JP3668864B2 - 成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融した熱可塑性樹脂や金属溶湯あるいは粉末を含有する複合スラリーを成形材料とし、少なくとも一対の金型を用いて成形品を成形する方法と、基材表面に別組成の成形品が接合された複合成形品を一体的に製造する方法に関する。本発明の成形方法は、例えば薄肉形状や中小型形状の成形品を成形する場合などに利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
例えば鋳造により成形品を成形するには、溶解炉によって鋳造用合金を溶融し、その溶湯を鋳型や金型に注入して凝固させることによって行われている。ところが溶解炉において鋳造に適した溶湯を作り、それを鋳型や金型に注入するまで維持するためには、溶解雰囲気及び注湯条件の管理に複雑な技術が必要である。溶湯が凝固する際に発生するガスによるピンホールや巣の発生を防止することも必要である。また、特に高粘性溶湯を用いる場合、鋳造製品への型転写性が劣るため、注入や凝固時に高圧負荷などが必要である。
【0003】
そこで特開平2−99260号公報などには、鋳型内に金属塊を入れておき、高周波誘導加熱によって金属塊を溶融するとともに、溶融中に鋳型に超音波振動を印加しながら鋳型の空間部を真空吸引する鋳造方法が開示されている。この鋳造方法によれば、溶解炉が不要となって設備が簡素化でき、溶湯の管理も不要となる。また超音波振動により溶湯が鋳型の隅々にまで充填できるので品質が安定し、真空吸引によりガス抜きが充分に行えるのでピンホールや巣の発生も防止できるという利点がある。
【0004】
また、金属マトリックス中に高温でも安定で硬く微細な粒子を分散させた分散強化型合金が知られ、この分散強化型合金を基材の一部表面にもつ部分複合化品が知られている。この部分複合化品を製造するには、強化粉末を混合した溶湯を用いて基材と一体成形する方法もあるが、粉末の均一分散が困難となる。そこで予め粉末成形品を金型内に配置しておき、溶湯を高圧で注入して粉末成形品に含浸固化させる溶浸法、あるいは基材と粉末成形品を金型内に配置しておき、溶湯を高圧で注入して粉末成形品に含浸するとともに基材と一体化する方法が一般に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが薄肉の成形品を鋳造する場合などには、狭いキャビティの隅々に溶湯を注入する必要があり、大きな加圧力が必要となる。また成形品形状が複雑な場合には、さらに大きな加圧力が必要となる。そのため大型の加圧装置が必要となり、コスト面及びスペース面で不具合が生じている。
【0006】
また特に複雑な形状の成形品を成形する場合には、加圧力を大きくしても狭小部位に成形材料を供給することが困難となるために、成形方法からの制約が成形品形状に加わり、形状の自由度が低いという問題もある。
一方、上記した溶浸法で部分複合化品を製造する場合には、高圧を使用するため粉末成形体に変形や割れが発生する場合がある。また加圧により溶湯を含浸させる方法であるため、溶湯が粉末成形体中に十分含浸されにくく欠陥が発生する確率が高い。なお、遠心力により溶湯を含浸させる方法もあるが、この遠心法では部分複合化品の形状の制約が大きいという問題がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、大きな加圧力を不要として薄肉あるいは中小型の成形品を成形できるようにすることにある。またもう一つの目的は、部分複合化品を形状の自由度高く、容易にかつ安定して製造できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の成形方法の特徴は、超音波振動が印加されて加振されている第1型の型面に液状の成形材料を接触させて第1型の型面に成形材料を付着させ、加振を維持しながら第1型を第2型と型合わせし、第1型と第2型とで付着している成形材料を成形することにある。
【0009】
また請求項2に記載の成形方法の特徴は、超音波振動が印加されて加振されている基材の表面に液状の成形材料を接触させて基材の表面に成形材料を付着させ、加振を維持しながら基材に付着している成形材料に所定の型面をもつ成形型を押圧し、基材と成形型とで付着している成形材料を成形して基材と一体的に接合された部分成形品を成形することにある。
