成る揺動部15が設けられる。光ファイバ11とコリメートレンズ12とは光の入射部を構成している。そして実施の形態1のミラー17の位置には、プリズム31が設けられている。プリズム31は入射面がYZ軸に平行であり、又この面からX軸方向に45°傾けた反射面を有している。そして図4(b)に示すように、コリメートレンズ12、光ファイバ11と平行に、Y軸方向への所定間隔を隔ててコリメートレンズ32及び出射用の光ファイバ33が光の出射部として設けられている。
【0025】
次にこの実施の形態の動作について説明する。光ファイバ11から波長多重光を入射すると、コリメートレンズ12を介して光軸L1に沿って前述した実施の形態1と同様に、揺動部15の光フィルタ13に入射する。そして特定の角度ではある波長、例えば波長λi の光を透過し、他の成分の光を光フィルタ13で反射する。反射光は光軸L2を通って揺動部15のミラー14で反射され、更に光軸L3に沿ってプリズム31に入射される。プリズム31は図4(a),(b)に示すように、入射位置と出射位置がY軸に沿ってシフトしており、光軸L3と平行な光軸L4から出射されて再びミラー14に加わる。そしてミラー14で反射された光は光軸L5を通って光フィルタ13に入射する。次いで光フィルタ13で再び反射されて、光軸L6を通って出射用のコリメートレンズ32及び光ファイバ33に入射する。このようにプリズム31を用いることによって、入射光軸と出射光軸とを分離することができる。この場合にも揺動部15をわずかに傾けることによって、選択波長を変化させることができる。この場合光軸L5,L2及びL3,L4は変化するが、反射されて光ファイバ33に戻ってくる光は同一位置となるため、同一位置で反射光を受光することができる。
【0026】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について説明する。図5(a)は光軸の側方から光フィルタ装置を見た側面図であり、図5(b)はその上面図である。これらの図において実施の形態2と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。この実施の形態においても光ファイバ11の先端にコリメートレンズ12が設けられ、更に光フィルタ13とミラー14から成る揺動部15が設けられる。そして実施の形態2と同様にプリズム31が設けられている。プリズム31は入射面がYZ軸に平行であり、又この面からX軸方向に45°傾けた反射面を有している。そして図5(b)に示すように、コリメートレンズ12、光ファイバ11と平行にY軸方向への所定間隔を隔てて反射光を受光するコリメートレンズ32及び出射用の光ファイバ33が設けられている。
【0027】
この実施の形態では図5(b)に示すように光ファイバ11と光軸L1とをXY平面上でわずかにX軸方向から傾けて配置している。又受光用の光ファイバ33、光軸L6についても、XY平面上でX軸から傾けて配置している。これらの光軸L1とL6、L2とL5及びL3とL4はX軸に対称とする。
【0028】
次にこの実施の形態の動作について説明する。光ファイバ11から波長多重光を入射すると、コリメートレンズ12を介して光軸L1に沿って前述した実施の形態2と同様に、揺動部15の光フィルタ13に入射する。そして特定の角度ではある波長、例えばλi の光が透過される。光フィルタ13で反射された光は光軸L2を通って揺動部15のミラー14で反射され、更に光軸L3に沿ってプリズム31に入射する。プリズム31は図5(a),(b)に示すように、入射位置と出射位置がY軸に沿ってシフトしており、X軸に対して光軸L3と対称な光軸L4から出射されて再びミラー14に加わる。そしてミラー14で反射された光は光軸L5を通って光フィルタ13に入射する。次いで光フィルタ13で再び反射されて光軸L6を通って出射用のコリメートレンズ32及び光ファイバ33に入射する。このようにプリズム31を用いることによって入射光軸と出射光軸とを分離することができる。この場合にも揺動部15をわずかに傾けることによって選択波長を変化させることができる。
【0029】
この実施の形態では図示のように第1回目の光フィルタ13に入射する位置とプリズム31で反射され、反射光が光フィルタ13に入射する位置とが同一位置となるため、フィルタ13の面内での波長選択特性の影響がなく、光フィルタ13を2回反射する際の波長選択特性を改善することができる。又この場合にも回動軸16に沿って揺動部15を回動させると、波長を変化させることができる。この場合には光軸L5,L2及びL3,L4及び受光軸L6はわずかに変動するが、角度変動はないため、ビーム径を十分大きくとっておけば、コリメートレンズ32で使用に問題のない程度の損失で受光することができる。
