JP3669291B2 - Manufacturing method of field emission electron source - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体材料を用いて電界放射により電子線を放射するようにした電界放射型電子源の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電界放射型電子源として、例えば米国特許3665241号などに開示されているいわゆるスピント(Spindt)型電極と呼ばれるものがある。このスピント型電極は、微小な三角錐状のエミッタチップを多数配置した基板と、エミッタチップの先端部を露出させる放射孔を有するとともにエミッタチップに対して絶縁された形で配置されたゲート層とを備え、真空中にてエミッタチップをゲート層に対して負極として高電圧を印加することにより、エミッタチップの先端から放射孔を通して電子線を放射するものである。
【0003】
しかしながら、スピント型電極は、製造プロセスが複雑であるとともに、多数の三角錐状のエミッタチップを精度良く構成することが難しく、例えば平面発光装置やディスプレイなどへ応用する場合に大面積化が難しいという問題があった。また、スピント型電極は、電界がエミッタチップの先端に集中するので、エミッタチップの先端の周りの真空度が低くて残留ガスが存在するような場合、放射された電子によって残留ガスがプラスイオンにイオン化され、プラスイオンがエミッタチップの先端に衝突するから、エミッタチップの先端がダメージ(例えば、イオン衝撃による損傷)を受け、放射される電子の電流密度や効率などが不安定になったり、エミッタチップの寿命が短くなってしまうという問題が生じる。したがって、スピント型電極では、この種の問題の発生を防ぐために、高真空(約10-5Pa〜約10-6Pa)で使用する必要があり、コストが高くなるとともに、取扱いが面倒になるという不具合があった。
【0004】
この種の不具合を改善するために、MIM(Metal Insulator Metal)方式やMOS(Metal Oxide Semiconductor)型の電界放射型電子源が提案されている。前者は金属−絶縁膜−金属、後者は金属−酸化膜−半導体の積層構造を有する平面型の電界放射型電子源である。しかしながら、このタイプの電界放射型電子源において電子の放出効率を高めるためには(多くの電子を放射させるためには)、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚を薄くする必要があるが、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚を薄くしすぎると、上記積層構造の上下の電極間に電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす恐れがあり、このような絶縁破壊を防止するためには上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚の薄膜化に制約があるので、電子の放出効率(引き出し効率)をあまり高くできないという不具合があった。
【0005】
これらに対し、電子の放出効率を高めることができる電界放射型電子源として、近年では、例えば特開平8−250766号公報に開示されているように、シリコン基板などの単結晶の半導体基板を用い、その半導体基板の一表面を陽極酸化することにより多孔質半導体層(ポーラスシリコン層)を形成して、その多孔質半導体層上に金属薄膜(導電性薄膜)よりなる表面電極を形成し、半導体基板と表面電極との間に電圧を印加して電子を放射させるように構成した電界放射型電子源(半導体冷電子放出素子)が提案されている。
【0006】
しかしながら、上述の特開平8−250766号公報に記載の電界放射型電子源では、電子放出時にいわゆるポッピング現象が生じやすく、放出電子量にむらが起こりやすいので、平面発光装置やディスプレイ装置などに応用すると、発光むらができてしまうという不具合がある。
【0007】
そこで、本願発明者らは、特願平10−272340号、特願平10−272342号において、導電性基板と金属薄膜(表面電極)との間に介在し導電性基板から注入された電子がドリフトする強電界ドリフト層を酸化した多孔質多結晶シリコン層により構成した電界放射型電子源を提案した。この電界放射型電子源10’は、例えば、図3に示すように、導電性基板たるn形シリコン基板1の主表面側に酸化した多孔質多結晶シリコン層よりなる強電界ドリフト層6”が形成され、強電界ドリフト層6”上に金属薄膜よりなる表面電極7が形成され、n形シリコン基板1の裏面にオーミック電極2が形成されている。なお、図3に示す例では、n形シリコン基板1と強電界ドリフト層6”との間にノンドープの多結晶シリコン層3を介在させてあるが、多結晶シリコン層3を介在させずにn形シリコン基板上に強電界ドリフト層6”を形成した構成も提案されている。
【0008】
図3に示す構成の電界放射型電子源10’から電子を放出させるには、表面電極7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面電極7をn形シリコン基板1(オーミック電極2)に対して高電位側(正極)となるように表面電極7とn形シリコン基板1との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加する。各直流電圧Vps,Vcを適宜に設定すれば、n形シリコン基板1から注入された電子が強電界ドリフト層6”をドリフトし表面電極7を通して放出される(なお、図3中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子e-の流れを示す)。表面電極7には仕事関数の小さな材料(例えば、金)が採用され、表面電極7の膜厚は10nm〜15nm程度に設定されている。
【0009】
