JP3665101B2 - プレス金型加工方法およびキー - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はプレス金型加工方法及びキーに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体部品、例えばフェンダー、フード、ルーフ、ドア、クォータパネル等をプレス成形するために使用される金型は、比較的大寸法でかつ大重量であり、機械加工の際、加工機械のベッドにプレス金型となる素材、即ち被加工物を位置決め固定する等の作業、所謂段取りが厄介な作業になっている。
【0003】
一方プレス金型の加工精度は、プレス加工製品の品質、生産性、信頼性に大きく影響を及ぼすことから高い精度が要求される。
【0004】
この対策としてプレス金型となる鋳物等の素材が搬入された段階で、加工の基準となる基準面、キー溝等を加工し、更に基準穴を加工した後、後の工程での加工に際し、これらを基準として利用することが一般に行われている。
【0005】
具体的に説明すると、図14に示すように、加工機械のベッド101上にプレス金型となる一対の上下型となる素材Wa、Wbのうちの一方、例えば下型用素材Wbを位置決め固定し、所定の箇所を切削加工し、かつ同じ要領で上型用素材Waを切削加工する。これら切削加工の際、基準として使用されるのがキー溝102である。
【0006】
一方加工機械のベッド101にもキー溝103が形成されていて、例えば下型用素材Wbに形成されたキー溝102とベッド101に形成されたキー溝103との間に、図14(a)に断面を示すようにキー104を挿入し、加工機械のベッド101と下型用素材Wbとの相対位置決めを行い、クランプ装置(図示せず)によって固定する。
【0007】
下型用素材Wbに形成されたキー溝102は、特開平2−11231号公報に示されるように、加工後、プレス型の下型としてプレス機に装着する際、ボルスタの上面から突出して固定された係合突起に嵌合してボルスタと下型との相対位置決め機能を果たす位置決め溝として使用される。
【0008】
また、対向する各部材に形成されたキー溝間に挿入されて部材間の相対位置決め機能を果たすキーの先行技術としては、例えば特開平5−223112号公報に開示され、かつ図15に斜視図を示すように、テーパー凹部105aが一側面に形成された一対の細長いブロック105を対向せしめ、その間にテーパーピン106が嵌合するようにブロック105とテーパーピン106とを組合せて位置決めすべき対向する部材に形成されたキー溝間に挿入し、ナット107を回転せしめることによりテーパーピン106をブロック105に対して軸方向に相対移動させることにより両ブロッック105間を押し拡げてキーをキー溝の側面に押圧固定するように構成したものが提案されている。
【0009】
キー及びキー溝によって加工機械のベッド101の所定位置に位置決めされ、固定された下型用素材Wbは切削工具、例えばエンドミルを用いて、予め設定された制御情報に従うNCプログラミングによる切削加工が施されてプレス金型の下型となる。
【0010】
加工機械によっての下型用素材Wbの切削加工は、先ずNCコントローラの工具オフセット機能を用いて下型用素材Wbの輪郭形状を工具の移動経路としてNCプログラミングを行い、使用する工具の外径の半分、即ち工具の半径をオフセット量としてNCコントローラに与え、所望の輪郭形状を切削加工する。この時使用する工具の外径を測定する方法は、一般にツールプリセッタやマイクロメータが用いられる。ツールプリセッタやマイクロメータによる工具径の測定には、人為によることから測定誤差が生じ易く、その作業には熟練を要し、かつ加工精度に大きく影響する。更に加工機械のスピンドルの回転が振れ、或いはスピンドルの中心と工具中心とがずれていて工具の回転が振れると使用する切削工具によって切削すべき切削量に比べ、実際の切削量が大となるおそれがある。
【0011】
輪郭形状が切削加工された下型用素材Wbは、続いてNCプログラミングに従ってNCコントローラからの指示によって移動するボールエンドミル等の切削工具によってプレス型の形状面となる部位を切削加工する。下型用素材Wbは特に鋳鋼等の難削材が用いられることから、工具の刃先に冷却空気を吹付けて加工部位を冷却しつつ切削加工を施す。
