JP3667266B2 - 育苗ブロック成形用生分解性シート材 - Google Patents

育苗ブロック成形用生分解性シート材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜、花卉等の植物を育苗するための培土を育苗ブロックに成形するのに用いる生分解性シート材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、野菜、花卉等の栽培には、苗を育苗容器内で一定期間生育させた後に圃場、植栽地や鉢などに植え替える方式が広く取り入れられている。このための育苗容器には、育苗箱、育苗ポット、育苗トレー等が一般に使用されており、これらの容器内に培土を充填して育苗ブロックを形成し、この育苗ブロックに野菜や花卉等の種子を蒔いて発芽させたり挿し木したりして育苗が行われる。発芽後或いは挿し木の後一定期間生育させると、育苗容器から育苗ブロックを取り出し、圃場や鉢等に移植するが、育苗ブロックを育苗容器から取り出す作業には、容器の排水底穴から容器外に伸びた根の根切り作業を伴い過大な労力がかかるばかりか、移植後不要となった育苗容器の収集、移動、廃棄に伴う労力と費用が大きな負担となっている。
【0003】
このため、植え替え作業を必要とせず、栽培植物を育苗ポットに入れたまま土壌中に移植できるように、土壌中で分解する生分解性不織布で成型された育苗ポットが提案されている(特開平6−81259号、特開平6−113682号、特開平9−37653号、同37654号、特開平9−205895号など)。このような生分解性不織布から成型された育苗ポットは、根切りなどによる根の損傷の問題がなく、育苗容器から育苗ブロックを取り出す作業や、使用済み育苗容器の廃棄などの問題も解消されるが、生分解性不織布から個別に育苗ポットを成型する工程を必要とし、各育苗ポット毎に培土を充填する作業も必要である。また、育苗用紙筒に培土を封入して培土封入紙筒とする手段も知られているが(特開平9−308386号など)、紙筒を展開し、個別に培土を充填する作業を必要とする。
【0004】
これらの工程、作業をより簡略化する方法として、通気性、透水性を有する生分解性シート材で培土を包み込んで円筒形の育苗ブロックを形成する方法が提案されている(特開平9−154405号)。特開平9−154405号において開示されている例は、直径3〜4cm×長さ4〜6cmの円筒形の育苗ブロックである。この円筒形の育苗ブロックは、円筒体の円周長さに接合部分(糊しろ)1cm程度を加えた長さを幅とする育苗ブロック成形用シート連続体を連続的に長い円筒形に形成して接合部分で接着し、円筒体内部に培土を吸引式に充填し、培土を充填した筒状連続体を鋸歯などで適切な長さに切断して製造される。例えば特許第2763959号「ミズゴケ等の柔らかい材料からブロック体を製造する方法と装置」において開示されているような装置によって、生分解性シートで形成される筒状連続体の中に培土を充填してから、適当な長さに切断して短い筒状体とすることにより形成することができる。また、例えばシガレット製造機の原理を用いた装置において、シガレットより大きい所望の直径、長さの円筒体を形成することにより製造することができる。
【0005】
即ち、図1に示すような、生分解性シート材1で培土2が包み込まれた連続筒状体3を製造し、これを適切な長さに切断して、図2のような短い筒状育苗ブロック4とする。この短い筒状育苗ブロック毎に発芽させたり挿し木したりした後育苗する。育苗の後、外周に巻かれた生分解性シート1を取り除かずにそのまま圃場や鉢に移植することができる。このような筒状育苗ブロックは、従来の生分解性不織布で形成される育苗ポットのような個別の成型工程がなく、またポット毎に培土を充填する作業を省略することができる。
【0006】
しかしながら、特開平9−154405号において生分解性シート材として開示されているのは、天然紙に接着用のポリエチレン樹脂を吹き付けたものであり、ポリエチレンの分解が困難であることから、土壌中に数年間埋設した後でも当初のシート形態を保持しており、栽培次年度に圃場の土壌を耕運する際に、農機具や耕運機の鋤部分に絡まり、農作業の大きな障害となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決するために、前記のような筒状育苗ブロック成形用に適したシート材であって、育苗中はシート形態を保持するが、土壌中においては、シート形態崩壊まで2〜4ヶ月、完全分解まで1〜2年程度の生分解可能なシート材を提供することを目的とする。
【0008】
筒状育苗ブロック成形用のシート材としては、通気性、透水性、耐湿強度を有することに加えて、連続した筒状体を鋸歯のようなもので短い筒状体に切断するための易切断性を有することが必要となる。生分解性不織布等は通常原料繊維が比較的長繊維の生分解性繊維で形成されており可撓性であるため、生分解性不織布で培土を包んで連続筒状体とした場合には、短い筒状体に切断しようとしても不織布の繊維が鋸歯に絡んで容易に切断することができない。このような事情に鑑みて、本発明では、短繊維を原料として抄紙方法を採用し、切断容易な剛性を有する生分解性シートを提供すべくなされたものである。さらに、培土を包み込んで連続した筒状体に成形する際、接合のために接着剤を用いると、接合部分はシートの通気性や透水性が損なわれてしまうので、熱封緘接着特性を有するシートとして、通気性、透水性を損なうことなくヒートシールで接合できることも考慮した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生分解性熱可塑性合成繊維の短繊維と製紙用繊維とポリビニルアルコール短繊維を配合して抄紙原料とし、湿潤強度増強剤を添加してなる混抄紙に、生分解性熱可塑性樹脂を含浸又は塗工し、通気度10,000cu以上、湿潤引張強さ0.14kN/m以上、曲げ剛度30mN以上としたことを特徴とする育苗ブロック成形用生分解性シート材に関する。
【0010】
本発明にかかる育苗ブロック成形用シート材は、前記したような、培土を包んで連続筒状体を成形し、これを切断して短い筒体の育苗ブロックとするのに好適に使用できる。
【0011】
育苗の際には通気性が必要であり、育苗ブロック成形用シートは通気度10,000cu(コレスタ単位)以上となるように製造する。これは、通気度が10,000cu未満では、成形用シートの繊維間の空隙が小さく、育苗中に根が紙層を貫通できず、成形用シートに沿って底面方向へ成長し、底部で渦巻状になる根巻き状態となるため、育苗ブロックを移植した後の成長が悪くなる。
【0012】
また、育苗ブロック成形用シートは湿潤引張強さ0.14kN/m以上であることが必要である。これに満たない場合には、潅水により湿潤状態となった際にシートが破れ易く、育苗ブロックを摘み上げる際に土壌が崩れて移植不可能となる。
