JP3665516B2 - 載置装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば半導体ウェハやLCD用ガラス板等のような基板を載置する載置装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば,半導体デバイスの製造工程では,基板としての半導体ウェハ(以下,「ウェハ」という。)を所定の薬液や純水等の洗浄液によって洗浄し,ウェハの表面に付着したパーティクル,有機汚染物,金属不純物等のコンタミネーションを除去する洗浄装置が使用されている。その中でも,洗浄液が充填された洗浄槽内にウェハを浸漬させて洗浄処理を行うウェット型の洗浄装置は広く普及している。
【0003】
かかる洗浄装置では,洗浄前のウェハを例えば25枚収納したキャリアを,搬入部の上面に設けられた搬入側インタフェースポートを介して搬入する。この場合,搬送中にウェハがパーティクルなどによって汚染されないように,容器と,容器の底板が蓋として構成されているSMIFポッド(Standardized Mechanincal Interface Pod)と呼ばれる密閉容器内にキャリアごとウェハを収納し,この状態で洗浄装置に搬送している。搬入部は,例えばアクチュエータによって昇降自在な第1のステージを備え,この第1のステージを,搬入部の内部と搬入側インタフェースポートとの間で昇降移動させている。そして,搬入されたSMIFポッドを,予め搬入側インタフェースポートに上昇した第1のステージ上に載置し,その後,第1のステージを下降させ,容器を搬入側インタフェースポート上に残したまま,底板ごとキャリアを搬入部の内部に移動する。
【0004】
そして,ローダに移送したキャリアからウェハ25枚を一括して取り出す。その後,25枚のウェハを洗浄・乾燥処理部に搬送して,バッチ式に洗浄,乾燥処理する。そして,洗浄・乾燥処理部にて所定の洗浄工程が施されたウェハをアンローダに移送し,予め用意しておいたキャリア内に保持させる。また,搬出部も搬入部と同様に昇降自在な第1のステージを備えている。そして,この第1のステージ上にSMIFポッドの底板を予め載置し,洗浄後のウェハを保持したキャリアを,下降して待機している第1のステージに搬送して第1のステージ上のSMIFポッドの底板に載置する。その後,第1のステージを上昇させ,搬出部の搬出側インタフェースポートに予め置かれているSMIFポッドの容器内にキャリアを収納し,洗浄装置外に搬出する。
【0005】
ここで,洗浄装置におけるバッチ式の洗浄は,ウェハを垂直姿勢で洗浄槽内に収納し各種の洗浄液を用いて行われる。このバッチ式の洗浄は,所定の間隔をもって垂直姿勢に並べられたウェハ同士の間に洗浄液の上昇流を形成させ,ウェハ表面にまんべんなく洗浄液を供給することによって,洗浄効率の向上が図られている。
【0006】
垂直姿勢に比べ搬送時の影響が抑えられるように,SMIFポッドにおいては,水平姿勢でウェハを保持したキャリアを収納し,ウェハを水平姿勢で搬送するようにしている。しかしながら,前述したように洗浄槽内ではウェハを垂直姿勢で洗浄するため,クリーンルーム内で搬送する時のウェハの姿勢と洗浄する時とのウェハの姿勢とが一致しない。
【0007】
そこで,搬入部及び搬出部に,第1のステージとは別に第2のステージを設け,さらに第1のステージと第2のステージとの間でキャリアを回動移動して搬送するキャリア回動手段を設ける。さらに,このキャリア回動手段は,キャリア自体を90゜回動することにより,ウェハの姿勢を垂直姿勢と水平姿勢に変換するように構成されている。そして,搬入部においては,洗浄前のウェハを水平姿勢で保持したキャリアを,キャリア回動手段によって90゜回動してウェハの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変換し,その後にキャリアを回動移動して第2のステージに搬送する。このとき,キャリアは,第2のステージ上の決められた位置に載置される。一方,搬出部においては,アンローダにて洗浄後のウェハを垂直姿勢で保持したキャリアを,第2のステージに移送する。その後,このキャリアをキャリア回動手段によって90゜回動してウェハの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢に変換し,その後にキャリアを回動移動して第1のステージに搬送する。このとき,前述したようにキャリアは,第1のステージ上のSMIFポッドの底板に載置される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,搬入部においては,キャリアを回動移動して第2のステージに搬送するので,第2のステージ上の決められた位置にキャリアを載置しようとしても,キャリアを縦,横方向に移動させてしまう。その結果,第2のステージ上の決められた位置からキャリアが動いてしまい,位置ずれを起こしてしまう。これにより,キャリアを移送するリフタがキャリアを把持し難くなり,第2のステージから次の場所であるローダへキャリアを移送することを困難にさせている。
