JP3665783B2 - Ledユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本件発明は、異なる色に発光する複数のLEDが隣接して配置されることにより各画素が構成され、基板上に各画素が複数配置されたLEDユニットに係り、特に、水平方向及び垂直方向におけるより均一な混色及び輝度を得ることができるLEDユニットに関する
【0002】
【従来の技術】
今日、低消費電力、軽量、薄型化可能な大型表示装置として発光ダイオード(以下、「LED」ともいう)を利用したLED表示装置が種々の場所に設置されている。特に、RGB(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))が1000mcd以上にも及ぶ超高輝度に発光可能なLEDが開発されたことに伴い野外においてもフルカラーやマルチカラー表示可能な大型ディスプレイとして注目されている。
フルカラー、マルチカラーのLED表示装置は、いずれとも異なる色を発光可能な複数のLEDを近接して配置させ(例えば特許文献1)、混色により1画素として利用する。各LEDは駆動IC等の電子部品によって所望の時間や輝度を点灯させ、各LEDの混色により所望の色表示をさせることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−272316号公報(段落0017、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のLEDユニットの画素配置では、水平方向又は垂直方向において、各画素を構成する複数のLED各々に対して見え方が大きく異なってくるという問題があった。
すなわち、互いに色の異なる3つのLEDから1画素が構成される場合、例えば、ある色のLEDを2つ使用し、四角形の各頂点にLEDそれぞれが配置された構成となる。しかしながら、このような画素を縦横に配置しただけのLEDユニットでは、水平方向又は垂直方向において、異なる色に発光するLEDが重複する箇所が生じてしまう。これにより、見る角度によっては、同一画素において混色による表示色や輝度が大きく異なってくるという問題があった。
【0005】
本件発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、LEDユニットに対する視認角度によらず、より均一な混色および輝度を得ることができるLEDユニットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、各画素が第1の色に発光する第1のLEDと第2の色に発光する第2のLEDとから構成され、基板上に各画素が複数配置されたLEDユニットにおいて、前記LEDユニットは、外部からの光を遮光する遮光部を前記各画素の上部にさらに備え、前記基板上に、各画素を水平方向および垂直方向に一直線に繰り返し配置するとともに、各画素を1つの第1のLEDと2つの第2のLEDとから構成、水平方向に一直線に配置された所定の一行の画素グループにおいて、前記第1のLEDと前記第2のLEDそれぞれ水平方向に延伸する異なる別の直線上に配置しかつ、各画素において前記2つの第2のLEDのうちの1つを、前記第1のLEDに対して右側又は左側のいずれか一方の側の斜め上に配置し、前記第2のLEDの他の1つを、前記第1のLEDに対して前記一方の側の斜め下に配置して、垂直方向に下方から見た所定の視認角度まで、各画素における混色性に対する当該画素の直下に位置する前記遮光部による影響を抑制したことを特徴とする。
【0007】
ここで、本明細書において、LEDユニットと称しているのは、LEDディスプレイは通常、複数のユニットにより大型ディスプレイを構成する場合が多いことからユニットと呼んでいるものであるが、ユニット1つで1つのディスプレイを構成していてもよい。
【0008】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1記載のLEDユニットにおいて、前記第1のLED1つ当たりの輝度が、前記第2のLED1つ当たりの輝度よりも高いことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のLEDユニットにおいて、LEDユニットの各画素が垂直方向において上下対称になるように第1のLEDおよび第2のLEDが配置されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るLEDユニットを図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのLEDユニットを例示するものであって、本発明のLEDユニットを以下のものに特定するものではない。さらに、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。
