JP3667182B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法および画像処理装置に関し、例えば、デジタル写真画像などのような画像データに対して補正処理を行うための画像処理方法および画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット印刷技術の発展にともない、高画素のデジタルカメラとインクジェット印刷方式などの印刷技術とを用いることにより、従来と比較してより良好な印刷出力画像を得ることができるようになりつつある。
【0003】
しかしながら、デジタル化したフォト画像を印刷出力する場合、出力される画像の画質にはまだ改善すべき点がある。これについて、例えば、画像の露出のオーバーやアンダーという状態や、いわゆる「色かぶり」という現象によって画像全体の色バランスがくるうことが原因の1つとして考えられている。
【0004】
例えば、カメラでオート撮影を行うと、AE(自動露出)が機能するため、背景の大部分に例えば青空が含まれているような場合、全体として暗くなる、露出アンダーの撮像が行われ被写体が良好な状態で写らない状態となる。
【0005】
また、デジタルカメラを例に取ると、CCDカメラで撮像が行われるため、肉眼では感じられない波長の色も画像として取り込まれる。そして、その信号が含まれた信号をR、G、B信号として処理すると、本来肉眼では認識できない色が顕在化して色バランスが不適切なものとなることもある。この場合、赤外カットフィルタなどの処理が施されるが、必ずしも万全ではなく、また、色補正バランスがリアルタイム補正であるという制約もあり、結果的に完全な処理ができ難く、全体の色バランスは完全を期し難いものとなることが多い。
【0006】
このような撮像画像における色バランスの崩れは、結果として印刷画像に影響を及ぼすものである。このため、良好な印刷出力結果を得るためには、撮像等された入力画像そのものを色バランスのとれた適切な画像に補正することが望ましい。
【0007】
このような補正を行う方法として、本出願人は、特開平10−177272号において、画像のヒストグラムを解析し、これによって求めた最高輝度や最低輝度に基づき補正条件を設定する方法を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印刷出力される画像の画質には、上述の「色かぶり」や露出による色バランス以外にも次のような問題がある。
【0009】
上述のように、近年のインクジェット印刷技術の進歩によってインクによって形成されるドットが微小化し肉眼の可視限界を越え、「粒状感ゼロ」の印刷が可能となっている。この点で、インクジェット印刷技術は銀塩写真による印刷技術と比肩し得るものとなっている。しかしながら、インクジェット印刷に用いるインク特性などにより、図12に示すように、印刷画像において実現される絶対的な濃度が銀塩写真に比較すると低いという問題が残されている。
【0010】
なお、このような問題は、インクジェット印刷技術に特有の問題ではなく、他の方式の印刷あるいはCRT等のディスプレーにおいても同様の問題がある。一般に、出力画像において濃度を適切に増すことによって画像がしまり、適切に色再現がなされた良好な画像を得ることができることが知られている。
【0011】
ここで、このように出力画像の濃度増大を目的として一律な濃度の増大を行うと、暗い部分が多い画像ではそのくらい部分の階調を潰してしまい、返って画質を低下させる場合がある。
【0012】
本発明は、画像の特性に応じて適切に補正条件を設定することにより、出力画像の画質を向上させうことができる画像処理方法および画像処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、入力された処理対象の画像データの輝度を補正するための画像処理方法であって、前記画像データが示す画像の輝度のヒストグラムの所定の高輝度領域に周辺の度数よりも所定以上大きな度数をもつピークが存在するとき、前記所定の高輝度領域における、少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数に基づいて、前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値を算出し、前記ヒストグラムのピークの存在範囲の輝度値の度数を前記算出した値で置き換え、該度数が置き換えられたヒストグラムにおいて、輝度の最大値から低輝度側へ累積した度数が所定の度数となる輝度の値であるハイライトポイントを求めて該ハイライトポイントと所定の閾値とを比較し、当該ハイライトポイントが前記閾値より大きいとき当該閾値より小さいときよりも明るい画像と判別する、前記画像の明るさの度合いの判別を行い、前記ヒストグラムにおいて、該ヒストグラム作成の対象となった画素数に対する所定の低輝度領域の累積度数の割合を求め、前記判別した画像の明るさの度合いが明るいほど、同じ前記累積度数の割合に対して画像をより暗くするように補正の程度を決定し、該決定した補正の程度に応じて前記画像データの輝度を補正する、ステップを有することを特徴とする。