上述の構成を有する電界放射型電子源10’では、表面電極7とオーミック電極2との間に流れる電流をダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電極7との間に流れる電流をエミッション電流(放出電子電流)Ieと呼ぶことにすれば(図3参照)、ダイオード電流Ipsに対するエミッション電流Ieの比率(=Ie/Ips)が大きいほど電子放出効率が高くなる。なお、この電界放射型電子源10’では、表面電極7とオーミック電極2との間に印加する直流電圧Vpsを10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができる。
【0010】
この電界放射型電子源10’では、電子放出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して電子を高い電子放出効率で放出することができる。
【0011】
上述の電界放射型電子源10’では、強電界ドリフト層6”が、導電性基板たるn形シリコン基板1上にノンドープの多結晶シリコン層を堆積させた後に、該多結晶シリコン層を陽極酸化処理にて多孔質化し、多孔質化された多結晶シリコン層(多孔質多結晶シリコン層)を急速加熱法によって例えば900℃の温度で酸化することにより形成されている。ここにおいて、陽極酸化処理に用いる電解液としては、フッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した液を用いている。また、急速加熱法によって酸化する工程では、ランプアニール装置を用い、基板温度を乾燥酸素中で室温から900℃まで上昇させた後、基板温度を900℃で1時間維持することで酸化し、その後、基板温度を室温まで下降させている。
【0012】
上述のようにして形成された強電界ドリフト層6”は、図4に示すように、少なくとも、柱状の多結晶シリコンのグレイン51と、グレイン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間に介在するナノメータオーダのシリコン微結晶63と、シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜であるシリコン酸化膜64とから構成されると考えられる。すなわち、強電界ドリフト層6”は、陽極酸化処理を行う前の多結晶シリコン層に含まれていた各グレインの表面が多孔質化し各グレインの中心部分では結晶状態が維持されているものと考えられる。したがって、強電界ドリフト層6”に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64を集中的に通り、注入された電子はシリコン酸化膜64を通る強電界により加速されグレイン51間を表面に向かって図4中の矢印Aの向きへ(図4中の上方向へ向かって)ドリフトするので、電子放出効率を向上させることができる。なお、強電界ドリフト層6’の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。
【0013】
上述の電界放射型電子源10’では、導電性基板としてn形シリコン基板を用いているが、図5に示すように、ガラス基板からなる絶縁性基板11の一表面に導電性層12を形成したものを用いた電界放射型電子源10”も提案されている。ここに、上述の電界放射型電子源10’と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、ガラス基板からなる絶縁性基板11の一表面に導電性層12を形成したものを導電性基板として用いる場合には、多孔質多結晶シリコン層を酸化する方法として、例えば電解質溶液を利用した電気化学的な酸化方法を採用すればプロセス温度を低温化でき、導電性基板の材料の制約が少なくなって比較的安価なガラス基板を利用することが可能になる。
【0014】
図5に示す構成の電界放射型電子源10”から電子を放出させるには、表面電極7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面電極7が導電性層12に対して高電位側(正極)となるように表面電極7と導電性層12との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加する。各直流電圧Vps,Vcを適宜に設定すれば、導電性層12から注入された電子が強電界ドリフト層6”をドリフトし表面電極7を通して放出される(なお、図5中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子e-の流れを示す。)
上述の構成を有する電界放射型電子源10”では、表面電極7と導電性層12との間に流れる電流をダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電極7との間に流れる電流をエミッション電流(放出電子電流)Ieと呼ぶことにすれば(図5参照)、ダイオード電流Ipsに対するエミッション電流Ieの比率(=Ie/Ips)が大きいほど電子放出効率が高くなる。なお、この電界放射型電子源10”では、表面電極7と導電性層12との間に印加する直流電圧Vpsを10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成の電界放射型電子源10’,10”では、電子を安定して高効率で放出することができるものの、電子放出効率などの電子放出特性や絶縁耐圧などの信頼性のより一層の向上が望まれている。
【0016】
ところで、上述の電界放射型電子源10’,10”では強電界ドリフト層6”を形成する過程で陽極酸化処理や電気化学的な酸化処理などのウェット処理を行っており、これらの処理の最後には水分を除去するために乾燥工程を行っている。しかしながら、強電界ドリフト層6”としてナノメータオーダのシリコン微結晶63を含む多孔質構造を利用しているので、水分を十分に除去することができなかったり、乾燥工程でシリコン微結晶63やシリコン酸化膜64などの一部が破壊されてしまう可能性があり、結果的に電子放出特性や絶縁耐圧に悪影響を与えているのではないか考えられる。
