JP3489072B2 - 波長多重分離回路 - Google Patents

波長多重分離回路

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JP3489072B2 JP05167597A JP5167597A JP3489072B2 JP 3489072 B2 JP3489072 B2 JP 3489072B2 JP 05167597 A JP05167597 A JP 05167597A JP 5167597 A JP5167597 A JP 5167597A JP 3489072 B2 JP3489072 B2 JP 3489072B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重分離回路
に関し、特に、波長多重光信号から1つの波長の光信号
のみを分離するための波長多重分離回路に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、波長多重光信号から1つの波長の
光信号のみを分離する方法、あるいは特定の波長の光信
号を波長多重光信号に合波する方法として光バンドパス
フィルタを用いる方法が知られている。
【0003】図8は従来の光バンドパスフィルタによっ
て構成された波長多重合分波回路の構成例を示す図であ
る。図8において、11は誘電多層膜による光バンドパ
スフィルタであり、ある特定の波長の選択光信号のみを
透過し、それ以外の波長の光信号をすべて全反射する特
性を持つ。12は波長多重光信号をコリメートして出射
する波長多重光信号入力コリメータ、13は波長多重光
信号入力光ファイバである。14は波長多重光信号出力
コリメータ、15は波長多重光信号出力光ファイバ、1
6は選択光信号出力コリメータ、17は選択光信号出力
光ファイバ、18は選択光信号入力コリメータ、19は
選択光信号入力光ファイバである。
【0004】この波長多重合分波回路は、図8に示すよ
うに、波長多重光信号入力光ファイバ13を介して入力
される波長多重光信号の内、選択光信号以外の光信号
は、光バンドパスフィルタ11で全反射され、波長多重
光信号出力光ファイバ15を介して出力される。
【0005】一方、前記の選択光信号は、光バンドパス
フィルタ11を透過して、選択光信号出力コリメータ1
6を介して選択光信号出力光ファイバ17から出射す
る。一方、選択光信号入力光ファイバ19を介して入力
される選択光信号は、光バンドパスフィルタ11を透過
してそのまま波長多重光信号に合波され、波長多重光信
号出力光ファイバ15から出力される。
【0006】すなわち、本構成によって、波長多重光信
号入力光ファイバ13から入射され、波長多重光信号出
力光ファイバ15から出力される波長多重光信号の中の
選択光信号のみが分離されて選択光信号出力光ファイバ
17より出射し、これに代わって、選択光信号入力光フ
ァイバ19より入力された選択光信号が波長多重光信号
に合波される。
【0007】図9は選択されない波長多重光信号を同一
の光バンドパスフィルタによって2度反射させることに
より、回路のクロストーク特性を改善した例を示す図で
ある。図9において、31は波長多重光信号入力ファイ
バ、32は波長多重光信号出力光ファイバ、33は波長
多重光信号入出力コリメータである。34は光サーキュ
レータであり、波長多重光信号入力光ファイバ31の出
射光を波長多重光信号入出力コリメータ33に導通さ
せ、その入射光を波長多重光信号出力光ファイバ32に
導通させる。
【0008】35は選択光信号入力ファイバ、36は選
択光信号出力光ファイバ、37は選択光信号入出力コリ
メータである。38は光サーキュレータであり、選択光
信号入力光ファイバ35の出射光を選択光信号入出力コ
リメータ37に導通させ、その入射光を選択光信号出力
ファイバ36に導通させる。39は誘電多層膜による光
バンドパスフィルタ、40は全反射鏡である。
【0009】本例において、波長多重光信号のうち、光
バンドパスフィルタ39を透過する選択光信号は、波長
多重光信号入力光ファイバ31から、光サーキュレータ
34及び波長多重光信号入出力コリメータ33を介して
光バンドパスフィルタ39に入射し、これを透過して選