【0013】
更に、実験によれば連続した筒状体を鋸歯で切断する際の易切断性のために、育苗ブロック成形用シート材は30mN以上の曲げ剛度を必要とすることが判った。曲げ剛度がこれに満たない場合には、鋸歯で切断した際にシートが破れたり、切り口が崩れて、きれいな円筒形とならない。シートの曲げ剛度は、連続するシートを切断する場合、鋸歯と直角に接触する縦方向の曲げ剛度が上記範囲であることが必要である。
【0014】
本発明においては、切断性のよい剛性のあるシートとするために、不織布ではなく、短繊維からなる抄紙原料を混抄する手段により基材を形成する方法を採用した。本発明においては、熱封緘性、耐湿性、通気性を得るために生分解性熱可塑性合成繊維を抄紙原料として用い、抄紙性や低コスト化のために製紙用繊維を配合するとともに、乾燥強度及び曲げ剛度向上のためにポリビニルアルコール短繊維を配合して混抄する。シートの切断性を良くするため抄紙原料は短繊維を用いる。これらの抄紙原料はすべて生分解性物質であるが、土壌中に移植前の育苗期間中は生分解することなく一定の耐湿潤性を保持することが必要である。そこで、製紙用繊維の配合による耐湿潤性の低下を補うために湿潤強度増強剤を添加し、さらに混抄紙に生分解性熱可塑性樹脂を含浸又は塗工することにより製紙用繊維を覆って生分解速度を遅らせる。生分解性熱可塑性樹脂の含浸又は塗工は、熱封緘性の補強ともなる。
【0015】
【発明の実施の態様】
混抄紙に配合する生分解性熱可塑性合成繊維の短繊維と製紙用繊維とポリビニルアルコール短繊維の配合割合は質量比で30〜95:60〜4:1〜10とするのが望ましい。生分解性熱可塑性合成繊維の短繊維とは、生分解性熱可塑性樹脂を溶融紡糸して一定長さに切断したもので、繊度0.2〜10d(デニール)、繊維長1〜20mmのものが望ましい。繊度が0.2dに満たないものは混抄紙の紙層が密になりすぎて、混抄紙に生分解性熱可塑性樹脂を塗工・含浸した後のシートの通気度が10,000cuに達しなくなる。繊度が10dを超えると混抄紙中の生分解性熱可塑性合成繊維の本数が減少して強度が低下するため好ましくない。また、繊維長が1mmに満たない場合には混抄紙の強度が低下し、20mmを超えると抄造時に合成繊維同士が撚れたり絡まったり抄紙性が低下するので好ましくない。
【0016】
溶融紡糸に用いる生分解性熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンサクシネート(融点114℃)、ポリエチレンサクシネート(融点100℃)、ポリブチレンサクシネート・アジペート(融点96℃)、ポリl−乳酸(融点175℃)、ポリd,l−乳酸(融点120℃)、ポリカプロラクトン(融点60℃)、ポリブチレンサクシネートカーボネート(融点106℃)などが挙げられる。これらの単一成分の繊維を単独で用いても、単一成分の繊維を2種以上配合して用いても良い。また、予め2種以上の成分からなる複合繊維を用いることもでき、複合繊維は芯部分と鞘部分が異なる成分からなる鞘芯型構造のものを用いることもできる。鞘芯型複合繊維は、鞘部に融点90〜120℃の生分解性熱可塑性樹脂を用い、芯成分は鞘成分より融点が20〜30℃高い生分解性熱可塑性樹脂を用いれば、抄紙機のドライヤー上で、繊維形態を保った状態で繊維同士の鞘成分を加熱融着可能となり、抄紙性の向上と混抄紙の強度増強が図れるという利点がある。このような鞘芯型複合繊維として、鞘部がポリブチレンサクシネート・アジペート、芯部がポリブチレンサクシネートの組み合わせ、鞘部がポリd,l−乳酸、芯部がポリl−乳酸の組み合わせ、鞘部がポリl−乳酸・ポリカプロラクトン共重合体、芯部がポリl−乳酸の組み合わせが知られている。
【0017】
生分解性熱可塑性合成繊維は、抄紙原料中30〜95質量%配合することが好ましく、配合率が30質量%に満たないと熱封緘強度が不足し、筒体製造装置において筒体の合わせ部分をヒートシール接合できにくい。更に配合率が30質量%に満たない場合には、混抄紙の通気性が低下し、生分解性熱可塑性樹脂を含浸又は塗工した後の通気度10,000cuとすることが困難となる。一方、生分解性熱可塑性合成繊維配合率が95質量%を超えると抄紙機のドライヤー上で生分解性熱可塑性合成繊維同士を加熱融着する際に混抄紙がドライヤー表面から剥がれ難くなり、抄紙性が低下する。
【0018】
混抄紙に配合する製紙用繊維は、高価な生分解性熱可塑性合成繊維の配合率を減らしてコストを低減するために使用され、針葉樹晒しクラフトパルプ、広葉樹晒しクラフトパルプ、マーセル化パルプ、溶解パルプ、カールドファイバーパルプなどの木材パルプ、亜麻パルプ、マニラ麻パルプ、ケナフパルプなどの非木材パルプ、レーヨン短繊維などの半合成繊維、リヨセル短繊維などの精製セルロース繊維が用いられる。これらの製紙用繊維のうち木材パルプ、非木材パルプ等の天然繊維は500〜700mlCSFの範囲に叩解して使用するが、天然繊維の種類と叩解度は、混抄紙の通気度により適宜選択される。例えば、通気性、シート強度の双方を高める場合は500mlCSF程度に叩解したマニラ麻パルプを使用し、主として通気性を高める場合は650mlCSF程度に叩解した針葉樹晒しマーセル化パルプを使用するなどの手法が取られる。
【0019】
製紙用繊維の繊維長は、重さ加重平均繊維長で0.8mm〜5.0mmのものが好ましい。重さ加重平均繊維長が短いものは広葉樹パルプであり、未叩解のものは1mm前後の重さ加重平均繊維長を示す。一方、重さ加重平均繊維長が長いものは亜麻パルプで、長すぎるものは叩解処理によって5mm以下に切断してから使用される。製紙用繊維は、主としてコストダウンのため配合されるが、無配合では、抄紙時の湿紙強度が弱くて断紙しやすく、ドライヤー表面からも剥がれ難くなる。この対策として、製紙用繊維は抄紙原料中に少なくとも4質量%配合する必要がある。
【0020】
混抄紙に配合するポリビニルアルコール短繊維は、ドライヤーで湿紙を乾燥する際に溶解し、乾燥後の混抄紙の構成繊維同士を強固に接着して乾燥強度と剛性を高めるために用いられるもので、その結果として培土を充填した筒状連続体を鋸歯で切断する際の切断性向上効果もある。
ポリビニルアルコール短繊維は、溶解温度60〜80℃、繊維長3〜5mmの一般に市販されている製紙用ポリビニルアルコール短繊維を用いることができ、配合率は、抄紙原料の1〜10質量%が適当である。配合率が1質量%に満たない場合は、乾燥強度と曲げ剛度の向上効果が不十分であり、一方配合率が10質量%を超えると抄紙時に混抄紙が抄紙機のドライヤー表面から剥がれ難くなり抄紙性が低下するため好ましくない。
【0021】
