JP3668140B2 - 車内検札システム、検札装置及び車内検札方法 - Google Patents

車内検札システム、検札装置及び車内検札方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、客車の検札を電子的に行うようにした車内検札システム、車内検札装置及び車内検札方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や無線タグ及び無線付きICカード等の携帯可能な情報機器が普及してきている。これらの情報機器の無線や赤外線等の通信機能を利用して、駅の改札等を電子化する電子改札や検札の導入が進められている。
【0003】
現在、駅に設置されている改札機として採用されている自動改札機では、紙やプラスチックに磁気的に乗車区間、有効期限、金額などが記録されたチケット(切符)や定期券を、入り口で挿入し、改札を行うようになっている。しかし、挿入されたチケットや定期券を機械的に搬送する機構部における故障が比較的多く、機械的な搬送が行われない電子改札の導入が期待されている。
【0004】
電子的にチケットを改札するものとして、無線タグや非接触ICカード等を利用したものがある。非接触ICカードは電磁誘導によりカードに電力を供給し、通信を行うもので、20cmぐらいの距離にあるリーダにICに書込まれた情報を送ることができる。基地局側は受信した情報により、チケットの正しさを判定する。香港等では、地下鉄の改札に非接触ICカードを利用し、改札の自動化が図られている。
【0005】
また、無線タグも同様であり、弱い無線RF(Radio Frequency)を発するもので、その通信距離は20cm程度である。
【0006】
これらの無線タグや非接触ICカードは、専用のカードを用いなければならない。また、無線タグの識別番号は、使用するサービスプロバイダごとにつけられているため、複数のサービスプロバイダ間で同一の識別番号を使用してしまう可能性がある。非接触ICカードは、身分証や免許証などとは別に携帯しなければならない。また、無線用の電池の充電が必要となるため、一定期間で買い換える定期券としての利用以外には活用法が考えられていない。
【0007】
一方、車両内における乗車券、指定席券等の検札については、乗客が所持している情報機器を利用したものは開発されていない。長距離列車や特急列車等の検札は、乗務員が各席を廻り、目視して券にパンチングをすることによって行われることが一般的である。乗り越し清算する場合には、乗務員が運賃チャートを読むことによって運賃を算定している。
【0008】
なお、手間を省略するために、検札用のハンディーターミナルが開発されている。乗務員は乗車券をハンディーターミナルに設置された磁気リーダで読み取ることによって、乗車券の清算を簡単に行うことができる。しかし、この場合でも、乗客と座席との対応の確認そのものは、乗務員が全車両を廻って1人1人個別に行う必要があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来、携帯可能な情報機器を利用して車内検札を行う有効な方法は考えられていないという問題点があった。
【0010】
本発明は、携帯可能な情報機器を利用して、車内検札を電子的に行うことができる車内検札システム、車内検札装置及び車内検札方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車内検札装置は、客車の乗車に関する情報を保持するデータベースと、前記客車に乗車するために必要な情報を保持するユーザー端末との間で通信が可能な通信手段と、前記通信手段と前記ユーザー端末との間の通信に基づいて前記ユーザー端末の前記客車内の座席位置又は存在領域を判別する判別手段と、前記ユーザー端末が前記通信手段の通信可能エリア内で前記通信手段との間で通信可能状態になることにより、前記通信手段が前記ユーザー端末から取得した情報及び前記判別手段の判別結果に基づいて前記客車の検札を行う検札手段とを具備し、前記通信手段は、前記客車の座席毎に無線ビーム範囲を設定することが可能な無線通信デバイスによって構成されて、前記ユーザー端末が前記通信ビーム範囲内に配置されることによって前記ユーザー端末との間で通信が可能となり、前記判別手段は、前記通信手段の無線ビーム範囲によって前記ユーザー端末の前記客車内の座席位置を判別することを特徴とするものであり、
また、本発明に係る車内検札装置は、客車の乗車に関する情報を保持するデータベースと、前記客車に乗車するために必要な情報を保持するユーザー端末との間で通信が可能な通信手段と、前記通信手段と前記ユーザー端末との間の通信に基づいて前記ユーザー端末の前記客車内の座席位置又は存在領域を判別する判別手段と、前記ユーザー端末が前記通信手段の通信可能エリア内で前記通信手段との間で通信可能状態になることにより、前記通信手段が前記ユーザー端末から取得した情報及び前記判別手段の判別結果に基づいて前記客車の検札を行う検札手段とを具備し、前記通信手段は、無線ビーム範囲が前記客車の複数の座席を含む無線通信デバイスによって構成されて、前記ユーザー端末が前記通信ビーム範囲内に配置されることによって前記ユーザー端末との間で通信が可能となり、前記判別手段は、前記無線通信デバイスの設置場所によって前記ユーザー端末の前記客車内の存在領域を判別することを特徴とするものである。
また、本発明に係る車内検札システムは、客車に乗車するために必要な情報を保持するユーザー端末と、前記客車の乗車に関する情報を保持するデータベースと、前記ユーザー端末との間で通信が可能な通信手段と、前記通信手段を介して前記ユーザー端末に座席を特定するための情報の入力を促すと共に、前記ユーザー端末が前記通信手段の通信可能エリア内で前記通信手段との間で通信可能状態になることにより、前記通信手段が前記ユーザー端末から取得した情報及び前記ユーザー端末から送信された前記座席を特定するための情報に基づいて前記客車の検札を行う検札手段とを具備したことを特徴とするものであり、