【0015】
また、画像データの輝度を補正する画像処理装置であって、前記画像データが示す画像の輝度のヒストグラムの所定の高輝度領域に周辺の度数よりも所定以上大きな度数をもつピークが存在するとき、前記所定の高輝度領域における、少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数に基づいて、前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値を算出し、前記ヒストグラムのピークの存在範囲の輝度値の度数を前記算出した値で置き換える算出手段と、該度数が置き換えられたヒストグラムにおいて、輝度の最大値から低輝度側へ累積した度数が所定の度数となる輝度の値であるハイライトポイントを求めて該ハイライトポイントと所定の閾値とを比較し、当該ハイライトポイントが前記閾値より大きいとき当該閾値より小さいときよりも明るい画像と判別する、前記画像の明るさの度合いの判別を行う判別手段と、前記ヒストグラムにおいて、該ヒストグラム作成の対象となった画素数に対する所定の低輝度領域の累積度数の割合を求める取得手段と、前記判別した画像の明るさの度合いが明るいほど、同じ前記累積度数の割合に対して画像をより暗くするように補正の程度を決定する決定手段と、該決定した補正の程度に応じて前記画像データの輝度を補正する補正手段と、を具えたことを特徴とする。
【0017】
以上の構成によれば、高輝度領域における、少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数に基づいて、前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値を算出し、この値でヒストグラムのピークの存在範囲の輝度値の度数を置き換えるので、その後に、上記度数が置き換えられたヒストグラムにおいて、輝度の最大値から低輝度側へ累積した度数が所定の度数となる輝度の値であるハイライトポイントを求めて該ハイライトポイントと所定の閾値とを比較し、当該ハイライトポイントが前記閾値より大きいとき当該閾値より小さいときよりも明るい画像と判別する、前記画像の明るさの度合いの判別を行うときに、上記ハイライトポイントを本来の明るさを示す、低輝度側に下げることができる。これにより、ピークの影響を排してこのヒストグラムの画像が本来的に暗い画像であると判定することができる。この結果、不要な輝度の補正を行わずに済む。
加えて、判別された画像の明暗に応じて、補正対象である画像の低輝度領域の分布に関連させて補正の程度を異ならせることができる。例えば、暗い画像と判別された場合は、同じ低輝度領域の分布 ( 低輝度領域の割合 ) でも明るい画像と判断される場合より、暗くする程度をより低くすることができ、これにより、全体的に暗い画像で、例えば低輝度領域の分布が比較的少ない画像については全体的に低濃度で印刷することが可能となり、印刷画像における高濃度部のいわゆる潰れを防止できる。一方、明るい画像と判断される場合は、逆に、暗くする程度をより高くすることができ、これにより、プリンタ等の印刷デバイスが本来的に有している比較的低濃度の出力特性を補った印刷を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷システムの概略構成を示すブロック図である。本システムは、概略、ホストコンピュータ100、プリンタ106およびモニタ105を有して構成されるものである。すなわち、ホストコンピュータ100には、例えばインクジェット方式のプリンタ106とモニタ105が双方向通信可能に接続されている。
【0020】
ホストコンピュータ100は、OS(オペレーティングシステム)102を有し、また、このOS100による管理下においてそれぞれの処理を行う、ワードプロセッサ、表計算、画像処理、インターネットブラウザ等のアプリケーション101、このアプリケーションによって発行され、出力画像を示す各種描画命令群(イメージ描画命令、テキスト描画命令、グラフィックス描画命令)を処理して印刷データを作成するプリンタドライバ103、および同様にアプリケーション101が発行する各種描画命令群を処理してモニタ106に表示を行うモニタドライバ104を同様のソフトウエアとして有している。
【0021】
また、ホストコンピュータ100は、上述のソフトウエアによって動作可能な各種ハードウエアとして中央演算処理装置CPU108、ハードディスクドライバHD107、ランダムアクセスメモリ(RAM)109、リードオンリーメモリ(ROM)110等を備える。すなわち、CPU108は、上述のソフトウエアに従った処理にかかる信号処理を実行し、ハードディスクドライバ107によって駆動されるハードディスクやROM110には、それらの各種ソフトウエアが予め格納されており、必要に応じて読み出されて用いられる。また、RAM109は、上記CPU108による信号処理実行のワークエリア等として用いられる。
【0022】
