JP3668883B2 - 蛍光灯ソケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光灯ソケットに係り、より詳しくは、ランプの装着が容易でランプピンが変形したり、接触不良に起因しての焼損事故等を発生するおそれのない蛍光灯ソケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、例えば実公昭59−24158号公報に開示された従来の蛍光灯ソケットの一例を示す分解斜視図、図5はその要部の接触ばねの正面図及び縦断面図である。この蛍光灯ソケットは、ソケット本体30にランプピンの挿入穴31を設け、この挿入穴31の内側に、対向位置にソケット本体の内側に向かって円弧状に斜めに突出した立上り部33a,33bを有する一対の接触ばね32a,32bを取り付けたものである。
【0003】
そして、ランプの一対のランプピンを挿入穴31に挿入して回動すると、ランプピンが接触ばね32a,32bの立上り部33a,33bの内側に線接触して回動し、接触ばね32a,32bを後方に屈曲させるようにして接続する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成した蛍光灯ソケットによれば、ランプピンを取り付ける際に接触ばね32a,32bの後方に大きな力が加わり、ランプピンにかかる荷重によりランプピンが変形してランプが装着できなかったりする場合、あるいは、ランプピンが変形することにより接触ばねとの接触抵抗が増え、接触部の温度が上昇して焼損事故につながる問題が発生する場合があった。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、蛍光灯ソケットにランプを装着する際に、ランプピンにかかる荷重が適切でランプを容易に装着でき、ランプピンが変形せず、焼損事故等が発生することのない蛍光灯ソケットを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る蛍光灯ソケットは、次のように構成したものである。
(1) 箱形のソケット本体に蛍光灯のランプピンを挿入する挿入穴を設け、挿入穴の内側に一対の接触片を設けて、ランプピンを挿入穴に挿入して回動させ前記接触片に接触するようにした蛍光灯ソケットであって、それぞれの接触片を帯状の導電材料のほぼ中央部でひねってその両側の面を直交させた第1、第2の面部を構成し、第1の面部の面部どうしを対向させると共に第2の面部の側縁部どうしを対向させ、第1の面部のそれぞれの先端部をソケット本体に取り付け、ランプピンを回動したときにランプピが第2の面部のそれぞれの側縁部に接触するようにした。
【0007】
(2) 上記(1)の蛍光灯ソケットにおいて、各接触片の第1の面部の先端部を外側にほぼ直角に折り曲げてこの折曲部の中央部近傍を切り起して外側方向に傾斜させ、折曲部をソケット本体に取付けた。
(3) 上記(1)または(2)の蛍光灯ソケットにおいて、第2の面部の側縁部にランプピンを係止する溝部を設けた。
【0008】
(4) 上記(3)の蛍光灯ソケットにおいて、溝部を半円状にした。
(5) 上記(3)の蛍光灯ソケットにおいて、溝部を凹状にした。
(6) 上記(3)の蛍光灯ソケットにおいて、溝部を三角状にした。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1の分解斜視図、図2はその組立て状態の縦断面図、図3は図2の作用を示す背面図である。1は絶縁材料からなる箱形のソケット本体で、前面板2と側面3,4、上面5及び底面6からなる周壁によって形成され、内部に空洞部7を有している。そして、前面板2の上部はほぼ半円状に形成されて上面5はこれにあわせて曲面状に形成され、底面6は一定の厚みを持っている。
【0010】
8は前面板2の上部に設けた円形のランプピン挿入穴で、一対のランプピン9を回動可能に挿入できるようになっている。10はランプピン挿入穴8の上部にこれと連接して設けた差込溝で、前面板2から上面5の後部近傍にかけてL字状に形成されている。11は上面5の差込溝10後方に設けた本体係止部である。
【0011】
12は空間部7内において底面6の中央部に逆凹状に形成された中央支持部で、この両側には中央支持部12の上面12aと同じ高さの側部支持板13a,13bが設けられ、中央支持部12の支持側面12c,12bとの間には一定の間隙14a,14bが形成されている。このようにして、側部支持板13a,13bと中央支持部12の支持側面12c,12bとによって囲まれた部分に脚部支持空間15a,15bが形成される。
16a,16bは底面6の背面の左右に設けたピン挿入穴であり、17a,17bは底面6の左右位置において垂直に貫設された電線挿入穴である。
【0012】
18a,18bはソケット本体1の空洞部7内に収容された一対の帯状の導電材料からなる接触片で、長手方向のほぼ中央部(やや一方の側)において90度ひねって、一方(上面部)19a,19bの面Aが他方(下面部)20a、20bの面Bに対して直交するようにして捻り部21a,21bを形成し、また、下面部20a,20bの面Bの先端部は、それぞれが外方に直角に曲げられて脚部23a,23bを形成し、さらに脚部23a,23bの中央部近傍を切り起して上方に折り曲げ、外側に向けて傾斜部24a,24bを形成したものである。