【0009】
また,搬出部においても,キャリアを回動移動して第1のステージに搬送するので,搬入部と同様に,キャリアを縦,横方向に移動させてしまう。このとき,位置ずれが起こるだけでなく,ウェハの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢に変換しているので,位置ずれによる衝撃によって,キャリアからウェハが水平方向に飛び出すことがある。また,位置ずれに伴いキャリアが傾き,キャリアからウェハが落下して破損する危険性がある。さらに,キャリア回動手段はパルス制御によって操作されているが,例えばノイズ(他の装置からの電波干渉等)によってキャリア回動手段に誤動作(通常よりも回動移動する際の速度が速くなる等)が生じることになれば,ウェハが破損する危険性がより増す。
【0010】
従って本発明の目的は,保持部材を載置する際に保持部材の位置ずれを吸収し修正することができる載置装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために,本発明によれば,基板を保持する保持部材を載置させる装置であって,前記保持部材を特定位置で載置させる載置手段と,前記載置手段を揺動可能に支持し,かつ前記載置手段を所定位置に保持するように付勢する揺動手段とを備え,前記揺動手段は,前記載置手段を鉛直上向きに付勢する上向き付勢機構と,前記載置手段を水平方向に付勢する横向き付勢機構とを備えていることを特徴とする,載置装置が提供される。
【0012】
この載置装置によれば,載置手段が所定位置に固定されておらず,揺動可能なように揺動手段に支持されている。これにより,保持部材を載置手段の特定位置に載置する際に,保持部材を縦,横方向に移動させる力が働くと,載置手段ごと保持部材を横,縦移動させて,保持部材の位置ずれを許容する。その後,保持手段を載置手段の特定位置に載置させた状態で,揺動手段による揺動によって載置手段を所定位置に戻す。保持手段は,例えば載置装置上の決められた位置に設置される。このように,揺動手段によって位置ずれを吸収し修正を行うことができる。従って,位置ずれをなくすことが可能となる。しかも,保持部材を載置するときの衝撃を緩和することができるので,基板の飛び出しや保持部材が傾くことによる基板の落下などを防止でき,基板の破損を防ぐことが可能となる。
【0013】
前記揺動手段は,前記載置手段を鉛直上向きに付勢する上向き付勢機構と,前記載置手段を水平方向に付勢する横向き付勢機構とを備えている。かかる構成によれば,上向き付勢機構,横向き付勢機構によって,位置ずれの吸収と修正を行うことができ,保持部材を載置するときの衝撃を緩和することができる。この場合,上向き付勢機構及び横向き付勢機構のいずれも,1又は2以上備えることが可能である。
【0014】
前記上向き付勢機構は,前記載置手段の下面に当接可能な突起部と該突起部を支持する弾性体とを備えていることが好ましい。かかる構成によれば,上向き付勢機構は,載置手段の下面を好適に付勢することができる。なお,この場合には,突起部を弾性体が直接支持してもよいし,突起部を支持する支持部材に弾性体を設けて間接的に支持するように構成してもよい。
【0015】
前記突起部の突出距離を規制する規制部材が備えられていてもよい。かかる構成によれば,規制部材によって突起部の突出距離が規制されるので,上向き付勢機構が載置手段を必要以上に鉛直上向きに付勢することがない。
【0016】
前記横向き付勢機構は,前記載置手段の側面に当接可能な突起部と該突起部を支持する弾性体とを備えていることが好ましい。かかる構成によれば,横向き付勢機構は,載置手段の側面を好適に付勢することができる。なお,この場合には,突起部を弾性体が直接支持してもよいし,突起部を支持する支持部材に弾性体を設けて間接的に支持するように構成してもよい。
【0017】
前記突起部の突出距離を規制する規制部材が備えられていてもよい。かかる構成によれば,規制部材によって突起部の突出距離が規制されるので,横向き付勢機構が載置手段を必要以上に水平方向に付勢することがない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態について,以下の添付図面を参照して説明する。本実施の形態は,ウェハの搬入,洗浄,乾燥,搬出までをバッチ式に一貫して行うように構成された洗浄装置において,この洗浄装置の構成要素として備えられている載置装置に関するものである。図1は,本実施の形態にかかる載置装置68,110が備えられている洗浄装置1を側面からみた様子を示し,図2は,平面からみた様子を示している。