択光信号入出力コリメータ37に結合され、光サーキュ
レータ38を介して、選択光信号出力光ファイバ36よ
り出射する。
【0010】また、選択光信号入力光ファイバ35から
入射する選択光信号は、光サーキュレータ38、選択光
信号出力光ファイバ36を介して光バンドパスファイバ
39に入射し、これを透過して波長多重光信号入出力コ
リメータ33に結合し、光サーキュレータ34を介して
波長多重光信号出力光ファイバ32から出射する。
【0011】一方、選択光信号以外の波長多重光信号
は、波長多重光信号入力光ファイバ31から、光サーキ
ュレータ34及び波長多重光信号入出力コリメータ33
を介して光バンドパスフィルタ39に入射し、これに反
射されて全反射鏡40でもう一度反射され、さらに、光
バンドパスフィルタ39でもう一度反射されて、再び波
長多重光信号入出力コリメータ33に結合し、光サーキ
ュレータ34を介して波長多重光信号出力光ファイバ3
2から出射する。
【0012】従って、波長多重光信号の中で、選択光信
号成分のみが分離されて選択光信号出力光ファイバ36
より出射し、選択光信号入力光ファイバ35から入射す
る選択光信号が合波されて波長多重光信号出力光ファイ
バ32から出射する。また、本構成では、入射する波長
多重光信号が、同一の光バンドパスフィルタを2度反射
してから出力されるため、入射する波長多重光信号中か
ら選択光信号成分が2度分離されることとなり、クロス
トーク特性が改善する。
【0013】前記の波長多重分離回路において、全波長
反射領域を持った光バンドパスフィルタを用いると、無
瞬断切替を実現することができる。このような光バンド
パスフィルタの構造の1例を図10に示す。図10にお
いて、51〜58は互いに透過波長の異なる光バンドパ
スフィルタを形成する領域、59は金属コート等によっ
て作製された全反射領域である。また、60は2軸の光
フィルタ駆動機構であり、第1の軸の駆動機構は各光バ
ンドパスフィルタ領域51〜58の境界線に垂直な方向
にフィルタを駆動し、第2軸の駆動機構は各光バンドパ
スフィルタ領域51〜58から全反射領域59に向かう
方向にフィルタを駆動する。
【0014】前記フィルタを用いて選択すべき光信号波
長を変更する際、まず、駆動機構60の第2軸を用い
て、波長多重光信号の照射位置を全反射領域に移動す
る。次に、第1軸を用いてフィルタの全反射状況を保ち
つつ新たな選択光信号波長に対応した光バンドパスフィ
ルタ領域に隣接した位置までフィルタを移動する。その
後、第2軸を用いてこの光バンドパスフィルタ領域に移
動させる。この一連の切替動作により、元の選択光信
号、及び新たな選択光信号以外の波長多重光信号は、フ
ィルタに対して全反射状況を保つ。従って、切替動作中
に選択光信号以外の波長多重光信号を瞬断させることな
く、分離、合波すべき選択光信号を変更することが可能
となる。
【0015】図11は前記の光バンドパスフィルタ構造
の別の例を示す図である。図11において、71は位置
により透過波長が連続的に変化する光バンドパスフィル
タ、79は金属コート等によって作製された全反射領域
である。また、80は2軸の光フィルタ駆動機構であ
り、第1の軸の駆動機構は光バンドパスフィルタの透過
波長が変化する方向にフィルタを駆動し、第2軸の駆動
機構は光バンドパスフィルタ領域71から全反射領域7
9に向かう方向にフィルタを駆動する。
【0016】前記フィルタを用いて選択すべき光信号波
長を変更する場合も、図10の場合と同様な操作で、切
替動作中に選択光信号以外の波長多重光信号を瞬断させ
ることなく、分離、合波すべき選択光信号を変更するこ
とが可能となる。
【0017】前記図10あるいは図11の構成で用いら
れる光フィルタは、図12に示すような断面構造を持っ
た誘電体多層膜フィルタによって実現される。図12に
おいて、101は低屈折率誘電体薄膜、102は高屈折
率誘電体薄膜、103は金属蒸着膜である。
【0018】低屈折率膜101と高屈折率薄膜102と
は交互に積層され、全体として狭帯域の光バンドパスフ
ィルタとなるように、個々の薄膜の膜厚がコントロール
されている。
【0019】一方、金属蒸着膜103は入射光を全反射