【0017】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電子放出特性および信頼性を向上できる電界放射型電子源の製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、導電性基板と、導電性基板の一表面側に形成された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強電界ドリフト層と、該強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極を導電性基板に対して正極として電圧を印加することにより導電性基板から注入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であって、導電性基板の一表面側に半導体層を形成する第1の工程と、陽極酸化処理にて前記半導体層の少なくとも一部を多孔質化することにより多孔質半導体層を形成する第2の工程と、ウェット処理により多孔質半導体層を酸化若しくは窒化することにより強電界ドリフト層を形成する第3の工程とを有し、さらに、第2の工程と第3の工程との間、第3の工程の後それぞれに、導電性基板の一表面側に残留している水分を超臨界流体を利用して除去する超臨界乾燥工程を有することを特徴とし、陽極酸化処理後、強電界ドリフト層の形成後それぞれの段階で導電性基板の一表面側に残留している水分を導電性基板の一表面側に形成されている構造を破壊することなく低温で除去することが可能になり、電界放射型電子源の電子放出特性および信頼性を向上できる。
また、第3の工程は、ウェット処理により多孔質半導体層を酸化若しくは窒化するので、第3の工程のプロセス温度の低温化を図れ、電界放射型電子源の大面積化および低コスト化を図れる。ここに、ウェット処理として電気化学的な酸化処理若しくは窒化処理を採用することで、陽極酸化処理に用いる処理槽の利用が可能になる。
【0019】
また、請求項1の発明は、第2の工程と超臨界乾燥工程とに1つの処理槽を共用するので、第2の工程から超臨界乾燥工程へ移る際に多孔質半導体層への不純物の混入を防止できる。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第3の工程と前記超臨界乾燥工程とに1つの処理槽を共用するので、前記第3の工程から前記超臨界乾燥工程へ移る際に強電界ドリフト層への不純物の混入を防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本実施形態では、図1(e)に示すように導電性基板としてガラス基板からなる絶縁性基板11の一表面上に導電性層(例えば、クロム膜などの金属膜やITO膜など)12を設けたものを用いている。このように絶縁性基板11の一表面側に導電性層12を形成した基板を用いる場合には、導電性基板として半導体基板を用いる場合に比べて、電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0025】
本実施形態の電界放射型電子源10の基本構成は、図5に示した従来構成と略同じであって、図1(e)に示すように、絶縁性基板11上の導電性層12上に多結晶半導体層としてノンドープの多結晶シリコン層3が形成され、多結晶シリコン層3上に酸化した多孔質多結晶シリコン層よりなる強電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフト層6上に表面電極7が形成されている。表面電極7には仕事関数の小さな材料(例えば、金)が採用され、表面電極7の膜厚は10〜15nm程度に設定されている。強電界ドリフト層6の構造については後述する。なお、図1(e)の例では、導電性層12と強電界ドリフト層6との間に多結晶シリコン層3の一部を介在させてあるが、多結晶シリコン層3を介在させずに導電性層12上に強電界ドリフト層6を形成した構成を採用してもよい。
【0026】
図1(e)に示す構成の電界放射型電子源10から電子を放出させるには、図5に示した従来構成と同様に、表面電極7に対向配置されたコレクタ電極21(図5参照)を設け、表面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面電極7が導電性層12に対して高電位側(正極)となるように表面電極7と導電性層12との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加する。各直流電圧Vps,Vcを適宜に設定すれば、導電性層12から注入された電子が強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放出される。
【0027】
以下、本実施形態の電界放射型電子源10の製造方法について図1を参照しながら説明する。
【0028】
まず、絶縁性基板11の一表面側にスパッタ法などによって導電性層12を形成して導電性基板を構成することで図1(a)に示す構造が得られる。
【0029】
その後、導電性基板の一表面側(つまり、導電性層12上)に所定膜厚(例えば、1.5μm)の半導体層として多結晶シリコン層3を形成(成膜)することにより図1(b)に示す構造が得られる。なお、多結晶シリコン層3の成膜方法としては、例えばCVD法(例えばLPCVD法、プラズマCVD法、触媒CVD法など)やスパッタ法やCGS(Continuous Grain Silicon)法などを採用すればよいが、成膜温度を600℃以下とすることで絶縁性基板11として、例えば、無アルカリガラス基板、低アルカリガラス基板、ソーダライムガラス基板などの比較的安価なガラス基板を用いることができて低コスト化を図ることができる。
【0030】