【0010】
なお、請求項1及び請求項2に記載の成形方法において、請求項3に記載のように印加する超音波振動の全振幅を調整することで第1型又は基材に付着する成形材料の付着量を制御することが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、固体に超音波振動を印加すると、固体表面に液体が引き付けられる力が作用することを発見した。つまり、固体に超音波振動を印加して加振した状態で液体と接触させ、そのまま引き上げると、固体に付着する液体量が超音波振動を印加しない場合より多くなることを見出した。しかも超音波振動の印加を停止すると、付着していた液体の一部が落下する現象も見られた。これは、超音波振動の加振により、固体表面には、界面の濡れ性に基づく接着力や吸着力以外の液体を引き付ける力が作用することを意味している。さらにこの現象は、固体と液体の種類を問わず発現されることも明らかとなった。
【0012】
本発明はこの発見に基づいてなされたものである。なお、この現象が生じる理由はまだ明らかになっていない。
第1の発明の成形方法では、超音波振動が印加されて加振されている第1型の型面を液状の成形材料に接触させる。これにより第1型の型面には、液状の成形材料が付着する。そして第1型に超音波振動を印加して加振することにより、成形材料の付着量は超音波振動を印加しない場合より多くなる。
【0013】
次に、加振を維持した状態で第1型を第2型と型合わせし、加圧成形などの成形工程を行う。これにより第1型の型面に付着している液状の成形材料は、第1型と第2型の型面どうしで形成されたキャビティ内に充填され、成形材料が固化した後型開きすることによって、成形品が形成される。成形品は、離型後バリ取りなど従来と同様の工程が行われる。
【0014】
この成形方法において、第1型に付着する成形材料の付着量は、印加される超音波振動の全振幅に比例することが明らかとなっている。したがってキャビティの容積に応じて全振幅を調整することで成形材料の付着量を調整すれば、キャビティへの充填不足あるいは充填過多を容易に防止することができる。
また第2の発明の成形方法では、超音波振動が印加されて加振されている基材を液状の成形材料に接触させる。これにより基材の表面には、液状の成形材料が付着する。そして基材に超音波振動を印加して加振することにより、成形材料の付着量は超音波振動を印加しない場合より多くなる。
【0015】
次に、基材に付着している成形材料に所定の型面をもつ成形型を押圧し、その状態で成形材料を固化させて成形型を除去し、バリ取りなどの工程を行うことで、基材と一体的に接合した部分成形品が得られる。この方法は、接合と成形を同時に行う複合加工の一種であり、例えば鋳ぐるみ接合に利用することができる。この第2の発明の成形方法でも、基材に付着する成形材料の付着量は、印加される超音波振動の全振幅に比例する。したがって形成される部分成形品の体積に応じて全振幅を調整することで成形材料の付着量を調整すれば、部分成形品の形状不良を容易に防止することができる。
【0016】
なお鋳ぐるみ接合の場合に上記第2の発明を利用すると、鋳ぐるみ部材と鋳造品との界面に界面反応層が容易に形成され、溶湯温度と超音波振動の印加時間を適切に設定することで界面反応層の厚さを制御することができることが明らかとなっている。したがって本発明を利用すれば、界面反応層の厚さを薄く制御することが容易となり、そうすれば鋳ぐるみ接合品の接合強度が向上するという利点がある。
【0017】
第2の発明の成形方法において、成形材料中に繊維状や粒子状の強化材を混合しておくことも好ましい。このようにすれば、基材に付着した成形材料も超音波振動により加振されるため、成形材料中では強化材がマトリックス中に均一に分散し、固化初期にも超音波振動を印加しておくことでその状態で固化される。したがって強化材が均一に分散した部分成形品を容易に成形することができ、部分複合化品を容易に製造することができる。
【0018】
本発明の成形方法にいう成形材料とは、成形時には液状で成形時に固化するものであれば制限されず、金属、熱可塑性樹脂、パラフィンワックス、ガラスなどの熱によって液状となるもの、あるいは反応硬化前の熱硬化性樹脂などが例示される。なお、これらをマトリックスとし、アルミナ、炭化珪素、炭化ホウ素などのセラミックスや高融点金属、金属間化合物などの粉末が分散されていてもよい。