【0012】
しかし、プレス型の形状面は一般に凹凸形状であることから、冷却空気が十分に到達し得ない部位があり、切削加工面が高温となり熱硬化を起こし、工具の刃先に切りクズの微粒が付着して構成刃先が発生して加工面に食い込みムシレが発生して品質の低下を誘発するおそれがある。この不具合を回避するために切削速度を低下せしめている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記プレス金型の加工方法によると、加工機械のベッドに形成されたキー溝と、プレス金型となる素材に形成されたキー溝との間にキーを挿入してベッドと素材との相対位置決めを行い、ベッドとの相対位置決めがなされた素材に切削加工を施している。しかし素材及びベッドに各々形成されるキー溝及びキーの寸法には加工公差を有することからベッドと素材との間には取付誤差が生じ、プレス金型の加工精度の低下を招き、プレス金型の一対の上型と下型との間の加工精度の低下を誘発するおそれがあり、取付誤差の縮少を図るためキー溝及びキーの加工精度を高めるには高加工精度の加工設備を要し、かつ加工工数の増大を招く等の不具合があり、また上記特開平5−223112号公報に開示されるキーを用いることも可能であるが、各々別個に形成される一対のブロック及びテーパーピン等を組合せて使用することから、その作業は困難を来たし、かつ部品個数が多くその部品の管理維持が煩雑になる等の不具合がある。
【0014】
従って、本発明の目的は、キー溝及びキーの加工精度を高めることなく、加工機械のベースと素材との取付精度を高めプレス金型の加工精度の向上が得られるプレス金型加工方法及びキーを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のプレス金型加工方法は、加工機械のベッドに形成されたキー溝と上型用或いは下型用の素材に形成されたキー溝との間にキーを挿入して上記素材を位置決め固定してNCプログミングに従って移動する切削工具によって切削加工するプレス金型加工方法において、上記キーが、外観略矩形板状であって、頂部に開口すると共に上記記キー溝の長さ方向側に対応する両端部の一端部から他端部に達する切欠部が形成されて上記キー溝の長さ方向に連続する断面コ字形で、かつ上記切欠部の対向する内面に上記一端部から他端部へ移行するに従って次第に隙間が小となる一対のテーパー面を具備するスライドキーと、上記各テーパー面にそれぞれ整合する一対のテーパー部を具備するテーパーピンと、上記スライドキーの切欠部の相対向する内面間に亘って形成された押しネジ用ネジ部に螺合して相対回転することにより上記テーパーピンをスライドキーに対して軸方向に押動せしめる押しネジと、を有し、上記キーのスライドキーを上記ベッドに形成されたキー溝に嵌装し、該キー溝から突出するスライドキーの頂部に前記素材に形成されたキー溝を嵌合せしめ、上記押しネジを相対回転してテーパーピンを押動して上記テーパー面に押接するテーパー部によりスライドキーを押し広げて素材に形成されたキー溝に押接させて上記ベッドと素材との相対位置決めを果たすことを特徴とする。
また、本発明によるキーは、加工機械のベッドに形成されたキー溝と素材に形成されたキー溝との間に挿入して素材を位置決めするキーにおいて、外観略矩形板状であって、頂部に開口すると共に上記キー溝の長さ方向側に対応する両端部の一端部から他端部に達する切欠部が形成されてキー溝の長さ方向に連続する断面コ字形で、かつ該切欠部の対向する内面に上記一端部から他端部へ移行するに従って次第に隙間が小となる一対のテーパー面及び上記切欠部の相対向する内面間に亘って形成された押しネジ用ネジ部を具備するスライドキーと、相対向する各テーパー面に整合する一対のテーパー部を具備して前記切欠部内に配置されるテーパーピンと、上記押しネジ用ネジ部に螺合して相対回転することにより上記テーパーピンをスライドキーに対して軸方向に押動せしめる頂端を有する押しネジと、を有することを特徴とする。
【0016】
【実施例】
本発明におけるプレス金型加工方法及びキーの一実施例を図によって詳細に説明する。