また、ここでは、第1の色に発光する第1のLEDとして青色に発光する青色LEDを用い、第2の色に発光する第2のLEDとして赤色に発光する赤色LEDを用いた例について説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1、2、3に基づいて、本実施の形態のLEDユニットについて説明する。本件発明のLEDユニットは、複数の画素5が水平方向(行方向)および垂直方向(列方向)に一直線に繰り返し配置されたLEDユニットである。ここでは、5行×5列に画素5が配置されたLEDユニットについて説明する。なお、画素5は、1つの青色LED1Bと1つの赤色LED1Rからなり、青色LED1Bの右斜め上に赤色LED1Rが配置されている。また、各画素の青色LED1Bと赤色LED1Rの配置(位置関係)は全て同じとする。
【0012】
図3は、本実施の形態に用いるLEDの外観を示す図である。図3に示すように、本実施の形態で使用する青色LED1Bおよび赤色LED1Rは、青色または赤色に発光するLEDチップ(図示せず)が一対のリード1aの一方に配置され必要により各リードにワイヤー等により電気的に接続されている。さらに、ここで使用するLEDは、少なくともLEDチップを覆うように所定の形状の透明部材1bを備える。ここでは透明部材1bとしてエポキシ樹脂を用い、その形状を凸レンズ形状とする。これにより、LED自体にレンズ形状に対応した指向性を持たせ、その光の指向性はレンズ形状により容易に制御することができる。本実施の形態では、視認側からみたエポキシ樹脂の形状が水平方向に長い楕円形の凸レンズ形状とする。これにより、各LEDから出射される光を視認(正面)方向に集中させると共に、光を垂直方向よりも水平方向により広げることができる。
【0013】
図1は本実施の形態のLEDユニットを視認(正面)側からみた図であり、図2は図1に示すLEDユニットを図1における右側面からみた図である。本実施の形態1のLEDユニットは、主に、複数のLED1R、1Bが配置された基板および各LEDを駆動するための電子部品が配置された基板を内部に備えるケース2と、視認側からケース2に合致するように構成された遮光部3とから構成される。具体的には、ケースにLEDが配列された基板を収めた後に、図4に示すように構成された遮光部3と各画素の範囲(輪郭)を定める枠部とが一体で形成された枠体を視認側から嵌め込むことにより構成される。
なお、LEDが配置された基板と電子部品が配置された基板は複数の信号ピンを介して電気的に接続されている。
【0014】
前に説明したように、本実施の形態の1画素は、青色LED1Bの右斜め上に赤色LED1Rが配置されてなると共に、各画素は基板上に水平方向および垂直方向に一直線に繰り返し配置されている。したがって、図1に示すようにLEDユニット全体を視認側から見ると、水平方向に一直線に配置された所定の一行の画素グループ5ghにおいては、各画素の青色LED1B同士が水平方向に延伸する直線LhB上に位置し、各画素の赤色LED1R同士が水平方向に延伸する直線LhR上に位置している。ここで、直線LhBと直線LhRは互いに交わることのない異なる別の直線である。さらに、垂直方向に一直線に配置された所定の一行の画素グループ5gvにおいては、各画素の青色LED1B同士が直線LvB上に位置し、各画素の赤色LED1R同士が直線LvR上に位置している。水平方向の場合と同様に、直線LvBと直線LvRは互いに交わることのない異なる別の直線である。
【0015】
このように、水平方向においては、青色LED1Bと赤色LED1Rが異なる直線LhBと直線LhR上にそれぞれずれて配置されているので、いくら水平方向における視野角を増減させても、青色LED1Bが赤色LED1Rに完全に隠れてしまうことはなく、同様に赤色LED1Rが青色LED1Bに完全に隠れてしまうことはない。また、垂直方向においては、青色LED1Bと赤色LED1Rが異なる直線LvBと直線LvR上にそれぞれずれて配置されているので、いくら垂直方向における視野角を増減させても、青色LED1Bが赤色LED1Rに完全に隠れてしまうことはなく、同様に赤色LED1Rが青色LED1Bに完全に隠れてしまうことはない。