【0030】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4について説明する。図6(a)は光軸の側方から光フィルタ装置を見た側面図であり、図6(b)はその上面図である。これらの図において実施の形態3と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。この実施の形態においても光ファイバ11の先端にコリメートレンズ12が設けられ、更に光フィルタ13とミラー14から成る揺動部15が設けられる。そして実施の形態3のプリズム31の位置には、ミラー34が設けられている。ミラー34は入射面がYZ軸に平行とする。そして図6(b)に示すように、コリメートレンズ12、光ファイバ11と隣接してY軸方向への所定間隔を隔てて反射光を受光するコリメートレンズ32及び出射用の光ファイバ33がX軸に対称に設けられている。
【0031】
この実施の形態では図6(b)に示すように光ファイバ11と光軸L1とをXY平面上でわずかにX軸方向から傾けて配置している。又受光用の光ファイバ33、光軸L6についても、XY平面上でX軸から傾けて配置している。これらの光軸L1とL6、L2とL5及びL3とL4はX軸に対称とする。
【0032】
次にこの実施の形態の動作について説明する。光ファイバ11から波長多重光を入射すると、コリメートレンズ12を介して光軸L1に沿って前述した実施の形態1と同様に、揺動部15の光フィルタ13に入射する。そして特定の角度ではある波長、例えばλi の光を透過する。光フィルタ13で反射された光は光軸L2を通って揺動部15のミラー14で反射され、更に光軸L3に沿ってミラー34に入射する。ミラー34は入射光を図6(b)に示すように、X軸に対して光軸L3と対称な光軸L4に反射し、反射光は再びミラー14に加わる。そしてミラー14で反射された光は光軸L5を通って光フィルタ13に入射する。次いで光フィルタ13で再び反射されて光軸L6を通って出射用のコリメートレンズ32及び光ファイバ33に入射する。このようにミラー34を用いることによって入射光軸と出射光軸とを分離することができる。
【0033】
この実施の形態においても回動軸16に沿って揺動部15を回動させると、選択波長を変化させることができる。この場合には受光軸はわずかに変動するが、角度変動はないため、ビーム径を十分大きくとっておけば、コリメートレンズ32で使用に問題のない程度の損失で受光することができる。
【0034】
(実施の形態5)
次に本発明の実施の形態5について説明する。図7(a)は光軸の側方から光フィルタ装置を見た側面図であり、図7(b)は図7(a)より揺動部15を傾けた状態を示す図であり、図7(c)はその上面図である。これらの図において前述した実施の形態4と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。この実施の形態においても光ファイバ11の先端にコリメートレンズ12が設けられ、更に光フィルタ13とミラー14から成る揺動部15が設けられる。そして図7(c)に示すように、コリメートレンズ12、光ファイバ11に隣接してY軸方向への所定間隔を隔てて反射光を受光するコリメートレンズ32及び出射用の光ファイバ33がX軸に対称に設けられている。
【0035】
この実施の形態では実施の形態4のミラー34の位置には、図示のような三角柱状のプリズム35を設けておく。プリズム35は表面に反射防止コートが施されており、入射面がYZ平面から傾いている。又背面がYZ平面に平行である。プリズム35に入射した光は図示のようにXZ平面上から見て同一方向に光を反射する。XY平面上から見ればこの反射光は図8に示すものとなり、入射光の入射位置によってY軸方向に反射する位置が異なる。この間隔をdとする。そして光フィルタ13とミラー14とから成る揺動部15を傾けた際に光路長が変化することから、反射光がシフトする。そして図7(b)のように光フィルタ13が傾く際には光フィルタの回動軸16からビームがシフトし、光路I2 が長くなる。従ってフィルタの回動軸16に近い側に厚く、回動軸16から離れるに従って薄くなるプリズム35を設けておくことによって、光フィルタ13の傾きが浅い場合には深い場合に比べてよりプリズム35内を通過する距離が長くなり、ビームシフト方向と逆方向へのシフトが発生する。従ってこのプリズムの厚みの傾斜を最適化することによって、ビームシフトを相殺することができ、受光位置を一定にすることができる。
【0036】
次にこのビームシフトが最適となるプリズム35の傾斜角度θについて以下に説明する。
平行に配置された光フィルタ13とミラー14間の距離 W
平行に配置された光フィルタ13とミラー14間を飛ぶビームの光路長 l1
平行に配置されたミラー14から折り返し用の反射面迄の距離 l2
折り返し用反射面と入射ビームとの角度 φ
入射ビームと折り返し用反射面に入射するビームの距離 h
ビームの最大シフト量 d
ビームシフト量を打ち消すために必要なプリズムの傾斜部高さ t
プリズムの屈折率をnとする。
入射ビームに対するフィルタ角度が最大値の場合と、最小値の場合との光路長の差Δlは
となる。よってビームの最大シフト量dは
d=sin φ×Δl
ビームの最大シフト量Lを打ち消すために必要なプリズムの傾斜分厚さtは
t=Δd/[2×{tan φ−tan(asin(1×sin φ/n))) }
となる。ここでプリズムに入射する位置の差Δhは
となる。従ってプリズムの傾斜角度θは
θ=atan(Δh/t)
となる。このようにプリズム35の厚みを選択することによって、揺動部15を回動させた場合にも光軸の移動はなく、同一位置で光を受光することができる。