【0019】
この洗浄装置1は,洗浄前のウェハWを水平姿勢で保持するキャリアCを収納しているSMIFポッド3(Standardized Mechanincal Interface Pod)を搬入し,キャリアCから洗浄前のウェハWを取り出すまでの動作を行う搬入部4と,ウェハWに対して所定の洗浄工程を行う洗浄・乾燥処理部5と,洗浄後のウェハWをキャリアC内に収納し,キャリアCをSMIFポッド3ごと搬出するまでの動作を行う搬出部6との三箇所に大別することができる。なお,搬入部4と搬出部6とを一体化してウェハWの搬入と搬出の両方を行うことができる搬入出部を設けることも可能である。
【0020】
搬入部4は,SMIFポッド3を搬入側インタフェースポート7を介して搬入し,その後,第1のステージ37によってSMIFポッド3からキャリアCを取り出し,キャリア回動手段50によってキャリアCを90゜回動してウェハWの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変換し,第2のステージ51に搬送し,その後,キャリアCをリフタ9によってローダ10に移送するように構成されている。
【0021】
洗浄・乾燥処理部5には,その前面側に,搬送装置11が配置されており,この搬送装置11は,洗浄装置1の長手方向(図1及び図2中のX方向)に沿ってスライド自在である。また,搬送装置11は,昇降自在(図1中のZ方向)に構成された支持部12にウェハチャック13a,13bを支持しており,これらウェハチャック13a,13bによって,キャリアC2個分の(例えば50枚の)ウェハWを一括して保持し,搬入部4側から搬出部6側にウェハWを搬送することができる。
【0022】
洗浄・乾燥処理部5においては,薬液を用いて薬液洗浄した後に純水を用いてリンス洗浄を行う,いわゆるワンバス方式の第1の薬液・リンス洗浄装置14と,第1の薬液・リンス洗浄装置14で使用された薬液と異なる薬液を用いて薬液洗浄し,その後に純水を用いてリンス洗浄を行う第2の薬液・リンス洗浄装置15と,搬送装置11のウェハチャック13a,13bを洗浄,乾燥するためのウェハチャック洗浄・乾燥装置16と,ウェハWを例えばイソプロピルアルコール(IPA)蒸気を用いて最終的に乾燥させる乾燥装置17とが搬入部4側から搬出部6側に順次配置されている。
【0023】
なお以上の配列や薬液・リンス洗浄装置の組合わせは,ウェハWに対する洗浄の種類によって任意に組み合わせることができる。例えば,ある薬液・リンス洗浄装置を減じたり,逆にさらに他の薬液・リンス洗浄装置を付加してもよい。
【0024】
搬出部6は,アンローダ18にて洗浄後のウェハWを垂直姿勢でキャリアC内に保持させ,このキャリアCをリフタ19によってアンローダ18から第2のステージ51に移送し,その後,キャリア回動手段50によってキャリアCを90゜回動してウェハWの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢に変換し,その後,第1のステージ37に搬送し,その後,キャリアCをSMIFポッド3内に収納して搬出側インタフェースポート21を介して搬出するように構成されている。
【0025】
次に,本実施の形態にかかる載置装置68が備えられた搬入部4について説明する。図3は,搬入部4を正面からみた様子を示し,図4は,搬入部4を平面からみた様子を示し,図5,6は,搬入部4を側面からみた様子を示している。まず,図7に示すように,キャリアCを収納するSMIFポッド3は,底部が開口している透明な容器30と,この容器30の底部を開閉する底板31とから構成されている。従って,例えば25枚のウェハWを並列に整列させて水平姿勢で保持しているキャリアCを,底板31の位置止め部材32,33に合うように載せ,その上から容器30を被せることにより,キャリアCを密閉した状態で洗浄装置1に搬送することができる。
【0026】
図3,5及び図6に示すように,搬入側インタフェースポート7の下方に設けられた第1のステージ37は,アクチュエータ35の昇降軸36に接続されており,アクチュエータ35の稼働によって昇降自在(図3,5及び図6中のZ方向)となっている。搬入側インタフェースポート7には開口部40が形成されている。図5で示した第1のステージ37は,アクチュエータ35の稼働によって,この開口部40に上昇した状態を示している。SMIFポッド3を搬入側インタフェースポート7に搬入する際には,この状態で,開口部40の周縁部にSMIFポッド3の下面を載置するとともに,底板31を第1のステージ37上に載置する。そして,図6に示すように,アクチュエータ35の稼働によって,容器30を搬入側インタフェースポート7に残したまま,第1のステージ37を下降させる。このように,キャリアCを外部雰囲気に接触する機会がないまま搬入部4の内部に搬入するので,ウェハWを清浄な状態に保つことができる。