また、本発明に係る車内検札装置は、客車の乗車に関する情報を保持するデータベースと、前記客車に乗車するために必要な情報を保持するユーザー端末との間で通信が可能な通信手段と、前記通信手段を介して前記ユーザー端末に座席を特定するための情報の入力を促すと共に、前記ユーザー端末が前記通信手段の通信可能エリア内で前記通信手段との間で通信可能状態になることにより、前記通信手段が前記ユーザー端末から取得した情報及び前記ユーザー端末から送信された前記座席を特定するための情報に基づいて前記客車の検札を行う検札手段とを具備したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項1において、ユーザー端末は、客車に乗車するために必要な情報を保持する。また、データベースは、客車の乗車に関する情報を保持する。ユーザー端末が通信手段の通信可能エリア内で通信手段との間で通信可能状態になると、判別手段は、通信手段とユーザー端末との通信に基づいてユーザー端末の客車内の座席位置又は存在領域を判別する。検札手段は、通信手段がユーザー端末から取得した情報及び判別手段の判別結果に基づいて、客車の検札を行う。
【0013】
本発明の請求項2において、データベースには、客車の乗車に関する情報が保持される。判別手段は、通信手段とユーザー端末との間の通信が行われることにより、ユーザー端末の客車内の座席位置又は存在領域が判別する。検札手段は、通信手段がユーザー端末から取得した情報及び判別手段の判別結果に基づいて、客車の検札を行う。
【0014】
本発明の請求項3において、ユーザー端末を通信手段の通信可能エリア内で通信可能状態にする。判別手順では、ユーザー端末の客車内の座席位置又は存在領域が判別される。次に、通信手段がユーザー端末から取得した情報とデータベースに保持されている客車の乗車に関する情報と判別手順の判別結果とに基づいて、検札を行う。
【0015】
本発明の請求項10において、ユーザー端末は、客車に乗車するために必要な情報を保持する。また、データベースは、客車の乗車に関する情報を保持する。ユーザー端末が通信手段の通信可能エリア内で通信手段との間で通信可能状態になると、検札手段は、ユーザー端末に座席を特定するための情報の入力を促し、通信手段が取得した情報及び座席を特定するための情報に基づいて、客車の検札を行う。
【0016】
本発明の請求項11において、データベースには、客車の乗車に関する情報が保持される。通信手段とユーザー端末との間の通信が行われることにより、検札手段はユーザー端末に座席を特定するための情報の送信を促す。検札手段は、通信手段が取得した情報及び座席を特定するための情報に基づいて、客車の検札を行う。
【0017】
本発明の請求項12において、ユーザー端末を通信手段の通信可能エリア内で通信可能状態にする。次に、通信手段を介してユーザー端末に座席を特定するための情報の入力が促される。次に、通信手段がユーザー端末から取得した情報とデータベースに保持されている客車の乗車に関する情報とユーザー端末からの座席を特定するための情報とに基づいて、検札が行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る車内検札システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【0019】
検札を電子化するために、多数の人々が利用している携帯電話を用いる方法を考える。携帯電話のメモリに保持された乗車券・指定席券の情報を改札機や検札で確認するための手段としては、移動通信網や、携帯電話に搭載が期待されている近赤外光(IR:Infra Red)、あるいは近距離無線通信(例えば、Bluetooth(ブルートゥース))などが考えられる。このうち、移動通信網を利用する場合は、改札や検札の度にキャリアの移動通信公衆網へアクセスする必要があり、通信料の支払いが生じる。
【0020】
改札や検札に際して手数料の支払いをしないで済むように、携帯電話にIRを利用した回線を利用する方法が考えられる。つまり、携帯電話に、ローカルなIR基地局と通信可能なIR送受信部を設けるものである。しかしながが、IRは光であるので、途中の障害物によって送受信が不能となる虞がある。機器を持つ使用者の指によって送受信部が遮られただけで、通信ができなくなってしまう。
【0021】
近距離(約10cm程度)しか届かない近距離無線Bluetoothの通信機能を携帯電話に付加しようとする動きは今後活発化する見込みである。世界的な調査会社DataQuestの調べでは、2002年には携帯電話の60%にBluetoothの通信機能が搭載されるものと予想されている。同様に、Bluetooth付きのPC(パーソナルコンピュータ)やPDA(Personal Digital Assistant)なども多数販売され、多くのユーザが利用すると予想される。
【0022】
Bluetoothは、IRと違って無線であるので、障害物により遮られることはない。また、Bluetoothの通信方式は、世界的に決定されているので、世界中どこにいってもBluetoothのあるところでは、通信が可能である。携帯電話の通信方式は、米国(CDMA−ONE)と欧州(GSM)の2大勢力があり、日本・米国で使えるものでも、欧州では、使えないという問題がある。
【0023】
これに対し、Bluetoothはほぼ全ての国で同一規格となっており、どこでも通信できる利点がある。また、Bluetoothは世界中で生産されるすべての送受信部に一意に識別番号が付けられているので、ユーザの携帯電話についているBluetoothの識別番号と、サービスプロバイダがサービス利用のためにユーザに付与する識別番号の2つの異なる番号で管理することができ、機密度の高いサービスの提供が可能である。
【0024】
これらの理由から、本実施の形態においては、乗客が有する携帯可能な情報機器としてBluetooth通信機能を有する携帯電話を採用した例について説明する。
【0025】
しかし、Bluetoothは無線電波の到達範囲が約10cm乃至10mであり、非接触ICカードに比べるて極めて長い。従って、複数の乗客の各携帯端末が比較的近い位置に存在する場合には、検札している端末を特定することは困難であり、検札が終了している乗客を認定することは困難である。
【0026】
本実施の形態においては、この点を解決するために、後述するように、検札ホルダーを採用している。
【0027】