【0016】
例えば、図2に示すように、図1のLEDユニットを例え図1において右側面真横から見た場合であっても、青色LED1Bと赤色LED1Rは互いに異なる直線上に配置されているので、赤色LED1Rが青色LED1Bに完全に重複してしまうことはない。同様に、特に図示はしないが、図1のLEDユニットを例え図1において左側面真横、真上、真下から見た場合であっても、青色LED1Bと赤色LED1Rは互いに異なる直線上に配置されているので、一方のLEDが他方のLEDに完全に重複して隠れることはない。
【0017】
このように構成することにより、本発明のLEDユニットを水平方向と垂直方向のいずれの方向において視認角度を増減させても、各色のLEDの少なくとも一部分を同時に視野に入れることができる。したがって、視認角度により混色や輝度がずれてくるという問題が大きく軽減される。
【0018】
また、一般にLEDユニットを視認する際は、垂直方向において視認角度を増減させて広範囲にLEDユニットを視認可能とすることよりも、水平方向において視認角度を増減させて広範囲にLEDユニットを視認可能とすることがより重要視される。これは、通常、LEDユニットの設置個所が視認者よりも上方に位置し、縦方向(垂直方向)の視認角度は自動的に限定されるが、横方向(水平方向)の視認角度は問わないことが多いことによる。そのため、本件発明は、少なくとも水平方向において、各色のLEDの少なくとも一部分を同時に視野に入れることが重要なのである。
【0019】
一方、遮光部3は外部からの光を遮光するためのものであり、太陽光または照明等の外部からの光は通常上方から入ってくるため、その上方からの光を遮るために各画素の上部に遮光部3が備えられる。遮光部3を備えることにより各LEDを点灯させる際に各画素において明暗をはっきりさせる(コントラスト比を向上させる)ことができる。すなわち、遮光部3により外部の光が各LEDに直接照射するのを軽減することができるので、本来視認されるべきLEDの発光色を容易に得ることができる。さらに、LEDユニットの視認側における基板表面からエポキシ樹脂の一部まではシリコーン樹脂等からなる充填部材4が充填されている。これにより、ユニット内部に水分が侵入することを防止することができるので、屋外においても使用可能なLEDユニットとなる。
【0020】
さらに、青色LED1Bと赤色LED1Rは、共通に点灯させる必要はなく、互いに独立して点灯させてもよい。これにより、青色LED1Bと赤色LED1Rにより表現可能な中間色全てを得ることができる。
なお、基板は例えばガラスエポキシ樹脂からなり、その表面または内部に所定のパターンで形成された導電性ラインを備える。そして、所定の導電性ラインと対応するLED1R、1B、または電子部品が半田等の導電性部材により電気的に接続されている。また、ケース2および遮光部3を構成する部材は特に限定されないが、本実施の形態では双方に黒色に着色したポリカーボネート樹脂を用いている。また、ケース2及び遮光部3の視認側から確認できる表面には微細な凹凸加工が施してあり、外部からの光を乱反射させ、所謂ギラつきを軽減している。
【0021】
(実施の形態2)
図5〜9に基づいて、本実施の形態のLEDユニットについて説明する。図5は本実施の形態のLEDユニットを視認(正面)側からみた図であり、図6は図5に示すLEDユニットを図5における右側面からみた図である。また、図7は、図5のLvR線についての断面図であり、図8は図7における1つの画素5を示す部分断面図であり、図9は図5における画素5を拡大した正面図である。なお、実施の形態1と同じ作用を有する部位には同一の符号を付している。
【0022】
本実施の形態2のLEDユニットは1画素における青色LED1Bと赤色LED1Rの配置位置および個数が異なる他は実施の形態1と同様に構成される。
具体的には、各画素(各LED)の発光を制御するための制御回路(図示せず)が形成された基板11と各画素に対応させてLEDを配列した基板10とを図7に示すようにケース2に嵌め込んだ後、遮光部3と各画素の範囲(輪郭)を定める枠部3aとが一体で形成された枠体30(図4)を視認側からケース2に嵌め込み、シリコーン樹脂等からなる充填部材4を、各LEDのリード及びエポキシ樹脂の一部(レンズ形状の樹脂のリード側の一部)を埋めるように充填することにより構成される。
【0023】