次に、多結晶シリコン層3上に後述の多孔質多結晶シリコン層4を所定領域にのみ形成するためのマスク材(図示せず)を設け、その後、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液の入った処理槽を利用し、白金電極(図示せず)を負極、導電性層12を正極として、多結晶シリコン層3に光照射を行いながら所定の条件で陽極酸化処理を行うことによって、多孔質多結晶シリコン層4が形成され、上記マスク材を除去することにより図1(c)に示す構造が得られる。ここにおいて、本実施形態では、陽極酸化処理の条件として、陽極酸化処理の期間、多結晶シリコン層3の表面に照射する光パワーを一定、電流密度を一定としたが、この条件は適宜変更してもよい(例えば、電流密度を変化させてもよい)。
【0031】
上述の陽極酸化処理が終了した後、上述の処理槽から電解液を除去し、当該処理槽に新たに電解質溶液として1モルの硫酸(H2SO4)水溶液を投入し、その後、この硫酸の入った処理槽を利用して、上記白金電極を負極、導電性層12を正極として定電流を流し多孔質多結晶シリコン層4を電気化学的に酸化して強電界ドリフト層6を形成することにより、図1(d)に示す構造が得られる。なお、電気化学的な酸化処理の際に用いる水溶液および濃度は特に限定するものではなく、例えば硝酸水溶液などを用いてもよい。ここに、電気化学的な酸化処理はウェット処理である。
【0032】
強電界ドリフト層6を形成した後には、導電性基板の一表面側に残留している水分(ここでは、強電界ドリフト層6に残留している水分)を超臨界流体を利用して除去する超臨界乾燥工程を行う。
【0033】
超臨界乾燥工程を行った後、強電界ドリフト層6上に導電性薄膜(例えば、金薄膜)からなる表面電極7を例えば蒸着法により形成することによって、図1(e)に示す構造の電界放射型電子源10が得られる。なお、表面電極7の形成方法は蒸着法に限定されるものではなく、例えばスパッタ法を用いてもよい。
【0034】
上述の製造方法によって製造された電界放射型電子源10の強電界ドリフト層6は、図2に示すように、少なくとも、柱状の多結晶シリコンのグレイン51と、グレイン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間に介在するナノメータオーダのシリコン微結晶63と、シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜であるシリコン酸化膜64とから構成されると考えられる。すなわち、強電界ドリフト層6は、陽極酸化処理を行う前の多結晶シリコン層に含まれていた各グレインの表面が多孔質化し各グレインの中心部分では結晶状態が維持されているものと考えられる。したがって、強電界ドリフト層6に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64を集中的に通り、注入された電子e-はシリコン酸化膜64を通る強電界により加速されグレイン51間を表面に向かって図2中の矢印の向き(図2中の上方向)へドリフトするので、電子放出効率を向上させることができる。なお、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。
【0035】
ただし、本実施形態の電界放射型電子源10では、製造プロセスにおいて、強電界ドリフト層6を形成した後に、導電性基板の一表面側に残留している水分を超臨界流体を利用して除去しているので、強電界ドリフト層6に形成されている微細な構造(シリコン微結晶63、シリコン酸化膜64など)を破壊することなく低温で強電界ドリフト層6の水分を除去することができ、従来に比べて電界放射型電子源10の電子放出特性(例えば、電子放出効率、エミッション電流など)および信頼性(例えば、絶縁耐圧、寿命など)を向上できる。なお、上述の製造方法で製造された電界放射型電子源10は、図3に示した従来の電界放射型電子源10’と同様に、電子放出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して電子を放出することができる。
【0036】
また、上述の製造方法では、陽極酸化処理にて半導体層たる多結晶シリコン層を多孔質化することにより多孔質半導体層たる多孔質多結晶シリコン層4を形成する陽極酸化処理工程と、多孔質多結晶シリコン層4を酸化する酸化工程とに1つの処理槽を共用しているので、例えば不活性ガス雰囲気でこの2つの工程を行うことにより、陽極酸化処理工程から酸化工程へ移る際に多孔質多結晶シリコン層4への大気中の不純物の混入を防止できる。
【0037】
ところで、上述の製造方法では、陽極酸化処理工程と酸化工程とで1つの処理槽を共用しているが、互いに異なる処理槽を利用することも考えられるし、1つの処理槽の内部空間を複数(例えば、2つ)に分割して利用してもよい。また、多孔質多結晶シリコン層4を酸化する酸化工程は電気化学的な酸化工程に限らず、O2ガスを用いた熱酸化工程、O2プラズマを用いた酸化工程、オゾンを用いた酸化工程などのドライプロセスを採用することも考えられ、これらの工程は電気化学的な酸化工程のようなウェットプロセス(ウェット処理)ではないから、酸化工程後の超臨界乾燥工程は必ずしも行う必要がなく、陽極酸化処理工程後に超臨界乾燥工程を行ってから酸化工程を行うようにすればよい。要するに、超臨界乾燥工程はウェット処理の後に行うことが望ましい。
【0038】
また、陽極酸化処理工程と陽極酸化処理工程後の超臨界乾燥工程とに共通の処理槽を用いるようにすれば、陽極酸化処理工程から超臨界乾燥工程へ移る際に多孔質多結晶シリコン層4への大気中の不純物の混入および自然酸化膜の形成を抑制することが可能になり、酸化工程と酸化工程後の超臨界乾燥工程とに共通の処理槽を用いるようにすれば、酸化工程から超臨界乾燥工程へ移る際に強電界ドリフト層6への大気中の不純物の混入および自然酸化膜の形成を抑制することが可能になる。
【0039】
また、超臨界乾燥工程とその前の工程とで異なる処理槽(チャンバ)を利用し、且つ、ロードロック方式を利用することで、超臨界乾燥工程の前の工程から超臨界乾燥工程への搬送時に大気に曝さないようにすれば、自然酸化膜の形成や大気中の不純物の混入を抑制することが可能になる。