近年、公衆回線網を利用して各種情報を入手することが可能である。例えば、携帯電話においてはインターネット等との接続が可能となっており、携帯電話を利用して乗車券や指定席券等の購入を行い、購入に伴う各種情報を携帯電話内のメモリに取込んで記憶させることも可能である。即ち、既存の切符に相当するものが、電子乗車券としてユーザーの携帯電話内に保持されたことになる。なお、購入に伴う各種情報(以下、旅券情報という)としては、例えば、乗車区間、乗車日時、座席指定の有無、座席番号、特急指定の有無等の情報が考えられる。
【0028】
本実施の形態においては、このような旅券情報が記憶され、後述する検札用プログラムが蓄積された携帯電話を利用する例について説明する。なお、携帯電話に蓄積する旅券情報及び検札用プログラムは、インターネットを介して入手するだけでなく、乗車券等の販売窓口等において入手することができる。更に、改札時に携帯電話に蓄積されている旅券情報を利用する電子改札を利用することにより、携帯電話内に蓄積されている旅券情報に改札情報等が加えられた乗車情報が記憶される。
【0029】
図1において、車内システム1は、車両内に設置されるものである。車内システム1は、複数の検札ホルダーH1 ,H2 ,…を有している。検札ホルダーH1 ,H2 ,…は、各座席に対応させて、各座席近傍に配置されており、乗客は旅券情報を含む乗車情報及び検札用プログラムが蓄積されている携帯電話を、検札ホルダーH1 ,H2 ,…内に載置するようになっている。
【0030】
車内システム1内のシステム制御部2は、乗車情報として電子的に保持された乗車券や指定席券の車内検札を行うために、車内システム1内の各部を制御するようになっている。また、システム制御部2は、車内送受信制御部3及び車外送受信制御部4を制御して、車両内における通信及び車両外部との間の通信を可能にする。
【0031】
車内送受信制御部3は、検札ホルダーH1 ,H2 ,…及び車内アクセスポイント5を制御して、検札ホルダーH1 ,H2 ,…内の携帯電話との通信及び検札端末6との間の通信を制御するようになっている。車外送受信制御部4は、システム制御部2とホストデータベース(ホストDB)8との間の通信を制御するようになっている。
【0032】
検札ホルダーH1 ,H2 ,…は、車両内の各座席に配置され、各検札ホルダー内に載置された携帯電話K1 ,K2 ,…と通信を行って、携帯電話内の乗車情報等を読出して車内送受信制御部3を介してシステム制御部2に送信すると共に、システム制御部2からの情報が車内送受信制御部3を介して転送されて、保持している携帯電話K1 ,K2 ,…に夫々送信するようになっている。
【0033】
検札端末6は、車内アクセスポイント5との間で通信を行うための図示しない通信手段を有し、乗務員に検札及び空席状況等の情報を提供することができる。また、検札端末6は、表示部(図1では図示省略)及び乗務員による検札結果を入力するための図示しない入力手段を有する。車内アクセスボイント5は、車両内に設置され、検札端末6との間で無線通信を行って、システム制御部2から車内送受信制御部3を介して転送された情報を検札端末6に送信することができるようになっている。
【0034】
ローカルDB7はシステム制御部2によって制御されて各種情報を蓄積する。図2はローカルDB7が蓄積する情報を説明するための説明図である。図2に示すように、ローカルDB7は、座席番号情報、ユーザーID情報、乗車券有無の情報、指定券有無の情報、検札済か否かの情報、乗車区間の情報及び改札済みか否かの情報を蓄積する。
【0035】
一方、ホストDB8は、車両外に設けられている。乗車券販売端末9は、乗車券等の販売窓口からの旅券の販売に関する情報やインターネット等を介して行った旅券の販売に関する情報をホストDB8に送信する。ホストDB8には改札が行われた旅券についての情報(改札情報)も与えられており、ホストDB8は、乗車券販売端末9からの情報及び改札情報等を蓄積する。例えば、ホストDB8は、全車両の情報、販売済みの旅券情報、空席情報、改札情報等を蓄積する。
【0036】
車外送受信制御部4としては、ホストDB8と運行時にも通信可能なものと、停車時に一括してデータの送受信を行うものとが考えられる。運行時にも通信可能な手段としては、専用無線通信網、移動公衆網あるいはこれらと衛星放送の組み合わせがある。一方、停車時に一括してデータ交換を行う手段としては、無線LANやBluetoothの利用、記録メディアの交換等の方法が考えられる。
【0037】
システム制御部2は、車外送受信制御部4を介して入力されたホストDB8からの情報に基づいてローカルDB7に情報を蓄積し、車内送受信制御部3を介して入力された検札ホルダーH1 ,H2 ,…からの情報(検札情報)に基づいてローカルDB7の情報を更新する。また、システム制御部2は、ローカルDB7に蓄積された情報を車内送受信制御部3及び車内アクセスポイント5を介して検札端末6に送信すると共に、車外送受信制御部4を介してホストDB8に送信することができるようになっている。
【0038】
図3は図1中の検札ホルダーH1 ,H2 ,…を具体的に説明するための斜視図である。
【0039】
検札ホルダーH1 ,H2 ,…(以下、総称して検札ホルダーHという)は、車両内の各座席毎に設置される。検札ホルダーHは、ユーザー端末である携帯電話K1 ,K2 ,…(以下、総称して携帯電話Kという)を支持するための支持部11、Bluetooth通信機能を有する無線通信デバイス12及びユーザー端末が挿入されたことを検知するセンサ(図示省略)を有する。なお、携帯電話K内に組込まれたBluetooth通信機能を実現する図示しない無線通信デバイスは、携帯電話Kの下端近傍に配置されるものとする。携帯電話K側の無線通信デバイスと検札ホルダーHの無線通信デバイス12との間で、Bluetoothによる通信が可能である。
【0040】
検札ホルダーHは、各座席の近傍に設置する。無線通信デバイス12の通信可能領域は、検札ホルダーHの筐体内部又はその近傍領域に制限されるようになっている。また、携帯電話Kの無線通信デバイスが支持部11よりも下側に配置されている場合には、支持部11の材質としてシールド材を用いることにより、検札ホルダーH外への電波の不要輻射が阻止され、他の検札ホルダーとの間の通信を不可能にすることができる。これにより、各検札ホルダーHは、夫々支持部11に載置された携帯電話Kとの間のみで通信を行う。
【0041】