【0037】
(実施の形態6)
次に実施の形態6について説明する。この実施の形態では実施の形態1の入射側に光の入射位置を変化させる光軸切換部を設けたものである。光軸切換部として例えば図9に示すようにコリメートレンズ12と光フィルタ13との間に回動軸41を有する長方形状のプリズム42を設ける。回動軸41は図示のようにY軸方向に平行であり、図9(a),(b)のようにプリズム42はこの軸に沿って回動するものである。又揺動部15には光ファイバ13に代えてこれとほぼ同一平面上に光フィルタ43及びミラー44を設ける。図10はこの部分の拡大図であり、図示のようにミラー44と光フィルタ43との段差Δは波長多重光で用いられる波長のλ/2の倍数の距離とすることが好ましい。尚この実施の形態は他の実施の形態についても適用できる。
【0038】
次にこの実施の形態の動作について説明する。まずプリズム42の上下面がX軸に平行な図9(a)の状態について説明する。光ファイバ11から波長多重光を入射すると、コリメートレンズ12及びプリズム42を介して光軸L1に沿って前述した実施の形態1と同様に、揺動部15の光フィルタ43に入射する。そして特定の波長λi の光が透過し、光フィルタ43で反射された光は光軸L2を通って揺動部15のミラー14で反射され、更に光軸L3に沿ってミラー17に入射する。ミラー17でそのまま反射されて光軸L3から再び出射されて再びミラー14に加わる。そしてミラー14で反射された光は光軸L2を通って光フィルタ43に入射する。次いで光フィルタ43で再び反射されて光軸L1を通って出射用のコリメートレンズ12及び光ファイバ11に入射する。このように図9(a)に示すようにプリズム42の入出射面がX軸に垂直な位置にあれば、入射光はそのまま光軸L1を通って光フィルタ43に入射するため、前述した実施の形態1と同一の動作を行う。
【0039】
そして波長を変化させるときには、まずプリズム42を回動軸41を介して回動させる。こうすれば図9(b)に示すように、光の光路L1が上方にずれてL1’となってミラー44に入射する。従って入射光は全てミラー44で反射され、ミラー14及び17で、再びそのまま反射され、光フィルタ11に戻る。こうした状態で揺動部15を回動させ、所望の波長を選択する回転角度となれば、プリズム42を図9(a)に示す位置に復帰する。こうすれば他の波長、例えばλj を選択することができる。このように波長の切換え時には一旦入射光を全て反射させ、その後所望の波長とすることで、λi 〜λj まで選択波長が連続して変化することがなく、波長変化を離散的に行うことができる。
【0040】
ここで前述したようにミラー44と光フィルタ43との段差Δをλ/2の整数倍とすれば、入出射光の光路差がλとなるため、干渉による損失を少なくすることができる。
【0041】
(実施の形態7)
次に本発明の実施の形態7について説明する。この実施の形態7では実施の形態4において、透過した光と同一波長の異なった信号で変調された光を加えることによって、波長多重光に光を重畳(アド)するものである。図11において、光ファイバ45、コリメートレンズ46は光ファイバフィルタ13で選択された波長、例えばλ1 と同一の波長で異なった信号光を光軸L6と一致させて光ファイバフィルタ13に与える。こうすれば光ファイバフィルタ13を透過した新たな信号光はそのまま光軸L6を通過する他の多重光と共にコリメートレンズ32を介して光ファイバ33に入射される。こうして光信号のアドドロップを行うことができる。尚この実施の形態は他の実施の形態にも適用することができる。
【0042】
(実施の形態8)
次に本発明の実施の形態8について図12を用いて説明する。この実施の形態8では実施の形態1において、揺動部15の光フィルタ13とミラー14とを平行でなく、光フィルタ13に対してミラー14を対向して設けたものである。図12(a)は光フィルタ13とミラー14との角度を平行状態からずらせて配置したときの構成を示す側面図であり、図12(b)は揺動部15を傾けた場合の波長可変フィルタの側面図である。これらの図に示されているように、光フィルタ13とミラー14とは必ずしも平行でなく、ミラー14が光フィルタ13からの反射光を受光することができるように対向させておくだけで、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。他の実施例についても同様である。
【0043】
尚前述した各実施の形態では、揺動部15の光フィルタ13の面上に回動軸16を設けているが、正確に光フィルタ13の面に一致していなくてもこの面の近傍であればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本願の請求項1〜4の発明によれば、光フィルタへの光の入射角度を変化させて波長を変化する場合にも、その光ファイバで反射された光を同一位置で受光することができる。又複数回光フィルタに光を入射し、光フィルタで反射されることとなるため、フィルタにより選択された波長帯の反射側での抑圧比(アイソレーション)を改善することができる。又請求項5,6の発明では、入射光と出射光との光軸を分離することができ、一部の波長成分を分離した波長多重化光を得ることができる。又請求項2の発明では、揺動部を揺動させている間には全ての光を反射させることができるため、波長を変化させている間に連続して波長間を走査することがなく、波長の切換えに伴う悪影響を除くことができる。又請求項6ではこのような効果に加えて、光をアド、ドロップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1による波長可変フィルタ装置の側面図、(b)のその上面図である。