【0019】
第1型または基材に成形材料を接触させるには、成形材料が貯留された槽に第1型又は基材を漬けてもよいし、供給ノズルなどで第1型又は基材表面に成形材料を供給してもよい。
印加される超音波振動の周波数は、一般に用いられている超音波の周波数でよく、3〜40KHzが用いられる。超音波振動の印加方向には特に制限はない。
【0020】
第1型又は基材に付着する成形材料の付着量は、印加される超音波振動の全振幅に比例する。したがって印加される超音波振動の全振幅は、キャビティの容積、成形品の体積、成形材料の比重、粘性などに応じて決定される。
超音波振動の印加は、付着している成形材料の落下を防ぐために、少なくとも第1型又は基材を成形材料と接触させ液面から引き上げて第2型又は成形型と合わせられるまで行う必要がある。しかし型合わせ後さらに、成形材料の固化初期まで超音波振動を印加することが望ましい。これによりキャビティ内への成形材料の充填性が向上し、成形不良を一層確実に防止できる。また成形材料に粉末が含まれている場合には、超音波振動によって成形品中の粉末の分散性が向上するため、沈殿などにより粉末の分散性が不均一となるのを防止することができる。
【0021】
また型合わせ後、さらに成形材料がある程度固化するまで超音波振動を印加すれば、ガス抜け性が向上するとともに結晶粒が微細化し、ピンホールや巣の少ない成形品が得られるという効果もある。
さらに、付着した成形材料が固化後、離型する際にも超音波振動を印加することも好ましい。これにより離型時の摩擦抵抗が低減され、ポアソン効果によって成形品と型面とのクリアランスが増大する効果が得られるため、離型を容易に行うことができる。またこれにより、成形品の形状に抜き勾配を設ける必要が無くなるため、成形品の形状の自由度が増大する。そして、鋳抜きピンが必要な鋳造成形品を成形する場合には、鋳抜きピンにも超音波振動を印加することによってクリアランスが不要あるいは著しく小さくできる。また超音波ホーンと鋳抜きピンを接続しておけば、ホーンを介して鋳抜きピンが冷却されるため、鋳抜きピン周辺の凝固層結晶粒が微細化し、強度が向上するという利点もある。
【0022】
また型合わせ時に、狭小部位など成形材料が充填されにくい部位の型面に部分的に超音波振動を印加することも好ましい。このようにすれば、そのような部位の型面に成形材料が優先的に引き付けられるため、成形材料の充填不良を一層確実に防止することができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1〜3に、本実施例に用いた超音波鋳造装置を示す。この装置は、超音波発振源10と、空冷手段をもつ振動子11と、水冷手段をもつホーン12とよりなる超音波印加装置1と、上型20及び下型21と、から構成されている。
【0024】
振動子11とホーン12は一体化され、上型20はホーン12に一体的に固定されている。そして振動子11及びホーン12は油圧シリンダ3のピストンロッドに固定され、上型20と一体的に上下動可能となっている。
なお油圧シリンダ3には、過負荷防止のために図示しない油圧回路が設けられ、型締め時の振動子11への負荷が軽減されるように構成されている。また超音波発振源10は、振動子11の出力電圧をフィードバックし、負荷の変動による共振ずれを防ぐことによって、常に上型20が共振して安定した振幅が得られるように、周波数自動追尾方式の回路を備えている。
【0025】
下型21は、るつぼ40とともにトラバーサ4上に載置され、るつぼ40には溶湯保持炉41から溶湯が供給可能となっている。そしてるつぼ40には湯面検知棒42が配置され、溶湯43の湯面が常に一定の高さとなるように溶湯保持炉41からの溶湯供給が制御されている。
さて上記の装置を用い、図1に示すように、先ずるつぼ40に所定湯面高さまで溶湯43を供給する。そしてトラバーサ4を駆動し、図2に示すようにるつぼ40を上型20の真下に位置させる。
【0026】
次に超音波印加装置1を駆動し、上型20に共振周波数20KHz、縦方向(ホーン12の軸方向)全振幅10μmの超音波振動を印加して加振する。その状態で油圧シリンダ3を駆動して、振動子11及びホーン12とともに上型20を下降させ、型面全体が溶湯43と接触するように上型20を溶湯43中に浸漬する。そしてその状態で5秒間保持した後、超音波振動による加振を維持しながら、油圧シリンダ3を駆動して上型20を溶湯43の湯面から引き上げる。