図1に示される実施形態として、例えば、一般的に普及しているIBM社のAT互換機のパーソナルコンピュータにMicrosoft社のWindows98をOSとして使用し、任意の印刷処理が可能なアプリケーションをインストールし、モニタとプリンタを接続したものを挙げることができる。
【0023】
以上の構成を有したプリントシステムにおいて、ユーザーは、アプリケーション101によってモニタ105に表示された表示画像に基づき、同様にアプリケーションによる処理を介して文字などのテキストに分類されるテキストデータ、図形などのグラフィックスに分類されるグラフィックスデータ、自然画などに分類されるイメージ画像データなどからなる画像データを作成することができる。
【0024】
そして、この作成した画像データの印刷出力がユーザーによって指示されると、アプリケーション101はOS102に印刷出力要求を行うとともに、グラフィックスデータ部分をグラフィックス描画命令、イメージ画像データ部分をイメージ描画命令として構成した、出力画像を示す描画命令群をOS102に発行する。これに対し、OS102はアプリケーションの印刷出力要求を受け、その印刷を行うプリンタに対応したプリンタドライバ103に描画命令群を発行する。
【0025】
プリンタドライバ103は、OS102から入力した印刷要求と描画命令群を処理しプリンタ105で印刷可能な形態の印刷データを作成してプリンタ105に転送する。この場合に、プリンタ105がラスタープリンタである場合は、プリンタドライバ103はOS102からの描画命令に対して、順次画像補正処理を行い、そして順次RGB24ビットページメモリにラスタライズし、すべての描画命令をラスタライズした後にRGB24ビットページメモリの内容をプリンタ105が印刷可能なデータ形式、例えばCMYKデータに変換を行いプリンタに転送する。
【0026】
図2は、プリンタドライバ103で行われる処理を示す図である。プリンタドライバ103の処理は、大別して、画像補正処理とプリンタ用補正処理からなる。
【0027】
画像補正処理120は、OS102から入力した描画命令群に含まれる輝度信号R、G、Bからなる色情報に対して、画像補正処理を行う。詳しくは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の色情報を基に、後述の自動階調補正処理を行う。一方、プリンタ用補正処理部121は、まず画像補正処理120によって補正された色情報の描画命令をラスタライズし、R、G、B24ビットのページメモリにラスター画像を生成する。そして、所定の画素毎に印刷を行うプリンタの色再現性に依存したシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)データを生成し、プリンタ105に転送する。
【0028】
次に、画像補正処理120の処理である自動階調補正処理について説明する。自動階調補正処理は、イメージ描画命令で示される画像データのうち、イメージ画像に対して行う。従って、例えば画像データの中にグラフィックス画像やイメージ画像が含まれている場合は、その画像データからイメージ画像部分を抽出し、これに対して自動階調補正処理を行う。
【0029】
図3は、この自動階調補正における主に各信号の変換を概念的に示す図であり、また、図12は、補正内容を示す図であり、さらに、図4はその処理手順を示すフローチャートである。本実施形態の自動階調補正は、画像データにおける各輝度値の度数を集計したヒストグラムを用い印刷すべき画像の明るさに関する判定を行い、適切な補正の程度(γ値)を定めることによって行うものである。また、本実施形態の自動階調補正は、図12に示すように、高濃度部つまりシャドー部が少ない画像に対して、同図のようなγ曲線で画像を補正することによって画像全体の濃度を増大させ、高濃度出力が可能な出力デバイスである銀塩写真の出力濃度に全体として近づける処理である。以下、図4に示すフローチャートを主に参照してこの処理を説明する。
【0030】
(ヒストグラム集計)
図4に示すように、最初にステップS1のヒストグラム集計処理において、まず、入力されたRGBの画像信号を、画像の明るさに関する成分である輝度Yと色味に関する成分である色差信号Cr、Cbに変換する(図3のB1)。その変換式は以下のように表されるものである。
Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B
Cr=R−Y
Cb=B−Y
次に、変換された各信号Y、Cr、Cbの内、輝度に相当する信号Yについて、画像データにおける各画素毎の輝度値(信号Yの値)を調べ、0〜255で示されるそれぞれの輝度値毎にその輝度を有する画素の度数を集計し、輝度のヒストグラム(度数分布)を作成する。
このように作成されたヒストグラムは、例えば、画像データが全体的に明るい画像を示すときは図5に示すように高輝度側に分布が偏り、一方、全体的に暗めの画像を示すときは図6に示すように低輝度側に分布が偏ったものとなる。