【0040】
本実施形態では、導電性基板としてガラス基板からなる絶縁性基板11の一表面に導電性層12を形成したものを用いているが、導電性基板としては、クロムなどの金属基板を用いてもよいし、半導体基板(例えば、抵抗率が導体の抵抗率に比較的近いn形シリコン基板や、一表面側に導電性層としてn形領域が形成されたp形シリコン基板など)などを用いてもよい。絶縁性基板11もガラス基板の他にセラミック基板などを用いることができる。
【0041】
また、本実施形態では表面電極7の材料として金を採用しているが、表面電極7の材料は金に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、クロム、タングステン、ニッケル、白金などを採用してもよい。
【0042】
また、表面電極7を厚み方向に積層された少なくとも2層の薄膜層で構成してもよい。表面電極7が2層の薄膜層で構成される場合には、上層の薄膜層の材料として例えば金などを採用し、下層の薄膜層(強電界ドリフト層6側の薄膜層)の材料として例えば、クロム、ニッケル、白金、チタン、イリジウムなどを採用すればよい。
【0043】
また、本実施形態では、強電界ドリフト層6を酸化した多孔質多結晶シリコン層により構成しているが、強電界ドリフト層6を窒化した多孔質多結晶シリコン層や酸窒化した多孔質多結晶シリコン層により構成してもよいし、あるいはその他の酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質半導体層により構成してもよい。なお、強電界ドリフト層6を窒化した多孔質多結晶シリコン層とした場合には多孔質多結晶シリコン層4を酸化する工程の代わりに窒化する工程(例えば電気化学的に窒化する窒化処理)を採用すればよく、図4にて説明した各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン窒化膜となり、強電界ドリフト層6を酸窒化した多孔質多結晶シリコン層とした場合には多孔質多結晶シリコン層4を酸化する工程の代わりに酸窒化する工程を採用すればよく、図4にて説明した各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン酸窒化膜となる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明は、導電性基板と、導電性基板の一表面側に形成された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強電界ドリフト層と、該強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極を導電性基板に対して正極として電圧を印加することにより導電性基板から注入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であって、導電性基板の一表面側に半導体層を形成する第1の工程と、陽極酸化処理にて前記半導体層の少なくとも一部を多孔質化することにより多孔質半導体層を形成する第2の工程と、ウェット処理により多孔質半導体層を酸化若しくは窒化することにより強電界ドリフト層を形成する第3の工程とを有し、さらに、第2の工程と第3の工程との間、第3の工程の後それぞれに、導電性基板の一表面側に残留している水分を超臨界流体を利用して除去する超臨界乾燥工程を有するので、陽極酸化処理後、強電界ドリフト層の形成後それぞれの段階で導電性基板の一表面側に残留している水分を導電性基板の一表面側に形成されている構造を破壊することなく低温で除去することが可能になり、電界放射型電子源の電子放出特性および信頼性を向上できるという効果がある。
また、第3の工程は、ウェット処理により多孔質半導体層を酸化若しくは窒化するので、第3の工程のプロセス温度の低温化を図れ、電界放射型電子源の大面積化および低コスト化を図れる。ここに、ウェット処理として電気化学的な酸化処理若しくは窒化処理を採用することで、陽極酸化処理に用いる処理槽の利用が可能になるという効果がある。
【0045】
また、請求項1の発明は、第2の工程と超臨界乾燥工程とに1つの処理槽を共用するので、第2の工程から超臨界乾燥工程へ移る際に多孔質半導体層への不純物の混入を防止できるという効果がある。
【0047】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第3の工程と前記超臨界乾燥工程とに1つの処理槽を共用するので、前記第3の工程から前記超臨界乾燥工程へ移る際に強電界ドリフト層への不純物の混入を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図2】同上の電界放射型電子源の動作説明図である。
【図3】従来例を示す電界放射型電子源の動作説明図である。
【図4】同上の電界放射型電子源の動作説明図である。
【図5】他の従来例を示す電界放射型電子源の動作説明図である。
【符号の説明】
3 多結晶シリコン層
4 多孔質多結晶シリコン層
6 強電界ドリフト層
7 表面電極
10 電界放射型電子源
11 絶縁性基板
