JP3007343B1 - ツールセッティングゲージ - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 縦スライドブロックのＺ軸方向の摺動特性が
良好なツールセッティングゲージを得る。 【解決手段】 ツールの径及び長さを測定するツールセ
ッティングゲージであって、コラム部１１と縦スライド
ブロック２１との間に、スラストローラーベアリング２
３を配置した転がり案内面を構成すると共に、面接触に
よって縦スライドブロック２１をＸ軸方向に規制する摺
動面１３，２５を配置して滑り案内面を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ツールセッティン
グゲージ、詳しくは、旋盤やフライス盤等の切削用ツー
ルの径及び長さを測定するためのツールセッティングゲ
ージに関する。

【０００２】

【従来の技術と課題】一般に、ツールセッティングゲー
ジにおいては、コラム部にＺ軸方向に移動自在に設けた
縦スライドブロック上にＺ軸と直交するＸ軸方向に移動
自在な横スライドブロックを設け、スピンドルに装着さ
れたツールの直径や長さを測定している。従来、縦スラ
イドブロックをコラム部に対してＺ軸方向に摺動させる
摺動面は、大別すると、アリ溝、角溝を研削やすり合わ
せ等にて構成した滑り案内面方式と、スラストローラー
ベアリング等を使用した転がり案内面方式のいずれかが
採用されていた。しかし、それぞれ一長一短を有するも
のであった。

【０００３】即ち、滑り案内面方式では、平面が接触し
て摺動するため、振動の減衰特性や繰り返し精度、真直
性は良好であるが、摩擦係数が大きく、スティックスリ
ップを発生しやすく、精密測定のための微妙な動きに追
従しにくいという問題点を有していた。一方、転がり案
内面方式では、摺動面間にベアリングが介在されている
ため、摩擦係数が小さくスティックスリップは発生しに
くいが、減衰特性や繰り返し精度、真直性に劣るという
問題点を有していた。

【０００４】そこで、本発明の目的は、スライドブロッ
クの摺動特性が良好な、即ち、減衰特性や繰り返し精
度、真直性が良好で、摩擦係数が小さく、スティックス
リップの発生しにくいツールセッティングゲージを提供
することにある。

【０００５】

【発明の構成、作用及び効果】以上の目的を達成するた
め、本発明に係るツールセッティングゲージは、コラム
部とスライドブロックとの間に、スライドブロックをコ
ラム部に対して第１の軸方向に案内するスラストベアリ
ングを配置して転がり案内面を構成すると共に、面接触
によってスライドブロックを前記第１の軸方向と直交す
る第２の軸方向に規制する摺動面を配置して滑り案内面
を構成した。

【０００６】即ち、本発明に係るツールセッティングゲ
ージでは、滑り案内面方式と転がり案内面方式を併用す
ることによって、それらの長所を生かし、短所を解消す
るようにした。従って、スライドブロックの減衰特性や
繰り返し精度、真直性が良好となり、摩擦係数が小さ
く、スティックスリップが発生しにくい理想的なツール
セッティングゲージを得ることができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の一実施形態であ
るツールセッティングゲージの概略構成を示す。図１に
示す概略構成は、従来と同じ形態であり、１はベース、
２はスピンドル、３はドローバー、４はスピンドルクラ
ンプレバーである。６はスピンドル２に装着されたテス
トバーであり、実際の測定時にはテストバー６に代えて
ツールが装着される。

【０００８】さらに、１０はデジタルカウンタ、１１は
コラム部、２１は縦スライドブロック、３０は横スライ
ドブロックである。３１は投影機、３２はＺ軸ダイヤル
ゲージ、３３はＺ軸デジタルスケール、３４はＺ軸送り
ハンドルである。また、３５はＸ軸ダイヤルゲージ、３
６はＸ軸デジタルスケール、３７はＸ軸微調整ドラム、
３８は微調整軸受、３９はＸ軸早送りハンドルである。
これらの部材は従来からその測定機能と共に周知であ
り、詳細な説明は省略する。

【０００９】次に、図２を参照して縦スライドブロック
２１のＺ軸方向の摺動機構について説明する。コラム部
１１と縦スライドブロック２１との間には、第１の摺動
機構として、スラストローラーベアリング２３を配置し
た転がり案内面を有し、第２の摺動機構として、互に面
接触する摺動面１３，２５を配置した滑り案内面を有し
ている。転がり案内面はコラム部１１に固定したレール
として機能するサブブロック１２と、縦スライドブロッ
ク２１に固定したサブブロック２２とによって構成され
ている。滑り案内面はコラム部１１の両側部に形成した
摺動面１３と、縦スライドブロック２１に取り付けたブ
ロック２４の摺動面２５とによって構成されている。こ
のブロック２４は縦スライドブロック２１に両側部から
螺着したボルト２６によって鋼球２７を介して内方に押
圧され、摺動面１３，２５が密着するようになってい
る。

【００１０】また、縦スライドブロック２１には駆動用
ボールねじ１５に螺着したナット２８が固定されてい
る。従って、縦スライドブロック２１はボールねじ１５
の正転／逆転に伴ってナット２８と一体的にＺ軸方向に
スライドする。このとき、縦スライドブロック２１はス
ラストローラーベアリング２３を介してＺ軸方向にガイ
ドされると共に、摺動面１３，２５によってＸ軸方向に
規制されつつＺ軸方向にガイドされる。

【００１１】本実施形態においては、縦スライドブロッ
ク２１のＺ軸方向のスライドに関して、滑り案内面方式
と転がり案内面方式とを併用しているため、両方式の長
所が合わせて発揮され、短所が相殺される。即ち、減衰
特性や繰り返し精度、真直性が良好であり、摩擦係数が
小さく、スティックスリップが発生しにくい。

【００１２】なお、本発明に係るツールセッティングゲ
ージは前記実施形態に限定するものではなく、その要旨
の範囲内で種々に変更することができる。特に、前記実
施形態においては、本発明を縦スライドブロックに適用
したものを示したが、横スライドブロックに適用するこ
ともできる。この場合は、横スライドブロックのＸ軸方
向の摺動特性が改善される。さらに、滑り案内面に関し
てはＶ字形状に構成してもよい。また、転がり案内面に
関してはローラーベアリングに代えてボールベアリング
を用いてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るツールセッティングゲージの一実
施形態を示す正面図。

【図２】前記ツールセッティングゲージの縦スライドブ
ロックの断面図。

【符号の説明】

１１…コラム部 １２…サブブロック（レール） １３…摺動面 １５…駆動用ボールねじ ２１…縦スライドブロック ２２…サブブロック ２３…ローラーベアリング ２５…摺動面 ２８…ナット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スピンドルに装着されたツールの径及び
   長さを測定するツールセッティングゲージにおいて、 コラム部とスライドブロックとの間に、スライドブロッ
   クをコラム部に対して第１の軸方向に案内するスラスト
   ベアリングを配置して転がり案内面を構成すると共に、
   面接触によってスライドブロックを前記第１の軸方向と
   直交する第２の軸方向に規制する摺動面を配置して滑り
   案内面を構成したこと、 を特徴とするツールセッティングゲージ。