つまり、各検札ホルダーHが取得する情報は、載置されている各携帯電話Kに対応したものであり、各検札ホルダーHによって、各使用者毎が夫々所有する携帯電話Kに記憶されている情報を個別に取得することができる。各検札ホルダーHが乗車情報等を携帯電話Kから取得することによって、検札が可能となる。
【0042】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図4乃至図7を参照して説明する。図4は乗車券検札の手続きを示すフローチャートであり、図5は車両内の様子を示す説明図であり、図6は携帯電話の表示パネル上の表示を示す説明図であり、図7は検札端末6の表示部の表示を示す説明図である。
【0043】
いま、図5に示す車両21において検札を行うものとする。車両21は、3人掛けと2人掛けの1列につき5人分の座席22を有している。また、車両21は特急列車であるものとする。各座席22には図1の検札ホルダー(図示省略)が配置されている。なお、座席番号の1番(#1),2番(#2),…の座席に夫々対応させて図1の検札ホルダーH1 ,H2 ,…が設置されているものとする。乗客23は携帯電話を利用して改札を通過した後、車両21内の座席22に腰掛け、図1に示すように、保持している携帯電話Kを検札ホルダーH上に載置する。なお、この場合には、乗客23は、携帯電話Kの検札用プログラムを起動するための所定の操作をした後、携帯電話Kを検札ホルダーHに載せる。
【0044】
システム制御部2は所定のタイミングで、順次座席をスキャンする。即ち、システム制御部2は、図5のステップS1 において、検札座席番号として初期値“0”を“1”だけインクリメントする。これにより、システム制御部2は、検札座席番号が1番(#1)の座席について、検札情報の取得を行う。システム制御部2は、座席番号が1番(#1)の座席について検札が終了しているか否かを判断する(ステップS2 )。検札が終了している場合には、次の座席番号2番(#2)の座席について検札を行う。座席番号が1番(#1)の座席が未検札状態である場合には、システム制御部2は車内送受信制御部3に対して座席番号が1番(#1)の座席に対応させて設置されている検札ホルダーH1 に載置されている携帯電話K1 からの乗車情報の取得を指示する。
【0045】
即ち、座席番号が1番(#1)の座席の検札ホルダーH1 の無線通信デバイス12から通信確立のための信号を発信させ、ユーザー端末(携帯電話K1 )との通信を試みる(ステップS3 )。座席番号が1番(#1)の座席に腰掛けている乗客が、携帯電話K1 を検札用プログラム起動状態で検札ホルダーH1 上に載置している場合には、検札ホルダーH1 と携帯電話K1 との間で通信コネクションが確立する(ステップS4 )。
【0046】
この場合には、検札ホルダーH1 は、ユーザー端末(携帯電話K1 )に保持されている乗車情報のうち、有効期限、乗車区間、特急券などの有無とその有効/無効等の検札情報を読出し、車内送受信制御部3を介してシステム制御部2に送信する。
【0047】
システム制御部2は、検札ホルダーH1 から送信された情報に基づいて検札を行う。先ず、システム制御部2は、ステップS5 において、携帯電話K1 内に有効な乗車券であることを示す情報が含まれているか否かを否かを判断する。座席番号が1番(#1)に腰掛けている乗客23が正規の手段によって車両21の乗車のための乗車券及び特急券を購入し、その情報を携帯電話K1 に蓄積させ、携帯電話K1 を利用して改札を通過し、乗車券等が有効な期日に車両21に乗車している場合には、システム制御部2は取得した検札情報から乗車券が有効であるものと判断する。
【0048】
これらが有効でないと判定した場合には、システム制御部2は、車内送受信制御部3及び検札ホルダーH1 を介して乗客23が保持している携帯電話K1 に対してその旨の通知を行う(ステップS15)。
【0049】
次に、システム制御部2は、検札を行っている座席が指定席である場合には、指定席券の有無及び座席番号の確認を行い、乗客が正しい席に座しているか否かを確認する(ステップS7 )。指定席券を持っている乗客23が間違った座席番号の座席22に腰掛けている場合等のように、他の座席には有効な指定席券の情報であるが、座席番号が異なる場合には、ステップS8 ,S12から処理をステップS13に移行して、座席番号の間違いを検札ホルダーH1 を介して携帯電話K1 に通知する。
【0050】
更に、システム制御部2は、検札中の座席用の有効な座席指定の情報を有しておらず、また、座席番号が間違ってもいない場合には、ステップS14において自由席車両への移動を要求するための通知を携帯電話K1 に対して行う。
【0051】
なお、これらの通知は、ユーザー端末に行ってもよく、また、座席に設置されている図示しない他の表示部等に行ってもよい。
【0052】
図6は有効な乗車券及び指定席券を有する乗客23が正しい座席22に腰掛けている場合の携帯電話K1 上の表示を示している。図6の例では、携帯電話K1 の検札用プログラムは、先ず、携帯電話K1 内に蓄積されている乗車情報に基づいて、乗車区間、列車番号、座席指定、有効期限等の画面31を表示する。次に、携帯電話K1 の表示部上には、検札中であることを示す画面32が表示される。更に、検札が正常に終了すると、検札終了を示す画面33が表示される。
【0053】
ステップS8 からステップS9 に移行(検札が正常に終了)した場合は、システム制御部2は検札に関する情報をローカルDB7に蓄えると共に、無線通信デバイス12を介してユーザー端末である携帯電話K1 の画面上に検札が終了したこと示す画面33を表示させる(ステップS10)。全ての検札手続きが終了すると、システム制御部2は、このユーザー端末(携帯電話K1 )との通信コネクションを解除し、次に検札を行う座席(#2)の検札へと手続きを進める。
【0054】
以後、同様の動作が繰返されて、全ての座席について検札が行われる。システム制御部2は、全座席についての検札に関する情報を用いてローカルDB7の情報を更新する。システム制御部2は、更新されたローカルDB7の情報を読出して、車内送受信制御部3及び車内アクセスポイント5を介して乗務員24の検札端末6に検札に関する情報を送信する。
【0055】
乗務員24は、車両21内の乗務員室、通路、キャビン等に設けられた車内アクセスポイント5を経由して自分の持っている乗務員端末である検札端末6に最新の検札に関する情報を入手して検札状況を表示させることができる。図7は図5に対応した検札状況の表示を示している。