【図2】本発明の実施の形態1による波長を変化させたときの波長可変フィルタ装置の側面図である。
【図3】本実施の形態1において入出射光を分離するサーキュレータを設けた例を示す図である。
【図4】(a)は本発明の実施の形態2による波長可変フィルタ装置の側面図、(b)はその上面図である。
【図5】(a)は本発明の実施の形態3による波長可変フィルタ装置の側面図、(b)はその上面図である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態4による波長可変フィルタ装置の側面図、(b)はその上面図である。
【図7】(a)は本発明の実施の形態5による波長可変フィルタ装置の側面図、(b)は揺動部を回動させたときの側面図、(c)はその上面図である。
【図8】本実施の形態による波長可変フィルタ装置のプリズムと入出射光を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態6による波長可変フィルタ装置の側面図である。
【図10】本実施の形態による波長可変フィルタ装置の光バンドパスフィルタとミラーとを示す拡大図である。
【図11】(a)は本発明の実施の形態7による波長可変フィルタ装置の側面図、(b)はその上面図である。
【図12】(a)は本発明の実施の形態8による波長可変フィルタ装置の側面図、(b)はその揺動部を回動させた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
11,33,45 光ファイバ
12,32,46 コリメートレンズ
13,43 光バンドパスフィルタ
14,17,34,44 ミラー
15 揺動部
16,41 回動軸
31,35,42 プリズム
Claims (7)
- 光バンドパスフィルタ及び前記光バンドパスフィルタと対向して平行且つ固定的に配置された第1のミラーを有し、前記光バンドパスフィルタの面に近接し入射光に垂直な回動軸に沿って回動自在に形成された揺動部と、
前記揺動部の第1のミラーに対向するように固定して配置され、前記第1のミラーから入射される光を前記揺動部の第1のミラーに向けて反射する第2のミラーと、
入射光及び反射光を夫々逆方向に導く光ファイバ及びその先端に設けられたレンズを有し、前記入射光を前記揺動部の光バンドパスフィルタに導くと共に、前記光バンドパスフィルタによって反射された反射光を入射する入出射部と、を具備することを特徴とする波長可変フィルタ装置。 - 前記光バンドパスフィルタと平行に隣接して配置された第3のミラーと、
前記入射光を前記第3のミラーに入射する位置、及び前記光バンドパスフィルタに入射する位置のいずれかに切換える光軸切換部と、を更に有することを特徴とする請求項1記載の波長可変フィルタ装置。 - 前記光バンドパスフィルタと前記第3のミラーとは、使用波長のλ/2の整数倍の段差を設けて隣接して配置したことを特徴とする請求項2記載の波長可変フィルタ装置。
- 前記入出射部は、入射光及び反射光を夫々逆方向に導く光ファイバを含むものであり、
前記光ファイバに入射光と反射光とを分離するサーキュレータを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の波長可変フィルタ装置。 - 光バンドパスフィルタ及び前記光バンドパスフィルタと対向して平行且つ固定的に配置された第1のミラーを有し、前記光バンドパスフィルタの面に近接し入射光に垂直な回動軸に沿って回動自在に形成された揺動部と、
前記揺動部の光バンドパスフィルタに入射光を入射する入射部と、
前記揺動部の第1のミラーに対向するように固定して配置され、入射光を前記第1のミラーに向けて反射するプリズムと、
前記プリズムで反射され前記揺動部の第1のミラー及び前記光バンドパスフィルタを介して出射された光を受光する出射部と、を具備し、
前記プリズムは、前記揺動部の回動軸と垂直な軸に沿ってその厚さが連続的に変化し、回動軸に近い程厚く、回動軸より離れるにつれて徐々に薄くなる三角柱状のプリズムであることを特徴とする波長可変フィルタ装置。 - 前記揺動部の前記光バンドパスフィルタで反射されて出射部に入射する光軸に沿って設けられ、前記揺動部の光バンドパスフィルタに選択された波長と同一波長の光を入射する第2の入射部を更に有することを特徴とする請求項5記載の波長可変フィルタ装置。
- 前記光バンドパスフィルタは、基板上に誘電体多層膜を積層した干渉型の光フィルタであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の波長可変フィルタ装置。
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