12 導電性層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of manufacturing a field emission type electron source that emits an electron beam by field emission using a semiconductor material.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, as a field emission electron source, there is a so-called Spindt type electrode disclosed in, for example, US Pat. No. 3,665,241. The Spindt-type electrode includes a substrate on which a large number of minute triangular pyramid-shaped emitter tips are arranged, a gate layer that has a radiation hole that exposes the tip of the emitter tip and is insulated from the emitter tip, And emitting an electron beam from the tip of the emitter chip through the radiation hole by applying a high voltage with the emitter chip as a negative electrode with respect to the gate layer in a vacuum.
[0003]
However, the Spindt-type electrode has a complicated manufacturing process and it is difficult to accurately configure a large number of triangular-pyramidal emitter chips. For example, it is difficult to increase the area when applied to a flat light emitting device or a display. There was a problem. In addition, since the electric field concentrates on the tip of the emitter tip of the Spindt-type electrode, when the degree of vacuum around the tip of the emitter tip is low and residual gas exists, the residual gas is turned into positive ions by emitted electrons. Because it is ionized and positive ions collide with the tip of the emitter tip, the tip of the emitter tip is damaged (for example, damage caused by ion bombardment), and the current density and efficiency of emitted electrons become unstable. There arises a problem that the life of the chip is shortened. Therefore, in a Spindt-type electrode, in order to prevent the occurrence of this kind of problem, a high vacuum (about 10-FivePa to about 10-6Pa), and there is a problem that the cost becomes high and the handling becomes troublesome.
[0004]
In order to improve this kind of problem, field emission electron sources of MIM (Metal Insulator Metal) type or MOS (Metal Oxide Semiconductor) type have been proposed. The former is a planar field emission electron source having a metal-insulating film-metal and the latter a metal-oxide film-semiconductor laminated structure. However, in order to increase the emission efficiency of electrons in this type of field emission electron source (in order to emit many electrons), it is necessary to reduce the thickness of the insulating film and the oxide film. If the film thickness of the insulating film or the oxide film is too thin, there is a risk of causing dielectric breakdown when a voltage is applied between the upper and lower electrodes of the laminated structure, and in order to prevent such dielectric breakdown, There is a problem that the electron emission efficiency (extraction efficiency) cannot be made very high because there is a restriction on the thinning of the insulating film and the oxide film.