【0017】
図1は、プレス金型となる鋳物等からなる上型用素材Wa及び下型用素材Wbの斜視図であって、これら上型用素材Wa及び下型用素材Wbは、搬入された段階で各々加工の基準となる基準面1、2、キー溝3、4、基準穴等を加工する。
【0018】
基準面1、2、キー溝3、4、基準穴等が加工された上型用素材Wa及び下型用素材Wbは、加工機械、例えば門型のNC加工機械のベッドに位置決め固定されて切削加工される。
【0019】
加工機械のベッドに例えば下型用素材Wbを位置決め固定する手段は、図2に示すように、ベッド10に形成されたキー溝11内にキー20を配設し、上方からクレーン(図示せず)等により、下型用素材Wbを降下させて下型用素材Wbの基準面2に形成したキー溝4をベッド10から突出するキー20の頂部に嵌合させ、かつキー20をその幅方向に押し広げてキー溝4の側面に圧接せしめることによりベッド10と下型用素材Wbとの相対位置決めを果たす。符号12はベッド10と下型用素材Wbの基準面2との間に介装されて下型用素材Wbの高さ方向(Z方向)の位置調整機能を果たすスペーサである。
【0020】
キー20は図3に分解斜視図を、図4にそのA−A線断面を示すように、スライドキー21と、テーパーピン30と、押しネジ41と、ストッパ48と、ウレタンゴム等の弾性材料製のパッキン55とによって構成されている。
【0021】
スライドキー21は上記キー溝4、11の幅より若干、例えば0.01〜0.02mm程度小さな寸法幅aを有する外観略矩形板状で、かつ頂部22に開口して両端がキー溝4、11の長さ方向側に対応する両端部の一端部23から他端部24に達する切欠部25が形成されて、キー溝4、11の長さ方向に断面略コ字状で連続している。切欠部25の頂部22付近は、スライドキー21の一端部23から他端部24側へ移行するに従って順次小となる間隙を形成する一対のテーパー面26、26が対峙形成されている。切欠部25の内面25a、25aの一端部23側には相対向する内面25a、25a間に亘って形成される押しネジ用ネジ部27、27が設けられ、かつ他端部24側にはパッキン55が収容され、更にストッパ48の外周に形成されるネジ部49を螺合するストッパ用ネジ部28、28が形成されている。
【0022】
一方テーパーピン30は、細長いブロック31及びブロック31の下部から垂下する板状のガイド部32を有し、ブロック31の両側面が前記テーパー面26、26に整合するテーパー部33、33になっていて、幅の大きな方の長手方向の端部34に円筒状の凹部35が形成され、他端部36には円柱状の凸部37が形成されている。そしてガイド部32の先端32aがスライドキー21の切欠部25の底部25bに当接してテーパー部33、33がスライドキー21のテーパ面26、26と対向する位置に位置決めされる。
【0023】
そして押しネジ41は、略円柱状で外周に押しネジ用ネジ部27、27に螺合するネジ部42を有し、頂端43にはテーパーピン30に形成した凹部35に嵌入する円柱状の突起44を、基端45には締付工具が嵌合する工具係合孔46を各々有し、押しネジ用ネジ部27、27に押しネジ41を螺着して相対回転することにより押しネジ41の頂端43によってテーパーピン30を軸方向に押圧移動させ、テーパーピン30のテーパー部33、33がテーパー面26、26を押圧することによりスライドキー21の切欠部25を押し広げてスライドキー21の側面に形成した位置決め部29、29をキー溝4の側面に圧接させる。
【0024】
更にストッパ48は略円柱状で外周にネジ部49を有し、先端50にテーパーピン30の凸部37を受容する凹陥部51が、基端52に締付工具が嵌合する工具係合孔53が各々形成されていて、スライドキー21に形成されたストッパ用ネジ部28、28に螺着して相対回転せしめてその先端50が凸部37に嵌合するパッキン55を介してストッパ48の先端50をテーパーピン30の他端部36に弾接することにより、押しネジ41によって挿動するテーパーピン30の移動を阻止するように構成されている。
【0025】