【0027】
第1のステージ37に隣接しているキャリア回動手段50は,第1のステージ37に載置されたキャリアCを90゜回動してウェハWの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変更し,キャリア回動手段50に隣接している第2のステージ51に搬送するようになっている。キャリアCが搬送される第2のステージ51は,レール52に沿って昇降自在(図3のZ方向)な昇降部材53に取り付けられている。
【0028】
キャリア回動手段50は,キャリアCを把持するチャック54が4個取り付けられたアームヘッド55と,アームヘッド55を支持し,アームヘッド55に把持されたキャリCを第1のテーブル37と第2のテーブル51で搬送するアーム56と,アーム56を回動自在に支持する支持部57とを備えている。前述したようにキャリアCを下降させる際には,図3に示すように,邪魔にならないように,アームヘッド55及びアーム56を実線55,56で示す位置に回動させて,斜めに傾いた姿勢で待機させる。その後にキャリアCがキャリア回動手段50に受け渡し可能な状態になると,アームヘッド55及びアーム56を,図3中の二点鎖線55’,56’に示す位置に回動させ,図6に示すように,キャリアCをキャリア回動手段50が把持できるようになっている。
【0029】
図3及び図4に示すように,第2のステージ51には,開口部60,61が形成されており,これら開口部60,61は,後述するシリンダ65のロッド66が通過自在な通過部62によって連通している。第2のステージ51の下方には,レール63に沿ってスライド自在なスライド部材64が設けられ,このスライド部材64の上面に前述したシリンダ65が固着されている。そして,シリンダ65のロッド66は移動テーブル67に接続され,この移動テーブル67上には,本実施の形態にかかる載置装置68が固定されている。従って,移動テーブル67及び載置装置68は,昇降自在(図3中のZ方向)であると共に,開口部60,61の配置方向と平行な方向(図3及び図4中のY方向)に移動自在である。
【0030】
搬入部4において,キャリア回動手段50が,第1のステージ37から第2のステージ51へキャリアCを搬送する場合について図8〜12に基づいて説明すると,まず図8は,図6に示したようなキャリア回動手段50がキャリアCを把持した際の様子を側面から示したものである。一方,第2のステージ51は,開口部60から移動テーブル67及び載置装置68が突き出てくるような位置に下降した状態となっている。次いで,図9に示すように,第1のステージ37を下降させ,キャリアCから底板31を離してキャリアCをキャリア回動手段50に受け渡すようになっている。
【0031】
次いで,図10に示すように,キャリア回動手段50は,キャリアCを90゜回動しウェハWの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変換するようになっている。次いで,図11に示すように,キャリア回動手段50は,ウェハWの姿勢は変えないでキャリアCを回動移動(旋回)して第2のステージ51に搬送するようになっている。
【0032】
このとき,図12に示すように,キャリアCは,第2のステージ51の開口部60から突き出ている載置装置68上に載置されるようになっている。本実施の形態にかかる載置装置68は,キャリアCを特定位置イで載置させる載置手段70と,載置手段70を揺動可能に支持し,かつ載置手段70を所定位置ロに保持するように付勢する揺動手段71とを備えている。
【0033】
図13は,載置装置68の斜視図であり,図14は,その断面図であり,図15は,その平面図である。図13及び図14に示すように,載置手段70は,キャリアCを載置する載置ステージ72と,この載置ステージ72を受容する受容部材73を有している。載置ステージ72の上面には,キャリアCを特定位置イで固定できるように,位置決め部材75,75が設けられている。また,載置ステージ72の下面には凹部77,77,77が三つ穿設されており,一方,受容部材73の上面には,各凹部77に対応した凸部78,78,78が三つ設けられている。受容部材73による載置ステージ72の受容は,各凹部77と各凸部78をはめ込ませることにより行われるようになっている。
【0034】
揺動手段71は基台79を備えている。この基台79の上面には,受容部材73を鉛直上向きに付勢する上向き付勢機構80,80,80,80,80が5個設けられている。図14に示すように各上向き付勢機構80は,受容部材73の下面に形成された穴部81に当接可能な突起部82と,この突起部82を支持する蛇腹上の伸縮自在なカバー体83を有し,このカバー体83の内部にはスプリングバネ84が設けられている。