【0013】
そして、上記のように構成した一対の接触片18a,18bは、脚部23a,23bを外方に向けてソケット本体1の脚部支持空間15a,15bに嵌入し、下面部20a,20bの面Bを面対向させ、上面部19a,19bの厚さ方向に位置する側縁部の接触線22a,22bを線対向(上面部19a,19bの面Aが同一平面上に位置するように配向)させて配設することにより、全体として弾力性を有するばね構造を形成している。この際、下面部20a,20bの面Bを中央支持部12の支持側面12c,12bに接触させ、間隙14a,14bを通して保持させる。なお、接触片18a,18bの脚部23a,23bには電線接続部25a,25bが設けられ、電線挿入穴17a,17bに挿通した電線(図示せず)を電気的に接続するようになっている。
【0014】
そして、ランプピン9をランプピン挿入穴8に挿入して回動することにより、ランプピン9が接触片18a,18bの接触線22a,22bに線又は点接触し、ばね構造の付勢力に抗して接触片18a,18bを弾性変形させ、ランプピン9を取り付けるようになっている。
【0015】
26はソケット本体1の背面に取り付ける裏蓋であり、その頂部近傍にソケット本体1の本体係止部11に係合する裏蓋係止部27が設けられ、下部近傍の左右にソケット本体1のピン挿入穴16a,16bに嵌合する圧入ピン28a,28bが設けられている。
【0016】
上記のように構成した実施の形態1の作用を説明する。蛍光灯ソケットを組み立てるには、まず、一方の接触片18aの脚部23aを外側に向くようにして脚部支持空間15aの底面に取り付け、下面部20aの面Bを中央支持部12の支持側面12cに接触させて間隙14aを通し、保持させる。同様にして、他方の接触片18bを脚部支持空間15bに取り付けて保持させ、これら一対の接触片18a,18bを空洞部7内に対向して配設する。
【0017】
次に、ソケット本体1の後方から裏蓋26を被せ、ソケット本体1の本体係止部11に裏蓋係止部27を係合させると共に、ソケット本体1のピン挿入穴16a,16bに圧入ピン28a,28bを圧入し、一体に結合する。そして、この蛍光灯ソケットを照明器具等に取付けて、電線接続穴17a,17bに挿通した電線を接触片18a,18bの電線接続部25a,25bに接続する。
【0018】
次に、蛍光灯ソケットにランプ9aを取り付けるには、ランプピン9をソケット本体1の差込溝10から差し込んでランプピン挿入穴8の位置まで移動させ(図3の実線)、この状態からランプ9aを矢印方向に回動させる。こうすると、ランプピン9が接触片18a,18bの接触線22a,22aに線又は点接触し、ばね構造の接触片18a,18bを付勢力に抗して外側方向に弾性変形させ、ランプピン9が90度回転したときに停止させる(図3の破線)。こうして、ランプピン9はその位置に保持され、一対の接触片18a,18bの付勢力によって電気的に接続される。
【0019】
ランプ9aを取り外すには、ランプ9aのランプピン9を先と同方向又は逆方向に回動させ、ランプピン9が90度回転したときに停止させると、ランプピン9は接触片18a,18bから外れて自由状態になり、ばね構造の接触片18a,18bは付勢力によって破線の位置から実線で示した状態に戻る。この状態で蛍光灯のランプピン9を差込穴10から引き抜く。
実施の形態1によれば、蛍光灯ソケットにランプ9aを接続するときに、取付け操作が容易でランプピン9が変形するおそれがなく確実に装着することができ、焼損事故等が発生することもない。
【0020】
実施の形態2
実施の形態1では、接触片18a,18bの接触線22a,22bを直線状に形成し、これにランプピン9を線接触させて回動し、固定するようにしたが、実施の形態2ではランプピン9が固定される接触線22a,22bの位置にさらに半円形の溝部を設けたものである(図示せず)。
実施の形態2によれば、ランプピン9が接触線22a,22bに設けた半円形状の溝部に嵌合して停止するので、ランプピン9を確実に固定することができる。
【0021】
実施の形態3
実施の形態1では、接触片18a,18bの接触線22a,22bを直線状に形成し、これにランプピン9を線又は点接触させて回動し、固定するようにしたが、実施の形態3ではランプピン9が固定される接触線22a,22bの位置にさらに凹状の溝部を設けたものである(図示せず)。
実施の形態3によれば、ランプピン9が接触線22a,22bに設けた凹状の溝部に嵌合して停止するので、ランプピン9を確実に固定することができる。
【0022】
実施の形態4
実施の形態1では、接触片18a,18bの接触線22a,22bを直線状に形成し、これにランプピン9を線接触させて回動し、固定するようにしたが、実施の形態4ではランプピン9が固定される接触線22a,22bの位置にさらに三角形状の溝部を設けたものである(図示せず)。
実施の形態4によれば、ランプピン9が接触線22a,22bに設けた三角形状の溝部に嵌合して停止するので、ランプピン9を確実に固定することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる蛍光灯ソケットによれば、次のような効果を得ることができる。なお、説明に当たっては、請求項の番号と同じ番号を付してそれぞれの請求項の効果を記述する。
【0024】