【0027】
このとき、上型20は超音波振動によって加振されているため、図2に示すように溶湯43が型面に多く付着した状態で上型20が引き上げられる。
そして直ちにトラバーサ4を駆動し、下型21を上型20の真下に位置させる。続いて油圧シリンダ3を駆動し、図3に示すように上型20を下型21と型合わせして加圧成形する。超音波振動の印加は、この時点で停止する。一方、下型21を上型20の真下に位置させると同時に、るつぼ40は図3に示す位置となり、溶湯保持炉41から所定量の溶湯が供給される。
【0028】
上型20と下型21で形成されるキャビティ内で溶湯が凝固したら、油圧シリンダ3を駆動して上型20を上昇させ、トラバーサ4を駆動して下型21を図の右方へ搬送して成形品を離型しバリ取りなどを行う。このときるつぼ40は、図2に示すと同様に上型20の真下に位置し、超音波振動が印加された上型20を下降させて溶湯を付着する次の成形工程が開始される。
【0029】
したがって本実施例の成形方法によれば、大きな加圧力を不要として薄肉あるいは中小型の鋳造成形品を形成することができ、大がかりな設備が不要となる。
(実施例2)
本実施例では、図4に示すように型面形状が実施例1より複雑で、狭小部位22を有する上型20を用いたこと以外は、実施例1と同様にして成形を行った。ただし、上型20の狭小部位22の背面から共振周波数15KHz、全振幅15μmの超音波振動を印加した。
【0030】
したがって本実施例では、型締め時に狭小部位22に溶湯が引き付けられているため、湯回り性が一層向上し、成形不良を防止することができる。
(実施例3)
本実施例は、アルミニウム合金表面にステンレス製の保護層を形成する場合に本発明を適用したものである。
【0031】
本実施例では、図5に示すように、ホーン12の先端にSUS304からなり直径9mmの円柱状の金属片23が着脱可能に固定されている。また金属片23の下方には、上端に下型21が固定されたアクチュエータ24が配置され、るつぼ40が金属片23と下型21との間に出入可能に配置されている。るつぼ40には、Al−Si−Cu系合金であるADC12溶湯43が入れられている。
【0032】
先ずるつぼ40を金属片23の真下に位置させ、溶湯温度が923Kのときに、共振周波数20KHz、縦方向(ホーン12の軸方向)全振幅10μmの超音波振動が印加された金属片23を図示しない油圧シリンダによって下降させ、金属片23の先端1mmを溶湯に漬けた。そして加振したまま5秒後に溶湯から金属片23を引き上げた。
【0033】
この時点では、金属片23の先端に半球状の溶湯43が付着しており、その最大厚さは4.5mmである。因みに超音波振動を印加しない場合には、酸化膜のため溶湯は全く付着しない。
そして直ちにるつぼ40を除去し、図示しない油圧シリンダによって金属片23を下降させるとともにアクチュエータ24によって下型21を上昇させ、下型21を金属片23と圧接させて加圧成形した。超音波振動の印加はこの時点まで行い、金属片23と下型21の圧接後は超音波振動の印加を停止した。
【0034】
金属片23に付着していた溶湯付着物は、金属片23と下型21の間に形成されたキャビティ内で凝固し、その後一体化された成形層25をもつ金属片23と下型21を分離することにより、図6に示すようにADC12合金からなる成形層25が保護層となる金属片23に一体的に接合された部分成形品が得られた。
なお、印加される超音波振動の縦方向全振幅を複数水準採用し、実施例3と同様にして金属片23をADC12溶湯43中に浸漬して引き上げたときの、金属片23に付着した溶湯43の重量を測定した。結果を図7に示す。
【0035】
図7より明らかなように、溶湯の付着量は全振幅と比例関係にあり、全振幅が大きくなるほど付着量が増大している。したがって、全振幅を調整することによって溶湯付着量の制御が可能であることが明らかである。
(実施例4)
本実施例は、るつぼ40内のADC12溶湯中にアルミナ粉末が混合されていること以外は実施例3と同様に行った。るつぼ40内では、攪拌により、アルミナ粉末は沈殿することなく均一に分散されている。
【0036】