【0035】
また,基台79の上面には,突起部82の突出距離を規制する略T字形状の規制部材85,85,85,85が4個固着されている。図14に示すように,受容部材73には,各規制部材85の上端部86が侵入可能な空間87が各々形成されており,各空間87の下部には,上端部86を支持する支柱88を相対的に昇降及びスライド移動させる通過部89が形成されている。通過部89の幅は上端部86の幅よりも短いので,各上向き付勢機構80の付勢によって載置手段70が必要以上に鉛直上向きに付勢されても,規制部材85の上端部86の下面が,空間87を形成する底面に当たることになり,載置手段70の浮き上がりを防止する構成となっている。
【0036】
基台79の四方側面には,横向き付勢機構90,90,90,90が各々設けられている。図16は,この横向き付勢機構90の斜視図であるが,図15及び図16に示すように,各横向き付勢機構90においては,突起部91,91が支支持部材92,92によって支持され,この支持部材92,92はプレート体93に水平姿勢で固着されている。さらに,このプレート体93は支持部材94,94によって支持されている。支持部材94,94はプレート体93を貫通しているので,プレート体93は支持部材94,94に沿ってスライド移動できるように構成されている。支持部材94,94の先端部には,後述する規制部材95,95が固着されている。そして,支持部材92,92,プレート体93を介して突起部91,91を支持する支持部材94,94全体に,スプリングバネ96,96が巻き付けられている。また,支持部材94,94は,基台79の側面に垂直に取り付けられたプレート体97に水平姿勢で固着されている。前述したプレート体93のスライド移動が円滑に行えるように,プレート体93にはガイド軸100が固着されており,このガイド軸100は,プレート体97に取り付けられた2つの軸受部材101,101に支えられながら,プレート体97を貫通してスライド移動するようになっている。
【0037】
こうして,各横向き付勢機構90は,受動部材73の各々側面に突起部91,91を当接させて揺動手段71を水平方向に付勢している。また,各横向き付勢機構90は四方から均等に載置手段70を付勢しているので,揺動手段71は,キャリアCを載置しないときには載置手段70を所定位置ロで保持するようになっている。この場合,スプリングバネ96,96の付勢によってプレート体93がスライド移動し,突起部91が水平方向に横移動することになるが,前述した規制部材95,95の径は,支持部材94,94の径よりも大きいため,プレート体93のスライド移動は,規制部材95,95の所で必ず止まる。これにより,プレート体93が支持部材94,94から外れることを防止し,突起部91の突出距離を必要以上に伸びないように規制する構成となっている。
【0038】
ここで,先に図11で説明したように,キャリアCを載置装置68に載置した瞬間には,載置装置68には負荷がかかる。図17は,このときの様子を示した断面図であり,図18は,その平面図である。即ち,図17中のA1方向に下向きの加重がかかり各上向き付勢機構80のカバー体82が縮んで歪むようになっている。また,キャリアCを特定位置イで載置した載置手段70は,このままの状態で,図18中の例えばA2方向に縦移動するとともに図17及び図18中のA3方向に横移動する。そして,載置手段70は,図17及び図18中の右側の横向き付勢機構90と図18中の下側の横向き付勢機構90から離れ,図17中の上側の横向き付勢機構90をA2方向に,図17及び図18中の左側の横向き付勢機構90をA3方向に押し込むようになっている。
【0039】
その後,スプリングバネ84,96,96の復元力により,各上向き付勢機構80は載置手段70を鉛直上向きに付勢し,左側及び上側の横向き付勢機構90は載置手段70を水平方向に付勢するようになっている。こうして,図19及び図20に示すように,載置手段70は所定位置ロに戻され,キャリアCは載置装置70上の決められた位置ハに設置されるようになっている。この決められた位置ハは,キャリアCを載置する瞬間を除いて,特定位置イと一致している。
【0040】
このように載置装置68にキャリアCが載置されると,移動テーブル67が開口部61に移動する。その後,移動テーブル67は下降し,下降する途中で開口部61の周縁にキャリアCを載置する。続いて,移動テーブル67が開口部60側に戻ると,次のキャリアCが載置装置68に載置される。その後,移動テーブル67が下降することにより,開口部60の周縁にキャリアCを載置する。
【0041】