(1) 箱形のソケット本体に蛍光灯のランプピンを挿入する挿入穴を設け、挿入穴の内側に一対の接触片を設けて、ランプピンを挿入穴に挿入して回動させ接触片に接触するようにした蛍光灯ソケットであって、それぞれの接触片を帯状の導電材料のほぼ中央部でひねってその両側の面を直交させた第1、第2の面部を構成し、第1の面部の面部どうしを対向させると共に第2の面部の側縁部どうしを対向させ、第1の面部のそれぞれの先端部をソケット本体に取り付け、ランプピンを回動したときにランプピが第2の面部のそれぞれの側縁部に接触するように構成したので、操作が容易でランプピンの変形が起こらず確実に装着することができる。
【0025】
(2) 上記(1)の蛍光灯ソケットであって、各接触片の第1の面部の先端部を外側にほぼ直角に折り曲げてこの折曲部の中央部近傍を切り起して外側方向に傾斜させ、折曲部をソケット本体に取付けたので、接触片の先端部近傍をソケット本体に確実に固定でき、ばね構造としての機能を十分に発揮することができる。
またこの折曲部を電線接続部とすることができる。
【0026】
(3) 上記(1)または(2)の蛍光灯ソケットであって、第2の面部の側縁部にランプピンを係止する溝部を設けたので、ラップピンが溝部に嵌合して確実に停止することができる。
(4) 上記(3)の蛍光灯ソケットにおいて、溝部を半円状にしたので、ラップピンが半円状の溝部に嵌合して確実に停止することができる。
【0027】
(5) 上記(3)の蛍光灯ソケットにおいて、溝部を凹状にしたので、ランプピンが凹状の溝部に嵌合して確実に停止することができる。
た。
(6) 上記(3)の蛍光灯ソケットにおいて、溝部を三角状にしたので、ランプピンが三角状の溝部に嵌合して確実に停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の分解斜視図である。
【図2】 図1の組立状態の縦断面図である。
【図3】 図2の作用を示す背面図である。
【図4】 従来の蛍光灯ソケットの一例を示す分解斜視図である。
【図5】 図4の要部の正面図及び断面図である。
【符号の説明】
1 ソケット本体、8 ランプピン挿入穴、9 ランプピン、9a ランプ、18a,18b 接触片、19a,19b 上面部、20a、20b 下面部、21a,21b 捻り部、22a,22b 接触線、23a,23b脚部、24a,24b 傾斜部、26 裏蓋。
Claims (6)
- 箱形のソケット本体に蛍光灯のランプピンを挿入する挿入穴を設け、該挿入穴の内側に一対の接触片を設けて、前記ランプピンを挿入穴に挿入して回動させ前記接触片に接触するようにした蛍光灯ソケットにおいて、
前記それぞれの接触片を帯状の導電材料のほぼ中央部でひねってその両側の面を直交させた第1、第2の面部を構成し、前記第1の面部の面部どうしを対向させると共に前記第2の面部の側縁部どうしを対向させ、前記第1の面部のそれぞれの先端部をソケット本体に取り付け、前記ランプピンを回動したときに該ランプピンが前記第2の面部のそれぞれの側縁部に接触するようにしたことを特徴とする蛍光灯ソケット。 - 各接触片の第1の面部の先端部を外側にほぼ直角に折り曲げて該折曲部の中央部近傍を切り起して外側方向に傾斜させ、該折曲部をソケット本体に取付けたことを特徴とする請求項1記載の蛍光灯ソケット。
- 第2の面部の側縁部にランプピンを係止する溝部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光灯ソケット。
- 溝部を半円状にしたことを特徴とする請求項3記載の蛍光灯ソケット。
- 溝部を凹状にしたことを特徴とする請求項3記載の蛍光灯ソケット。
- 溝部を三角状にしたことを特徴とする請求項3記載の蛍光灯ソケット。
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JP07330597A JP3668883B2 (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 蛍光灯ソケット |
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JPH10270136A JPH10270136A (ja) | 1998-10-09 |
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JP07330597A Expired - Lifetime JP3668883B2 (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 蛍光灯ソケット |
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Families Citing this family (1)
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JP6589423B2 (ja) * | 2015-07-10 | 2019-10-16 | 三菱電機株式会社 | 照明用ソケット |
-
1997
- 1997-03-26 JP JP07330597A patent/JP3668883B2/ja not_active Expired - Lifetime
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