生分解性熱可塑性合成繊維と製紙用繊維とポリビニルアルコール短繊維からなる混抄紙は、生分解性熱可塑性合成繊維同士の繊維間結合の湿潤強度は高いが、製紙用繊維同士や製紙用繊維とポリビニルアルコール短繊維の繊維間結合は湿潤強度(耐湿潤性)が低く、生分解する以前に育苗期間中の潅水により破れてしまう欠点がある。この湿潤強度の不足を補うために湿潤強度増強剤を添加する。湿潤強度増強剤の添加量は、繊維成分100質量%に対して固形分として0.1〜5質量%の割合となるように添加する。湿潤強度増強剤としてはポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、カチオン性澱粉脂肪酸エステルエマルジョンが挙げられる。添加量が0.1質量%未満の場合は湿潤強度向上効果が不十分であり、5質量%を超えると湿潤強度増強剤の費用増加に比べて湿潤強度向上効果が頭打ちになるため好ましくない。湿潤強度増強剤の添加方法は、抄紙原料に添加する、いわゆる内添による方法、製紙工程におけるサイズプレス装置などで含浸・塗工する方法により行われる。
【0022】
混抄紙の抄造には、短網式抄紙機、傾斜短網式抄紙機、円網式抄紙機、円網・短網コンビネーション抄紙機等の既存の抄紙機を用いることができるが、特に傾斜短網式抄紙機を用いた場合、繊維長が10mm以上の場合でも抄造が容易となるため好ましい。
【0023】
混抄紙の坪量は20〜40g/mが好ましく、坪量が20g/mより低い場合は強度が不足し、40g/mを超えると通気性が低下する。混抄紙の構成は、生分解性熱可塑性合成繊維の短繊維と製紙用繊維とポリビニルアルコール短繊維を質量比で30〜95:60〜4:1〜10の割合で配合した1種類の抄紙原料からなる単層構造の他に、シートを多層構造として最外面の層は生分解性熱可塑性合成繊維配合率を高め、中間層は最外面の層より生分解性熱可塑性合成繊維の配合率を少なくしたものでもよい。
【0024】
混抄紙に生分解性熱可塑性樹脂を塗工または含浸するのは、混抄紙の湿潤強度を更に高めるため、及び、生分解し易い製紙用繊維を被覆して育苗期間中の生分解を遅らせるためである。塗工または含浸に用いる生分解性熱可塑性樹脂としては、酢酸セルロース、エチルセルロース、セラック、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等が挙げられ、これらはアセトン、トルエン、ハロゲン化炭化水素溶媒に溶かした溶液か若しくは水中油滴型エマルジョンの形で使用される。
【0025】
更に、耐水性のある皮膜が形成され、ヒートシール性の点でも望ましい生分解性熱可塑性樹脂としてケン化度が8〜60モル%のポリビニルアルコールが挙げられる。ケン化度8〜60モル%のポリビニルアルコールは冷水に膨潤するが溶解しないため、耐水化剤を配合しなくても耐水性のある皮膜で製紙用繊維を被覆することができる。また、ケン化度8〜60モル%のポリビニルアルコールは熱可塑性を有するため、基材混抄紙の熱封緘性を阻害することがなく、必要に応じて補強することができる。ポリビニルアルコールのケン化度の好ましい範囲は、15〜45モル%であり、より好ましくは20〜30モル%である。
【0026】
上記ケン化度8〜60モル%のポリビニルアルコールは、アルコール:水の混合溶媒、ないしケトン:水の混合溶媒か、またはハロゲン化炭化水素溶媒に溶解して使用される。アルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが好ましく、ケトンとしてはアセトンが挙げられる。これらの有機溶媒と水の配合率は、アルコールないしケトン:水=40〜90:60〜10、好ましくはアルコールないしケトン:水=60〜80:40〜20である。また、ハロゲン化炭化水素溶媒としては、トリクロロエチレン、ジクロルメタン、ジクロルエタン等が挙げられる。
【0027】
ポリビニルアルコールはケン化度が低いほど生分解性が劣り、ケン化度が8モル%未満のポリビニルアルコールでは、本発明において含浸又は塗工に用いるのに生分解性が不十分である。また、ケン化度が60モル%を超えて95モル%未満のポリビニルアルコールは、実験の結果、混抄紙に含浸塗工しても湿潤強度を高めることは困難であり、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等の耐水化剤を配合しても、混抄紙の湿潤強度向上効果は殆ど見られない。
【0028】
一方、ケン化度95モル%以上のポリビニルアルコールは、温水には可溶であるが冷水に不溶であるので使用することができる。ただし、単独では耐水性が不足するため、耐水化剤を混合して水溶液の形で使用する。耐水化剤としてはポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂等が公知の割合で配合されて用いられる。尚、ケン化度95モル%以上のポリビニルアルコールは、カルボキシル基を導入して変性されたものでも良い。
【0029】
上記の生分解性熱可塑性樹脂は単独で用いても2種以上を配合して用いても良い。上記生分解性熱可塑性樹脂は何れも製紙用繊維より生分解速度が遅いため、混抄紙に塗工または含浸して製紙用繊維の表面を被覆することで、土壌中に移植される前の育苗期間中に生分解により育苗ブロック成形用シートが崩壊するのを抑制することができる。土壌中における生分解速度は、生分解性熱可塑性樹脂の種類によって異なり、上記の生分解性熱可塑性樹脂の中から、塗工または含浸する生分解性熱可塑性樹脂の種類を選択または組み合わせることによって育苗ブロック成形用シートの生分解速度を調節することができる。
【0030】
前記したように、混抄紙に生分解性熱可塑性樹脂を塗工または含浸して得られる育苗ブロック成形用シートは、通気度10,000cu以上、湿潤強度(耐湿潤性)として湿潤引張強さが0.14kN/m以上となることが必要である。育苗ブロック成形用シートの通気度と湿潤強度は、基材混抄紙に対する生分解性熱可塑性樹脂の付着量で調節することができる。生分解性熱可塑性樹脂の付着量が1g/mを下回ると通気度は高くなるが、湿潤引張強さが0.14kN/mに達せず、一方、付着量が10g/mを超えると湿潤引張強さは高くなるが、通気度が10,000cuに達しなくなるため通気性が不十分となる。このため、生分解性熱可塑性樹脂の固形分付着量は、1〜10g/mとしなければならない。
【0031】
混抄紙に塗工または含浸する生分解性熱可塑性樹脂は、それ自体が熱封緘性を有するが、前記固形分付着量が1〜10g/mの範囲では十分な熱封緘性が得られない。育苗ブロック成形用シートに熱封緘性を付与するためには基材となる混抄紙に生分解性熱可塑性合成繊維を配合することが必須であり、混抄紙に塗工または含浸された生分解性熱可塑性樹脂は基材混抄紙の熱封緘性を補強する役割を果たすものである。
【0032】