する。従って、図12の構成では左半分が光バンドパス
フィルタ領域、右半分が全反射領域となる。
【0020】一般に、誘電体多層膜による光バンドパス
フィルタは、光学的な厚さがnλ/2(λは透過中心波
長、nは自然数)の層の両側を、光学的な厚さがλ/4
(λは透過中心波長)の高屈折率膜と低屈折率膜を交互
に積層したもので挾み込んだ構造となっており、シング
ルキャビティ構造と呼ばれている。また、透過波長域の
拡大、透過と反射の中間領域となる波長域の圧縮のた
め、前記シングルキャビティ構造を2段あるいは3段積
層した構造も採用されており、それぞれダブルキャビテ
ィ、トリプルキャビティ構造と呼ばれている。
【0021】図13,図14,図15は、それぞれシン
グルキャビティ、タブルキャビティ、トリプルキャビテ
ィ構造の光バンドパスフィルタの反射率と反射で生じる
位相変化の波長依存性を示す図である。図13,図1
4,図15のいずれの図も、透過中心波長が1550n
mの場合の例である。前記図13,図14,図15から
わかるように、積層されるシングルキャビティ構造の数
が大きくなるにつれて、反射率スペクトルが矩形に近く
なり、理想的なバンドパスフィルタの特性に近づく。一
方、反射光の位相は、いずれの場合も、透過中心波長か
ら遠ざかるにつれて0°に近づいていく。このように、
誘電体多層膜による光バンドパスフィルタによる反射
は、透過中心波長から十分離れた波長の光に対しては、
位相がほとんど変化しないことがわかる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術におい
て、金属膜による反射の場合、すべての波長において、
反射によって位相が逆転する。即ち、位相が180°回
転する。一般に、金属蒸着膜は誘電体膜に比べて厚みが
非常に小さいため、図12の構成のフィルタの中央部に
透過中心波長から十分離れた波長のコリメート光ビーム
が入射すると、その反射光は誘電体多層膜部分と金属部
分とで位相が反転することになる。一般に、ビームの中
心軸を境に左右で位相がφだけ異なっている光ビームを
コリメータに結合させた場合の結合効率c(φ)は、φ
=0の場合を1として、
【0023】
【数2】c(φ)=(1+cosφ)/2 で表される。前式から計算される結合損失と位相差φと
の関係を図16に示す。図16により、位相差が90°
で3dBの損失が生じ、位相差が150°以上では10
dB以上の大きな損失が生じる。従って、図16に示す
ようフィルタを用いて選択波長の切替を行った場合、波
長多重光信号ビームが光フィルタの誘電体多層膜部分と
金属部分との境界部分で反射された時に、大きな結合損
失を生じることとなる。このため、前記の従来例の構成
では、選択波長の切替動作の際に瞬断を生じ、無瞬断の
切替動作が保証できないという問題がある。
【0024】本発明の目的は、波長多重分離回路の選択
波長切替時に生じる瞬断を防止することが可能な技術を
提供することにある。
【0025】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0027】(1)すべての波長の光を反射する全反射
領域及びその領域に隣接する複数の互いに透過波長の異
なる光バンドパスフィルタ領域を有する光フィルタと、
該光フィルタを移動させる手段と、波長多重光信号を前
記光フィルタに入力する手段と、前記波長多重光信号中
の前記光フィルタを透過する選択波長成分を集束して出
力する手段と、前記光フィルタによって反射された選択
波長成分以外の波長多重光信号成分を集束して出力する
手段とを備えた波長多重分離回路において、前記光フィ
ルタ中の光バンドパスフィルタ領域で反射される光信号
成分と全反射領域で反射される光信号成分の光波の位相
が、互いに同相となるように、前記光フィルタが構成さ
れている。
【0028】(2)前記(1)に記載の波長多重分離回
路において、前記光バンドパスフィルタ領域が誘電体多
層膜によって構成され、かつ、前記全反射領域が、該誘
電体多層膜の表面上に、前記波長多重光信号に含まれる
波長成分の平均波長の1/4の厚さで堆積された金属蒸
着面で構成される。
【0029】(3)前記(1)に記載の波長多重分離回