リフタ9は,一対の把持部105a,105bを備え,図2及び図4中のX方向,図2〜4中のY方向,図3中のZ方向に移動自在に構成されている。第2のテーブル51にキャリアCが2個載置されると,第2のテーブル51は,図3に示すように上昇するようになっている。その後,リフタ9が,第2のテーブル51からローダ10にキャリアCを移送するようになっている。そして,ローダ10で,ハンド106,106によって,キャリアCから垂直姿勢でウェハWを取り出すようになっている。
【0042】
また,搬出部6にも,本実施の形態にかかる載置装置110が備えられている。図21は,搬出部6を側面からみた様子を示しているが,図21に示すように,載置装置110は,第1のステージ37上に設けられている。また,搬出部6においては,搬出側インタフェースポート21に置かれているSMIFポッド3の容器30にキャリアCを収納することになるので,載置装置110は,予めSMIFポッド3の底板31を受容している。なお,搬出部6に備えられた構成要素の内,前記搬入部4に備えられた構成要素と同一の機能及び構成を有するものについては,同一符号を付することにより,重複説明を省略する。
【0043】
搬出部6において,キャリア回動手段50が,第2のステージ51から第1のステージ37へキャリアCを搬送する場合について図22〜25に基づいて説明する。まず,洗浄後のウェハWを垂直姿勢で保持しているキャリアC2個をリフタ19によって第2のステージ51に移送した後,図22に示すように,第2のステージ51を下降させる。キャリア回動手段50は,4個のチャック54をキャリアCを把持できる位置まで前進させて,キャリアCを把持するようになっている。次いで,図23に示すように,第2のステージ51を下降させ,キャリアCをキャリア回動手段50に受け渡す。キャリア回動手段50は,チャック54を僅かながら後退させてキャリアCを引き寄せるようになっている。次いで,図24に示すように,キャリア回動手段50は,キャリアCを90゜回動しウェハWの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢に変換するようになっている。次いで,図26に示すように,キャリア回動手段50は,キャリアCを回動移動して予め下降していた第1のステージ37に搬送するようになっている。
【0044】
図26は,このときの状態を示す斜視図である。図26に示すように,載置装置110は,載置手段111と揺動手段71とを備えており,載置手段111は,SIMFポッド3の底板31を受容する専用の受容部材112を有している。
【0045】
次に,以上に構成された本実施の形態にかかる載置装置68,110の作用,効果を図1の洗浄装置1におけるウェハWの所定の洗浄工程に基づいて説明する。先ず,図示しない搬送ロボットが,未だ洗浄されていないウェハWを例えば25枚水平姿勢で保持したキャリアCを収納したSMIFポッド3を,搬入部4の搬入側インタフェースポート7に搬入する。そして,図6に示したように,第1のステージ37を下降させ,SMIFポッド3の容器30からキャリアCを取り出す。次いで,図8〜11に示したように,キャリア回動手段50は,第1のステージ37からキャリアCを受け取り,このキャリアCを90゜回動してウェハWの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変換し,その後,キャリアCを回動移動して第2のステージ51に搬送する。
【0046】
このとき,キャリアCは,第2のステージ51の開口部60から突き出ている載置装置68に載置されるが,キャリアCを回動移動しているので,載置装置68に対しては負荷がかかる。図15に示したように,かかる載置装置68によれば,載置手段70が所定位置イに固定されておらず,揺動可能なように揺動手段71に支持されている。これにより,載置手段70にキャリアCを載置手段70の特定位置イに載置する際に,キャリアCを縦,横方向に移動させる力が働くと,図16及び図17に示したように,載置手段70ごとキャリアCを横,縦移動させて,キャリアCの位置ずれを許容する。この場合,図17に示したように,各上向き付勢機構80は縮み,図18に示しように,上側の横向き付勢機構90はA2方向に,左側の横向き付勢機構90はA3方向に押し込まれることになるので,キャリアCを載置するときの衝撃を緩和することができる。
【0047】