混抄紙に生分解性熱可塑性樹脂を塗工または含浸する方法は、マングル、サイズプレス、ロールコーター、グラビアコーターなど既存の塗工・含浸方式を用いることができる。また、スプレー方式により散布してもよい。
【0033】
本発明にかかる育苗ブロック成形用シート材は、培土を包んで直径20〜80mmの連続筒状体を成形し、これを直径の1〜1.5倍の高さに切断して、高さ30〜120mmの短い筒状体の育苗ブロックとするのに好適に使用できるが、培土の包み型は必ずしも筒状体に限定されず、角柱体とすることもできるし、個別袋状にして使用することも可能である。
【0034】
【実施例】
次の▲1▼から▲5▼は下記の実施例及び比較例において共通に用いられた試験方法である。
【0035】
▲1▼筒体製造時の熱封緘性と切断性の評価方法
特許第2763959号に記載されている構造の筒体成形機(エレガールド社製)と基本構造が同一で、本発明にかかる筒状体の育苗ブロック製造に適するように改造された筒体成形機を用意した。図3は、筒体成形機を説明するための断面図である。この筒体成形機は直径4cm、長さ4cmの筒体ブロックを製造するもので、幅132mm、長さ1400mの筒体成形用シート5の巻取り6が装着されている。この筒体成形機は、熱封緘部、充填部、切断部の主要構成からなっている。
【0036】
熱封緘部Aにおいては筒体の成形と熱封緘がなされる。培土7を供給するパイプ8の周囲に筒体成形用シート5が巻き付けられ、円筒形に成形されて糊しろ部分(約6mm)が重ね合わされ、作動シリンダ(図示せず)によって一定時間間隔で下降する幅5mm、長さ120mmの直方体の加熱ブロック9によって、上記糊しろ部分が熱封緘される。加熱ブロックの上下運動により、開放状態(a1)と熱封緘状態(a2)が繰り返される。
【0037】
充填部Bでは、断続的な吸引により筒体内部に培土が充填される。パイプ8を締め付ける形で挟むことのできる吸引室10の内部途中までパイプ8が延びており、吸引室10はパイプと同じ径の円筒状中空部分11を有し、中空部分の筒体成形用シート接触面には吸引孔が多数設けられ、筒体成形用シートを通して筒体内部を吸引できるようになっている。吸引室10は、水平面で上下に2分割でき、上下分割と上下一体化を交互に繰り返すことができるようになっているとともに、水平方向に一定長さ(4cm)に前進後退する往復運動を行うことができるようになっており、閉塞吸引状態(b1)、閉塞前進状態(b2)、開放後進状態(b3)が繰り返される。
【0038】
切断部Cでは鋸歯で筒体が切断される。培土7の充填された筒状連続体は、切断室12に送られて、水平面に対して60度の角度で取り付けられ、作動シリンダ(図示せず)によって上下する棒状の鋸歯13によって一定長さ(4cm)ごとに切断されて筒体ブロック14が得られる。鋸歯上昇状態(c1)と切断状態(c2)が繰り返される。
【0039】
熱封緘部A、充填部B、切断部Cの各部分の作動状態の組み合わせは、第1ステップがa2−b1−c1、第2ステップがa1−b2−c1、第3ステップがa1−b3−c2であり、この3段階のステップが繰り返される。
【0040】
筒体成形用シートの熱封緘性、切断性は次のようにして評価した。
上記筒体成形機の装着位置に、試験すべき筒体成形用シートを装着し、育苗用培土(有限会社土の栗林製)を充填して直径40mmの筒体を成形し、長さ40mmに切断して筒体ブロックを製造した。筒体成形用シートを円筒状に丸めて両端を重ね合わせ、加熱ブロックで圧着した後、筒体成形用シート同士が剥がれないで熱封緘されている場合は、熱封緘性が良好と評価し、○印で表示した。一方、加熱ブロックで圧着した後、加熱ブロックが上昇する際に筒体成形用シートが付着してシート同士が剥がれたり、熱封緘部分がその後の工程で剥がれて内容物の培土がこぼれ落ちたりした場合は熱封緘性が不良と評価し、×印で表示した。培土充填後の円筒連続体の切断時に、鋸歯が筒体成形用シートの構成繊維に引っかかってシートが破れることなく切断できる場合は切断性良好と評価し、○印で表示した。一方、鋸歯の横断往復運動によって筒体成形用シートが完全に切断されない場合や破れたり千切れたりする場合は切断性が不良と評価し、×印で表示した。
【0041】
▲2▼育苗試験方法
上記▲1▼で切断した長さ40mmの筒体ブロックをプラスチックトレーに形成したポケット内にその底面がポケット底面から少し浮き上がった状態で置き、筒体ブロック各々の培土にニチニチソウの種を蒔いた。上記プラスチックトレーに形成されたポケットは6行10列形成されており、筒体ブロックはプラスチックトレーに整列させた状態で配置し、発芽させて70日間育苗した。育苗期間中は定期的に上面から散水を行い、及びプラスチックトレーを水深30mmのプールに漬けて底面からの吸水により潅水を行った。
【0042】
▲3▼70日間育苗後の筒体成形用シートの破れ難さ
70日育苗した後にプラスチックトレーより筒体ブロックの側面を持って摘み上げ、その際の筒体成形用シートの破れ易さを観察し、摘み上げる際の手指の圧力や筒体とプラスチックトレーのポケット側面との摩擦等で破れが生じないものを○印で表示し、破れや亀裂が生じたものを×印で示した。
【0043】
▲4▼70日育苗後の筒体成形用シートの生分解率
筒体ブロックより筒体成形用シートを剥がし、育苗開始時の該成形用シートの面積に対する回収された成形用シートの面積の割合を測定し、次式より生分解率を求めた。
生分解率(%)=(育苗開始時の筒体成形用シートの面積−回収された筒体形成用シートの面積)÷育苗開始時の筒体成形用シートの面積×100
【0044】
▲5▼筒体成形用シートの物性試験
湿潤引張強さ:幅15mm×長さ150mmの試験片を用意し、JIS P8135に準じて測定した。なお、育苗期間終了後に筒体ブロックに残存している筒体成形用シートの湿潤引張強さは筒体ブロックの下半分を深さ20mmの水槽内へ15分間浸漬後引き上げて30分間放置し、次いで筒体成形用シートを剥がし、円周方向に幅15mm×長さ40mmの試験片を採取して、該筒体成形用シートの横方向について測定した。該筒体成形用シートの縦方向の湿潤引張強さは、筒体ブロックの底部付近のシートが崩壊しており、縦方向に長さ40mmの試験片が採取できないため、次式により横方向の湿潤引張強さから計算により求めた。
【0045】
育苗期間終了後の筒体成形用シートの縦方向湿潤引張強さ(kN/m)=育苗期間終了後の筒体成形用シートの横方向湿潤引張強さ(kN/m)×育苗期間終了前の筒体成形用シートの縦方向湿潤引張強さ(kN/m)÷育苗期間終了前の筒体成形用シートの横方向湿潤引張強さ(kN/m)
【0046】
通気度:フィルトローナ社製の通気度メーター(製品名PPM100)を用いて測定した。
坪量:JIS P8124により測定した。
厚さ、密度:JIS P8118により測定した。
乾燥引張強さ:JIS P8113により測定した。