そして、本実施の形態2では画素5が、1つの青色LED1Bと2つの赤色LED1Rからなり、垂直に取り付けられたLEDユニットを正面から見たときに青色LED1Bの右斜め上と右斜め下に赤色LED1Rがそれぞれ配置されている。つまり、各画素5において、2つの赤色LED1Rが垂直方向に一直線(図5においてLvRの符号を付して示す直線)上に配置されている。
【0024】
ここで、図5に示すように、本実施の形態のLEDユニット全体を視認側から見ると、水平方向に一直線に配置された所定の一列の画素グループ5ghにおいては、各画素の青色LED1B同士が水平方向に延伸する直線LhB上に位置し、各画素の右上に位置する赤色LED1R同士が水平方向に延伸する直線LhR1上に位置し、各画素の右下に位置する赤色LED1R同士が水平方向に延伸する直線LhR2上に位置している。ここで、直線LhB、直線LhR1、および直線LhR2は互いに交わることのない異なる別の直線(互いに平行な直線)であり、好ましくは、直線LhBと直線LhR1の間隔と、直線LhBと直線LhR2の間隔とは同一に設定される。
【0025】
また、垂直方向に一直線に配置された所定の一行の画素グループ5gvにおいては、各画素の青色LED1B同士が垂直方向に延伸する直線LvB上に位置し、各画素の右斜め上および右斜め下に位置する双方の赤色LED1Rが垂直方向に延伸する直線LvR上に位置している。水平方向の場合と同様に、直線LvBと直線LvRは互いに交わることのない異なる別の直線(互いに平行な直線)である。
【0026】
このように、水平方向においては、1つの青色LED1Bと2つの赤色LED1Rが異なる直線LhBと、直線LhR1および直線LhR2上にそれぞれずれて配置されているので、いくら水平方向における視野角を増減させても、青色LED1Bが赤色LED1Rに完全に隠れてしまうことはなく、同様に赤色LED1Rが青色LED1Bに完全に隠れてしまうことはない。また、垂直方向においては、1つの青色LED1Bと2つの赤色LED1Rが異なる直線LvBと直線LvR上にそれぞれずれて配置されているので、いくら垂直方向における視野角を増減させても、青色LED1Bが赤色LED1Rに完全に隠れてしまうことはなく、同様に赤色LED1Rが青色LED1Bに完全に隠れてしまうことはない。
【0027】
例えば、図6に示すように、図5のLEDユニットを例え図5において右側面真横から見た場合であっても、青色LED1Bと赤色LED1Rは互いに異なる直線上に配置されているので、赤色LED1Rが青色LED1Bに完全に重複してしまうことはない。同様に、特に図示はしないが、図5のLEDユニットを例え図5において左側面真横、真上、真下から見た場合であっても、青色LED1Bと赤色LED1Rは互いに異なる直線上に配置されているので、一方のLEDが他方のLEDに完全に重複してして隠れることはない。
【0028】
このように構成することにより、本発明のLEDユニットを水平方向と垂直方向のいずれの方向において視認角度を増減させても、各色のLEDの少なくとも一部分を同時に視野に入れることができる。したがって、視認角度により混色や輝度がずれてくるという問題が大きく軽減される。
【0029】
さらに、本実施の形態2では、ある一定の輝度を確保しつつ所望の混色を得ることを考慮して、1画素において青色LED1つに対して赤色LED2つを使用している。これは、主に、青色LED1つ当たりの輝度が赤色LED1つ当たりの輝度より高いことによる。このように、所定数のLED(以下、「小数LED」ともいう)とそれよりも多数のLED(以下、「多数LED」ともいう)を用い1画素を構成する場合は、図9に示すように、遮光部3と該遮光部と最短に位置する少数の青色LED1Bとの距離dBは、遮光部3と該遮光部と最短に位置する多数の赤色LED1R(右上のLED)との距離dRよりも大きいこと好ましい。
【0030】
例えば、各画素5の上部に遮光部3を備えるLEDユニットを斜め下方から見ると、下に位置する隣接する画素の遮光部3による影響が避けられない。すなわち、見上げる角度によっては、画素の下側に配置されたLEDの一部又は全部が下に隣接する画素の遮光部3によって、隠される場合がある。例えば、図8に示すように、真正面の方向100に対して101の符号を付して示す方向から見上げた場合には、直下の画素に近い側の下半分の領域(図9の斜線部に相当する)のLEDが隠されてしまう。この場合、仮に図9における距離dRを距離dBよりも大きくする(少数である青色LEDを多数である赤色LEDよりも上方に位置させる)と、同一画素内において少数の青色LEDが多数の赤色LEDよりも上に位置する遮光部3に近くなるので、LEDユニットを下方から見上げている視認者には、赤色LEDが直下の画素の遮光部3(下に位置する遮光部3)に遮られ、青色LEDのみが集中的に視野に入ってくることになる。その結果、LEDユニットを正面から視認した場合に比較して、混色により表現される色が大きく異なってしまう。
