JP3665583B2 - 箱型ヒートパイプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、箱型ヒートパイプに関し、特に、ヒートパイプの本体である箱体からフィンへの伝熱性を高めることによってフィンからの放熱効率を向上させた箱型ヒートパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】
演算処理装置のような発熱する電子部品等を冷却するために、水等の凝縮性の作動液を内部に封入した箱型のヒートパイプが使用されている。このヒートパイプは、銅やアルミニウム等より構成される放熱材と比較すると、数倍から数百倍もの優れた放熱特性を有しており、従って、パーソナルコンピュータをはじめとした多くの電子機器類、あるいは熱関連機器類の冷却素子として広く利用されている。
【0003】
発熱体に取り付けるのに適したフラットな形状を有することで特徴づけられる箱型ヒートパイプは、凝縮時に発せられる作動液よりの熱を効率よく放出するために複数のフィンを箱体上に装着した構成を有しているのが普通であり、フィンを装着したこの構成の箱型ヒートパイプは、優れた放熱特性を有する冷却素子として評価されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のフィン付きの箱型ヒートパイプによると、箱体上にフィンを装着形成する構造上の関係から、箱体からフィンへの伝熱抵抗が大きくなり、このため、確保できる放熱効率に限界を有しているのが難点として挙げられる。
【0005】
従って、本発明の目的は、フィンへの伝熱性を高めることによってフィンからの放熱効率を向上させた箱型ヒートパイプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、作動液を収容する中空室を内部に有し、発熱体に取り付けられる箱体と、前記中空室と連通され、前記箱体より突出して形成されたパイプ体と、前記パイプ体に取り付けられて前記パイプ体より伝わる熱を外部に放出するフィンより構成され、前記パイプ体は前記中空室内にも突出し、その中空室内突出部の先端側は、パイプ中心軸に対して斜めのカット部が形成されて側方に開口していることを特徴とする箱型ヒートパイプを提供するものである。
【0007】
本発明の箱型ヒートパイプにおいては、パイプ体を複数本形成するとともに、これらのパイプ体にフィンを所定の間隔を置いて複数枚取り付ける構成が好ましく、さらに、これらのパイプ体およびフィンの数をできるだけ多く設定することが好ましい。
【0008】
このような構成とするときには、箱体の中空室内で蒸発した作動液が複数本のパイプ体のそれぞれの内部において凝縮現象を起こすとともに、この凝縮による熱が、複数本のパイプ体より複数枚のフィンの複数の個所への伝熱に基づいて放出されるため、効率のよい放熱が行われることとなる。
【0009】
また、パイプ体の内面には、蒸発した作動液の凝縮性能を高めるために凹凸部が形成されていることが好ましく、さらに、この凹凸部の形状としては、作動液の効率的な凝縮性を確保すると同時にパイプ体からフィンへの伝熱性を良好にするため、複数の溝をパイプ体の軸方向に沿って配列するか、あるいは複数または単一の溝を螺旋状に配列した構成であることが好ましい。
【0010】
作動液を収容する箱体の中空室の底部には、作動液の沸騰効率を向上させるための凹凸部が形成されていることが好ましく、その形状としては、高効率の沸騰性能を確保するうえにおいて特に有利となる鋤起こし形状を有していることが好ましい。
【0011】
なお、パイプ体とフィンの間は、これら両者間の強固な結合を確保し、さらに、パイプ体からフィンへの伝熱性をより高度なものとするために、半田付けあるいはろう付け等によってメタル接合されていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による箱型ヒートパイプの実施の形態を説明する。
図1において、1は真空下において内部に水等の作動液(図示せず)の適量を収容するための中空室2を備えた銅の箱体を示し、表面に沸騰性能向上のための鋤起こし形状の凹凸部3を形成した底板4に深絞り加工を施した上蓋5をろう付けすることによって構成されている。6はろう付け部を示す。
【0013】
7は箱体1の上蓋5の上部を貫通して形成された複数本の銅のパイプ体(内径5mm)を示し、その内面には、凝縮性能向上のために、軸方向に沿って複数の溝が並行に配列された凹凸部8が形成されているとともに、その下部先端には、中空室2内で蒸発した作動液の蒸気を内部に取り込みやすくするための斜め切りのカット部9が形成されている。
【0014】
そして、これらのパイプ体7は、上蓋5との間、およびその下部先端と底板4との間をろう付けによって接合されており、10はそのろう付け部を示す。