このように構成されたキー20を用いてベッド10に下型用素材Wbを配設するには、図4に示すように先ず、予めスライドキー21の切欠部25内にテーパーピン30を嵌装し、ストッパ用ネジ部28、28にストッパ48を螺合してパッキン55を介してストッパ48の先端50でテーパーピン30の他端部36を押圧し、かつ押しネジ41を押しネジ用ネジ部27、27に螺着させることによりその突起44をテーパーピン30の凹部35に挿入せしめて一体的に組立てたキー20を加工機械のベッド10に形成されたキー溝11に挿入する。
【0026】
次にクレーン等により下型用素材Wbを下降させて、下型用素材Wbに形成されたキー溝4を、ベッド10のキー溝11から突出するスライドキー21の頂部22に嵌合させ、予めベッド10に配設されたスペーサ12に接する直前で下型用素材Wbの下降を停止する。
【0027】
下型用素材Wbが停止した状態で、押しネジ41を相対回転させて押しネジ41の頂端43によってテーパーピン30を押圧する。すると、テーパーピン30はその他端部36によってパッキン55を圧縮変形させつつスライドキー21に対して軸方向に相対移動し、テーパーピン30のテーパー部33、33がスライドキー21のテーパー面26、26に押接して切欠部25を押し広げ、スライドキー21の両側面にある位置決め部29、29が下型用素材Wbに形成されたキー溝4の側面に接してスライドキー21の位置決め部29、29とキー溝4の側面との間の隙間がなくなる。
【0028】
スライドキー21の位置決め部29、29とキー溝4の側面とが接した状態でクレーン等により懸吊された下型用素材Wbを再び下降してベッド10上に敷設するスペーサ12上に載置して下型用素材Wbの位置決めを完了する。また押しネジ41を逆方向に回転して緩めることにより下型用素材Wbのキー溝4とキー20との位置決めを解除することができる。
【0029】
このように構成するキー20によれば、スライドキー21とテーパーピン30、押しネジ41、ストッパ48等を組合わせてベッド10のキー溝11に挿入した状態で下型用素材Wbのキー溝4を嵌合せしめ、押しネジ41を回転させることによりスライドキー21に対してテーパーピン30を軸方向に極めて円滑に相対移動させることができ、それにより切欠部25を押し拡げてキー20とキー溝4との間の隙間がなくなりキー20とキー溝4とが容易に締結固定され、スライドキー21とキー20の構成部品の加工精度が比較的低くともベッド10と下型用素材Wbとの相対位置決めが高精度で達成できる。更にキー20を構成するスライドキー21、テーパーピン30、押しネジ41、ストッパ48、パッキン55等が一体的に予め組立て準備することが可能であることから、各構成部品の管理維持が容易になる等の効果を有する。また同様の方法により上型用素材Waも加工機械のベッド10に位置決め固定される。
【0030】
下型用素材Wb及び上型用素材Waを加工機械により切削加工するには、各加工機械の機種相互間においてズレ等の加工精度が異なることから同一加工機械或いは同一機種の加工機械によって対応する一対の下型用素材Wbと上型用素材Waとを加工することが好ましく、この加工機械は図5に概要斜視図を示すように、被加工物となる下型用素材Wb及び上型用素材Wa等を載置するベッド10、ベッド10の両側に沿って(X方向)に移動する一対のコラム12、12、コラム12、12間に横架支持されてコラム12、12に沿って上下方向(Z方向)に摺動移動するクロスバー13、クロスバー13に沿って(Y方向)に摺動移動するホルダ支持部14、ホルダ支持部14に支持されて上下動するホルダ15とを有し、ベッド10とコラム12、12、コラム12、12とクロスバー13、クロスバー13とホルダ支持部14、ホルダ支持部14とホルダ15との各相互移動は、予めプログラミングされたNCコントローラの支持によって移動する。
【0031】