[0005]
On the other hand, as a field emission electron source capable of increasing the electron emission efficiency, a single crystal semiconductor substrate such as a silicon substrate has recently been used as disclosed in, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 8-250766. A porous semiconductor layer (porous silicon layer) is formed by anodizing one surface of the semiconductor substrate, and a surface electrode made of a metal thin film (conductive thin film) is formed on the porous semiconductor layer. There has been proposed a field emission electron source (semiconductor cold electron emission element) configured to emit electrons by applying a voltage between a substrate and a surface electrode.
[0006]
However, in the field emission electron source described in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-250766, a so-called popping phenomenon is likely to occur during electron emission, and unevenness in the amount of emitted electrons easily occurs. Then, there is a problem that uneven light emission occurs.
[0007]
Therefore, the inventors of the present application disclosed in Japanese Patent Application No. 10-272340 and Japanese Patent Application No. 10-272342 that electrons interposed between the conductive substrate and the metal thin film (surface electrode) are injected from the conductive substrate. A field emission electron source composed of an oxidized porous polycrystalline silicon layer was proposed. For example, as shown in FIG. 3, the field
[0008]
In order to emit electrons from the field
[0009]
In the field
[0010]
In this field emission type electron source 10 ', the electron emission characteristic is less dependent on the degree of vacuum, and a popping phenomenon does not occur during electron emission, and electrons can be stably emitted with high electron emission efficiency.
[0011]
In the field
[0012]
As shown in FIG. 4, the strong electric
[0013]
In the above-described field
[0014]
In order to emit electrons from the field
In the field
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
Although the field
[0016]
By the way, in the field
[0017]
The present invention has been made in view of the above-described reasons, and an object thereof is to provide a method of manufacturing a field emission electron source capable of improving electron emission characteristics and reliability.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a first aspect of the present invention provides a conductive substrate, a strong electric field drift layer comprising an oxidized or nitrided porous semiconductor layer formed on one surface side of the conductive substrate, and the strong electric field. A surface electrode formed on the drift layer, and by applying a voltage with the surface electrode as a positive electrode with respect to the conductive substrate, electrons injected from the conductive substrate drift through the strong electric field drift layer and are emitted through the surface electrode. A method of manufacturing a field emission electron source, wherein a first step of forming a semiconductor layer on one surface side of a conductive substrate, and at least part of the semiconductor layer is made porous by anodizing treatment A second step of forming a porous semiconductor layer byPorous by wet treatmentA third step of forming a strong electric field drift layer by oxidizing or nitriding the semiconductor layer, and further, between the second step and the third step,After each, conductiveCharacterized by having a supercritical drying process that removes moisture remaining on one surface side of the conductive substrate using a supercritical fluid, and forming a strong electric field drift layer after anodizingAfter each stageThe moisture remaining on the one surface side of the conductive substrate can be removed at a low temperature without destroying the structure formed on the one surface side of the conductive substrate. Can improve emission characteristics and reliability.
In the third step, since the porous semiconductor layer is oxidized or nitrided by wet treatment, the process temperature of the third step can be lowered, and the field emission electron source can be increased in area and cost. . Here, by using electrochemical oxidation treatment or nitridation treatment as the wet treatment, it is possible to use a treatment tank used for anodization treatment.
[0019]
The invention of claim 1 provides2 stepsAnd superSince one treatment tank is shared with the critical drying processThe second2 steps?SuperWhen moving to the critical drying process, it is possible to prevent impurities from being mixed into the porous semiconductor layer.