図20に示したように,その後,揺動手段71による揺動によって,載置手段70を所定位置イに戻し,キャリアCを載置装置68上の決められた位置ハに設置する。この場合,規制部材85によって突起部82の突出距離が規制されるので,各上向き付勢機構80が載置手段70を必要以上に鉛直上向きに付勢することがない。従って,載置手段70の浮き上がりを防止することができる。また,同じく規制部材95によって突起部91の突出距離が規制されるので,上側及び左側の横向き付勢機構90が載置手段70を必要以上に水平方向に付勢することがない。そして,移動テーブル67のスライド移動によってキャリアCを開口部61の上方に移動させる。前述したようにキャリアCが載置装置70上の決められた位置ハに設置されているので,移動テーブル67を下降させると,第2のステージ51において開口部61側の決められた位置にキャリアCを載置することができる。
【0048】
続いて,移動テーブル67は開口部60側に戻り,先と同様にキャリア回動手段50によって次のキャリアCが載置装置68に載置される。この場合も,キャリアCが載置装置70上の決められた位置ハに設置されることになるので,このまま移動テーブル67を下降させると,第2のステージ51において開口部60側の決められた位置にキャリアCを載置することができる。このように,揺動手段71によって位置ずれを吸収し修正を行うことができる。従って,キャリアCの位置ずれをなくすことが可能となる。そして,第2のテーブル51にキャリアCが二つ揃うと,第2のテーブル51は上昇することになるが,これらキャリアCは第2のステージ51上の決められた位置に載置されているので,リフタ9は,キャリアCをローダ10に円滑に移送することができる。
【0049】
洗浄・乾燥処理部5で所定の洗浄工程が施されたウェハWは,アンローダ18に移送されてキャリアC内に垂直姿勢で保持され,その後,第2のステージ51に移送される。次いで,図22〜25に示したように,キャリア回動手段50は,第2のステージ51からキャリアCを受け取り,このキャリアCを90゜回動してウェハWの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢に変換し,その後,キャリアCを回動移動して第1のステージ37に搬送する。キャリアCは,SMIFポッド3内に収納されて洗浄装置1から搬出され,第2のステージ51に載置された次のキャリアCに対しても同様の操作が行われて洗浄装置1から搬出される。
【0050】
この場合も,載置装置110は,載置装置68と同様に,位置ずれの吸収と修正を行い,キャリアCを載置するときの衝撃を緩和することができる。特にキャリアCではウェハWは水平姿勢で保持されているので,このように衝撃を緩和することにより,キャリアCからウェハWが飛び出したりキャリアCが傾くことによるウェハWの落下などを防止でき,ウェハWの破損を防ぐことが可能となる。
【0051】
しかも,パルス制御によって操作されているキャリア回動手段50にノイズ(他の装置からの電波干渉など)によって誤動作(通常よりも回動移動する際の速度が速くなる等)が生じることになっても,このような載置装置68,110であれば,十分に対処することができウェハW破損の危険性を低減することができる。
【0052】
かくして,本実施の形態の載置装置68,110によれば,位置ずれの吸収と修正を行い,キャリアCを載置するときの衝撃を緩和することができる。従って,キャリアCを次の場所へ,即ち,リフタ9を介してローダ10に円滑に移送することが可能となる。また,ウェハWの破損を防ぐことが可能となる。その結果,ウェハW及びキャリアCの安全,確実な搬入出が行えるようになる。
【0053】
なお,本発明は,上記本実施の形態に限定されるものではなく,種々の態様を採り得るものである。例えば搬入部4において,第1のステージ31上に前記載置装置68を設ける一方で,図27及び図28に示すように,移動テーブル67上に簡易に構成された載置装置120を設けるようにしても良い。載置装置120の上面には,キャリアCの足を載置するために図示のような凹部121が形成されている。この凹部121の各隅部には,位置決め部材122と,位置決め部材122を付勢するスプリングバネ123,123とが設けられると共に,各スプリングバネ123を取り付け可能なようにするための空間124が計2箇所形成されている。かかる構成によれば,第1のステージ31上に設けられた載置装置68により,搬送ロボットや工場内の作業者が搬入部4の搬入側インタフェースポート7にSMIFポッド3を搬入する際の衝撃を緩和することができる。また,載置装置120によれば,載置装置68と同様の作用・効果を得ることができる。
【0054】
なお,本発明は,バッチ式にウェハを洗浄する洗浄装置に即して説明したが,これに限らず所定の処理を行うその他の装置,例えば枚様式にウェハを洗浄する装置やウェハ上に所定の処理液を塗布する装置などにも適用することができる。また基板にはウェハを使用した例を挙げて説明したが,本発明はかかる例には限定されず,例えばLCD基板や他の基板にも応用することが可能である。
【0055】
【発明の効果】