なお、上述の輝度ヒストグラムの作成は、画像全体における輝度の度数分布を調べるのが目的としてなされることから、度数の集計は必ずしも全画素について行う必要はなく、例えば1600(画素)×1200(画素)の画像データに対しては、横に15(画素)ずつ、縦に11(画素)ずつ間引いた画素について集計を行ってもよいし、あるいはそれらの画素それぞれについて周囲画素との平均値を用いてもよい。
【0031】
(γ判定)
次に、ステップS2では、上述のようにして求めたヒストグラムに基づき補正条件設定処理(γ判定処理)を行う。すなわち、輝度補正におけるγ値をどのような大きさにするかについて判定するものである。本実施形態のγ判定は、以下に述べる2つのパラメータ、すなわち、ハイライトポイントおよび低輝度領域(シャドー領域)の画素数によって処理される画像の明るさを判定し、これに基づいてγパラメータを定める。
【0032】
図7は、このγ判定処理の詳細を示すフローチャートであり、これを参照して本実施形態のγ判定処理を説明する。
【0033】
▲1▼ハイライトポイント判定部
ステップS21のハイライトポイント判定処理では、上記ヒストグラムから処理対象である画像におけるハイライトポイントを算出する(ステップS211)。
【0034】
本実施形態では、輝度信号Yの上記ヒストグラムにおいて輝度範囲の最高輝度値(輝度値255)から、順に低輝度側に向かいながら各輝度値の度数を累積し、ここで求めた累積度数が、例えば、処理対象である画像データの全画素数の1.0%と一致した輝度値、または最初に全画素数の1.0%を越えた輝度値を求め、この点をハイライトポイント(以下、「HLP」ともいう)とする。
【0035】
次に、このようにして求めたHLPと輝度値について予め定めた閾値Thを用いてこれらの大きさを比較し、 HLP>Thとき、画像は明るい画像、HLP≦Thときは、画像は暗い画像と判定する(ステップS212)。すなわち、この処理によって明暗について2種の画像に判別する。なお、本実施形態で用いる閾値Thは、比較的高輝度の値を用い、例えば220等を用いる。
【0036】
例えば、図5に示す明るめの画像のヒストグラムでは、HLPが閾値Thを越えて(HLP>Th)おり、従って、明るい画像と判定される。この場合、前述したようにヒストグラムは全体的に高輝度側に分布が偏っており、結果的にHLPも高輝度側に位置している。
一方、図6に示す暗めの画像のヒストグラムでは、HLPが閾値Thよりも低く(HLP≦Th)、暗い画像と判定される。この場合、全体的に低輝度側に輝度分布が偏っており、HLPも低輝度側に位置することから、このような判定が行われる。
【0037】
以上のように処理対象画像のヒストグラムからハイライトポイントを求め、これに基づいて画像の全体的な明暗を判別することにより、図8にて後述されるように、判別された明暗に応じて、補正対象である画像の低輝度領域の分布に関連させて補正の程度、すなわち、γ値を異ならせることができる。例えば、暗い画像と判別された場合は、同じ低輝度領域の分布(低輝度領域の割合)でも明るい画像と判断される場合より、小さなγ値で補正する(濃度を高くする;暗くする)確率をより低くすることができ、これにより、全体的に暗い画像で、例えば低輝度領域の分布が比較的少ない画像については全体的に低濃度で印刷することが可能となり、印刷画像における高濃度部のいわゆる潰れを防止できる。一方、明るい画像と判断される場合は、逆に、小さなγ値で補正する(濃度を高くする;暗くする)確率をより高くすることができ、これにより、プリンタ等の印刷デバイスが本来的に有している比較的低濃度の出力特性を補った印刷を行うことができる。
【0038】
なお、HLPの算出は、必ずしも上述した方法によって求める必要はなく、従来知られている方式を適宜用いてもよい。
【0039】
また、他の画像補正処理、例えば前述したいわゆる色かぶり補正、コントラスト補正、彩度補正と組み合わせて本実施形態の自動階調補正処理を行う場合には、この画像処理で予め用いたHLPを使用することもできる。なお、この場合、ハイライトポイントを用いる代わりに、上記色かぶり補正等で同様に用いられるシャドーポイントを用いて画像の明るさ(暗さを)判別することができ、これに基づいて以下の処理を行うことができることは、以下の説明からも自明なことである。
【0040】
▲2▼低輝度領域(シャドー領域)の画素数判定
次に、ステップS22において、ハイライトポイント判定によって明暗2種に大別された画像について、同様にステップS1で求めたヒストグラムを用いて低輝度領域分布の判定を行う。
【0041】
この低輝度領域の画素数判定処理では、まず、ステップS221で処理対象画像の全画素数に対する所定の低輝度領域の累積度数の割合であるSlowを求める。これは、低輝度領域の分布をより詳細に求めることにより、補正の程度、すなわちγ値について適切なものを求め、特に、印刷画像の低濃度部におけるいわゆる潰れを生じさせることなく全体的な濃度の増大を図ることを可能とするものである。
【0042】
最初に、前処理として、低輝度領域での累積度数Sを求める。この低輝度領域での累積度数Sは、ヒストグラムにおいて輝度範囲の最低輝度値(輝度値0)から高輝度側に向かって所定の輝度値までの累積度数として求められるものである。本実施形態では、最大輝度値(輝度値255)の1/4となる輝度値(輝度値64)までの累積度数を低輝度領域の累積度数Sとして求める。