【0056】
ところで、本実施の形態においては、電子乗車券を有していない乗客に対しては有効に作用しない。また、電子乗車券を保持しているにも拘わらず、検札ホルダーHに電子乗車券が記憶されたユーザ端末である携帯電話Kを載置しない乗客についても検札不能であり、更に、乗車券を有していない不正乗客に対しても検札処理を行うことはできない。
【0057】
しかし、電子乗車券を利用した検札を行っていることから、乗務員24は未検札や座席間違い等を容易に判断することができる。図7に示すように、検札端末6上の表示部には、キャビンマップ36が表示されている。キャビンマップ36は、車両21の座席図であり、車両21の座席22の配置に対応した表示が行われる。
【0058】
各座席を示す表示上には、検札済みの座席を示す検札済みマーク37が表示されている。また、キャビンマップ36上には指定席券が未検札であることを示す指定席券未検札マーク38も表示されている。また、キャビンマップ36上には指定席券が他の座席のものであり、座席間違いであることを示す座席違いマーク39も表示されている。これらのマーク37〜39が表示されていない座席は、未検札であることを示している。即ち、キャビンマップ36の表示によって、各座席毎に、既検札、未検札、指定席券未検札及び指定席券座席違いが分かる。
【0059】
図7に示すキャビンマップ36上の検札済みマーク37によって、図5の乗客U1 乃至U9 のうち乗客U1 ,U3 ,U5 ,U7 〜U9 が正常に検札が終了したことが分かる。また、乗客U6 は未検札であり、乗客U2 は他の座席用の有効な指定席券を有している座席間違いの乗客であり、乗客U4 は有効な乗車券は有しているが、指定席券については未検札であることも分かる。
【0060】
乗務員24は、図7のキャビンマップ36を参照することで、正常に検札が終了していない乗客U2 ,U4 ,U6 のみに応対すればよい。即ち、乗務員24は乗客U2 に対して、指定席を間違っていること及び正しい座席を教えればよい。また、乗客U4 は指定席券を未購入である可能性があるので、座席(#5)が指定席であること、空席であれば指定席券の購入を促し、空席でなければ他の座席に移動するように促せばよい。また、乗客U6 については、電子乗車券を記憶した携帯電話Kを検札ホルダーH2 上に載置するように促すか又は座席(#2)用の切符の提示を求めればよい。
【0061】
なお、システム制御部2は、ローカルDB7に蓄積された情報から空席情報を検札端末6に送信することができる。これにより、乗務員24は空席状況を確認することが可能である。
【0062】
このように、乗務員24は電子乗車券を利用した検札済の乗客については、手作業による検札を省略することができる。また、指定席の空席情報を入手することができるので、車内での指定席販売なども可能である。
【0063】
システム制御部2は、車外のホストDB8とローカルDB7とを同期化させることができる。即ち、例えば、ホストDB8と接続された乗車券販売端末9は、最新の乗車情報を取得することができ、乗車券、指定席券の販売に役立てることができる。
【0064】
このように、本実施の形態においては、乗車券、特急券等の情報、座席指定の情報、改札情報等を電子乗車券としてユーザー端末に保持し、座席に1対1に対応した無線通信デバイスを利用して、ユーザー端末からユーザー端末内の情報を取得することで検札を可能にし、更に、検札に関する情報を含む電子乗車券の情報を車内のローカルDBに蓄積することで、乗務員が空席状況をリアルタイムで判断することを可能にしている。また、車内のローカルDBと車外のホストDBとを同期化させており、車外の乗車券販売端末等においても、リアルタイムで空席状況等を把握可能にして、座席指定券の販売を容易にしている。
【0065】
なお、本実施の形態においては、携帯可能な情報機器(ユーザー端末)としてBluetooth通信機能を有する携帯電話を用い、携帯電話との通信を行う無線通信デバイスとしてBluetooth通信機能を備えた検札ホルダーを利用した例を説明したが、ユーザー端末として無線タグや無線付きICカードを用い、車両内の各座席に、無線基地局となる無線通信デバイスを配置するようにしてもよいことは明らかである。
【0066】
なお、無線通信デバイスとして汎用のデバイス部品を用いようとする場合には、その電波強度は必ずしも検札ホルダー内をカバーするのに適していず、多くの場合、検札ホルダーの開口部から無線ビームが漏れ、検札ホルダー外にあるユーザー端末との通信が可能となってしまう。このような場合は、通信デバイスと支持部の間に適当な電波遮蔽性能を有するシールド材を設置することによって、検札ホルダー内のユーザー端末のみとの通信を可能とすることができる。一般に、無線通信はデバイス間の距離が近すぎても通信が不能となるが、シールド材を挿入することにより電波を弱め、無線通信デバイスとユーザー端末との距離を狭めることができ、結果として検札ホルダーを小型化できるという長所もある。
【0067】
また、無線通信デバイスが受信した電波強度を計測する手段をもっている場合は、一定の閾値以上の電波強度の受信電波とのみ通信を行う、あるいは最も電波強度の強い受信電波とのみ通信を行うといった方法によって、検札ホルダーに挿入されたユーザー端末のみと通信を行う方法もある。
【0068】
また、携帯電話は、改札時に、乗車情報が読み取られる。この乗車情報の読み取り時に起動される改札用プログラムに連動させて携帯電話の検札用プログラムを自動的に起動させることも可能である。この場合には、乗客が検札ホルダーに携帯電話を載置するだけでよく、載置する前に、検札用プログラムを起動させるための操作等を省略することも可能である。
【0069】
図8は本発明の他の実施の形態を示す説明図である。図8において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0070】
図1の実施の形態においては、検札ホルダーHを用い、無線通信デバイス12を各座席毎に設置することで、電子乗車券を保持した乗客がどこの座席に座しているかを確認することを容易にしている。しかし、図1のシステムでは座席数と等しい個数の無線通信デバイスが必要となり、システムコストが比較的高くなる。そこで、本実施の形態は、無線電波の有効範囲が複数の座席をカバー可能な無線通信デバイスをキャビンの天井に設置することで、無線通信デバイスの個数を低減するようにしたものである。図8の梨地模様は、無線通信デバイスにおけるビームの有効範囲を示している。