11はパイプ体7に所定の間隔を置いて取り付けられた0.5mm厚さの複数枚の銅のフィンを示し、ろう付けによるメタル接合部12によってパイプ体7との間を接合されている。
【0015】
図2は、以上の構成の斜視図であり、パイプ体7は5本配置され、そのうちの1本7aが、中空室2内への作動液注入のために使用される。13は注入された作動液を真空の中空室2内に封入するためにパイプ体7aの先端に取り付けられた閉塞用のプラグを示す。
【0016】
以上の構成を有する本実施の形態の箱型ヒートパイプによれば、中空室2と連通したパイプ体7が箱体1より突出して形成されているため、演算処理装置等の発熱体からの熱によって中空室2内で蒸発させられた作動液は、パイプ体7内で凝縮することになる。
【0017】
従って、この凝縮の際に生ずる熱は、パイプ体7に直接取り付けられたフィン11を経て効率的に外部へ放出されることとなり、その結果、従来のフィン付ヒートパイプに比べると、格段に高効率の放熱が行われることとなる。
即ち、フィン11とパイプ体7の結合直下において作動液の凝縮が行われるため、それによる凝縮熱は、抵抗なくフィン11へと伝わり、これに基づく放熱は、必然的に効率化する。
【0018】
しかも、この実施の形態においては、パイプ体7の内面に凹凸部8が形成されているため、パイプ体7内での作動液の凝縮性能は、これによって一層高まり、その分、凝縮に伴う放出熱が大となって、より高効率のもとにフィン11よりの放熱が行われることとなる。
【0019】
箱体1の底板4に鋤起こし形状の凹凸部3が形成されていることも有意義であり、これによって作動液の効率的沸騰が行われる結果、箱型ヒートパイプとしての全体性能が向上する。また、パイプ体7とフィン11がメタル接合部12により一体化されていることも放熱効率を向上させており、パイプ体7とフィン11間でメタル接合に基づく高い伝熱が行われる結果、パイプ体7からの熱は、より効率的に放出されることとなる。
【0020】
さらに、この実施の形態における利点として、高強度構成を挙げることができる。複数本のパイプ体7が箱体1より突出形成され、これに複数枚のフィン11が取り付けられているため、パイプ体7とフィン11が相互に拘束し合って強固なフィン構造を現出させており、従って、フィン11として薄肉の銅板を使用しているにも拘わらず、強固なフィン付箱型ヒートパイプを構成することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による箱型ヒートパイプによれば、作動液が収容される中空室と連通させて箱体よりパイプ体を突出形成し、このパイプ体にフィンを取り付ける一方、カット部が形成されて側方に開口する前記パイプ体の下部が前記中空室内に突出した構成を有するため、パイプ体内での作動液の凝縮に伴う発生熱がパイプ体からフィンに伝熱して効率的に放出されることとなり、従って、放熱効率に優れたフィン付箱型ヒートパイプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による箱型ヒートパイプの実施の形態を示す説明図。
【図2】図1の箱型ヒートパイプの斜視図。
【符号の説明】
1 箱体
2 中空室
3、8 凹凸部
4 底板
5 上蓋
6、10 ろう付け部
7、7a パイプ体
9 カット部
1 フィン
12 メタル接合部
13 プラグ
Claims (6)
- 作動液を収容する中空室を内部に有し、発熱体に取り付けられる箱体と、前記中空室と連通され、前記箱体より突出して形成されたパイプ体と、前記パイプ体に取り付けられて前記パイプ体より伝わる熱を外部に放出するフィンより構成され、前記パイプ体は前記中空室内にも突出し、その中空室内突出部の先端はパイプ中心軸に対して斜めのカット部が形成されて側方に開口していることを特徴とする箱型ヒートパイプ。
- 前記パイプ体は、前記箱体の一面より複数本形成され、前記フィンは、複数本の前記パイプ体に所定の間隔を置いて複数枚取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の箱型ヒートパイプ。
- 前記パイプ体は、その内面に複数の溝を前記パイプ体の軸方向に沿って配列するか、複数または単一の溝を螺旋状に配列して構成されていることを特徴とする請求項1記載の箱型ヒートパイプ。
- 前記箱体は、前記中空室の底部に凹凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の箱型ヒートパイプ。
- 前記凹凸部は、鋤起し形状を有することを特徴とする請求項4記載の箱型ヒートパイプ。
- 前記パイプ体の中空室内突出部の先端は、前記中空室の底部に接していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の箱型ヒートパイプ。
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