【0043】
次に、上述のように求めた低輝度領域の累積度数Sが、全画素数に占める割合Slowを算出する。
【0044】
すなわち、ここで、Slow=(低輝度領域の累積度数S)/(全画素数)(%)である。
【0045】
なお、前述のヒストグラム集計の際に、画素を間引いて、間引きヒストグラムを作成した場合には、上記Slowの定義式での分母は、ヒストグラム作成の対象となった画素数である。
【0046】
次に、ステップS222において上記で求めたSlowを用いてγ値(γパラメータ)の判定を行う。
【0047】
この判定は、具体的には、図8に示すテーブルのSlowが属する範囲を決定する処理である。すなわち、このSlowの範囲は、上述のHLP判定に応じた画像の明暗により範囲を異ならせるものであり、明るい画像と判定されたものについて、Slow=0〜30、Slow=31〜60、Slowが61以上の3種の範囲に分類される。一方、HLP判定で、暗い画像と判定されたものについては、 Slow=0〜15、Slow=16〜30、Slowが31以上の3種の範囲に分類される。
【0048】
例えば、図5に示す明るめの画像の場合、斜線で示した領域の全画素数に対する割合がSlowとなる。この例では、Slowは全画素数の10%となり、従って、上記HLP判定で明るい画像と判断されるとともに、Slowは、0〜30の範囲と判定される。一方、図6に示す暗めの画像の例では、斜線で示した領域Slowは、全画素数の40%となり、したがって、上記HLP判定で暗い画像と判断されるとともに、Slowは31以上の範囲と判定される。
【0049】
ここで、仮に、上述のように累積度数の割合を用いず、前述のシャドウポイント(ヒストグラムにおける最小輝度値から順番に高輝度側に向かいながらそれぞれの度数を累積し、例えば全画素数の1.0%と一致または最初に越えた値となった輝度値)のみを用いて低輝度部の分布を判定する方法を用いた場合には、低輝度領域の実際の分布状態が適切に反映されない、画像の明るさについての判定を行うこととなる。例えば、シャドウポイント自体は比較的高めの輝度値を示しつつも、実際には、シャドウポイント周辺の輝度値に度数分布のピークがあって低輝度領域の度数分布自体は少ない画像の場合、明るめの画像であると誤った判定をして小さなγ値(濃度を高くする輝度補正)が選択され、結果として画像上の比較的大きな部分を占める暗い部分が潰れてしまうことがある。
【0050】
これに対し、上述の実施形態のように、低輝度領域における累積度数を求め、この累積度数の全画素数に占める割合Slowを用いることにより、より実際の低輝度分布が反映された画像の明暗を判定を行うことができ、上述のような、暗めの画像についても適切な階調補正を行うことができる。
【0051】
なお、上記実施形態では、Slowの範囲について輝度値0〜60の範囲を均等に区分したが、より詳しく低輝度領域の情報を求める場合は、低輝度領域をいくつかに分割してそれぞれに対して場合分けを行ってもよいし、また、Slowが0〜30までは2倍、31〜60までは1倍して足し合わせるといった重み付けをしてもよい。
【0052】
▲3▼補正γ値決定
以上の低輝度領域の画素数判定処理により、低輝度領域の割合Slowが属する範囲が決定されることにより、処理対象画像は、図8に示されるように、明3種、暗3種の計6種に分類されることになる。そして、次のステップS23では、図8に示すテーブルを用いてγ値を決定する。
【0053】
本実施形態のγ値は、図9に示す補正テーブルから明らかなように、0.8、1.0または1.2が設定される。なお、このγ値は、前述したようにより明るく(印刷画像において、より濃度が低く)補正する程度を表すものであり、個々の入力輝度値に対する補正の割合を示すものではない。個々の入力値に対する補正の割合は、同図のそれぞれのテーブルを表す曲線で表されるものである。
【0054】
上記6種に分類された画像に関するγ値の決定は、図8に示すテーブルを用い、例えば上記HLP判定が明るい画像の判定の場合、Slow=0〜30のときはγ=0.8、Slow=31〜60のときはγ=1.0(つまり補正せず)、Slowが61以上のときはγ=1.2といったように設定される。具体的には、後述のようにそれぞれのγ値に応じた補正用ルックアップテーブル(LUT)が用意される。
【0055】
図5に示す明るめの画像の場合、HLPは閾値Thより大きく且つSlowは10%であるので、図8に示すテーブルより、この画像は明るい画像と判定され、γ値は0.8に設定される。このγ値決定により、比較的高い輝度領域まで暗くする(印刷濃度を高くする)補正がなされ、全体的に最適な濃度の印刷画像となる。また、低輝度領域の画素に割合が少ないことから、画像の潰れる部分が少なくて済む。
【0056】
一方、図6に示す暗めの画像では、HLPがThより小さく且つSlowが40%であるため、図8に示すテーブルによって、γ値は1.2に設定される。このγ値設定により、印刷される画像全体が明るくなり、特に画像の40%を占める低輝度部分が明るくなり、濃度のバランスがとれた印刷画像となる。