[0021]
Claim2The invention of claim1'sIn the invention, since one processing tank is shared by the third step and the supercritical drying step, impurities are mixed into the strong electric field drift layer when moving from the third step to the supercritical drying step. Can be prevented.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In this embodiment, as shown in FIG. 1E, a conductive layer (for example, a metal film such as a chromium film or an ITO film) 12 is formed on one surface of an insulating
[0025]
The basic configuration of the field emission
[0026]
In order to emit electrons from the field
[0027]
Hereinafter, a method for manufacturing the field
[0028]
First, the structure shown in FIG. 1A is obtained by forming the
[0029]
Thereafter, a
[0030]
Next, a mask material (not shown) for forming a later-described porous
[0031]
After the above-described anodizing treatment is completed, the electrolytic solution is removed from the above-described treatment tank, and 1 mol of sulfuric acid (H is newly added to the treatment tank as an electrolyte solution.2SOFour) Aqueous solution is added, and then the porous
[0032]
After the strong electric
[0033]
After performing the supercritical drying step, a
[0034]
The strong electric
[0035]
However, in the field
[0036]
Further, in the above-described manufacturing method, the anodizing treatment step of forming the porous
[0037]
By the way, in the manufacturing method described above, one treatment tank is shared by the anodizing treatment process and the oxidation process, but different treatment tanks are used.It can be used,The internal space of one processing tank may be divided into a plurality (for example, two) and used. The oxidation process for oxidizing the porous
[0038]
In addition, if a common treatment tank is used for the anodizing treatment step and the supercritical drying step after the anodizing treatment step, the porous
[0039]
Also, by using different processing tanks (chambers) for the supercritical drying process and the previous process, and using the load lock method, transport from the process before the supercritical drying process to the supercritical drying process. If it is not sometimes exposed to the atmosphere, it is possible to suppress the formation of a natural oxide film and the mixing of impurities in the atmosphere.
[0040]
In this embodiment, a conductive substrate having a
[0041]
In the present embodiment, gold is used as the material for the
[0042]
The
[0043]
In the present embodiment, the strong electric
[0044]
【The invention's effect】
The invention according to claim 1 is a conductive substrate, a strong electric field drift layer made of an oxidized or nitrided porous semiconductor layer formed on one surface side of the conductive substrate, and a surface formed on the strong electric field drift layer Of the field emission electron source in which electrons injected from the conductive substrate drift through the strong electric field drift layer and are emitted through the surface electrode by applying a voltage with the surface electrode as a positive electrode with respect to the conductive substrate. A method of manufacturing, wherein a first step of forming a semiconductor layer on one surface side of a conductive substrate and forming a porous semiconductor layer by making at least a part of the semiconductor layer porous by anodizing treatment The second step toPorous by wet treatmentA third step of forming a strong electric field drift layer by oxidizing or nitriding the semiconductor layer, and further, between the second step and the third step,After each, conductiveSince there is a supercritical drying process that removes moisture remaining on one surface side of the conductive substrate using a supercritical fluid, formation of a strong electric field drift layer after anodizingAfter each stageThe moisture remaining on the one surface side of the conductive substrate can be removed at a low temperature without destroying the structure formed on the one surface side of the conductive substrate. Has the effect of improving the emission characteristics and reliability.
In the third step, since the porous semiconductor layer is oxidized or nitrided by wet treatment, the process temperature of the third step can be lowered, and the field emission electron source can be increased in area and cost. . Here, an electrochemical oxidation treatment or nitridation treatment is employed as the wet treatment, so that there is an effect that the treatment tank used for the anodization treatment can be used.
[0045]
The invention of claim 1 provides2 stepsAnd superSince one treatment tank is shared with the critical drying processThe second2 steps?SuperWhen moving to the critical drying step, there is an effect that impurities can be prevented from being mixed into the porous semiconductor layer.
[0047]
Claim2The invention of claim1'sIn the invention, since one processing tank is shared by the third step and the supercritical drying step, impurities are mixed into the strong electric field drift layer when moving from the third step to the supercritical drying step. There is an effect that it can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a main process sectional view for explaining a method for manufacturing a field emission electron source according to an embodiment;
FIG. 2 is an operation explanatory diagram of the field emission electron source of the above.
FIG. 3 is an operation explanatory diagram of a field emission electron source showing a conventional example.
FIG. 4 is an operation explanatory diagram of the field emission electron source of the above.
FIG. 5 is an operation explanatory diagram of a field emission electron source showing another conventional example.
[Explanation of symbols]
3 Polycrystalline silicon layer
4 Porous polycrystalline silicon layer
6 Strong electric field drift layer
7 Surface electrode
10 Field emission electron source
11 Insulating substrate
12 Conductive layer
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