路において、前記光バンドパスフィルタ領域が誘電体多
層膜によって構成され、かつ、前記全反射領域が前記誘
電体多層膜の表面上に、誘電体薄膜,金属薄膜の順で堆
積され、その厚みの合計が、前記波長多重光信号に含ま
れる波長成分の平均波長の1/4となるように、各薄膜
の厚みを設定したものである。
【0030】(4)前記(3)に記載の波長多重分離回
路において、前記金属薄膜を十分薄くし、かつ、誘電体
薄膜の厚みをd、前記波長多重光信号に含まれる波長成
分の平均波長をλ、該誘電体薄膜の屈折率をnとした
時、
【0031】
【数3】 tan(2πd/λ)・tan(2πnd/λ)=−n が満足するように、各薄膜の厚みを設定したものであ
る。
【0032】前述の手段にれば、選択波長切替用光フィ
ルタの境界部に故意に段差を設けることにより、波長多
重分離回路の選択波長切替時に生じる瞬断を防止するこ
とができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態(実施例)を詳細に説明する。
【0034】(実施形態1)図1は本発明の実施形態
(実施例)1で用いられる光フィルタの断面構造を示す
図であり、201は低屈折率誘電体薄膜、202は高屈
折率誘電体薄膜、203は金属蒸着膜である。図12と
同様に、図12の左半分が光バンドパスフィルタ領域、
右半分が全反射領域となっている。金属蒸着膜203の
厚みは、本フィルタに適用すべき光の波長の1/4であ
る。
【0035】図1の構成の光フィルタを用いることによ
り、金属蒸着膜203の表面の位置におけるバンドパス
フィルタ領域における反射光の位相はほぼ180°回転
し、金属蒸着膜203の反射光とほぼ同相となる。図1
6から明らかなように、位相差φが小さい場合には、こ
れに起因する結合損失は非常に小さく、30°の位相差
があっても、それによる結合損失はわずか0.3dBに
しか過ぎない。これは、位相調整用誘電体薄膜204の
膜厚を特別高精度に仕上げなくとも、光バンドパスフィ
ルタ領域における各層の膜厚精度と同等あるいはそれ以
下の精度で仕上げれば、十分実用に耐える光フィルタが
実現できることを示している。
【0036】図2,図3,図4は、前記13,図14,
図15の場合と同等の光フィルタに、本実施形態の処理
を施した場合の金属蒸着膜203の表面の位置における
バンドパスフィルタ領域での反射光の位相及び透過率の
波長依存性を示す図である。図2はシングルキャビティ
の構造の光バンドパスフィルタを示す図、図3はダブル
キャビティの構造の光バンドパスフィルタを示す図、図
4はトリプルキャビティ構造の光バンドパスフィルタを
示す図である。
【0037】金属蒸着膜203の厚みはバンドパスフィ
ルタ領域の透過中心波長(1550nm)の1/4と仮
定している。図2,図3,図4より、反射光の位相は、
いずれの場合も、透過中心波長から遠ざかるにつれて1
80°あるいは−180°に近づいていく。厳密には、
波長が透過中心波長から離れるにつれて金属蒸着膜20
3の厚みが波長の1/4からずれるため、十分遠い波長
でも、位相が180°あるいは−180°に収束するこ
とはない。しかし、通常の光増幅器を用いた波長多重シ
ステムで用いられる信号光波長範囲は、波長そのものの
約2%でしかないため、こうしたずれは、実用上問題と
はならない。
【0038】(実施形態2)図5は本発明の実施形態
(実施例)2で用いられる光フィルタの断面構造を示す
図であり、301は低屈折率誘電体薄膜、302は高屈
折率誘電体薄膜、303は金属蒸着膜、304は位相調
整用誘電体薄膜である。前記図12と同様に、図5の左
半分が光バンドパスフィルタ領域、右半分が全反射領域
となっている。位相調整用誘電体薄膜304は、低屈折
率誘電体薄膜301の表面と金属蒸着膜303の表面と
の高さの差が、本フィルタに適用すべき光の波長の1/
4となるように、その厚みが調整されている。
【0039】本実施形態2は、金属蒸着膜303と位相
調整用誘電体薄膜304の厚みの和を反射光波長のほぼ
1/4とすることにより、前述の実施形態1の場合に比
べて金属蒸着膜を薄くしつつ、これと同等の効果をもた
らすものであり、その動作原理、効果とも実施形態1と
全く同等である。