【0057】
なお、上記の説明では、▲1▼ハイライトポイント判定において、画像の明るさの判定を2段階で行ったが、より最適なγ値を求めるために、明るい画像、中間画像、暗い画像といった3段階以上に場合分けしてより詳細な判定を行ってもよい。その場合、▲2▼低輝度領域の画素数判定は図8に示したSlowの閾値に加え、中間画像の場合、例えばSlow=0〜20でγ=0.8、Slow=21〜40でγ=1.0、Slowが41以上でγ=1.2とすることができる。
【0058】
(LUT作成)
以上説明したγ判定処理(図4のステップS2)を終了すると、図4に示すステップS3でLUT作成を行う。すなわち、γ判定処理で得られたγ値に基づいて輝度補正のためのルックアップテーブル(LUT)を作成する。
【0059】
本実施形態のLUTは、上述のようにして得られたγ値の逆数を各入力輝度信号の最大輝度に対する比に累乗したものに最大輝度値を乗じて得られるものを出力輝度信号とする補正を行うものであり、輝度範囲の全ての値(輝度値0〜255)に対応して、上記γ値を用いた補正関係で得られる全ての輝度値を記したものである。
すなわち、LUT L[Y]は、入力輝度信号をY、出力輝度信号をY‘とすると、Y’=255×[(Y/255)1/ γ]なる式によって表される変換を行い、動的に作成されるものである。すなわち、対象画像の処理ごとに作成される。このように補正テーブルを動的に作成することにより、必要となるメモリ量を削減することができる。
【0060】
なお、上記LUTは、動的に作成する代わりに上記γ値毎に、予めメモリ上に静的に用意してもよいことは勿論である。
(補正)
次に、図4に示すステップS4において、輝度信号Yの補正を行う。すなわち、上記のように作成したLUT L[Y]によって、入力画像の輝度値YをY’=L[Y]として変換し、輝度補正を行う(図3に示すB2の処理)。
【0061】
さらに、輝度補正された輝度信号Y’および入力画像の色差信号Cr、CbをR、G、Bの各信号に戻し(図3に示すB3の処理)、補正された画像信号R’G’B’を作成する。
【0062】
なお、上述の実施形態では、輝度値Yに関する補正について説明したが、R、G、Bの各信号に対して直接同様の補正を行っても良い。この際、上述のLUTを用い、そのLUTにおいてYの代わりにR、G、B、Y′の代わりにR′、G′、B′を用いて補正を行うことができる。
【0063】
このようなR、G、B信号に対する補正は、RGB―YCrCb変換が不要であるため、処理速度の向上を図ることができる。
【0064】
<第2の実施形態>
本実施形態は、逆光画像に関する上記HLP判定の他の例に関するものである。なお、本実施形態の印刷システムは、上述した第1実施形態と同様のものであり、その説明は省略する。異なる点は、以下に示す処理のみである。
【0065】
(逆光画像に対する処理)
デジタル写真等の撮像画像の中には、画像中の背景領域が明るく、被写体領域が暗い逆光画像がある。図10は、この逆光画像の典型的なヒストグラムを示す図である。
【0066】
図10に示すように、明るい背景に対応して、ヒストグラムの高輝度領域に大きなピークが現れる。この高輝度領域のピークに起因して、上記第1の実施形態にて説明したHLPによる画像の明るさ判定では、HLP>Thとなり、被写体が暗くても、明るい画像と誤判定されてしまうおそれがある。
【0067】
そこで、本実施形態では、HLP判定を行う前に、予め高輝度領域に現れる不自然なピークをカットする処理を行う。
【0068】
例えば、逆光画像を表す図10のヒストグラムにおいて、高輝度領域の不自然なピークは逆光の背景を表しており、予めこのピークをカットする処理を行うことにより、高輝度の背景領域に左右されることなく、被写体に重きを置いたγ判定を行うことができる。図11は、図10の逆光画像のヒストグラムにおける、背景領域にあたる不自然なピークをカットしたヒストグラムを示す。
【0069】
背景領域にあたるピークのカットは以下のようにして行う。
【0070】
まず、ピークが画素値240付近の幅5画素分(輝度値240〜244)に存在するとすると、高輝度領域(例えば輝度値230〜255)において、ピークの度数をその存在範囲の周辺の上記高輝度領域における輝度の度数の平均値に合わせて平滑化するため、まずピークにおける度数の最も高い順から画素値をいくつか引き抜く。引き抜く数は、ピーク領域をすべてカットするため、最低でもピークの画素数である5以上はなければならない。仮に、ここでは7つの画素値を引き抜くとする。次に、残った輝度値(26−7=19)で度数の平均値を求める。そして、先に抜き取ったピーク領域の5つの各輝度値について、それらの度数を上記平均値に置き換える。これにより、ピークが上記平均値によって平滑化される。
【0071】