【0031】
そこで、図9に示すように、上に位置する遮光部3と青色LED1Bとの距離dBが上に位置する遮光部3と右上の赤色LED1Rとの距離dRよりも大きくする、つまり同一画素内において少なくとも1つの多数LEDを少数LEDより上方に位置させることにより、1つ画素5においてLEDの一部が直下の画素の遮光部で隠れてしまう場合であっても、垂直方向におけるある程度の視認角度(従来例より大きい角度)までは各画素の混色性をより一定に保つことができる。
【0032】
図9は、右斜め下の赤色LED1Rと青色LED1Bの下半分が直下の画素の遮光部3により隠れた場合を例示する図である(図9の斜線部が視認できない隠れた領域を表す)。この場合、LEDユニットを真正面から見た場合(斜線部が全くない場合)の青色LED1Bと赤色LED1Rの個数の比は1:2であるのに対し、図9の非斜線部における青色LED1Bと赤色LED1Rの個数の比も0.5:1、つまり1:2である。すなわち、この状態では、1画素全体の輝度は半分になるが、各色のLEDの輝度比が同一であるので、混色による表現色は変わらないことになる。このように、本実施の形態においては、距離dR<距離dBとすることで、垂直方向における比較的大きい視認角度までは、より均一な混色を得ることができるのである。
【0033】
特に、図9に示すように、画素5における青色LEDおよび赤色LEDの配置を、垂直方向に上下対称(直線LhBに対して対称)とすることにより、垂直方向におけるより広い視認角度において、より均一な混色を得ることができると共に、1画素をより小さく構成することができる。この場合、直線LhBが対称軸となり画素5が上下つまり垂直方向に対称となる。
【0034】
特に、本実施の形態2のように、比較的輝度の高い青色LED1つとそれより輝度の低い赤色LEDを2つ用いる場合は、図5等に示すように、青色LED1の発光中心(1つ)と赤色LEDの発光中心(2つ)の3点により三角形を構成するように配置した上で、2つの赤色LEDが直線LhB(この直線は青色LED1の発光中心を通る)に対して対称になるように配置することが好ましい。
なお、図9では、本件発明の効果を容易に理解するために、各色のLEDの輝度比が一定(1:2)になるように斜線部を施したが、斜線部が多少上下しても、このような構成を取ることにより、少数LEDが多数LEDよりも上方に位置する場合に比較して、混色がより一定に保たれることはいうまでもない。
【0035】
なお、本実施の形態2のように、各画素において所定の色のLEDを複数配置する場合は、各画素において同一色の複数のLEDを共通に発光させてもよいし、それぞれ独立して発光させてもよい。例えば、本実施の形態のように画素の上部に遮光部を備える場合は、前に説明したように、視認角度によっては所定の画素における下方のLEDが直下の画素の遮光部に遮られてしまう場合があることから、複数の同色のLEDのうち、所定の画素の上に位置する遮光部3に近い上方に位置するLEDを主に発光させ、それよりも下方に位置するLEDを補足的に発光させることができる。これにより、垂直方向におけるより大きな視認角度でより均一な混色および輝度を得ることができる。
【0036】
一方、実施の形態1および実施の形態2では、LEDが配置された基板10とLEDを駆動するための電子部品が配置された基板11からなる場合について説明したが、例えば、基板10の一方の主面にLEDを配列し、他方の主面に電子部品により制御回路を形成する等、1枚の基板にLEDと電子部品の双方を配置させることもできる。
さらに、実施の形態1及び2のLEDユニットでは、枠部3aと遮光部3が一体で構成された枠体30を用いて構成したが、本発明はこれに限られるものではなく、遮光部3を枠部3aとは別に作製したものであってもよい。
【0037】