ホルダ15を上下動可能に支持する支持部は、図5の矢印B方向から見た正面図を図6に、矢印C方向から見た平面図を図7に示すようにホルダ支持部14の両側に形成した支持部側案内部14a、14aと、この案内部14a、14aに係合して上下方向に摺動するホルダ15の両側に形成されたホルダ側案内部15a、15aとを具備し、ホルダ15に設けられたスピンドル16に取付けられた工具を回転駆動するためのモータ17がホルダ15の中心部に対して一方の摺動部側に偏心して配設されている。従って支持部側案内部14a、14a及びホルダ側案内部15a、15aに対して偏荷重が作用し、使用により摺動部の摩耗に起因してホルダ15がクロスバー13の延伸方向(Y方向)に傾倒し、ホルダ15の上下移動(Z方向)時にスピンドル16が傾倒してスピンドル16の垂直度、従ってスピンドル16に設けられた工具の垂直度の確保が困難になり、加工精度、特にクロスバー13の延伸方向(Y方向)の加工精度の低下を招き、上型用素材Waと下型用素材Wbとの相互間の加工精度、例えば剪断刃のクリアランス等の精度が得られず仕上工程における調整及び修正作業が必要となる。
【0032】
この対策として、同一加工機械、或いは同一機種の加工機械間においては、スピンドル16の垂直度等に起因するズレ等の上記不具合が同一或いは同一傾向で発生することに着目し、本実施例のようにホルダ15の上下移動(Z方向)に際してスピンドル16がクロスバー13の延伸方向(Y方向)に傾倒する傾向のある加工機械に対しては、図2に示すようにその不具合発生方向(Y方向)の軸線(Y軸)に対して上型用素材Wa及び下型用素材Wbが恰も反転するかのように加工機械のベッド10に前記キー20による位置決めを行う。そしてスピンドル16に取付けた工具により上型用素材Wa及び下型用素材Wbを切削加工することにより、加工機械に起因する上型用素材Wa及び下型用素材Wb間の相対的な加工ズレを防止し、上型と下型との相対位置精度の向上を図る。
【0033】
加工機械による下型用素材Wb或いは上型用素材Waの切削加工は、NCコントローラの工具オフセット機能を用いて下型用素材Wb或いは上型用素材Waの輪郭形状を工具の移動経路としてNCプログラミングを行い、使用する工具の外径の半分をオフセット量としてNCコントローラに与え、所望の輪郭形状を切削加工するが、この切削加工に先行して工具径を測定してオフセット量を決定する。
【0034】
この工具径の測定を図8によって説明する。図中符号56は、加工機械のスピンドル可動範囲内に固定されたセンサとなるリミットスイッチである。
【0035】
径を測定すべき工具をスピンドル16に取付けた後、工具径自動測定プログラムに従って、工具57をリミットスイッチ56の近傍の測定開始位置58へ移動させ、スピンドル16を切削加工時の回転方向に対して逆回転せしめ、工具57をリミットスイッチ56に接近させて、工具57がリミットスイッチ56に接触した位置を読み取り自動記憶する。次にリミットスイッチ56から工具57を非接触状態となるように退避させ、再度工具57をリミットスイッチ56に接近させて工具57をリミットスイッチ56に接触させ、その位置を読み取りこれを記憶する。
【0036】
このリミットスイッチ56に工具57が接触する位置の測定を数回繰返し、測定精度を確保する。
【0037】
この測定値より、スピンドル16の振れ等を勘案してオフセット量を求め、NCコントローラのオフセット量として登録し、工具57を測定開始前の位置に復帰させて、測定したオフセット量を用いたNCプログラミングにより輪郭加工を自動的に行う。
【0038】
またプレス型の形状面の加工は、例えば切削工具として図9に示すボールエンドミル60を使用したNCプログラミングにより切削加工される。ボールエンドミル60による切削加工には、切削加工に先行して図10のように素材Wbの被加工面62に切削剤として粘度の高いペースト状の潤滑剤63例えばネジ切りの際に切削剤として使用される所謂タッピングペーストを塗布する。
【0039】
被加工面62に塗布されたペースト状の潤滑剤63はボールエンドミル60による切削加工に伴う加工熱によって液状化してボールエンドミル60の刃先61と被加工材との間に流入して切削剤として作用し、切削時の摩擦抵抗が減少する。摩擦抵抗の減少により切削熱の発生が抑制されて被切削材即ち素材Wa或いはWbの熱硬化が回避されて切削性が向上し工具の摩耗が減少して工具の耐久性が得られ、かつ構成刃先の発生が防止されて構成切刃による加工面のムシレ喰い込みの発生が減少して切削面の平滑性が得られ、高品質の加工面が得られる。従ってプレス型の形状面が確保でき、かつ切削速度の向上が達成できる。