曲げ剛度:Lorentzen社製曲げ剛度試験機(Bending Stiffness Tester)を用いて、38mm×60mmの試験片について、曲げ角度20°で測定した。
【0047】
以下に本発明の実施例及び比較例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
[実施例1]
ポリブチレンサクシネート・アジペートを鞘成分として、ポリブチレンサクシネートを芯成分とする生分解性熱可塑性合成繊維(ダイワボウポリテック(株)製NBF−KK、繊度4d、繊維長5mm)の50質量%と650mlCSFに叩解した針葉樹晒しマーセル化パルプ42質量%、及び70℃の熱水に溶解するポリビニルアルコール短繊維((株)クラレ製VPB107−2、繊度1d、繊維長5mm)8質量%からなる抄紙原料を用意した。この原料の繊維成分100質量%に対して固形分換算で0.6質量%のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、WS535)を加え、傾斜短網式抄紙機で坪量28.6g/mの混抄紙を製造した。この混抄紙は、通気度61400cu、縦方向乾燥引張強さ0.32kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.20kN/mであり、塗工・含浸用原紙として好ましい物性を有していた。
【0049】
酢化度55%、平均重合度150の酢酸セルロース(ダイセル化学工業(株)製、アセテートフレークスL−30)をアセトン:エタノール混合液(9:1質量部)に溶解して2質量%溶液を調整し、ロールコーターで混抄紙に含浸塗工した。塗工紙は酢酸セルロースの固形分付着量が4.2g/m、通気度34400cu、縦方向乾燥引張強さ0.49kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.26kN/m、横方向湿潤引張強さ0.17kN/m、縦方向曲げ剛度31mNであり、筒状の育苗ブロック成形用シートとして十分な物性を有していた。
【0050】
得られた筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性、70日間育苗後の湿潤引張強さ、70日間育苗後に移設する際の破れ難さ、70日育苗後の生分解率を測定し、表1に示した。該筒体成形用シートは、筒体製造時の熱封緘性、切断性が良好で、70日間育苗後も筒体ブロックの周囲に円周状に存在して培土の崩落を防いでいた。このため、筒体ブロックを移植するために摘み上げても筒体成形用シートが破れて筒体ブロックが崩壊することがなく、容易に移設することが可能であった。このとき、筒体ブロックから剥がし取った該筒体成形用シートは、0.11kN/mの縦方向湿潤引張強さ、0.07kN/mの横方向湿潤引張強さを有し、生分解率は28%であった。
【0051】
ニチニチソウの根部は、筒体ブロックの下半分から筒体成形用シートを貫通して良好に生育しており、根部が筒体ブロックの底面方向にのみ成長して底部で渦巻状になり、移植後の定着性が低下する根巻現象は見られなかった。
一方、種を蒔かず筒体ブロックをそのまま培土に70日間埋設した場合は、筒体成形用シートが断片状になってシートとして回収できず生分解率は58%であった。このことから、70日間育苗後に土壌中へ移植した筒体ブロックの筒体成形用シートは数ヶ月間で、大部分生分解することが示唆される。
【0052】
[実施例2]
ポリブチレンサクシネート・アジペートを鞘成分として、ポリブチレンサクシネートを芯成分とする生分解性熱可塑性合成繊維(ダイワボウポリテック(株)製NBF−KK、度4d、繊維長5mm)の30質量%とポリd,l−乳酸を鞘成分として、ポリl−乳酸を芯成分とする生分解性熱可塑性合成繊維(カネボウ合繊(株)製ラクトロン、繊度2d、繊維長5mm)の20質量%と720mlCSFに叩解した針葉樹晒しマーセル化パルプ21質量%、650mlCSFに叩解したマニラ麻晒しパルプ21質量%、及び70℃の熱水に溶解するポリビニルアルコール短繊維((株)クラレ製VPB107−2、繊度1d、繊維長5mm)8質量%からなる抄紙原料を用意した。この原料の繊維成分100質量%に対して固形分換算で0.3質量%のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、WS535)を加えて傾斜短網式抄紙機で抄造し、更に、抄紙機のサイズプレス装置で固形分として、繊維成分100質量%に対して2質量%に相当するメラミンホルムアルデヒド樹脂水溶液(住友化学工業(株)製、スミレッツレジン8%AC)を塗工して坪量26.4g/mの混抄紙を製造した。この混抄紙は、通気度54900cu、縦方向乾燥引張強さ0.73kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.60kN/mであり、塗工・含浸用原紙として好ましい物性を有していた。
【0053】
酢化度55%、平均重合度150の酢酸セルロース(ダイセル化学工業(株)製、アセテートフレークスL−30)をアセトン:エタノール混合液(9:1質量部)に溶解して2質量%溶液を調整し、ロールコーターで混抄紙の両面に塗工した。塗工紙は酢酸セルロースの固形分付着量が1.9g/m、通気度34520cu、縦方向乾燥引張強さ0.88kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.65kN/m、横方向湿潤引張強さ0.46kN/m、縦方向曲げ剛度32mNであり、筒状の育苗ブロック成形用シートとして十分な物性を有していた。
【0054】
得られた筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性、70日間育苗後の湿潤引張強さ、70日間育苗後に移設する際の破れ難さ、70日育苗後の生分解率を測定し、表1に示した。該筒体成形用シートは、筒体製造時の熱封緘性、切断性が良好で、70日間育苗後も筒体ブロックの周囲に円周状に存在して培土の崩落を防いでいた。このため、筒体ブロックを移植するために摘み上げても筒体成形用シートが破れて筒体ブロックが崩壊することがなく、容易に移設することが可能であった。このとき、筒体ブロックから剥がし取った該筒体成形用シートは、0.28kN/mの縦方向湿潤引張強さ、0.20kN/mの横方向湿潤引張強さを有し、生分解率は16%であった。
【0055】
実施例1の筒体成形用シートに比べると、70日後の湿潤引張強さが高く、生分解率が低くなっているが、これはポリブチレンサクシネート系鞘芯型複合繊維より生分解速度の遅いポリ乳酸系鞘芯型複合繊維を配合したこと、および乾燥強度を高めるマニラ麻パルプの配合や湿潤強度を高めるメラミンホルムアルデヒド樹脂水溶液を塗工したこと等の総合的な効果によると考えられる。このように、原料や薬品の組み合わせ配合により筒体成形用シートの生分解性を調節することができ、育苗期間が180日以上必要とされるゴールドクレスト等の庭木類の育苗にも十分使用可能なものを得ることができる。