【0071】
本実施の形態は検札ホルダーHを省略し、無線通信デバイス12に代えて、無線通信デバイス41を採用した点が図1の実施の形態と異なるのみであり、構成要素の一部は図示を省略している。なお、無線通信デバイス41と車内送受信制御部3、ローカルDB7等を接続するLANケーブルの一部はキャビンの天井裏に設置されるが、図8は他の構成要素の設置場所を限定するものではない。また、LANケーブルを用いることなく、無線LAN等によって接続してもよいことは明らかである。
【0072】
無線通信デバイス41は、キャビンの天井42に設置され、天井42の下方に設置されている複数の座席を含む範囲を無線ビームの有効範囲とする。無線通信デバイス41は、座席22に腰掛けている複数の乗客23が保持しているユーザー端末である例えば携帯電話との間で、Bluetooth通信機能を利用して通信可能である。
【0073】
無線通信デバイス41は携帯電話との通信によって取得した情報を車内送受信制御部3及びLANケーブルを介してシステム制御部2に送信することができる。また、無線通信デバイス41は、システム制御部2からの情報が車内送受信制御部3及びLANケーブルを介して入力されて、携帯電話に対してこの情報を送信することができるようになっている。
【0074】
また、全車両の全ての無線通信デバイス41には夫々IDが設定されており、ローカルDB7は各無線通信デバイス41のIDと各無線通信デバイス41のビーム範囲内の座席番号との対応表を、各無線通信デバイス41毎に保持している。システム制御部2は、ユーザー端末から取得した指定席の情報とローカルDB7内の情報とから、そのユーザー端末がいずれの無線通信デバイス41のビーム範囲内の座席に位置するかを把握することができるようになっている。
【0075】
なお、携帯電話に含まれる検札用プログラムは、図1の携帯電話に含まれる検札用プログラムと若干相違する。即ち、本実施の形態においては、無線通信デバイス41と複数の携帯電話とが通信可能であることから、単に通信を行っただけでは、携帯電話を保持している乗客がいずれの座席に腰掛けているかを判断することができない。本実施の形態においては、システム制御部2の要求に応じて、乗客に座席番号を入力させるための処理を可能にすることもできる。
【0076】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図9のフローチャートを参照して説明する。図9は検札処理の処理フローを示している。
【0077】
システム制御部2は、無線通信デバイス41から一定間隔毎にユーザー端末である携帯電話を検知するための検知ビーム信号を送信させ、乗客からの検札要求を検知すると(ステップS21)、検札要求を発した端末とのコネクションを確立させる(ステップS22)。システム制御部2は、検札要求を発したユーザー端末が未検札の乗車券を保有しているか否かを確認し、ステップS23及びステップS24の検札手続きを行う。乗客23が保持しているユーザー端末内の情報に有効な乗車券の情報が含まれない場合には、システム制御部2は、ステップS33において乗車券が無効であることを乗客23に通知する。
【0078】
乗車券が有効である場合には、ステップS25において車両が指定席車両であるか否かが判断される。検札する座席が自由席車両の座席である場合には、検札中の電子乗車券がどの座席に座している乗客のものであるかを認知するために、乗客に座席番号を入力してもらう(ステップS31)。入力手段としては、ユーザー端末につけられているキーインターフェースを使用する方法と、各座席に確認用のボタンスイッチを用意し、それを押してもらう方法がある。システム制御部2は、乗客が入力した座席番号で検札処理の結果をローカルDB7に記録する(ステップS32)。
【0079】
一方、検札する座席が指定席車両の座席である場合には、次に指定席券の検札を行う(ステップS26)。システム制御部2は、ステップS27において指定席券が有効であることを確認すると、次のステップS28において、座席番号が無線通信デバイス41のビーム範囲内の座席であることを、ローカルDB7に保持されている無線通信デバイス41のIDとそのビーム範囲内の座席番号の対応表とから確認する。
【0080】
ステップS28における確認が行われることによって、検札中のユーザー端末を有する乗客が、ユーザー端末内の指定席情報によって示される座席をビーム範囲に含む無線通信デバイス41のビーム範囲内の全ての座席のいずれかの座席近傍に位置することが確認される。この場合には、システム制御部2は、検札中の乗客が正規の指定席に腰掛けているものと推測する。そして、システム制御部2は、指定席券の座席番号で、ローカルDB7に検札記録を行う(ステップS32)。これにより、殆どの場合に乗客が座席番号を入力する必要がなくなり、乗客の検札の負担を著しく低減することができる。
【0081】
なお、ステップS27において、検札された指定席券の座席番号が無線通信デバイス41のビーム範囲外であるものと判断した場合には、座席番号が間違っていることを乗客へ通知する(ステップS34)。
【0082】
このように、本実施の形態においては、乗車券の保有乗客、乗客の座席番号を容易に特定することができる。
【0083】
なお、本実施の形態は指定席車両であるか否かに拘わらず、乗客に座席番号を入力させるようにしてもよいことは明らかである。この場合には、乗客の負担は増えるが、正規の指定席に座しているか否かを確実に判断することが可能となる。
【0084】
図10は本発明の他の実施の形態を示す説明図である。図10において図8と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0085】
図8の実施の形態においては、乗客に座席番号を入力させることによって、正規の指定席に座しているか否かを判断することを可能にしている。これに対し、本実施の形態は、無線通信デバイスから発せられる無線ビームのセル範囲を制御することによって、座席番号を特定するものである。
【0086】