以上のようにして逆光画像に存在する高輝度領域のピークをカットし、平均化することができ、これにより、図11に示すようにHLPを閾値Thよりも低輝度側に下げることができる。すなわち、この画像を本来の暗い画像と判定することができる。この結果、上述のピーク補正前の図10に示すヒストグラムでは、例えば設定されるγ値が0.8であるのに対し、図11に示すようにハイライトポイントを本来の画像に対応させて下げることにより、γ値は1.0と設定され、不要な補正を行わずに済む。
【0072】
<他の実施形態>
本発明は上述のように、複数の機器(たとえばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても一つの機器(たとえば複写機、ファクシミリ装置)からなる装置に適用してもよい。
【0073】
また、前述した実施形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態機能を実現するための図4、図7に示すようなソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本発明の範疇に含まれる。
【0074】
またこの場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
【0075】
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0076】
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0077】
さらに供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ヒストグラムにおいて、画像データの明るさに関する成分値の範囲においてその最大値または最小値からの累積度数が所定の値を示す成分値が求められるので、画像の全体的な明るさを知ることができ、また、最小値または最大値から所定の成分値までの累積度数のヒストグラムの全画素数に占める割合が求められるので、画像の明るさの分布を知ることができる。そして、これらの成分値および割合に基づいて明るさの度合いが判別され、その判別に基づいて補正の程度が定められるので、画像の全体的な明るさ毎にその明るさの分布と補正の程度との対応を異ならせることができる。これにより、例えば、全体的に暗い画像では、より暗くする(印刷画像においてより濃度を高くする)補正に対応する明るさの分布でより暗い範囲を示す分布を、小さなものとでき、これにより、印刷画像における画像のつぶれる範囲をより少なくできる。一方、全体的に明るい画像では、より暗くする(印刷画像においてより濃度を高くする)補正に対応する明るさの分布でより暗い範囲を示す分布を、逆に大きなものとでき、これにより、印刷デバイスが本来的に比較的低い濃度しか実現できないという濃度出力特性を補って全体的に高い濃度の印刷を行うことができる。
【0079】
この結果、画像におけるより詳細な明るさの判定パラメータに基づいてその画像の明るさを判定し、それぞれの画像に最適な補正の程度を求めることにより、画像データが示す画像のより忠実な再現を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるプリントシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】上記システムにおけるプリンタドライバの処理を示す図である。
【図3】上記プリンタドライバの処理のうち画像補正処理として行われる自動階調補正処理における主に信号変換の構成を示す図である。
【図4】上記自動階調補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】上記自動階調補正処理の処理対象である画像が明るい画像である場合のヒストグラムを示す図である。
【図6】上記自動階調補正処理の処理対象である画像が明るい画像である場合のヒストグラムを示す図である。
【図7】図4に示す上記自動階調補正処理におけるγ判定の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】上記γ判定処理で用いるテーブルの内容を示し、画像の種類に応じたγ値の定め方を説明する図である。
【図9】γ値に応じた輝度補正テーブルの変換特性曲線を示す図である。
【図10】典型的な逆光画像のヒストグラムを示す図である。
【図11】図10に示すヒストグラムにおいて逆光の影響を除いたヒストグラムを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる補正の内容を説明する図である。
【符号の説明】
100 ホストコンピュータ
101 アプリケーション
102 ОS(オペレーティングシステム)
103 プリンタドライバ
104 モニタドライバ
105 モニタ
106 プリンタ
107 HD
108 CPU
109 RAM
110 ROM
120 画像補正処理
121 プリンタ用補正処理
Claims (6)
- 入力された処理対象の画像データの輝度を補正するための画像処理方法であって、