【0056】
ニチニチソウの根部は、筒体ブロックの下半分から筒体成形用シートを貫通して良好に生育しており、根部が筒体ブロックの底面方向にのみ成長して底部で渦巻状になり、移植後の定着性が低下する根巻現象は見られなかった。
一方、種を蒔かず筒体ブロックをそのまま培土に70日間埋設した場合は、筒体成形用シートが断片状になってシートとして回収できず生分解率は31%であった。このことから、70日間育苗後に土壌中へ移植した筒体ブロックの筒体成形用シートは育苗期間中より生分解速度が速くなり、最終的には大部分生分解することが示唆される。
【0057】
[比較例1]
ポリブチレンサクシネート・アジペートを鞘成分として、ポリブチレンサクシネートを芯成分とする生分解性熱可塑性合成繊維(ダイワボウポリテック(株)製NBF−KK、繊度4d、繊維長5mm)の50質量%と560mlCSFに叩解した針葉樹晒しパルプ20質量%、レーヨン短繊維(ダイワボウレーヨン(株)製、コロナSB、繊度3d、繊維長5mm)25質量%及び70℃の熱水に溶解するポリビニルアルコール短繊維((株)クラレ製VPB107−2、繊度1d、繊維長5mm)5質量%からなる抄紙原料を用意した。この原料の繊維成分100質量%に対して固形分換算で0.6質量%のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、WS535)を加え、傾斜短網式抄紙機で坪量28.5g/mの混抄紙を製造した。この混抄紙は、通気度96000cu、縦方向乾燥引張強さ0.15kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.11kN/mであり、塗工・含浸用原紙として好ましい物性を有していた。
【0058】
酢化度55%、平均重合度150の酢酸セルロース(ダイセル化学工業(株)製、アセテートフレークスL−30)をアセトン:エタノール混合液(9:1質量部)に溶解して5質量%溶液を調整し、ロールコーターで混抄紙に含浸塗工した。塗工紙は酢酸セルロースの固形分付着量が11.7g/m、通気度2290cu、縦方向乾燥引張強さ0.85kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.49kN/m、横方向湿潤引張強さ0.40kN/m、縦方向曲げ剛度36mNであり、含浸塗工した酢酸セルロースの固形分付着量が多いため、通気度が極めて低い筒体成形用シートとなった。
【0059】
得られた筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性、70日間育苗後に移設する際の破れ難さ、70日育苗後の生分解率及び70日間育苗後の根の生育状況を測定し、表1に示した。該筒体成形用シートは、筒体製造時の熱封緘性が不十分で筒状に接着できない部分が発生し、この原因は過度に塗工された酢酸セルロースにより生分解性熱可塑性繊維が完全に被覆されたためであることが判明した。筒状に接着された部分の切断性は良好であった。70日間育苗後の筒体ブロックは、周囲に該筒体成形用シートが強固な円周状に存在して培土の崩落を防いでいた。このため、筒体ブロックを移植するために摘み上げても筒体成形用シートが破れて筒体ブロックが崩壊することがなく、容易に移設することが可能であった。このとき、筒体ブロックから剥がし取った該筒体成形用シートの生分解率は3%であった。
【0060】
しかしながら、ニチニチソウの根部は、該筒体成形用シートを貫通して生育できず、根部が筒体ブロックの底面方向にのみ成長して底部で渦巻状になる根巻現象が発生したため、花卉苗としての商品価値が著しく低いものとなり、圃場移植試験は実施しなかった。
【0061】
以上のように、含浸または塗工される生分解性熱可塑性樹脂の量が10g/m を超えると、塗工された筒体成形用シートの通気度が10000以下となり、筒体ブロックで育苗された植物の根部に根巻き現象が発生して花卉苗としての商品価値が失われるばかりか、筒体成形時の熱封緘性も阻害され、生産性が低下することが判る。
【0062】
[比較例2]
ポリブチレンサクシネート・アジペートを鞘成分として、ポリブチレンサクシネートを芯成分とする生分解性熱可塑性合成繊維(ダイワボウポリテック(株)製NBF−KK、繊度4d、繊維長5mm)の50質量%と560mlCSFに叩解した針葉樹晒しパルプ20質量%、レーヨン短繊維(ダイワボウレーヨン(株)製、コロナSB、繊度3d、繊維長5mm)25質量%及び70℃の熱水に溶解するポリビニルアルコール短繊維((株)クラレ製VPB107−2、繊度1d、繊維長5mm)5質量%からなる抄紙原料を用意した。この原料の繊維成分100質量%に対して固形分換算で0.08質量%のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、WS535)を加えて、傾斜短網式抄紙機で坪量26.4g/mの混抄紙を製造した。この混抄紙は、通気度96000cu、縦方向乾燥引張強さ0.15kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.09kN/mであった。
【0063】
この混抄紙にアニオン性澱粉脂肪酸エステルエマルジョン(日本コーンスターチ(株)製、ランディCP−20AS)をサイズプレス塗工機で固形分として3g/m塗工した。塗工紙は、通気度87000cu、縦方向乾燥引張り強さ0.35kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.10kN/m、縦方向曲げ剛度31mNで、湿潤強度が極めて低い筒体成形用シートとなった。
【0064】
得られた筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性、70日間育苗後に移設する際の破れ難さ、70日間育苗後の生分解率を測定し、表1に示した。該筒体成形用シートは筒体製造時の熱封緘性、切断性が良好であったが、70日間育苗後に筒体ブロック底部周囲に巻かれていた部分が分解消失しており、培土の崩落が見られた。更に、筒体ブロックを移植するために摘み上げると筒体成形用シートが破れて筒体ブロックが崩壊し、移設することが不可能であった。この筒体成形用シートは湿潤強度が極めて弱く、筒体ブロックからシート状に剥がし取ることができないため、湿潤強度測定用試験片を採取できなかった。筒体ブロックから剥がし取った断片の合計面積から該筒体成形用シートの生分解率は60%と見積もられた。
【0065】