【0040】
また、予め被加工面62にペースト状の潤滑剤63を塗布することから、被加工面の形状にかかわらず冷却効果が得られ、冷却空気の吹付けが廃止でき、切削粉等の飛散による作業環境の悪化を招くことがなくなり、かつ後処理作業の軽減が図れる。
【0041】
実験の1例として鋳鋼(OKS−S)からなる素材の被加工面に従来のように冷却空気を吹付けて工具径50mmのボールエンドミル60で切削加工した場合と、被加工面にペースト状潤滑剤を約0.5mmの厚さで塗布して同様に工具50mm径のボールエンドミル60で切削加工した場合を対比すると、被加工面の表面の加工硬化による硬度が従来の方法ではHRC(ロックウエルCスケール硬度)10であったものが、HRC2〜3と大幅に減少し、図11に示すように切削速度を125.6m/minから23.5m/min、送り速度を320mm/minから600mm/minに高めることが可能になり、1m2 当りの切削に要する作業時間を17.34H/m2 から9.25H/m2 に縮少できる。
【0042】
また加工硬化の抑制に伴う切削抵抗の軽減に起因して図12に示すようにムシレ、喰込みが回避されて加工面の粗さ、即ちカプスの高さも150ミクロンから45ミクロンまで減少され、仕上工程での作業が大幅に削減できる。更にボールエンドミル60の先端摩耗においても図12に従来幅方向において1mm、長さ方向において5ミクロンの摩耗を要した切削加工においても幅方向において0.25mm、長さ方向において1.25ミクロンと大幅に摩耗量を軽減でき、工具の大幅な耐久性の向上が得られる等の効果が確認された。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した本発明のプレス金型加工方法及びキーによると、加工機械のベッドに形成されたキー溝に断面コ字形で相対向する内面に一対のテーパー面を具備するスライドキーと、このテーパー面に整合する一対のテーパー部を具備するテーパーピンと、テーパーピンをスライドキーに対して軸方向に押動せしめる押しネジとを有するキーを嵌装し、このキー溝から突出するキーの頂部にプレス金型となる素材に形成されたキー溝を嵌合させて、押しネジによってテーパーピンを押動し、スライドキーを押し広げてキー溝に押接してベッドと素材との相対位置決めを果たすことから、スライドキー、テーパーピン等の加工精度が比較的低くともベッドと素材との相対位置決めが高精度で達成でき、キー溝、キー等の加工精度を高めることなく、プレス金型の加工精度の向上が得られ、キーを予め組立てて準備することが可能であり、キーの各構成部品の管理維持が容易になる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプレス金型加工方法及びキーの一実施例を説明する上型用素材及び下型用素材の斜視図である。
【図2】同じく、上型用素材及び下型用素材を加工機械のベッドへ位置決め固定する状態を示す斜視図である。
【図3】同じく、キーの分解斜視図である。
【図4】同じく、図3のA−A線断面図である。
【図5】同じく、加工機械の概要を説明する斜視図である。
【図6】同じく、図5の矢印B方向から見た要部正面図である。
【図7】同じく、図5の矢印C方向から見た要部平面図である。
【図8】同じく、工具径の測定を説明する概要説明図である。
【図9】同じく、加工方法を説明する概要説明図である。
【図10】同じく、加工方法を説明する概要説明図である。
【図11】同じく、従来の切削加工条件と比較する図である。
【図12】同じく、従来の切削加工面と比較する図である。
【図13】同じく、従来の切削加工工具との摩耗状態と比較する図である。
【図14】従来の加工方法を説明する概要説明図である。
【図15】従来のキーを説明する斜視図である。
【符号の説明】
Wa 上型用素材
Wb 下型用素材
4 キー溝
10 ベッド
11 キー溝
16 スピンドル
20 キー
21 スライドキー
22 頂部
23 一端部
24 他端部
25 切欠部
26 テーパー面
27 押しネジ用ネジ部
28 ストッパ用ネジ部
30 テーパーピン
33 テーパー部
35 凹部
37 凸部