【0040】(実施形態3)図6は本発明の実施形態
(実施例)3で用いられる光フィルタの断面構造を示す
図であり、401は低屈折率誘電体薄膜、402は高屈
折率誘電体薄膜、403は金属蒸着膜、404は位相調
整用誘電体薄膜である。図5と同様に、図6の左半分が
光バンドパスフィルタ領域、右半分が全反射領域となっ
ている。位相調整用誘電体薄膜404は金属蒸着膜40
3を保護するようにこれを覆っており、その厚みは、こ
の位相調整用誘電体薄膜404がない場合に対して、全
反射領域の反射光の位相が半波長分変化するように設定
されている。具体的には、金属蒸着膜403の厚みが無
視できるほど小さい場合には、その厚みdが、
【0041】
【数4】 tan(2πd/λ)・tan(2πnd/λ)=−n を満足するように設定される。ただしλは入射光の波
長、nは誘電体薄膜404の屈折率である。この式は、
誘電体薄膜404の表面及び金属蒸着膜403との界面
で起こる多重反射を考慮することにより、導かれるもの
である。
【0042】図7は波長1.55μmの入射光に対する
最適な誘電体薄膜404の厚みとその屈折率との関係を
示す図である。図7からわかるように、屈折率が高いほ
ど膜厚が小さくできる。また、屈折率が1.5の場合
に、波長の1/2の膜厚が最適となる。金属蒸着膜上へ
のこうした誘電体薄膜のコーティングは、通常、金属表
面の酸化の防止等の保護の目的で行われるものであり、
本実施形態における誘電体薄膜404のコーティング
も、本来の目的である反射光の位相制御とは別に、金属
蒸着膜の保護の効果が期待される。
【0043】なお、本実施形態3は、金属蒸着膜403
の表面に位相調整用誘電体薄膜404をコーティングす
ることにより、金属蒸着膜の保護の効果を付加しつつ、
前記の実施形態2と同等の効果をもたらすものであり、
その動作原理、効果とも前記の実施形態と全く同等であ
る。
【0044】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0045】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、波長多重分離回路の選択波長切替時に生じる瞬断を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(実施例)1で用いられる光
フィルタの断面構造を示す図である。
【図2】本実施形態1の金属蒸着膜の表面の位置におけ
るバンドパスフィルタ領域での反射光の位相及び透過率
の波長依存性を示す図である。
【図3】本実施形態1の金属蒸着膜の表面の位置におけ
るバンドパスフィルタ領域での反射光の位相及び透過率
の波長依存性を示す図である。
【図4】本実施形態1の金属蒸着膜の表面の位置におけ
るバンドパスフィルタ領域での反射光の位相及び透過率
の波長依存性を示す図である。
【図5】本発明の実施形態(実施例)2で用いられる光
フィルタの断面構造を示す図である。
【図6】本発明の実施形態(実施例)3で用いられる光
フィルタの断面構造を示す図である。
【図7】本実施形態(実施例)3における波長1.55
μmの入射光に対する最適な誘電体薄膜の厚みとその屈
折率との関係を示す図である。
【図8】従来の光バンドパスフィルタによって構成され
た波長多重合分波回路の構成例を示す図である。
【図9】従来のクロストーク特性を改善した波長多重合
分波回路の構成例を示す図である。
【図10】従来の無瞬断切替機能を持った波長多重合分
波回路のためのバンドパスフィルタの構造例を示す図で
ある。
【図11】従来の他の無瞬断切替機能を持った波長多重
合分波回路のためのバンドパスフィルタの構造例を示す
図である。
【図12】図10、図11に示した誘電体多層膜フィル
タの断面構造を示す図である。
【図13】従来のシングルキャビティ構造の光バンドパ
スフィルタの反射率と反射で生じる位相変化の波長依存
性を示す図である。
【図14】従来のダブルキャビティ構造の光バンドパス
フィルタの反射率と反射で生じる位相変化の波長依存性
を示す図である。
【図15】従来のトリプルキャビティ構造の光バンドパ
スフィルタの反射率と反射で生じる位相変化の波長依存
性である。
【図16】従来の結合損失と光ビームの2つの領域間の