以上のように、筒体成形用シートの縦方向または横方向の湿潤引張強さが0.14kN/mに満たない場合、70日間育苗後に該筒体成形用シートの湿潤引張強さは皆無となり、筒体ブロックを移設するために摘み上げる際に容易に筒体成形用シートが破れ、筒体ブロックの培土が崩落して取り扱い不可能となる。
【0066】
[比較例3]
ポリブチレンサクシネート・アジペートを鞘成分として、ポリブチレンサクシネートを芯成分とする生分解性熱可塑性合成繊維(ダイワボウポリテック(株)製NBF−KK、繊度4d、繊維長5mm)の50質量%と700mlCSFに叩解した針葉樹晒しマーセル化パルプ42質量%、及び70℃の熱水に溶解するポリビニルアルコール短繊維((株)クラレ製VPB107−2、繊度1d、繊維長5mm)8質量%からなる抄紙原料を用意した。この原料の繊維成分100質量%に対して固形分換算で0.3質量%のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、WS535)を加え、傾斜短網式抄紙機で坪量31.0g/mの混抄紙を製造した。この混抄紙は、通気度88100cu、縦方向乾燥引張強さ0.16kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.13kN/m、横方向湿潤引張強さ0.09kN/mであり、縦方向曲げ剛度は22mNと柔軟性を有していた。この混抄紙をそのまま、生分解性熱可塑性樹脂を含浸塗工せずに筒体成形用シートとして使用した。
【0067】
この筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性を測定し、表1に示した。該筒体成形用シートは、筒体製造時の熱封緘性は良好であるが、切断時に鋸歯がシートの構成繊維をむしり取る現象が起こり、切断面が毛羽立つばかりか、不完全に切断された部分が破れて断紙するため、安定して筒体ブロックを製造することが困難であった。このことから、縦方向の曲げ剛度が30mN未満では、筒体を切断するべく鋸歯が押し当てられた場合、筒体の剛性が不足して鋸歯の急激な往復運動に抵抗できずに筒体が鋸歯とともに移動して、構成繊維の毛羽立ちやシートの破れが発生することが判る。
【0068】
【表1】
Figure 0003667266
【0069】
[実施例3]
ポリブチレンサクシネート・アジペートを鞘成分として、ポリブチレンサクシネートを芯成分とする生分解性熱可塑性合成繊維(ダイワボウポリテック(株)製NBF−KK、繊度4d、繊維長5mm)の7質量%とポリ1−乳酸からなる生分解性熱可塑性合成繊維(カネボウ合繊(株)製ラクトロン、繊度2d、繊維長5mm)の35質量%と600mlCSFに叩解した針葉樹晒しパルプ28質量%、レーヨン短繊維(ダイワボウレーヨン(株)製、コロナSB、繊度3d、繊維長5mm)22質量%、及び70℃の熱水に溶解するポリビニルアルコール短繊維((株)クラレ製VPB107−2、繊度1d、繊維長3mm)8質量%からなる抄紙原料を用意した。この原料の繊維成分100質量%に対して固形分換算で0.6質量%のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、WS535)を加えて傾斜短網式抄紙機で坪量25g/mの混抄紙を製造した。この混抄紙は、通気度51600cu、縦方向乾燥引張強さ0.69kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.18kN/mであり、塗工・含浸用原紙として好ましい物性を有していた。
【0070】
ケン化度21.3モル%、平均重合度1520のポリビニルアルコール(ユニチカ(株)製、UMR−150L)をイソプロピルアルコール:水混合液(7:3質量部)に溶解して4質量%溶液を調製し、ロールコーターで混抄紙に含浸塗工した。塗工紙はポリビニルアルコールの固形分付着量が5.1g/m、通気度46900cu、縦方向乾燥引張強さ1.05kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.24kN/m、 横方向湿潤引張強さ0.21kN/m、縦方向曲げ剛度92mNであり、筒状の育苗ブロック成形用シートとして十分な物性を有していた。
【0071】
得られた筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性、70日間育苗後の湿潤引張強さ、70日間育苗後に移設する際の破れ難さ、70日間育苗後の生分解率を測定し、表2に示した。該筒体成形用シートは、筒体製造時の熱封緘性、切断性が良好で、70日間育苗後も筒体ブロックの周囲に円周状に存在して培土の崩落を防いでいた。このため、筒体ブロックを移植するために摘み上げても筒体成形用シートが破れて筒体ブロックが崩壊することがなく、容易に移設することが可能であった。このとき、筒体ブロックから剥がし取った該筒体成形用シートは、0.03kN/mの縦方向湿潤引張強さ、0.02kN/mの横方向湿潤引張強さを有し、生分解率は15%であった。
【0072】
ニチニチソウの根部は、筒体ブロックの下半分から筒体成形用シートを貫通して良好に生育しており、根部が筒体ブロックの底面方向にのみ成長して底部で渦巻き状になり、移植後の定着性が低下する根巻現象は見られなかった。
一方、種を蒔かず筒体ブロックをそのまま培土に70日間埋設した場合は、筒体成形用シートが容易に破れ、シートの一部が回収できず生分解率は32%であった。このことから、70日間育苗後に土壌中へ移植した筒体ブロックの筒体成形用シートは育苗期間中より生分解速度が速くなり、最終的には大部分生分解することが示唆される。
【0073】
[実施例4]
ケン化度9.4モル%、平均重合度1500のポリビニルアルコール(ユニチカ株)製、UMR−150L)をイソプロピルアルコール:水混合液(7:3質量部)に溶解して2質量%溶液を調製し、実施例3の塗工・含浸用原紙にロールコーターで含浸塗工した。塗工紙はポリビニルアルコールの固形分付着量が3.1g/m、通気度50800cu、縦方向乾燥引張強さ0.92kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.20kN/m、 横方向湿潤引張強さ0.17kN/m、縦方向曲げ剛度82mNであり、筒状の育苗ブロック成形用シートとして十分な物性を有していた。
【0074】
得られた筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性、70日間育苗後の湿潤引張強さ、70日間育苗後に移設する際の破れ難さ、70日間育苗後の生分解率を測定し、表2に示した。該筒体成形用シートは、筒体製造時の熱封緘性、切断性が良好で、70日間育苗後も筒体ブロックの周囲に円周状に存在して培土の崩落を防いでいた。このため、筒体ブロックを移植するために摘み上げても筒体成形用シートが破れて筒体ブロックが崩壊することがなく、容易に移設することが可能であった。このとき、筒体ブロックから剥がし取った該筒体成形用シートは、縦方向、横方向とも0.02kN/mの湿潤引張強さを有し、生分解率は13%であった。