41 押しネジ
43 頂端
44 突起
48 ストッパ
50 先端
51 凹陥部
56 リミットスイッチ
57 切削工具
60 ボールエンドミル
62 被加工面
63 潤滑剤

Claims (7)

  1. 加工機械のベッドに形成されたキー溝と上型用或いは下型用の素材に形成されたキー溝との間にキーを挿入して上記素材を位置決め固定してNCプログミングに従って移動する切削工具によって切削加工するプレス金型加工方法において、
    上記キーが、
    外観略矩形板状であって、頂部に開口すると共に上記キー溝の長さ方向側に対応する両端部の一端部から他端部に達する切欠部が形成されて上記キー溝の長さ方向に連続する断面コ字形で、かつ上記切欠部の対向する内面に上記一端部から他端部へ移行するに従って次第に隙間が小となる一対のテーパー面を具備するスライドキーと、
    上記各テーパー面にそれぞれ整合する一対のテーパー部を具備するテーパーピンと、
    上記スライドキーの切欠部の相対向する内面間に亘って形成された押しネジ用ネジ部に螺合して相対回転することにより上記テーパーピンをスライドキーに対して軸方向に押動せしめる押しネジと、を有し、
    上記キーのスライドキーを上記ベッドに形成されたキー溝に嵌装し、該キー溝から突出するスライドキーの頂部に前記素材に形成されたキー溝を嵌合せしめ、上記押しネジを相対回転してテーパーピンを押動して上記テーパー面に押接するテーパー部によりスライドキーを押し広げて素材に形成されたキー溝に押接させて上記ベッドと素材との相対位置決めを果たすことを特徴とするプレス金型加工方法。
  2. 上記上型用素材のベッドへの位置決め固定に対しして下型用素材を、上記加工機械における摺動部の摩耗に起因して加工精度が低下する方向と直交する方向に反転してベッドに位置決め固定することを特徴とする請求項1に記載のプレス金型加工方法。
  3. 上記加工機械の切削工具を取付けるスピンドルの可動範囲にリミットスイッチを設け、該切削工具を切削加工回転方向に対して逆回転せしめてリミットスイッチに接触させて、その接触位置から切削工具のオフセット量を求め、このオフセット量を用いたNCプログラミングにより素材を切削加工することを特徴とする請求項1または2に記載のプレス金型加工方法。
  4. 切削加工すべき素材の加工面に予めペースト状の潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のプレス金型加工方法。
  5. 加工機械のベッドに形成されたキー溝と素材に形成されたキー溝との間に挿入して素材を位置決めするキーにおいて、
    外観略矩形板状であって、頂部に開口すると共に上記キー溝の長さ方向側に対応する両端部の一端部から他端部に達する切欠部が形成されて上記キー溝の長さ方向に連続する断面コ字形で、かつ該切欠部の対向する内面に上記一端部から他端部へ移行するに従って次第に隙間が小となる一対のテーパー面及び上記切欠部の相対向する内面間に亘って形成された押しネジ用ネジ部を具備するスライドキーと、
    相対向する各テーパー面に整合する一対のテーパー部を具備して前記切欠部内に配置されるテーパーピンと、
    上記押しネジ用ネジ部に螺合して相対回転することにより上記テーパーピンをスライドキーに対して軸方向に押動せしめる頂端を有する押しネジと、を有することを特徴とするキー。
  6. 上記スライドキーが、
    上記切欠部の上記他端部近傍において対向する内周面間に亘って形成されたストッパ用ネジ部と、
    該ストッパ用ネジ部に螺合して相対回転することによって先端がストッパ用ネジ部内に収容される弾性材料製のパッキンを介在してテーパーピンに弾接してテーパーピンの軸方向移動を阻止するストッパと、を有することを特徴とする請求項5に記載のキー。
  7. 上記押しネジが頂部に突起を有し、上記テーパーピンが上記突起と嵌合する凹部及び前記パッキンが嵌合する凸部を有し、かつ上記ストッパの先端に上記凸部が嵌合する凹陥部を有することを特徴とする請求項6に記載のキー。
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