この載置装置によれば,位置ずれの吸収と修正を行い,保持部材を載置するときの衝撃を緩和することができる。従って,保持部材を次の場所へ円滑に移送することや,基板の破損を防ぐことが可能となる。その結果,基板及び保持部材の安全,確実な搬入出が行えるようになる。
【0056】
上向き付勢機構が載置手段の下面を好適に付勢することができる。そして,請求項4によれば,上向き付勢機構が載置手段を必要以上に鉛直上向きに付勢することがない。
【0057】
横向き付勢機構は,載置手段の側面を好適に付勢することができる。そして,横向き付勢機構が載置手段を必要以上に水平方向に付勢することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる載置装置を備えた洗浄装置の様子を示す側面図である。
【図2】図1の洗浄装置の様子を示す平面図ある。
【図3】搬入部の様子を示す正面図である。
【図4】搬入部の様子を示す平面図である。
【図5】第1のステージが開口部に上昇した際の搬入部の様子を示す側面図である。
【図6】キャリア回動手段にキャリアを受け渡すことができるように第1のステージが下降した際の搬入部の様子を示す側面図である。
【図7】SMIFポッド及びキャリアの斜視図である。
【図8】搬入部において,キャリア回動手段によって第1のステージから第2のステージにキャリアを搬送する場合の第1の動作説明図である。
【図9】搬入部において,キャリア回動手段によって第1のステージから第2のステージにキャリアを搬送する場合の第2の動作説明図である。
【図10】搬入部において,キャリア回動手段によって第1のステージから第2のステージにキャリアを搬送する場合の第3の動作説明図である。
【図11】搬入部において,キャリア回動手段によって第1のステージから第2のステージにキャリアを搬送する場合の第4の動作説明図である。
【図12】搬入部において,載置装置にキャリアを載置した際の斜視図である。
【図13】載置装置の斜視図である。
【図14】載置装置の断面図である。
【図15】載置装置の平面図である。
【図16】横向き付勢機構の斜視図である。
【図17】載置装置にキャリアを載置した時の様子を示す断面図である。
【図18】載置装置にキャリアを載置した時の様子を示す平面図である。
【図19】載置装置にキャリアを載置した後の様子を示す断面図である。
【図20】載置装置にキャリアを載置した後の様子を示す平面図である。
【図21】搬出部の様子を示す側面図である。
【図22】搬出部において,キャリア回動手段によって第2のステージから第1のステージにキャリアを搬送する場合の第1の動作説明図である。
【図23】搬出部において,キャリア回動手段によって第2のステージから第1のステージにキャリアを搬送する場合の第2の動作説明図である。
【図24】搬出部において,キャリア回動手段によって第2のステージから第1のステージにキャリアを搬送する場合の第3の動作説明図である。
【図25】搬出部において,キャリア回動手段によって第2のステージから第1のステージにキャリアを搬送する場合の第4の動作説明図である。
【図26】搬出部において,載置装置にキャリアを載置した際の斜視図である。
【図27】載置装置の他の例を示す平面図である。
【図28】載置装置の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置
68,110 載置装置
70 載置手段
71 揺動手段
80 上向き付勢機構
82,91 突起部
84,96 スプリングバネ
85,95 規制部材
90 横向き付勢機構
イ 特定位置
ロ 所定位置
W ウェハ
C キャリア
Claims (5)
- 基板を保持する保持部材を載置させる装置であって,
前記保持部材を特定位置で載置させる載置手段と,
前記載置手段を揺動可能に支持し,かつ前記載置手段を所定位置に保持するように付勢する揺動手段とを備え,
前記揺動手段は,前記載置手段を鉛直上向きに付勢する上向き付勢機構と,前記載置手段を水平方向に付勢する横向き付勢機構とを備えていることを特徴とする,載置装置。 - 前記上向き付勢機構は,前記載置手段の下面に当接可能な突起部と該突起部を支持する弾性体とを備えていることを特徴とする,請求項1に記載の載置装置。
- 前記突起部の突出距離を規制する規制部材が備えられていることを特徴とする,請求項2に記載の載置装置。
- 前記横向き付勢機構は,前記載置手段の側面に当接可能な突起部と該突起部を支持する弾性体とを備えていることを特徴とする,請求項1,2又は3に記載の載置装置。
- 前記突起部の突出距離を規制する規制部材が備えられていることを特徴とする,請求項4に記載の載置装置。
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