前記画像データが示す画像の輝度のヒストグラムの所定の高輝度領域に周辺の度数よりも所定以上大きな度数をもつピークが存在するとき、前記所定の高輝度領域における、少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数に基づいて、前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値を算出し、前記ヒストグラムのピークの存在範囲の輝度値の度数を前記算出した値で置き換え、
該度数が置き換えられたヒストグラムにおいて、輝度の最大値から低輝度側へ累積した度数が所定の度数となる輝度の値であるハイライトポイントを求めて該ハイライトポイントと所定の閾値とを比較し、当該ハイライトポイントが前記閾値より大きいとき当該閾値より小さいときよりも明るい画像と判別する、前記画像の明るさの度合いの判別を行い、
前記ヒストグラムにおいて、該ヒストグラム作成の対象となった画素数に対する所定の低輝度領域の累積度数の割合を求め、
前記判別した画像の明るさの度合いが明るいほど、同じ前記累積度数の割合に対して画像をより暗くするように補正の程度を決定し、
該決定した補正の程度に応じて前記画像データの輝度を補正する、
ステップを有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値は、前記少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数の平均値として求めることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 画像データの輝度を補正する画像処理装置であって、
前記画像データが示す画像の輝度のヒストグラムの所定の高輝度領域に周辺の度数よりも所定以上大きな度数をもつピークが存在するとき、前記所定の高輝度領域における、少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数に基づいて、前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値を算出し、前記ヒストグラムのピークの存在範囲の輝度値の度数を前記算出した値で置き換える算出手段と、
該度数が置き換えられたヒストグラムにおいて、輝度の最大値から低輝度側へ累積した度数が所定の度数となる輝度の値であるハイライトポイントを求めて該ハイライトポイントと所定の閾値とを比較し、当該ハイライトポイントが前記閾値より大きいとき当該閾値より小さいときよりも明るい画像と判別する、前記画像の明るさの度合いの判別を行う判別手段と、
前記ヒストグラムにおいて、該ヒストグラム作成の対象となった画素数に対する所定の低輝度領域の累積度数の割合を求める取得手段と、
前記判別した画像の明るさの度合いが明るいほど、同じ前記累積度数の割合に対して画像をより暗くするように補正の程度を決定する決定手段と、
該決定した補正の程度に応じて前記画像データの輝度を補正する補正手段と、
を具えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値は、前記少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数の平均値として求めることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
- 情報処理装置によって読取り可能にプログラムを格納する記憶媒体であって、
前記プログラムは、画像データの輝度を補正するための画像処理であって、
前記画像データが示す画像の輝度のヒストグラムの所定の高輝度領域に周辺の度数よりも所定以上大きな度数をもつピークが存在するとき、前記所定の高輝度領域における、少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数に基づいて、前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値を算出し、前記ヒストグラムのピークの存在範囲の輝度値の度数を前記算出した値で置き換え、
該度数が置き換えられたヒストグラムにおいて、輝度の最大値から低輝度側へ累積した 度数が所定の度数となる輝度の値であるハイライトポイントを求めて該ハイライトポイントと所定の閾値とを比較し、当該ハイライトポイントが前記閾値より大きいとき当該閾値より小さいときよりも明るい画像と判別する、前記画像の明るさの度合いの判別を行い、
前記ヒストグラムにおいて、該ヒストグラム作成の対象となった画素数に対する所定の低輝度領域の累積度数の割合を求め、
前記判別した画像の明るさの度合いが明るいほど、同じ前記累積度数の割合に対して画像をより暗くするように補正の程度を決定し、
該決定した補正の程度に応じて前記画像データの輝度を補正する、
ステップを有する画像処理のプログラムであることを特徴とする記憶媒体。 - 前記ピークが存在する範囲の画素の度数を平滑化するための値は、前記少なくとも前記ピークが存在する範囲の輝度値を除いた輝度値の度数の平均値として求めることを特徴とする請求項5記載の記憶媒体。
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