位相差φとの関係を示す図である。
【符号の説明】
11…誘電多層膜光バンドパスフィルタ、12…波長多
重光信号入力コリメータ、13…波長多重光信号入力光
ファイバ、14…波長多重光信号出力コリメータ、15
…波長多重光信号出力光ファイバ、16…選択光信号出
力コリメータ、17…選択光信号出力光ファイバ、18
…選択光信号入力コリメータ、19…選択光信号入力光
ファイバ、31…波長多重光信号入力ファイバ、32…
波長多重光信号出力光ファイバ、33…波長多重光信号
入出力コリメータ、34…光サーキュレータ、35…選
択光信号入力ファイバ、36…選択光信号諸津力光ファ
イバ、37…選択光信号入出力コリメータ、38…光サ
ーキュレータ、39…誘電多層膜光バンドパスファイ
バ、40…全反射鏡、51〜58…光バンドパスフィル
タ領域、59…全反射領域、62…2軸光フィルタ駆動
機構、71…連続的可変光バンドパスフィルタ、79…
全反射利用域、80…2軸光フィルタ駆動機構、101
…低屈折率誘電体薄膜、102…高屈折率誘電体薄膜、
103…金属蒸着膜、201…低屈折率誘電体薄膜、2
02…高屈折率誘電体薄膜、203…金属蒸着膜、30
1…低屈折率誘電体薄膜、302…高屈折率誘電体薄
膜、303…金属蒸着膜、401…低屈折率誘電体薄
膜、402…高屈折率誘電体薄膜、403…金属蒸着
膜、404…位相調整用誘電体薄膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/00 H04B 10/02 H04J 14/00 H04J 14/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すべての波長の光を反射する全反射領域
    及びその領域に隣接する複数の互いに透過波長の異なる
    光バンドパスフィルタ領域を有する光フィルタと、該光
    フィルタを移動させる手段と、波長多重光信号を前記光
    フィルタに入力する手段と、前記波長多重光信号中の前
    記光フィルタを透過する選択波長成分を集束して出力す
    る手段と、前記光フィルタによって反射された選択波長
    成分以外の波長多重光信号成分を集束して出力する手段
    とを備えた波長多重分離回路において、前記光フィルタ
    中の光バンドパスフィルタ領域で反射される光信号成分
    と全反射領域で反射される光信号成分の光波の位相が、
    互いに同相となるように、前記光フィルタが構成されて
    いることを特徴とする波長多重分離回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の波長多重分離回路にお
    いて、前記光バンドパスフィルタ領域が誘電体多層膜に
    よって構成され、かつ、前記全反射領域が、該誘電体多
    層膜の表面上に、前記波長多重光信号に含まれる波長成
    分の平均波長の1/4の厚さで堆積された金属蒸着面で
    構成されることを特徴とする波長多重分離回路。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の波長多重分離回路にお
    いて、前記光バンドパスフィルタ領域が誘電体多層膜に
    よって構成され、かつ、前記全反射領域が前記誘電体多
    層膜の表面上に、誘電体薄膜,金属薄膜の順で堆積さ
    れ、その厚みの合計が前記波長多重光信号に含まれる波
    長成分の平均波長の1/4となるように、各薄膜の厚み
    を設定したことを特徴とする波長多重分離回路。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の波長多重分離回路にお
    いて、前記金属薄膜を十分薄くし、かつ、誘電体薄膜の
    厚みをd、前記波長多重光信号に含まれる波長成分の平
    均波長をλ、該誘電体薄膜の屈折率をnとした時、 【数1】 tan(2πd/λ)・tan(2πnd/λ)=−n が満足するように、各薄膜の厚みを設定したことを特徴
    とする波長多重分離回路。
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