すなわち本実施例では、金属片23に付着した溶湯中にもアルミナ粉末が含まれ、このアルミナ粉末は、金属片23と下型21からなるキャビティ内で圧接されるまでは超音波振動により付着している溶湯中に均一に分散している。そして超音波振動の印加が停止された時点では、既に凝固が始まっており、アルミナ粉末は均一に分散した状態が維持され、その状態で固化する。
【0037】
したがって得られた複合部材では、SUS304からなる金属片23の側面にADC12合金とアルミナ粉末とからなる成形層25が一体的に接合されており、成形層25中にはアルミナ粉末が均一に分散している。すなわち本実施例の成形方法によれば、アルミナ粉末が均一に分散した成形層25を金属片23と一体的に接合した状態で成形することができ、アルミナ粉末が沈殿などによって分散が不均一となるのが確実に防止されている。
【0038】
なお、金属片23の代わりに上型を用い、上型表面に予め離型剤を塗布しておけば、上記の成形後にADC12合金とアルミナ粉末とからなる成形層25を上型から分離し、複合成形体として単独で用いることができる。この場合には、上型と下型21の表面形状を種々選択することで、種々の形状の複合成形体を成形できる。
【0039】
(実施例5)
本実施例は、実施例3と同様にして金属片23をADC12溶湯43に漬けて引き上げた後、超音波振動の印加を継続しながら、付着している溶湯に直ちにアルミナ粉末を接触させ、その後下型21を圧接したこと以外は実施例3と同様である。
【0040】
本実施例によれば、アルミニウム溶湯とアルミナ粉末間の濡れ性が超音波振動によって見掛け上改善されるため、金属片23に付着している溶湯中にアルミナ粉末が速やかに移行して混合され、超音波振動により均一に分散するため、実施例4と同等の成形層25が形成される。そして、るつぼ40内の溶湯にはアルミナ粉末が含まれず沈殿が生じないので、実施例4のように攪拌などの沈殿防止操作を行う必要がない。
【0041】
なお本実施例では、付着した溶湯にアルミナ粉末を接触させたが、粉末供給ノズルや流動床などを用いてアルミナ粉末を供給することもできる。
【0042】
【発明の効果】
すなわち本発明の成形方法によれば、大がかりな加圧装置を不要として薄肉や中小型の成形品を成形することができる。したがって生産コストが安価となり、装置の設置スペースを節約することができる。
また保護層などが一体的に接合した部分複合化品を、高圧を用いることなく、容易にかつ欠陥の発生なく確実に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いた超音波鋳造装置の正面図である。
【図2】本発明の一実施例で用いた超音波鋳造装置を、上型に溶湯を引き付けた状態で示す正面図である。
【図3】本発明の一実施例で用いた超音波鋳造装置を、加圧成形している状態で示す正面図である。
【図4】本発明の第2の実施例で用いた上型の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例で用いた超音波鋳造装置の正面図である。
【図6】本発明の第3の実施例で得られた複合部材の正面図である。
【図7】超音波振動の全振幅とADC12の付着量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:超音波印加装置 12:ホーン 20:上型(第1型)
21:下型(第2型) 23:金属片(基材) 40:るつぼ
Claims (3)
- 超音波振動が印加されて加振されている第1型の型面に液状の成形材料を接触させて該第1型の型面に該成形材料を付着させ、加振を維持しながら該第1型を第2型と型合わせし、該第1型と該第2型とで付着している該成形材料を成形することを特徴とする成形方法。
- 超音波振動が印加されて加振されている基材の表面に液状の成形材料を接触させて該基材の表面に該成形材料を付着させ、加振を維持しながら該基材に付着している該成形材料に所定の型面をもつ成形型を押圧し、該基材と該成形型とで付着している該成形材料を成形して該基材と一体的に接合された部分成形品を成形することを特徴とする成形方法。
- 印加する超音波振動の全振幅を調整することで前記第1型又は前記基材に付着する前記成形材料の付着量を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形方法。
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