【0075】
ニチニチソウの根部は、筒体ブロックの下半分から筒体成形用シートを貫通して良好に生育しており、根部が筒体ブロックの底面方向にのみ成長して底部で渦巻き状になり、移植後の定着性が低下する根巻現象は見られなかった。
一方、種を蒔かず筒体ブロックをそのまま培土に70日間埋設した場合は、筒体成形用シートが断片状に破れ、シートの一部が回収できず生分解率は38%であった。このことから、70日間育苗後に土壌中へ移植した筒体ブロックの筒体成形用シートは育苗期間中より生分解速度が速くなり、最終的には大部分生分解することが示唆される。
【0076】
[実施例5]
ケン化度21.3モル%、平均重合度1520のポリビニルアルコール(ユニチカ((株)製、UMR−150L)をイソプロピルアルコール:水混合液(7:3質量部)に溶解して2質量%溶液を調製し、実施例3の塗工・含浸用原紙にロールコーターで含浸塗工した。塗工紙はポリビニルアルコールの固形分付着量が2.0g/m、通気度52400cu、縦方向乾燥引張強さ0.90kN/m、縦方向湿潤引張強さ0.14kN/m、 横方向湿潤引張強さ0.17kN/m、縦方向曲げ剛度54mNであり、筒状の育苗ブロック成形用シートとして十分な物性を有していた。
【0077】
得られた筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性、70日間育苗後の湿潤引張強さ、70日間育苗後に移設する際の破れ難さ、70日間育苗後の生分解率を測定し、表2に示した。該筒体成形用シートは、筒体製造時の熱封緘性、切断性が良好で、70日間育苗後も筒体ブロックの周囲に円周状に存在して培土の崩落を防いでいた。このため、筒体ブロックを移植するために摘み上げても筒体成形用シートが破れて筒体ブロックが崩壊することがなく、容易に移設することが可能であった。このとき、筒体ブロックから剥がし取った該筒体成形用シートは、縦方向、横方向とも0.01kN/mの湿潤引張強さを有し、生分解率は35%であった。
【0078】
ニチニチソウの根部は、筒体ブロックの下半分から筒体成形用シートを貫通して良好に生育しており、根部が筒体ブロックの底面方向にのみ成長して底部で渦巻き状になり、移植後の定着性が低下する根巻現象は見られなかった。
一方、種を蒔かず筒体ブロックをそのまま培土に70日間埋設した場合は、筒体成形用シートが断片状に破れて回収できず生分解率は53%であった。このことから、70日間育苗後に土壌中へ移植した筒体ブロックの筒体成形用シートは育苗期間中より生分解速度が速くなり、最終的には大部分生分解することが示唆される。
【0079】
また、実施例3による筒体ブロックの筒体成形用シートよりポリビニルアルコールの固形分付着量を半分以下に少なくした結果、実施例3より土壌移植後の生分解速度が速くなっており、ポリビニルアルコールの固形分付着量を変えることにより生分解速度を調節できることが判る。
【0080】
[比較例4]
ケン化度65モル%、平均重合度600の水溶性ポリビニルアルコール(ユニチカ(株)製、UMR−30M)を水に溶解して4質量%溶液を調製し、実施例3の塗工・含浸用原紙にロールコーターで含浸塗工した。塗工紙はポリビニルアルコールの固形分付着量が5.2g/m、通気度47600cu、縦方向乾燥引張強さ0.90kN/m、縦方向曲げ剛度79mNであるが、縦方向湿潤引張強さ0.05kN/m、横方向湿潤引張強さ0.06kN/mと低いため、筒状の育苗ブロック成形用シートとして使用するには湿潤引張強さが不足していた。
【0081】
得られた筒体成形用シートについて、筒体製造時の熱封緘性、切断性、70日間育苗後の湿潤引張強さ、70日間育苗後に移設する際の破れ難さ、70日間育苗後の生分解率を測定し、表2に示した。該筒体成形用シートは、筒体製造時の熱封緘性、切断性は良好であるが、70日間育苗後の湿潤強度が極めて弱く、筒体ブロックを移植するために摘み上げると容易に破れ、筒体ブロックの培土から剥がすこともできなかった。
【0082】
以上のように、含浸または塗工されるポリビニルアルコールのケン化度が60モル%を越えると、筒体成形用シートの湿潤引張強さが0.14kN/mに満たなくなり、70日間育苗後に該筒体成形用シートの湿潤引張強さは皆無となり、筒体ブロックの培土が崩落して取扱い不可能となる。
【0083】
【表2】
Figure 0003667266
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、培土を包んで連続筒状体を成形し、これを切断して短い筒体の育苗ブロックを製造するのに適した育苗ブロック成形用生分解性シート材であって、通気性、透水性、耐湿強度に加えて、筒体に成形する際の熱封緘性、短い筒体に切断する際の易切断性を有し、育苗期間中は形態を保持するが土中においては分解する生分解性シート材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 生分解性シート材で培土が包み込まれた連続筒状体の切欠き斜視図
【図2】 短い筒状育苗ブロックの斜視図
【図3】 筒体成形機を説明するための断面図

Claims (5)

  1. 生分解性熱可塑性合成繊維の短繊維と製紙用繊維とポリビニルアルコール短繊維を配合して抄紙原料とし、湿潤強度増強剤を添加してなる混抄紙に、生分解性熱可塑性樹脂を含浸又は塗工し、通気度10,000cu以上、湿潤引張強さ0.14kN/m以上、曲げ剛度30mN以上としたことを特徴とする育苗ブロック成形用生分解性シート材。
  2. 生分解性熱可塑性合成繊維の短繊維と製紙用繊維とポリビニルアルコール短繊維の配合割合が質量比で30〜95:60〜4:1〜10であることを特徴とする請求項1に記載の育苗ブロック成形用生分解性シート材。
  3. 湿潤強度増強剤の添加量が、繊維成分100質量%に対して固形分として0.1〜5質量%の割合であることを特徴とする請求項1に記載の育苗ブロック成形用生分解性シート材。
  4. 含浸又は塗工される生分解性熱可塑性樹脂の量が1〜10g/mであることを特徴とする請求項1に記載の育苗ブロック成形用生分解性シート材。
  5. 含浸又は塗工される生分解性熱可塑性樹脂が、ケン化度8〜60モル%のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の育苗ブロック成形用生分解性シート材。
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