本実施の形態は無線通信デバイス41に代えて、指向性が鋭い無線通信デバイス51及びその移動機構(図示せず)を採用した点が図8の実施の形態と異なり、構成要素の一部は図示を省略している。
【0087】
無線通信デバイス51は、アダプティブアンテナ、または無線通信デバイスのセルを極めて狭い範囲で有効となるように設計する。また、無線通信デバイス51は、天井に設置した図示しない機械的な移動機構によって、各座席にビームを向けることができるように複数の座席上を移動自在である。システム制御部2は、無線通信デバイス51の移動を制御することができ、無線通信デバイス51がいずれの座席に無線ビームを向けているかを認識することができるようになっている。
【0088】
システム制御部2は、無線通信デバイス51のセル範囲を制御することによって、乗客に座席番号を入力させることなく、検札中のユーザー端末がいずれの座席近傍に位置しているかを把握することができる。
【0089】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図11の説明図を参照して説明する。図11は破線丸印によって無線ビーム範囲及びその移動を示している。本実施の形態においては、図4と略同一のフローによって検札処理が可能である。
【0090】
図1においては、検札ホルダーHを切換えて各座席の携帯電話と順次検札のための通信を行ったのに対し、本実施の形態のシステム制御部2は、無線通信デバイス51を座席に沿って移動させ、携帯電話とのコネクションが確立する位置、例えば、無線ビーム範囲が各座席の中心上に位置するときに移動を停止させて、図4の検札処理を行う。
【0091】
そして、1座席について検札処理が終了すると、無線通信デバイス51を移動させ、次に携帯電話とコネクションが確立した位置で移動を停止させて、次の検札処理を行う。以後同様の動作を繰返すことで、全座席について検札処理を行う。
【0092】
このように、本実施の形態においては、乗客に大きな負担を強いることなく、電子乗車券を利用した検札が可能である。
【0093】
図12は本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。図12において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0094】
本実施の形態は情報端末55を付加した点が図1の実施の形態と異なる。情報端末55は、車両21内に各座席毎に設置され、車内送受信制御部3によって制御される通信手段を具備し、システム制御部2との間で情報の授受を行うようになっている。情報端末55は、情報を表示するためのディスプレイ57及びユーザーの入力を受付けるためのインターフェース57を有している。また、情報端末55は、図示しないMPU、メモリ及び電源部なども有している。
【0095】
情報端末55は、システム制御部2との間の通信によって得た情報等に基づいて、ディスプレイ57を用いて乗客にサービスや情報を提供することができるようになっている。
【0096】
また、全車両の全ての情報端末55には夫々IDが設定されており、各情報端末55のIDと各座席の座席番号との対応表を、ローカルDB7は、各情報端末55毎に保持している。システム制御部2は、ローカルDB7に保持されている情報端末55のIDと座席番号との対応表によって、各情報端末55と、設置されている座席番号とを1対1に対応付けることが可能である。
【0097】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図13を参照して説明する。図13は情報の格納場所を示している。
【0098】
乗客23は、情報端末55を操作することによって、システム制御部2から各種情報やサービスの提供を受けることができる。情報端末55に対する乗客23の操作は、システム制御部2に伝えられる。システム制御部2は、受信信号に含まれる情報端末55のIDとローカルDB7に保持されているIDとの対応表から、情報端末55が設置されている座席番号を把握することができる。
【0099】
これにより、システム制御部2は、ユーザー端末からの情報も用いることで、各乗客に対応した情報を提供することが可能である。例えば、情報端末55によって、乗客23は、ニュース、読物、時刻表、乗換情報、駅周辺情報、車内販売物品予約、乗り越し清算、ホテル予約及び帰路乗車券購入等のサービスの提供を受けることができる。これらの情報はローカルDB7に蓄積されており、また、トランザクション処理などはシステム制御部2において実行される。
【0100】
システム制御部2はローカルDB7に蓄積されている乗車券情報に基づいて、情報端末55を通じて情報、サービスを提供することも可能である。例えば、下車駅情報を基に下車時の一定時間前にアラームを送ることもでき、また、下車駅での乗り換え情報な駅周辺情報を優先的に配信することも可能である。
【0101】
情報端末55等を介して提供される情報及びサービスが有料の場合には、検札ホルダHに挿入されたユーザー端末である携帯電話Kに格納されている個人認証ID又は端末IDを利用して、情報・サービス料に対する課金を行うことも可能である。例えば、乗客は乗車券の検札時又は他のタイミングでユーザー端末に保持されているID情報と共にクレジットカード番号や乗車券購入に用いるカード番号、口座番号などの課金先情報をシステム制御部2に提供するのである。有料情報、サービスを取得するときには、システム制御部2はコンテンツが有料であることと、そのサービス提供料金と共に、先に取得した課金先情報を乗客に提示するようにすればよい。
【0102】
このように、本実施の形態においては、情報端末55を各座席にユーザー端末とは別に用意することにより、検札処理のユーザー端末の負荷軽減、乗客の操作性の向上を果たすことができる。例えば、検札手続きの開始、確認あるいは座席番号の入力などを乗客に行わせる場合には、これらを実行するためのプログラムを、ユーザー端末等に常駐させる、またはJavaプログラムなどを乗車券購入時、検札時にダウンロードする必要があるが、情報端末55が座席に用意されていれば、これらの乗客の手続きを情報端末55で実行することが可能となる。また、情報端末55のインターフェースを充実させることで、乗客の操作性を向上させることができる。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、携帯可能な情報機器を利用して、車内検札を電子的に行うことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車内検札システムの一実施の形態を示すブロック図。