また、異なる色を発光する複数のLEDは、赤色LED、青色LEDの2色に限定されず、例えば、赤色LEDと緑色LED、青緑色LEDと赤色LED、青色LEDと黄色LEDなどあらゆる色のLEDを用いることができる。特に、2色のLEDを用いて1画素を構成する場合は、互いに補色関係にあるLEDを選択することにより、白色を含む色を表現することができる。さらには、互いに異なる3色以上のLEDを用いてもよい。さらに、1画素における各LEDの位置関係、個数等は実施の形態1、2に示したものに限定されずあらゆる位置関係、個数とすることができる。いずれにしても、色の組み合わせ、位置関係、各LEDの個数等に係わらず、水平方向および垂直方向に一直線に配置された画素グループにおいて、水平方向および垂直方向に異なる色のLEDが重複しないように、異なる直線上に異なる色のLEDをずらせて配置させることが重要である。
【0038】
また、水平方向または垂直方向に異なる色のLEDそれぞれ全体が完全にずれて配置される必要はなく、異なる色のLEDの少なくとも一部分がずれて配置されればよい。ただし、水平方向または垂直方向に異なる色のLEDを完全にずらせて配置することにより、より広い視野角でより均一な混色および輝度を得ることができる。一方、水平方向または垂直方向に異なる色のLEDの一部分をずらせて配置することにより、1画素をより小さく構成することができる。これらは使用者側で適宜に選択すればよい。
【0039】
さらに、ここでは、リードを基板の貫通穴に挿入させて固定する形式のLEDを用いたが、もちろん、リードを基板表面に実装させる形式のLEDを用いてもよい。また、透明樹脂を用いる場合、その形状は凸状レンズに限定されず、平面状など種々の形状とすることができる。また、基板上に直接LEDチップを配置させてワイヤー等の導電部材により基板の導電パターンとLEDチップを電気的に接続して1画素を構成させてもよい。さらに、透明部材は完全に透明である必要はなく、LEDチップからの光の少なくとも一部を透過できればよい。また、透明部材に蛍光体を含有させることにより、LEDチップからの光を別の波長に変換させることもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、LEDユニットに対して比較的大きな範囲の視認角度において、視認角度によらず、より均一な混色および輝度を得ることができるLEDユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のLEDユニットを視認側からみた図である。
【図2】 図1におけるLEDユニットを右側面からみた図である。
【図3】 実施の形態で使用したLEDの外観を示す図である。
【図4】 枠体の平面図である。
【図5】 実施の形態2のLEDユニットを視認側からみた平面図である。
【図6】 図5におけるLEDユニットを右側面からみた側面図である。
【図7】 図5に示す実施の形態2のLEDユニットのLvR線についての断面図である。
【図8】 図7の一部を示す部分断面図である。
【図9】 図5におけるLEDユニットの画素を拡大した図である。
【符号の説明】
1R…赤色LED、
1B…青色LED、
1a…リード、
1b…透明部材、
2…ケース、
3…遮光部、
4…充填部材、
5…画素。

Claims (3)

  1. 各画素が第1の色に発光する第1のLEDと第2の色に発光する第2のLEDとから構成され、基板上に各画素が複数配置されたLEDユニットにおいて、
    前記LEDユニットは、
    外部からの光を遮光する遮光部を前記各画素の上部にさらに備え、
    前記基板上に、各画素を水平方向および垂直方向に一直線に繰り返し配置するとともに、各画素を1つの第1のLEDと2つの第2のLEDとから構成
    水平方向に一直線に配置された所定の一行の画素グループにおいて、前記第1のLEDと前記第2のLEDそれぞれ水平方向に延伸する異なる別の直線上に配置しかつ、各画素において前記2つの第2のLEDのうちの1つを、前記第1のLEDに対して右側又は左側のいずれか一方の側の斜め上に配置し、前記第2のLEDの他の1つを、前記第1のLEDに対して前記一方の側の斜め下に配置して、垂直方向に下方から見た所定の視認角度まで、各画素における混色性に対する当該画素の直下に位置する前記遮光部による影響を抑制したことを特徴とするLEDユニット。
  2. 前記第1のLED1つ当たりの輝度が、前記第2のLED1つ当たりの輝度よりも高いことを特徴とする請求項に記載のLEDユニット。
  3. 前記LEDユニットの各画素は、垂直方向において上下対称になるように前記第1のLEDおよび前記第2のLEDが配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のLEDユニット。
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