【図2】ローカルDB7が蓄積する情報を説明するための説明図。
【図3】図1中の検札ホルダーH1 ,H2 ,…を具体的に説明するための斜視図。
【図4】乗車券検札の手続きを示すフローチャート。
【図5】車両内の様子を示す説明図。
【図6】携帯電話の表示パネル上の表示を示す説明図。
【図7】検札端末6の表示部の表示を示す説明図。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す説明図。
【図9】本実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】本発明の他の実施の形態を示す説明図。
【図11】図10の実施の形態における破線丸印によって無線ビーム範囲及びその移動を示すブロック図。
【図12】本発明の他の実施の形態を示すブロック図。
【図13】図12の実施の形態の動作を説明するための説明図。
【符号の説明】
1…車内システム、2…システム制御部、3…車内送受信制御部、4…車外送受信制御部、5…車内アクセスポイント、6…検札端末、H1 ,H2 ,…検札ホルダー、K1 ,K2 ,…携帯電話。

Claims (9)

  1. 客車の乗車に関する情報を保持するデータベースと、
    前記客車に乗車するために必要な情報を保持するユーザー端末との間で通信が可能な通信手段と、
    前記通信手段と前記ユーザー端末との間の通信に基づいて前記ユーザー端末の前記客車内の座席位置又は存在領域を判別する判別手段と、
    前記ユーザー端末が前記通信手段の通信可能エリア内で前記通信手段との間で通信可能状態になることにより、前記通信手段が前記ユーザー端末から取得した情報及び前記判別手段の判別結果に基づいて前記客車の検札を行う検札手段とを具備し、
    前記通信手段は、前記客車の座席毎に無線ビーム範囲を設定することが可能な無線通信デバイスによって構成されて、前記ユーザー端末が前記通信ビーム範囲内に配置されることによって前記ユーザー端末との間で通信が可能となり、
    前記判別手段は、前記通信手段の無線ビーム範囲によって前記ユーザー端末の前記客車内の座席位置を判別することを特徴とする車内検札装置。
  2. 客車の乗車に関する情報を保持するデータベースと、
    前記客車に乗車するために必要な情報を保持するユーザー端末との間で通信が可能な通信手段と、
    前記通信手段と前記ユーザー端末との間の通信に基づいて前記ユーザー端末の前記客車内の座席位置又は存在領域を判別する判別手段と、
    前記ユーザー端末が前記通信手段の通信可能エリア内で前記通信手段との間で通信可能状態になることにより、前記通信手段が前記ユーザー端末から取得した情報及び前記判別手段の判別結果に基づいて前記客車の検札を行う検札手段とを具備し、
    前記通信手段は、無線ビーム範囲が前記客車の複数の座席を含む無線通信デバイスによって構成されて、前記ユーザー端末が前記通信ビーム範囲内に配置されることによって前記ユーザー端末との間で通信が可能となり、
    前記判別手段は、前記無線通信デバイスの設置場所によって前記ユーザー端末の前記客車内の存在領域を判別することを特徴とする車内検札装置。
  3. 前記通信手段は、前記客車の座席毎に設置された無線通信デバイスによって構成されて、前記ユーザー端末が前記通信デバイス近傍に配置されることによって前記ユーザー端末との間で通信が可能となり、
    前記判別手段は、前記通信手段の設置位置によって前記ユーザー端末の前記客車内の座席位置を判別することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載の車内検札装置。
  4. 前記通信手段は、前記ユーザー端末を支持する支持部材と、
    前記ユーザー端末からの無線信号の不要輻射を阻止するシールド部材とを具備したことを特徴とする請求項3に記載の車内検札装置。
  5. 前記データベースは、座席番号、ユーザーID、乗車券の情報、指定券の情報、未検札か否かの情報、乗車区間の情報及び改札済みか否かの情報の少なくとも1つの情報を蓄積することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載の車内検札装置。
  6. 前記検札手段による検札結果を提示する提示手段を更に具備したことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載の車内検札装置。
  7. 前記通信手段との通信が可能な情報端末を更に具備したことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載の車内検札装置。
  8. 客車に乗車するために必要な情報を保持するユーザー端末と、
    前記客車の乗車に関する情報を保持するデータベースと、
    前記ユーザー端末との間で通信が可能な通信手段と、
    前記通信手段を介して前記ユーザー端末に座席を特定するための情報の入力を促すと共に、前記ユーザー端末が前記通信手段の通信可能エリア内で前記通信手段との間で通信可能状態になることにより、前記通信手段が前記ユーザー端末から取得した情報及び前記ユーザー端末から送信された前記座席を特定するための情報に基づいて前記客車の検札を行う検札手段とを具備したことを特徴とする車内検札システム。
  9. 客車の乗車に関する情報を保持するデータベースと、
    前記客車に乗車するために必要な情報を保持するユーザー端末との間で通信が可能な通信手段と、
    前記通信手段を介して前記ユーザー端末に座席を特定するための情報の入力を促すと共に、前記ユーザー端末が前記通信手段の通信可能エリア内で前記通信手段との間で通信可能状態になることにより、前記通信手段が前記ユーザー端末から取得した情報及び前記ユーザー端末から送信された前記座席を特定するための情報に基づいて前記客車の検札を行う検札手段とを具備したことを特徴とする車内検札装置。
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